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日本からの平和大使、平和・核軍縮のメッセージと希望をUNIへ

2019年8月19日、広島・長崎 高校生平和大使が、国連欧州本部(ジュネーブ)に核兵器の無い世界を訴える署名を届けるミッションの途中、スイス・ニヨンにあるUNI本部を訪れた。

74年前、広島と長崎に投下された原爆の被爆一世、二世、三世に支えられた日本の高校生は、これまでに200万筆近い署名を集め、国連に届けてきた。高校生平和大使は毎年UNI本部を訪れ、15年になる。

「UNIは今でも変わらず平和と核兵器廃絶にコミットしている。このように無差別な殺戮と破壊を恐れる必要の無い世界でなければならない」と、アルケ・ベシガーUNI副書記長は平和大使を歓迎して述べた。「平和大使の皆さんが私たちに重要なメッセージと心強い活動の経験を届けてくれたことに感謝する。核軍縮に向けた私たちの共通の目標が近いうちに実現するよう望んでいる。」

UNI本部や国連の他にも、平和大使はバチカンでローマ法王に訴える等、世界中の要人を訪ねたり学生と交流したりしている。平和大使は、核兵器の無い世界に向けた取組みと国際連帯が評価され、ノーベル平和賞候補にも選ばれた。

「広島と長崎の出来事は過去の話ではない。地球上の生き物全てに影響を及ぼす。核戦争が今起これば、何百万人もの人々が74年前の広島、長崎の人々と同じ苦しみに遭うことになる。広島、長崎からのメッセージを広めることで、核兵器の無い世界を実現するため頑張りたい。」(勝川大樹、大阪)

平和大使のプレゼンによって、核戦争の恐ろしさが鮮明に描かれた。平和大使は、長崎を最後の被爆地とするために取組んでいる。彼らは被爆者の声をじかに聞くことのできる最後の世代だ。

「過去74年に渡って被爆者が強く訴えてきたために、核兵器が再び使われずに済んでいる。やがて全ての被爆者が亡くなり、原爆の記憶が風化する時が来る。」(松田小春、広島)

平和大使、UNI、そして広く平和運動に関わる団体は、記憶を風化させず、平和と核軍縮を国際舞台の中心課題としていくよう取組んでいる。

UNIはICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)とIPB(国際平和ビューロー)のメンバーであり、2010年に長崎で世界大会を開催した。


長崎、広島、原爆投下74年、UNIは犠牲者を悼み核兵器廃絶を訴える

今週、広島、長崎に原爆が投下されて74年を迎える。一瞬にして21万人を超える人々が亡くなり、その後も多くの人々が後遺症に苦しんでいる。

「この恐ろしい核兵器の使用から74年を迎えるにあたり、UNIは恒久平和の追求と核兵器廃絶へのコミットメントを再確認する。このような無差別殺戮と破壊は二度と起こしてはならない」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は述べた。「とりわけ、不安や緊張が高まっているこの時に、私たちは広島や長崎の皆さん、そして世界中の同志と共に、核兵器廃絶を要求していく。」

先週、UNI Apro代表団は、田上長崎市長を表敬した。UNIが2010年に長崎で世界大会を開催したことをきっかけに、強いつながりが生まれている。

以来、UNIは長崎・広島からの平和大使や、ノーベル平和賞を受賞したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)及びIPB(国際平和ビューロー)と協力し、平和と非暴力のメッセージを発信し続けている。

昨年のリバプールUNI世界大会では、核兵器の無い世界の実現に向けたUNIの揺るぎないコミットメントを再確認した。

来週、長崎・広島からの平和大使を、スイス・ニヨンのUNI本部で歓迎することになっている。


クレディ・アグリコル、UNIとグローバル協定締結

フランスの協同組合銀行グループ、クレディ・アグリコルと5か月にわたる建設的な交渉を重ねた結果、UNI2019731日、グローバル協定を締結した。同社が事業を行う47か国の労働者が、職場の権利と保護の恩恵を受けることになる。

重要なのは、この協定が、結社の自由、団体交渉、社会対話及び情報提供と協議等の基本的人権と労働組合権の尊重を公約していることである。

同社は、組合員に対するいかなる脅し、嫌がらせ、報復、差別も容認しないことを誓う。いかなる形のモラハラやセクハラも防止し撲滅するため、明確で厳しい手続きが実施され、被害者には十分な支援が提供される。

クレディ・アグリコルは、どの従業員にもキャリアの各段階において平等な待遇と機会を提供し、多様性のある包摂的な職場を保障する。例えば、前例のなかった16週の有給の産休の導入も含まれる。

協定は、金融産業として初めてデジタル化に特化した章を設けた。今後、同社は、新技術が従業員及び労働条件に及ぼす否定的な影響の抑制に努めると同時に、将来の仕事に必要な研修、再訓練、スキル向上訓練を全ての労働者が受けられるようにする。協定は、UNIの労働者データの権利保護のための10大原則及びクレディ・アグリコルの個人データ保護憲章からヒントを得て、労働者データのプライバシー保護条項を導入した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように評価した。「クレディ・アグリコルにおける結社の自由や団体交渉といった基本的人権を保障するだけなく、この協定には、セクハラ撲滅のための強力な方針と労働者の権利及びデジタル化に関わる画期的な保護条項が含まれている。クレディ・アグリコルが研修及びスキル向上訓練を公約したことは、デジタル化が必ずしも解雇を意味するものではないことを示している。企業が労働者の幸せを約束するなら、デジタル化はより良い仕事や新たな仕事を意味する場合もある。クレディ・アグリコルとの生産的なパートナーシップを楽しみにしている。」

クレディ・アグリコルのベネディクト・シュレティン人事部長は、「人材はグループの新たな戦略計画の核心である。我々は、グループの全ての従業員のために信頼の枠組みを提供する強力な社会協定を頼りにしている。この協定は、世界中の全てのクレディ・アグリコル従業員にとって共通の社会基盤となり、国際レベルで人材への責任を強化するものだ」と語った。

協定は3年有効で、進捗をモニターし、その実施を巡る紛争解決の強力な仕組みを持つ。

クレディ・アグリコル欧州労使協議会とUNI金融部会クレディ・アグリコル労組アライアンスが土台を築き、協定は締結された。


長崎で第19回UNI-LCJユース英語セミナー

2019824日、長崎において第19UNI-LCJユース英語セミナーが開催された。9組織から18人(男性9人、女性9人)が出席し、4人の海外リソースパーソンを交え23日、英語でコミュニケーションしながら国際労働運動について理解を深めた。

本英語セミナーの目的は、①UNI・国際労働運動について理解を深めること、②コミュニケーションの一手段である英語を使い、海外の組合事情に触れると共に多様な文化を尊重すること、③他産別の同世代の仲間と交流しネットワークを広げることである。

加えて今回は、本年11月に退任予定のクリストファー・ウンUNI Apro地域書記長が初めて参加し、参加者を激励すると共に、本年11月のUNI Apro地域大会の開催国ネパールから2人がリソースパーソンとして参加し、長崎世界大会受入れの経験を学んだ。地元長崎からは、長崎世界大会に多大な貢献をしてくださった宮崎連合長崎会長(当時、UNI長崎連絡会事務局長、情報労連長崎県協議長)が当時の経験を語ると共に、核兵器廃絶の訴えをより大きな声として世界を変えるため、本セミナーを通じて得た経験を多くの仲間に伝えてほしいと述べた。

開会式では、松浦UNI-LCJ議長が英語で開会挨拶を行い、参加者を激励した。ウンUNI Apro地域書記長は、「労働組合は会社や社会から必要だと思われる組織にならなければならない。そのためには斬新で創造力に富んだアプローチが必要だ」と強調し、若手組合員・役員に積極的な役割発揮を期待した。ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記次長からUNI概要について説明を受けた後、参加者はグループ活動として「労働組合、青年活動」や「日本またはリソースパーソンの国」等を宣伝する1分コマーシャルを考え、発表した。また、組合の社会貢献活動や平和行動についても共有した。

この他、最終日の司会進行、朝のエクササイズ、ブログ更新等の各種タスクを担う委員会を編成し、チームワークを発揮してそれぞれのタスクを遂行した。更に、来年20周年を迎えるUNI-LCJは青年・女性から一言メッセージを集めた短編ビデオを作成しようとしており、参加者全員がユニークな一言メッセージを録画した。

ニュージーランド出身のトム(元金融労組オルグ、現在は札幌で就業)からは同国の組合運動概要について、韓国在住のヘンリー(米国籍、韓国プロサッカー選手会で主に通訳・翻訳を担当)からは選手の抱える課題について聞き、両国の若年層の組合に対するイメージについても聞いた。日本で働くトムは、長時間労働をなくすヒントとして、仕事より自分や家族を優先するニュージーランドの考え方を共有した。

ネパールのアバシュ(IT専門職労組)とロージー(情報メディア印刷労組)からは、ネパール概要と労働組合、青年・女性を組合活動に関与してもらうための様々な工夫について聞いた。IT専門職は比較的賃金が高く自ら転職することも多いので、彼らの関心事はむしろITスキル向上のための教育訓練や、より好条件の職場に関する情報であり、組合としてはそうしたニーズに応えるような活動を企画・実施している。ネパールにおいては組合のイメージは余り良くないので、UNIネパール加盟組織協議会(UNI-NLC)の若年層に対するアプローチとして、大学生向けのフォーラムを開催し、最初は組合の話から入らず、産業情報や労働者の権利についての情報提供やチームワークの醸成等から始め、UNI活動に好印象を持ってもらえるよう努めている。ネパールでは女性が働くにも組合に入るにも、家族(特に夫や親)の理解と支援は不可欠であり、家庭責任も抱える女性が仕事に加え組合活動に参加するのは非常に大変である。そのような状況の中、女性の意識をまず変え、やがて家庭や社会の認識を変えていけるよう、地道に啓発のためのセミナー等を開催している。

本セミナーのハイライトは、最終日のグループ発表である。原爆資料館及び平和公園等の視察を踏まえ、各グループに与えられたテーマ(①平和、②労働組合、③ユース、④多様性)に沿って、リソースパーソンと遅くまで練習に励み、チームワークを発揮した創造的なプレゼンが行われた。

閉会式では、ハードスケジュールの合間に参加者が自主的に作成した、リソースパーソンへの感謝メッセージビデオが披露され、リソースパーソンにとって感動的なサプライズとなった。

参加者からは、「UNIと平和行動の意義について理解できた」、「最初は緊張していたが、みんなに助けられて、英語を話すのが楽しくなった」、「海外には、ストをする組合が多いという話が印象的だった」、「セミナーで得た感動や貴重な経験を周囲に伝えていきたい」、「参加者の英語レベルも違い、リソースパーソンの英語(訛り)も様々で苦労したが、多様性を実感した」という前向きな感想が寄せられた。

この他、海外リソースパーソンらは以下の活動を行った。

田上長崎市長表敬(82日)

松浦UNI-LCJ議長、ウンUNI Apro地域書記長、アチャリャUNI Apro地域書記次長、4人の海外リソースパーソンは、宮崎連合長崎会長と共に、田上長崎市長を表敬訪問した。田上市長からはあらためて、長崎大会開催地決定以降育まれたUNIとの友情と交流、世界大会で世界中から参集した代議員に核兵器廃絶の訴えを直接伝え、各国に持ち帰って広めてもらえたこと等に対し、感謝の言葉が述べられた。

情報労連訪問(85日)

ネパールのアバシュ(メディア会社のIT部門勤務)とロージーは、情報労連を訪問し、齋藤中央執行委員、木村国際担当部長と、IT産業労働者の組織化等について経験交流を行った。

日放労訪問(85日)

ネパールのアバシュとロージー(ローカルFMラジオ局勤務)は、日放労を訪問し、村尾中央執行委員の案内で、NHKラジオ放送の現場を視察すると共に、NHK概要・日放労の活動等について説明を受けた。


UNIネパールの仲間、UNI Apro地域大会受入れまでカウントダウン

本年11月に、ネパールの首都カトマンズで第5UNI Apro地域大会が開催される。UNIネパール加盟組織協議会(UNI-NLC)はホスト国として、大会の成功を支えるため、ボランティアの育成を始めている。2019714日、日曜日にも関わらず、UNIネパール加盟組合の若手組合員や大学生ら約100人がカトマンズのイエローパゴダホテルに集まり、ボランティア育成セミナーが実施された。

開会挨拶の中で、シャンカール・ラミチャーニUNI-NLC議長は、ネパールにおける労働組合及びUNI Aproについて簡単に紹介した。続いて、アロック・マーラ担当が大会受入れ準備状況を説明し、大会ロゴをデザインしたマヘンドラ・シュレスタIMPRESSION(通信・メディア・グラフィック労連)委員長がロゴの意味を解説した。その後、UNI日本加盟組織連絡協議会の小川事務局長が、2010年に長崎でUNI世界大会を受入れた際のホスト国としての経験を共有した。

シャンカール議長は、「就職前の学生にも、組合活動や集団で行動する意義と楽しさを体感してもらうため、UNI Apro地域大会受入れという好機を活用したい」と、ボランティアとして大学生を動員する理由を明かした。「ネパールの労働運動には、民主的な組織から、イデオロギーの異なる政党によって支援された組織まで、様々ある。そのため、一般的には、労働組合といえば政治色の強い組織が競合し合っているイメージが蔓延している。UNI-NLCは、メンバーのスキル訓練や組合の交渉力強化の訓練を重視し、日本の組合のように被災地復興支援等の社会貢献活動を行ったりして、組合のイメージ改善に努めている。」

参加者はこの他、チームビルディングのゲームを行ったり、大会期間中のタスク毎にチーム編成を行ったりした。

UNI Apro地域大会は今回、初めて南アジアで開催される。4年前に計画されていたが、20154月に大地震が発生し、開催地の変更を余儀なくされた。大地震からの復興と、変化を遂げようとしている組合運動を見せようと、ネパールのUNIの仲間は張り切っている。UNI-NLCには、商業、金融、ICTS、メディア、警備、郵便・ロジスティクス、ケア、ゲーム、美容・理容部会の18加盟組織、10万人のメンバーが結集している。ナショナルセンター加盟は、NTUCGEFONT、独立系と異なるが、シャンカール議長のリーダーシップの下、協力してUNI Apro地域大会準備に尽力している。


シンガポールのUNI Apro金融部会加盟組織とデジタル化対応について情報交換

シンガポール政府は、スマート国家戦略の下、東南アジアの金融のハブとしての位置づけを強化することを目的に、デジタル化を強力に推進している。金融産業の政労使及び関係者が連携して、同産業のデジタル化を推進し、必要な人材育成に取組んでいる様子を視察するため、宮井UNI Apro金融部会議長を団長とするUNI-LCJ金融部会代表団は、2019年6月17~18日、シンガポールを訪れた。

UNI Apro金融部会に加盟する、DBS銀行の労使から、従業員に求められるスキルアップと意識改革や、高齢の顧客に対するテクノロジー体験の改善について聞くと共に、デジタル化の進んだ支店を見学した。多くの企業がデジタル化に多額の投資をする中、DBS銀行役員は、「誰一人取り残さないこと」を基本方針に、「顧客だけでなく従業員にも選ばれる銀行になる必要がある」と述べ、従業員へのリスキリング(再技能訓練)にも多額の投資をしていることを強調した。

また、SBEU(銀行一般職労組)、BFSU(銀行金融サービス労組)、SIEU(保険労組)と、デジタル化対応について情報交換を行った。金融産業においては、一般職組合員は減少し、専門職・監督職が増加している。組合は、シンガポールの金融産業が競争力を維持し、労働者がより高い技能・デジタル技能を習得できるよう、フィンテック協会とも連携した教育訓練コースを提供する等して、支援している。また、若い管理職が年上の労働者とうまくやっていけるよう、支援している。

更に、政府の支援及びオープンかつ進歩的な規制の下、フィンテック・エコシステムにおける全てのステークホルダー(政府、国内外の金融機関、企業、スタートアップ、投資家、教育機関、労働組合、他)の間の協力・連携を促進し、課題解決を図るための非営利プラットフォームである、シンガポール・フィンテック協会(SFAを訪ね、スタートアップ企業から事例報告を受けた。また、外資保険会社のデジタル化推進状況を視察した。

クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長との意見交換の中では、UNI Aproの20年以上に渡るベトナムの労働運動への協力の歴史から、ASEAN政労使対話における組合の影響力拡大の取組みについて説明を受けた。宮井UNI Apro金融部会議長は、年末に退任するウン地域書記長の長年の貢献に感謝すると同時に、パートナーシップ労使関係の普及、アジア開発銀行との連携強化、SDGsの目標達成に向けた労働組合の役割発揮について、後任にしっかりと継承してほしいと要請した。


UNI-LCJ金融部会、ベトナム銀行労組と情報交換

日本とベトナムは経済連携協定を締結し10年を経過した。金融セクターも外資に開放されており、2007年から100%外資銀行がベトナムで活動できるようになった。労働組合は旧来の社会主義時代の運動から、経済の自由化・グローバル化といった変化に適応する能力強化を望んでおり、国際組織との交流を通じた能力強化を重視してきた。特にTPP交渉過程で労働法改革を余儀なくされ、今後は一企業内に自由に労働組合が結成できる、つまり複数労組の結成が可能になる。UNI Aproは過去20年に渡り、VGCL(ベトナム労働総同盟)と協力し、傘下のサービス産業の労働組合の能力強化を支援してきた。

銀行労組はこれまでベトナムの銀行の組合が中心だったが、外資銀行・保険の組織化も急務となっている。宮井UNI Apro金融部会議長を団長とするUNI-LCJ金融部会代表団は、2019年6月14日、ベトナム・ハノイを訪問し、VGCL(ベトナム労働総同盟)、傘下の銀行労組と情報交換を行い、外資損保会社を視察した。

 

 


過度な長時間労働から銀行労働者を守るための画期的な欧州連合司法裁判所の判決


2019514日、欧州連合司法裁判所は、銀行産業だけでなく欧州全域の労働者を、健康を害する恐れのある過度な長時間労働から保護し、毎日及び1週間単位で休息期間を受ける権利と適切なワークライフバランスを確保する、画期的な判決を下した。

スペインのUNI加盟組織CCOOが、労働時間及び残業時間を適切に記録するよう多国籍企業ドイツ銀行に要求するも、はねつけられたため、欧州連合司法裁判所に判断を仰いでいた。

司法裁判所は、労働者には、労働時間に関する欧州指令によって認められた「労働時間を制限する権利」があるとし、EU加盟国には、使用者が「客観的に、信頼性ある方法で」1日の労働時間を記録する仕組みを整えることを義務付けるよう指摘した。

CCOOは、「労働者の権利を明白に擁護し、加盟国にそれを保障する法制化を義務付けた」この判決を歓迎した。スペインの組合は引き続き、残業時間全てに適切な報酬が支払われ、社会保障の対象とされるよう要求していく。

昨年9月、UNI欧州地域組織が採択したウィーン宣言の中では、労働時間の公正な配分や、人生の様々な段階に合わせて調整された労働時間の取り決めを通じ、労働者が自らの労働時間を決められるよう、また、生涯学習への投資をより強調する中で、労働者の自主性が強化されるよう求めている。

「現在の労働時間の文化は、社会構造に悪影響を及ぼしている。労働者は、働き過ぎで限界に達しているか、或いはきちんと家族を養うために必要な労働時間を否定されている」と、オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は指摘する。「ウィーン宣言では、労働時間の現状を徹底的に見直し、欧州全域の労働者により良い労働条件と自主性をもたらす、具体的な解決策が示されている。」

 


UNI金融部会、米国銀行労働者の組織化を支援

UNI世界金融部会は年に1度、議長・副議長会議を開催し、前年度の活動を振り返り当年度の活動を計画している。今年は2019年4月29~30日、米国・ワシントンDCのAFL-CIO本部会議室で開催され、ベルロファ議長、宮井副議長(UNI Apro金融部会議長)、ネグロ副議長(UNI米州金融部会議長)、ガルビ副議長(UNIアフリカ金融部会議長)が出席した。

主な議題は、今年10月に開催されるUNI世界金融部会大会の準備と、米国銀行組織化キャンペーンの最新状況の共有及び戦略策定であった。

この他、UNI Aproの主な活動として、宮井副議長は、アジア開発銀行(ADB)と「デジタル化が金融産業の雇用に及ぼす影響」をテーマに共同フォーラムを開催したことや、日本、台湾、ベトナム等における未加盟組織への加盟の働きかけについて報告した。

米国銀行の組織化については、AFL-CIO、全米通信労組(CWA)等の担当者から、米国における銀行の組織化の経緯と今後の展望について説明を受けた後、UNI世界金融部会議長・副議長と今後の戦略とアクションについて意見交換を行った。CWA担当者は、「UNIの仲間が世界中で引上げている金融産業の基準を、米国の金融産業が引き下げることは非常に残念だ」と述べ、更なる国際連帯と連携の必要性を訴えた。

ベルロファ議長(ブラジル)や、ネグロ副議長(アルゼンチン)は、両国における銀行労働者の課題について次のように述べた。「銀行の販売担当は、厳しいノルマを課され、達成度を競争させられるため、メンタルヘルスに陥ったり、偽口座をつくったことで解雇されたりした。他方、ノルマを達成すれば給料は上がるというジレンマが組合にはある。」「個人ランキングをやめさせることはできたが、根本的な問題解決にはならなかった。個人のノルマではなく、グループのノルマにする方がうまくいった。」「一握りの人だけが利益を享受し、労働者が抑圧されてはならない。個人の成功は、みんなが連帯したからだ。組合の可視化を強力に推進すべきだ。“組合が無いことのリスク”を人々に理解させなければならない。」

宮井副議長は、日本においては労使間の信頼に基づいた建設的な対話を通じて、職場環境の改善や労働条件の改善などを行っている、と述べ、「労使フォーラム等の場に、優良な使用者を招いて、建設的な労使関係は会社のビジネスにも良い影響を及ぼすことを理解してもらってはどうか」と提案した。

今後のアクションとして、米国に支店やコールセンター等の拠点を持つ外資銀行の労組ネットワークを活用すること、EUで採択された「販売ノルマに関する労使共同宣言」を、EU外にも良き事例として普及・促進させること、労働者教育及びコミュニティへの啓発を継続・強化すること等が確認された。またUNI世界金融部会大会(10月、スペイン)の機会を活用し、全ての加盟組織が参加できる連帯アクションを行うことを検討することとした。

 


台湾TFFU(金融労連)訪問

宮井UNI Apro金融部会議長は、台湾TFFU(金融労連)からの要請を受け、2019年4月24日、中央執行委員会に出席し、加盟組織の立場からUNI加盟の意義を説明した。金融労連は、政府系及び民間銀行・保険会社等で働く約3万人を組織している。

宮井議長は挨拶の中で、金融産業の職場に迫る急速な変革、プラットフォーマーの台頭、金融と非金融の融合等による新たな価値創造社会への転換、等の動きを注視すると共に、SDGsの達成、すなわち「持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現」に向けた労働組合の積極的な貢献の必要性を強調した。そのため「グローバルな視点」と「ローカルの視点」を兼ね備えた組合活動を展開する必要に迫られており、世界の金融で働く仲間が意見交換できるネットワークを構築し、連帯することが非常に重要だと訴えた。

UNIの機構、金融部会の主な活動方針と活動事例を紹介した後、TFFU幹部から、UNIについて様々な質問が出され、プリヤラル部長、小川UNI-LCJ事務局長は丁寧に回答した。

最後に宮井議長は、加盟の意義について、「UNIの調査・研究機能」、「国内外における労働組合の連帯」、「UNIを通じた対外的なアクション」を挙げ、TFFUの加盟決議を期待した。

鄭委員長及び韓書記長からは、長年の友好関係と、今回の訪台に対する感謝の意が述べられた。来年の大会までに必ず決定できるよう努力するとの前向きな意思表示がなされた。

鄭委員長を団長とするTFFU代表団(5人の予定)は、6月27日、日本の金融事情を調査・研究し、日本の金融加盟組織との連帯を深め、更にはUNI加盟実現につなげるため、来日を希望しており、UNI-LCJ金融部会として受入れる予定である。

TFFUは新事務所に移転したばかりで、中央執行委員会の後、午後3時から5時まで、開所式典が行われた。事務所ビル前で、鄭委員長、主賓の労働大臣、財務大臣、国会副議長らが事務所開幕のセレモニーを行った後、参加者は3階ホールに移動した。主賓及び歴代役員等からの祝辞に続き、UNI代表団を含む来賓が1人1人紹介された。

 


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