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これは真剣なゲームだ「今こそゲーム開発業界に組合をつくる時」

2021年11月17日にオンライン開催された会議で、オーストラリアからフィンランドまで世界各国の労働組合が、電子ゲームやビデオゲーム開発業界では組織化の機が熟しているとの意見で一致した。

UNI世界ICTS部会が企画した「勝利に向けた組織化:UNIゲーム開発労働者デジタルワークショップ」の参加者は、ゲーム開発部門における組織化の機会を検討した。ゲーム開発業界は、一般的に高給取りの特権的なIT部門と見られているが、労働者はセクハラや低賃金、標準化された研修の欠如、健康的なワークライフバランスをとりづらい「クランチ文化(IT業界やゲーム業界等で締切前に長時間の残業をしたり週末も働いたりすること)」等に直面しているのが実情だ。

ベンジャミン・パートンUNI世界ICTS部会担当局長は、「ゲーム開発業界は、労働者が結束して労働基準を高めれば、会社の評判や規模にかかわらず、本来は良いはずの仕事に尊厳をもたらすことができる」と強調した。「ゲーム会社はコロナ禍に大きく成長した。UNIは世界中のゲーム開発労働者の組合を結集し、この業界に尊厳と公正を勝ち取るために闘っていく。」

ユービーアイソフト(本社フランス)、パラドックス(同スウェーデン)の組合や、オーストラリアの専門職労組をはじめゲーム開発労働者を組織する組合の参加者らが、互いの組織化の取組みを共有し、ゲーム開発業界の組合を世界的に拡大していくための方策について、議論を交わした。 フランスのSTJV労組のピエール・マルクスは、「この業界の大手企業の多くは、収益と労働者への報酬が大きく乖離している」と批判した。


ミャンマーの民主化のために闘う労働者に「恐怖からの解放賞」

ミャンマー労働アライアンス及び労働者、UNI「恐怖からの解放賞」を受賞

UNIは、自らの自由と命を危険に晒しながらもミャンマーに民主主義を取り戻すために闘っている、ミャンマーの労働者とミャンマー労働アライアンスの並外れた勇気を称え、ミャンマー労働アライアンス及び労働者に「UNI恐怖からの解放賞」を贈った。

2021年2月1日にミャンマーで軍事クーデターが発生した。激怒した労働組合と市民社会組織は、アウンサンスーチー氏を中心とする民主的な選挙で選ばれた政権の回復を求め、市民の不服従運動を立ち上げた。

数千人もの公務員が政府の仕事を辞め、鉄道労働者が列車を止め、民間部門の労働者は全国ストを打った。ミャンマー銀行労組(MBU)やミャンマー銀行労連(BWTUFM)の組合員6000人もこれに加わった。

「UNI恐怖からの解放賞」の受賞に際し、ミャンマー労働アライアンスとミャンマーの労働者を代表して、ミャンマー労働組合総連合(CTUM)のサンダ・ソー副書記長は次のように述べた。

「この残忍な軍事政権との闘いは容易ではなく、非常に厳しい。危険を冒さなければならないことはわかっている。逮捕され、拷問され、投獄され、殺される。だが、他に選択肢がない。人々の力を取り戻すため闘わなければならない。兄弟姉妹の皆さん、皆さんからの連帯支援に支えられ、我々は勝利するまで闘い続ける。軍事独裁政権は撤退すべきだ。我々の革命が勝利しなければならない!」

1000人以上が殺害され、組合員を含む数千人の活動家が投獄され、60人以上が死刑を宣告されている。

UNIは、世界の労働運動と共に軍事クーデターを非難し、軍部が民主的秩序を回復し、全ての政治犯を釈放するよう要求している。

UNI世界運営委員会は、ミャンマーにおける権利と民主主義回復の闘いを支えるため、できる限りのことを行うとする声明を発表した。また、多国籍銀行に対しては、軍事政権と関わりのある企業から直ちに投資撤退するよう書面で要請し、9月15日の「ミャンマーのための世界行動デー」においても、この要請をあらためて強調した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「ミャンマーの民主的選挙からちょうど1年となる今週、この賞を贈ることは意義深い。だがその政権は、暴力によって覆されてしまった。我々は、ミャンマーの労働者が、ミャンマー労働アライアンスと共に、民主主義を不屈の精神で粘り強く追求してきた勇気と決意を称えたい。ミャンマーの人々の勇気ある行動は、世界の労働運動、更には世界中を奮い立たせ、支持を集めている。我々は連帯し、民主主義が回復するまで支援の手を止めることはない」と力を込めた。

「UNI恐怖からの解放賞」は毎年、危険を冒しながらも組合の組織化や労働者の権利を促進し、恐怖のない世界の実現に貢献した個人や団体に贈られる。


UNI Aproファミリー、松浦新会長の就任を歓迎

2021年11月5日にオンライン開催された第29回UNI Apro執行委員会は、松浦昭彦UAゼンセン会長を、新たな会長に選出した。2015年から地域会長を務めた野田情報労連前委員長を引き継ぎ、UNI Aproを率いていくこととなる。

委員からは祝福の言葉が相次いで述べられた。ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長も、「松浦会長はこれまでも副会長を務め、UNI Aproの状況をよくご存知なので、非常に心強い。豊富なご経験と知見でUNI Aproを強化し、次のステージに導いてくださるだろう」と期待を寄せた。

松浦会長は就任挨拶の中で次のように述べた。「コロナ危機の中で、アジア太平洋各国の組合は政府や経営者と交渉し、労働者保護のための協約や制度を勝ち取り、重要な役割を果たしてきた。我々の取組みによって、“やはり組合は必要なのだ”と認識された。我々はより多くの労働者を組織化し、組織を強化することによって影響力を発揮し、労働者を保護するための取組みを更に進めなければならない。アジアはグローバル化の中で経済的に急速に成長してきた地域だが、その一方で、ミャンマーにおけるクーデター、香港の民主派活動家への抑圧、フィリピンの反テロ法等、深刻な民主主義への攻撃が起こっている。アジアの多くの国では労働組合権が十分に認められておらず、サプライチェーンの底辺で不安定な雇用と劣悪な労働条件下で働く人も多い。その他にも、AIやロボット等の新技術の進展、気候変動といった我々の労働の未来に大きな変化をもたらすであろう多くの課題がある。そのような状況で、UNI Apro会長という大役を担うことの重責を感じている。今後、地域会長として、ラジェンドラ地域書記長をしっかりと支え、この地域のUNI加盟組合の皆さんと共に、全ての労働者の権利保護、安全、労働条件向上のため精一杯取組む所存だ。」

野田会長は、次のように退任の挨拶を行った。「6年前にクアラルンプールのUNI Apro地域大会で会長に選出されてから、多くの国を訪問し状況の理解に努め、リーダーの皆さんと人間関係を築いてきた。この2年はコロナ禍で皆さんに会うことができず残念かつ心残りだ。UNI Aproには、UNI Aproらしい良さがある。松浦新会長のリーダーシップの下、UNI Aproの益々の発展を祈っている。」

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「UNI本部及びUNI Aproにおける書記長交代という重要な移行期をずっと支えてくださり、大変感謝している。野田会長はUNI Aproだけでなく、ICTS部会の偉大なリーダーとしても、思慮深く、献身的かつ現実的に部会を主導してくださった。お忙しい中でもUNIの取組みに大変なエネルギーを注いでくださったことに、UNIを代表して“ありがとう!”と申し上げたい」と、野田会長に感謝の意を表した。

アチャリャUNI Apro地域書記長も、「事務局を代表し、野田会長の力強いサポートに心から感謝する。退任されても、UNI Aproの発展にお力添えをいただきたい」と述べた。

また、並木自動車総連事務局長及び石川JP労組委員長はUNI Apro副会長に、安藤情報労連委員長はUNI世界副会長にそれぞれ確認された。須齋損保労連事務局次長はUNI Apro女性委員会副議長として運営委員会メンバーに確認された。

新たな役員体制の下、UNI Aproファミリーは、コロナ危機を克服し、前進していくことを確信した。


コロナ禍で成長するテック企業、ゲーム開発分野、コールセンターをICTS部会の組織化の重点に

2021年10月27日、UNI世界ICTS部会委員会がオンライン開催された。アンディー・カー議長は、本年開催された米州、UNI Apro、欧州の各地域ICTS部会大会で選出された地域議長に祝意と歓迎の意を表すると共に、野田前UNI Apro ICTS議長をはじめ退任した役員の多大な貢献に感謝した。安藤UNI Apro ICTS部会議長は、UNI Apro ICTS部会大会について報告し、UNI Aproの課題解決に向けてUNI本部と連携して役割を果たしていきたい、と挨拶した。

コロナ禍中・コロナ後に関する調査

委員会に先立ちUNI世界ICTS部会は加盟組織に、パンデミック及びポストコロナの団体交渉に関する調査を行った。回答を寄せた25組織の分析結果が紹介され、未回答組織からの回答も今後追加し、優良事例や教訓を共有していくことが確認された。

コロナ禍の若年労働者の組合への期待・関心事項としては、①賃金、②勤務形態の柔軟化、③在宅勤務、④昇進、スキルアップ、⑤安定性、があげられた。アウトソースに関しては、「コロナ禍でアウトソースは拡大した」、「アウトソースに関して情報を得たり交渉することは難しい」、「中核事業や新たな仕事もアウトソースされた」、「コロナ前よりアウトソースが増えた」という回答が多かった。コロナ禍の組合員勧誘、既存組合員の動員については、「遠隔勤務の増加も影響し、難しくなった」との回答が多い。一方、オンラインツールを活用することで、組合員とのコンタクトの迅速化、オンライン調査、オンラインイベントで参加者の増加する等のメリットもある。情報労連加盟組織の事例として加入届けのウェブ化も共有された。

テック企業、ビデオゲーム分野、コンタクトセンターの組織化

テック企業(開発、技術、デザイン等のビジネスを行う企業。GAFAに代表されるIT大手から請負労働まで、雇用・勤務形態は様々)、とりわけビデオゲーム開発分野、更にコンタクトセンターは、コロナ禍で莫大な利益をあげ、今後も成長が見込まれる。しかし、正規・非正規労働者の格差が大きく、未組織労働者が多い点、遠隔勤務の普及と共にAIによる過剰な監視・プライバシー侵害等の問題が浮上している点等が共通している。引き続き、UNI ICTS部会の組織化重点ターゲットとして、オンライン組織化等を活用しながら、取組みを強化していくことが確認された。

AI及びリモートワークに関する取組み

EUにおけるAI関連法案制定プロセスに、欧州議会委員やEU委員会等へのロビー活動・AIワーキンググループへの労働側代表としての参加・意見提起を強化している。2月に、UNI金融部会と共同でウェビナーを開催し、「UNIリモートワークの主要原則」を発表した。UNIとしては、「AIの活用に関するUNIポジションペーパー」及び「UNIリモートワークの主要原則」を加盟組織だけでなく様々なステークホルダーに促進し、支持者を増やして法制定に影響力を行使していく。


「安全衛生は職場の基本!」ディーセントワーク世界行動デー2021に際し、UNI Aproよりメッセージ

2021年10月7日の「ディーセントワーク世界行動デー」にあたり、UNIは世界に向けて「今こそ、全ての人々を守るため、交渉と規制を通じて、新しい安全基準を設定する時だ」と発信した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、 「コロナ禍をきっかけに、世界中で労働安全衛生の問題が注目されるようになった。労働者の権利についての議論では中心課題となり、勤務中の、以前からある、或いは新たに発生した様々な危険から労働者を守るために欠かせない、労働組合が果たしている重要な役割が浮き彫りにされた」と述べた。

「職場の安全衛生は基本的な権利であることを認識しなければならない。」

UNIは、「ILOが職場の安全衛生は基本的な権利であると認定するよう、全ての組合に働きかけを要請するキャンペーン」を展開しており、UNI Aproはこれを強く支持する。

ILOは政労使から成る三者構成機関であり、労働組合は使用者及び政府に対し、労働安全衛生を最高レベルの国際労働基準に格上げするよう要求している。基本的権利とは、全ての国及び労働者に適用される権利である。 

2019年に政労使代表により満場一致で採択された、ILO創設100周年記念宣言では、全ての労働者にとって労働安全衛生が重要であることが認識されている。

その後、職場におけるテクノロジーの拡大使用によって発生したリスクに、コロナ禍中の危険が重なり、職場の安全衛生を基本的権利とする必要性の緊急度が高まると同時に、労働組合はその権利を徹底し行使する上で不可欠であることが示された。

「余りに多くの労働者が仕事中に感染し亡くなった。ILOレベルでのアクションがあれば、現場レベルで安全な職場を促進する組合の役割も果たしやすくなるだろう」と、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は述べた。

「新型コロナウィルスは、働く人々の健康を脅かす多くの新しい問題の1つに過ぎないが、加盟組織は全ての労働者にとって職場を安全に保つことができると確信している。」

UNI Aproは、加盟組織の各職場での取組みを強く支持します!


UNI Apro ICTS部会、安藤新議長の下、 IT・テック・ゲーム産業の組織化を目指す行動計画を採択

2021年9月1~2日、第6回UNI Apro ICTS部会大会がオンライン開催され、29か国15組織より、300人(代議員37人、オブ27人、ゲスト209人、スタッフ27人)が参加した。女性比率は30%だった。情報労連からは本部及び3加盟組織より計16人(代議員9人、オブザーバー7人)が出席した。

大会は、2017~2021年度UNI Apro ICTS部会活動報告を総括し、IT・テック・ゲーム部門の組織化に取り組むことを盛り込んだ野心的な2021~2025年度UNI Apro ICTS部会行動計画を採択した。最後に、2021~2025年度UNI Apro郵便・ロジスティクス部会委員会を選出し、議長に安藤情報労連委員長を選出した。

開会式の挨拶や代議員の発言では、今大会で退任した野田前議長への感謝の言葉と、安藤新議長への就任のお祝いが述べられた。

主な大会議論

セッション1:リモートワークの課題への対応

アンディ・カーUNI ICTS部会議長は、コロナ禍でリモートワークが急増する中、使用者による労働者監視の強化、労働者のプライバシー侵害や、メンタルヘルスへの悪影響が問題となっている。労組はこうした課題について団体交渉で交渉すべきだと強調した。安藤情報労連委員長は、コロナ禍においてオンラインを活用した各種機関会議やセミナー・研修の開催、組織化、平和行動を実施した経験から、今後の労働組合にとって重要なのは、①情報発信力、②「つなぐ」役割、③参加型の活動展開の強化だ、と強調した。インドネシアASPEKのハンダヤニ代議員は、政府と協議し、リモートワークに関する規制を作るとともに労働者への啓発活動も行っていくと報告した。スリランカ・メディアプロテク労組のカマラナス代議員は、リモートワークへの保障を定めた法律が整備されておらず、組合が交渉に当たることが難しい現状を共有した。

 

セッション2:組織化に関する取組み

「主要なグローバル・地域通信企業の組織化」では、バングラデシュ・テレノール労組、マレーシア・エリクソン労組より、在宅勤務が続く中での組織化に苦労しているとの報告があった。一方、ネパール・アクシアタ労組では、労使関係は比較的良好で7度目の団体協約締結を目指して交渉中であること、コロナ禍に在宅勤務者向け研修や全職員へのPPEの支給、隔離施設やオンライン診療の提供等を行ったことが報告された。

「コンタクトセンターの組織化と労働環境向上」では、パートンUNI世界ICTS部会担当局長が世界中で急増するコンタクトセンターに特化した組織化戦略を策定し活動を展開していることを報告した。特に、GAFAをクライアントとし、フィリピンやインドで11万人以上を雇用するフランスのテレパフォーマンス社については、劣悪な労働環境について苦情申し立てを行い、労働者の自由と人権を尊重するよう会社側に求めている。今後4年間は特にUNI Apro地域での活動に力を入れたいと加盟組織の協力を求めた。

「グローバルIT企業における組織化と組織強化」では、レバックUNI世界ICTS部会組織化担当から、IT労働者はあらゆる部門の企業に存在するが、決して労働環境がよいとは言えず、ストレスや長時間労働、ハラスメント、賃金交渉等の様々な問題を抱えており、組合を必要としている現状が報告された。韓国KFCLUのキム代議員は、オラクル、マイクロソフト、ヒューレットパッカード労組の組織状況や労使関係について報告した。オラクル労組は2年間ストライキ後、昨年末に初の協約を締結し、賃金を交渉中である。定期的な労使協議も行っている。ネパールUNITESのレグミ代議員は、ジェンダー、社会対話、マッピングなどの定期的な組織化や研修を実施している他、独自のモバイルウェブアプリも活用し、デジタル組織化を推進していると報告した。インドNCUのプラサド代議員は、特に中小のIT企業でコロナの影響による解雇が発生していること、組織化にはSNSやズーム等を活用していることを報告した。

 

セッション3:ミャンマー問題が通信産業に与える影響

アチャリャUNI Apro地域書記長からミャンマーの労働者や労働組合を巡る状況とITUCや他のGUFと連携したUNI Aproの取組みについて報告を受けた後、2人の来賓が講演した。石橋参議院議員は、ミャンマー民主化を支援する議員連盟事務局長として日本政府や外務省への要請行動等の取組みについて報告し、通信規制問題に関してUNI Aproと引き続き連携していきたいと述べた。国際人権NGOヒューマンライツ・ウォッチのロバートソン氏は、軍による通信規制や取り締まりの状況と多国籍企業の対応について報告した。フランス・テレノール社は、通信監視の要請に最後まで抵抗していたが7月に事業を売却・撤退を表明。売却先企業の軍事政権との関係は不透明であり、人権の尊重を担保するため、労働組合の協力を要請した。春川KDDI労組委員長は、ミャンマーにおける事業の現状と現地で働く組合員や従業員の安全確保の取組みについて報告した。

セッション4:デジタル時代のICTS労働者の組織化と代表制

鈴木NTT労組委員長は、NTT労組のオンライン組織化の取組み事例と課題について報告した。新入社員研修に合わせ対面一括で行っていた加入説明会をオンラインで1年に渡り断続的に実施した結果、100%の組織化を達成した。ズームの技術的な運用面の改善と加入拒否者への対応が課題である。台湾CTWUのリウ代議員は、競争が激化する中業績が低迷しており、コストカットの名の下に、教育研修の機会が減っていると報告した。シンガポールUTESのシン代議員は、ナショナルセンターNTUCと連携し、デジタル化による変化に対応できるよう最新の技能研修を労働者に提供していると報告した。パキスタンAPNEUのカン代議員は、2021年6月に協約を締結し、勤続3年の契約社員の正規化などに成功したものの、強制的な配置転換等の組合に対する嫌がらせが続いており、苦しい状況だと訴えた。


UNI Apro、ミャンマー国民統一政府の国連総会での承認を求める共同決議に参画

2021年8月30日に開催された、労働組合、国会議員、ミャンマー国民統一政府(NUG)によるASEAN+6地域社会対話(ARSD)で、ディーセントワークの推進に向けて同国の民主主義の回復を求める決議が採択された。

決議では、9月14日から開催される第75回国連総会において、NUGをミャンマーの正当な代表として承認することを国連に要請する等、重要な勧告がなされた。

今回の社会対話は、NUGと軍事政権のどちらの代表が国連総会に出席できるかを決定する国連総会の信任状委員会の審議に先立ち、特別に開催されたものだ。

ミャンマー国民は、民主的に選出された亡命中の立法機関が4月16日に設立したNUGを、国際社会が承認することを求めている。協議の中で重点的に検討されたのは、そうしたミャンマーの人々の声を後押しする方法である。NUGには、国民民主連盟(NLD)、すべての少数民族グループ、様々な政党、労働組合、青年・女性組織の代表者が参加している。

UNI Aproは、志を同じくするグローバルユニオンのアジア太平洋地域組織、ASEANサービス従事者労働組合評議会(ASETUC)とともに、国際労働組合総連合アジア太平洋地域組織(ITUC-AP)、ASEAN労働組合協議会(ATUC)、ASEAN人権議員連盟(APHR)、ミャンマー労働組合総連盟(CTUM)の協力を得て、NUGの承認を求める広範な活動の一環として、今回の社会対話を開催することとなった。

ASETUC書記長でベテラン組合活動家のモハマド・シャフィー・BP・ママルUNIマレーシア加盟協議会(UNI-MLC)議長が労働組合を代表して歓迎の言葉を述べ、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、パネルセッション「ミャンマーでビジネスを行うということ」の中で司会を務めた。

シャフィーUNI MLC議長は、「今回の社会対話が、ミャンマーの友人たちを勇気づけ、国際社会がNUGを正当な代表として認めることを望むミャンマーの人々に、希望を与えるものとなることを心から願う」と述べた。

ARSDは、ASEANで毎年開催されている三者社会対話であり、様々な問題に対する社会パートナーの対応を集約し、人々を中心としたASEANの構築に向けてディーセントワークのアジェンダを推進している。今回、参加国を拡大して特別版として開催されたARSDには、ASEANの主要な経済パートナーである5か国(日本、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド)も加わった。

国連総会前日の9月13日、グローバルユニオン評議会(CGU)は、政府間組織にNUGを承認するよう求める世界行動デーを実施する予定。


フランスNCP、テレパフォーマンスに人権尊重を要求

経済協力開発機構(OECD)に対する相談窓口であるフランスのナショナルコンタクトポイント(NCP、フランスのNCPは、政労使の代表からなる三者構成の組織)は、2021年8月2日、パリを拠点とするコールセンター大手のテレパフォーマンスに対し、同社のグローバルな事業活動全体において、労働者の健康と安全のプロトコルおよび結社の自由の権利に関する欠点を是正するよう、一連の強力な勧告を発表した。

80か国に383,000人の労働者を擁するテレパフォーマンスは、フランス最大のグローバルな使用者のひとつであり、世界最大手のコールセンター企業として、Apple、Google、Amazon、Orangeなど、世界の大企業のサポートを行っている。

UNIは、テレパフォーマンスにおけるデューデリジェンスと労働者の権利尊重の強化を長年求めてきたが、2020年4月17日、UNIおよびフランスの4加盟組織(CFDT Fédération Communication Conseil Culture、CGT-FAPT、CGT Fédération des Sociétés d’Etudes、FO-FEC)は、フランスのOECDに特定事案について提訴した。この事案は、アルバニア、コロンビア、フランス、ギリシャ、インド、メキシコ、フィリピン、ポルトガル、英国、米国を対象とするものだ。

ここで提出された文書では、テレパフォーマンスがOECD多国籍企業ガイドラインに規定された労働者の権利を侵害した旨が主張されており、パンデミック期間中の同社コールセンターにおける衝撃的で非衛生的な環境や、より良い条件を求めて組織化した労働者に対する報復や組合潰しなどが詳細に言及されている。

提訴を受けてNCPは調査を行い、今回の勧告を発表した。勧告の重要なポイントのひとつは、同社が 「OECDガイドラインに規定された労働者の結社の自由と団体交渉の権利を尊重するために、デューデリジェンスならびに労働者を代表するステークホルダーとの関与を強化すること 」としている点である。また、言及された解雇事案については、「OECDガイドラインで推奨されている労働者の結社の自由に反しており、反組合的な行為に近い」と指摘している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「社会対話、労働組合、労働者主導の独立した安全衛生委員会の重要性を強調した今回の勧告は、国際的に認められた人権基準の遵守を強化し、職場の健康と安全を確保するための明確なロードマップをテレパフォーマンスに提供するものだ」と述べ、「NCPが事実を徹底的に調査してくれたことに感謝するとともに、会社がこの勧告に従い、地域および世界の労働者代表と有意義な関わりを持つことを求める。1年後には、テレパフォーマンスの経営陣が、労働者とその組合を敵ではなくパートナーとして扱うようになることを期待する」と語った。

NCPは、12ヶ月後に勧告をフォローアップすることを約束している。


UNI、原爆投下76年目の広島・長崎の犠牲者を追悼

第二次世界大戦中の1945年8月6日に広島、8月9日に長崎に原子爆弾が投下された。原爆投下から76年目を迎えるにあたり、UNIは一瞬にして命を奪われた多くの犠牲者に哀悼の意を表すると共に、その後も長期にわたり放射線の影響を受け続けた被ばく者の苦しみに心を寄せる。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「世界がコロナウィルスという新たな脅威と闘う一方で、このような苦しみが繰り返されないように、平和と核軍縮を訴え続けていかなければならない」と訴えた。

UNIは、人権の基本要件である核兵器のない世界の実現に向けて積極的に取組んでおり、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)にも参加している。人権や労働者の権利を擁護するUNIは、2010年の世界大会を長崎で開催し、軍縮に焦点を当てた議論を行った。

2010年の世界大会前から、UNIは長崎や国際的な平和運動との強い絆を築き、核兵器がもたらす恐怖と破壊力について理解を深めてきた。

またUNIは、核兵器廃絶を目指す世界的なキャンペーンを支援する取組みとして、毎年、平和大使の訪問をUNI本部で受け入れてきた。だが残念なことに、この2年間はコロナ禍のため、平和大使の訪問ができなくなっている。UNIは一日も早いコロナの収束と、平和大使の訪問を切望している。


UNIインド加盟協女性・青年/UNI-LCJ共同セミナー

2019~2022年度UNI-LCJ「海外活動の方向性」に従い、毎年インドで支援セミナーを開催することとしているが、昨年はコロナ禍で実施できなかった。今年も未だ感染が収束しない中、6月27日にオンラインで開催され、インドから34人、日本からが15人参加した。開会式で、ミリンドUNI-ILC議長は、UNI-LCJの継続的な支援と、アチャリャ地域書記長による講演や野田会長の出席等、UNI Aproの協力に感謝した。松浦UNI-LCJ議長は、未曽有の困難に立ち向かうための連帯を参加者に呼びかけると共に、日印関係がビジネス・経済面で今後ますます発展する中、両国の労働組合が連携を図り、互いの文化や労働組合の活動について理解を深め、それぞれの組合活動に活かしていく意義を強調した。

アチャリャUNI Apro地域書記長は、「コロナ禍・ポストコロナにおける労働組合及びUNIの役割」と題する基調講演を行った。インドの現状や課題について述べ、困難な中でもインドの労働組合が交渉やロビー活動で勝ち取った成果を評価した。また、UNI Aproが注力する女性・青年の育成に協力する形で、インドの女性・青年向けのセミナーを継続しているUNI-LCJに対して感謝した。基調講演に続き、インドの新聞労組、医療労組、IT労組の参加者がそれぞれ、労働組合がコロナ禍に取組んだ活動を報告した。インドでは「つながらない権利」という概念が認知されておらず、在宅勤務により労働時間が長くなり、ストレスが増したという意見が出された。

日本からは3人の講師が講演を行った。景中損保労連事務局次長は、コロナ禍が女性及び若年層に与えた影響と組合の取組みについて説明した。相対的に女性が多く従事する窓口業務や書類を扱う業務はテレワークが難しく、職場の感染防止対策の徹底や、テレワークの環境整備、テレワークが可能な業務の拡大に取組んだ。若年層については従来対面で育成・指導してきたが、リモート環境下での有効な育成・指導方法への柔軟な変更や、社員間のコミュニケーション強化に向けたルール作りを行っている。また、with/afterコロナにおいて、柔軟な働き方を推進する観点からも「長時間労働につながる商習慣」の見直しは有効であり、全ての労働者が働きやすい環境の実現につなげたいとした。

柏木JP労組中央執行委員は、各種統計や連合が実施したアンケート結果等から、コロナ禍の女性に対する影響の深刻さを説明した。連合は有識者を交え、コロナ禍におけるジェンダー平等課題に関する意見交換を実施し、指摘された諸課題について政府に必要な対策を求めていくこととしている。また、コロナ禍にJP労組が交渉で勝ち取った、特別な有給休暇や見舞金支給等の成果についても紹介した。

水野情報労連組織対策局長は、コロナ禍・ポストコロナにおける労働組合のコミュニケーションについて詳細に報告した。コロナを理由に活動を止めないため、感染防止対策の徹底と共に、オンライン活用や業務のデジタル化推進、対話・参加型の取組みに対する工夫、オンライン団交の向き・不向き等、経験に基づく具体的事例を詳細に紹介した。コロナ制約下でのオンラインの取組み成果を活かす多様なコミュニケーションツールの活用により、Face to Faceの取組みを追求しつつ、「つなぐ」役割の強化が重要だ、とまとめた。

インド人参加者からは、下記のような質問やコメントが出された。

  • ビデオ会議を含むテレワークに関する行動基準やガイドラインの有無
  • 郵便局におけるコロナ禍の交代出勤、妊婦や障がい者の保護対策、テレワークの可否等
  • 女性の在宅勤務に関する問題は組合が取組み改善していかなければならないことに同感する
  • オンラインレクやオンラインゲームはクリエイティブな試みだ、是非、インドの組合でも真似したい

この他、インド人参加者からも報告を受けた。

レッカD.M.(郵便労連)は、 コロナ禍でインドの女性が受けた影響について、郵便局の貢献及び職場で女性労働者が直面した課題と郵便労連の取組み、他産業の女性労働者が直面した問題とそれを克服するためのステップ等を報告し、コロナ禍から学んだ教訓でまとめた。

ロヒット・カプール(バローダ銀行管理職労組)は、インドの感染状況の深刻さを報告し、バローダ銀行は、ロックダウン中も預金・引出・送金等の不可欠サービスは提供し続け、中小企業を積極的に支援したことを説明。組合は、貧困層への食料配給、献血、育児中の母親・妊婦・障がい者等の在宅勤務化交渉、メンタルヘルスに関するウェビナー開催、遺族への弔慰金交渉等の成果を報告した。

グループワークでは、①女性・青年が組合に期待すること、②自分たちが貢献できることを議論し、各グループの討議結果が発表された。

①については、若年層や女性の課題を真剣に取り上げてほしい、若年リーダー育成・機会の提供、定期的なコミュニケーションを通じた組合活動の周知、組合員との双方向のコミュニケーションの重視、女性の参画を強化するため、女性だけでなく男性の意識啓発も促すこと等の提言がなされた。②については、若い労働者との信頼関係の構築、組合の意義や活動を正しく従業員に伝え、共感し、自ら積極的に取組むこと、楽しい方法で組合参加を促すアイデアを出し実行すること、SNSの活用、女性委員会の強化等、積極的な意思が表明された。アンジャリ・ベデカーUNI-ILCコーディネータは、短時間でも前向きなグループ討議ができ、良い意見がまとめられたことを称えた。

閉会式では、飛び入り参加した野田UNI Apro会長が、2017年秋の訪印時、成長するインドの勢い、能力とモチベーションの高さに感銘を受けたことを振り返り、インドは世界経済を牽引する存在でもあり、南アジアの組合の強化は、UNI Aproとして最も重要な戦略であると述べた。参加している女性、青年に対しては、女性の価値観や若年層の価値観をUNIの活動に活かしてほしいと激励した。ミリンドUNI-ILC議長は、UNI-LCJ及びUNI Aproの支援にあらためて感謝し、今後も協力関係を深めていきたいと述べた。また、働き方が変わっていく中で、組合役員の経験を活かすと共に、若きリーダーの成長に期待し、共に新しい労働運動をつくっていこうと激励した。森川UNI-LCJ事務局長は、オンライン開催だったからこそ、インド全土から多くの参加が得られ、日本側も講師だけでなく、野田UNI Apro会長をはじめ多くの傍聴が可能になったと述べ、対面開催ができる時まで、コロナ禍で学んだ経験や教訓を活かし、UNI活動を推進していこうとまとめた。


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