
2026年10月12日に発表されたフリードリヒ・エーベルト財団(FES)とUNI 欧州による新たな調査によると、欧州各地の労働組合は、人工知能(AI)やアルゴリズムによる管理について、ますます交渉を行うようになっている。
この調査は、欧州のサービス部門におけるAI、アルゴリズムによる管理、および団体交渉をテーマとしており、UNI欧州、FES Future of Work、および2つの研究パートナーであるCELSIと賃金インディケーター財団による3年間にわたる協力の集大成となっている。
権力の問題
オンライン発表イベントの冒頭で、オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、その重要性について、「職場におけるAIは、単なる技術的な問題ではない。これは権力の問題だ。つまり、AIの活用方法を誰が決定し、誰の利益のために活用されるのか、という問題である。この調査は、労働組合がすでに具体的なルールを交渉していることを示している――労働者は技術革新の傍観者ではない。欧州が米国や中国を模倣し、自らの社会モデルを弱体化させては、AI競争に勝つことはできない」と述べた。
クヌート・デトレフセン FES「未来の労働」コンピテンスセンター所長は、「公正なデジタル化は、単なる規制の枠を超えている。もちろん、労働者を保護するための明確なルールは必要だ。だが労働者とその代表者も、技術革新の在り方を形作る上で発言権を持たなければならない。この報告書は、こうした課題に取り組むために団体交渉を活用する主体がますます増えていることを示している。とはいえ、労働のデジタル変革を形作る上で団体交渉がより強力な役割を果たすようになるまでには、まだ長い道のりだ」と述べた。
調査結果
中欧労働研究所の共同創設者兼マネージング・ディレクターであるマルタ・カハンコヴァ氏と、フィオナ・ドラグストラ賃金インディケーター財団総局長は、AIおよびアルゴリズム管理に関する条項を含む108件の労働協約と、アンケート調査データを分析した。その結果、以下のことが明らかになった:
- 回答者の55%が、AIに関する団体交渉の存在を認識している
- AIに関する交渉は2023年以降、特にスペインで増加している
- 研修、労働者の参画、データ保護が最も一般的な議題となっている。
カハンコヴァ氏は、「このデータベースは生きた文書であり、新しい協定が追加されるたびに継続的に更新されている。既存の交渉体制は、すでに労働組合がAIの影響に対処する手段を提供している」と述べた。
すでに交渉の場に参画している労働組合
APIQA CGIL会長であり、UNI欧州専門職・監督職委員会議長も務めるフェデリカ・コキ氏は、イタリアの事例を紹介した。具体的には、吹き替えおよび視聴覚分野の協定におけるAIに関する条項、通信分野におけるAIツールの12ヶ月間の試験運用期間、そしてエネル社と合意したAIプロジェクトに関する合同委員会などである。
ノルウェーのNITO倫理委員会委員長であるビョルン・トーレ・サンド氏は、各組合幹部の意識を高める必要性を強調した。「組織は、AIを通じて何を達成したいのか、そしてどのような結果がもたらされる可能性があるのかを明確にしなければならない」と述べた。
AIを交渉の議題に載せる
真の発言権とは、テクノロジーが導入された後の協議ではなく、決定が下される前の関与を意味する。
ドラグストラ氏は「AIを労働環境における重大な変化として位置づけるべきだ。それこそが、ストライキという手段と相まって、交渉の議題にAIを盛り込むことにつながる」と述べた。そして労働組合に対し、新たな交渉ラウンドや既存の協定への付則を通じて、AIの問題を取り上げるよう促した。
コキ氏は、「専門知識がすべて揃うまで待ってはいけない。今すぐAIに関する対話を始め、労働者を直接巻き込むべきだ」と述べた。
また登壇者たちは、AIによる生産性の向上が稀であり、その恩恵は主に大手テック企業に帰属している点にも言及した。
規制緩和は誤った解決策
この調査は、EUの「デジタル・オムニバス法案」によって労働者の法的保護が弱められる恐れがある中で発表されたものであり、今後制定される「良質雇用法(Quality Jobs Act)」によって、どのような保護措置が講じられるのかも不透明である。
UNI欧州は、労働現場におけるAIとアルゴリズム管理について、団体交渉を可能にするEU全体を対象とした法的拘束力のあるルールを求めている。目指しているのは、労働条件を引き下げる競争ではない。
AIは働き方を変えつつあるが、その変化のあり方はあらかじめ決まっているわけではない――労働者はその在り方を形作る上で発言権を持たなければならない。
この議論の続きについては、近日開催される欧州労働組合研究所大会にご登録ください:AIとアルゴリズム管理に対し、団体交渉はどのように対応しているか?
(2026年10月15日)