韓国金融産業労組、組合役員の不当解雇を非難

先週、3人の元組合役員が突然解雇されたことを受け、UNIは加盟組織の韓国金融産業労組(KFIU)とともに、いわれなき解雇は組合に対する不当な攻撃であるとして非難した。KFIUは使用者側に対し、解雇通告を直ちに撤回するよう、要求している。

KFIUは、韓国の労使関係の枠組みにおいては、「争議行為」に基づいて解雇を行うことはできないと強調した。

問題となった行為は、今回解雇された3人の職員が2017年に韓国銀行連合会事務所への訪問を主導した件である。金融委員会による公企業の業績給改革導入の強行に抗議し、労使交渉の再開を要求するために行われた訪問だ。残念ながら、そのさなかに衝突があり、その後、3人の職員は起訴され、実刑と執行猶予が言い渡されていた。

だが、同じような事件を繰り返さないために、KFIUと銀行協会は、3人の組合幹部に対して告訴も報復もしないことで合意していた。また銀行協会は、今年5月の時点で、KFIUにいかなる報復も回避することを確約していたほどであり、そうした中で、1か月後の今回、3人の元組合幹部に突然解雇通知が出されたのは衝撃的であった。

保守派のユン・ソクヨル大統領が5月に就任して直後に生じた今回の突然の解雇について、KFIUは韓国の労働組合運動に対する新たな弾圧であるとみて懸念している。

パク・ホンベKFIU委員長は、「これは我々にとって受け入れがたい状況だ。労使の相互協定は、完全に尊重され、適切に実施されなければならない。経営陣が新政権の資本優遇政策に便乗していることを非常に憂慮している。このような偏狭で日和見的な立場は、労使交渉制度を弱体化させ、特に世界的に経済的圧力が高いこの時期に、最終的に高い代償を払うことになるだろう」と使用者側を厳しく批判した。

ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長は、こうした状況について懸念を示し、「UNI Aproは全面的に連帯してKFIUの懸念を共有し、経営陣に対してKFIUの3人の職員の解雇を直ちに撤回するよう、要請する」 と述べた。


各国の労働組合、「気候変動と雇用に強い職場づくり」のグローバル・アクションデーに、緊急行動を要求

生活費危機、戦争、ますます壊滅的な異常気象への懸念が高まる中、今こそ気候変動と雇用に強い職場づくりを

6月22日、「気候変動と雇用に強い職場づくり」グローバル・アクションデーにおいて、UNIはITUCおよび世界中の組合とともに、気候変動に関する緊急行動を要求する。

放置すれば地域全体が居住不能となり、暮らしを脅かし、地域社会を破壊することになる、ますます拡大する気候変動に対応すべく、世界は時間との闘いに直面している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「環境保護と労働者の権利を第一に据えた公正な移行を実現するため、今こそ緊急の気候変動対策が必要だ」と訴え、「労働者と組合は、地球の未来を形作る決定が、この緊急事態に取組むのに十分な持続可能性と強制力を備え、野心的なものであるようにすべく、使用者や政府と共にテーブルにつく必要がある」と主張した。

CEPOWとは、世界中の何千人もの労働者が、環境に配慮した持続可能な事業計画について、使用者と世界最大の対話をすることである。労働者と組合は、安全衛生、雇用確保、排出量の削減、そして次世代のための安心できる未来が最優先課題とすべく、闘っているのである。

グローバル・アクションデーの一環として、UNIはすべての加盟組織に対し、使用者に働きかけ、職場の二酸化炭素排出量を削減し、気候変動と闘う方法について話し合いを始めるよう促している。

シャラン・バロウITUC書記長は、「我々には時間がない。今こそ力を合わせ、直面する問題や、気候変動と雇用に強い職場づくりに取組む時だ。我々の唯一のふるさとである地球を守るためには、協力が必要」と訴えた。

#CEPOWのハッシュタグで、気候変動と雇用に強い職場づくりの取組みが世界中で共有されている。CEPOWキャンペーンの詳細はこちらから。


介護施設の変革に向けた投資家イニシティチブ1年目、変化に向けた基礎を構築

介護施設における労働条件とケアの質の改善に向けた革新的なキャンペーンの開始から1年、「ケア部門の責任ある投資家イニシアティブ(IIRC)」は、2021年3月の開始以来の進捗状況を評価するとともに、今後の改革を展望した。

IIRCに署名した投資家(現在133社、運用資産額3.8兆米ドル)に提供された最新情報の中で、この取組みの創設メンバー(脚注)と、コーディネーターを務めるUNIは、介護部門において基準を引き上げるような実質的な取組みが数多く行われていることに触れた。

開始当初、IIRCは投資先企業に対し、十分な人員配置、団体交渉と組合代表の拡大、安全衛生の改善、生活できる賃金、ケアの質の向上など、パンデミックによって悪化した介護業界の長年の問題に対応する、共通の期待を発表した。

これまでにIIRCは、介護施設を運営する世界最大手のチャートウェル、フレゼニウス、ヒューマナ、コリアン、LNAサンテ、オルペア、シエナ・シニア・リビングの7社において、役員レベルでこれらの期待を高めきた。IIRCは、ウェルタワー、ヴェンタス、ヴォノヴィアなどの介護施設部門で大きな存在感を示している不動産投資信託(REITs)への働きかけも開始している。

さらに、IIRCに署名した機関投資家は、カナダのチャートウェルの株主総会決議により、取締役会レベルで説明責任が果たされるよう、働きかけてきた。また、フランス責任投資フォーラム(FIR)と共同で、約50名の投資家が参加する説明会を開催し、介護部門の危機に対する解決策を議論した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「IIRCは1年という短い期間で、業界を苦しめる根深く危険な問題に対し、責任ある投資家が取組んでいくための強固な基盤を構築した」としてその成果を強調しつつ、「だが、もっと多くのことをしなければならないのは明らかだ。介護の中心に人間の命と人々を据えるというIIRCの期待に、こうした使用者やREITsが応えていくようにするためには、大規模で複数の利害関係者が関与していくアプローチを、継続的に行うことが必要だ」と訴えた。

脚注) IIRCの創設に関わり署名したのは、BMOグローバル・アセット・マネジメント、コロンビア・ スレッドニードル・インベスツメントの一部、エトス財団、PIRC、シコモア・アセット・マネジメントの各社。


UNI Apro、ベトナムの労働組合との協力関係を強化

UNI Aproの代表団3名が、2022年5月23~27日にベトナムを訪問し、ベトナムの労働組合との協力関係をさらに強化した。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長を団長に、アリス・チャンUNI Apro商業部会担当部長および中野英恵UAゼンセン国際局長(UNI Apro執行委員)で構成される代表団は、5月下旬の5日間、ベトナム労働総同盟(VGCL)との共同の取組みに参加するとともに、UNI加盟組織であるベトナム情報通信労組(VNUICW)を訪問、またベトナム銀行労組(VNUBW)との会談を実施した。意見交換や情報交換が行われる等、実り多い訪問となった。

VGCLとの共同セミナーおよび二者会談

代表団は、5月24~25日にかけて開催されたUNI Apro、UAゼンセン、VGCL共催の「ベトナム小売業における労働組合活動の強化」をテーマとする共同セミナーに参加した。

共同セミナーでは、ベトナム商業労組ネットワークを構成する7組合から31名のベトナム人参加者が、インドネシア、マレーシア、シンガポールでの小売・商業労働者の組織化について、オンライン参加したUNI加盟組織から経験を聞いた。また、中野英恵UAゼンセン国際局長が、UAゼンセンの経験を共有し、充実したセミナーとなった。

ベトナムや地域の労働および労働組合に関わる問題についての情報交換を目的としたUNI AproとVGCLの会談では、チャン・タン・ハイVGCL副会長が、UNI Aproからベトナム労働組合への25年以上の長期にわたる協力と効果的な支援に感謝の意を表した。

チャン・タン・ハイVGCL UNI Apro RS Rajendr副会長と会談するアチャリャUNI Apro地域書記長

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、特に成長しているベトナムの市場経済に影響を与えるいくつかの自由貿易協定にベトナムが加盟している中、UNI Aproの連帯とVGCLへのさらなる支援を改めて確認した。

その後、UNI Apro代表団はVGCL組織化局と会談し、VGCLが計画している食品小売業労働者のための全国組合結成に焦点を当てる期間について合意した。

UNI加盟組織ベトナム情報通信労組(VNUICW)との会議

UNI Apro代表団とVNUICW の役員

VGCLとのセミナーや会議の後、代表団はUNI加盟組織であるVNUICWを訪問した。VNUICWは、情報通信産業の労働者8万5000人のうち42.6%を代表している。

会談では、代表団はチュー・ヴァン・ビン委員長と組合員から温かく迎えられ、最新の状況について説明を受けた。UNI Apro女性委員会の共同議長を務めるタン・ティ・ホアVNUICW副委員長は、執行委員の4割以上が女性であることを強調した。同労組では、職場暴力の根絶や機会均等、スキル研修の推進について、重要性を訴える活動を展開している。

代表団はまた、ベトナム郵便会社社長のチャン・ブ・ハVNUICW副委員長からも話を聞いた。郵便事業が、13,000の郵便局にコンビニエンスストア「POSTMART」を開設し、Eコマース市場に進出する予定であり、日本郵便の協力のもとで行われる。

ベトナム銀行労組(VNUBW)との協力関係を模索
代表団は最後にVNUBWと会談し、労働組合活動の最新状況や共通の関心事について話し合った。グエン・ヴァン・タン常任副委員長がVNUBWの戦略的行動計画を共有し、チャン・ホン・トゥアン常任副委員長は2018年の前回大会以降の組合の成果を紹介した。同労組は、外資系銀行を含む銀行・金融機関の17万人の労働者のうち、16万人以上の労働者を見事に組織化してきた。ラジェンドラUNI Apro地域書記長はVNUBWの成功に賛辞を送り、両組織の協力関係が近々より緊密になることに期待を示した。

VNUBWと会談するUNI Apro代表団

自動車販売店には「公正な移行」が求められている

世界の自動車産業が電気自動車の生産に全力で取組む中、その影響は製造に携わる労働者だけでなく、ショールームで働く労働者にも及んでいる。5月31日、UNI世界商業部会は、第2回自動車販売労組ネットワーク会議を開催し、この激変に直面する販売員をいかに守るかが議論の中心となった。

この会議で発表されたUNIの委託調査によると、新しいタイプの販売モデルが出現し、2028年までに新車の3台に1台がセミ電気自動車(EV)またはフルEVになると予想される中、労働者にとってはメリットとデメリットの両方が存在することが示された。
自動車販売業界の10万人以上の労働者を代表する並木泰宗氏(全日本自動車産業労働組合総連合会(JAW)事務局長)は、「、COVID-19の大流行やウクライナの戦争の影響により、業界の労働者は決して容易ではない環境に置かれている。自動車ディーラーには、互いに連帯することで、労働者の雇用と暮らしを守っていくことができる」と述べた。

フォルクスワーゲン、アウディ、メルセデス、BMW、トヨタなどのメーカーは、販売店のマージンを大幅に引き下げるコスト削減戦略として、多くの国で直販/代理店販売モデルを導入しており、自動車メーカーと自動車ディーラーの区別が曖昧になりつつある。

この新しいモデルのディーラーは在庫を管理し、顧客と交渉して価格を設定する独立事業者ではなく、メーカーが固定した価格をコントロールすることなく、販売台数ごとにコミッションを受け取るメーカーの直販代理店である。

さらに、自動車のオンライン販売も増えており、パンデミック以前からテスラは100%オンライン販売への移行を発表、ボルボも2030年までに純粋なオンライン販売モデルを計画している。

これは、顧客との対面販売から、電話やビデオ通話を通じたオンラインによるバーチャルな対応に移行することで、自動車ディーラーの仕事のやり方が大きく変わることを意味する。

イタリアの加盟組合であるFILCAMS/CGIL、FISASCAT/CSIL、UILTUCSは、自動車販売業界の労働者が強い発言力を持ち、組合を通じて再教育、技能向上、配置、職務内容の改革を含む移行条件について交渉できるように、「グリーンサステナビリティは社会責任に軸足を置くべきである」として働きかけを行っている。政府もまた、労働者がこのプロセスから取り残されないようにするための役割を担っていると述べた。

課題と同時に、小さな修理工場では扱えない高額な整備機器を必要とするEVの整備に関しては、自動車ディーラーが請け負うという機会もある。さらに、何千もの民間ディーラーではなく、自動車メーカーに直接雇用されている販売員の組織化は、組合にとって容易になる可能性がある。

職の確保は優先事項であり、マレーシアのプロトンや日本のJAWが示すように、組合は雇用の確保において真の違いをもたらすことができる。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、今後数年間に自動車ディーラーを守ることが極めて重要であると強調し、労働組合の協力を呼びかけた。「自動車産業の転換は労働者を置き去りにしてはならず、経済的利益は労働者に公平に分配されるべきである。このネットワーク会議により、我々は互いに学び合い、組織化や団体交渉を通じて共に前進することができる。」と述べた。


長時間労働と低賃金に押しつぶされるゲーム開発労働者-世界的な調査で明らかに

UNIが29か国のビデオゲーム労働者を対象に行った新しい調査によると、低賃金(66%)、過剰な労働時間(43%)、不十分な福利厚生(43%)、職場での差別やセクハラ(35%)等の仕事に関する従業員の不満が、職場で組合を結成する意欲の原動力になっていることが確認された。報告書によると、回答者の大部分(79%)が職場における組合結成を支持または強く支持していることがわかった。  

一つ以上の職場問題を訴える回答の中で、最も多く挙げられたのは、低賃金であった(66%)。欧州で働く労働者に目を向けると、この割合はさらに高い(77%)。女性やノンバイナリー(性自認に男性か女性かという枠組みをあてはめない人)の回答者の多くが、職場における性差別が問題であると回答している。職場に問題があるとした女性回答者の半数近く(46%)、ノンバイナリーの回答者の43%が、性差別が問題であると回答した。  

クリスティ・ホフマンUNI書記長は,「この画期的な報告書が明らかにしているのは、ゲーム産業で働くことは多くの労働者にとって不公正で不平等かつ持続不可能なことであり、従業員の不満が繰り返されている世界的な流れだ」と指摘し、「ビデオゲームの開発に携わる労働者が、業界の巨大企業に強力なメッセージを伝えるためにベルリンにやってくる。つまり、今こそ自らの権利のために闘う時であり、組合を結成する、ということだ」と述べた。

この調査報告は、ビデオゲームの開発に携わる世界中の労働者を動員し、労働基準の引上げと、安全な労働時間、労働条件の確保に向けたグローバルキャンペーンに団結させている。20か国のビデオゲーム労組の代表者が6月16~17日にベルリンで会合を開き、成長するデジタルエンターテインメント分野で労働者を組織化し、労働者の力を強化するための国際的な取組みについて議論する予定だ。 

サラ・ステフェンズ全米通信労組(CWA)書記長は、「ビデオゲーム業界の労働者が変化を求めていることに疑いの余地はない。アクティビジョン・ブリザードの例が示すように、労働者が団結して組合を結成して初めて、持続可能な労働者の力を得ることができる」と述べ、「ビデオゲーム業界の労働者は、団結して正しいことのために闘い、業界を変革している」と強調した。

ビデオゲーム産業は、最も急成長しているエンターテインメント業界の一つであり、2028年までに世界全体で5兆ドルに迫る収益を上げると予測されており、これは世界の映画・映像産業の予測収益を上回る数字だ。また、ビデオゲーム企業は巨大な使用者となっており、インドなどの新興ビデオゲーム市場を含め、北米、欧州、アジアで33万人以上の労働者を抱えている。近年、ビデオゲーム産業の労働者は、低賃金、不十分な福利厚生、強制残業やクランチ文化(IT業界やゲーム業界等で締切前に長時間の残業をしたり週末も働いたりすること)の横行、嫌がらせや差別が横行する職場風土など、業界の労働条件に対して声を上げている。  

また、韓国のネクソンやスマイルゲート、スウェーデンのパラドックス・インタラクティブ、フランスのユービーアイソフト・スタジオ、そして最近では米国のアクティビジョン・ブリザードのレイヴン・ソフトウェアなどで、労働者が組合を結成したり、加入したりする動きが出ている。  

この報告書は、労働者や労働組合がビデオゲーム産業の状況とゲーム開発に携わる労働者の経験を理解し、労働条件を改善し労働者の交渉力を強化するための法改正や規制改革の機会を理解するためのツールとして、UNIの委託で作成された。 

報告書の全文はこちら(英文)


UNI 加盟組織の指導者、労働者代表としてネパールテレコムの取締役に選出

UNI加盟組織であるUNI-ICTSネパールの委員長であるシャンカル・ラミッチャン氏が、ネパールテレコムの取締役会において今後2年間にわたり、3800人以上の労働者を代表する立場に選出された。

UNIネパール加盟組織連絡協議会の議長も務める同氏は、今回の選出を受けて、「多くの仲間から信任投票をいただいたことに、大変感謝し、嬉しく思う。重責ではあるが、取締役会で労働者の声を反映させるために全力を尽くしたい。当面の焦点は、団体協約が再び実施されるようにし、テレコム労働者の抑圧された権利について取組むこと」と述べた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、UNIを代表し「今回の選出を非常に誇りに思う。ラミッチャン氏は、ベテランの労働組合活動家であり、ネパールの組合運動に良い変化をもたらしてきた。特にUNIに加盟している部会とネパールテレコムにおいて、意思決定における労働者の効果的な代表性に基づく対話とパートナーシップの文化を導入・推進してきた実績がある。新しい役割の中で、彼の活躍を期待している」と祝辞を述べた。

安藤京一UNI Apro ICTS部会議長は、祝福の言葉を述べるとともに「シャンカール氏がこの新たな責任をしっかりと果たし、ネパールテレコムにおいてさらに調和のとれた労使関係を構築していくことを確信している」と続けた。


UNI、イタウ銀行にコロンビアでの退職強要の中止を要求

イタウ銀行がコロンビアのリテール部門の売却を見越して数百人規模で人員削減を計画する中、UNIは、労働者を脅して退職を強要するのをやめるよう、要求している。

同国のUNI金融部会加盟組織であるコロンビア銀行従業員組合(ACEB)と全国銀行従業員労組(UNEB)によれば、イタウ銀行が退職金と引き換えに退職合意書に署名しない労働者に嫌がらせをし、銀行を閉鎖すると脅している。 

今年初めの時点でイタウ銀行は、コロンビアに約2,300人の労働者を雇用していたが、「双方の合意」によって約350人が解雇されたと推定される。 組合は、2022年9月までにさらに300人の労働者がこの方法で解雇されると踏んでいる。

労働者は現在、数十年にわたる組合闘争によって発展してきた、コロンビアの金融部門の中では間違いなく最高レベルの団体協約の適用を受けている。だが今後の買い手にとってリテール部門をより魅力的なものにすべく、イタウ銀行は団体協約の弱体化を試みていると、組合はみている。

5月16日の声明でACEBは、「銀行経営陣が仕掛けてきた解雇交渉の罠にはまってしまうことは適切ではないということと、そしてそのことが労働者に及ぼす深刻な影響について、我々は繰り返し発言してきた。また我々は、自発的と思われてしまう合意を受け入れて雇用関係を打ち切ることは、壊滅的に間違いであり、いったん合意してしまえば後戻りはできないのだということを、明確に述べてきた」と強調した。
 
ブラジルに本社をもつこの銀行が、結社の自由に関する法に反して従業員との雇用契約を解除したため、組合はイタウ銀行との交渉を阻まれている。一方、銀行側はコロンビア労働省に書簡を送り、サービスの近代化と生産性・品質の向上を口実に、労働者の集団的解雇の許可を求めている。

労働組合としての特権を持つUNEBの31名と、同じ条件を有するACEBの72名が、これらの集団解雇の対象になるとの通告を銀行から受けている。

同行のリテール部門が売却されるとしても、一夜にして実現するわけではなく、権利として労働者は新たな所有者のもとで雇用を継続できるはずであり、イタウ銀行との現行の団体協約の条件も維持されるはずである。これは、2018年に個人向け金融事業をスコシアバンクに売却したシティバンクの労働者の事例である。労働者は、シティバンクとの間で締結した当初の団体協約と同じ条件でスコシアバンクに雇用されたのである。

UNI 米州は、イタウ銀行の労働者に連帯する最近の声明の中で、「我々UNI米州は、銀行が解雇をやめ、労働者の権利を確保し、結社の自由という基本的権利を尊重し、実質的な成果に結びつく対話を直ちに開始するよう、要求する。同様に、こうした行動について拒否の声を上げ、労働者の権利のために闘う加盟組合ACEBとUNEBに対し、あらゆる支援を行う」と表明した。


第36回UNI世界運営委員会開催。労働安全衛生、組織化など議論。ミャンマーへの支援を確認

2022年5月11~12日、スイス・ニヨンUNI本部において、第36回UNI世界運営委員会がハイブリッド開催された。

「3年ぶりに対面会議が実現し、みなさんと直接お会いできてうれしく思う。様々な議題・スピーカーを用意しているので、積極的な議論を期待したい」と、ルーベン・コルティナUNI会長の冒頭挨拶で始まった会議には、11カ国から運営委員及び地域書記長21名、オンライン参加の運営委員、UNI部会担当局長、事務局等が出席した。日本からは、松浦昭彦UNI Apro会長(UAゼンセン)、安藤京一UNI副会長(情報労連)、中野英恵UAゼンセン国際局長、木村富美子情報労連国際部長、上田智亮UNI-LCJ事務局長が出席した。

次にクリスティ・ホフマンUNI書記長が挨拶し、コロナ禍やウクライナ問題、組合員の減少や賃金が上昇しないなどの労働組合の現状に触れ、「25,000人が参加した組織化トレーニング(オンライン)は有意義であったが、複雑な議論や信頼関係の構築には対面活動は欠かせない。今後はバランスを取りつつ取組んでいくと共に、①多国籍企業との協働・対話、②組織化推進、③政策活動への取組み(新しい労働の世界、人権デューデリジェンス、労働安全衛生、気候危機)、④内部の業務改革・構造改革、⑤2023年UNI世界大会(米フィラデルフィア)を活動の柱として取組む」と述べた。

「組織化報告」のセッションで、アインディ・スノディUNI SCORE(組織化)担当局長が「組織化センターは、それぞれの地域でオルガナイザーの育成、組織化活動に取組み、成果を出している。特に中欧組織化センター(COZZ)は、活動を拡大し、ウクライナ難民の支援を行っている。」と報告した。
安藤UNI Apro ICTS部会議長は、「マレーシア系多国籍通信事業者アシアタ社の組織化に関し、6か国・2万5千人を雇用する巨大通信事業者に対し、同部会は『アシアタ労組アライアンス会議』を定期開催し情報交換を行っているが、更に強化していく。特にバングラデシュは人口が多く、今後も成長が見込まれることから対応強化が必要である」と強調した。また、ネパールで団体交渉の能力開発を実施する予定であり、カンボジアでの組織化活動も2023年初の開始を目指して準備中であることも報告し、今後のUNI本部及びSCOREの支援を求めると述べた。

「労働安全衛生」のセッションで松浦UNI Apro会長は、カスタマーハラスメント(カスハラ)撲滅に関するUAゼンセンの取組みについて報告した。「カスハラは、働く人や企業に被害・損害を与えるだけでなく、消費者など一般社会にも不快感や悪影響を及ぼしており、社会全体でカスハラをなくしていくことが重要である。この問題を解決するため、UAゼンセンでは労使で話し合うよう加盟組織に働きかけ、流通部門74組合の内、約8割がカスハラ問題に関する労使協議会を行い、相談窓口設置等などの取組みが進んでいる。我々の運動もあり、社会に認知されるようになったが、法整備には議論が不足しており、組織内国会議員と連携し、社会全体におけるカスハラ防止対策の強化と法制化を求めている。また今年2月、厚生労働省が『カスハラ対策マニュアル』を発表したことは大きな一歩だった。今後も他産別と連携し、労働界全体でこの問題に取組んでいく」と報告した。

「UNI世界大会および世界女性大会」のセッションでは、ホフマンUNI書記長より大会の準備状況の報告があり、また2023-2027年の戦略計画(※)、UNI世界大会の開催時期およびUNIの非営利団体としての明記に関する規約の改正案を動議として提案し、承認された。

※戦略計画
①全ての人のために組合の力を強化しよう(組織化・多国籍企業との関係構築・団体交渉)②企業に説明責任を負わせるため、ルールを変更しよう(人権デューデリジェンス)③公正で包摂的なグローバル経済のため、ルールを変更しよう(ディーセントワーク、社会保護、持続可能な経済、デジタル化)④安全衛生のために共に立ち上がろう(労働安全衛生、つながらない権利)⑤平和、民主主義、人権のために共に立ち上がろう⑥不平等、人種差別、不公平な扱いに反対し、共に立ち上がろう(人種差別、青年、女性、LGBTIQ+)⑦持続可能な世界のために団結しよう(気候変動)

松浦UNI Apro地域会長

これを受け松浦UNI Apro会長は、UNI Apro会長として本案に賛意を示し、「2年にも及ぶパンデミック下で、多くの国、あらゆる産業・雇用形態の労働者が影響を受けた。そして多くの国で、失業保険や退職金制度、休業中の賃金保障等の社会保護の不備が明らかとなった。特に、アジアの開発途上国ではブランドや多国籍小売企業からの発注の激減によって多くの衣料産業労働者が解雇されたが、失業保険制度がない、使用者が法律を守らず解雇補償を支払わないケースが多発した。インダストリオールではパンデミック期間中、支払われなかった賃金・補償金についてブランドが責任を負うよう要求している。しかし、社会保護は国の制度に負うところが大きく、一つのセクター・企業との交渉で国の制度を代替するのは困難である。また、社会保護はすべての産業に共通する問題である。従って、UNIで社会保護の取り組みを進めるにあたっては他のGUFやITUCとの連携を強化すべきだ」と述べた。

「地域報告」のセッションでは、UNIアフリカ、UNI米州、UNI欧州の各地域から報告があり、UNI Apro地域報告ではラジェンドラ・アチャリャ地域書記長が、昨年の6部会大会でパートナーシップ労使関係を促進し社会対話を強化するために、他の社会パートナーとのギャップを埋め、当同社の力を構築し、組織化を拡大する戦略を採択したことを報告した。また、「コロナやウクライナ問題だけではない。スリランカ経済状況やフィリピンが独裁政権になる可能性、香港などに注視しなければならない。不安定雇用に従事するエッセンシャルワーカーへの組織化の取組みおよび青年・女性のエンパワーメント活動を推進していく」と述べた。

「平和、民主主義、人権」のセッションでは、アナトリー・ヤドヴィ氏(ウクライナ、CWU)の報告に続き、カイン・ザール氏(ミャンマー、CTUM-IWFM)から「2021年2月のクーデター以来、市民権のはく奪、公務員の失職、飢餓などの市民の抑圧が続いているが、我々は民主主義を回復するために闘っている。経済制裁を含め軍事政権を止めるための支援をお願いしたい」とミャンマーの現状について報告と支援要請があった。
松浦UNI Apro会長は、「UNI Aproは、軍の弾圧に屈することなく抵抗するミャンマーの組合の仲間、市民に心からの敬意と彼らへの強い支持を表明する。その他にもアジアには、香港における民主主義の否定、フィリピンにおける組合活動家の殺害と迫害など憂慮すべき深刻な状況がある。UNI Aproとして、これからも基本的人権と平和・民主主義を守るために行動し続けなければならない。UNI及び世界のUNIの仲間の支援を引き続きお願いする」と述べ、UNI世界運営委員会でも、UNI Apro執行委員会による「ミャンマーに関する決議」が採択された。

この他、「アマゾン・キャンペーン」「ビジネスと人権」「新しい労働の世界」など様々な議論を行い、今後のスケジュール確認が行われ、閉会した。


UNI、解雇されたモロッコのコールセンター活動家の復職を要求

モロッコ労働組合(UMT)は、4月にストライキを実施後、UMT役員7名がビジネスカサブランカ2Sに解雇されたことについて、反撃に出ている。同社は、イタリアのオフショアリング多国籍企業であるコムデータグループの子会社である。

UMTはOECDモロッコ連絡窓口(NCP)に対し、同社による結社の自由と団体交渉権への明白な侵害に介入するよう要請するとともに、解雇された労働者の復職に向けて、国際連帯を呼びかけている。

ビジネスカサブランカ2Sの労働者1,400人の過半数を代表するUMTは、従業員の購買力の低下に関して、同社と繰り返し対話を試みてきた。だが、組合によれば、会社は賃金の低迷や急激なインフレに関する懸念に対処しようとしなかったという。労働者は4月21日、会社に要求を伝えるあらゆる手段の中から、ストライキに突入した。組合は行動要請の中で、「従業員は、生活水準および労働条件を改善し、コールセンターにおける不安定雇用を糾弾するために闘う決意だ」としている。

同国では、ストライキは憲法で保護された権利であり、労働者が組合に代表される権利と団体交渉権はOECDの多国籍企業行動指針に明記されている。

このように労働者の権利が保護されているにもかかわらず、会社はストライキ直後にUMTの役員および代表者を解雇したのである。同社は、組合活動を理由に彼らの賃金を差し押さえ、刑事告発を行った。組合指導者は、これらの容疑で不当逮捕までされた。

キース・ジェイコブズUNIアフリカ地域書記長は、「今回の解雇は、コムデータおよび子会社による明らかな反組合的行為である。労働者の解雇は、正当な組合活動に対する報復措置以外の何ものでもない。コムデータ、そしてモロッコ人労働者を使用するフランスのクライアント企業とモロッコNCPに対し、解雇されたUMT役員の再雇用を確保するよう要求する」と述べた。

UNIは、7人の労働者を直ちに復職させ、不当逮捕された期間中の賃金を支払うよう、要求する。

ビジネスカサブランカ2Sの親会社であるコムデータは、モロッコで7000人の従業員を抱え、同国のコールセンター業界でトップ5に入る事業者である。


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