UNI世界テレコム部会委員会(2009年5月18~19日、スイス・ニヨン)

newsImage 世界テレコム部会委員会がニヨンで開催された。委員会は、「経済危機がテレコム部門の雇用等に与える影響」、「通信規制と雇用」、「多国籍企業への対応」等について各国の状況が報告され、活発な議論が交わされた。
 5月18~19日、スイスのUNI本部で世界テレコム部会委員会が開催され、日本からNTT労組・加藤委員長、木村国際担当、KDDI労組・上口委員 長・才木事務局長が出席した。委員会は、「経済危機がテレコム部門の雇用等に与える影響」、「通信規制と雇用」、「多国籍企業への対応」等について各国の 状況が報告され、活発な議論が交わされた。
「経済危機がテレコム部門の仕事と投資に与える影響」
ILOとスイスコム戦略局長が招かれ、世界経済危機がテレコム産業の雇用に与える影響について、国際機関と使用者の立場から見解を述べた。
ILO・マイヤーズ産業問題専門家は「ILOは、この不況から脱するには5~6年が必要だと分析、中期的な戦略が欠かせないと考えている。今日の経済危機が失業増加や労働条件の低下につながらないように、労働組合は注意を怠ってはならない」と警告した。
スイスコム・リッツ戦略局長は、「経済危機以前から通信費の収入が低下しており、経済危機により欧州経済の見通しも暗くなった。現在、スイスコムは光ネットワークへの投資はしていない、投資の見返りがないからだ」と説明した。
二名の講演を受けて、加藤委員長は、「テレコム産業は他産業と比べれば直接的な被害は少ないが、産業構造の変化により、テレコム産業という分野が拡大して いる事に留意しなければならない。また、活動の展開にあたっては、従来の政・労・使にILOなど国際機関を加えた“四者”での連携が必要だ」と訴えた。
ラーセン議長は、「長期的な産業の発展のためには光網への投資が必要だが、投資への見返りが保障されなければ出来ないものだ、ここを改善していく必要がある。また、経済危機が雇用削減の言い訳に使われないよう、UNIは監視を強めていく」とまとめた。

「規制、融合、景気刺激対策と仕事」
欧州議会は、「EUテレコムパッケージ」という通信規制政策を策定した。この規制政策はEU諸国に大きな影響を与えることから、UNIはこれまで欧州地域 事務所を中心に熱心にロビー活動を展開してきた。この規制政策がようやくまとまり、文言の中に「労働者の権利と投資の必要性」と入れ込む事に成功した。し かし、当初の狙いであった「NGNやブロードバンドなど新しいネットワークへの投資における事業者のリスク考慮」については、残念ながら記載されなかっ た。欧州議会では7月に選挙が行われ、議長国はフランスからスウェーデンへ変更する。UNIテレコムは、スウェーデン政府への対応はもちろん、新たに選出 される議員へのロビー活動を継続し、労働者を考慮した規制政策の策定に向けて、今後も熱心に取り組んでいく。

イギリスの超高速ブロードバンド
欧州テレコム部会・アスキュー議長(イギリス)が、BTおよび英国の通信政策と、労組の見解について言及した。
イギリスの通信規制機関オフコムは、この景気後退の中であるにも関わらず、BTが超高速ブロードバンド政策を進めるよう、投資を奨励するとの態度を明確に していることを説明し、「労組もこれを歓迎している」と述べた。英国の通信労組は、「将来に向けた通信市場整備は雇用拡大にもつながる」との立場で、投資 を奨励する規制政策に賛同している。一方で、「現在のように将来像が見えない状況では大きな投資はできない。政府は、民間企業に投資を奨励するような規制 政策が必要だ」と指摘した。

日本の法的イニシアチブ
加藤委員長が、産業融合時代の法制度のあり方について、日本の法体系と議論状況を紹介した。「通信と放送、金融、商業などの融合が起こっている。今後、 NGNの普及が見込まれる中で、どのような産業との融合が進むか明確ではないが、通信以外の産業が時にはパートナーとなり、時にはライバルとなる。よっ て、産業融合時代の法制度の見直しにあたっては、個別事業に関する法にとどまらず、法体系全体から検討することが必要だ」と見解を述べた。

「多国籍企業に対する交渉・組織化の優先課題と活動」
UNIテレコムは、テレフォニカ(スペイン)、OTE(ギリシャ)、ポルトガルテレコム、フランステレコムとグローバル枠組み協定を締結しているが、進出 国において協定の内容が遵守されていない状況などが報告された。こうした状況を鑑みて、UNIテレコム部会は、締結企業は協定の実効性を向上させ、未締結 の場合は早急に協定を締結するよう取り組んでいくことを確認した。
また、劣悪な労働条件が多い職場であるとされているコールセンター労働者の組織化に向けて、10月を「コールセンター行動月間」に設定し、世界的なキャ ンペーンを実施することが提案された。これは毎年行われている取り組みで、コールセンターを保有している他部会と合同で、UNI全体で実施しているもの。 具体的な計画は、今後、検討することとなった。

テレフォニカ(スペイン)の動き
委員会では、テレフォニカ(スペイン)の反労働組合的な態度に関する、激しい議論が行われた。当初、今年のコールセンター行動月間は、テレフォニカの コールセンターを対象にした統一キャンペーンを行うことが提起されたが、これに対して、参加者同士で賛否両論の激論となった。
UNIはテレフォニカとのグローバル協定を早い時期に締結し、毎年、スペインの親会社とフォローアップ会議を実施している。母国スペインでは労使関係は良好とのこと。
一方、テレフォニカが進出している国では、様々な労使問題が明るみになっている。メキシコやブラジルなどの中南米では、テレフォニカは「アテント」とい う別会社を設置してコールセンター事業を行っており、全体で10万人以上がアテントで働いているが、各国で労使紛争が多発している。UNIはこれを問題視 し、今年のキャンペーンは「テレフォニカ」を対象に絞ると提案したのだ。
しかし、これに異を唱えたのがスペインの通信労組であった。「スペインでは労使関係は良好なのに、UNIがテレフォニカを敵対視するような世界的なキャ ンペーンを行ったら、全てがぶち壊しだ」と声を荒げた。結局、議論はまとまらず、取り組みの方法・内容とも再検討することとなった。
だが、テレフォニカがUNIとグローバル協定を締結しているにも関わらず、進出国において協定内容が守られていない事実は、留意すべきだ。
独テレコムでも似たような問題がある。本国では労使関係は良好であるが、独テレコム携帯子会社のTモバイルアメリカは、労働組合結成が認められていない。
こうした問題は、協定当事者としてのUNIの調整機能も含め、協定のあり方に関する問題点を示唆している。UNIテレコム部会は、既に協定を締結しているケースでは「協定の実効性を高める」事を目標に掲げているが、本腰を入れて取り組む必要があるだろう。

米国従業員自由選択法への協力要請
米国では労組結成手続きが極めて厳しいものとなっている。労働者の過半数の署名を集め、連邦労働関係局(NLRB)に提出する。NLRBが対象職場で選挙 を実施し、過半数を超える労働者の賛成を得て初めて組合が結成される仕組みである。このような背景から、米国では団体交渉権が認められていない職場が非常 に多い。しかし、「従業員自由選択法」はこの手続きを簡素化し、過半数を超える労働者の署名を集めれば組合を結成できるとしており、米国の労働組合は、起 死回生に向けて、一丸となって取り組んでいる。
法案審議が大詰めを迎える7月上旬に向けて、UNIテレコム部会は、「米国の労働運動はグローバルな課題と直結する問題であり、全体で後押しするべき」と の認識に立ち、加盟組織が自国の大使館に法案通過を要請することを確認するとともに、「従業員自由選択法案成立を求める決議」を満場一致で採択した。

長崎大会準備状況報告とピースツリー贈呈
加藤委員長は、2010年の長崎大会準備状況を報告した。日本のUNI加盟組織が各チームに分かれて鋭意進めている準備状況を紹介し、大会の魅力を高め た。また、長崎が平和都市である事とあわせて、「2010年のNPT(核不拡散条約)再検討会議に向けた署名活動をUNIのイニシアチブでも実施してほし い」と要請した。
さらに、ピース・ツリーをUNI本部に贈呈した。このピース・ツリーは、NTT労組が核の悲惨さを後世に伝え、平和の大切さを子供達に学ばせるために毎年 開催している「広島ぴーす号」というイベントで作り上げたもの。今春に開催された「広島ぴーす号」で、子供たちの平和メッセージが書き込まれた短冊で彩ら れたピース・ツリーに、UNIが参加することで、平和の志を高めていこうという意図で実施した。テレコム部会委員会参加者は、平和の大切さを短冊にこめ、 ピース・ツリーに飾りつけた。

まとめ
委員会は「戦略目標と行動計画」を策定した。とりわけ、(1)グローバル協定の締結のための交渉と実効性強化、(2)多国籍通信企業の組織化、(3)規 制問題への取り組み等を主要課題ととらえ、UNIと加盟組織のコミュニケーションを向上・連携しながら、全力を挙げて取り組んでいくことを意識統一した。
次回委員会は、2010年5月にニヨンのUNI本部で開催される。ラーセン議長は、採択された行動計画がきちんと遂行されるよう、各国へ協力を呼びかけ た。中でも、いま、UNI全体として組織化ターゲットにしている「中国」と「インド」を抱えるAproへの期待は熱い。7月末にはインドネシアでUNI- Aproテレコム部会大会、また、2010年には長崎で第3回UNI世界大会が開催される。日本の加盟組織の果たす役割は大きい。


モンゴルにコミュニケーターズ・センターがオープン!

newsImage UNIのコミュニケーターズ・フォーラムは、モンゴル、日本、インド三カ国の若い組合活動家の連帯の架け橋に。5月17日は、モンゴルの労働運動にとって歴史的な日となった。


オイドフUNI-LCM議長開会挨拶
桜田UNI-LCJ議長激励挨拶


UNI-LCMのIT推進委員会メンバー


UNIは、オンラインプロジェクトの一環として、毎年「UNIコミュニケーターフォーラム」(組合広報担当者向けの、先端のIT技術を活用した組合キャン ペーン・広報ツールを情報共有する会議)を開催している。2007年6月、シンガポールで開催された同フォーラムに、モンゴルUNI加盟協(UNI- LCM)から、エルデンサイカンが参加した。フォーラムの内容に感激した彼は、学んだことを、帰国後さっそく実行した。10月には、UNIモンゴル加盟協初の「組合広報担当者ITトレーニング」を小 さなインターネットカフェで実施、好評を博した。2008年1月には、モンゴル政府のスポンサーを得て、「全てのこどもにラップトップを」プロジェクトを 開始。組合だけでなく社会に貢献する活動を次々と実現している。やがて、組合メンバーに定期的にIT及び語学研修を提供できるようなセンター設立構想を抱 くに至った。

2008年2月に、UNI-LCM年次総会出席のためウランバートルを訪問した、UNI-LCJの桜田議長は、エルデンサイカンが熱意をもって語るこの構想の実現に、UNI-LCJとしてサポートすることを約束した。

UNIは加盟組合と協力し、「オンラインプロジェクト」を通じて、途上国の労働組合もパソコンを所有し、インターネットやメールの使い方を学び、情報交換 や活動の効率化に役立てられるよう支援しているが、UNI-LCJもこの趣旨に賛同し、毎年、各加盟組合の大会でUNIを宣伝しながら、オンラインプロ ジェクトへの支援をお願いしてきた経緯がある。日本の加盟組合から集められた中古パソコンは、フィリピン、タイ、インドネシア、モンゴルなどに送られ、メ ンバーのIT教育・普及に役立っている。そこで、2008年は特に、モンゴルで計画中の、IT・語学研修センター設立の実現に向け、全面的に協力すること を運営委員会で確認し、1年間の寄付キャンペーンを実施した。

また、シンガポールのフォーラムで、エルデンサイカンはインドからの参加者プリトビと知り合った。プリトビはインドのIT専門職労組(UNITES)委員 長である。バンガロールのIT企業が頻繁にパソコンを更新するために、最先端の新古パソコンを無料で入手できることから、モンゴルへの提供に一役かうこと になった。

2009年5月17日は、モンゴルの労働運動にとって非常に歴史的な日となった。UNI-LCJからは、桜田議長、小川事務局次長が立会い、モンゴル労働組合連盟(CMTU)のガンバタール会長他、UNI加盟組合代表らが出席して、開所式が開かれた。

ツェン・オイドフUNI-LCM議長は、開会挨拶の中で、「このセンター設立は、日蒙両国のUNI加盟協の間の10年にわたる友好と協力関係を経て、新た な段階に入ったことを象徴する出来事だ。今、時代は急激に変化し、グローバルな金融危機の影響がモンゴルにも波及するようなグローバル化の波を経験してい る。我々労働組合もこの変化に対応していけるよう、自分たち自身が変わらなければならない。若い人が労働運動に魅力を感じ、社会貢献活動に関心をもつよう にしていかなければならないし、労働組合も若い人たちのダイナミックな発想を採り入れる必要がある。このセンターは、モンゴル労働運動でも初めての試み で、設立が目的ではない。語学やパソコンを使いこなせることは、エンプロイヤビリティの強化につながる。流通産業では、日本人観光客に片言でも日本語で話 しかけることができれば、商売にもつながる。パソコンを眠らせてはいけない。きちんと稼動させていくことが重要だ。」と抱負を語った。

桜田UNI-LCJ議長は、「モンゴルの友人の皆さんと素晴らしい瞬間を共に立ち会うことができて大変嬉しい」と述べると共に、センター設立構想の実現に 向けて奔走した、オイドフ議長の強力なリーダーシップとUNI-LCMのIT推進委員会メンバーに敬意を表した。また、これまで労働運動に関わってきた先 輩諸氏の努力も忘れてはならないことを想起し、老若男女を問わず、このセンターがUNI-LCMの更なる結束の場・有効なコミュニケーションの場として発 展していくことを切に祈念した。

プロジェクト推進の中心となったエルデンサイカンは、理想を語る。「このセンターを労働組合のため、そして市民社会に開かれたものとして活用していきた い。しかし、ITと外国語は単なる武器に過ぎない。僕たちは、アピールしたりコミュニケーションするスキルとしての武器がもっと必要だし、そうした能力の ある活発なメンバーを育成していかなければならない。このセンターは、そういった人たちが集まる場所になればいいと願っている。」

UNI-LCMのオイドフ議長はじめ出席した多くの仲間から、UNI-LCJの多大な支援に感謝の意が表された。

これは、モンゴル青年の強い意志とコミットメントに賛同した、日本、インドの仲間による連帯の成果である。私たちも、同センターの発展を願ってやまないし、UNIグローバルユニオンのメンバーの一員として、今後も支援していきたい。

その他の写真は、以下のURLで閲覧可能。
http://www.flickr.com/photos/uniglobalunion/sets/72157618340917726/


UNI世界運営委員会

2009年5月7~8日、スイスのUNI本部においてUNI世界運営委員会が開催された。世界各地から約50名(運営委員とオブザーバー)が参加し、UNIブレーキングスルー、GFA、金融危機、世界大会、UNI財政・運営事項等について議論された。日本からは、UNI世界副会長の山口委員長、佐々木国際部長と栗原国際担当スタッフが参加した。
冒頭、ジェニングス書記長は、「我々は時代の転換期にある。経済的、社会的、雇用の観点からも大きな転換期にある。グローバルの危機には、単独では解決することが不可能である。グローバルな解決策が必要である」と述べた。
山口委員長は、運営委員会で、UNI会費について、「世界的な景気後退が進む中で、各国でリストラや非正規社員が多く発生し、各産別、単組は組織の減少が起きており、財政面で大変厳しい環境下にある。この時期の会費の値上げを提案することが適切であるのか」と疑問を呈した。
2010年の長崎大会においては、平和が重要なテーマとなっている。日本は世界で唯一の被爆国であり、日本の連合は毎年、平和を願って、長崎、広島において、
平和集会を開催している。連合は、来年に結成20周年を迎えることもあって、1000万人署名を実施する。今、核の現状を再認識し、核を廃絶し、平和を維持するために連合が実施する。そのため、UNIにも参加して頂きたいと協力要請を行った。
これらの提案に対して、UNIからは、会費については、8月にジェニングス書記長の来日の際に、説明したいとの回答があった。また、署名活動については、物理的に、署名を集めることは困難であるので、オンライン上で10万人の署名を目指したいと述べた。


UNI世界商業部会運営委員会(5月5~6日、ニヨン)

標記委員会は、5月5~6日ニヨンのUNI本部で開会された。約20名が参加、日本からはUIゼンセン同盟島田書記長、中野国際局部長、UNI-Apro東京事務所伊藤所長が参加した。
まず参加者は、各国の商業労組が直面している問題を提起、島田書記長は、「話し合い重視の中で、加盟組合の力が落ちてきた。ここをどうするかが問題」との認識を示した。
会議は、大きく分けて2つの課題に分かれた。第1に、チャレンジと力を形成する、第2に、UNI世界商業部会対策(ダブリン)である。
第1の課題については、以前SEIUのオルグとして働いたマイケル・クロスビー氏が講師として、「どのようにグローバル協定を組織化に活用するか」を中心に話した。その上で G4Sの例を参考にし、H&Mかインディテクスか、どちらに攻勢をかけるかを話し合った。
「インディテクスは8つのブランドを持っている、即ち、8つのターゲットがある。」「スペインには良い組合があるが、アクセスできない状況がある。」その上で、インディテクスをターゲットにし、攻勢をかけると仮定し、方法論としては「投資家、株主、顧客に働きかける」「リサーチを行い、税を納めているかなどを確かめ、イメージを攻撃する。」という作戦を立てた。
島田書記長は、「もし日本だったらどのように進むか」との仮定で話をした。「会社の戦略をつかむこと、日本においては売り上げが少なくても、他国においては売り上げが多いかもしれない。ここを分析しなければならない。」「やり方はいろいろあっても、最後は組合を作ることが目的だ。国によって状況が違うので、情報交換を密にし、国毎の違いを理解し合いながら、粘り強く進めていくことが重要だ」と述べた。
第2の課題については、ダブリン大会に向けてプログラムを話し合った。
9月29日(火)は、午前ショップライト同盟運営委員会、午後商業部会世界運営委員会を開催、商業部会大会は9月30日~10月2日まで開催される。MANDATE(小売・バー・事務労組)という地元アイルランドの加盟組合が全面的に協力する。アルケUNI商業部会局長は、「テーマとしては、多国籍企業、新技術、雇用パターン、テイクオーバー、コミュニケーションとネットワーク、CSRの6分野が適切」と問題提起、サブセクターとして、Eコマース、ホールセール、配達・ロジスティクス、自動車販売、食品、家具、DIY(Do it yourself)の課題を挙げるとした。これに対し、アルゼンチンから「ラテンアメリカではCSRは困難」との意見が出た。スポールディング議長は、髙島屋の例を挙げ、「CSRに取り組むことによって得られるメリットは大きい」とした。
多国籍企業の組織化については、多くの企業名が出たが、戦略的組織化キャンペインを掲げ、まず調査を行い、その上でどこから取り組むかを決めることとなった。


UNI世界女性委員会

2009年4月28~29日、UNI本部において表記会議が開催され、デニス・マクガイヤーUNI世界女性委員会議長をはじめとする19名の委員とオブザーバー5名、ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長、ラクェル・モーラ補佐、アジア太平洋地域から、テレーズ・ブライアント世界女性委員会副議長(オーストラリア)、アンジャリ・ベデカーUNI-Apro女性委員会議長(インド)、本田小枝子世界女性委員(日本JSD)、小川陽子UNI-Apro女性活動担当部長が参加した。
マクガイヤー新議長は4地域の議長とUNI本部の局長が新しくなった新委員会の開催に際し、2008年10月のUNI-Apro女性委員会会議出席の体験に触れ、共に活動すればいろいろな課題を動かすことができると述べ、生き生きとしたUNI女性のネットワークを作っていきたいと語った。

ジェニングスUNI書記長は、新議長・局長のチームでの今後の活動を期待し、次のように述べた。「新しいロゴを決めたが、Nの中には女性がいる。UNIは成長に焦点を当て、UNIのメッセージを伝えて変化を起こしていく。UNIの8人の政策担当者は全員女性で、UNI内のジェンダー・バランスは良好だと考えている。組織化と教育を合体して束ねる組織局長にはアドリアナ・ローゼンツヴァイクが就任の予定で、100万スイスフランの組織化ファンドを作る。UNIはメッセージ性、働く人、仕事のアプローチに焦点を当てた客観的目標志向的方向をめざしていきたい。」
本委員会の特記事項としては、将来的にUNIの意思決定機関における女性の割合を40%にすることをめざして、当面の措置として2010年長崎UNI世界大会にUNI世界執行委員会の構成を変更する規約改正の動議を提出することを決定。その内容は世界執行委員選出各エリアから女性代表1名を選出するというもので、これにより世界執行委員は20名の増加となる。
更に、第3回UNI世界女性大会のテーマを「Women Breaking Through Together」とすることに合意し、大会の構成、基調講演候補者を確認した。

また、6月に退任予定の本田委員の、これまでのジェンダー平等推進及び国際労働運動への貢献に対し、感謝の言葉と花束が贈られた。
翌30日には、長崎女性大会作業部会が開催された。


UNI-Apro P&MS(専門職・監督職)委員会/UNI-Apro P&MSフォーラム

newsImage UNI-Apro P&MS委員会が4月21日、UNI-Apro P&MSフォーラムが4月22~23日に、開催され、海外からの参加者を交えて活発な議論がかわされた。


 UNI-Apro P&MS(専門職・監督職)フォーラムが4月22-23日、東京・NTT武蔵野研究所開発センタで開かれ、海外8カ国からの参加者48名を含む約130名が参加した。
このフォーラムは、UNI-AproにおけるP&MS(研究・開発等の専門職労働者や中間管理職労働者)の課題認識の共有ならびに意見交換等を行う場として、UNI-AproとNTT労組が共催で開催しているもので、今回が第3回目となる。

 P&MSは近年急速に成長しており、2008年時点でUNI加盟組織のうち370労組130万人がP&MSメンバーだと申告されている。UNIでは欧州を中心に、革新的な手法でP&MSを組織化し、P&MS労働者の権利獲得・向上に取り組んできた。一方、日本が属するアジア太平洋地域では厳しい状況が続いている。しかし、ネパールでUNIに加盟している6組織のP&MSメンバーが全国P&MS協議会を組織したり、インド初のIT関連専門職労組UNITESが2005年に設立されるなど、一定の成果もあげている。

今次フォーラムのメインテーマは、「アジア太平洋の専門職・監督職のための革新的な労働組合」。まずセッション1では、「P&MSの倫理的、社会的、職業的責任――持続可能なビジネスと雇用のために」をテーマに、ジャヤスリ・プリヤラルUNI-Apro P&MS担 当部長が導入報告を行なった。続いて、石川耕治損保労連委員長は米国金融危機による日本の金融産業への影響と企業の持続可能性について報告。社会的価値、 誠実さ、プロフェッショナルの論理を保つことが企業の長期的発展につながると述べた。また、川橋学サービス・流通連合政策局部長は、昨年UNIと結んだ高島屋グローバル枠組み協定を紹介し、基盤となる労使両者の社会的責任の追及により、企業価値の向上が可能だと説明した。

セッション2では、「P&MSを労働組合に勧誘、組織化、サービス提供、維持するための新しい革新的アプローチ」をテーマに、ゲルハルド・ローデ UNI P&MS局長が講演。「P&MSは日々の業務において常に革新的であり、新しい解決策を見つけ、型にはまらない視点で考えなければならない。P&MSは労働組合よりも職能協会を好むという調査から、新しいパートナーシップとして職能協会から学べることを分析し、協力の可能性について検討が必要だ」と述べた。また、深山篤NTT労組持株本部武蔵野地区通研分会長は、「NTTの研究開発者と労働組合の過去・現在・未来」と題したプレゼンで、フレックスタイム制や裁量労働制、在宅勤務といった働き方を導入した経緯やそのシステムについて紹介した。

さらに、「P&MSのディーセントワークとワークライフバランス」をテーマとしたセッション3で は、篠田武司立命館大学教授が導入報告を行った。報告の中で篠田教授は、ワークライフバランスは「安心社会」の実現に貢献すると言及。「そのためには、政 労使それぞれが役割を担う必要がある。特に労働組合は、労働協約の締結や法制化の要求により、特定の労働者のみならず社会全体のワークライフバランス実現 に寄与できることからも、その役割は極めて大きい」と述べた。続いて、中澤伸哉情報労連政策局員は、日本の情報サービス産業の魅力を高めつつ働く者が生き 生きと働ける環境にするために、業界のガイドラインを策定するなどの取組みを紹介。千頭洋一UIゼンセン同盟労働条件局副部長は、管理監督者等の時間外労働等への対策について、UIゼンセン同盟が設定する管理監督者等の判断基準などを紹介した。

最後に、結論と「今後のための結論とプライオリティ」を確認。①倫理的・社会的責任②イノベーション③ワークライフバランスの3つの観点から、P&MS活動を推進するうえでの一定のガイドラインを策定した。
最後に、福地英明NTT労組持株本部委員長が閉会挨拶をし、「ヒューマンネットワークを最大限に活用しながらアジア太平洋地域に集まる労組が連携し、各地域の実情を踏まえた上で、P&MSの組織化と発展を追及することが重要だ」と述べた。


Stepping Up Solidarity! JP労組ユースネットワーク

私たち、日本郵政グループ労働組合(JP労組)は、2007年10月22日、郵政事業の民営・分社化という経験したことのない大きな環境変化の中で、「真に組合員の幸せの実現」を目指し「友愛・創造・貢献」のシンボルフレーズのもと、約22万人の組合員によって日本最大の単一労働組合を結成しました。
青年組織は、「ユースネットワーク」という名称により、30歳以下の組合員によって、①JP労組が将来にわたり、活力ある組織として発展していくため、青年の柔軟な思考力、想像力、活発な行動力をのばし、組織の将来を担う人材を育成する、②学習活動、レクリェーション活動を行うことを通じて、青年同士のコミュニケーションの促進を図り、組織の活性化につなげる、③組織活動への参加を通じて、個人の人格形成を図り、青年の自己実現を目指すことを目的に設置され、約4万人の組合員で構成されています。
このユースネットワークは、中央本部にコントロールタワーとなる中央ユースネットワークがあり、地方から選出された25名の中央常任幹事会で構成されています。この中央ユースネットワークの下に、13の地方本部に地方ユースネットワーク、60の連絡協議会に連協ユースネットワーク、427支部に支部ユースネットワークを設置し、中央ユースネットワークの活動計画をもとに、各ユースネットワークが活動を展開しています。
中央ユースネットワークは、JP労組の未来を担う青年層の交流と様々な分野において活躍できる人材育成を視点に置いた活動を展開するため、「広げようユースネットワーク ~ Youth be ambitious ~」をキャッチフレーズとして掲げ、積極果敢に未来に向かってチャレンジしています。

主な活動を紹介します。

写真による壁画の作成
ユースネットワーク組合員の連帯感を醸成するため、日本地図をモチーフにした縦3m×横4mの顔写真の壁画作りに取組んでおり、6月の第2回定期全国大会及び中央ユースネットワーク第2回定期総会の各会場に掲出します。

国際貢献活動(リサイクル・ブックエイド)
現在アジアでは、8人に1人の子どもたちが小学校に通えずにいます。理由は貧困、校舎や先生の不足、教材の不備などです。社団法人シャンティ国際ボランティア会は、アジアの国々において、図書館の運営や民話絵本の出版、教員の育成などの活動を行っています。
リサイクルブックエイドとは、各家庭で不用になった本・CD・DVDなどをBOOKOFF(ブックオフコーポレーション株式会社)が買い取り、買い取り代金がシャンティへの寄付金となるシステムを活用して国際協力を行うものです。
まだ活動を開始したばかりですが、小学校の建設に向けて取組み、将来はユースネットワーク組合員の現地視察を考えています。

国内貢献活動(書損葉書集約による社会福祉協議会への福祉機材の寄贈)
年賀葉書のお年玉抽選日である1月25日を中心に、2月~3月を強化月間に設定して集約に取組み、毎年6月に開催する全国大会会場所在地の社会福祉協議会の要望する福祉機材(車椅子など)を購入して寄贈する予定です。全国大会は、全国13地方本部を一巡することになっていますので、継続した取組みを行っていきます。

広報活動
①月2回発行のJP労組新聞を活用しています。第1月曜は家庭版として、全ての組合員の自宅に郵送。第3月曜日は職場版として全ての職場に郵送しています。ユースネットワークの活動を掲載して、組合員と家族に周知と協力のお願いを行っています。
②ホームページの組合員専用サイトにユースネットワークのページを設け、各地方の活動を紹介しています。また、青年層の各種情報取得ツールは、携帯電話が主流になっていることから、ホームページを補完することを目的に、青年層や組合員ニーズの高い情報に限定した携帯サイトを昨年の9月に立ち上げ、ユースネットワークの活動を紹介しています。

まだまだ、スタートしたばかりのユースネットワークですが、今後も、「明るく、楽しく、元気よく」を基本に、組織が力強く活動するため、失敗をおそれずに果敢にチャレンジしていきます。
結びに、UNIとユースネットワークの関わりですが、毎年2回開催されているUNI-LCJユース英語セミナーには、ユースネットワークから参加者を募り、組織からの要請ではなく、自主的参加を基本に取組んでいます。UNIのことを多くの組合員に理解していただき、UNI-LCJの活動を盛り上げていきたいと考えています。
第3回UNI世界大会まであと1年7ヶ月。JP労組は、交通チームを担当しますが、世界各国から迎える仲間の皆さんに、思い出に残る世界大会となるよう、JP労組も全力で取組んでまいります。
(JP労組・中央執行委員小澤雅仁)

これまでにUNI-LCJユース活動に参加した2名の近況報告です。

近畿地方本部・佐々木舞さん-第2回UNI-LCJユース英語セミナー(2006年11月)及びモンゴル青年・女性セミナー(2007年7月)に参加
今、私は郵便局での仕事と組合でのユースの活動をしています。正直、両立するのが難しいです。何度も辞めたいと思ったことがあります。ですが、UNIの活動でモンゴルに行った時から「私はもっと頑張れる! 頑張らなきゃ!」と思いました。
モンゴルでは多くの女性が男性の少ない職場で一生懸命仕事をし、また組合活動を通して、より良い職場になるようにあらゆる努力をしています。私はその時、あまりのすごさに「私ももっと頑張れるんじゃないか」と感じました。
日本に帰ってきてから今まで、とにかくモンゴルの女性の方々に負けないよう、いろいろな事に積極的に取組んでいます。そして、多くの人に知っていただこうと様々な場所でUNIでの経験を話しています。
モンゴルのユースの多くは英語を話せ、女性は強い意志を持っている。JP労組もそんな風になれたらいいな!と思っています。
またモンゴルに訪問する機会があれば、是非参加させていただき、モンゴルの取組みを教えてもらいたいです。

九州地方本部・里 永さん-第5回UNI-LCJユース英語セミナー(2008年5月)及びフィリピン青年・女性セミナー(2008年10月)に参加
私は、フィリピン・パヤタスのことを「世界がもし100人の村だったら」という番組で知った。それを見た夜は、よく眠れなかった。
パヤタスの現状を見て、生活がガラっと変わると思っていたが、小さな変化で、今現在、パヤタスのためにやっていることは、恥ずかしながら、一つもない。日本とフィリピンの違いを思ったりするぐらいだ。日本人は、細かいことまで気にする民族で、これは、日本人が経済的に恵まれていて、日々暮らすことに精一杯でなく、細かいことまで目が行くからか、日々を過ごすことに一生懸命だからこそ、細かいところまで目を配るのか…という具合に。
これからは自発的に、世界の子どもたち、大人の人たちについて正確な知識を得ていかなくてはならない。


米国PE協会、信用投資ガイドライン発表

米国プライベートエクィティ協会(USPEC)は、信用投資のガイドラインを発行した。このガイドラインは、労働組合を代表して行動規範を求める交渉に取組んでいるUNIのものと混同してはならない。参考になる点があるとしても、USPECのガイドラインは我々のイニシアティブとは別物である。
USPECの信用投資についての新ガイドラインの作成は、責任投資原則(PRI)に調印した投資家グループによって決定され、藩基文国連事務総長のイニシアティブによるものである。巨大な年金ファンドを含め、投資家は責任投資の原則に署名し、支持するよう促されている。このコンセプトは、以下の通りである。

責任投資原則
我々は機関投資家として、受益者が長期的に最大限の利益を得られるように努力する責任がある。この受託者の役割として、我々は環境・社会・コーポレートガバナンス問題が投資ポートフォリオのパフォーマンスに影響を及ぼすことがあると確信している。(企業、産業、地域、資産クラスや時期によって程度は異なる。)また、この原則を適用することで、投資家がより広範囲の社会目的を果たすことができるだろうと認識している。よって、受託者責任に従い、我々は以下の事項へコミットメントを宣言する。
1.我々は、投資分析と意思決定のプロセスに環境・社会・コーポレートガバナンス問題を組み込む。
2.我々は、積極的な所有者になり、所有権の方針や慣習に環境・社会・コーポレートガバナンス問題を組み込む。
3.我々は、投資対象に環境・社会・コーポレートガバナンス問題についての適切な情報開示を求める。
4.我々は、投資産業の中で本原則が受け入れられ、実行されるよう働きかける。
5.我々は、本原則を効果的に実行できるよう協働する。
6.我々は、本原則を実行する際の活動と進捗状況を報告する。

順守もしくは説明のアプローチには、どのように原則を実行していくか報告する、もしくは従わない理由の説明をすることが求められる。
責任投資原則は、環境・社会・コーポレートガバナンス問題が投資に対して与える影響が大きくなっていると認識している、国際機関投資家グループによって作成された。このプロセスには、国連事務総長も関与した。
本原則に署名するにあたり受託者責任によって、我々は投資家としてこれを採択し実行することを公的に約束する。さらに、我々は内容の効果を評価し、改訂することを約束する。これによって受益者に対するコミットメントの質を向上していく、そして我々の投資活動が広範囲にわたる社会的利益に合致するものと確信している。
我々は他の投資家にも本原則を採択するよう推奨する。


第10回UNI-LCJ年次総会

2009年2月18日、第10回UNI-LCJ年次総会が開催され、桜田JSD会長が議長を務めた。活動報告では、日本で初めての髙島屋グローバル協定調印を中心に、海外活動の成果などが報告され、活動計画では、いよいよ100万人達成へ最後の年との認識で、諸課題に取組むことが決定された。UNI-LCJは、今年985,200人を達成し、第3回UNI世界大会(2010年、長崎)に向けて着実に歩を前に進めている。総会は、ステートメントを採択、経済危機に対し闘う決意を固めた。
また、特別講演として髙島屋労組の村田委員長、小熊執行委員が、DVDによる上演を含め、「髙島屋グローバル協定」について説明した。総会に引き続き、レセプションが開催され、クリストファー・ウンUNI-Apro地域書記長も参加、「ASEANにおけるUNIの前進」を報告、その後参加者との懇親を深めた。


ILO金融部門フォーラム

2009年2月24~25日、スイス・ジュネーブのILO本部において、金融部門労働者に対する金融危機のインパクトに関するILOグローバル対話フォーラムが開催され、政労使約150人が参加した。日本からは損保労連・石川委員長、久保田事務局次長、生保労連・加藤書記長、井坂政策局員、UNI-Aproの伊藤東京事務所長が出席した。
本フォーラムは、以下の3つの議題について、政労使それぞれの立場から対話を行った。
①金融危機が世界レベル、地域レベル、国レベル、企業レべルで金融産業にどのような影響を与えているか。
②政労使は、金融労働者が危機に対処するのをいかに支援できるか。
③危機からいかなる教訓が得られ、どのような政策が有効であるか。また政府、使用者、労働者団体、ILOの役割はどうあるべきか。
本フォーラムは以下の通り結論文書を採択した。

結論
1.世界は、深刻化する金融・経済危機に直面している。先行きは不安な状態で、既に雇用と生活に直接の影響を受けている国もある。その度合は、国によっても産業によっても異なる。ILOと三者会議構成者は今後の展開を監視し、目下の国や産業の枠組みを超えて社会的・労働的影響を予測する必要がある。銀行への信頼を取り戻し、金融システムの今ある問題を解決することが、世界経済を復興させる第一歩である。

Part1.金融危機に関する討議でILOと三者会議構成者に発言権を与えること
2.金融システムを安定させ改正することは、経済・規制だけに関わる問題ではない。変化は、銀行・保険会社・その他金融サービスの労働及び社会的側面(仕事、雇用、社内業務手順と労働条件など、慣例、技能の必要性、社会的保護などへの影響)に作用し、また影響もされる。
3.金融安定化フォーラム、G20やその他フォーラムなどは現在の危機を招いた問題を回避するため、規制を改善し、金融市場を安定化する方法を活発に議論している。改革は広範囲に渡り、国際的なものになるだろう。金融サービス部門の全ての機関・労働者に影響する可能性がある。ILOは積極的にこれらのフォーラムに関わり、世界対話フォーラムの結果が配慮されるように努めなければならない。
4.世界、地域、国家レベルで、ILOは金融危機が雇用に与える問題に取組むために三者連携を促進する活動を行う。国際機関の中でILOは、組織もその構成者も充分関与できるように、国際的議論の場において、構成者の仕組みと専門性をもつ機関である。今後は金融・経済危機がその他部門に与える社会的及び労働への影響を調査していく。

Part 2. ILOの対応
5.金融部門の社会パートナーと連携し、金融危機の影響や雇用改革、部門の社会的及び労働面の調査をする一連の流れを作るべきである。
6.ILOは金融部門の情報を収集し、雇用傾向を観察、分析する。また、国際機関による金融危機対策に対し、雇用・社会及び労働面において助言を与える。ILO金融部門構成者は、このことに大いに関わっていかなければならない。そしてILOは結果を直ちに周知させなければならない。
7.ILOはこれからの2年間、また次の2年間に渡って金融危機による社会・労働面への影響に関する取組みを最優先とする。また、政府や社会パートナーと連携し、問題点に対する特別な行動計画を展開していく。
8.ILOは、政府や社会パートナーが、金融危機と改革プロセスの社会・労働面の問題に取組むための地域及び国家レベルでの援助を行う。

Part3.効果的政策対応
9.危機的事態を落ち着かせるための、国の補助金や救済措置などの改革プロセスにおいて、団結権、団体行動権、団体交渉権を含んだ「1998年労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」を十分に考慮すべきである。更に、労働・社会面に関しては、マクロファイナンスから多国籍企業、民間企業から公営企業まで広範囲に渡って社会パートナーと連携していく。
10.社会対話には金融危機の影響を和らげ、解決策を探すという重要な役割がある。同様に情報と協議も多国籍企業においては重要であり、任意のグローバル枠組み協定が鍵となり得る。組織再編は、経営側、労働組合、労働者代表間の対話に基づいて適正な方法で行われるべきである。協議が遂行できるように、組織再編の情報公開は彼らに適切な時機に行われなくてならない。
11.過剰人員についてはよく配慮し、解雇は最終手段とする。また、労働契約は尊重されなければならない。
12.政府、使用者、労働団体は社会対話の中で、労働者が変化に対応していけるように支援するため、技能強化、生涯学習、活発な労働市場政策を通じて労働者の雇用可能性を守らなければならない。解雇の問題に取組むために、全ての労働者に訓練または再訓練の機会が与えられ、労働市場の要求に応えられる技術を身に付けられるようにする。そのための訓練方法と資金繰りについては検討する。
13.現在、金融サービス業で組織再編が行われる中、多くの女性従業員が危険にさらされている。適正な政策の基本方針がゆるがないように特別な配慮がなされるべきである。また、非正規労働者も公平に扱われなければならない。
14.国の補助金や政府の救済措置は市場原理に基づき、産業の部門や国を超えて、労働分野の社会パートナーの自主性に関して公平でなければならない。
15.政策の首尾一貫性と、地域または国際協調によって金融危機を悪化させる保護貿易への対策ができる。
16.「多国籍企業と社会政策に関する三者宣言(ILO・MNE宣言)」、「1998年労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」、「2008年公正なグローバル化のための社会正義宣言」は、ILOが政策対応に貢献できるような基本方針である。「2007年持続可能な企業の促進に関する国際労働会議の結論」も同様である。


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