郵便労働者の連帯が開く、スリランカの次世代の未来

2026年8月26日、スリランカ・コロンボで開催された「第12回 UNI Apro・JP労組関東地本奨学金授与式」において、スリランカの郵便労働者の家庭から21人の若者が教育支援を受けた。

奨学金の受給者は女性12人、男性9人で、それぞれ異なる教育段階にある。大学入学に向けて「Aレベル(大学進学資格試験)」を修了する学生に加え、大学で2年以上の教育課程を修了した学生も支援の対象となっている。

学生たちが現在学んでいる、または今後専攻を希望している分野には、工学や医学が含まれる。女性受給者12人のうち9人が、主に工学を中心とするSTEM(科学・技術・工学・数学)関連分野を専攻、または専攻を予定している。また受給者のうち2人は医学を学んでいる。

今年、奨学金受給者選考委員会は、従来の学力試験にとどまらない新たな選考方法を導入した。今回初めて、従来のIQテストに代えて、チームワーク、問題解決能力、知識を実際に活用する能力を評価する方式が採用された。また、一次選考もオンラインで実施された。

選考委員会のジャヤスリ・プリヤラル委員長は、この変更について、若者には協力して物事に取り組み、技術・環境・社会の新たな課題に対応する能力が求められていることを反映したものだと説明した。また、教室での学習にとどまらず、自ら知識を深め、デジタルツールを学習に活用している応募者の姿勢も高く評価された。

学生たちの能力は、授与式そのものにも表れていた。奨学金受給者のギムハン・サマラウィーラさんが、式典の招待状とプログラムをデジタル技術を用いてデザインしたのである。

受給者を代表して挨拶したD・パシンディ・ディネルカ・アルウィスさんは、この奨学金は経済的な支援にとどまらないと述べた。学業を続け、目標に向かって努力するための励みとなり、自信を与えてくれるものでもあるという。彼女は、家族による支援に感謝の意を示し、学生たちには与えられた機会を有意義に活用する責任があると語り、「いつか私たちの誰かが、別の学生の夢の実現を手助けできるようになるかもしれない」と述べた。

この奨学金制度は、2002年に日本の郵便労働者の支援を受けて創設され、当初は10人の学生を支援していた。それ以来、150人を超える若者が支援を受けてきた。これまでの受給者の多くは大学を卒業し、医師、技術者、看護師、語学専門家、ジャーナリスト、ファッションデザイナーなど、さまざまな専門職に就いている。

この制度は、経済的な支援にとどまらない。JP労組関東地方本部は、奨学金受給者から寄せられた感謝のメッセージや近況報告を日本の組合員と共有し、自分たちの支援がどのような成果につながっているのかを伝えている。こうした報告は、組合員の間で制度への理解を深め、継続的な激励と支援を生み出してきた。

JP労組関東地方本部の八十島飛成 執行委員が代読したメッセージの中で、JP労組関東地方本部の齋木健志委員長は、この奨学金制度は、日本とスリランカ両国の郵便労働者の間に築かれた強い結びつきから生まれたものだと述べた。そして「この奨学金授与式そのものが、UNI、スリランカの郵便労働組合、そしてJP労組関東地方本部の間に長年にわたって築かれてきた友情と連帯の象徴であると信じている」と語った。またこの制度は、UNIを通じて25年以上にわたり続いてきた日本とスリランカの郵便労働者の交流と協力によって育まれた信頼と友情を反映するものだと付け加えた。最後に同委員長は、21人の受給者に祝意を伝えるとともに、この機会を最大限に生かし、それぞれの目標を追求して未来を切り開いてほしいと激励した。

この奨学金制度は、回を重ねるごとに、若者を取巻く状況の変化に対応してきた。2019年の第9回奨学金授与式では、これからの仕事の世界で求められるスキルが取り上げられた。スリランカが深刻な経済危機に直面していた時期には第10回奨学金授与式が開催され、2024年の第11回授与式では、新型コロナウイルス感染症の影響による中断を経て、5年ぶりに参加者が対面で集うことができた。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「JP労組関東地方本部は、20年以上にわたり、この奨学金制度への継続的な資金援助を通じて、国際連帯への強いコミットメントを示してきた。UNI Aproは、この意義深い取組みに参加できることを光栄に思う。第12期の受給者21人に祝意を表したい。皆さんが教育を通じて得たものを生かし、それぞれの地域社会や社会全体に貢献していくことを期待している」と述べた。

奨学金授与式は、2026年8月26~27日にコロンボで開催された第7回UNI Apro郵便・ロジスティクス部会大会の開会セッション後に行われた。これにより、大会に出席していた地域と世界の郵便労組のリーダーたちが、奨学金受給者とその家族と交流する機会が生まれた。

式典には、JP労組委員長を務める安達正美UNI Apro郵便・ロジスティクス部会議長、ジャン・シンプソンUNI世界郵便・ロジスティクス部会議長、コーネリア・ベルガーUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長、ルワン・サトクマラ・スリランカ郵政長官のほか、JP労組関東地方本部の代表者やスリランカの郵便労組のリーダーたちが出席した。

スリランカ国内では3つの郵便労組(UPTO、NPTWU、SLPTSU)が、UNI Aproおよび奨学金選考委員会とともに、この制度を共同で支えている。