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UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会

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2016年6月26日、UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会が、スペイン・バルセロナで、世界委員会の前日に開催され、キャシン議長(オーストラリア)、梅原副議長(日本・全印刷)、スーサイ副議長(マレーシア)、アムヌイ副議長(タイ)が出席した。2016年4月に開催されたUNI Apro執行委員会において、UNI Aproにおける担当部長がクリストファー・ウン地域書記長(兼任)からラジェンドラ・アチャリャ地域書記次長(兼任)に変更することが確認された。また、UNI本部における人事異動のため、UNI世界印刷・パッケージング部会担当局長も3月、アンディ・スノッディからハビエル・カルレスに変更となった。従って今次委員会はアチャリャ部長及びカルレス局長にとって初の委員会となった。

スーサイ副議長は、マレーシアにおける各部門の状況を報告した。マレーシアUNI加盟協は2013年、マッピング調査を経て、パッケージング部門の6社(マレーシア企業及び外資企業)を組織化ターゲットに設定した。そのうち、レンゴー(日本のパッケージング会社)では当初、経営側が組合を認めず秘密投票が実施された。80%を超える組合支持票を得て組合承認、協約締結に至った。レンゴーはネパール人従業員の秘密投票参加を認めており、UNIネパール加盟協の協力を得、組合チラシをネパール語に翻訳してネパール人従業員に呼びかけたことも成功の一因となった。その後、レンゴーと組合は「スマート労使関係」のコンセプトで労使関係を構築し、2016年のメーデーには、レンゴー経営陣は組合を尊重する模範的な使用者として、UNIマレーシア加盟協によって「スマートパートナーシップ賞」を授与された。また新聞部門では、デジタルニュースで働く労働者も含めるよう組合規約を変更した。

オーストラリアでも新聞部門の業務及び労働者は大幅に減った。正規労働者は契約労働者に置き換わり、デジタルニュースの雇用の多くはインドのIT労働者にアウトソースされ、組織化が難しくなっている。

セキュリティ印刷部門の組織化については、全印刷の支援により、インドのセキュリティ印刷労組(ナシック工場)がUNI加盟を果たした。今後、インド国内の他の工場(ハイデラバードや造幣工場)の労組へも働きかけていく。11月にインド・ムンバイで、インド以外の国からもセキュリティ印刷労組を結集した会議を開催する予定である。梅原副議長は、日本における印刷・パッケージング部門の組織拡大についても現状を報告し、協力と理解を要請した。

アムヌイ副議長は、「タイの多くの工場でカンボジア、ミャンマー、ラオス等近隣国からの移民労働者が働いているが、移民労働者や契約労働者は組合員対象外なので、組合員数は減少している。キンバリークラークでも移民労働者が30%を占め、彼らを組織化したい」と述べ、他の国ではいかに移民労働者や契約労働者を組織しているか訊ねた。キャシン議長は、「オーストラリアには就労のために移民して来るアジア人が多く、学生ビザでも働くことができる。法律では最低基準を守ればよいとしているが、外国人の賃金はオーストラリア人に比べ相当低い。使用者がオーストラリアの会社ではなくアジアの派遣会社である場合、オーストラリアの法律が適用外となるケースがある。また外国人が組合に入ると、使用者はパスポートを取り上げ本国に送り返したりするケースがある」との問題を共有した。

2017年は部会大会が開催される。4年間の行動計画を策定するにあたり、議長・副議長で分野を担当し、今後協議を重ねていくこととした。

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サンジーブ氏、UNI Apro南アジア金融労組協議会(SAFSUC)の議長に

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2016年6月19日午後、Apro金融部会委員会メンバーも出席して、UNI Apro南アジア金融労組協議会(SAFSUC)開会セッションが開かれた。

冒頭、SAFSUC議長職は、インド最大の金融労組、ステート銀行労組のUNI再加盟に伴い、サンジーブ同労組書記長が担うことが確認され、ミリンド暫定議長からサンジーブ氏に引き継ぎを象徴するハンマーが手渡された。来賓としてW.D.J.セネビラトネ労働・労使関係大臣はスリランカの労働事情や労使関係について講演すると共に、SAFSUCの発展を祈念しサンジーブ新議長に祝辞を述べた。南アジアの金融労組は各国の労働運動を牽引する主導的役割を果たしている。ASETUC(ASEANサービス労組協議会)やフィリピン銀行産業において健全な三者社会対話が発展しているように、南アジアにおいても政労使の対話の仕組みを確立するため、SAFSUCの果たす役割が期待されている。サンジーブ議長は、南アジアの金融労組を結束させ、共通の課題に協力して取組むことを誓った。

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また、ミリンド前議長、今年末にUNI米州地域書記長に就任予定のモンザネUNI世界金融部会担当局長、田原UNI Apro金融部会議長の三氏に、それぞれの貢献をたたえ感謝の楯が贈呈された。


第19回UNI Apro金融部会委員会、持続可能な金融産業を目指して

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2016年6月18~19日、スリランカ・コロンボで第19回UNI Apro金融部会委員会が開催された。田原UNI Apro金融部会議長は、プリヤラル担当部長の母国での初めての開催となることを喜び、規制とデジタル化の影響や、仕事の付加価値をいかに向上させていくか等、積極的な議論を期待すると挨拶した。

各国報告について日本からは、福田三井住友信託銀行従組副委員長が今年の交渉結果について賃金改善や環境改善を勝ち取ったことを報告した。宮井損保ジャパン日本興亜労組委員長は、リーマンショック後、経営統合が加速したが、業務効率化と生産性向上に労使で取組み雇用を維持したと述べた。渡邊三菱UFJ信託銀行従組委員長は、信託銀行及び組合におけるCSRの取組み事例を紹介すると共に、地域経済統合の金融産業に及ぼす間接的影響と労働規制緩和について注視していく、と述べた。

国有金融機関が多く存在する南アジア諸国ではバーゼル規制はまだ本格的に導入されていないが、自己資本比率の引上げや合併は今後起こると予想され、組合としては、遠隔地への転勤命令等による特に女性従業員への影響は大きいとみている。また、オンライン取引の増加やデジタル化による仕事への影響も注視している。

ウンUNI Apro地域書記長は、「グローバル化による競争激化で新たなITの利用が加速し、従来の金融商品・サービスは変化し、伝統的な金融産業の仕事は無くなるだろう」と述べた。「だからこそ国境を越えた組合間の定期的な情報交換やリサーチ、分析が不可欠だ。組織率が低下し労働組合が少数派になっている今、いかに影響を抑え、機会を最大限生かすか、箱から出てマインドセットを変えなければならない」と鼓舞した。地域統合に関しては、ILO中核的労働条約の尊重を含む「労働の章」が盛り込まれたTPPは前向きに捉えるべきだとし、TPPより規模が大きい世界最大の経済圏RCEP(東アジア地域包括的経済連携)に欠けている社会/労働条項の議論に労働組合の関与が足りない点に苛立ちを見せた。UNI AproはASEANサービス労組協議会(ASETUC)を通じてASEANの政府及び使用者と社会/労働条項をASEANレベルで議論できる信頼関係と環境づくりに邁進してきた。組合の社会的責任とパートナーシップ労使関係の普及を掲げる労働組合とは協力する価値があると、政府及び使用者に認識させることができたからこそ、ASEAN各国の労働省から協議を受けるようになった。フィリピン銀行産業三者対話における労働組合の役割という最良事例をASEAN全体そしてSAARC(南アジア地域協力連合)にも、更にはRCEPへと拡大していかなければならないと訴えた。

今次委員会では、ラニー・ジャヤマハ氏(スリランカ中央銀行前副総裁、世界銀行・南アジア主席顧問)を特別ゲストに迎え、「規制強化の影響:金融包摂を広げるアジアの多様な金融システム」と題する基調講演を受けた。ラニー氏は、金融制度の安定化とシステミックリスク予防のために規制は必要だが、一律な規制強化が金融危機の万能薬ではなく、金融機関のビジネスと収益性とのバランスが重要だと強調した。その上で、規制当局と金融機関は技術革新による金融包摂に目を向けるべきで、組合は生産性の向上、健全な対話等を通じて交渉力を立て直し、競争力をつけガバナンス原則を順守しながら自らの企業の成長を支えていくべきだと述べた。

参加者はまた、2016~2017年度の活動のフォローアップとして、①金融産業の規制と再編、②信頼回復に向けた社会対話の取組みとCSR推進、③地域経済統合と貿易協定の3つのテーマについてグループ討論を行い、様々な意見や今後の活動に対する提案をまとめて発表した。2017年に開催予定のUNI Apro金融部会大会のテーマには、Inclusive(包括的な)とSustainable(持続的な)というキーワードを含めることも確認した。

田原議長は、「来年の部会大会方針に反映すべき課題や提案をボトムアップでまとめることができた。UNI Apro金融部会が一丸となって頑張っていこう」とまとめ、閉会した。


金融包摂とエンパワーメントを主導するUNI Apro金融部会の女性

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第19回UNI Apro金融部会委員会では、第17回委員会(2014年6月、インドネシア・ジャカルタ)で議論された、女性の視点からの「金融包摂とエンパワーメントに果たすUNI Apro金融部会の取組み」のフォローアップが行われた。

アンジャリUNIインド加盟協コーディネータは、インドにおける金融包摂の取組みと金融産業の労働組合が果たす役割について報告した。インドの経済成長にとってインフォーマル経済で働く女性の貢献は大きいにもかかわらず、女性が貧困から抜け出せずにいるのはなぜか。インドで正規金融機関の口座を持つ女性は26%(男性46%)、女性起業家で銀行から融資を受けられるのは15%に満たない。中小企業の女性経営者が融資を拒否される率は男性中小企業経営者の2倍以上である。政府は1990年代から、女性のエンパワーメントのための女性の金融包摂に取組み、2013年には「女性のエンパワーメント、インドのエンパワーメント」をスローガンに女性のための銀行を設立した(現在、ステート銀行と合併)。1992年からは、自助グループと商業銀行、地方農村銀行、協同銀行をつなぐプログラムを始め、2006年までに200万以上の自助グループに融資した。この他にも政府の取組みをUNI Apro金融部会加盟組合メンバーが支え、貧困層の口座開設数増加、残高ゼロ口座の縮小を実現した。SEWA(自営女性協会)もステート銀行と連携しマイクロファイナンスプログラムを通じて、農村の女性の所得創出、雇用創出を支援している。

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また、ランキカUNIスリランカ加盟協女性委員会事務局長(FBOSL/セイロン銀行労組)は、スリランカ加盟協女性委員会が行う様々な活動の事例を紹介した。各部会の女性委員が専門分野を活かし、これまで料理教室、女性の健康チェック(医療労組の女性委員が担当)、スピーチ訓練、金融セミナー(銀行労組の女性委員が担当)といった実用的な企画で女性の組合活動参加を増やし、かつ女性のエンパワーメントとチームワーク強化につなげてきた。

これらは、女性の地位が低い南アジアにおいて、女性のエンパワーメントに大きく貢献している。女性に対する根強い差別は一夜にして変えることはできないが、世代を超えた息の長い取組みを通じて、徐々に人々の意識や社会を変えていくことはできる。南アジアの労働組合は金融労組が主導して、女性の組合参加と女性役員の育成・活躍推進を通じた女性のエンパワーメントに取組んでおり、他の産業で働く多くの女性労働者の金融包摂につながっている。


UNI-LCJ金融部会、スリランカ金融産業視察

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第19回UNI Apro金融部会委員会の前段、2016年6月17日、UNI-LCJ金融部会としてスリランカの金融産業視察を行った。

スリランカは、北海道とほぼ同じ面積に約2,000万人が住み、農業(紅茶、ゴム、ココナツ、米)及び繊維業が主産業の国である。ポルトガル、オランダ、英国の植民地を経て、1948年、英連邦内の自治領として独立。1983年からタミル・イーラム解放の虎(LTTE)との内戦が本格化するが、2009年5月政府軍が北部LTTE支配地域を全て奪取し内戦を終結させた。内戦の終結による復興需要や経済活動の活性化等によって、2011年に過去最高となる8.2%の経済成長を達成し、1人当たりGDP(2014年)は3,625米ドルに伸びた。ラージャパクサ前大統(2005~2015年)は中国を頼りに国内インフラの復興を推進し、道路、鉄道、港等の建設が進められた。しかし2014年に中国の支援で始まったコロンボ港湾都市建設計画は、2015年に中国との密接な関係からの脱却を訴えて当選したシリセーナ大統領誕生直後に中断させられ、環境配慮を強化する条件で再開された。

一方、日本からスリランカへの直接投資は約15.2億ルピー(2014年)。欧米諸国や日本への製品輸出を目的とする製造業が多数を占めるが、最近は、みずほ銀行、三井住友海上火災保険、三菱東京UFJ銀行等、金融機関の進出も相次いでいる。

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田原UNI-LCJ金融部会議長を団長とする代表団は、人民銀行(People’s Bank)のN.バサンタ・クマールCEO、セイロン銀行(Bank of Ceylon)の、ロナルド C ペレラ会長、D.M.グナセカラCEO、L.A.K.ジャヤワルデナFBOSL書記長、スリランカ投資委員会(BOI)のウプル・ジャヤスリヤ会長、レヌカ・M.ウィラコネ投資・プロモーション執行取締役、スリランカ保険庁のダマヤンティ・フェルナンド長官、スリランカ中央銀行・銀行監督部のシシラ・ラナシンゲ部長、ルクシャナ・ジャヤティラケ上級部長補佐らを訪問し、スリランカの政治経済概要と銀行、保険産業の現状を聞き、意見交換を行った。訪問先各所で、内戦後、投資環境は整っていることが繰り返され、日本からの投資に大きな期待が寄せられた。国有商業銀行経営陣からは、ITへの積極投資の必要性が強調され、仕事への影響という点ではバーゼル規制よりもデジタル化のインパクトの方が大きいとの見方が示された。

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ウンUNI Apro地域書記長は、「国が安定すれば投資も増える。しかし労働基準を切り下げ、労働を犠牲にして、底辺への競争になることを懸念している。税制優遇措置だけでは持続しないことは明らかだ。労働組合は生産的な方法で企業の発展に貢献できる。デジタル化による配置転換、新たな仕事のニーズに即応できるよう、絶えず職業訓練や技能開発を行うことが重要だ」とコメントした。

 

 


UNIケア部会、アジア太平洋地域の共通課題を議論

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2016年6月7~8日、マレーシア・クアラルンプールで、UNIケア部会のUNI Apro地域会議が開かれ、9カ国(韓国、日本、香港、マレーシア、ネパール、ニュージーランド、フィリピン、スリランカ、アルゼンチン)から19人が参加した。UAゼンセンからは、総合サービス部門の古川事務局長、NCCU染川事務局長、郷野国際局長が出席した。初日は、参加組合の活動を報告し、2日目は、ケア部会の今後の活動について議した。ケア部門の組合が直面する共通課題としては、高齢化、スタッフ不足、長時間労働や低賃金等の低い労働条件、民営化などがあげられた。今後、UNI Aproにおいて、情報交換・経験交流を続け、活動が軌道にのった時期に、委員会を構成していくこととした。

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JP労組全国大会、UNI書記長激励

UNI加盟組織のJP労組は2016年6月1~2日、神戸市で第9回全国大会を開催し、代議員、オブザーバー、来賓など約1,500人が出席した。UNIは大会会場で大会用に作成したリーフレットを配布するとともに、会場ロビーに設置されたUNIデスクでUNIの紹介や活動内容を写真を展示した。昨年募金活動を行ったフィリピンのパヤタス地区の貧しい子どもたちの写真も添えて、感謝の意を伝えた。

UNI本部のフィリップ・ジェニングス書記長からはJP労組全国大会に向け連帯のメッセージが届いた。ジェニングス書記長はメッセージの中で日本郵便による豪トール社の買収に触れ、JP労組がトール労働者の組織化支援のためにアジア太平洋地域の労働組合の架け橋となっていることに敬意を表した。また伝統的な郵便ビジネスが直面している困難な状況にあって も、小包とロジスティクス分野という新たな世界におけるJP労組のリーダーシップに期待した。

大会では、トール社のアジアにおける労組結成に向け、ITF(国際運輸労連)やUNIとの調整をはかりつつ、その検討に着手する、と今後の国際活動の展開を含むJP労組2016年度運動方針が圧倒的多数の得票で採択された。

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UNI世界商業部会、サプライチェーンの取組みを議論

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UNI世界商業部会運営委員会が、2016年5月30~31日、スイス・ニヨンのUNI本部で開催され、14か国24人の委員、オブザーバー及びUNI本部役員/各地域書記長、スタッフ等、計32人が参加した。

委員会は冒頭、米国UFCWのオニール氏の退任に伴い、空席となっていたUNI世界商業部会議長職に、米国UFCWのアッペルバウム氏の就任を確認した。同氏は2017年6月に開催予定の次期UNI世界商業部会大会で議長が選出されるまでの間、暫定議長を務める。また、ドイツver.diのウリ委員の退任も報告された。委員会はオニール氏、ウリ氏両氏の多大な貢献に感謝した。

ジェニングスUNI書記長は挨拶の中で、ペルーで組織化活動をしていたUNI米州地域スタッフが追放されたことやブラジル大統領の弾劾、英国や北欧における労働運動への受容度の低下を懸念した。組合組織率と富の配分を図で示し、今後ますます失業者が増え雇用創出能力も低下することが想定される中、雇用の質も問わなければならないと強調した。ILO総会でようやくサプライチェーンが議論され、条約制定が期待される。ラナプラザ崩壊事故以来、組合の介入によって倫理的なサプライチェーンとするよう、企業に責任を持たせるようルールを変えてきた。

デシアノ委員(フランス)は、現在審議されている労働法案は商業労働者の労働条件及び団体協約を脅かすもので、ソーシャルダンピングにつながる危険性が懸念されており、この数か月、ストやデモ等、抗議活動を展開してきたと報告、商業部会委員会の連帯支援を要請した。委員会は要請を受け、フランスの労働者に連帯を表明すると共に、今後の経過を注視していくこととした。

ハネット委員(英国)は、6月23日の英国のEU離脱か残留を問う国民投票について説明した。EU離脱は戦後確立した秩序を破壊することになるためUSDAWは残留を主張しているが、ボリス・ジョンソン前ロンドン市長や、反移民、反外国人、反EUを主張するUKIP(英独立党)等の極右、国粋主義者的考えがEU離脱を提唱している。

八野副議長は、AIやデジタル化の雇用に及ぼす影響について、日本では雇用喪失数と人口減がほぼ同レベルと推定されており、UNIのアドバイスを得ながら対策を取っていくとした。

主な多国籍企業の組織化、GFA締結交渉、労組同盟について近況と成果を共有した。イオン及び髙島屋について、八野副議長から報告した。イオンはアジアを中心に順調に組織化を進めている。髙島屋は毎年労使でGFA検証を行っている。カルフールとはサプライチェーン(フランチャイズ)やダイバーシティに言及した新たな協定を締結した。H&M労組同盟を結成した。強力な商業労組が存在する米国やオーストラリアでのアクセス権をめぐる取組みと、香港、インド等、商業労組不在または脆弱な国での取組み状況を共有した。イケア労組同盟を結成した。トルコで組合結成、協約締結に至ったのは労組同盟によるグローバルな支援の成果である。ウォルマートに関し、南米及びアフリカでの労組ネットワーク会議を通じて、ロビイング活動やキャンペーンの調整を図っている。メトロに関し、パキスタン、ロシア等での取組み状況を共有。同社は事業を家電と食品・卸に2分割する計画があり注視していく。この他、チャンUNI Apro商業部会担当部長がマレーシアについて報告した。UNI-MLC商業部門はスウェーデンLOTCO及びUAゼンセンの支援を受け、イケア、イオン等でパートナーシップ労使関係に基づく組織化を推進している。マレーシアのイオン労組はUNI加盟が承認された。ジェイコブスUNIアフリカ商業部会担当部長は、欧米の小売多国籍企業の多くがアフリカに進出しており、労組ネットワークを通じた情報交換と支援の重要性を訴えた。

 

バングラデシュ・アコードの最新情報とサプライチェーンの取組み

バングラデシュ・アコードは5年の期限付き協定である。現在のアコードは安全検査の実施に注力しているが、将来は労働者代表が職場で安全衛生委員会をつくりモニタリングできるよう体制を確立しなければならない。そのため団結権の保護を2018年以降のアコードIIに入れるよう交渉を進めていく。また、米国UFCWからアコード研修部長としてダッカに赴任したばかりのブライド氏がビデオ会議で現場の様子を報告した。アッペルバウム議長は、「世界が注目したラナプラザも時間が経つと忘れられてしまう。5年で期限が切れると企業は『責任は果たし終えた』と言うかもしれない。我々の活動を継続的に周知していくべきだ」と述べた。また、サプライチェーンの呼称について、サプライヤーの地位を高める視点から、「バリューチェーン」と呼んでいると説明した。

郡司委員は、サプライチェーンの取組み事例として、自動車総連が推進する「WIN-WIN最適循環運動」の目的は、これまでの個々の企業単位での生産性向上重視から、企業間の付加価値を高め着実に循環させることで、バリューチェーンの全ての労働者の生活の安心、安定と向上を図ることだと説明した。

スノッディUNI SCORE担当局長は、サプライチェーンの取組みとして、アマゾン労組同盟の活動及びアマゾン・キャンペーンについて経過を報告した。アマゾンの各種事業を図で示し、UNI(サービス産業)各部会及びインダストリオール(製造業)に関わることを強調した。中でもEコマースは年々成長を続け、従来の小売店舗へも影響を及ぼしている。昨年世界総売上1070億ドルを記録したにもかかわらず、租税回避、労働者の搾取、強力な反組合的態度等、手強い企業だが、だからこそ各国で組織化していかなければならないと述べた。

続いて、デマテオUNI郵便・ロジスティクス部会担当局長が、商業部会と郵便・ロジスティクス部会が共催する、Eコマース・フォーラム(2016年10月11~12日、アイルランド・ダブリン)の計画を説明した。新しい労働の世界が出現し、UNI内の各部会間の連携が非常に重要になっている。Eコマースの成長で、従来の郵便部門や商業部門の雇用・労働条件に影響がある一方、国営郵便局及び民間物流会社にとってビジネスチャンスでもある。アマゾンの調査から始め、その報告書を議論のベースとする。どの分野で小売業と競合しているか? 雇用モデルは? 労働者へのリスクは? 労働条件格差は? 既存の組合はどう対応すべきか?等を調査し、UNIの部会横断的な連携の機会を見極め、協力関係を築くことが目的である。

委員会はこの他、UNI世界商業部会青年会議(2016年9月、ドイツ・ベルリン)の計画について説明を受け、UNI世界商業部会大会(2017年6月、ドイツ・ベルリン)での議論についても意見交換を行った。大会スローガンについて、“Stronger Together(協力して、より強く)”の提案があった。委員会は、各地域代表を交えた大会準備委員会を設置し、大会準備を進めていくこととした。


UNIリバプール世界大会に向けて“Making it Happen”

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第28回UNI世界運営委員会が、2016年5月26~27日、スイス・ニヨンのUNI本部で開催され、14か国24人の委員、オブザーバー及びUNI本部役員/各地域書記長、スタッフ等、計33人が参加した。

アン・セリン会長は開会挨拶の中で、相次ぐテロ、英国のEU離脱問題、緊縮財政に伴う労働組合及びディーセントワークへの攻撃、密室で交渉されている貿易協定、未来の労働と雇用へのインパクト等、世界で起こっている労働者の生活に影響を及ぼす出来事に慎重に対応しなければならないと喚起した。パナマ文書で暴露された腐敗したルールを変えるため今こそ国際労働運動の連携が重要であり、一丸となれば実現できると訴えた。

フィリップ・ジェニングスUNI書記長は、UNIの知名度を高めるため、世界経済フォーラム(ダボス会議)におけるマスコミ対策、本部での簡易スタジオ設置をはじめとする本部広報チームの取組みを紹介し、シンプルかつ強力なメッセージを発信する能力を各地域でも改善していく必要性を強調した。組合組織率、団体協約の対象範囲、収入格差の相関図を示し、科学的なデータで労働市場の現状と問題点を、マスコミを通じて世論に訴えていくと述べた。

ホフマンUNI副書記長からは、各部会における組織化、労組同盟、グローバル協定等に関する主な成果が報告された。

持続可能性に向けたUNIのロードマップ

国連の持続可能な開発目標(SDGs)の17目標、169ターゲットを達成するため、またCOP21で合意された気候変動に関するパリ協定を実施するため、ITUCをはじめUNIも、貧困撲滅、ジェンダー平等、ディーセントワーク、格差是正、気候対策等に真剣に取組んでいる。

貿易交渉は密室で進められており、各国の議会や労働組合も関与していく必要がある。経済の相互依存、投資の必要性は認識するも、ルールは公平でなければならない。特に郵便、情報通信、金融、Eコマース、移民政策を注視していく。

UNIリバプール世界大会準備状況

テーマ及び議題案について報告を受けた後、UNI大会・諸会議における加盟組合代表団の女性比率40%達成に向けた戦略」について、マクガイアUNI世界女性委員会議長より、「長崎世界大会前後で、女性比率を17%から35%に上げることができたのは大きな前進だが、まだ40%の目標には達していない」と報告があった。そこで、目標達成に向けた具体的方策の提案があり、運営委員会は承認した。続いて、UNI大会・諸会議における加盟組合代表団の青年比率の改善」について、カールステッドUNI世界青年委員会議長は、UNIリバプール世界大会の青年参加比率20%達成に向けて協力を要請した。

仕事の未来

過去、世界執行委員会に合わせて、「プライベートエクィティ」、「金融危機」、「平和」等をテーマに議論をしてきたが、今年は11月15日にグローバルリーダー・サミットを開催予定である。テクノロジーが雇用の数と質を変えることが十分認識されていない。世界銀行、OECD、欧州連合等で「デジタル単一市場の誕生に向けたデジタル戦略」が議論されているが、議論の中心を我々労働者に置くべきである。UNI欧州地域大会では、オンコール労働、クラウドソーシングに見られるような、見えない、曖昧な仕事をし、しかも生活賃金を得られない人が増えていることに危機感が表明された。仕事の未来と共に「連帯の未来」も考えていく。野田UNI Apro地域会長は、「ビッグデータ、IoTの時代に入り、労働に対する影響は大きい。イノベーションにより創出される仕事もある。仕事のあり方/処遇形態の大きな見直し、人材育成は労使の共同作業であり、組合の大きな役割となる」と意見を述べた。

グローバル・サプライチェーン(GSC)と生活賃金

間もなくILO総会でGSCの議論が始まる。我々の目標は、①ILO多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言(MNE、1977年採択)の最新化、②GSCに関するILO条約策定のための三者議論の開始、③ILOによる賃金ガイドラインの策定である。

バングラデシュ・アコードは、この間UNIもコミットしてきたが、具体的成果があがっている。社会パートナーのプロジェクトとしても評価されている。5年期限のアコードに、団結権を盛り込むようアコードIIの交渉をしていく。

スポーツにおける人権

シュワブUNI世界アスリート部会担当局長は、スポーツ界で起こっている人権侵害、人種差別、契約違反・無視、いじめ、男女格差、プロ・アマ格差等に加え、労働裁判所へのアクセスも拒絶され仲裁メカニズムが存在しない点を問題視した。選手だけでなく、スポーツイベントに関わる全ての労働者の人権が尊重されなければならない。

最後にジェニングスUNI書記長は、運営委員会及びUNI加盟組合のコミットメントに感謝し、1%に偏っている政治・経済的環境で苦しむ労働者のために我々の目標を実現していこう!とまとめた。

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ICTSは新たな労働の世界の原動力

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2016年5月24~25日、スイス・ニヨンで、UNI世界ICTS部会委員会が開催され、19カ国から32人が参加した。UNI世界ICTS部会大会(2015年6月、スウェーデン)で採択した戦略計画を踏まえ、4つのテーマに基づいて各地域・国の状況を報告、課題認識を共有するとともに、UNI世界ICTS部会としての年間活動計画を策定した。日本からは、野田三七生情報労連中央執行委員長、後藤一宏情報労連副委員長(KDDI労組委員長)、柴原准二KDDI労組副委員長、木村富美子情報労連国際担当部長が出席した。

ジェニングス書記長は開会挨拶を行い、英国、ブラジル、米国等において見られる右派勢力の台頭に対する懸念や難民問題、中東の政治状況等に触れ、世界の労働者を取り巻く環境が変化する中で、労働組合が「新たな労働の世界」へ対応していく重要性について述べた。

「アウトソーシング」の議題では、テイト局長が「IT・通信業務のアウトソーシングが増加しているが、業務が細分化し組織化が難しくなっている。アクセンチュア、アルカテル、ノキア、IBM、エリクソン等は『アウトソーシング/業務請負会社』であり、業務量が増加しており、ICTS業界で主要な地位を占めるようになったが、組織化が遅れている」と報告した。また、4月にエリクソン労組アライアンスが結成されたことを紹介し、アウトソーシング労働者の組織化に向けた取組みを進めていくと述べた。スワンICTS政策担当は欧州のICT企業におけるアウトソーシング調査の中間報告を行い、「今や、どのような仕事でもアウトソーシングの対象になっている」と指摘し、早急に対策すべきだと述べた。プリヤント氏(インドネシア・ASPEK)はインドネシア・ファーウェイ組織化の事例を紹介し、「XLアクシアタからの業務委託を受けているファーウェイの組合組織率は82.5%まで上昇し、現在は初の協約締結に向けて交渉を強化している」と報告した。座長を務めた野田UNI Apro ICTS部会議長は、「IoT、ビッグデータ等の技術進展により、ICTS労働者の雇用や処遇形態は今後も影響を受け続けるだろう。アウトソーシング労働者の組織化には新しい形での取組みも必要であり、国を超えた労働者同士の連携が重要である。めざす目標は組織化であり、それぞれの地域や組織で努力していこう」とまとめた。

「新たな労働の世界」の議題では、ホグバックICTS部会調査担当が、「ICTSは新たな労働の世界の原動力であり、部門内では新しい形態の雇用が増加している。技術革新に伴い仕事が細分化されるケースも増えている。では、新たな労働の世界における組織化はどうあるべきか」と問題提起した。ボーセジュー氏(フランス・CGT)は、オンライン上で個人請負業務を行う労働者の組織化の難しさを指摘した。テイト局長は、「2017年1月に開催予定のグローバルIT労働者組織化会議で、これら労働者を組織化していく方法について意見交換したい」と述べた。またカスティーロ氏(米国・CWA)は個人請負労働者のオンラインでの組織化の可能性について触れ、特にコンタクトセンター労働者については有効な方法だと述べた。座長のヘルブルグ氏(スウェーデン・UNIONEN)は「技術革新に歯止めをかけることは出来ない、適応することが大切だ」とした上で、「クラウドやプラットフォーム上で業務を管理されるフリーランス労働者が増加しており、労働組合にとっての新たな課題である」と指摘した。

「コンタクトセンター」の議題では、テイト局長がコンタクトセンター問題への対応の重要性を説明し、ICTS以外の部門と連携し、特にUNI米州地域での取組みを強化していきたいと提起した。参加者から「部門別にアプローチすべきか、または企業ごとに行うのか等の見分けも必要である」、「コンタクトセンターがある国の法的側面も見てアプローチすべき」等の意見が出された。さらに、世界最大のコンタクトセンター業務受注国であるフィリピンへの対応を検討するため、UNIとして継続調査するとの方向性が示された。

「多国籍企業」の議題では、テイト局長が「エリクソンやリバティグローバル等の企業が台頭してきており、対応が必要である」と問題提起した。同時に、既存通信事業者の労組同盟の継続、ひいてはグローバル協定の締結と確実な実行について意思統一した。

閉会にあたり、カー世界議長は「ICTS部会は急速に変化しているが、私達は遅れることなく歩みを共にしてきた。数年前には会議の話題にものぼらなかった会社が、今は重点政策の対象となっている。仕事の中身はこれからも変化していくだろう。私達の活動をますます充実・発展させていかなければならない」と述べ、会議を終了した。


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