ネパールのICT部門で社会対話の取組みが結実

UNI加盟組織であるUNITES(ネパール)が、社会対話によって大きな成果をあげた。

UNITESは、UNIネパール加盟協の支援の下、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長を招き、2021年12月16日に「パンデミック時の雇用状況の改善:ともに実現しよう」と題する社会対話フォーラムを開催した。

フォーラムには、ICT部門の労使、ネパール情報通信省(MOICT)、ICTS部門の専門家、その他の全国規模の労連の代表者らが出席した。

議論では、ICT部門がパンデミックの状況下で直面している雇用状況についての懸念が広範囲にわたって取り上げられた。関連法を適切に整備することによるICT労働者の雇用と社会保障の強化、医療・保険分野におけるテクノロジーの活用と人々の受容性の向上、さらに広く、経済・社会・環境問題に対処できるデジタルフレームワークの策定などがテーマとなった。

関係者が一堂に会して共通の懸念事項について議論できる場となり、フォーラムは成功を収めた。また政府関係者は、ICT部門に関する政策立案に際して、フォーラムの成果を持ち帰ることに同意した。

クシャル・レグミUNITES委員長は、今回のイベントの成功は、パンデミックによる様々な困難にもかかわらず、ICT部門における労働条件の改善に向けて強い意志を持って取組み続けた、チームの粘り強い努力の賜物であると語った。

過去2年間、大規模な会議やフォーラムを開催する代わりに、対話相手と頻繁に小規模な会議や議論を行うなど、この状況に適応してきた。こうした継続的な取組みが功を奏し、ネパールコンピュータ協会連合会(CAN連合)は、UNITESとさらに深い関係を構築していく価値を確信し、2021年8月19日に覚書の締結に至った。

覚書では、新たに発効したILO第190号条約に規定される職場におけるジェンダーに基づく暴力や、サイバーハラスメントやセクシャルハラスメント等のあらゆる形態のハラスメントに取組むため、労使双方が共同の取組みを通じて協力することが明記されている。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長およびクン・ワルダナUNI Apro ICTS部会担当部長は、UNITESの功績を称えるとともに、「社会対話は、労働条件の改善につながる良好な労使関係を築く上で重要な推進力であり、社会対話から良い結果を得るには、多くの場合、時間と忍耐が必要だ。UNITESの取組みは我々を勇気づけるものであり、2022年の取組みの成果に期待している」と締めくくった。


欧州のフードデリバリー労働者に歴史的勝利

フードデリバリー企業のジャストイート(スペイン)及びデリバルー(オランダ)で働く労働者が、両国のUNI加盟組織の取組みにより、多くの手当や権利を得られる団体協約の対象となった。

250万人のユーザーを擁するスペイン最大手デリバリー・プラットフォームであるジャストイートと、スペインの労働組合CCOOおよびUGTとの間で締結した団体協約は、同国で新たに制定された「ライダー法」の下で結ばれた、この種のものとして初の協約である。ライダー法(rider:配達員)は、フードデリバリーの労働者を従業員として区分することを義務付けている。今回の協約では、同社の配達員に対して、30日の年次休暇、最長9時間の労働時間、安全衛生上の保護を保証している。また、2022年1月から実施されるこの協定によって、配達員は、つながらない権利およびデジタルな監視からプライバシーを守る権利も獲得した。

またオランダでは、同国のUNI加盟組織FNVが、多国籍フードデリバリー企業デリバルー(本社・英国)に対して起こした裁判において、組合の訴えを支持する判決が下された。この判決により、同社の配達員は、FNVの運送に関する団体協約の対象となり、固定時給、休日及び病気手当、待機時間中の支払、その他の手当を受けられるようになった。この判決は、現在および過去に同社で働いていたすべての配達員に遡及的に適用される。新たな団体協約に基づく雇用契約をFNVと共同で会社と締結すべく、配達員は組合に申し出ることが求められている。

この判決は、別の裁判において、配達員は会社側が主張するようなフリーランスではなく、従業員であるとされたことを受けて出されたものだ。

ウィルム・ディジュクイゼンFNV運送物流部長は、「今回の判決は、食事宅配の労働者にとって再び良いニュースとなった。団体協約の対象となることで、雇用条件が適切に規制され、確実な収入を得られるようになったからだ」と喜んだ。


過度の長時間労働と不十分な休息が命を脅かす―映画・テレビ業界の世界的調査で明らかに

UNI世界メディア部会の調査によって、世界各国の映画・テレビ制作スタッフの労働時間が初めて明らかになり、長時間労働、不十分な休息、生命を脅かすレベルの疲労が、労働者の心身の健康や家庭生活に非常に大きな影響を与えていることがわかった。

調査では、長編映画、独立系テレビ、ストリーミングコンテンツの制作に携わる舞台裏スタッフ15万人以上を代表する22か国の28組合から、団体協約、労働時間、労働条件に関するデータを収集した。

調査対象者の62%が、非常に厳しい勤務スケジュールが 「メンタルヘルスに悪影響を及ぼす」と回答しており、また、独立系テレビ番組の制作に携わる回答者の4分の1以上が、極度の疲労により重大事故が生じた経験があると回答した。

調査で明らかになったのは、度重なる残業、不十分な休息、頻繁な週末労働、基本的な安全要件の軽視という世界的な風潮であり、多くの労働者にとって映画・テレビ産業での労働が、不公平・不平等で、危険かつ持続不可能なものになっている。

ヨハネス・ストゥディンガーUNI世界メディア部会担当局長は、「メディア産業は長きにわたって、スタッフの情熱に依存して長時間労働を強い、多くの場合、労働者の犠牲の上に成り立ってきた。労働者が主張しているのは、質の高い作品制作は、搾取の上に成り立ってはならないということであり、すでに限界に達している。多国籍企業が支配する映画・テレビ産業においては、あまりに多くの労働者が、危険を招くほどに不十分な休息時間しか与えられず、家庭の時間をほとんど持てないような劣悪な労働条件で働いている。我々が全面的な変革を要求しているのは、そのためだ」と強く指摘した。

今回の調査結果は、『舞台裏の尊厳を求めて:世界の映画・テレビ産業における長時間労働に終止符を』と題する報告書にまとめられており、労働時間短縮、最低基準の引上げ、安全な労働時間・条件の確保を目指す世界的キャンペーンにおいて、映画・テレビ部門のUNI加盟組織を動員し、団結させた。

米国・カナダの国際舞台演劇映画組合(IATSE)の委員長を務めるマシュー・ローブUNI世界メディア部会議長は、「世界の映画・テレビ業界に変革をもたらし、エンターテインメントが制作されるあらゆる現場において長時間労働の文化に終止符を打つべく、世界中の加盟組織が、全力を注いでいる。これは長期的な取組みであり、世界レベルでの努力が必要だ。変革は一夜にしてならず、一歩ずつ状況を改善していく闘いの中で、我々は国を越えて支え合い、協力していく。グローバルキャンペーンでは、危険な労働条件や労働時間の影響について業界全体の認識を高め、組合活動を強化し、使用者だけでなくステークホルダーにも関与していく」と意気込んだ。

調査報告書では、次の点について、提言がなされている:結社の自由と団体交渉の権利。賃金と労働時間は、労働協約、それがない場合には国の法的基準を尊重しなければならない。残業は任意であり、常に割増賃金が支払われる。ジェンダー平等と多様性を促進する政策。暴力や嫌がらせのない安全な職場。制作会社のエネルギー使用と環境への悪影響を最小限に抑えるための措置。

主な調査結果
調査によると、労働者は1日平均11時間以上働き、さらに撮影の前後に最低でも1〜2時間、いわゆる「プレップ&ラップ(準備・片づけ)」と呼ばれる作業時間が存在することがわかった。これは映画とテレビの両方の制作に携わる労働者に当てはまる状況であり、その結果、すべての国で労働時間は1日あたり平均12〜13時間以上となっている。

週50時間、あるいは60時間を超える労働が一般的である。例えば英国では、「プレップ&ラップ」の作業時間を除いた平均労働時間は、週当たり50時間である。アイスランドやスウェーデンなど他の国では、日常の「プレップ&ラップ」の時間は、最長労働時間の基準に含まれている。

全回答者の41%が平日の残業が頻繁にあると答え、35%が常に残業を要求されていると答えた。回答者の25%が、時間外労働に対して割増賃金が支払われていないと回答している点は、憂慮すべき点だ。

業界全体で、シフトとシフトの間にあるべき休息・回復のための勤務間インターバルが、労働者に十分に与えられていない。このことは、心身の健康に影響を及ぼすため、この業界の最も過酷な側面のひとつである。勤務間インターバルに関する団体協約の規定は、10時間から12時間まで幅があるが、実際にはもっと少ないことが多く、この中には自宅や宿泊先から現場までの往復にかかる移動時間は含まれていない。加盟組織は、団体協約の勤務間インターバルに関する条項を改善し、勤務間の最低休息時間を奪おうとする制作会社から労働者をいっそう保護するべく、キャンペーンや交渉を続けている。良い進展が見られているものの、この問題は依然として組合にとって最重要課題である。

家族との時間、健康や休息に必要な時間を奪う週末労働は、回答者の41%がよくある問題だとし、18%が常に週末労働を要求されていると答えた。

調査やUNI加盟組織との会議で明らかになったのは、金曜日の撮影が土曜日の早朝にまで及ぶ、いわゆる「フラタデー」がより頻繁に生じるようになっており、厳しい勤務スケジュールによって、多くの労働者が完全な週末を得られなくなっている実態である。

調査した22か国のうち12か国では、団体協約によって1日および1週間の最長労働時間と時間外労働が定められている。また、夜間勤務、休憩時間、現場への移動、ワークライフバランスを確保するための措置についても、協約に盛り込まれている場合が多い。

しかし、団体協約が存在していても、すべての企業が実際にその条項を尊重しているとは限らない。数か国の組合が、1週間の最長労働時間は協約で規定された時間より長いと報告している。例えばアルゼンチンでは、団体協約の条項に反して、スタッフは週50時間以上働き、週末に頻繁に時間外労働を行っている。

団体協約を無視しているだけでなく、制作会社が労働時間に関する国内法に違反している事例もある。オーストラリアのメディア・娯楽・芸術関連労組(MEAA)によると、法律では週38時間までと規定されているにもかかわらず、実際には恒常的に週50時間以上、働いている。


ウーバーイーツの契約配達員、スイスで歴史的な合意

ジュネーブに拠点を置くアプリ「チャスキ」に登録したウーバーイーツの配達員数百人が、賃上げとさらなる労働者保護、雇用の安定をもたらす新たな団体協約を勝ち取った。

スイスの組合シンディコムのロジスティクス部門でキャンペーンを担当するデヴィッド・ロス氏は、「この合意は、ウーバーイーツのアプリと連携している他のフードデリバリー企業にとっても明確なサインとなるはずだ。公正な雇用条件の実現は可能であり、シンディコムはジュネーブとスイス全土でそれを要求していく」と意気込んだ。

チャスキの全配達員は2022年までに、透明性のある業務計画に基づく勤務割当を満たした毎月のシフトと収入保証の伴う雇用契約を締結する予定だ。この協約の実施により、チャスキは従業員に公正かつ公平な労働条件を提供することになる。

シンディコムは、使用者団体スイス・メッセンジャー・ロジスティクスが代表を務めるスイス国内19の都市配送業者と、包括協定を結んでいる。チャスキは今週、都市部の配送業者の包括協定に加わったが、協定によって生じる新たな義務に労働モデルを適合させるためには、数か月におよぶ議論と交渉を要した。

コーネリア・ベルガーUNI郵便・ロジスティクス部会担当局長は、「今回の協約によって、配達員が仕事で敬意を払われ、尊厳を得られるよう、スイスの組合は食事宅配ビジネスをリードしていくことができるようになる」と成果を称えた。

協約の主な成果は以下の通り

  • すべての配達員の稼働率が固定された、安定した雇用契約。
  • 社会保険料の負担、従業員の事故に対する保険、病気の場合の補償。
  • 週3時間~40時間の固定労働時間の保証。
  • 1シフト2時間以上の勤務の保証。
  • 最低賃金は20.65フラン(休日、祝日を除く)、ジュネーブでは23.14フラン(州の最低賃金)。
  • 備品の清掃、個人の自転車・携帯電話の使用に対する補償の提供。

Eコマースの租税回避が浮き彫りに―UNI報告書

UNIの新たな研究で、Eコマース企業は、実店舗を持つ大手小売チェーンの3分の1の法人所得税しか払っていない可能性があることがわかった。

UNI商業部会が委託し、FESが助成して作成されたこの報告書は、Eコマースへの課税が、国家、労働者、労働組合に与える影響について考察している。報告書によると、COVID-19パンデミックによりオンライン小売業の売上が大幅に増加しているにもかかわらず、アマゾン等のEコマース企業は、世界中の様々なタックスヘイブンに利益を移し、公正な納税の大部分を逃れていることがわかる。

2020年代の中頃までにオンライン販売が小売全体の4分の1に達すると予想される中、調査ではEコマース拡大の一部は租税回避によるものであることが明るみになった。また各国政府は、COVID-19危機によって公共支出が大幅に増加すると同時に、Eコマース企業の肥大化した利益に課税することができていない。ビッグテックを中心とした多国籍企業による所得税回避の影響は、世界的に税収全体の約10分の1にのぼると推定されている。その割合が5分の1にまで達する国もある。

報告書によると、Eコマース企業による租税回避はさまざまな形態で行われているが、例えば、給与に基づく税金を支払わないこともその一つだ。Eコマース企業は、従業員を直接雇用する代わりに「独立した」請負業者を利用することで、給与支出を30%も節約することができるが、これにより、社会保障や医療・教育などの公共サービスの財源、そして労働者の生活がおびやかされているのである。

また報告書は、Eコマースが環境に与える影響にもさらなる注意を払う必要があると指摘している。配送に要する時間がかつてなく短縮されたことや、個々の商品の梱包資材は、環境に大きなダメージを与えかねず、Eコマースの実質的な社会的費用を議論する際には、この点も考慮されねばならない。

さらに報告書では、Eコマース企業に対し、収益や利益に応じた税金を支払わせようとする取組みが紹介されている。例えば、法人税の最低税率を15%とする国際的な合意がなされたが、これは労働組合が要求する25%よりも低い税率である。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この包括的な報告書が示すのは、貪欲なEコマース企業が法的な抜け穴を利用して公正な税負担を逃れるのを防ぐため、労働組合がグローバルな税制度の抜本的な見直しを推進していかなければならないということだ。COVID-19パンデミックと気候変動という2つの危機に直面する中、Eコマースの好況で大きな利益を得ている企業が、労働者や環境、社会全体に対して責任逃れをしている状況が、正しいはずはない」と力説した。


「繁栄共有のためのグリーンファイナンスとクリーンエネルギー」第6回UNI Apro金融部会大会(2日目)

大会2日目(2021年11月23日 日本時間15:00-18:00)は、「繁栄共有のためのグリーンファイナンスとクリーンエネルギー」と題したテーマ別討議からスタートした。 境田議長の司会により、マイケル・ブドルフセンUNI欧州金融部会議長・UNEP FI PRB市民社会諮問委員は、基調講演で、持続可能な金融は重要な課題であり、金融産業は、意思決定に際し、人権、労働条件、多様性等に配慮すべきである。気候変動への対応に関しても人権、ディーセントワークは前提条件である。UNEP FIは、金融機関が地球に対してよい影響を与えることを目的に69か国260の金融機関が署名した。UNIは、国際労働組合として気候問題に取組んでいく。ミャンマー軍事政権に対して投資を止めるべく取組んでいる。アジア太平洋地域の皆さんと連帯し、引き続き取組んでいく旨述べた。

続いて、池田賢志 金融庁チーフ・サステナブルファイナンス・オフィサーが登壇し、日本政府として地球温暖化対策の推進のために①製造業の省エネなど着実に低炭素化を進めていく「移行」の取組(トランジション)、②再エネなど既に脱炭素化の水準にある取組(グリーン)、 ③人工光合成など脱炭素化に資する革新的な技術の研究開発・社会実装等の取組(革新的イノベーション)に対するファイナンスの促進が重要である。カーボンニュートラルへの取組みに積極的に投資することで、公正な移行を進めていきたい。この分野においては、今後2千万人の雇用創出が見込まれており、新しい技術に対応できるスキルを身に着ける人財育成が重要になってくる。この点において労働組合の活躍を期待する旨述べた。

サンドラ・シレア オーストラリアン・スーパーESG経営上級アナリストは、当社は豪最大の年金基金運用会社であり、投資方針としてESGと環境保護を掲げ幅広い分野に関わっている。気候変動に関し、パリ協定の目標達成に取組んでいる。市場は気候変動リスクを評価の対象としており、更に重要視されていくことになる。「気候アクション100」や「オーストラリア・トランジション・イニシアチブ」と連携し、基幹産業へのテクノロジー導入のため現実的なポートフォリオで支援していく旨述べた。

ハイディ・アールデュピュイ アジア開発銀行持続可能開発・気候変動局上級社会開発専門家(中核的労働基準担当)は、ADBは北欧諸国の基金でCOP26においてプロジェクトを発表した。公正な移行のための労働者のスキル取得支援、コロナ禍からの復興プロジェクトを実施している。ジェンダー、自然災害、SDGsの実現、社会包摂、女性の労働条件改善、ガバナンス支援。CO2ゼロエミッションに取組み、横断的なオペレーションで最大限の効果を発揮していく旨述べた。

小林知樹 代議員(全信連、日本)は、弊行は信託銀行として銀行業務に加え不動産や資産運用など多様なサービスを提供している。企業としてカーボンニュートラルを目指し、UNEPに参画しているところ、アセット・マネジメントに関してもESGの取組みを進めている。今回の講演を聞いて、人材の確保や雇用の維持が改めて重要な視点だと感じた。ESG投資推進のためにも、今後は人材育成、リカレント教育、リスキリング等を労使で取組んでいきたい旨述べた。

プリヤラル部長より、2021年~2025年のUNI Apro金融部会活動計画の枠組みとして、「①労働組合の密度を高める(組織化、 組織強化)、②社会的対話プロセスの制度化、③経済に資する金融のための政策反映、④フィンテック及び新興企業との連携強化、⑤雇用確保のための生涯学習及び能力開発、⑥労働協約におけるリモートワーク・ガイドラインのための交渉」が提案された。
安達正美 代議員(JP労組、日本)は、JPにおいては、AIを活用しバックオフィス業務を効率化している。AIの活用によって処理スピードがアップし、利用者の利便性の向上及び業務負担の軽減に繋がっていると感じている。4,500人の人員削減を行うと公表しており、労働組合として大きな課題も抱えているが、新しい働き方に見合った労働条件とは何か、「AI」と「人による強み」を活かした働き方とは何か、海外の好事例を参考にプラス思考で取組んでいく旨述べた。
末留新吾 代議員(全労金、日本)は、全労金は、ハラスメント禁止の取組みについて2019年7月、定期大会で「あらゆるハラスメントの根絶に向けた特別決議」を確認し、事業体との協議を進めた結果、3月25日、「労働金庫業態におけるあらゆるハラスメント禁止ガイドライン」の制定が確認された。事業体は、法律にないことは積極的に取り組もうとはしない。であるならば、労働者の権利を擁護し保護するためにも、労働組合が事業体と協議し、労働協約とすることで法制化することが必要である旨述べた。

大会の最後に役員選挙が行われ、鍾馥吉台湾金融労連会長(TFFU、台湾)を東アジア地区運営委員として追加選出することが提案され、承認された。本選挙により、境田道正UNI Apro金融部会議長及びジュリア・アングリサノ同副議長が再選され閉幕した。


「アジア太平洋地域における包摂的復興を可能にする持続可能な金融」をテーマに第6回UNI Apro金融部会大会(1日目)を開催

2021年11月22日(月)-23日(火・祝)日本時間15:00-18:00、第6回UNI Apro金融部会大会・同運営委員会が、初めてオンライン開催された。アジア太平洋地域21の国と地域から41組織、121名が出席した。
大会に先立ち、第23回UNI Apro金融部会運営委員会が行われ、大会議事、次期役員候補等の確認が行われた。開会にあたり、クリスティ・ホフマンUNI 書記長、リタ・ベルロファUNI 世界金融部会議長、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro 地域書記長、アンジェロ・デクリストUNI世界金融部会担当局長が連帯挨拶を行い、パンデミックの中でエッセンシャルワーカーとして働いてきた金融労働者に敬意を表し、UNI金融部会が、ICTS部会と共に策定したリモートワークの主要原則を団体交渉の中に取り入れることが重要である。UNIは、フィンテック、オルタナティブファイナンス等、新しい金融産業が勃興する中、組織化に取組み、新しい労働の世界に対応していく。ミャンマーにおける人権侵害に対して金融部会の果たすべき役割は大きい。多国籍企業の組織化と共に安全に経済活動を再開するためにニューディールを実現し、団体交渉を強化していく旨述べた。

境田道正UNI Apro 金融部会議長は、コロナ禍という、未曽有の状況の中、各加盟組織が幾多の困難を乗り越えながら、鋭意活動に取組まれていることに心より敬意を表する。今次大会は「アジア太平洋地域における包摂的復興を可能にする持続可能な金融」をテーマに開催する。ポスト・コロナの時代に向けて、包摂的復興を果たしていくには、「デジタル化」と「グリーン」が大きなキーワードになる。環境が加速度的に変化する中、アジア太平洋地域の金融産業の未来について、議論したい。今次大会から、台湾金融労連(TFFU、台湾)及びバンク・イスラミ・エグゼクティブ・ユニオン(KESETIA、マレーシア)の2組織を新たに迎えることができたのは幸い。今後も組織化推進とパートナーシップ労使関係の進化を祈念する旨述べた。

ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長の活動報告の後、デクリス局長が基調講演を行い、金融産業は、今後デジタル化の進行により今後失業者が増えることが予測される。労働者を守るため、組合の強化が重要である。20年後の金融産業はどうなるか。フィンテックは銀行にとって代わるのか。若手リーダーと議論する機会を設ける旨述べた。

ネオバンク、フィンテック及びオルタナティブファイナンスのセッションにおいて、川岸正徳代議員(全国農団労、日本)は、シンガポールDBS銀行のデジタル化に関する講演会を実施した旨報告し、今後組合としてデジタル化の進行に対応するためにも、先んじて雇用の確保や労働者の教育研修等に関し、労使で協議を行い取組んでいく旨述べた。


世界の労働組合運動、「世界人権デー」にフィリピンと連帯

12月10日の世界人権デーに、グローバルユニオン評議会(CGU)のメンバー組織として、UNIは世界中の労働組合と共に、フィリピンの組合活動家に対する暴力の終結を要求する。世界の労働組合運動は3年連続して、人権デーの取組みをアジアの国における虐待に焦点を当てることとなった。

CGU副議長を務めるクリスティ・ホフマンUNI書記長は、「我々はフィリピンの人々に連帯し、労働者の権利侵害、労働組合員に対する暴力、人権擁護者に対する攻撃と闘っていく」と語り、「現地の労働組合運動は、脅迫、暗殺、抑圧に直面しながらも、正義のために闘っている。我々は彼らと共に、ドゥテルテ政権がこうした暴力行為に対する免責をやめ、ILOなどの国際機関に協力することを要求する。これは世界中が注目している問題だ」と語気を強めた。

2016年のロドリゴ・ドゥテルテ大統領の就任以来、労働組合員に対する少なくとも50件の超法規的殺人が発生している。今年9月にILOが行った調査は、フィリピン政府は組合指導者への攻撃を止めるための具体的な措置を何ら取っていないと指摘している。

2020年に発効した「反テロ法」の下、フィリピンにおける結社の自由の権利に対する弾圧は悪化した。ドゥテルテ大統領が主導する「地方共産党の武力紛争を終わらせるための全国タスクフォース(NTF-ELCAC)」は、しばしば合法的な労働者組織を摘発している。

特に悪質なのは、平和的に労働者の権利を主張する活動家を、国家の敵である共産主義者と決めつけてレッドタギングを行う過激派組織の行為だ。反テロ法に基づいてレッドタギングされると、市民社会の指導者たちは、根拠も罪状もなく拘束され、監視され、銀行口座やその他の資産が凍結される危険がある。

CGUフィリピンの報告では、少なくとも17人の労働組合指導者が、労働組合活動を主導したという理由で治安維持部隊や警察からレッドタギングを受け、16人が捏造された罪で犯罪者となり、12人の労働組合員が隔離拘禁されたままになっている。

12月10日、CGUフィリピンはマニラで抗議集会を開催し、政府に以下の項目を要求する。

―フィリピンに関するILOバーチャル意見交換報告書の結論を実施するための期限付きロードマップについて、労働組合と直ちに協議すること。

―フィリピンへのILOハイレベル三者構成ミッションを遅滞なく受け入れること。

―労働組合員に対する超法規的殺人についての調査を迅速化し、免責をなくすこと。

―労働組合員とその合法的な活動に対するレッドタギングの廃止について、具体的な政策と実践をもって取組むこと。

シャラン・バローITUC書記長は、「フィリピン政府は、市民を守ることなく、基本的人権や労働組合の権利を侵害し、組合活動家を殺害しても処罰することなくこれを容認してきた」と厳しく非難するとともに、「まず第一歩として、期限付きの行動計画について組合と協議し、2019年のILO基準適用委員会の結論を実施するために、ILOハイレベル三者ミッションを遅滞なく受け入れなければならない。しかし最終的には、我々が望むのは、この政権が変わることであり、民主的な権利と自由のために立ち上がる政府だ」と語った。

ITUCとCGUは、フィリピンの人権を守るため、世界中の労働者を動員している。


韓国マイクロソフト労組、低賃金と労働者軽視に抗議し、ストライキを決議

11月24日、韓国マイクロソフト労組の9割を超える組合員が、不十分な賃金と労働条件の悪化を受けてストライキを決議した。同労組は、技術者、研究者、開発者、ソフトウェアおよびカスタマーサポートエンジニアとして働く450人の労働者を代表している。

韓国マイクロソフトの労働者は、長時間の激務によって同社を世界で最も価値ある企業のひとつに成長させ、2021年には、前年比で47%の利益増加を記録した。

UNI加盟組織であるKFCLU傘下の韓国マイクロソフト労組によると、同社の韓国事業から得られた2,000億韓国ウォン(1億7,500万米ドル以上)以上が、マイクロソフト米国本社に送金された。同組合によると、韓国マイクロソフトは、同社の海外子会社の中でもトップの貢献度であったという。

だが、こうした功績にもかかわらず、韓国マイクロソフトはわずか3.5%の賃上げしか提示していないという。これは、想定される業界平均8%の半分以下であり、賃上げ分のほとんどは、インフレに吸収されてしまうことになる。

イ・オクヒョン韓国マイクロソフト労組委員長は、「韓国マイクロソフトは、パンデミック中に多額の利益を上げたが、その利益のほとんどは、2020年4月から在宅勤務自していた多くのIT労働者の功績によるものだ」と述べ、「韓国マイクロソフトの労働者の半数以上が、週52時間以上の長時間労働を強いられており、さらに多くの人々が、労働時間の増加に警鐘を鳴らしている」と指摘した。また、「組合は、今年だけで会社と37回以上の交渉を行った。我々が会社に求めているのは、シンプルに、IT労働者の払ってきた犠牲を認めて公正な報酬を与えること、そして日々増え続けている労働時間を緩和すべく、もっと多くの人を採用するように、ということだけだ」と語った。


DPD国際行動デーに労働組合権の尊重を要求

2021年12月1日、世界中のUNI加盟組織が一丸となり、DPDジオポストに対し、労働組合の権利を尊重し下請労働者の搾取をやめるよう要求した。

今回の行動は、DPDがスイスの配達員に対して極めて不当な扱いをしていることや、同社が労働者の選択した組合としてUNiAを認めないことに抗議の意を示すために、UNI 世界郵便・ロジスティクス部会が中心となって呼びかけたものである。ブラックフライデー及びサイバーマンデーという、多くの国で大量の小包が配達される中で行われた。現場やオンラインで抗議活動が行われた他、各国のDPD経営陣に対しスイスの労働者に連帯する声明書簡も送られた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「スイスの配達員は、DPDの下請モデルの過酷な労働条件や深刻な労働問題に対処するため、組織化に奮闘している。しかし、スイスのDPDは誠実な交渉に背を向けている。このような反組合的な行動は、世界中のDPD労働者に対する扱いに危険信号を灯している」と指摘した。「世界中の労働者が結束して要求している。DPDは、スイスをはじめとするあらゆる場所で組合の権利を尊重し、不当な下請契約によるソーシャルダンピングをやめるべきだ」と訴えた。

スイス最大の労働組合UNiAはこの10か月間、過酷な労働時間、高いプレッシャー、低賃金、プライバシーを侵害する監視行為、トイレの不足、劣悪な状態の配送車両、コロナ感染防止対策の不備、過酷な仕事量等、DPDの配送ドライバーが抱える数々の問題事例を記録してきた。100%ではないものの、ほぼ全てが下請労働者であり、DPDは労働条件に対する責任を回避しながら、彼らの仕事については厳格に管理している。

ローマン・キュンツラーUNiA物流部長は、「スイスのDPDのシステムは不安定雇用の上に成り立ち、恐怖を煽り、労働者を搾取している」と同社を厳しく批判する。「今回の強力な連帯は、世界中の労働組合がスイスDPD労働者の味方であるという明確なメッセージだ。それと同時に、どこであっても労働者の権利侵害は許されない、という強力なメッセージを会社に送ることにもなる」と述べた。

組合の権利の尊重と、下請労働者の搾取をやめるよう要求することに加え、UNiAが組織するDPDの配送ドライバーは、スイスDPDに以下の包括的な労働条件も要求している。

  • 全ての労働時間を適切に記録し、賃金を支払うこと
  • 契約で合意された労働時間内に安全に配達できる小包の最大数を算出すること
  • 法定の安全衛生措置及びCOVID-19防護措置を厳格に適用すること
  • 下請業者や派遣会社を通じて雇用される労働者数に制限を設けること

UNiAも、会社がこれらの条件を労働者と交渉するよう要求している。

フランス政府が所有するDPDジオポストは、UNI及びフランスの複数の加盟組織とグローバル協定を締結している。この協定では、「ジオポストは、組合の承認または代表性にいかなる障害も示さない」、「いかなる従業員も、これらの権利を行使することで、脅迫、嫌がらせ、報復を受けるリスクを負わない」としている。

しかし同社は、スイスで生じている紛争をこの協定に基づき仲裁しようとするUNIの試みを拒否しており、同社の反組合的行動は協定の意図に反するものである。

労働者の報告によると、スイスDPDは「抑圧」の雰囲気をつくっており、労働者は組合活動に積極的に参加したことによる解雇や懲戒処分を恐れているという。また同社は、労働者が自ら選択した組合に加入する権利や、長年スイスの労働者が享受してきた保護を弱体化させる恐れのある法的申し立てまで行っている。


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