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ルーマニアの労組、最低賃金引上げに関するEU指令の遵守を求めてブリュッセルで抗議

2026年9月30日、商業、ICTS、金融の各部門で働くルーマニアの労働組合員約100人が、ブリュッセルの欧州委員会前で抗議行動を行った。

参加した組合員は、欧州委員会に対し、ルーマニア政府がEU最低賃金指令を遵守するよう働きかけることを求めた。具体的には、民間部門における産別交渉を再開させること、そして2027年1月1日までに最低賃金を引き上げることを要求している。現在、ルーマニアでは、この両方が使用者と政府によって組織的に阻まれているとしている。

抗議行動に先立ち、労働組合員らは、社会権、技能、質の高い雇用、レジリエンスを担当するルーマニア出身の欧州委員会ロクサナ・ミンズァトゥ委員と面会し、2つの要求について協議した。

第一に、労働組合は、EU最低賃金指令に基づき、2027年1月1日から全国最低賃金を引き上げるよう求めている。小売業をはじめとする低賃金部門では、多くの労働者が最低賃金で働いている。こうした労働者にとって、最低賃金を据え置くという決定は、支払えない請求書が増えること、必要な医療を受けることを諦めざるを得なくなること、そして働いていても貧困から抜け出せない状況に直結する。2026年7月時点で、ルーマニアの最低賃金は月額4,325ルーマニア・レウ(約825~850ユーロ)であり、EU加盟国の中でも最低水準の一つとなっている。

第二に、労働組合は、使用者と政府に対し、団体交渉の権利を妨げる状況を解消するよう求めている。大企業や使用者団体は、交渉への参加を拒否することで、産別交渉や労働協約の交渉を妨害していると組合側は指摘している。大手企業の中には、使用者団体から脱退したり、産別協約の交渉権限を使用者団体に付与することを拒否したりする企業もある。同時に、ルーマニア政府は、産別および全国レベルの交渉を促進する役割を十分に果たしていない。団体交渉の促進は「団体交渉促進のための行動計画(2025~2030年)」にも盛り込まれているにもかかわらず、政府はその役割を果たしていないのである。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は抗議行動の中で、「皆さんは、欧州全体にとっての模範だ。労働者には、より良い賃金と労働条件を得る権利がある。そしてEUは、最低賃金指令における約束を実行しなければならない」と訴えた。

今回の抗議行動には、ルーマニアのNTUC Cartel-Alfaに加盟するUNI加盟組織の商業部門労働組合連盟、IT・通信部門労働組合連盟、金融部門労働組合連盟のほか、サービス産業の労働組合を代表する欧州レベルの労働組合組織であるUNI 欧州が参加した。

(2026年9月30日)


働く人のためのAIを実現する-クリスティ・ホフマンUNI書記長とジェラルド・ドワイヤーSDA書記長による対談(第1部)

2026年4月、オーストラリアのUNI加盟組織である店舗流通関連労組(SDA)は、ジョン・カーティン研究センターに委託して作成した報告書『For All of Us: Making AI Work for Working People(すべての人のために――AIを働く人のために役立てる)』を発表した。これを受け、UNI会長を務めるジェラルド・ドワイヤーSDA書記長は、クリスティ・ホフマンUNI書記長と、調査結果や、人工知能(AI)が小売業の働き方をどのように変えているか、そして社会におけるAIの全体像について対談した。

「私たちはロボットではない」:現場におけるAI

小売業の労働者にとって、AIはすでに身近な存在となっている。AIはシフトのペースを決定する一助となっており、一部の店舗では、労働者が懲戒処分を受けるタイミングさえも決定している。ジェラルド氏は、SDAがなぜこの調査を委託したのか、そしてそこから何が明らかになったのかを説明する。

「人間が監督することなく、その情報は直接本社に送られ、警告が発行されたのです。」

ホフマン: まずは簡単な質問を2つさせてください。第一に、あなたの組合は主に小売業や倉庫業の労働者を代表していますが、この調査を委託したきっかけは何だったのでしょうか? 第二に、SDAが代表する労働者にとって、現在どのような問題が生じているか、あるいは将来的にどのような問題が生じると予想していますか?

ドワイヤー: 私たちは、小売業界におけるテクノロジーの進歩という側面を認識しています。AIの時代が到来しつつあり、それが労働者にどのような変革をもたらすのかを理解したかったのです。例えば、人々がAIについて語り始める数年前から、私たちはこうしたアルゴリズムによる勤務表作成プログラムに頭を悩ませていましたが、今ではすべてが納得できます。これらは労働管理のためのAI駆動型アルゴリズムであり、勤務表を営業パターンや業務の完了状況に合わせようとしているものです。私たちは、そこで何が起きているのかをより深く理解したいと考えました。

もう一つの動機は、キャンペーンを企画する際、通常は調査から始めるという点です。優れたキャンペーンは、データが専門的に分析された確固たる調査に基づいて構築されます。つまり、動機はこれでした。すなわち、完全には理解できていない問題を引き起こしている勤務表作成アルゴリズム、AIそのものへの理解不足、AIが現在私たちの業界にどのような影響を与えているか、そして将来さらに大きな影響を及ぼす可能性についてです。また、倉庫業務においては、過去10年間にわたり自動化との格闘を続けてきましたが、AIはその上にさらに一段階上を行くものであり、その影響をより深く理解したいと考えました。

ホフマン: 勤務表作成―北米では「スケジューリング」と呼ばれますが―については、すでに長い間自動化されてきたのではないでしょうか? 勤務表作成アルゴリズムは、以前よりも高度化していると感じますか?

ドワイヤー: はるかに高度になりましたが、それだけ問題も増えました。オーストラリアには最低3時間のシフト勤務という規定があるため、特定の繁忙期に1時間シフトが組まれるのをある程度防ぐ防波堤にはなっていますが、それでもまだ十分とは言えません。

休憩時間の割り当てに問題が生じています。アルゴリズムが、有給の休憩時間が与えられるという点を計算に入れていないからです。無給の食事休憩なら管理できます。コンピュータは給与が支払われていないと判断し、その間は勤務外であるとみなすからです。しかし、15分間一切の作業を行ってはならない有給休憩となると、システムは混乱してしまいます。コンピュータにはそれを処理する能力がないのです。

もう一つは、設定がどのように決定されたのかが全く見えないという点です。システムは私たちの人間性を考慮しておらず、私たちがロボットではないという事実を理解しないペースで、作業を強いているように見えます。勤務4日目のシフト5時間目には、出勤したばかりの頃と同じ速さでカートンを梱包・処理することはできません。

私たちは別の問題にも直面しています。シフト編成のことではありませんが、なぜ調査・研究が重要なのかを示す事例です。レジの上にAIが導入され、スキャンの正確性をチェックしているのですが、その結果がそのまま本社に上がっていくのです。ある店舗の組合員は、スキャンの正確率が99.8%だったことを理由に、注意・指導を受けました。これは、533回のスキャンにつき1回程度のミスに相当します。しかも、その注意・指導をAIが自動的に生成したのです。組合との協議が一切ないため、その情報は人を介することなく、本社まで自動的に上がっていきます。途中にあるのは、人ではなく、いくつもの小さなAIのチェックポイントなのです。

それが本社に届くと、30年の経験を持つこの従業員は書面による警告を受けます。もし店舗レベルで人間が監督していたなら、部門マネージャーがこれを阻止していたと確信しています。もしそうでなければ、店長が阻止していたでしょう。それでもなければ、組織担当者が介入し、その警告書は破り捨てられていたはずです。しかし、人間の監督がなかったため、それはそのまま本社に送られ、警告が発行されてしまいました。私たちがまだ想定していない他の事例においても、このようなことが起こるのではないかと懸念しているのです。

(2026年8月20日)


豪ALDI労働者、未払い労働時間に関する和解で5,500万豪ドルを獲得へ

オーストラリア全土のALDI店舗および倉庫の現職・元従業員約3万2,000人が、勤務表外の未払い労働時間に関する請求をめぐり、同スーパーマーケットチェーンとの和解により、総額5,500万豪ドル(3,840万米ドル)を受け取ることになる見通しだ。

連邦裁判所の承認を条件とするこの和解案により、オーストラリアのUNI加盟組織である店舗流通関連労組(SDA)が従業員を代表して提起した、長期にわたる集団訴訟に終止符が打たれることになる。

この集団訴訟に関連し、アルディ側はすでに約2,890万豪ドルを支払ったと表明している一方、SDAは、関係する労働者に対してさらに約2,630万豪ドルが支払われるべき残額として残っていると推計している。

UNI会長を務めるジェラルド・ドワイヤーSDA全国書記長は、この和解案がALDIの労働者にとって重要な勝利であり、労働組合主導による強力な法執行の重要性を示すものであるとし、次のように述べた。「これは、現在および元ALDI労働者数万人にとって大きな成果だ。すべての労働者は、勤務を義務付けられたすべての時間に対し賃金を受け取るべきだ。(‥‥中略‥‥)SDAは当初から労働者を支援し、この集団訴訟に資金を提供し、労働者が恩恵を受けられるよう訴訟を推進してきた。すでに約2,900万ドルが支払われており、この和解に基づき、総額5,000万ドル以上が労働者に支払われる見込みだ。この結果は、すべての主要な使用者に対して明確なメッセージをつきつけている。つまり、シフト表に記載された勤務時間の前後に遂行された業務もやはり労働であり、それに対して賃金が支払われなければならないということだ」

集団訴訟の主たる申立人であるケリー・ボイ氏(2016年から2023年までアルディの店舗労働者)は、「ALDIの労働者が団結してこの訴訟を進めてきたことを誇りに思う。シフト前後の労働が適切に認識され、賃金が支払われるようになったことで、ALDIでの労働環境は改善された。提案された和解案により、私や他の何千人もの従業員が、過去に無給で行ってきたシフト前後の労働に対する支払いを受け取ることになる」と語った。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「この画期的な和解は、労働者が組合の下で団結すれば、世界最大級の小売企業でさえも責任を問われることを示している。すべての労働者は、働いた一分一秒に対して賃金を受け取る権利がある。この勝利は、世界中の使用者に対して強力なメッセージを送っている。すなわち、賃金窃盗には代償が伴うのであり、組織化した労働者は正義を勝ち取ることができるということだ。SDA、そしてこの成果を可能にする決意を持って闘った、現在および過去のすべてのアルディ労働者に、心からお祝いを申し上げる」とコメントした。

(2026年7月24日)


イタリアのアマゾン労働者、世界初の全国規模の協約を勝ち取る

イタリアの労働組合(Filt CGIL、Fit CISL、Uiltrasporti)は、2021年に合意された労働協約を基盤に、アマゾンとの間で、国内57カ所の拠点を対象として従業員の権利を拡大し、映像監視の利用を制限する合意に署名した。

これを受けてクリスティ・ホフマンUNI書記長は、次のようにコメントした。

「この合意を実現させたイタリアの労働組合とアマゾン労働者の決意と連帯に、心より祝意を表したい。これは労働者が団結し、自らの声を届けるよう要求した成果であり、真の勝利だ。しかし、団体交渉はイタリアだけの例外であってはならない。アマゾンはグローバル企業であり、労働者の権利が普遍的なものであることを認識すべきだ。

イタリアの事例は、アマゾンの経営陣に対し、労働組合と向き合うことが、職場をより弱体化させるのではなく、より公正で、より安全で、より持続可能なものにすることを示している。我々は今、アマゾンに対し、次のステップに向けて踏み出し、この取り組みを世界中の労働者に拡大するよう求める。それは、団結権という基本的権利を尊重し、労働組合を承認し、誠意を持って交渉を行い、世界中の労働者が、自らの生活や生計に影響を与える決定において、実質的な発言権を持てるようにすることを意味する。

UNIは、世界中のアマゾンの労働者が組織化し、組合を築き、職場での尊厳を求めて闘う限り、常に彼らと連帯し続ける」

(2026年7月24日)


賃金交渉が膠着状態のハンガリーのイケア労働者、ストライキに突入

ハンガリーのイケア労働者が、使用者側との数回にわたる交渉が合意に至らなかったことを受け、2026年7月9日にストライキに突入した。同社がハンガリーでストライキを行うのは36年ぶりのことである。

交渉を通じて、UNI加盟組織KASZ が組織する労働者は、軽視され、先延ばしにされ、はぐらかされるだけの対応しか受けず、実質的な進展はなかったと述べている。労働者の忍耐は限界に達しており、多くの従業員は、経営側が自分たちの懸念を理解していないか、あるいは理解しようともしないと感じている。

労働者の要求は明確である:

  • ブルーカラー従業員に対する基本給の6%引き上げ
  • 年次賃金交渉の実施
  • 従業員代表と共同で策定した新たな報酬・福利厚生パッケージの導入
  • EUの賃金透明性指令に沿った給与帯の見直し
  • 団体協約締結に向けた準備

ハンガリーの労働法に基づき、ストライキ委員会は、ストライキ実施に先立ち、使用者側代表と正式な交渉を行った。7月10日以降、ストライキ委員会は、制限なく、いつでもさらなるストライキ行動を発表する可能性がある。

UNI欧州は、労働者およびその労働組合であるKASZと連帯し、イケアに対し、ハンガリーの全従業員に対して公正な賃金と公正な協定を提供するよう求めている。

(2026年7月9日)


韓国スウォッチグループの労働者、組合活動に向けて始動

韓国スウォッチグループの労働者が、韓国百貨店・免税店販売・サービス労組(KOSU)傘下に新たな支部を結成し、韓国全土の小売・高級時計業界の労働者の声を結集している。

KOSUは、韓国サービス労連(KFSU)を通じてUNIに加盟しており、百貨店、免税店、その他の小売サービス業の職場で働く労働者を組織している。

2026年6月2日に正式に発足したこの新支部には、韓国全土の百貨店、免税店、アウトレット、直営店、事務所、カスタマーサービスセンターに勤務する韓国スウォッチグループの労働者が結集している。

韓国スウォッチグループは、同グループの同名ブランド「スウォッチ」に加え、ティソ、ハミルトン、ラドーからロンジン、オメガ、ブランパン、ブレゲに至るまで、幅広い有名時計ブランドの販売・流通を手掛けている。

懸念は賃金だけではない
組合結成の直接的なきっかけは、2026年の賃金凍結という会社側の一方的な決定であった。従業員によると、経営陣は「この決定はグローバルな方針を反映したものだ」と述べる以外に、何の説明も行わなかったという。

しかし労働者は、賃金だけが懸念事項ではないと主張している。業績評価、懲戒手続き、内部監査など、自らの生計に影響を与える決定について、透明性や明確な基準が欠如している点を指摘している。

業績評価は年2回行われ、個人の給与が決定される。だが労働者は必ずしも自身の評価結果を通知されておらず、場合によっては評価結果が賃金に反映されていないこともある。

従業員はまた、不透明な懲戒手続きや内部監査についても懸念を表明しており、これにより従業員が自己防衛の権利を効果的に行使することが困難になっている。

さらには、事前の承認を得ていなかったために残業が認められなかった事例も報告されている。ガイドライン、コミュニケーション、研修が不十分であるため、問題が発生した際には個々の従業員が責任を負わされる事態も生じている。

こうした懸念は、韓国スウォッチグループの『2025年度従業員ハンドブック』に記載されている「透明かつ公正な経営」や「人間を中心としたアプローチ」といった同社の基本理念とは対照的である。

公平性と労働者の尊重を求めて組織化
KOSUのパク・インホ韓国スウォッチグループ支部代表は、「会社が約束する価値観と、労働者が日々経験している現実とのギャップこそが、我々が労働組合を結成した理由だ」と述べた。

キム・ソヨンKOSU委員長は、「美容・化粧品業界に続き、組織化の動きは現在、時計業界へと広がっており、小売業や免税店の労働者が、自らの声を届けるために団結する動きがますます活発化している。KOSUは、韓国スウォッチグループの責任を問うべく、労働者と共に立ち上がる」と連帯の意を表した。

結成直後、同労組は会社に対し団体交渉を要請した。法定手続きが完了後に、正式な交渉が開始される見通しだ。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「高級ブランドやハイエンドブランドであっても、劣悪な労働条件や不公正な慣行の例外ではない。労働者の権利を守り、尊厳を擁護し、職場で発言権を与えるための労働組合の存在は、ぜいたく品ではなく、不可欠なもの。KFSU-KOSUの取組みによって、韓国スウォッチグループの労働者が集団行動、社会対話、および団体交渉を行える環境を確保できたことを称賛する」と述べた。

KOSUの韓国スウォッチグループ支部の設立は、職場での発言権、公正な待遇、そして人としての尊重を求める労働者の結束が強まる中、韓国における小売・サービス産業の組織化が進展していることを示す新たな一歩である。

KOSUについて
韓国百貨店・免税店販売・サービス労働組合(KOSU)は、韓国全土の百貨店、免税店、小売サービス事業所に雇用される労働者を組織化している。韓国サービス労連(KFSU)を通じてUNIに加盟するKOSUは、美容、化粧品、高級ブランド小売の各分野において組織化活動を拡大している。  

(2026年6月23日)


UNI Apro、太平洋地域の労組強化に向け「ディーセントワーク・パートナーシップ」プロジェクトを開始

太平洋地域各地の労働組合指導者がフィジーに集まり、UNI Aproによる新プロジェクト「インド太平洋地域におけるディーセントワークのためのパートナーシップ:太平洋地域における包摂的な労働組合の強化』を開始した。

より強固で持続可能な労働組合を構築し、地域全体の労働者の生活を向上させることを目的とした画期的な取組みである。

ユニオン・エイド・アブロード–APHEDAとのパートナーシップにより実施され、オーストラリア政府外務貿易省(DFAT)の支援を受ける本プロジェクトは、2027年末まで実施され、フィジー、サモア、東ティモール、パプアニューギニア、ソロモン諸島、バヌアツの労働組合を支援する。

クレア・ミドルマスAPHEDA事務局長は、連帯とパートナーシップの重要性について、「ユニオン・エイド・アブロード–APHEDAは、UNIと協力して太平洋地域の労働組合の能力構築を支援できることを誇りに思う。本プロジェクトの強みのひとつは、オーストラリアと太平洋地域の労働組合間の連帯とパートナーシップの深化に焦点を当て、国境を越えて労働者を結集させ、ディーセントワーク、ジェンダー平等、気候正義を推進するための戦略を共有することにある」と述べた。

ナディでのキックオフは、組合員数の拡大、女性や若者を包含する民主的組織体制の強化、リーダーシップの育成、そして銀行・金融、商業、印刷・パッケージング、サービス業などの主要産業における労働者の集団的権力の増強に焦点を当てた、野心的な地域組織化プログラムの始まりを告げるものとなった。

公式発足に先立ち、ホヴィッグ・メルコニアンUNI Apro組織化担当部長と主任オルグのサイレシュ・ナイドゥ氏は、参加労組の代表者を対象に3日間にわたる集中組織化研修を実施した。このプログラムでは、女性や若者をはじめとする職場リーダーの特定、組織化チームの構築、職場のマッピング、組織化のための会話、そして労働組合の成長と労働者代表機能の強化に役立つ実践的な組織化スキルの向上に重点が置かれた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、地域全体の労働者の生活を向上させるためには、強固で持続可能な労働組合が不可欠であると強調し、「労働者は組織化されて初めて、持続的な改善を実現できる。本プロジェクトは、組合の成長を支援し、組織化能力を強化し、特に女性や若者の間で新たなリーダーを育成し、プロジェクト終了後も長期にわたり労働者を代表し続けられる持続可能な組合を構築することが目的だ。(‥‥中略‥‥)組織化体制の強化、組合員制度の革新、そしてあらゆるレベルでのリーダーシップの育成を通じて、太平洋全域において、労働者の声をより強くし、より強靭な民主的組織の基盤を築いている」と述べた。

この立ち上げイベントには、太平洋地域全域からUNIの従来からの2加盟組織と新規5加盟組合が一堂に会し、地域の協力と連帯への取組みが拡大していることを示した。ソロモン諸島労組、サモア・ファースト・ユニオン、パプアニューギニア銀行金融機関労組、パプアニューギニア警備労組、バヌアツ全国労組、フィジー全国食品商業労組、およびフィジー銀行金融産業従業員組合の代表者等が出席した。

オーストラリアの店舗流通関連労組(SDA)書記長を務めるジェラルド・ドワイヤーUNI会長は、ディーセントワークを確保し、労働者が自らの未来を形作るために集団的な発言権を持つことようにする上で、労働組合が果たす極めて重要な役割を強調した。「ディーセントワークは偶然に実現するものではない。労働者が強力な労働組合を通じて団結し、より良い賃金、より安全な職場、より高い雇用保障、そして職場での尊厳を求めて交渉を行うことによって、初めて達成されるものだ。(‥‥中略‥‥)強力な労働組合を築くことは、より強固な地域社会、より公正な産業、そして働く人々にとってより良い未来を築くということ。労働者が組織化されれば、持続的な変化を生み出す力を持つ」と発言した。

オーストラリア金融労組書記長のジュリア・アングリサーノUNI世界金融部会副議長は、組織化と包摂を通じて地域全体で労働組合の力を高めることの重要性を強調し、「このプロジェクトは、太平洋地域全域の金融・サービス業界で労働組合を構築するという我々の決意の具体的な表れであり、組織化戦略において女性や若年労働者を意識的に中心に据えることでそれを実現するものだ。(‥‥中略‥‥)フィジー、ソロモン諸島、サモア、パプアニューギニア、東ティモール、あるいはオーストラリアのいずれであれ、互いの経験から学ぶことで、我々は労働組合を強化し、組合員のために成果を上げる能力を深めることができる」とコメントした。

発足式には、ユニオン・エイド・アブロード–APHEDAのシャラン・KCプログラム・マネージャーや、ジョティカ・グンダーフィジー労働組合会議(FTUC)事務局次長が出席した。

今後数ヶ月間、本プロジェクトは、組合が組合員制度や組合費徴収システムを近代化し、組織の持続可能性を強化し、太平洋諸島連絡協議会を通じてより強固な地域連携を確立できるよう支援する。太平洋全域の労働組合が労働環境の急速な変化に直面する中、「インド太平洋におけるディーセントワークのためのパートナーシップ」は、労働者が団結力を高め、労働条件を改善し、より多くの労働者がディーセントワーク、尊厳、平等、そして職場での強い発言権を得られるよう支援する。

参加労組は共に、労働者の組織化、民主的な労働組合の強化、そして太平洋全域の労働者にとってより公正で包摂的な未来を築くという決意を改めて確認した。


2万2000人の南アフリカPick n Pay労働者に連帯

何アフリカの大手スーパーマーケットチェーンであるPick n Payが、約2万2,000人の小売従業員に対し、職を維持するか、あるいは賃金と福利厚生の大幅な削減を受け入れるかの選択を迫ろうとしたこと、そしてその過程で、南アフリカ商業ケータリング関連労組(SACCAWU)を排除しようとしたことが、労働者の激しい怒りを呼び起こした。そしてすぐに、UNIアフリカが連帯を示し、南アフリカ雇用労働大臣が緊急に介入する事態となった。

2026年5月初旬、南アフリカの小売大手Pick n Payは、調停・仲裁委員会(CCMA)に対し、第189A条に基づく通知を提出し、大規模な人員削減に向けた60日間の協議プロセスを開始した。この通知はSACCAWUを完全に迂回して行われ、労働者に対し、大量解雇を受け入れるか、交渉で合意した雇用条件の大幅な削減に同意するかという、受け入れがたい二者択一を突きつけた。

同社が求めている措置には、従業員1人あたり月額約2,000ランド相当の労働時間短縮、遅番・夜勤の交通費補助の廃止、交渉で合意された13ヶ月目の給与の撤回、法定割増賃金による日曜日の賃金の廃止、およびパートタイムおよび変動勤務時間制の従業員に対する保護措置の撤廃が含まれている。

SACCAWUはこのプロセスを根本的に欠陥があるとして非難し、組合に提案を示す前に南アフリカ労働関係調整委員会(CCMA)に問題を付託したことは、明らかな不誠実行為であると指摘した。同労組は、「Pick n Pay労働者が勝ち取った成果を攻撃しようとする必死の戦略は、労働者の家族がすでに直面している経済危機をさらに深刻化させるという意図せぬ結果を招くことになる」と警告した。

キース・ジェイコブスUNIアフリカ地域書記長は、同社による動きを非難する連帯声明の中で、「UNIアフリカは、確立された内部交渉プロセスを迂回しようとする試みが報じられていることに特に懸念を抱いている。(‥‥中略‥‥)UNIアフリカはさらに、この問題が単一の企業にとどまらないことを認識している。これは、アフリカの小売部門におけるディーセントワーク、公正な賃金、団体交渉権、そして労働者の保護を求める広範な闘争に直結するものである。Pick n Payにおける交渉で得られた権利のいかなる弱体化も、この地域の労働者全体にとって危険な前例となる」と述べた。

介入を求める声を受け、ノマコサザナ・メス雇用労働大臣は2026年6月3日、ケープタウンで6時間にわたる会合を招集し、会社経営陣、SACCAWU、COSATUの指導者を一堂に集めた。この会合の結果、明確なタイムラインを定めて団体交渉を行うこと、およびCCMAによる調停プロセスを停止することで合意が成立した。今後は、Pick n Pay経営陣とSACCAWUによる二者間交渉が行われることになる。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「Pick n Payの2万2,000人の労働者は、敬意に値する。同社が交渉に臨むにあたり、我々は経営陣に対し、労働者が日々行っている計り知れない貢献を認識し、SACCAWUを通じた団体交渉の権利を認めるよう強く求める」と述べた。

Pick n Payは、アフリカ最大級の小売企業の一つであり、南アフリカ、ボツワナ、エスワティニ、レソト、ナミビア、ザンビア、ジンバブエの各国で計約2,227店舗を展開している。


オランダのリドル従業員の4人に3人がバーンアウトのリスクに直面

ディスカウントスーパーであるリドルのオランダにおける店舗および倉庫従業員約1,200人を対象とした調査によると、74%が仕事のプレッシャーによりバーンアウトのリスクにさらされていることが判明した*。リドル労働者は、この調査結果を会社の経営陣に直接提示した。その際、労働者が仕事で日々背負っている重荷を象徴するように、荷物をぎっしり詰めた買い物袋に入れて、調査結果が手渡された。

オランダのUNI加盟組織FNVが実施したこの調査は、FNVリドル・アクティビスト・ネットワークが調整した「行動週間」の一環として公表された。この期間中、オランダ各地の拠点で労働者が結集し、経営陣に対し調査結果に基づく対応を要求した。この結果は、生産性目標の引き上げと慢性的な人手不足が積み重なった結果であることが示されている。

労働者の3分の2が、過去1年間だけでプレッシャーが増したと回答した。よく挙げられた影響には、ストレス、身体的な不調、休憩がとれないこと、強制的な残業、睡眠不足、そしてやる気の低下などが含まれる。「毎日、最初から遅れをとった状態で始まっている」とある回答者は語った。別の回答者は、「ただの番号のように感じる」と述べた。

この結果は、FNVが2015年および2019年に行った前回の調査と比較して悪化していることを示しており、当時もすでに従業員の68%が極度の業務上のプレッシャーを報告していた。回答者の29%が、過去1年間に業務量過多を理由に病欠していた。

この調査は、2023年のオランダ労働局の裁定を受けて行われたものである。同裁定では、組合がこの問題について継続的にキャンペーンを行ったことを受け実施された検査の結果、リドルに対し業務量を削減し、健康と安全を改善するために1年間の猶予が与えられていた。新たなデータは、同社が求められる改善を達成できていないことを示している。今回のアンケート調査は、2026年3~5月に、店舗、物流センター、事務所に勤務する1,168人のリドル労働者が回答した。

FNVのファトマ・ブグダイチ=カラタス役員は、「リドルでは、労働者が日常的に限界を超えて働かされている。日々のストレスにさらされ、休憩を削り、本意ではない残業を強いられ、常に『より短い時間でより多くの仕事をしろ』と求められている。労働者は何年も前から警鐘を鳴らしてきた。リドルは約束をしたが、それを守っていない。解決策は、やる気を起こさせるポスターや生産性目標の引き上げなどではない。解決策は、シンプルに、売り場に十分な人員を配置することだ」と指摘した。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「この調査は、リドルの労働者を限界まで追い詰めている過重な業務負荷、不合理な業績目標、そして慢性的な人手不足を浮き彫りにしている。そして、オランダは決して孤立した事例ではない。欧州や米州全土のリドル労働者も同様の劣悪な労働環境に直面している。これは、ベルリンで開催される次回のシュヴァルツ・グループ組織化ネットワーク会議で、リドルとカウフランドの労働者を結集させる際、最優先議題となるだろう」と述べた。

リドルとカウフランドの店舗は、ドイツ資本の多国籍小売企業シュヴァルツ・グループの一員である。


欧州の小売卸売業界は女性が支えているが、ジェンダー格差は依然として深刻

●欧州各地の小売卸売産業の加盟組織がローマに結集し、同部門におけるジェンダー格差について議論した。
●参加者は課題や優良事例を共有、6つの重点分野を特定した。
●議論は、欧州の小売・卸売業界におけるジェンダー不平等に関するUNI 欧州の最新の包括的報告書の分析に基づいて行われた。

欧州のスーパーマーケット、デパート、小売チェーンに足を踏み入れれば、そこは従業員の大部分を女性が占めている。しかし、この女性が主流を占める業界における「ガラスの天井」は依然として深刻な状況だ。商業部門の労働力の圧倒的多数を占める女性労働者は、男性同僚に比べて賃金が低いだけでなく、社会保障や労働安全面でも不利な立場に置かれている。

これは、2026年5月19~20日にローマでイタリアのUNI商業部会加盟組織UILTuCSが主催した2日間のワークショップのテーマである。欧州各地(ドイツ、スウェーデン、イタリア、オランダ、ボスニア、ベルギー)から集まった商業部門の労働組合指導者、研究者、労働者は、1年にわたる調査を経て、今後数年間の活動を指針とする具体的な計画を策定した。
  
参加者には、UNI欧州の最新報告書「商業部門におけるジェンダー不平等」の調査結果が提示された。この報告書は、低賃金・パートタイム職から、管理職や技術職において女性の人数が過少である状況に至るまで、商業部門におけるジェンダー不平等の構造的要因を深く掘り下げている。

続いて、様々なステークホルダー間での議論と意見交換が行われ、デジタル化や環境に配慮した移行圧力の中で不平等が深刻化するのを防ぐため、最も介入が必要な6つの優先分野が浮き彫りになった。
• 賃金格差の是正
• 雇用の安定と標準的な雇用形態の促進
• 「マザーペナルティ」の解消と不平等なケア責任の是正
• 安全な職場の確保
• 公正な移行の管理
• 複合的な差別の是正

労働組合には何ができるか?
課題の特定に加え、本ワークショップでは欧州各国の労働組合による優良事例の共有も促進された。

●すべての職場に労働組合の連絡窓口を設置し、賃金透明性データを監視するとともに、ジェンダー中立的な賃金体系の実現を推進する。
●EU賃金透明性指令を活用し、今年から賃金監査と同一労働同一賃金に関する団体交渉を義務付ける。
●すべての職場で安全衛生委員会の設置を義務付けるよう交渉し、顧客による暴力に対しては実際に執行されるゼロトレランス(一切容認しない)方針を導入する。
●特にフランチャイズ店舗において、フルタイム勤務、予測可能な勤務時間、勤務スケジュールの事前通知に関する団体交渉による権利を確保する。
●デジタル化によって女性が職を失う前に、女性を対象としたリスキリングのプログラムについて雇用主から拘束力のある確約を引き出す。
●真に分かち合われる育児休暇(長期かつ十分に補償が支払われ、母親だけでなく父親にとっても当たり前のものとなる)を求める運動を展開する。

この分析に基づき、ジェンダー平等を達成するために重点を置くべき分野と必要な具体的な措置を明確にするガイドラインが作成された。本文はまもなく公開される予定である。

本調査は、商業部門におけるジェンダー視点を通じた労働条件の改善 (I’M Pinc)というEU共同資金によるプロジェクトの枠組みの中で実施された。同プロジェクトは、重要な研究の欠落を埋め、労働組合がこれらの変化に効果的に対応するために必要なツールを提供することを目的としており、商業の未来が革新的であるだけでなく、公正なものとなるよう確保することを目指している。


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