デジタルネイティブ世代を組合活動に!UNI Apro青年委員会、オンライン活動の経験を共有

第16回UNI Apro青年委員会が、2020年10月10日に開催された。

本年9月にフィリピン・マニラで、UNIフィリピン加盟協(UNI-PLC)青年委員会がUNI Apro青年委員会と共に取組むパヤタス(栄養失調児童への児童給食・奨学金)プロジェクト15周年記念を兼ねて開催する予定だったが、コロナのため今般、オンラインでの開催となった。

主な議題は、コロナ危機と各国の若年労働者の状況や組合の取組みについての報告、UNI及びUNI Apro青年委員会の活動報告、パヤタスプロジェクトへの支援要請、今後の活動等であった。

日本からは、齋藤委員(情報労連)、藤原委員(UAゼンセン)、松波委員(日放労)、他オブザーバーが出席し、小野委員(JP労組)はビデオで報告を行った。今次委員会で、UAゼンセンは寺嶋前委員から藤原委員への変更、東アジアを代表する副議長に日放労の釘本氏から松波中央執行委員への変更がそれぞれ確認された。UNI Apro青年委員会を代表しレイズ議長から、新メンバーへの歓迎と、退任した釘本前副議長、寺嶋前委員への感謝の言葉が述べられた。

コロナと若年労働者(各国報告要約)

  • 松波副議長(日本 日放労):日本の若年労働者へのコロナの影響及びメディア・放送業界における若年労働者への影響、日放労及び経営の取組みについて報告。グレードや勤務年数で縛りのあった在宅勤務の拡大、子どもの休校措置等に対応するための有給休暇の条件緩和等を行った。一方、若年層から家計への影響を訴える声等があり、組合員の不安解消に努めたいと述べた。
  • 藤原委員(日本 UAゼンセン):青年委員会(ヤングリーブス)の活動を紹介。流通サービス産業では、コロナ禍のため研修ができず、業務知識や同期のネットワークが得られないまま店舗配属となった新入社員の不安を解消するため労働組合がオンラインを活用した研修や交流を実施している。また、UAゼンセンではコロナ禍における雇用需要のギャップを埋め、雇用・労働条件の維持につなげるため、スーパーマーケット等の人手不足の業界に、外食業界等の休業や時短等で十分な収入を得られない業界の労働者の就労を時限的に紹介するなどしている。
  • 齋藤委員(日本 情報労連):ICT産業はテレワークを推進する側。デメリットばかりではなく、オンライン化によって、これまで組合活動に参加しづらかった人の声を拾い上げる機会にもなる。デジタルネイティブと呼ばれる若年世代はオンライン上のコミュニケーションに長けている。新たなやり方で、新しい労働組合の運動スタイルを切り開いていきたいと述べた。
  • 小野委員(日本 JP労組):郵便局及び配達業務における感染防止対策について報告。コロナ危機により、在宅勤務対応やキャッシュレス化等デジタル化の遅れが浮き彫りになった。ユースネットワーク活動も制限されたが、オンライン開催等で遅れを取り戻している。
  • カイ・フック・タン委員(シンガポール):若年層を新卒、キャリア志望者、若い親に分け、それぞれの関心事(就業機会、キャリアアップと適正、家庭のニーズ)を分析。組合が働きかけて実現した政府の訓練プログラム(企業及び新卒への研修費給付、仮想就職フェア)、若年労働者の仮想キャリア情報交換会、政府からのスキルアップ給付金の増額に加え、コロナ危機で影響を受けた労働者への支援や、スーパーでの品出しの手伝いといった組合員によるボランティアを紹介した。
  • ベルナデット・レイズ議長(フィリピン):東南アジアで最も感染者数が多く、コミュニティ隔離措置や移動制限が長く続き、政府の支援が困窮者に届いていない。若年層、若年労働者への影響(失業、インターネット環境が悪く遠隔学習や在宅勤務が困難、鬱や不安等のメンタルヘルス悪化、DVの増加)と、組合の対応(経営側及び労働省に労働者支援策を交渉、オンラインでの団交、組合員へのマスク、フェイスシールド、ビタミン等の配布)を報告。UNI-PLC青年委員会は、UNI/UNI Apro等のウェビナーに積極参加し、パヤタスへの支援を継続し、独り親家庭に牛乳配給等のボランティア活動を行っている。
  • スシ・ノビアンティ委員(インドネシア):若年労働者への影響(就職難、解雇、将来不安)と、組合/青年委員会の対応(企業に労働者の安全確保を交渉、組合員への個人用防護具の配布、ソーシャルメディアによる感染予防啓発)を報告し、青年委員会の活動計画を紹介した。政府が労働組合の反対を押し切って可決した雇用創出オムニバス法は、解雇手当を削減し、無制限にアウトソースを可能とし、労働者の権利が剥奪される等、「雇用創出」の名の下に労働者を騙そうとする法律であり、組合は巻き返しを図ろうとしている。
  • アブ・ハサン委員(バングラデシュ):失業者が増大し(その多くが社会保障の対象外)、貧困及び格差が拡大する中、UNIバングラデシュ加盟協青年委員会は、困難を乗り切るため、生活困窮者への食糧配給、マスク配布等のボランティア、義援金カンパ、ソーシャルメディアでの大学生や若年層への啓発活動、労働問題に関するオンライン討論等の活動を実施している。
  • ジョティ・シュレスタ副議長(ネパール):政府の封じ込め失策により、雇用の不安定化、無給休暇の横行、DV・レイプの増加、メンタルヘルスの悪化、家計の悪化、自殺の増加、メディア上の誤情報といった問題が起きている。UNIネパール加盟協青年委員会は、組合員へのマスク配布、NGOと連携した食糧・水・支援物資の配給等のボランティア活動を実施。ロックダウン後、首相官邸前に100人の青年が集結し、復興計画(PCR検査の拡充他)を求めて平和的デモを実施。女性への暴力や犯罪が増える中、組合は若年層を教育・啓発し、自主隔離期間の女性の安全、女性の尊重を訴えていくべきだ。
  • キマヤ・ウキダブ委員(インド):UNIインド加盟協青年委員会は、年明けから孤児院での菓子配布、献血、高齢者施設でのサプリ配給を実施。コロナ危機が始まってからは、食事もとれない医療従事者に1か月に渡り軽食・茶を配給。組合の対策として、バローダ銀行労組の取組み事例(1か月分の給与前倒し払い、妊婦・障がい者の業務免除、感染による死亡に500万ルピー、都市部の病院のベッド不足に備え、感染した行員のための隔離部屋をホテルに確保、隔日出勤、公共交通機関がストップしたため交通費手当の確保、無料の医師相談、支店における各種感染防止対策)を紹介。
  • ミヒリ・ハプアラチャチ(スリランカ):感染は比較的抑えられている。若年労働者への影響(最前線で働き感染リスクが高い、失業、収入減少、メンタルヘルスの悪化、DVの増加等)、組合の対応(防護具・危険手当の要求、情報提供、賃金補償、雇用保障、社会保障の確保)、UNIスリランカ加盟協青年委員会の活動(スーパーの若年労働者の組織化、カンパ、青年リーダーシッププログラム、社会貢献)を報告。

この他、UNI世界青年委員会がまとめた「コロナ禍の青年ガイドライン」、UNI Apro女性委員会の声明をそれぞれ確認した。また、マルタ・オチョアUNI世界青年委員会担当局長から、SNSを活用したUNI yeah!キャンペーン、コロナ禍の間のウェビナーシリーズ、ウェビナーを通じて得られた意見からまとめた2020~2024年度UNI世界青年委員会行動計画案の策定等、UNI世界青年委員会の活動報告を受けた。更に、UNI Apro/UNIフィリピン加盟協(UNI-PLC)青年委員会が共同で推進してきたパヤタス(栄養失調児童への給食・奨学金)プロジェクトの15周年を迎えるにあたり、経過がビデオで紹介された。コロナ禍で、支援が行き届かないパヤタス地区は深刻な影響を受けていることが報告され、過去の努力を無駄にしないためにも、現在、米の配給等を続けているが、UNI-PLCからあらためて支援の要請を受けた。


アチャリャUNI Apro地域書記長、就任後初のUNI Apro運営委員会を開催

2020年10月12日、第34回UNI Apro運営委員会がようやく開催された。4月にシンガポールで開催する予定だったが、コロナのため延期となり、このほどオンライン開催することとなった。ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長にとっては、昨年の第5回UNI Apro地域大会で選出されて以来、初めての運営委員会である。

野田UNI Apro会長は開会にあたり、「今この時も拡大を続ける“新型コロナウィルス感染症”により世界の経済・社会は、試練の時期を迎え、“私たちの日常”は劇的に変化している」と述べた。「アジア地域のサプライチェーンは、まさに分断の危機にある。企業活動の停止や停滞によって、地域経済は深刻な打撃を受け、その規模は、かつての“アジア経済危機”や“世界金融危機”を上回ることは明らかである。ILOからは、アジア太平洋地域においては、とりわけ青年の雇用への影響が深刻であるとの報告も示されている」と述べ、人口分布において若年層の割合が多いUNI Apro地域の重要な課題であると指摘した。“仕事の世界”においても、ニューノーマルの下での働き方が定着しつつあり、オンラインを活用したビジネスモデルも一般的になってきた。リモートワークが進む中、労働組合・労働運動のBCPも必須である。「これまでの対面を前提とした活動スタイルの抜本的見直しが必要だ。こうした中で、各国の状況や取組みは参考になる事例も多く、UNI Aproのネットワークを有効活用し先進的事例を水平展開したい」と述べた。

続いて、クリスティ・ホフマンUNI書記長が挨拶し、「厳しい状況の中でも最善を尽くそう」と呼びかけた。対面会議はできなくても、活動は進めなければならないと訴え、コロナ禍の間も、職場の安全衛生確保に重点的に取組み、加盟組織が安全な職場復帰に向けた交渉ができるよう支援してきたことを紹介した。リモートワーク、AI使用、アルゴリズム管理、Eコマースの拡大が加速しており、この動向に遅れることなく備えていかなければならないと強調した。一方、「危機によって、組合こそ違いをもたらせることが世間に知らしめられた。エッセンシャルワーカーが社会に果たす貢献が明らかになった」と、暗雲立ち込める中にも希望はあると述べた。

主な議題は、コロナの影響と各国の対応に関する情報交換、地域大会後のフォローアップ、2019年度会計報告確認、2020年度予算、2021年度暫定予算の承認、スタッフ人事及び就業規則改定案の承認、加盟申請の確認等であった。

アチャリャUNI Apro地域書記長は、昨年11月の地域大会以降、コロナ禍に見舞われた今日までの活動を次のように報告した。「対面の組織化ができない中、多くの組合がテクノロジーを活用してデジタル/リモート組織化という新たな手法を検討し、実施している。コロナ禍においてパートナーシップによる労使の連携は非常に重要になっている。安全衛生の確保、移民労働者の保護、女性・若年労働者の問題等にも力を入れている。コロナ禍における明るい兆しは、若年層が組合の意義に関心を持ち始めたことだ。どの業界で働いていても組合は大切だとの認識が深まった。」その上で、姉妹組織や他のGUFと連携しつつ、小地域(南アジア、東南アジア、東アジア、オセアニア)毎の戦略を立て、取組んでいくと述べた。

日本からは、野田UNI Apro会長、松浦UNI Apro副会長、金子UNI Apro副会長、増田UNI世界副会長、景中UNI Apro女性委員会副議長他、オブザーバーが出席した。日本のコロナの状況・影響、UAゼンセンの取組み等については、松浦UNI Apro副会長がUNI-LCJを代表して報告した。


ドイツのアマゾン労働者、反労組戦術の懸念が高まる中、プライムデーにスト

アマゾンが、組合活動家へのスパイ活動を巡って、欧州議会議員、労働組合、市民からの厳しい調査に直面する中、ドイツの労働者(ver.di組合員)がライプチヒ、バートヘルスフェルト、ラインベルク、ウェルネ、グラーベン、コブレンツ等の都市で、プライムデー(10月13~14日)のストを決行している。ver.di組合員は、アマゾンのドイツの倉庫で働く労働者がウィルスに感染したことを受け、 夏の間、長期に渡り、より良い賃金、労働条件、そして尊厳を求めて闘っていた。

「アマゾン労働者は、ドイツでもどこでも、より良い賃金と人間らしいまともな労働条件を求めて闘っているが、憲法上の権利が損なわれないことを期待している。オンラインで結束するための私的な会話をビッグブラザーに監視されないよう望んでいる」と、クリスティUNI書記長は語る。「アマゾンは労働者の安全を確保してこなかった。プライムデーにオーダーが殺到し疲弊すれば、既に酷い状況が更に悪化する」と懸念を示した。

賃金、職場の安全性、組合代表を求める現場の要求に加え、ver.diは最近暴露されたアマゾン労働者へのスパイ活動についても批判した。シークレットサービスの手法を使って工場から組合を排除しようと試みたのだ。「会社が法律を無視するとは許されない」と、ver.di本部の流通・通販部門専門家、オルハン・アクマンは憤る。

VICE(デジタルメディア)がアマゾンの内部メモを暴露して間もなく、ver.diを含む欧州15か国の労組は欧州委員会に、アマゾンの欧州で働く労働者に対する違法性ある行為を調査するよう要求した。欧州議会議員37人もその行動に加わると共に、ジェフ・ベゾスCEOに早急な対応を要求する書簡を送った。欧州の労組は、アマゾンの行為を、欧州の労働法、データ及びプライバシーに関する法の違反に当たると考えている。


UNI世界青年委員会、メンタルヘルス危機への対応キャンペーンを開始

10月10日の世界メンタルヘルスデーに、UNI世界青年委員会は、世界中で懸念が高まっているメンタルヘルスの問題に組合が取組むよう、新しい啓発キャンペーンを開始した。新型コロナウィルスの感染が拡大する中で、インドからブラジル、フランスから米国まで、世界各地の労働者の間に、ストレス、燃え尽き、不安、薬物乱用、憂鬱といった心の健康上の問題が生じている。

団体交渉を通じて、組合は、心の健康を保つための支援に関する適切な枠組みや方針を実施することができる。UNI世界青年委員会が推進するUNI Yeah! キャンペーンは、メンタルヘルスを重点課題として取組む加盟組織を支援するものだ。

メンタルヘルスの問題を啓発するため、ポスター、インフォグラフィックス、アニメーション等、ソーシャルメディア用キットが作成されたので活用してほしい。

新型コロナウィルスが若年労働者のメンタルヘルスへ及ぼした影響は、とりわけ深刻である。若年層の間に失業が高まり、不安定雇用や不確実性が増し、ILOが実施した世界の若年層を対象とした調査では、18~29歳の若年層の2人に1人に不安神経症や鬱病の可能性があることが示された。大規模に教育機関や職場の閉鎖が行われたことが一因だろう。世界中で若い労働者は失業したり、労働時間が短縮されたりし、かつてないほどに将来への不安を感じるようになった。

若い女性の場合、状況は更に深刻だ。ロックダウン期間中、家庭内の責任が過度に増し、家庭内暴力件数も増大した。UNI機会均等局が最近行った調査では、労働者の10%が、家事が100%増加したと答えている。子供がいる場合、44%が、勉強の手伝いをする時間を作らなければならなかったと答えている。

世界保健機関(WHO)によれば、メンタルヘルスとは精神的に満たされた状態のことであり、精神的に健康であれば個人は自身の能力を発揮し、生活上の通常のストレスに対処し、生産的に働き、コミュニティに貢献することができるという。健康にとって非常に重要で、ますます組合が取組むべき課題となっている。

何百万もの人々が在宅で働くようになり、在宅勤務が続く中、メンタルヘルスの問題も増え続けている。テレワーク、長時間労働、つながらない権利の不徹底等と相まって、不健康な働き方が恒常化し、労働者には更なる負担となっている。 UNI世界青年委員会は、若年労働者に、「彼らをサポートする強力な組合があること、職場におけるメンタルヘルス問題は組合を通じて撲滅していかなければならない」というメッセージを発信している。


スペインUNI加盟組織、金融労働者のテレワークとつながらない権利に大きな成果

スペインのUNI加盟組織CCOOとUGTは、テレワークとつながらない権利に関する金融労働者への重要な手当を含む団体協約を交渉した。

貯蓄銀行で働く約6万人の労働者全てに適用される産別協約が2020年10月1日に締結された。本協約は2023年12月31日まで有効となる。

協約は、30%以上テレワークをしている労働者に、使用者からのパソコン、携帯電話、人口工学的に設計された椅子の支給を保障する。

また、会社から提供されていない場合、新たにスクリーン、キーボード、マウスを購入するために1人130ユーロまで受け取ることができる。更に、労働者は、その他の経費をカバーするために日割り計算でひと月当たり55ユーロを受け取る。

テレワークが30%以下の労働者は、パソコンと携帯電話を支給され、好きな場所からテレワークをすることができる。

更に、本協定は、業務終了後の「つながらない権利」についても含まれており、これは、全国レベルの産別協約としては、初めてである。また、任意且つ午後7時以降の平日の業務時間外の会議についても制限し、平日の午後7時から午前8時までを「つながらない時間」と義務づけている。

賃上げや年間労働時間の削減と同様に、本団体協約にはジェンダーに基づく暴力に対する3か月以内の有休休暇も含まれる。

アンジェロ・デクリストUNI金融部会担当局長は、「今回の団体協約締結を実現したスペイン加盟組織のCCOOとUGTにお祝い申し上げたい。在宅勤務を行う労働者の数がコロナ禍の中で増えており、テレワークにより稼働日と休日の境界線が曖昧になっている。この協定は、団体交渉の偉大なる証しであり、労働者にとって極めて重要な支援となる。テレワークに必要な備品、つながらない権利を担保し、在宅勤務のコストを労働者が負担する必要はないということを明確にしたからだ。また、家庭内暴力がパンデミックの最中に増加しており、有休休暇はこうしたジェンダーに基づく暴力に苦しんでいる人々にとって大きな助けとなる」と述べた。

貯蓄銀行部門におけるCCOOとUGTの協定は、スペインの法律に準じるものである。スペインでは、使用者にテレワークを行う労働者に必要な備品を支給するよう義務付けている。しかしながら、その詳細については、団体交渉を通じて決めることが組合側に任せられている。

 


UNI世界郵便・ロジスティクス部会、「危機における組合の役割」ガイドラインをリリース

10月9日の世界郵便デーに合わせ、UNI世界郵便・ロジスティクス部会は、郵便労組向けに新しいガイドライン「危機における組合の役割 COVID-19からの教訓」を発表した。

このガイドラインは、コロナ危機の間の優良事例を紹介し、社会の中でユニバーサルサービスを提供するという重要な役割を維持すると共に、郵便労働者の雇用を守る方法を明示するものである。

災害が発生した時、組合が、郵便サービスや労働者の健康に対する脅威を予測し軽減するための参考にしてほしい。目的は、危機の時こそ、そして危機の収束後も、不可欠なサービスとしての郵便を強化し、郵便労組を更に強化することである。


10月9日「世界郵便デー」記念オンラインイベント

今年の世界郵便デー(10月9日)に、UNIは、コロナ禍の間も人々の絆を保つために奮闘した郵便労働者に敬意を表するオンラインイベントを開催する。

UNI世界郵便・ロジスティクス部会が主催する記念イベントには、世界各国の組合役員が参加し、エッセンシャルサービス(不可欠なサービス)としての郵便と、危機の際の組合の役割について語る。中央ヨーロッパ夏時間午後2時から4時まで(日本時間午後9時から11時)、Facebookでライブ配信される。

UNI世界郵便・ロジスティクス部会は合わせて、「COVID-19から学んだ教訓」と題する新たな報告書をリリースする。その報告書の中では、パンデミックの間に組合が取組んだ優良事例が紹介されている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように述べた。「今年の世界郵便デーには極めて重要な意味がある。郵便労働者はパンデミックの間も多くの人々にとってライフラインの役割を果たしてきたからだ。食料品、医薬品、マスク等を届ける新しいサービスを始めたり、弱者や高齢者を見守り続けたりした。今こそ、労働組合として、このようなエッセンシャルサービス、あらゆる人々が手頃な価格で利用できる郵便サービスを守らなければならない。今年の世界郵便デーは、困難な時にもずっとサービスを提供し続けた世界中の郵便労働者に敬意を表し、感謝する機会としたい。」

デイブ・ウォードUNI世界郵便・ロジスティクス部会議長(英国通信労組書記長)は、「今年は今まで以上に、世界中で郵便労働者の献身さが評価された。国々をつなぎ続けるだけでなく、あらゆるコミュニティを助けるという任務をはるかに超える貢献をしてきた。今日は、皆さんの努力に心から敬意を表したい。郵便局で働く一人ひとりに“ありがとう”と伝えたい」とメッセージを寄せた。

コーネリア・ベルガーUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、「今日は、郵便労働者がもっと評価され、それにふさわしい賃金とディーセントな労働条件が担保されるよう要求する。コロナ禍の間、郵便サービスが不可欠なものであったように、労働組合も不可欠であることが認知されるようになった。組合が強ければ、労働者はより守られる。UNI世界郵便・ロジスティクス部会は、世界中の郵便労働者の状況を改善するため、世界中の郵便労組が協力し合い、知見や最良の経験を交換できるよう、サポートしている」と述べた。

Facebookライブはこちらから https://fb.me/e/3xeDSvCxD


ディーセントワーク世界行動デーに、世界の労働組合がエッセンシャルワーカーの権利を求めるキャンペーンを開始

10月7日のディーセントワーク世界行動デーに、世界150か国のサービス産業労働組合を代表するUNIは、エッセンシャルワーカーのための不可欠な権利を求める国際キャンペーンを開始する。

新型コロナウィルス感染拡大期に、不当に低賃金で、正当に評価されず、過小評価された労働者こそが、世界中のコミュニティが機能し続けられるよう、働いてきた。棚に食料品を並べ、病気の人や高齢者の介護をし、学校、職場、公共交通機関、公共の場等が清潔で安全に保たれるようにする労働者がいた。郵便や小包を届ける労働者もいた。人々が金融サービスを受けられるようにする労働者もいた。

危機によって、これらの仕事がどれほど人々の生活に不可欠であるかが明らかになったように、このキャンペーンでは、私達の社会はもう、このような仕事をしている人々のニーズに気づかぬふりをするわけにはいかないと主張している。

「エッセンシャルワーカーにとってディーセントな仕事とは、より良い賃金、安全な仕事、有給の病気休暇、組合があること、そしてみんなが尊敬することだ」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は語る。「パンデミックをきっかけに、これらの不可欠な仕事を再評価しないなら、公正な経済はあり得ない。危機の間、そして平時であっても、エッセンシャルワーカーは大変な貢献をしており、感謝の言葉だけでなく、きちんと評価されるべきだ。」

ディーセントワーク世界行動デーは、私達のグローバル経済に必要とされる抜本的な変化に目を向ける好機である。だからこそ、世界中の労働組合は、全ての エッセンシャルワーカーのために不可欠な権利を要求している。


ブラジルの郵便労働者、ストはやめても闘争継続を誓う

ブラジルの郵便労働者は、1か月に渡るストをやめたが、郵便局の民営化反対闘争のため、より団結する決意を新たにした。

9月21日に最高労働裁判所の判決が下り、労働者には2.6%の賃上げが確保されたが、いくつかの手当ては撤回されてしまった。この判決を受けて、ストをやめることとした。

ブラジルの郵便事業者コレイオスは、UNI加盟組織であるFENTECT及びFINDECTとの団体協約の履行を拒否したため、紛争は裁判に持ち込まれた。この国有企業は、ふつうは労働者に与えられるはずの70の手当てを剥奪しようとした。

裁判官は、ストは違法ではなく、労働者にはスト期間中、賃金の50%が支払われるとの判決を下した。医療・歯科治療補助を含む29の手当ては維持されたが、休暇手当は削減され、出産休暇は180日から120日へ縮小された。

本訴訟で、カティア・アルダ大臣は、全ての手当てが維持されるべきだと主張し、コレイオスはパンデミックの間に増益となったにも関わらず、手当ての削減に経済上の理由を主張していると指摘した。アルダ大臣は、会社が協約の条項や権利の撤廃を提案するとは初めて聞いた、と述べ、以前、労働裁判所が提案した協約の受入れをコレイオスが拒否したことも批判した。「会社側には明らかに交渉に否定的な態度があった。私は労働裁判に30年携わってきたが、このような態度は見たことがない」と言い切った。

しかし裁判官は、ボルソナロ大統領に支援されたイブ・ガンドラ・フィリョ大臣によって示された主張にも譲歩した。ブラジル大統領は、できるだけ早期に郵便局を民営化することで頭が一杯なのである。

労働裁判の判決が下る日に国際行動デーが企画され、世界中のUNI加盟組織は、ブラジルの郵便労働者に連帯を示した。 マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「ブラジルの郵便労働者は、団体協約の交渉に極めて敵対的な環境に直面しながらも、長期ストを決行する等、善戦した。職場に戻った今、以前にも増して団結し、民営化闘争を続ける覚悟ができた。我々は、最後まで支援していく」と語気を強めた。


アジアにおける強い組合を! ポストコロナでも組織化と団体交渉の強化を確認

2020年9月25日、第22回UNI Apro金融部会が初めてオンラインで開催され、日本、台湾、韓国、マレーシア、シンガポール、インドネシア、インド、スリランカ、ネパール、バングラデシュ、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー及び本部、UNI Aproのスタッフ、未加盟組織から44人が出席した。特に、4月にUNI加盟を決定し現在加盟手続き中の台湾金融労連(TFFU)からは、ジョン・フージー委員長、ハン・シーフェン書記長が出席し、加盟組織からの歓迎を受けた。日本からは、正委員として境田UNI Apro金融部会議長、田嶋労済労連単組(全労済アシスト労働組合)副中央執行委員長の2人が、オブザーバーとして、損保労連、生保労連、JP労組、あおぞら銀行従業員組合から計6人が出席した。

開会では、アチャリャUNI Apro地域書記長、デクリスト世界金融部会担当局長から連帯挨拶を受けた。また、来賓として、イヤーデュピュイ・アジア開発銀行(ADB)社会開発シニア・スペシャリスト/労働担当デスクが駆け付け、ADBが200億ドルの投資によりアジアにおける非正規女性労働者や移民労働者への支援、失業給付、雇用維持に取組んでいること、労使やその他ステイクホルダーとの社会対話の重要性、多国籍企業との交渉にあたってのUNI Apro金融部会の役割発揮への期待が表明された。

  1. 委員会構成の変更確認

事務局より委員の交代について説明があり、変更が確認された。東アジアで調整中となっていた女性議席への田嶋翠・労済労連単組(全労済アシスト労働組合)副中央執行委員長の指名が確認された。

  1. 活動報告

昨年11月にネパールでの委員会開催後、新型コロナウィルス感染症によりUNI Apro金融部会として予定されていた活動は中止や延期を余儀なくされた。そこで、プリヤラル担当部長が中心となって各国労組のコロナ禍の状況と取組み、今後の課題等について情報交換を行ってきた。それらをまとめた「 UNI Apro金融部会 COVID-19パンデミック後のアドボカシー活動」に関する報告が活動報告に代わり提出され、全会一致で確認された。また、現在加盟手続き中の台湾金融労連(TFFU)から、早期に新型コロナウィルス感染症の封じ込めに成功した経験についての詳細な報告が提出されたことについても留意された。

  1. UNI世界金融部会ポストCOVID19 戦略

デクリスト担当局長は、UNI世界金融部会委員会で確認されたポストCOVID19 戦略と今後の活動計画案について以下の通り概要を説明し、地域の実情に合わせた実施に向けて、加盟組織の協力を求めた。

  • 動画作成やグローバル行動デー開催などにより、エッセンシャルワーカーとしての金融産業労働者の社会的役割、より持続可能な社会に貢献する金融産業の目指すべき方向性について、内外にPRする。
  • 雇用を守るため、これまで以上に組織化と団体交渉を強化することが重要。団体交渉に関する作業部会を各地域で開催することを提案する。将来的には地域間でも情報交換を行いたい。
  • P&M委員会と連携し、リモートワークに関するガイドライン策定を進め、労働者の「繋がらない権利」を守る。
  • ILO対話フォーラム等の社会対話に積極的に関与し、労働組合の存在感を示す。
  • グローバル/地域の多国籍企業とのグローバル/地域枠組み協定の更新・新規締結を目指す。
  • EUの支援を受けているフィンテック・プロジェクトについて、地域とも連携して取組む。

質疑応答では、損保労連の景中事務局次長より、フィンテックについて特にどのような点に着目して取組んでいくのか?との質問があった。デクリスト担当局長は、「従来の銀行や保険会社も、フィンテックと柔軟に連携していくことができるはずだ。この分野について更に理解を深め、将来的にはフィンテック労働者を組織化したい」と意欲を示した。

  1. コロナ禍における金融部門の女性労働者の現状と課題

コロナ禍で金融部門の女性労働者が直面した課題と労組の対応等について、各小地域の女性委員から報告を受け共有した。東アジアからは女性委員として選出された田嶋委員(労済労連)が日本の金融部門女性労働者を巡る状況について報告した。いずれの地域においても、女性は育児、家事だけでなく、休校に伴う家庭教育等多くの役割を担いながらの在宅勤務を強いられ、心身の負担が増加したという共通の課題が報告された。続いて、UNI Apro女性委員会から提案された、コロナ禍からの復興において女性を主流化することを求める声明について、UNI Apro金融部会委員会としても支持を表明することが確認された。

  1. ポストコロナにおける組織化優先課題

2017年ジャカルタで開催された第5回UNI Apro金融部会大会で定めた5つの優先課題は変わらないが、具体的な進め方については、小地域ごとに作業部会を設置し、地域の状況に合わせて検討・実施していくことがプリヤラル担当部長より提案され、確認された。

20172021UNI Apro金融部会活動計画優先課題:

  • 金融労組の組織化と強化―組織率を高める
  • 社会対話プロセスの制度化—アジア開発銀行(ADB)との関係を強化する
  • グローバル及び地域の規制・監督政策の策定に影響を及ぼす
  • フィンテックおよびスタートアップ企業との間でアライアンスを構築する
  • 金融労働者の雇用可能性を担保する

続いて、新たな取組みとして、モバイルアプリ等を利用したオンラインでの組織化の可能性について、クン・ワルダナUNI Apro ICTS部会担当部長が紹介した。金融部門のデジタル化が進み、フィンテック企業も多く参入する中、プラットフォーム労働者等、テレワークという形態で非正規やフリーランスで働く労働者が増加している。これらの労働者の多くは女性やデジタル世代と呼ばれる青年であり、彼らに接触し、組合活動への参加を促すために、モバイルアプリやオンラインツール等の活用が非常に効果的であるとの見解が共有された。

  1. 20202021年度UNI Apro金融部会優先課題

プリヤラル担当部長が活動計画作業文書に基づき、各小地域で主にオンライン作業部会を軸として活動を進めていく方針を説明した。東アジアでは、引き続きあらゆる機会を活用して組織化を進めること、また、日本、韓国、台湾の金融労組間の情報交換や連携強化を図り、団体交渉やリモートワーク等の関心の高いテーマで作業部会を立ち上げるため、年内及び、来年2~3月頃に計2回程度オンライン会議を開催することが提案され、今後日程等を調整していくことが確認された。

  1. 次回会議日程・場所、第6UNI Apro金融部会大会

来年前半は各小地域での作業部会会議を行い、部会大会および委員会については、来年後半の開催になる予定である。具体的な日程、開催方法は決まり次第周知する。


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