
●欧州各地の小売卸売産業の加盟組織がローマに結集し、同部門におけるジェンダー格差について議論した。
●参加者は課題や優良事例を共有、6つの重点分野を特定した。
●議論は、欧州の小売・卸売業界におけるジェンダー不平等に関するUNI 欧州の最新の包括的報告書の分析に基づいて行われた。
欧州のスーパーマーケット、デパート、小売チェーンに足を踏み入れれば、そこは従業員の大部分を女性が占めている。しかし、この女性が主流を占める業界における「ガラスの天井」は依然として深刻な状況だ。商業部門の労働力の圧倒的多数を占める女性労働者は、男性同僚に比べて賃金が低いだけでなく、社会保障や労働安全面でも不利な立場に置かれている。
これは、2026年5月19~20日にローマでイタリアのUNI商業部会加盟組織UILTuCSが主催した2日間のワークショップのテーマである。欧州各地(ドイツ、スウェーデン、イタリア、オランダ、ボスニア、ベルギー)から集まった商業部門の労働組合指導者、研究者、労働者は、1年にわたる調査を経て、今後数年間の活動を指針とする具体的な計画を策定した。
参加者には、UNI欧州の最新報告書「商業部門におけるジェンダー不平等」の調査結果が提示された。この報告書は、低賃金・パートタイム職から、管理職や技術職において女性の人数が過少である状況に至るまで、商業部門におけるジェンダー不平等の構造的要因を深く掘り下げている。
続いて、様々なステークホルダー間での議論と意見交換が行われ、デジタル化や環境に配慮した移行圧力の中で不平等が深刻化するのを防ぐため、最も介入が必要な6つの優先分野が浮き彫りになった。
• 賃金格差の是正
• 雇用の安定と標準的な雇用形態の促進
• 「マザーペナルティ」の解消と不平等なケア責任の是正
• 安全な職場の確保
• 公正な移行の管理
• 複合的な差別の是正
労働組合には何ができるか?
課題の特定に加え、本ワークショップでは欧州各国の労働組合による優良事例の共有も促進された。
●すべての職場に労働組合の連絡窓口を設置し、賃金透明性データを監視するとともに、ジェンダー中立的な賃金体系の実現を推進する。
●EU賃金透明性指令を活用し、今年から賃金監査と同一労働同一賃金に関する団体交渉を義務付ける。
●すべての職場で安全衛生委員会の設置を義務付けるよう交渉し、顧客による暴力に対しては実際に執行されるゼロトレランス(一切容認しない)方針を導入する。
●特にフランチャイズ店舗において、フルタイム勤務、予測可能な勤務時間、勤務スケジュールの事前通知に関する団体交渉による権利を確保する。
●デジタル化によって女性が職を失う前に、女性を対象としたリスキリングのプログラムについて雇用主から拘束力のある確約を引き出す。
●真に分かち合われる育児休暇(長期かつ十分に補償が支払われ、母親だけでなく父親にとっても当たり前のものとなる)を求める運動を展開する。
この分析に基づき、ジェンダー平等を達成するために重点を置くべき分野と必要な具体的な措置を明確にするガイドラインが作成された。本文はまもなく公開される予定である。
本調査は、商業部門におけるジェンダー視点を通じた労働条件の改善 (I’M Pinc)というEU共同資金によるプロジェクトの枠組みの中で実施された。同プロジェクトは、重要な研究の欠落を埋め、労働組合がこれらの変化に効果的に対応するために必要なツールを提供することを目的としており、商業の未来が革新的であるだけでなく、公正なものとなるよう確保することを目指している。