過剰な長時間労働で、世界中の映画・テレビ業界が苦しんでいる、米国だけではない

娯楽関連の組合が結集し、国際舞台演劇映画組合(IATSE)を支援すると共に、世界レベルで人道的な労働時間を取決めようとしている

UNI加盟組織である国際舞台演劇映画組合(IATSE)組合員が、米国の映画・テレビ産業における長時間労働に対するストライキを圧倒的多数で支持する中、世界15万人以上の舞台裏で働く労働者の組合を対象とした新たな調査によって、「非人道的な労働時間」は世界的な課題であることが明らかになった。

UNI世界メディア部会は、20か国28加盟組織を対象に、労働時間に関する調査を実施した。その結果、調査対象となった全ての国で、クルーは週50時間以上働いており、週60時間労働も一般的であることが分かった。このような長時間労働は、身体の健康、精神衛生、家庭生活に壊滅的な影響を及ぼしうる。

長時間労働が世界的な課題であることや、米国の使用者が持つ世界的な影響力を踏まえ、公正な労働契約と人道的な労働時間を勝ち取るためのIATSEの取組みを、世界中の組合が自らの問題と重ね合わせている。

マシュー・ローブIATSE委員長(UNI世界メディア部会議長)は、米国の組合員の98%が全国ストを承認したという歴史的な投票結果について、「組合員の声は大きく明確だ。今回の投票は、映画・テレビ業界で働く人々の生活の質、そして労働安全衛生に関するものだ。我々の仲間には、食事休憩の時間、十分な睡眠、週末の休み等、人間としての基本的ニーズがある。最も賃金水準の低い人々は生活賃金を得るに値する」と主張した。

UNI世界メディア部会は、労働時間改善のための国際キャンペーンに向けて、団体協約、労働時間、労働条件に関するデータを収集した今回の調査の全貌を近々発表する予定だ。

スペンサー・マクドナルド英国BECTU書記長(UNI世界メディア部会 映画・テレビ制作作業部会議長)は、「米国、英国、そして世界中のクルーは、コロナ禍の間も、安全衛生基準を強化しながら、休むことなく働いてきた。労働者にプレッシャーをかけても、持続可能ではない。国際的な問題には、国際的な解決策が必要だ。全ての制作現場で、安全な労働時間が必要だ!」と語気を強めた。

オーストラリアのメディア・娯楽・芸術関連労組(MEAA)のケリー・ウッド娯楽・クルー・スポーツ担当部長(UNI世界メディア部会副議長)は、「我々は、尊厳ある労働条件、つまり労働時間を抜本的に是正するための公正な取決めを要求するIATSEの闘いを全面的に支持する。世界中の舞台裏で働く労働者の多くが、十分な休憩や休息を取れず、週末さえも奪われている。我々は世界中に蔓延する長時間労働に反対する国際キャンペーンに積極的に参加する」と決意を語った。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように述べた。「頻発する時間外労働や、勤務中及び勤務間の休息が不十分な状況は、例外ではなく常習化している。制作クルーからは、もうたくさんだと言う声が聞かれる。労働者がストライキを圧倒的に支持したのは、多国籍企業の使用者に対して、今こそ変わる時だ、という明確なメッセージを送ったのだ。」

長時間労働が世界共通の課題であり、使用者が世界の映画・テレビ業界で影響力を持つことから、UNI世界メディア部会は近いうち、メディア及び娯楽関連労組の国際会議を開催し、IATSE組合員を支援すると共に、持続可能で人道的な映画・テレビ産業とするため、国際的な取組みを行う予定だ。

連帯し、共に立ち上がろう。


UNI金融部会は、現在直面する課題と20年後の金融を見据えて活動する

2021年10月8日(金)日本時間19:00~21:00、UNI世界金融部会は、UNI世界金融部会運営委員会をオンラインで開催した。
リタ・ベルロファUNI世界金融部会議長は、開会にあたり、コロナ禍を理由に労働者の権利が脅かされ、不当解雇、支店閉鎖など労働問題が発生する中、労働者を代表する組合と組織化が重要になっている。我々はミャンマーへの連帯を含め、民主主義のためにも活動を続けていくと述べた。

アルケ・ベシガーUNI副書記長は、ポスト・コロナにおいて労働者だけが犠牲とならないよう、UNIとしてニューディールを提起していく。団体交渉を通じて、所得の平等やコロナ禍を理由にしたリストラと断固戦わなければならない。UNIは、変化する労働環境に対応し、既得権を守りながら、新たな課題に対応していく。金融機関における我々の力を構築し、世界で経営者と交渉するためにも組合の成長が必要である。BNPパリバとのGFA交渉、米国の銀行で40年振りに新たな団体協約の締結、ドイツの団体行動、ミャンマーに関する連帯ウェビナーなどたくさんの活動が展開されている。コロナ禍において組合の重要性が示され、労働安全衛生委員の重要性と共に世界のどこで働いていても、労働者には基本的権利があり、組合によって守られなければならない旨述べた。

各地域からの報告に続き、リモートワークの主要原則に関する活動報告が行われ、ヤン・ドゥシェック氏(ドイツver.di)より、ドイツ官民銀行における団体交渉について報告を受けた。
その後、ミャンマーへの連帯支援に関してアンナ・ハーベイUNI世界金融部会コーディネーター及びリサ・ネイサンUNI投資家対応アドバイザーより、金融部門としてミャンマー軍事政権の資金を断つため、政権に関係がある金融機関や企業に圧力をかける必要がある。金融機関は投資先に対し、デューデリジェンス含め、責任を持つべきである旨報告を受けた。
ニコラス・ウェイナー(米国CWA)は、米ベネフィシャル・ステートバンク銀行における団体協約締結に関し報告した。これは40年ぶりのことであり、組合は窓口、コールセンター等をはじめ49職種の労働者を代表している。本協定の締結により、大きな賃上げが実現し、解雇権の濫用を防止できるようになった。この成功をベースに今後3つの中小銀行ターゲットとしていく旨述べた。
最後にアンジェロ・デクリストUNI世界金融部会担当局長より、20年後の金融業界がどうなっているかに関し、投げかけがあり、リモートワークが進化する時代においてリモートワーカーとどう接点をもつか、20年後の金融業界について議論する、セミナーを開催したいと考えている。20年後の金融、組合、仕事、労働者、環境、世界はどう変わるのか。20年後我々はもういないが、20年後に金融部門で働くであろう人々の意見も聞かねばならない。だからこそ次世代人材を巻き込まねばならない旨強調した。
次回金融部会会議は、2023年8月23日、米国フィラデルフィアにおいて、UNI欧州金融部会大会、同8月24日、UNI世界金融部会大会を開催する予定である旨確認された。


世界郵便デー:郵便労働者に敬意を表して

10月9日の世界郵便デーに当たり、UNIは、世界100か国、250万人の郵便労働者の利益のために闘う加盟組織を支援する。コロナ禍中にあっても、郵便労働者が安全に仕事ができるよう尽力したUNI郵便・ロジスティクス部会加盟組織の奮闘のいくつかを紹介したい。

成功事例

  • アルゼンチンのUNI加盟組織FOECYTや、セネガルのSNTPTは、コロナ禍に関わる労働者の職場での経験や懸念を把握するため、危機管理委員会を立ち上げ、健康状況を注視し、必要に応じ、安全確保の対策を取った。経営側との対話や、強力な団体協約を通じて、組合は、労働者のニーズを反映した作業手順を確立することができた。
  • パキスタンの郵便労働者は、パンデミックの最中、適切な安全対策もないまま、年金の配達を行うよう要請を受け、危険にさらされていた。経営陣及び管轄省に働きかける等UNIからの支援を受け、郵便労組は、現金配達を阻止することができ、配達中に強盗に狙われることがなくなった。
  • UNIが呼びかけた国際連帯行動の後、モロッコの加盟組織NFPL-UMTとモロッコ郵便経営陣は合意に達し、11日間に及ぶストに終止符を打った。合意した協定では、50米ドルの賃上げ、成果給の増加、降格された20人の労働者の復位が実現した。
  • 地域及び国際レベルでUNIが介入し、ブラジルの郵便管轄大臣に書簡を送った後、郵便労組FINDECT及びFENTECTは、適切なリスク評価も安全手順もないまま、1800万人に緊急支援を配達するのに郵便局を使うという、ブラジル郵便の計画を阻止することができた。
  • UNIアフリカDHL労組アライアンスに今では、アフリカ大陸26か国26労組が参加するまでに拡大した。アライアンスは、DHL労働者を守るため、労働安全衛生を優先課題であるとし、安全衛生に関する優良事例や情報を交換する場となっている。 
  • パンデミック当初から、UNIはUPU(万国郵便連合:郵便業務の効果的運営によって諸国民の通信連絡を増進し、文化、社会及び経済の分野における国際協力に寄与することを目的とする国連専門機関)と、労働安全衛生を重視し、コロナ禍にあっても労働者の安全を優先することを宣言する、共同声明を発表した。この宣言は、地域レベル(UPAEP/PUASP及びUNI米州地域組織)でも署名され、活用されている。
  • UNI世界郵便・ロジスティクス部会は、迅速に「郵便・ロジスティクス部門の労働安全ガイドライン」をまとめた。情報提供、支給、対策を中心とするガイドラインは多くの国で実施されている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように称えた。「世界郵便デーにあたり、世界中の郵便労働者に敬意を表したい。パンデミックの間も変わらず、社会やコミュニティが機能し続け、つながりを保てるよう、奮闘してきた。労働組合は、労働者の権利を守り、労働者及び顧客の安全を守るため、主要な感染防止・安全衛生対策を交渉で勝ち取る等、困難に共に立ち上がった。過去1年半で、力強い郵便労働者の仕事と堅強な郵便ネットワークのおかげで全ての人々が社会とのつながりを保てることが証明された。」


UNI金融部会は、困難を乗り越え世界中の金融労働者と連帯する

2021年10月7日(木)日本時間19:00~20:30、UNI世界金融部会は、同議長・副議長会議をオンラインで開催した。
開会にあたり、リタ・ベルロファUNI世界金融部会議長は、困難な中にあっても活動の質が落ちない各地域の活動に感銘を受けた。但し、フィンテック労働者の組織化が進んでおらず、これまでの活動を強化しなければならない。労働者の権利が攻撃されており、民主主義におけるミャンマーとの連帯など課題は多いが乗り越えていきたい旨述べた。

続いて世界各地域の最新状況報告が行われ、UNI Apro地域を代表し、境田道正 UNI世界金融部会副議長・UNI Apro金融部会議長(損保労連)は、コロナ禍において、活動が困難な中、加盟組織をサポートしたUNI世界金融部会に謝意を表明した。
また、昨年UNI Apro金融部会として提言した「UNI金融部会はグローバルなグリーンファイナンス・イニシアチブと連携し、気候変動と自然災害のリスクを軽減していくべき」に関し、世界各国の金融産業がようやく動き始めたことに対しても謝意を表したい旨述べた。また11月、第6回UNI Apro金融部会大会を開催し、SDGsと炭素排出ゼロ目標の達成に向けて、ステークホルダーとの強力な連携を構築するための広範な討議を行う旨述べた。
更にコロナ禍の収束に向けてUNIは、開発途上国においても適切にワクチン接種が進むよう、ワクチンへのアクセス向上を推進し、働きかけるべきである旨述べた。

その後、アンナ・ハーベイUNI世界金融部会シニア・コーディネーターより、ミャンマー問題に関し、国際金融機関及び多国籍企業によるミャンマー軍事政権への資金提供を阻止するUNI世界金融部会の取組みが報告された。
またアンジェロ・デクリストUNI世界金融部会担当局長は、グローバル枠組み協定(GFA)に関する最新状況報告において、2022年は多くのGFAが期限を迎える重要な年であり、期限内により良い協定内容で更新できるよう取り組まなければならない。今後更新するGFAには、新たにコロナ禍の影響、在宅勤務、デジタル化等について盛り込みたい旨述べた。


「安全衛生は職場の基本!」ディーセントワーク世界行動デー2021に際し、UNI Aproよりメッセージ

2021年10月7日の「ディーセントワーク世界行動デー」にあたり、UNIは世界に向けて「今こそ、全ての人々を守るため、交渉と規制を通じて、新しい安全基準を設定する時だ」と発信した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、 「コロナ禍をきっかけに、世界中で労働安全衛生の問題が注目されるようになった。労働者の権利についての議論では中心課題となり、勤務中の、以前からある、或いは新たに発生した様々な危険から労働者を守るために欠かせない、労働組合が果たしている重要な役割が浮き彫りにされた」と述べた。

「職場の安全衛生は基本的な権利であることを認識しなければならない。」

UNIは、「ILOが職場の安全衛生は基本的な権利であると認定するよう、全ての組合に働きかけを要請するキャンペーン」を展開しており、UNI Aproはこれを強く支持する。

ILOは政労使から成る三者構成機関であり、労働組合は使用者及び政府に対し、労働安全衛生を最高レベルの国際労働基準に格上げするよう要求している。基本的権利とは、全ての国及び労働者に適用される権利である。 

2019年に政労使代表により満場一致で採択された、ILO創設100周年記念宣言では、全ての労働者にとって労働安全衛生が重要であることが認識されている。

その後、職場におけるテクノロジーの拡大使用によって発生したリスクに、コロナ禍中の危険が重なり、職場の安全衛生を基本的権利とする必要性の緊急度が高まると同時に、労働組合はその権利を徹底し行使する上で不可欠であることが示された。

「余りに多くの労働者が仕事中に感染し亡くなった。ILOレベルでのアクションがあれば、現場レベルで安全な職場を促進する組合の役割も果たしやすくなるだろう」と、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は述べた。

「新型コロナウィルスは、働く人々の健康を脅かす多くの新しい問題の1つに過ぎないが、加盟組織は全ての労働者にとって職場を安全に保つことができると確信している。」

UNI Aproは、加盟組織の各職場での取組みを強く支持します!


米国の銀行労働者、歴史的な団体協約を締結

UNI加盟組織の全米通信労組(CWA)の組合員は、銀行部門で40年を経て初めて団体協約を締結したことを非常に喜んでいる。

ワシントン州、オレゴン州、カリフォルニア州にあるベネフィシャルステートバンクの労働者は、適正な最低賃金と福利厚生の拡充、研修機会の拡大、労使合同委員会の設置、1,000ドルの賞与等を確保する3年の協約を結んだ。

ベネフィシャルステートバンクのカリフォルニア州オークランド支店で働くデザレイ・ジャクソンは、「ベネフィシャルステートで働く前は、ウェルズファーゴのコールセンターで働いていた。銀行の労働者が組合を結成することはもちろん、経営陣との協約交渉が可能であることすら知らなかった。ウェルズファーゴでは、常に極度の販売ノルマという圧力に曝され、声をあげれば自身の職が危うくなることもわかっていた」と振り返り、「今では、仕事に関してだけでなく、賃金や評価基準についても意見を言えるようになり、顧客に可能な限り最高の金融サービスを提供することにもつながっている」と喜びを語った。

CWAの「より良い銀行委員会」(CBB)が中心となって取組んだ組織化活動が奏功し、2020年3月にベネフィシャルステートバンクの従業員は投票で、組合結成とCWAへの加盟に賛意を示し、今回の新しい協約締結に至った。銀行には、組織化の際には中立を保つよう、また過半数の従業員が組合加入に署名したら、組合を承認するよう要請していた。

ニック・ワイナーCBB共同代表は、「銀行産業で何十年も結成できなかった組合をつくるため、ベネフィシャルステートの労働者は懸命に取組み、ようやく団体協約を締結するまでに至った。今こそ、全国の銀行経営者もこれに倣い、銀行労働者の権利を認める時だ」と主張した。
CBBに関わり、第一線で活躍する労働者は、構造的な差別、低賃金、過度な販売ノルマ、内部告発者への報復等で悪名高い米国の銀行業界の状況を改善するために懸命に取組んできた。組合に代表される労働者は全体の1.1%に過ぎない。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「CWAと組合員にとって大きな勝利だ。この重要性は過小評価できない。米国の銀行業界に悪影響を及ぼしている低賃金、差別、販売圧力と闘うには、組合への組織化しかない。自由で公正な環境の中で労働者が組織化できるようにすれば、労働条件の改善につながり、その結果、顧客へより良いアドバイスができ、より持続可能なビジネスにつながる。ベネフィシャルステートバンク経営陣がそれを理解してくれたことを嬉しく思う」と勝利を称えた。


UNI、スイスで組織化中のDPD労働者に連帯

DPDは時間稼ぎをやめて交渉を始めるべきだ。過重な労働時間、無給労働、過大なストレス。スイスのUNI加盟組織UNIAによれば、これらは同国のDPDドライバーがより良い仕事を求めて組織化を進めている理由の一部に過ぎない。残念ながら、この欧州第2位の宅配便会社は、組合との交渉を拒否している。

それどころか、UNIAによるとDPDは、倉庫内で「抑圧する」空気をつくっており、労働者が自ら選択した組合に加入する権利や、数十年にわたるスイスの労働者保護を弱体化する恐れのある法的申立てを行っているという。チューリヒ本社の経営陣は、スイスの組合に相談した労働者を解雇すると脅した、とあるドライバーはUNIAに語った。このドライバーのように、2021年1月からオープンに組織化されているにもかかわらず、労働者の問題は続いている。

ローマン・キュンツラーUNIA物流部長は、「何時間もの無給労働や、労働者の権利を脅かす一連の酷使について話しあっている。だが、会社は問題を解決するよりも、組合と争い、チューリヒの高額な法律事務所に大金をつぎこむ方に関心をもっているようだ」と語る。

こうした状況の中でUNIは、ILOの後援を受け、フランス政府が所有するDPDの親会社ジオポスト/ラポストとのグローバル枠組み協定に規定されたプロセスを通じ、これらの問題解決に介入することを申し出た。

グローバル枠組み協定は、企業のグローバルな事業拠点全体における労働者の権利及びその他の雇用問題に関する基準を設けている。ジオポストとの協定では、「ジオポストは、組合の承認または組合代表を妨害しない」、「従業員は、これらの権利を行使したことで、脅迫、嫌がらせ、報復等の危険にさらされることはない」と規定されている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように述べた。「ジオポストとの協定の文言は明確かつ公正であり、DPDにも適用される。グローバルユニオンとしてUNIは、協定に定められた条項がきちんと実行され、違反があれば迅速に解決されるようにしなければならない。残念ながら、スイスのDPD経営陣は、労働者の結社の自由と団体交渉の権利を守るための満足のいく解決策を妨害しようとしている。」

「スイスのDPDドライバーは、合理的な労働時間、生活賃金、安全な労働条件の整った、ディーセントな仕事に就くにふさわしい。自ら選択した組合が交渉した団体協定の恩恵を受け、尊敬と尊厳を得るべきだ。我々は、労働者がこれらを勝ち取るまで支援していく。DPDは時間稼ぎをやめ、誠実な交渉を始めるべきだ。」


UNI世界商業部会運営委員会を開催し、世界商業部会大会の延期を決定

2021年9月21日、UNI世界商業部会運営委員会が開催され、UNI-LCJから八野UNI世界商業部会運営委員会副議長(UAゼンセン)、金子UNI世界商業部会運営委員会委員(自動車総連)及びオブザーバーが出席した。クリスティ・ホフマンUNI書記長及びスチュアート・アッペルバウムUNI世界商業部会議長の開会挨拶に続いて、マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長他が2020-2021年活動報告及び今後の活動計画について報告した。その後、コロナ禍により2020年8月1-3日の開催を延期したUNI世界商業部会大会に関し、2022年12月、米アトランタでの対面開催を追求する旨が提案され、承認された。但し、最終判断は、各国の渡航制限、感染状況等を考慮する必要があることから、2022年上半期に開催するUNI世界商業部会運営委員会で行うこととし、状況によってはオンライン開催とする旨確認された。

開会にあたり、クリスティ・ホフマンUNI書記長は、 コロナ禍が収束しない中、UNIは存在感を高め、安全衛生プロトコル、団体協約等の交渉、エッセンシャルワーカーを守るための基本的権利キャンペーンを行ってきた。アマゾンキャンペーンにおいては、先週イタリアで全国協約締結という成果を上げ、バングラデシュにおいては、困難な交渉の末、新しい国際協定を締結した。Eコマースの台頭など新しいテクノロジーへの対応が求められており、公正な移行を進めていく。10月7日、ディーセントワーク・キャンペーンにおいて、今回は、労働安全衛生にフォーカスする。また9月22日、ITUCのCEPOW(気候変動と雇用に強い職場づくり)キャンペーンに取り組むと述べた。
スチュアート・アッペルバウムUNI世界商業部会議長(RWDSU/UFCW)は、我々が代表する労働者がいなければ、この社会が成り立たないことは明確である。商業労働者はエッセンシャルワーカーとして感染の恐怖の中で働き続けてきた。商業労働者に在宅勤務という選択はなく、UNIは安全衛生、公正な給付を求めて闘ってきた。我々は共に連帯してターゲットに働きかける必要があると述べた。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長より、UNI世界商業部会活動報告として、UNI本部が関わる世界規模の主要な活動が報告された。①メトロ、②イケア、③オーシャン、④自動車販売労組ネットワーク会議、⑤バングラデシュ・アコードに関する報告が行われ、金子委員(自動車総連)より、④自動車販売労組ネットワーク会議の成功に関する謝意と今後も継続して開催したい旨述べた。

続いて、Eコマースは商業部門であるとして、Eコマースの組織化の重要性に言及し、安全衛生に焦点を当てたEコマース企業の倉庫労働者の組織化に関し、ライラ・カスタルドUNI世界商業部会シニア・コーディネーターが報告を行った。

次にオヌール・バキールUNI世界商業部会コーディネーターより、商業部門における暴力・ハラスメントに対するグローバル・キャンペーン実施に関して報告し、世界中の加盟組織の取組みを紹介した。UNIは、2021年11月17日、商業における暴力とハラスメントに関するグローバル・アクションデーを実施する。

UNI世界商業部会大会に関しては、コロナ禍により、2021年8月の米ニューヨーク開催を断念が、対面開催を追求するため、2022年11月末-12月初旬、米アトランタでの開催が提案された。なお感染状況により、オンライン開催とする可能性もあることから、2022年5-6月に最終判断することとなった。

八野UNI世界商業部会運営委員会副議長(UAゼンセン)より、現下の状況では、今決められるのは本案(2022年12月初旬の対面開催)までだと考える。我々役員以外の加盟組織の仲間が顔を合わせ、話し合う機会を設けることは、これまで以上に意義深いものになる。但し、アジア諸国を含め、国によってワクチン接種率にかなりの違いがあるのも現実であることから、UNIとして、今後も国際機関等と連携し、世界中でワクチン接種が進むよう働きかけを求める旨述べた。


イタリアの労働組合、大規模動員を経てアマゾンと歴史的な全国労働協約を締結

アマゾンとイタリアの労働組合との間で結ばれた歴史的な初の全国労働協約を、世界中のアマゾン労働者が祝福している。

マウリツィオ・ランディーニCGIL労組委員長は、「これは重要な協約であり、組合の役割が認められたことで、Eコマース巨大企業との関係において、世界レベルで新たな地点に到達したと言える。」と述べた。

イタリアの運輸・輸送系の労連であるFilt Cgil、Fit Cisl、Uiltの全国事務局と派遣労働者の組合は9月15日、アンドレア・オルランド労働大臣の立会いのもと、物流・貨物輸送・配送部門における相互承認と全国レベルの規約の制定を目的とした協定に署名した。

クリスティ・ホフマン UNI書記長は、「本日、イタリアの労働組合とアマゾンの間で署名され、イタリア労働大臣の支持を得たこの歴史的な全国労働協約は、世界中のあらゆるアマゾンの労働者にとって大きな勝利だ。他のどの企業よりも、アマゾンは世界的な健康危機によって恩恵を受け、そのおかげでこの巨大テック企業は記録的な収益を上げている。パンデミック中の倉庫や配送ドライバーの労働環境は、アマゾンが労働者を使い捨ての材料のように扱う残酷な使用者であることを露呈させてきた。 アマゾンがイタリアの組合との交渉に合意し、真の社会対話と団体交渉に向けた道筋を歩み始めたことは、前向きな第一歩であり、アマゾン労働者の決意の証しでもある。交渉によってのみ、この取組みは持続可能で魅力的なものになる」と述べた。

今年初め、イタリアにおけるアマゾン物流事業の中では初めて、同社の労働者がパンデミックにおける配送ドライバーへの要求を巡って、ストライキを決行した。

この24時間におよぶ総動員は、同国のアマゾンのサプライチェーンで働くすべての労働者(倉庫で働く同社直雇用の従業員から、物流サービスを供給するアマゾンの委託会社で働く従業員、商品の取扱いや配送を行う従業員にいたるまで)を対象としたものであり、労働者の力強い参加の下、類まれなる成果を得て、大きな関心を集めた。この抗議行動は、健康上の緊急事態によってアマゾンのEコマース業務が急増したことを受けて行われたものである。

この協定によって、勤務予定、シフト、仕事量、職務分類などの問題、安定した雇用関係、職場での安全衛生や予防に関する問題、専門的能力の開発、業績手当などの経済的問題について交渉を始めることができる。また、アマゾンはすでに、他の問題について規定する、関連産業の全国産業別労働協約の対象となっている。


UNI Apro郵便・ロジスティクス部会、石川新議長のリーダーシップの下、新しい行動計画の推進を確認

2021年9月16~17日、第6回UNI Apro郵便・ロジスティクス部会大会がオンライン開催され、13か国23組織より、90人(代議員29人、オブ15人、ゲスト46人)、来賓及びスタッフ22人が参加した。女性比率は28%、35歳以下は17%だった。JP労組からは代議員10人、オブ1人が参加し、浅香代議員が決議委員長を務めた。

大会は、2017~2021年度UNI Apro郵便・ロジスティクス部会活動報告、2021~2025年度UNI Apro郵便・ロジスティクス部会行動計画を採択した。最後に、2021~2025年度UNI Apro郵便・ロジスティクス部会委員会を選出し、議長に石川JP労組委員長を選出した。

開会式の挨拶や代議員の発言の中で、退任した増田前議長への感謝の言葉と、石川新議長への就任のお祝いが繰り返し述べられた。また、次期UPU事務局長に選出された日本郵政の目時氏への祝意と、UNIとの更なる関係強化への期待が寄せられた。

主な大会議論

セッション1「コロナ禍における公共郵便サービスの重要性」

石川委員長は、行動計画No.1「郵便サービスが革新的かつ包摂的であるよう保証させるため各国政府に働きかける」上で加盟組織が取組むべき課題を提起した。またJP労組のコロナ禍における取組みも報告した。

コーネリアUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、基調講演の中で、コロナ禍で必需品の配達量が激増したことを指摘し、郵便は社会に不可欠なエッセンシャルサービスでることを再認識し、いち早くUPUとUNIの間で労働安全衛生に関するMOUを締結した成果を強調した。また、より幅広く強力なユニバーサルサービス義務の定義の必要性や、環境への配慮を訴え、公的サービスであればこそ、全国あまねく基本的サービスを提供できるとした。シバクマールFNPO書記長は、インド郵政がコロナ禍に開始した、食料配達や農作物の運搬等の新たなサービスや、移動郵便局による年金受取等の利便性向上を報告し、公的郵便サービスの重要性を強調した。イ議長代行(KPWU委員長)も、超高齢化社会において郵便局が重要なプラットフォームと認識されており、高齢者の安否確認サービス等を紹介した。続いてネパール、パキスタンからも報告を受けた。石川委員長は、感染拡大防止に不可欠な役割を果たしながら奮闘するネパール郵便労組の仲間に敬意を表すると共に、パキスタン郵政の5つの労組の労連結成の努力を称えた。

UNI Apro郵便・ロジスティクス部会における、女性・青年の参画強化について

小川担当部長は、5月の世界部会大会で採択された女性・青年に関する2つの決議を簡単に説明した。1つは、情報・経験交流促進のための女性フォーラムを、世界・地域大会前段に開催することである。もう1つは、世界部会委員会に青年代表席を追加することである。本大会では、UNI Apro各国の女性・青年リーダー育成の経験と課題を共有した。

ツァイ・ジンファン(台湾CPWU)は、台湾及び組合には男女平等は存在し、機会は公平に与えられているが、組合活動への参加時間に差があることが女性役員が少ない一因であると指摘した。また、より多くの若年層を参加させ、世代間ギャップを埋めたいとも述べた。マレーシアUPCWのモハマド書記長、ファスルニサク副委員長は共同メッセージを寄せ、コロナ禍で特に影響を受けている女性・若年労働者への支援に取組んでいることを報告した。ミヒリ(スリランカNPTWU)は、女性が働きやすい環境整備やコロナ禍で増えた女性への負担軽減策、サービスの近代化に若年労働者の活用とそのための研修機会の充実を訴えた。

セッション2「 サービスの多様化、デジタル化対応、環境に配慮した郵便」

ジョー副議長(ニュージーランドEtu交渉担当)は、行動計画No.2「郵便サービスが持続可能で、環境に配慮し、コミュニティのためになり、利用者から信頼されるよう、あらゆるステークホルダーと連携し、郵便の多様化とデジタル化に積極的に対応するため」加盟組織が取組むべき課題を提起した。

APPUのリン事務局長に代わり、ユ・イエン研修部長から「デジタル経済における変革」と題する基調講演を受けた。顧客との関係性が変わりつつある中、数あるサービスから選ばれるにはどうすべきか、と提起した。これまでの経験は頼りにならず、コロナ危機により多角化、デジタル化の重要性が示された。3つの重要な傾向がある。①多くの技術を顧客が使うようになった。早く安く輸送してほしい、プロセスもコントロールしたいからだ。②新たな競合が参入、DXにより民間事業者が付加価値サービスや優れた可視化されたパーソナルサービスを提供し、シェアを奪っている。③オンラインや携帯電話を活用したサービス向上と経営効率改善。多くの国で郵便事業者は、多角化とデジタル化を加速し、エッセンシャルサービスとしてエコシステムを築き、連携を拡充していく必要がある。革新性・創造性、迅速化、パーソナル化、アクセサビリティ確保、組織の機能性強化が求められる。同時に従業員が安心して働ける健全な職場があり、収入が安定し、従業員の声が経営側に届きやすい組織でなければならない。UNI Aproは重要なパートナーであり、UNI AproとAPPUは、郵便のコミュニティを改善し、事業を拡大していくために共に貢献していこう、とまとめた。

坂根JP労組中央執行委員は、配達車両のEV車両化や、他の物流企業との協力による効率化と再配達の削減を進め、環境負荷を軽減し、物流部門の人材不足解消に努めている事例を報告した。ウー副議長(台湾CPWU委員長)は、コンビニと提携した24時間宅配、独自の通販サイト、高齢者サービス、桃園に建設したスマート物流センターやビッグデータを活用したコスト及び配送時間の削減、自前の倉庫への通販事業者誘致、Iboxという非接触型サービス等、サービスの多角化やデジタル化の事例を紹介し、DXに全ての従業員が対応できるようにしていく、と述べた。スビンダー副議長(シンガポールUTES書記長)も、環境対策として、全ての配送車両のEV化と、全照明のLED化を進めていることを報告し、組合員が試乗して改善提言を行ったり、会社に運転研修を要求していると述べた。インドネシア郵便労組のコマルディン委員長も、DXの事例と労働者にスキルアップ研修を行っていることを報告した。最後に、環境面の取組みを積極的に行っているカナダ郵便労組のキャンペーンビデオを鑑賞した。

セッション3「競争ではなく公正な郵便・ロジスティクス市場をつくるために―民間CEP(宅配・急送・小包)企業における組織化」

小川担当部長は、行動計画No.3「民間CEP企業と競争するのではなく、公正な市場を保証するため、CEP の労働者を積極的に組織化する」上で、加盟組織が取組むべき課題を提起した。ホビッグUNI Apro組織化担当部長から、UNI Apro郵便・ロジスティクス部会がターゲットとするDHL、ニンジャバン等のジオポスト/DPD子会社における組織化等の説明を受け、マレーシア、インドネシア、ネパールの参加者から、取組み状況と課題の報告を受けた。コーネリア局長は、「最賃を受容してはならない。社会的ダンピングはいずれ、郵便労働者にも波及する」と警鐘を鳴らし、DHL、DPD等の多国籍企業については、世界各国の労組間連携強化を図っていくと述べ、各国の協力をあらためて要請した。


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