UNI Apro郵便・ロジスティクス部会、石川新議長のリーダーシップの下、新しい行動計画の推進を確認

2021年9月16~17日、第6回UNI Apro郵便・ロジスティクス部会大会がオンライン開催され、13か国23組織より、90人(代議員29人、オブ15人、ゲスト46人)、来賓及びスタッフ22人が参加した。女性比率は28%、35歳以下は17%だった。JP労組からは代議員10人、オブ1人が参加し、浅香代議員が決議委員長を務めた。

大会は、2017~2021年度UNI Apro郵便・ロジスティクス部会活動報告、2021~2025年度UNI Apro郵便・ロジスティクス部会行動計画を採択した。最後に、2021~2025年度UNI Apro郵便・ロジスティクス部会委員会を選出し、議長に石川JP労組委員長を選出した。

開会式の挨拶や代議員の発言の中で、退任した増田前議長への感謝の言葉と、石川新議長への就任のお祝いが繰り返し述べられた。また、次期UPU事務局長に選出された日本郵政の目時氏への祝意と、UNIとの更なる関係強化への期待が寄せられた。

主な大会議論

セッション1「コロナ禍における公共郵便サービスの重要性

石川委員長は、行動計画No.1「郵便サービスが革新的かつ包摂的であるよう保証させるため各国政府に働きかける」上で加盟組織が取組むべき課題を提起した。またJP労組のコロナ禍における取組みも報告した。

コーネリアUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、基調講演の中で、コロナ禍で必需品の配達量が激増したことを指摘し、郵便は社会に不可欠なエッセンシャルサービスでることを再認識し、いち早くUPUとUNIの間で労働安全衛生に関するMOUを締結した成果を強調した。また、より幅広く強力なユニバーサルサービス義務の定義の必要性や、環境への配慮を訴え、公的サービスであればこそ、全国あまねく基本的サービスを提供できるとした。シバクマールFNPO書記長は、インド郵政がコロナ禍に開始した、食料配達や農作物の運搬等の新たなサービスや、移動郵便局による年金受取等の利便性向上を報告し、公的郵便サービスの重要性を強調した。イ議長代行(KPWU委員長)も、超高齢化社会において郵便局が重要なプラットフォームと認識されており、高齢者の安否確認サービス等を紹介した。続いてネパール、パキスタンからも報告を受けた。石川委員長は、感染拡大防止に不可欠な役割を果たしながら奮闘するネパール郵便労組の仲間に敬意を表すると共に、パキスタン郵政の5つの労組の労連結成の努力を称えた。

UNI Apro郵便・ロジスティクス部会における、女性・青年の参画強化について

小川担当部長は、5月の世界部会大会で採択された女性・青年に関する2つの決議を簡単に説明した。1つは、情報・経験交流促進のための女性フォーラムを、世界・地域大会前段に開催することである。もう1つは、世界部会委員会に青年代表席を追加することである。本大会では、UNI Apro各国の女性・青年リーダー育成の経験と課題を共有した。

ツァイ・ジンファン(台湾CPWUは、台湾及び組合には男女平等は存在し、機会は公平に与えられているが、組合活動への参加時間に差があることが女性役員が少ない一因であると指摘した。また、より多くの若年層を参加させ、世代間ギャップを埋めたいとも述べた。マレーシアUPCWのモハマド書記長、ファスルニサク副委員長は共同メッセージを寄せ、コロナ禍で特に影響を受けている女性・若年労働者への支援に取組んでいることを報告した。ミヒリ(スリランカNPTWUは、女性が働きやすい環境整備やコロナ禍で増えた女性への負担軽減策、サービスの近代化に若年労働者の活用とそのための研修機会の充実を訴えた。

セッション2 サービスの多様化、デジタル化対応、環境に配慮した郵便

ジョー副議長(ニュージーランドEtu交渉担当)行動計画No.2「郵便サービスが持続可能で、環境に配慮し、コミュニティのためになり、利用者から信頼されるよう、あらゆるステークホルダーと連携し、郵便の多様化とデジタル化に積極的に対応するため」加盟組織が取組むべき課題を提起した。

APPUのリン事務局長に代わり、ユ・イエン研修部長から「デジタル経済における変革」と題する基調講演を受けた。顧客との関係性が変わりつつある中、数あるサービスから選ばれるにはどうすべきか、と提起した。これまでの経験は頼りにならず、コロナ危機により多角化、デジタル化の重要性が示された。3つの重要な傾向がある。①多くの技術を顧客が使うようになった。早く安く輸送してほしい、プロセスもコントロールしたいからだ。②新たな競合が参入、DXにより民間事業者が付加価値サービスや優れた可視化されたパーソナルサービスを提供し、シェアを奪っている。③オンラインや携帯電話を活用したサービス向上と経営効率改善。多くの国で郵便事業者は、多角化とデジタル化を加速し、エッセンシャルサービスとしてエコシステムを築き、連携を拡充していく必要がある。革新性・創造性、迅速化、パーソナル化、アクセサビリティ確保、組織の機能性強化が求められる。同時に従業員が安心して働ける健全な職場があり、収入が安定し、従業員の声が経営側に届きやすい組織でなければならない。UNI Aproは重要なパートナーであり、UNI AproとAPPUは、郵便のコミュニティを改善し、事業を拡大していくために共に貢献していこう、とまとめた。

坂根JP労組中央執行委員は、配達車両のEV車両化や、他の物流企業との協力による効率化と再配達の削減を進め、環境負荷を軽減し、物流部門の人材不足解消に努めている事例を報告した。ウー副議長(台湾CPWU委員長)は、コンビニと提携した24時間宅配、独自の通販サイト、高齢者サービス、桃園に建設したスマート物流センターやビッグデータを活用したコスト及び配送時間の削減、自前の倉庫への通販事業者誘致、Iboxという非接触型サービス等、サービスの多角化やデジタル化の事例を紹介し、DXに全ての従業員が対応できるようにしていく、と述べた。スビンダー副議長(シンガポールUTES書記長)も、環境対策として、全ての配送車両のEV化と、全照明のLED化を進めていることを報告し、組合員が試乗して改善提言を行ったり、会社に運転研修を要求していると述べた。インドネシア郵便労組のコマルディン委員長も、DXの事例と労働者にスキルアップ研修を行っていることを報告した。最後に、環境面の取組みを積極的に行っているカナダ郵便労組のキャンペーンビデオを鑑賞した。

セッション3「競争ではなく公正な郵便・ロジスティクス市場をつくるために―民間CEP(宅配・急送・小包)企業における組織化」

小川担当部長は、行動計画No.3「民間CEP企業と競争するのではなく、公正な市場を保証するため、CEP の労働者を積極的に組織化する」上で、加盟組織が取組むべき課題を提起した。ホビッグUNI Apro組織化担当部長から、UNI Apro郵便・ロジスティクス部会がターゲットとするDHL、ニンジャバン等のジオポスト/DPD子会社における組織化等の説明を受け、マレーシア、インドネシア、ネパールの参加者から、取組み状況と課題の報告を受けた。コーネリア局長は、「最賃を受容してはならない。社会的ダンピングはいずれ、郵便労働者にも波及する」と警鐘を鳴らし、DHL、DPD等の多国籍企業については、世界各国の労組間連携強化を図っていくと述べ、各国の協力をあらためて要請した。


UNI世界商業部会運営委員会を開催し、世界商業部会大会の延期を決定

2021年9月21日、UNI世界商業部会運営委員会が開催され、UNI-LCJから八野UNI世界商業部会運営委員会副議長(UAゼンセン)、金子UNI世界商業部会運営委員会委員(自動車総連)及びオブザーバーが出席した。クリスティ・ホフマンUNI書記長及びスチュアート・アッペルバウムUNI世界商業部会議長の開会挨拶に続いて、マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長他が2020-2021年活動報告及び今後の活動計画について報告した。その後、コロナ禍により2020年8月1-3日の開催を延期したUNI世界商業部会大会に関し、2022年12月、米アトランタでの対面開催を追求する旨が提案され、承認された。但し、最終判断は、各国の渡航制限、感染状況等を考慮する必要があることから、2022年上半期に開催するUNI世界商業部会運営委員会で行うこととし、状況によってはオンライン開催とする旨確認された。

開会にあたり、クリスティ・ホフマンUNI書記長は、 コロナ禍が収束しない中、UNIは存在感を高め、安全衛生プロトコル、団体協約等の交渉、エッセンシャルワーカーを守るための基本的権利キャンペーンを行ってきた。アマゾンキャンペーンにおいては、先週イタリアで全国協約締結という成果を上げ、バングラデシュにおいては、困難な交渉の末、新しい国際協定を締結した。Eコマースの台頭など新しいテクノロジーへの対応が求められており、公正な移行を進めていく。10月7日、ディーセントワーク・キャンペーンにおいて、今回は、労働安全衛生にフォーカスする。また9月22日、ITUCのCEPOW(気候変動と雇用に強い職場づくり)キャンペーンに取り組むと述べた。
スチュアート・アッペルバウムUNI世界商業部会議長(RWDSU/UFCW)は、我々が代表する労働者がいなければ、この社会が成り立たないことは明確である。商業労働者はエッセンシャルワーカーとして感染の恐怖の中で働き続けてきた。商業労働者に在宅勤務という選択はなく、UNIは安全衛生、公正な給付を求めて闘ってきた。我々は共に連帯してターゲットに働きかける必要があると述べた。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長より、UNI世界商業部会活動報告として、UNI本部が関わる世界規模の主要な活動が報告された。①メトロ、②イケア、③オーシャン、④自動車販売労組ネットワーク会議、⑤バングラデシュ・アコードに関する報告が行われ、金子委員(自動車総連)より、④自動車販売労組ネットワーク会議の成功に関する謝意と今後も継続して開催したい旨述べた。

続いて、Eコマースは商業部門であるとして、Eコマースの組織化の重要性に言及し、安全衛生に焦点を当てたEコマース企業の倉庫労働者の組織化に関し、ライラ・カスタルドUNI世界商業部会シニア・コーディネーターが報告を行った。

次にオヌール・バキールUNI世界商業部会コーディネーターより、商業部門における暴力・ハラスメントに対するグローバル・キャンペーン実施に関して報告し、世界中の加盟組織の取組みを紹介した。UNIは、2021年11月17日、商業における暴力とハラスメントに関するグローバル・アクションデーを実施する。

UNI世界商業部会大会に関しては、コロナ禍により、2021年8月の米ニューヨーク開催を断念が、対面開催を追求するため、2022年11月末-12月初旬、米アトランタでの開催が提案された。なお感染状況により、オンライン開催とする可能性もあることから、2022年5-6月に最終判断することとなった。

八野UNI世界商業部会運営委員会副議長(UAゼンセン)より、現下の状況では、今決められるのは本案(2022年12月初旬の対面開催)までだと考える。我々役員以外の加盟組織の仲間が顔を合わせ、話し合う機会を設けることは、これまで以上に意義深いものになる。但し、アジア諸国を含め、国によってワクチン接種率にかなりの違いがあるのも現実であることから、UNIとして、今後も国際機関等と連携し、世界中でワクチン接種が進むよう働きかけを求める旨述べた。


イタリアの労働組合、大規模動員を経てアマゾンと歴史的な全国労働協約を締結

アマゾンとイタリアの労働組合との間で結ばれた歴史的な初の全国労働協約を、世界中のアマゾン労働者が祝福している。

マウリツィオ・ランディーニCGIL労組委員長は、「これは重要な協約であり、組合の役割が認められたことで、Eコマース巨大企業との関係において、世界レベルで新たな地点に到達したと言える。」と述べた。

イタリアの運輸・輸送系の労連であるFilt Cgil、Fit Cisl、Uiltの全国事務局と派遣労働者の組合は9月15日、アンドレア・オルランド労働大臣の立会いのもと、物流・貨物輸送・配送部門における相互承認と全国レベルの規約の制定を目的とした協定に署名した。

クリスティ・ホフマン UNI書記長は、「本日、イタリアの労働組合とアマゾンの間で署名され、イタリア労働大臣の支持を得たこの歴史的な全国労働協約は、世界中のあらゆるアマゾンの労働者にとって大きな勝利だ。他のどの企業よりも、アマゾンは世界的な健康危機によって恩恵を受け、そのおかげでこの巨大テック企業は記録的な収益を上げている。パンデミック中の倉庫や配送ドライバーの労働環境は、アマゾンが労働者を使い捨ての材料のように扱う残酷な使用者であることを露呈させてきた。 アマゾンがイタリアの組合との交渉に合意し、真の社会対話と団体交渉に向けた道筋を歩み始めたことは、前向きな第一歩であり、アマゾン労働者の決意の証しでもある。交渉によってのみ、この取組みは持続可能で魅力的なものになる」と述べた。

今年初め、イタリアにおけるアマゾン物流事業の中では初めて、同社の労働者がパンデミックにおける配送ドライバーへの要求を巡って、ストライキを決行した。

この24時間におよぶ総動員は、同国のアマゾンのサプライチェーンで働くすべての労働者(倉庫で働く同社直雇用の従業員から、物流サービスを供給するアマゾンの委託会社で働く従業員、商品の取扱いや配送を行う従業員にいたるまで)を対象としたものであり、労働者の力強い参加の下、類まれなる成果を得て、大きな関心を集めた。この抗議行動は、健康上の緊急事態によってアマゾンのEコマース業務が急増したことを受けて行われたものである。

この協定によって、勤務予定、シフト、仕事量、職務分類などの問題、安定した雇用関係、職場での安全衛生や予防に関する問題、専門的能力の開発、業績手当などの経済的問題について交渉を始めることができる。また、アマゾンはすでに、他の問題について規定する、関連産業の全国産業別労働協約の対象となっている。


UNI世界金融部会、ウェビナー「ミャンマーの労働者と連帯を:軍事政権への金融支援をやめよう」を開催

UNI世界金融部会は、UNI及びITUCのグローバル・アクションデーと連携し、9月15日(水)日本時間20:00-21:30、2021年2月の軍事クーデター以降のミャンマーの状況と、ミャンマー労働運動がミャンマーの軍事政権に対する包括的な経済制裁を求めていることについて、最新情報を共有するウェビナーを開催した。UNI世界金融部会は、銀行及び金融機関に対し、軍事政権と結びつきのある企業からの資本を引き揚げるよう求めている。

リタ・ベルロファUNI世界金融部会議長は、開会挨拶において、この闘いは、ミャンマーに自由と民主主義を取り戻すためのものであり、自分(ベルロファ議長)も軍事政権下の苦しみは経験しているのでよく理解できる。ミャンマーの人々と連帯し共に乗り越えていきたいと述べた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、8月末、開催された「ASEAN+6 社会対話会合」において、UNI Aproとして軍政に反対する決議に参加した。UNI Aproは執行委員会で声明を採択したところ、これからも他のGUFsやITUC-APと連携し様々な場面で関与し、ミャンマーの民主主義を回復したい。また、サイバーセキュリティ法案に強く反対しており、多国籍IT企業による民主活動家のデータ集めには強く反対する。UNI加盟の豪FSUは使用者に対し、責任ある行動求め、ミャンマーで操業する多国籍企業に働きかけている。不服従運動に参加するミャンマーの銀行労組とも対話しており、連帯を示しているところ、今日は重要な機会となるよう期待していると述べた。

マウンマウン・ミャンマー労働組合総連盟(CTUM)会長は、2月1日、クーデター発生直後から、選挙結果を支持し、民主化を阻害する動きを非難する声明を出した。3日、軍部が動き出して以降、行動を続けてきた。鉄道が止まり、人の移動や物流が停止し、工場が停止し労働者が解雇されている。軍部は、半年で中央銀行職員を含む20万人の公務員を解雇した。市民社会は今も抵抗しているが、十分ではない。国にとって貴重で優秀な人材が失われている。軍事政権を止めなくてはならない。世界銀行の報告によると、GDPは18%下落し、国民の半分が貧困に陥っている。CTUMは組合同士連帯し、行動し続けているが、組合リーダーたちが次々に逮捕されているのが現状である。国連において、軍事政権ではなく国民統一政府(NUG)を認めるよう求めている。ILOは軍事政権に会議への参加資格を与えないとした。今次国連総会もGUFsやITUCと共に総会から軍事政権を追い出すキャンペーンを行っている。軍事政権に対する諸外国からの財政的な支援を断ち切ることが重要であり、みなさんの支援を必要としていると述べた。

シャラン・バロウITUC書記長は、軍事政権への資金の流れを断ち切るために、金融部門、特に銀行が責任を果たすことが重要である。欧米の口座からの送金など個々人からの送金が見逃されている。ミャンマーの状況は、自由と民主主義が否定されていることと同義である。ITUCとしてUNIのキャンペーンを支持する。我々は包括的な制裁を軍事政権に求めており、軍政を国連から閉め出したい。政府にもプレッシャーかけ、断固とした態度をとるよう求めていく。組合運動への経済的支援と併せて連帯して行動しようと呼びかけた。

リサ・ネイサンUNI投資家対話アドバイザーは、全体で650億米ドル以上の資金が結果的に軍部に流れている。NGOバンク・トラックによると10億米ドル以上の投資を行っている銀行には、日本の三井住友銀行、三菱UFJ銀行、みずほ銀行が挙がり、他には農林中金の投資も確認できる。軍事政権と歴史的な関係があり、クーデター前からの投資かもしれないが、結果的に弾圧に直接関わっていることになる。人権デューデリジェンスに基づき、投資をすぐにやめるべきであると述べた。

アンジェロ・デクリストUNI金融部会担当局長は、金融産業の労組として、我々はミャンマー国民と連帯すべきである。民主主義や労働組合主義が攻撃されているということであり、本ウェビナーは出発点である。スイスのUBSに書簡を送るキャンペーンを始める予定である。民主主義を守ために声をあげようと述べた。

Q&Aセッション
Q:軍政への資金の流れを断ち切ると労働者の立場が苦しくなることがないか。
A:ILOの報告によれば、この6か月で220万人が失業した。もちろん資金引揚は、労働者に一時的に影響するかもしれないが、それでも包括的な経済制裁は必要。労働者にとって痛みを伴うかもしれないが、自由と民主主義を取り戻すためならやる価値はある。
Q:NUGが武装するというニュースがあるが如何。
A:自衛のため、武器を取ることはあるが、武装ではない。もちろん我々は内戦を望んでいるわけでもない。みんなで交渉に参加し、話し合いによって解決したい。経済制裁により資金を断てれば、軍事政権は崩壊するだろう。国連からは既に閉め出された。これは我々の運動によるものだと考えている。
Q:UNIが多国籍企業ではなく金融機関に対象を絞っているのは特定の理由があるのか。
A:金融機関が果たす役割は重要である。事実650億米ドルもの投資が行われ、軍事政権の資金源になっている。人権への責任を果たし、資金源を断ち切るべきだと考える。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、本ウェビナーを総括し、マウンマウン会長の非常に厳しい状況下での出席に感謝。UNIとITUCは民主主義復活のために、様々な支援をしている。国連総会から軍事政権を閉め出せたのは、大きな前進である。暴力が横行し失業者が増えている。それでも国民は我々労働組合を支持し、過去には戻らないという確固たる意志の下、行動している。資金を断ち切れば軍は崩壊する。これからは更に課題にフォーカスしていく。これは団体交渉のための闘いではなく、民主主義を取り戻すための闘いである。世界はミャンマー国民の味方であると述べた。
マウンマウンCTUM会長は、保険業界についても取組みを期待する。ミャンマーには10社以上の国際保険会社が進出している。海運・航運共に保険が無ければ運用できず、短期的な規制でも軍事政権への資金流入が防げる。今日が民主主義を取り戻す長い旅路の始まりだと確信していると結んだ。


コロナ禍とDXの影響を受ける印刷・パッケージング部会加盟組織、新たな行動計画を採択

2021年9月14日、9か国14加盟組織より34人と、来賓・スタッフ19人が出席し、第5回UNI Apro印刷・パッケージング部会大会がオンライン開催された。

大会は、2017~2021年度UNI Apro印刷・パッケージング部会活動報告、2021~2025年度UNI Apro印刷・パッケージング部会行動計画、UNI Apro共同声明を採択すると共に、2021~2025年度UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会委員及び役員を選出した。議長にはロレイン・キャシン氏(オーストラリア)が再選され、副議長には、宍戸印刷労連委員長(日本、東アジア代表)、ラビ・ラマサミー氏(マレーシア、東南アジア代表)、ジャグディシュ・ゴッセ氏(インド、南アジア代表)が選出された。

また、古賀印刷労連副書記長が資格審査委員長、安部全印刷書記長が決議委員を務めた。

ロレイン議長は、開会挨拶の中で、「本大会では、新たな環境の中でいかに組織化を進めるか、いかにコミュニケーションを図るか、情報交換を密にしいかに労働者を代弁していくかを議論する」と述べた。「ワクチン接種の格差が拡大する中、最前線で働いている労働者の安全確保が重要であり、多国籍企業は賃金や安全衛生を疎かにしてはならない。DXが加速し、チャンスも到来し、持続可能なパッケージング産業の構築が必要だ。過去のような形には戻らない。大会で情報交換をし、職場に戻りそれぞれの計画を策定することが大切だ」と強調した。

ホフマンUNI書記長からは連帯挨拶を受けた。「印刷・パッケージング部門はエッセンシャルワーカーであり、職場における安全衛生の確保が重要だ」と述べた。「コロナ禍により原則した世界経済を復興させる上で、労働者が取り残されてはならない。多くの企業がコロナを口実に、ビジネスモデルを変更したり、賃下げを行っている。特に印刷部門、新聞業界では、活字媒体が廃刊に追い込まれている。広告収入もデジタル企業に取られている。印刷やメディアは独占企業であってはならない。業界の将来をどう形成していくか交渉できる組合の存在が重要だ。技術の変化に対応して、労働者のスキルアップが重要だ。民主的な社会において労働組合は極めて重要な存在であることを強調していく。」

ニコラUNI世界印刷・パッケージング部会担当局長は、「コロナ禍で印刷・パッケージング業界の中でも、大打撃を受けた新聞、セキュリティ印刷部門と、ティッシュやパッケージング等の生産が増え成長した部門もある。我々は国際会議をオンライン開催しタイムリーな情報交換に努めた。労働安全衛生に関するガイドラインを策定し、各産業の傾向分析も行った。国際ジャーナリスト連盟(IFJ)とも連携を強化している。セキュリティ印刷部門の情報交換も継続していく。アムコール社のUNI Apro労組ネットワークを強化していきたい。マレーシアで印刷・パッケージング部門の労連(UNI PACK)が結成されたことは大きな成果だ。ネパールで、デジタル組織化を始めた。今後はフィリピン、ラオス、ベトナムにも目を向け、強力な組合をUNI Apro地域で構築していく」と挨拶した。

続いて、ラジェンドラUNI Apro地域書記長から基調講演を受けた。「印刷・パッケージング部門のコロナ禍の影響には濃淡がある。デジタル化の影響で新聞は廃刊になる等影響を受けていたが、コロナ禍で更に深刻化した。一方、パッケージやティッシュぺーパー部門は、衛生用品や食料品の需要増により活況となった。これらの変化が永続的なものになるかどうかは不明だが、デジタル化、自動化が一気に加速した。非正規で不安定な低スキル・低賃金労働が増え、労使関係が蔑ろにされる新しい労働形態が出現し、所得格差が拡大している。人間を中心とした復興を目指すには、ILOが提唱するように、①人間の潜在能力への投資、②仕事に関わる制度への投資、③ディーセントで持続可能な仕事への投資の拡充が重要だ。UNI Aproは、パートナーシップ労使関係を促進しながら、全ての人にとって、包摂的かつ公正で持続可能な社会の実現を目指し、国民皆保険、疾病手当の確保、移民労働者の保護、労働安全衛生の遵守と基本的労働権の確保等に取組んでいく」と述べた。

以下は行動計画に沿ったテーマ別議論の要約である。

セッション1「組織化! エンパワーメント! より良い団体交渉に向けて力の構築!」

UNI Apro各国で事業を行う多国籍企業アムコール、テトラパック、キンバリークラーク、ウェストロック等の組織化に重点を置き、労組間の連携を図っていく。ホビッグUNI Apro組織化担当部長から同部会の計画を聞き、インド・プネ地区における多国籍パッケージング企業の組織化に向けた調査報告と計画について確認した。

セッション2 デジタル化及びCOVID-19等の課題に対する革新的な対応」

宍戸印刷労連委員長は、産別労組として、働く立場から意見提起を行い、産業政策等について労使間での共有を目指しつつ、雇用の維持と創出、賃金・労働条件の維持向上に全力を挙げていくと発言した。

インドネシアASPEKのアリ印刷・パッケージング部会議長は、コロナ禍における政府及び企業への要請や、DXにおいても労働者が新しいスキルを習得できるよう支援している取組みを報告した。ラビ・マレーシア新聞労連書記長は、新聞業界は読者層が印刷媒体からSNSに移行し、縮小を続け、多くの組合員を失ったと述べた。組合つぶしも横行し、在宅勤務、契約労働・請負労働が増加し、組合に入りたがらない若年層もおり、組合員増につながらないと苦しい状況を報告した。

梅原全印刷委員長は、デジタル化は回避できないが、国民サービスの質の低下を招かぬよう、新事業の確保に向け労使間で課題を明らかにしながら克服に取組んでいくと述べると共に、長年支援してきたインドのセキュリティ印刷9組織が近い将来団結し、UNI活動に積極的に参加することに期待を寄せた。

これを受け、ジャグディシュ・インドセキュリティ印刷労組書記長は、7月にUNIが情報交換セミナーを開催してくれたこと、特に梅原全印刷委員長の支援に感謝した。セキュリティ印刷部門はデジタル化の影響を大きく受け非常に厳しい。「インドでもデジタル通貨による決済が年末までに開始される予定だが、都市のみで使用され、地方では混乱が生じる可能性がある。横行するサイバー犯罪の殆どが未解決で、セキュリティ上のリスクが高い。雇用喪失にもつながる」と警戒し、更なる情報交換の開催と支援を要請した。ジョー・ニュージーランドEtu交渉担当は、使い捨てプラスチックを減らすため、新たなパッケージのニーズが生じており、公正な移行を推進していくと強調した。

セッション3「印刷・パッケージング産業のより良い未来に向けてネットワーク強化」

市村大日本印刷労組委員長は、組合員の社会に対する関心や知識を高める取組みとして、UNIの協力を得て、SDGsをテーマとしたウェビナーを開催し、サプライチェーンの問題や児童労働について紹介したことを報告した。

マヘンドラ・ネパールIMPRESSION委員長は、組合員への福利厚生の充実や教育、労働環境改善の取組みを通じて組合のイメージを刷新すると共に、労働契約の適正な締結を目指していると述べた。デジタルプラットフォームを活用して組合員とのコミュニケーションや社会対話を図ろうとしている。

吉永新聞労連委員長は、ジェンダー平等実現に向けた取組みを報告した。組合の「真の民主化」を実現するには、具体的な数値目標を立て、マイノリティ性のある立場の人の声を拾えるよう、制度、構造、システムを変え、その必要性を組合員に繰り返し説明し全体で取組むことが重要だと述べた。


UNI Apro ICTS部会、安藤新議長の下、 IT・テック・ゲーム産業の組織化を目指す行動計画を採択

2021年9月1~2日、第6回UNI Apro ICTS部会大会がオンライン開催され、29か国15組織より、300人(代議員37人、オブ27人、ゲスト209人、スタッフ27人)が参加した。女性比率は30%だった。情報労連からは本部及び3加盟組織より計16人(代議員9人、オブザーバー7人)が出席した。

大会は、2017~2021年度UNI Apro ICTS部会活動報告を総括し、IT・テック・ゲーム部門の組織化に取り組むことを盛り込んだ野心的な2021~2025年度UNI Apro ICTS部会行動計画を採択した。最後に、2021~2025年度UNI Apro郵便・ロジスティクス部会委員会を選出し、議長に安藤情報労連委員長を選出した。

開会式の挨拶や代議員の発言では、今大会で退任した野田前議長への感謝の言葉と、安藤新議長への就任のお祝いが述べられた。

主な大会議論

セッション1:リモートワークの課題への対応

アンディ・カーUNI ICTS部会議長は、コロナ禍でリモートワークが急増する中、使用者による労働者監視の強化、労働者のプライバシー侵害や、メンタルヘルスへの悪影響が問題となっている。労組はこうした課題について団体交渉で交渉すべきだと強調した。安藤情報労連委員長は、コロナ禍においてオンラインを活用した各種機関会議やセミナー・研修の開催、組織化、平和行動を実施した経験から、今後の労働組合にとって重要なのは、①情報発信力、②「つなぐ」役割、③参加型の活動展開の強化だ、と強調した。インドネシアASPEKのハンダヤニ代議員は、政府と協議し、リモートワークに関する規制を作るとともに労働者への啓発活動も行っていくと報告した。スリランカ・メディアプロテク労組のカマラナス代議員は、リモートワークへの保障を定めた法律が整備されておらず、組合が交渉に当たることが難しい現状を共有した。

 

セッション2:組織化に関する取組み

「主要なグローバル・地域通信企業の組織化」では、バングラデシュ・テレノール労組、マレーシア・エリクソン労組より、在宅勤務が続く中での組織化に苦労しているとの報告があった。一方、ネパール・アクシアタ労組では、労使関係は比較的良好で7度目の団体協約締結を目指して交渉中であること、コロナ禍に在宅勤務者向け研修や全職員へのPPEの支給、隔離施設やオンライン診療の提供等を行ったことが報告された。

「コンタクトセンターの組織化と労働環境向上」では、パートンUNI世界ICTS部会担当局長が世界中で急増するコンタクトセンターに特化した組織化戦略を策定し活動を展開していることを報告した。特に、GAFAをクライアントとし、フィリピンやインドで11万人以上を雇用するフランスのテレパフォーマンス社については、劣悪な労働環境について苦情申し立てを行い、労働者の自由と人権を尊重するよう会社側に求めている。今後4年間は特にUNI Apro地域での活動に力を入れたいと加盟組織の協力を求めた。

「グローバルIT企業における組織化と組織強化」では、レバックUNI世界ICTS部会組織化担当から、IT労働者はあらゆる部門の企業に存在するが、決して労働環境がよいとは言えず、ストレスや長時間労働、ハラスメント、賃金交渉等の様々な問題を抱えており、組合を必要としている現状が報告された。韓国KFCLUのキム代議員は、オラクル、マイクロソフト、ヒューレットパッカード労組の組織状況や労使関係について報告した。オラクル労組は2年間ストライキ後、昨年末に初の協約を締結し、賃金を交渉中である。定期的な労使協議も行っている。ネパールUNITESのレグミ代議員は、ジェンダー、社会対話、マッピングなどの定期的な組織化や研修を実施している他、独自のモバイルウェブアプリも活用し、デジタル組織化を推進していると報告した。インドNCUのプラサド代議員は、特に中小のIT企業でコロナの影響による解雇が発生していること、組織化にはSNSやズーム等を活用していることを報告した。

 

セッション3:ミャンマー問題が通信産業に与える影響

アチャリャUNI Apro地域書記長からミャンマーの労働者や労働組合を巡る状況とITUCや他のGUFと連携したUNI Aproの取組みについて報告を受けた後、2人の来賓が講演した。石橋参議院議員は、ミャンマー民主化を支援する議員連盟事務局長として日本政府や外務省への要請行動等の取組みについて報告し、通信規制問題に関してUNI Aproと引き続き連携していきたいと述べた。国際人権NGOヒューマンライツ・ウォッチのロバートソン氏は、軍による通信規制や取り締まりの状況と多国籍企業の対応について報告した。フランス・テレノール社は、通信監視の要請に最後まで抵抗していたが7月に事業を売却・撤退を表明。売却先企業の軍事政権との関係は不透明であり、人権の尊重を担保するため、労働組合の協力を要請した。春川KDDI労組委員長は、ミャンマーにおける事業の現状と現地で働く組合員や従業員の安全確保の取組みについて報告した。

セッション4:デジタル時代のICTS労働者の組織化と代表制

鈴木NTT労組委員長は、NTT労組のオンライン組織化の取組み事例と課題について報告した。新入社員研修に合わせ対面一括で行っていた加入説明会をオンラインで1年に渡り断続的に実施した結果、100%の組織化を達成した。ズームの技術的な運用面の改善と加入拒否者への対応が課題である。台湾CTWUのリウ代議員は、競争が激化する中業績が低迷しており、コストカットの名の下に、教育研修の機会が減っていると報告した。シンガポールUTESのシン代議員は、ナショナルセンターNTUCと連携し、デジタル化による変化に対応できるよう最新の技能研修を労働者に提供していると報告した。パキスタンAPNEUのカン代議員は、2021年6月に協約を締結し、勤続3年の契約社員の正規化などに成功したものの、強制的な配置転換等の組合に対する嫌がらせが続いており、苦しい状況だと訴えた。


UNI Apro、ミャンマー国民統一政府の国連総会での承認を求める共同決議に参画

2021年8月30日に開催された、労働組合、国会議員、ミャンマー国民統一政府(NUG)によるASEAN+6地域社会対話(ARSD)で、ディーセントワークの推進に向けて同国の民主主義の回復を求める決議が採択された。

決議では、9月14日から開催される第75回国連総会において、NUGをミャンマーの正当な代表として承認することを国連に要請する等、重要な勧告がなされた。

今回の社会対話は、NUGと軍事政権のどちらの代表が国連総会に出席できるかを決定する国連総会の信任状委員会の審議に先立ち、特別に開催されたものだ。

ミャンマー国民は、民主的に選出された亡命中の立法機関が4月16日に設立したNUGを、国際社会が承認することを求めている。協議の中で重点的に検討されたのは、そうしたミャンマーの人々の声を後押しする方法である。NUGには、国民民主連盟(NLD)、すべての少数民族グループ、様々な政党、労働組合、青年・女性組織の代表者が参加している。

UNI Aproは、志を同じくするグローバルユニオンのアジア太平洋地域組織、ASEANサービス従事者労働組合評議会(ASETUC)とともに、国際労働組合総連合アジア太平洋地域組織(ITUC-AP)、ASEAN労働組合協議会(ATUC)、ASEAN人権議員連盟(APHR)、ミャンマー労働組合総連盟(CTUM)の協力を得て、NUGの承認を求める広範な活動の一環として、今回の社会対話を開催することとなった。

ASETUC書記長でベテラン組合活動家のモハマド・シャフィー・BP・ママルUNIマレーシア加盟協議会(UNI-MLC)議長が労働組合を代表して歓迎の言葉を述べ、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、パネルセッション「ミャンマーでビジネスを行うということ」の中で司会を務めた。

シャフィーUNI MLC議長は、「今回の社会対話が、ミャンマーの友人たちを勇気づけ、国際社会がNUGを正当な代表として認めることを望むミャンマーの人々に、希望を与えるものとなることを心から願う」と述べた。

ARSDは、ASEANで毎年開催されている三者社会対話であり、様々な問題に対する社会パートナーの対応を集約し、人々を中心としたASEANの構築に向けてディーセントワークのアジェンダを推進している。今回、参加国を拡大して特別版として開催されたARSDには、ASEANの主要な経済パートナーである5か国(日本、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド)も加わった。

国連総会前日の9月13日、グローバルユニオン評議会(CGU)は、政府間組織にNUGを承認するよう求める世界行動デーを実施する予定。


70社以上のブランドが署名する衣料品産業労働者の安全衛生に関する国際協定が発効

2021年9月1日、77のグローバルブランド及び小売業者が署名した「繊維・衣料品産業の安全衛生に関する国際協定」が発効した。
この26ヶ月間の法的拘束力を持つ協定には、今後より多くのブランドが署名することが期待されている。本協定は、火災及び建物の安全性に関する協定「バングラデシュ・アコード」の期限切れと共に発効した。
新たに署名したのは、世界最大のファッション小売企業の一つH&M、Inditex(ZARA)、ユニクロをはじめ、C&A、Marks & Spencer、米国Calvin Klein、Tommy Hilfiger、American Eagle等である。
署名企業リスト(英語)はこちら

これらの衣料品ブランドは、UNI及びインダストリオールと国際協定に署名することで、バングラデシュにおいて既に実施されている安全衛生活動に加え、2013年及び2018年の協定の原則に基づいた国別安全衛生プログラムの拡充を約束することとなる。新しい協定は、オランダの国際協定財団を通じて実施される。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「本日、世界の衣料品産業労働者は、大きな一歩を踏み出した。グローバルブランドと小売業者は、この国際協定に署名することで、バングラデシュの工場の安全性に対するコミットメントを強化するとともに、必要性が高く、強制力と透明性ある安全衛生プログラムを、少なくとも他の衣料品生産国においても確立することに同意した。私たちは、多くのグローバルブランドや小売業者がこの国際協定に署名し、サプライチェーンにおける衣料品労働者の安全に責任を持つと約束したことを喜ばしく思う。一刻も早く、より多くの署名を進めたい。」と述べた。

8月25日発表のこの国際協定は、国際労働組合組織であるUNI及びIndustriALLとグローバルブランドとの数ヶ月にわたる交渉の末に生まれたものである。本協定には、バングラデシュ・アコードを成功に導いた法的拘束力のあるコミットメント、結社の自由の尊重、管理・監視体制の独立性が含まれているほか、対象を他国にも拡大し、人権デューデリジェンスを含む適用範囲拡大のオプションも用意されている。
国際協定全文(英語)はこちら


UNI Aproユース、デジタルツールによる青年の組合参加を推進

2021年8月28日、第17回UNI Apro青年委員会が昨年に続きオンラインで開催された。各国委員からは、コロナ禍により依然として対面の活動が大幅に制限される中でも、デジタルツールを活用し、啓発活動や研修の提供、新規組合員の獲得や組織化、ネットワークの維持・強化など、青年の組合への参加を促進する様々な取組みを粘り強く継続していることが報告された。

日本からは、太田委員(情報労連・新任)、藤原委員(UAゼンセン)、松波委員(日放労)、齋藤委員(JP労組・新任)他オブザーバーが出席し、各組織の青年活動について報告した。また、7月に初めてオンライン開催された第20回UNI-LCJユース英語セミナーについて、出席した藤原委員が報告を行った。

UNI Apro青年委員会構成の変更については、情報労連の齋藤前委員から太田委員、JP労組の小野前委員から齋藤委員への交代を含む各地域の変更が確認され、レイズ議長からUNI Apro青年委員会を代表して新メンバーへの歓迎と退任した委員への感謝の言葉が述べられた。

最後に、2018~2022年活動計画の進捗状況と今後の予定(2021年末からのオンライン研修、2022年UNI Apro青年大会をバーチャルまたは対面で開催等)について確認し、閉会した。

 

各国報告(要約)

  • 松波清美副議長(日本 日放労):メディア・放送業界の若年労働者へのコロナの影響について報告。オリンピック、パラリンピックの取材・番組制作のために全国から多くの若い労働者が集められたが、若年層のワクチン接種が進んでおらず感染者が出た例もある。同僚との関係の希薄化や対面によるOJT研修ができないため、メンタルヘルスや人材育成にも影響が出ている。若手組合員の声を活動に反映させるべく、テーマごとにチーム化し、情報共有や意見交換の場を設ける計画である。
  • 太田佳織委員(日本 情報労連):青年層の課題は、組合活動へ参加する組合員、組合役員の担い手が少ないことである。組合員教育や役員研修に参加してもらい、組合活動への理解促進に努め、人材育成を図っている。組合活動を通じ、幅広い知識や人脈、キャリアアップの機会が得られることを伝えている。自由な発想で若年層のニーズにあった活動を行い、情報発信だけでなく組合員が気軽に相談できる窓口としてSNSを活用していく。
  • 藤原尚子委員(日本 UAゼンセン):流通部門で行っている次世代役員育成・青年組合員の参画拡大に向けた取組みについて報告。 流通部門に所属する青年組合員10人が2年間に渡って議論し、提言をまとめた。組合が「ミレニアル世代」「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代の特徴やニーズを的確に把握することが必要。彼らはワークライフバランスを重視し、社会問題や社会貢献の意識が高く、「モノ」よりも「コト」の消費に高い価値を感じており、こうしたニーズに対応した新しい組合活動が求められる。7月20日に第20回UNI-LCJ英語セミナーがオンライン開催され、6組織21人が参加。UNIの取組みについて学び、コロナ禍の青年への影響等について議論、共有した。
  • 齋藤優輔委員(日本 JP労組):全国の組合員24万人のうち4万人が30歳以下のユース組合員。組織拡大が処遇改善につながる重要な要素であることを青年世代に伝えている。労使交渉による政策実現には限界があり、政治活動が特に重要であるため、青年層の政治意識や投票率の向上に重点的に取り組んでいる。また、組合員による相互扶助活動である共催制度への参加率向上にも取り組んでいる。
  • ガディス・レスマナ委員(インドネシア ASPEK):コロナ禍の対応について政労使共同宣言を策定した。政労使それぞれが取組み項目を設定し、取組んでいる。労働条件の引き下げを行わない、景気刺激策導入、不利益な取り扱い、差別の禁止など。ASPEK青年活動としては、2020年の雇用創出オムニバス法への抗議行動への参加、献血活動、組合を通じた基礎研修などの提供などを行った。
  • ムハマド・ニザム・ビン・ハジー委員(マレーシアUNI加盟協):青年活動として、年金基金に関する取組み、医療従事者への募金活動、労働者のワクチン接種加速化を求める署名活動と政府への要請行動をUNI-MLCと連携して実施。今後の計画としては、SNSを活用した青年メンバーとの定期的な情報共有、小グループによるチームワーク養成、スポーツ、ワークショップの実施。青年組合リーダーの育成(役割を与え達成感を得て自信をつけてもらう)に努めていく。
  • カイ・フック・タン委員(シンガポールUNI加盟協):コロナ禍によってシンガポールの若者はいくつかの問題に直面している。デジタル化への対応、コミュニケーションの希薄化、人間関係の希薄化、リモートワークによる長時間労働、メンタル面でのプレッシャー、自宅の環境整備など。シンガポールでは政労使による諮問会議が設立され、例えばメンタルヘルス対策について、個人、チーム、企業それぞれのレベルで取り組めるよう勧告した。信頼関係を築くことがより重要になっている。ワークライフバランスとリモートワーク、個人のバランスを実現する取組みである。
  • ベルナデット・レイズ議長(フィリピンUNI加盟協):パヤタス地区への支援活動として、子どもたちの栄養改善活動、奨学金プログラムを継続していく。現在100人の奨学生がいる。日本の個人および加盟組合からの支援に感謝。昨年ファンドレイジングを行った結果、7610米ドルの資金が集まり、500家族以上への支援をすることができている。
  • ロイ・タパン委員(バングラデシュUNI加盟協):バングラデシュでは、専門家、官僚、研修者等多様なステイクホルダーが参加するデジタル・ファイナンス・フォーラムが設立され、自分も執行委員を務めている。規制に関する取組み、能力開発、官僚のリーダーシップスキル向上、情報共有等を使命とし、学びの場の提供、知識のデータベース化、デジタル金融コンテンツ制作等の活動を行っている。青年もデジタル技術を活用して活動を活性化すべきだ。UNIバングラデシュ加盟協ユースは、デジタル技術を活用した情報共有、ジェンダー平等の啓発、持続環境な労働環境づくり、SDGsの達成、青年ネットワーク強化等を目指して活動していく。
  • キマヤ・ウキダブ委員(インドUNI加盟協):女性のための生理休暇導入に取り組んでいる。「一人が一人を勧誘する」という方法で組合加入者を増やし、自分たちの組合であるという意識向上を図っている。UNI-LCJ/UNIインド加盟協セミナーには多くの青年女性が参加し、自分たちの問題について議論することができた。青年に自らの権利を認識し、組合に入ることのメリットについて教えるウェビナーを開催している。
  • ジョティ・シュレスタ副議長(ネパールUNI加盟協):コロナ禍の中、暴力やメンタルヘルスにおいて若年層の被害が増えている。特に労働者の7割以上を占める非正規雇用やインフォーマル部門労働者の状況は厳しく、社会的保護が必要。非正規、フリーランス労働者を組織化し、声を上げることができる仕組み作りが必要。インフラの課題はあるが、デジタルプラットフォームを活用し、組織化や研修を進めていきたい。
  • ミヒリ・ハプアラチャチ委員(スリランカUNI加盟協):小売部門(スーパー、モール)の若い労働者の組織化に力を入れており、産別労組の結成と団体医療・生命保険の設立を目指しているが度重なるロックダウンにより、大きく影響を受けている。青年の研修や医療支援活動も引き続き取り組んでいきたい。
  • シャーリーン・ペレラ副議長(オーストラリアSDA):小売部門には青年が多く、顧客からのハラスメントに直面することが多いため、カスハラキャンペーンに取り組んでいる。労働者、会社、顧客それぞれへの啓発活動が重要。コロナ禍で青年労働者へのカスハラやセクハラは増えている。マクドナルド労働者への啓発キャンペーンでは、デジタルと対面の併用でコミュニケーションを取り続け、組織化を進めている。デジタル組織化にも注力しており、オンライン組合加入システムを導入したことでこの2年間で大幅に組合員が増加した。


インド準備銀行、アマゾンのような営利目的のデジタル決済システムを撤回

インド準備銀行(RBI)は「データセキュリティへの外国企業の関与」に対する懸念を理由に、アマゾンのような企業に利益をもたらす新たな営利目的のデジタル決済システム構築計画を撤回した。今回の発表は、UNIがインドステート銀行従業員労働組合(AISBISF)、IT for Change、外資系小売電子商取引に反対する共同行動委員会(JACAFRE)と共にアマゾンは、反組合的・反競争的な行為を行っており、システム開発を撤回するよう銀行に要請したことによるものである。

6月、JACAFREはRBI宛の書簡において「アマゾンという企業は、公平・公正の原則に反しており、インドを含む複数の国・地域で、不正・虐待・反競争的な行為を行っているとして調査を受けている」と述べた。
ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は「RBIが新決済システム開発・運営事業体(NUE)計画を保留したことは、正しい方向への一歩である。我々が以前から訴えているとおり、インドは非倫理的、反労働者的、反競争的な慣行の歴史を持つ企業にデジタル決済システムを与えるべきではない。」と述べた。
現在、アマゾンは外国直接投資規則違反および反競争的行為があったとして、インドの執行局、外国為替管理局、インド競争委員会から調査を受けている。また、小規模業者や小売業協会からもアマゾンに対していくつかの申立てがなされている。ロイター通信は、アマゾンがインドの電子商取引プラットフォームにおいて、特定の「特別な」販売者を優先していると報じており、アマゾンの売上の大半は、アマゾンが株式を保有している等、何らかの形でアマゾンと関係がある少数の大手業者によるものであるとしている。

世界的に見ても、アマゾンは執行機関の監視下に置かれており、米国においては、アマゾンは、自社プラットフォーム上の第三者販売者の扱いに関し、「広範な反競争的行為」を行っているとの指摘がなされており、米国連邦取引委員会による反トラスト調査も行われている。これまでにアマゾンは、配達員との契約に違反したとしてFTCに数百万ドルを支払い、容疑を解決している。
同様に、アマゾンはEUにおいて競争法に違反した疑いで調査を受けている。本件は、アマゾンが販売業者とオンラインマーケットプレイスの所有者という二重の役割を利用し、他の業者に不利益を与えているとされたものである。
EU議会は、アマゾンの倉庫労働者の安全確保の必要性が世界的に高まっていることや、米国の大手ハイテク企業の労働者の扱いに対する批判が高まっていることを受けて、ジェフ・ベゾス・アマゾンCEOに雇用・社会問題委員会において証言するよう求めている。2020年10月、EU議会議員37名は、アマゾンによるEUの労働法、データ法、プライバシー法違反に関し、労働組合が欧州全体での調査を要求したことに対し、同氏に緊急対応を求める書簡を提出した。


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