UNIとテレパフォーマンス、ルーマニアでグローバル枠組み協定を前進させる

2023年5月中旬、UNI、ルーマニアの加盟組織SITT、テレパフォーマンスは、同国で労働者の権利に関する国内協定に調印した。今回の進展は、2022年12月に締結したUNIと同社の間のグローバル枠組み協定の一環である。

協定の条項の下、ルーマニアのテレパフォーマンス経営陣は、労働者の組合加入の権利について中立を保つ。SITTは、コールセンターとリモート勤務の労働者にアクセスすることができ、新入社員研修時に説明を行ったり、国内の約1,800人の従業員(うち9割はリモート勤務)に毎月ニュースレターを送ったりすることができるようになる。

フロレンティン・イアンクSITT委員長は、「この協定は、ルーマニアのコールセンター労働者にとって、仕事と生活を改善するための大きな前進だ」と喜び、「労働者は、組合加入のメリットについて学び、恐怖感や誤った情報なしに、自分で意思決定することができる。そして共に、さらに働きやすい職場にしていくことができる」と語った。

2022年12月に調印されたグローバル枠組み協定では、最初に重点的に取組むべき5カ国として、コロンビア、エルサルバドル、ジャマイカ、ポーランド、ルーマニアが特定された。4月にコロンビアで協定が締結し、今回のルーマニアにおける協定は、 UNIとテレパフォーマンスの間の2番目の国内協定である。 UNIは今後数週間のうちに、残りの国での締結を発表したい考えだ。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「ルーマニアでこの画期的な節目を迎えることができたことを嬉しく思う。SITTがテレパフォーマンスで強力な組合を構築するのを支援できることを楽しみにしている」と語り、「この進展を基に、国内およびグローバルレベルで、テレパフォーマンスとの建設的な関係を深めていきたい」と意欲を語った。


マレーシアのイケア労組、初の団体協約を締結

マレーシアのイカノ・ハンデル労組が、2023年5月22日、イカノ・ハンデルと初の団体協約を締結した。イカノはイケアのフランチャイズ加盟店の一つだ。

クアラルンプールのダマンサラにあるイケア本社で行われた調印式には、モハメド・シャフィーBPママルUNIマレーシア加盟協(UNI-MLC)議長と、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長が立ち会った。

イカノ・ハンデル経営陣からは、マルコム・プルイス国内販売部長とキャロライン・ライネオ販売部門人事部長、組合からは、スハイダ・シャムスディン委員長とジャスメラ・イスマイル氏が出席した。

団体協約の有効期間は、2023年5月1日から2026年8月31日までの3年間である。

シャムスディン委員長は、「団体協約が円滑に締結されたことを嬉しく思う。組合員の意欲を高め、イケア・マレーシアを素晴らしい職場にするため、従業員と経営陣がさらなる協力をしていくことを期待している」と述べた。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、団体協約を締結したイカノ労使を祝福するとともに、「スマートパートナーシップ労使関係の精神と原則に基づき、交渉を通じて組合を導いたUNI- MLCの絶え間ない支援があったからこそ、今日の団体協約締結に立ち会うことができた」と語り、UNIマレーシア加盟協にも賛辞を送った。


スポーツの人権団体、虐待の被害に関する新たな報告書

2023年5月中旬、スポーツの人権団体「スポーツ・アンド・ライツ・アライアンス(SRA)」は、25名以上の虐待被害を受けたアスリートと被害者組織の代表者を対象としたフォーカスグループ調査とインタビュー等をまとめた報告書を発表した。 SRAは 、経験共有や学びの促進、より強力な提言を行う国際ネットワークの幅広い必要性が明らかになったとしており、調査結果に基づき、まもなく「アスリート被害者の世界ネットワーク」を立ち上げる予定である。

アンドレア・フローレンスSRA事務局長は、「今回の取組みは、アルゼンチン、ブラジル、米国、その他の国々における警察暴力に反対する母たちの運動に触発されたもの」と語り、「世界レベルのつながり、代表性、アドボカシー、支援を促進するため、被害者主導のネットワークを構築する機会を探っていたが、被害者の答えは「イエス」であった。我々はこのニーズを満たす後押しができることを、嬉しく思う」と述べた。

調査では、多様な層から視点を集めるため、交差的かつ横断的なアプローチが取られ、アフガニスタン、アルゼンチン、ブラジル、イラン、ケニア、マリ、南アフリカオーストラリア、カナダ、フランス、アイルランド、英国、米国から25名が参加した。

本調査を主導した元オリンピック選手で自身も虐待被害者であるヨアナ・マラニョン氏は、「我々が望む変化を得るためには、生きた経験を持つアスリートの声から始める必要がある」と述べ、「これまで黒人、先住民、有色人種はこうした議論から排除されてきた。あらゆる取組みの確固たる証拠基盤を確立できるよう、グローバルサウスのできるだけ多くの人々から話を聞き、周縁から始めることが重要だ」と強調した。

プロジェクトでは、被害者と関わる上で再トラウマ化や苦痛が生じるリスク等を認識し、トラウマに配慮した原則と「害を与えない」ケアの倫理を用い、すべての参加者の安全、ウェルビーイング、自律性が優先された。プロジェクトの進行を管理した、パラリンピック選手かつ研究者でもあるステファニー・ディクソン氏は、「我々のアプローチでは、参加者が認められ、肯定され、耳を傾けられるような空間を作ることを目指した」と述べ、「参加者の安心感や肯定感に配慮することは、チェックリストにあった事項ではなく、参加者の合意や継続的な傾聴、学習、成長へのコミットメントを通じて醸成・促進された」と振り返る。参加のレベルや参加方法には選択肢があり、不快感を伝えたり、苦痛を伴う話題から会話を遠ざけるよう、進行役に依頼したりすることも可能だ。

プロジェクトのコミュニケーションと被害者支援のコーディネーターであるレイチェル・コージー氏は、「最も驚いたことの1つは、被害者が、補償やサポートが提供されないまま、相談やインタビュー、スポーツにおける虐待の話について講演を求められることが、いかに多いかということ」と述べ、「スポーツにおいて彼らがすでに経験した被害を考えると、無償の労働を期待するこうした慣行と、それに伴ってしばしば生じるさらなる被害は、本当に衝撃的であり、終止符を打たなければならない」と強調した。

2022年5月から11月にかけて実施された調査を通じ、被害者であるアスリートの3つのニーズ(回復、声、正義)に焦点を当てた国際的な連帯ネットワークの必要性について、強いコンセンサスが得られた。

マラニョン氏は、「取り組まなければならないことが多くあるが、被害者がピアツーピアのサポート、研修、緊急資金を得ることができる場所、そしてアドボカシー、研究、代表活動を行うための基点となる場所を作りたい」と述べ、「その目的は、被害者による被害者のためのネットワークを構築することであり、すべての段階において被害者の利益を最優先することだ」と訴えた。

ブレンダン・シュワブ世界選手会担当局長は、「競技者の組合は、被害者に連帯し、虐待をめぐる組織化、安全な職場環境の交渉、被害者のニーズ充足に向けて尽力する。特に組織化する権利が尊重されていない国々において、この取組みは重要だ」とし、「世界選手会はこの新たなプロジェクトを全面的に支援しており、我々は制度改革に向けて被害者の声と要求を増幅させていく」と語った。

報告書の全文は、こちらから(UNIウェブサイト内、英文)


UNI、世界選手会、ITUC、アムネスティ・インターナショナル等の組織が、スポーツ・アンド・ライツ・アライアンス(SRA)のパートナーとなっている。SRAは、主要なNGOや労働組合の世界的な連合体として、スポーツ団体、政府、その他の関係者が、人権、労働権、子どもの福祉と保護、腐敗防止に関する国際基準を保護、尊重、実現するスポーツ界を実現するため、連携している。


コロンビアで社会改革に取組む医療労連が結成

コロンビア議会で進められている社会改革に連携して取組むため、同国の医療従事者5,300人を代表する労働組合6団体が、「コロンビア医療労連」を結成した。

2023年5月10日、コロンビア共和国議会で結成が発表された医療労連は、UNI米州と連携し、ケア部門に関する労働者の懸念を議会に伝えるとともに、労働者と患者のために責任ある公平で質の高い医療制度を求めて闘うことを目的としている。

同労連は共同声明の中で、「この歴史的な好機を捉え、我々は今、最高レベルでの決定に対する責任を受け入れなければならない。大企業、製薬業界、EPS(医療サービスの提供を行う組織)が自らの利益のためにロビー活動を展開しているように、我々も労働・年金・医療制度改革の過程で、自らの権利に向き合う参画のダイナミズムを確立することが我々の義務である」と述べている。

マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「労連は、コロンビアに変革の大きなチャンスが到来したタイミングで発足した。医療労連による改革プロセスへの貢献は、間違いなく非常に貴重なものとなる。医療部門に関する経験と生きた知識があり、また、この地域の団結の模範を示すものでもあるからだ」と語った。

労連結成に際し、同国のエドウィン・パルマ・エゲア労働関係副大臣は、労働組合の団結を称賛し、「改革のために前進するためには、間違いなく、労働者の団結、動員、議会でのアドボカシーが必要だ。国内の社会的格差の是正を進め、1500万人の労働者の生活を改善し、コロンビアが過去30年間求めてきたように、憲法上の義務、裁判所の命令、国際法の適用を遵守することによって労働組合運動に大きな行動力を与えるためには、団結が必要なのだ」と強調した。

労連は、同国で進められている改革を踏まえ、社会対話を引き続き推進することについての提案を発表している。


ホフマンUNI書記長、「組合は重要なデジタル・ガードレール」

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、2023年5月初旬にオンラインで開催されたパネルディスカッション『データ・オン・パーパス2023:労働者のためのテック・ワークを実現する』の中で、新たなテクノロジーが仕事を変えていく中で、労働者の権利を守る上で、強力な組合と団体交渉が不可欠であると語った。

ホフマン書記長は、ミーラ・ジョシュ・ニューヨーク市副市長、オックスフォード大学フェアワーク・プロジェクトのカビタ・ダッタニ博士研究員 とともに、パネルディスカッション『労働者のためのデジタル・ガードレールの構築』の中で講演した。

特にアルゴリズム管理システムなど、テクノロジーを使った職場におけるデータ収集範囲や人権侵害はここ数年で急速に変化しているが、同書記長は、テクノロジーが労働者に及ぼす多くの課題は、既存の解決策で根本的に解決できると訴えた。

「労働組合は何十年も前からテクノロジーをめぐる交渉を行ってきた。例えば、製造業では1980年代にロボットが導入され始めたが、その頃からの重要な原則(通知、リスク評価、実施と影響に関する交渉)の多くは、現代においても有効だ。(中略)例えば、ドイツでは、労使協議会が、アルゴリズム管理システムによって収集された個人データの使用を制限し、日単位や時間単位の個人指標としてではなく、チームレベルの実績を長期的に評価するためにのみ使用できるようにしてきた。」

また、コールセンターにおける全米通信労組(CWA)の協定について紹介し、モニタリングは毎月特定の時間に限定すること、モニタリングが行われる際には労働者に通知すること、モニタリングは懲戒ではなくフィードバックを目的とすることを求めていると述べた。

さらに、UNIが最近、大手コールセンター企業と締結したグローバル協定で、業務上の監視が業務上の必要性と比較して「不釣り合い」であってはならない旨を定めている点も例に挙げ、 「勤務時間中ずっとカメラで監視されているようなことを、受け入れるべきではない」と強調した。

また、こうした監視によって労働者は心理社会的ストレスにさらされ、また身体的なダメージにつながる可能性もあり、極端な監視で労働者の生産ペースを押し上げているアマゾンでは、負傷率が高くなっている。人間離れした目標を達成しなければならないというプレッシャーから、労働者は法律で義務付けられている休憩をとれなくなることもある。

企業によるこうした行き過ぎた行為を組合が止められるよう、UNIは今後数週間以内に、世界中の労働者が集団の力を使ってテック・ワークをどのように自らにとってより良いものにしてきたかについて、詳述した資料を発行する予定だ。

最後にホフマン書記長は、「企業がビジネスのやり方を変える際は、労働者と話をしなければならない。組合と対話を行い、新しいツールを適切に導入し、発生した問題を解決するために、強力で独立した安全衛生委員会、あるいは技術委員会が設置される必要がある」とまとめた。


第24回UNI Apro女性委員会

UNI Apro女性委員会が、2023年4月下旬に4年ぶりにシンガポールで開催され、正委員、予備委員、オブ、スタッフを含め12か国28人が出席した。日本からは、UNI Apro女性委員会副議長の須齋損保労連事務局次長、UNI Apro女性委員の寺嶋UAゼンセン多様性協同局部長、三﨑大日本印刷労組書記次長、福田JP労組中央執行委員が出席し、各組織のメンタルヘルスやジェンダーに関する取組みについて報告し、多くのコメント・質問を受けた。また、大日本印刷労組より市村委員長、植田常任執行委員、秋枝執行委員がオブ出席した。

開会:
ミラ・スミラットUNI Apro女性委員会議長は、4年ぶりに再会できたメンバー、新たに加わったメンバーを歓迎した。続いて、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長、アルケ・ベシガーUNI副書記長、ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長が、激励の挨拶を行った。

UNI Apro女性委員会活動報告:
アンジャリ・ベデカーUNI Apro機会均等部長は、昨年来、特に、女性の労働安全衛生、特にメンタルヘルスを優先課題として取り組んできたこと、各国の女性委員会の取組みのハイライト、南アジアを中心に実施しているメンタリング・プログラムの進捗状況、グローバルレベルの活動やキャンペーンへの参加状況について報告し、8月のUNI世界大会での女性参加率40%達成に向け、各労組リーダーに引き続き働きかけるよう、協力を呼び掛けた。

UNI世界女性委員会報告:
ジュリア・フォックスUNI世界女性委員会副議長(オーストラリアSDA)は、3月27~28日にスペイン・マドリッドで開催されたUNI世界女性委員会について報告した。同委員会では世界女性大会準備、特に動議の修正に関する議論が中心に行われた。

働く女性のメンタルヘルスと労働組合の対応:
●オーストラリアSDA(ケイティ・ビドルストン委員):職場におけるハラスメントに関するアンケート調査を実施し、実態把握に努めている。8割が日常的に言葉による暴力を受けており、その多くは性的な内容で、特に若い女性が被害を受けやすく、メンタルヘルスに影響を与えている。調査に基づきキャンペーンを行い、団体協約に具体的な条項を盛り込むよう求め、労使交渉を行っている。審議会への参加や国会議員へのロビー活動も積極的に行い、法改正にもつながった。例えば、ジェンダーに基づくハラスメントも不法労働行為とみなされ、使用者に対策が義務付けられるようになった。また、南オーストラリアでは、小売労働者への業務中の暴行は過重暴行としてみなされ、最長懲役7年の刑事罰が科せられることになった。
●ネパールFIEUN(ジータ・バスネット委員):メンタルヘルスに関して、まず気軽に話ができる環境作りが重要だ。組合に求められる役割として、プライバシー保護、組合員との信頼関係の構築、相手の立場を考慮した傾聴力、基準策定等を通じた安全な職場づくり、団体交渉の優先課題(有給の病気休暇等)に取り入れること等がある。
●韓国KPWU(オ・ソジョン委員):顧客に直接対応する職場で求められる「感情労働」は、ストレスが大きく、様々なメンタルヘルス症状を引き起こす要因となっている。2018年10月に感情労働者保護法が成立し、使用者は対策を取ることが義務付けられた。KPWUは会社と協議を行い、職場でのポスター掲示、窓口担当者のバッジ着用、苦情処理方法の確立、法的な措置等を申し入れた。感情労働休暇や手当を申請することもできる。KFSWU(金融サービス労組)では、会社側への啓発活動としてコールセンター労働者の状況を扱ったドキュメンタリー映画上映会を実施した。
●大日本印刷労組(三﨑友香里委員):育休明けの社員を集めたランチ会を開催し、同じ境遇にある社員同士が仕事と育児を両立する上での悩み等を共有できる場づくりの取組みを始めた。また、活力ある職場風土づくりやチーム力の強化に向けた優れた取り組みを表彰するヘルスウェルビーイング大賞という会社の新しい制度には、組合も審査等に積極的に関わり、社員の心身の健康増進や多様な人材活用を推進していきたい。

共に立ち上がろうージェンダー問題に関する組合の取組み:
●オーストラリアSDA(ジュリア・フォックス副議長):政権交代が実現したことにより労働法の改正など労働組合が求めてきたことが実現しつつある。フェアワーク法におけるジェンダー平等の主流化、セクハラ防止のための使用者の積極的な義務が求められるようになったこと、フェアワーク法に職場におけるセクハラ防止策が盛り込まれたことなどは、特に大きな成果。
●JP労組(福田千秋委員):女性の視点で課題の共有や情報交換を行い、組織活性化と男女共同参画の実現に取り組む「女性フォーラム」に集まった声を基に、会社と交渉し、勝ち取った成果を報告している。①6か月以上の育児休業を取得した場合に人を配置する仕組みを整備。男性社員の配偶者が出産した際にサポートするため、3日間の育児休業取得と会社による4週間以上の育児休業の取得勧奨および意向確認を義務化した。②生理休暇を取得した場合の職場での理由明示を廃止し、女性社員に配慮したものに改善した。③更年期障害への理解を深める研修やガイドブックの作成等の意識啓発活動の実施。
●シンガポールSBEU(スージー・フー委員):シンガポールではWAFというプラットフォームを通じて働く女性を支援する様々な取り組みを行っている。2022年からNTUC傘下の組合女性役員同士のメンター制度を開始し、現在10地域、総勢250人が参加している。使用者と連携し、女性の復職・求職支援、産後支援のためのケアワーカー育成等も行っている。
●UAゼンセン(寺嶋雪乃委員):50%近くを占める女性の短時間組合員の課題として、生理や更年期等女性の健康に関する取組みを強化している。昨年の男女共同参画推進キャンペーンの意見交換会で初めてこの問題を取り上げたが、男女ともに反響が大きく、特に男性からは対応方法について戸惑っているとの声があった。そこで、性別に関わらず参加できる女性の健康と働き方セミナーを開催し、正しい知識の普及や対応に困ったこと、配慮の仕方等について話し合った。7月に開催予定の2回目は、女性の健康支援が女性活躍にもつながり、会社にとってもメリットが大きいことを伝えたい。カスタマーハラスメント対策では、顧客との対等な関係作りの第一歩として、売り場でのポスター掲示の取組を行っている組合もある。
●韓国KPWU(ソン・ソヨン委員):KFSWU(韓国金融サービス労組)が女性の採用や管理職に関する職場アンケート調査を行い、金融機関で働く女性達の業務内容は男性に比べて限定的で雇用形態も不安定であることが分かった。出生率が下がり続ける中、出産や育児を社会全体で公平に負担し、女性差別撤廃のための効果的な制度政策(例えば、女性の昇進に関する割当制度、雇用拡大、男性の育児休暇取得促進等)が必要だ。韓国メディア労組では、メディアにおけるジェンダーに関するガイドラインを策定し、広く配布した。
●損保労連(須齋弥緒副議長):日本では2022年4月から介護・育児休業法が改正された。男性が育児休業を取得しやすくすることにより、主体的に育児・家事に関わり、女性の就業継続やキャリア形成につなげるためである。損保労連では、会社側と男性の育児休業取得推進について論議し、男性が育児休業を取得するために必要な支援策やワークライフ・バランスのとれた働き方ができる風土醸成の必要性について確認した。各社では独自の制度整備や人事部からのフォロー体制などが構築され、男性の1か月超の育児休業取得も少しずつ見られるようになった。一方、男性の育児休業取得への理解が十分でない実態もあり、男性の育児休業の必要性の理解や、取得しやすい風土醸成を更に進めていくことが必要だ。
●バングラデシュ・グラミンフォン労組(ルクサナ・パーヴェン委員):バングラデシュUNI加盟協女性委員会では、SNSグループを作り、月例会をズームで開催、ハラスメントや環境問題、メンタルヘルス等のテーマで研修等を行った。グラミンフォン労組では、女性比率が18%まで増加し、新規組合員の9割が女性である。


Make Amazon Pay、ストライキ中の米国作家組合と連帯

UNIとプログレッシブ・インターナショナルが共同提唱する、80以上の組合、市民社会組織、環境保護団体、税金監視団体からなるグローバル連合「Make Amazon Pay」(アマゾンに支払わせる)が、米国東部・西部脚本家組合(WGA)のスト参加メンバーおよび世界中の組合員との連帯を示すため、力を結集している。

2023年5月15日(月)に行われるこの世界行動デーの目的は、アマゾン・スタジオ( アマゾンの子会社で、テレビ・映画制作・配給会社)が制作する番組に関わる作家の公正な報酬と労働条件の改善を求めるWGAの要求を後押しすることだ。加えて、英国、スペイン、ドイツなどの国々で、長年にわたって公正さと尊重を求めるキャンペーンを展開してきた組合員の継続的な闘いに焦点を当てている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「米国の作家たちは、欧州におけるアマゾン倉庫でストライキを決行した労働者とともに、アマゾンの事業全体で公正さと権利の尊重が喫緊に必要であることを示している。彼らの仕事はそれぞれ異なるが、正当な賃金を求め、テクノロジーが仕事にどのように影響するかについて発言を求めるなど、共通の要求で団結している。アマゾンの責任を問う運動の一環として、我々は、尊厳、公正な報酬、労働条件の改善を求める労働者たちの闘いに連帯する。アマゾンに、作家、梱包作業者、荷揚げ業者、ドライバー、すべての労働者への賃金を支払わせる時が来た」と、ストライキ中の作家や組合員への連帯を表明した。

プログレッシブ・インターナショナルのダニエル・コップMAP共同コーディネーターも、「Make Amazon Payが主導する世界規模の行動デーが発しているのは、『国境を越えた労働者が、正義、公正な賃金、労働条件の改善を求めて団結している』という強力なメッセージだ。アマゾン・スタジオ内の作家と組合員に対する搾取は、我々が直面している体系的な問題のほんの一例に過ぎない。共に企業権力に挑戦し、労働者の権利が守られ、尊重されるより公正な世界を築いていこう」と意気込む。

アマゾン・スタジオで働く作家や組合員は、アマゾンのエンターテインメント事業の成功にとって、欠かせない存在である。しかし、賃金が削減され、低い労働条件で働く中、世界規模でストライキや抗議行動を引き起こしている。Make Amazon Pay連合は、ストライキを起こした作家や組合員に団結し、アマゾンを含むスタジオが、彼らの仕事によって生み出された計り知れない価値を認識し、公正な報酬、労働条件の改善、相応の敬意を与えることを要求している。

この世界行動デーは、個人や組織が様々な方法で参加することを奨励している。支援者は、ポスターを持った写真を共有し、#MakeAmazonPay、#WGAStrike、#UnionRightsのハッシュタグを使い、オンラインで連帯を示すことができる。さらに公式請願書に署名し、WGAおよびアマゾン労働者を代表する他の組合に、直接支持を表明することもできる。

Make Amazon Pay連合は、アマゾンのビジネス慣行が相互に関連し、世界の労働条件に影響を与えていると認識している。労働者と同志が共に立ち上がることで、国境や業種を超えた強力な運動を構築し、すべての人の尊厳、公正な賃金、労働条件の改善、組合の権利を擁護することができる。

共に闘うことで大きな影響を与え、Make Amazon Pay運動の集団的な力を示すことができるよう、2023年5月15日(月)の世界行動デーに参加する個人、組織、支援者を募っている。世界行動デーに参加する方法とリソースへのアクセスに関する詳細は、https://makeamazonpay.com/its-writers を参照。


UNI Apro商業部会委員会を東京で開催!

11年ぶりの日本開催となった標記会議が、2023年5月8~9日に開催された。UAゼンセンと自動車総連がホストを務め、オーストラリア、マレーシア等から各国委員が出席し、UNI本部からは、UNI世界商業部会議長、同部会担当局長及び事務局等含め、約30名が出席した。

永島智子UNI Apro商業部会副議長(UAゼンセン)、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長による歓迎挨拶、ジェラルド・ドワイヤーUNI Apro商業部会議長(豪・SDA)による開会挨拶に続き、最初のセッションでは、スチュアート・アッペルバウムUNI世界商業部会議長(米国・RWDSU)が「立ち上がれ、商業労働者」、マタイアス・ボルトン同担当局長が「商業労働者のグローバルな展望」と題して報告を行った。

商業部門における暴力防止の取組み」をテーマにしたセッションでは、日本からは波岸孝典UAゼンセン事務局長が、日本のカスタマーハラスメントに対する取組みを報告した。

また、「青年と機会均等活動」についてのセッションでは、寺嶋雪乃UAゼンセン多様性協働局副部長が、更年期障害や生理休暇といった女性の健康に対する支援、村上瑞紀自動車総連国際局部長が、ワークライフバランスや多様性推進に向けた取組み等を報告した。海外の参加者からも多くの質問が寄せられ、関心の高さが示された。「エッセンシャルワーカーの正義ために、共に立ち上がろう」のテーマでは、永島副議長が、流通部門におけるコロナ禍での取組みや賃金闘争について報告した。

午後にはUAゼンセン本部を見学し、各部門の業務や春闘の進め方について説明を受けた後、自動車総連に移動し、同幹部との意見交換会を行った。

2日目には、郷野晶子ITUC会長より「国際労働運動が直面している状況と国際連帯」をテーマに基調講演をいただき、民主主義や人権、労働安全衛生などの課題について討議した。

並木泰宗UNI Apro商業部会副議長(自動車総連)の閉会挨拶で委員会を終了後、海外参加者は午後からイオン本社及びイオンモール幕張新都心店を表敬し、同社労使と意見交換会を行うなど充実した2日間となった。


UNI、ファッションブランド企業にミャンマーからの撤退を求める

UNIは、衣料品・繊維ブランド企業に対し、労働組合に加入する権利を含め、基本的人権が踏みにじられている軍事独裁国家ミャンマーから製造事業を撤退させるよう、求めている。

この立場は、2023年5月4日に開催されたUNI世界運営委員会で採択され、ミャンマー労働組合連合(CTUM)や姉妹グローバルユニオンであるインダストリオールの要請と一致するものである。

5月初旬にスウェーデンの製造業労組であるIF Metallの代表は、スウェーデンのUNI加盟組織UnionenおよびHandelsとともに、スウェーデンのファストファッション大手H&Mに対し、東南アジア諸国からの事業撤退を要請する記事の中で、次のように述べている。

「ファッション産業は、ミャンマーの軍事政権にとって重要な外貨獲得源であり、武器やエネルギー、その他商品の購入に使われている。この産業は、特に中央銀行を握る政権の維持に寄与しているのである。ミャンマーで事業を続ける企業は、このように軍事独裁政権を間接的に支援しているのだ」

ミャンマー情報省によると、昨年の衣料品輸出額は47億米ドルに上った。

インダストリオールは、H&Mも加わっている『Ethical Trading Initiative』が昨年、「個々の労働者の声が抑圧され、組合が禁止され、労働組合員が投獄・殺害されている状況において、デューディリジェンスは不可能である」という趣旨の報告を発表して以降、インディテックス、ファーストリテイル、Tchibo、プライマーク、マークス&スペンサーといったグローバルブランド企業が、ミャンマーから撤退、もしくは撤退計画を表明したことを指摘している。

UNIは以前から銀行に対し、ミャンマーの軍事政権と関係を持つ企業に対する投資撤退を迫ってきたが、今回UNIは、この新たな行動要請について、加盟組織(特に商業部会)への働きかけを開始する予定だ。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「2年前のクーデター以来、軍事政権は残虐行為を次々と行ってきた。この国でビジネスを行うことは、この残虐で野蛮な政権を後押しするものであり、ファッション小売業者は、この国で製造しながら『責任ある』あるいは『持続可能な』ビジネスを行うことはできない」と、断言した。


アムコール労働者、団結して国際的な対話を要求

2023年5月上旬、17か国のアムコール労働者が連帯し、会社側に対してアムコール・グローバル労組アライアンスとの対話を求める強力なグローバル・アクションを実施した。

労組アライアンスは定期的に会合を開いており、グローバル経営陣との間で調整のとれた対話を確立することを重要な優先事項としている。同アライアンスは数年にわたり、繰り返し経営陣に働きかけてきたが、グローバル経営陣の関与は得られなかった。

そして今回、同アライアンスは、こうした会社側の姿勢は容認できないことを世界的な連帯をもって力強く示すべく、17か国の32人のアムコール労組代表・役員が、それぞれの言語で同一内容の書簡を同じ日に会社側に送付した。

書簡には、次のように記載されている。「世界中のアムコール労組は、グローバル・ユニオンであるUNIとインダストリオールの一方または両方に加盟しています。これらのグローバル・ユニオンは、主要な多国籍企業との間に、100以上の効果的なグローバル枠組み協定を結んでおり、労使は協定を通じ、対話と協議の精神に基づき、事業全体を通じて最低基準を確保するために協力することに合意しています。(中略)我々は、アムコール経営陣との間にも同様の関係を求めているのです」

同アライアンスは回答を2週間待ち、今回、グローバルな労使関係のパートナーとしてアライアンスの存在を認めない同社への批判を公にした。

アムコール・グローバル労組アライアンス会長を務めるロレイン・キャシンンUNI Apro印刷・パッケージング部会議長は、「この経営陣は、どうして我々アライアンスと関わる機会を拒むことができるのでしょうか。この業界をリードする多国籍企業の中には、労働者と会社の双方に利益をもたらす対話において、グローバルな組合と関わりを持っている企業もある。アムコールの労働者には、経営陣から尊重され、認められ、耳を傾けてもらう権利がある。この基本的な権利を要求することを、我々はやめない」と語気を強めた。

アムコール・グローバル労組アライアンスには、世界中のアムコール労働者の代表が結集しており、アムコールの事業全体において、すべての労働者の権利と労働条件を強化するため、連携している。

同社経営陣は、グローバルレベルでアライアンスに関与しない理由として、グローバルとローカルな議論を混同したくないことを挙げている。しかし同アライアンスは、ローカルレベルの対話を中断しようとするものではなく、安全衛生、中核的労働基準、ローカルレベルでは解決できない問題事例などの重要な課題については、グローバルレベルの対話によって解決しうると考えているのであり、これは、この業界の他の企業で機能しているモデルであり、世界中のアムコールの労働者が要求しているものである。


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