韓国保健医療労組、新型コロナウィルス撲滅と医療制度改革のために団結

世界は、公衆衛生上、近年まれにみる最悪の危機に直面しているが、韓国の新型コロナウィルス対策は、他の感染国が見習うべきモデルであると称賛されている。UNI加盟組織の韓国保健医療労働組合(KHMU)が代表する医療従事者は、ウィルスを抑え込むための国の効果的な対策の中心で奮闘している。

新たな感染率や致死率が抑えられたのは、強く団結した韓国保健医療労働者の対応があったからであり、国民から労働者への支持は大きくなった。組合は、4月15日の総選挙までの間に、韓国の医療制度に必要な改革を要求するために、この支持を追い風にしている。要求事項として、国立感染症予防病院、国立公共衛生大学院、及び公立病院のスタッフ増員が加えられた。

「韓国の医療従事者は、新型コロナウィルス撲滅に向けて、いかに協力すべきかを世界に示してくれた」とクリスティ・ホフマンUNI書記長は称えた。「社会がうまく機能するためには、強固な保健医療制度において、勤勉で高度に訓練された医療従事者が守られていなければならない。この緊急事態に学んだことがあるとすれば、政府と使用者は、いかなるウィルス対策においても、人間を優先するために必要なことをすべきだ、ということだ。」

韓国の感染発生の震源地である大邱医療センターの看護師たちは、ほぼ常時(椅子や床で仮眠をする間でさえ)レベルDの特別防護服、二重の手袋、特殊ヘルメットを身に着けて、12時間シフト2交代で患者の世話に当たった。看護師の1人は、「家族のことがとても心配だったけれど、夫が子供たちの世話をするから心配しないでと励ましてくれた。人々の命を守るために一生懸命働きたい」と語った。

大邱のスタッフの負荷を軽減するために、韓国の他の地域からの医療スタッフが加わった。3月14日、ソウルの国立医療センターで働く看護師24人(KHMUの組合員)が、大邱に向けて出発した。アン・ソギュンKHMUソウル支部長は、出発前の看護師たちに、「大邱市で看護師不足が続いてると聞き、リスクを承知でこの困難な決断をした。最善を尽くしてほしい」と激励すると共に、無事を祈った。

労働者と患者を守る

ソウル大学校のユ・ビョンソン教授が、最近、ミョンジ病院の医師、看護師、事務スタッフ1300人を対象に調査をしたところ、53.4%が感染リスクにさらされていることが判明した。回答者の多くが、業務の激増により疲弊していると訴えた。そこでKHMUは、医療スタッフへの支援を政府に要求した。

KHMUの働きかけが奏功し、政府は医療従事者を守り補償するための補足的対策を発表した。これにより、現在コロナウィルス治療に当たっている計2124人(医師1128人、看護師793人、スタッフ203人)に、超過勤務手当が補償され、休憩時間が増やされ、マスクが追加支給される。

団結した迅速な対応

韓国における新型コロナウィルス感染数は、31人目の陽性患者(海外渡航歴なしの61歳女性)がスーパースプレッダー(感染拡大の感染源)となった1月後半に急増し始めた。この女性は、韓国南部の大邱市にある新天地イエス教会の礼拝に参加していた多くの信者を無意識に感染させた。この教会は、韓国全土に28万人の信者を抱える。

陽性確定数が増加するにつれて、大邱市長は、医療人員不足のため、韓国全土に支援を訴えた。各地の医師や看護師が支援要請に応じた。アン・チョルス野党代表も病院のボランティア活動に妻と共に参加した。多くの医師が彼らの医院を一時閉鎖して大邱に駆けつけた。

KHMUは、このような献身的な労働者の努力を称えるため、彼らに感謝のメッセージを送るよう、ソーシャルメディアキャンペーンを立ち上げた。国中から、愛と感謝のメッセージに加え、食料や果物が続々と寄せられている。


スペインの労働組合、新型コロナウィルス対策としてスーパーマーケット労働者の保護を確保

スペインの商業労組は、仕事が激増し、従業員に新型コロナウィルス感染の恐れが高まる中、スーパーマーケットで働き続ける労働者のためにより良い職場の安全衛生環境を確保した。

UNI加盟組織である、UGT商業部会及びCCOOサービス部会は迅速に、使用者に様々な保護を要求し、既に、労働時間の短縮、パート労働者数の増員、全労働者へのマスク・手袋の支給等を勝ち取った。

クリスティナ・エステベスUGT商業部会書記長は、次のように訴えた。「スーパーマーケット労働者にも健康を維持する権利がある。そして、このような権利は全ての労働者に保証されるべきだ。」

組合はまた、過重労働に対する金銭補償、入店人数制限、ウィルス拡散から人々を守るために顧客に一定の距離をとらせる制限の厳格化も要求している。

スペインのスーパーマーケットチェーンのメルカドーナは、従業員の献身を称え、9万人の労働者の3月分の給与に20%上乗せした。

しかし、新型コロナウィルスによる特別な状況下で、客がスーパーに押し寄せ、労働者は悲鳴をあげている。

「このところ、商業部門、とりわけ大型スーパーで働く私たちは、最悪の経験をしている。人々はパニックに陥り、店舗に押し寄せてくる」と、レジ係で組合員のヴァネッサ・バルコは嘆いた。「私たちにも家族がいるし、何よりも危険に晒されて怖いのに、そんな思いは配慮してもらえなかった。組合があったおかげで、私たちの健康が保障されるよう要求できた。」

CCOOサービス部会の商業部門を担当するアンヘレス・ロドリゲスは次のように述べた。「私たちがまさに経験しているように、健康がリスクに晒されているにもかかわらず、労働者の健康よりも売上を重視するスーパーマーケットがあるのは残念だ。人々のために働くことで感染の危険に晒されている労働者がいることを認識すべきだ。」

UGT及びCCOOは団結して、業界を問わず、政府に労働者の保護を要求し、契約解除された労働者への失業手当給付、ローンの支払い猶予、経営困難に陥っている会社への特別支援金等を確保した。

「危機の時こそ労働組合は、組合員と国民の健康を守るために取組みを強化している」と、マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は強調した。「スペインでも、そして世界各国で組合は頑張っている。」


韓国のUNI加盟組合、コールセンターにおける感染拡大防止策を要求

UNI加盟組織である韓国事務金融労連(KFCLU)及び韓国サービス労連(KFSU)は、業務委託先での集団感染を受けて、コールセンター労働者を守るための緊急措置を要求する緊急共同声明を発表した。コールセンター労働者は、狭い職場に詰め込まれていることが多いため、感染リスクが高い。

この声明は、3月10日に保険会社の委託先コールセンターで新たなクラスター感染が発生したとソウル市が発表した後に出された。労働者とその家族、合わせて90人が新型コロナウィルス検査の結果、陽性と判明した。労働者の多くは組合員である。

共同声明は、委託元の保険会社に、委託先の雇用を守り、他のコールセンターに契約を切り替えないよう要求すると共に、この危機に際し企業は社会的責任を果たすよう要請した。労働者は、応対ノルマを達成するよう会社側からプレッシャーをかけられていると訴えたが、適切な予防措置が取られていないのは明らかだ。

組合はまた、感染した労働者を助けるため、特別災害予算から生活費支援を支給するよう政府に要求した。KFCLUは、雇用労働省に対し、安全な職場環境を保障するために、隔離及び予防措置に関する政府のガイドラインを遵守するよう、コールセンター会社の徹底調査を迅速に実施するよう要請した。ソウル市は、ウィルス対策の準備状況とこれまでに取られた措置について、公的機関及び民間企業によって運営されるコールセンターを調査する意思を示している。

KFSUは、職場の問題を浮き彫りにするため、3月11日に記者会見を開いた。カン・ギュヒョクKFSU委員長は会見で、職場の感染防止措置は不十分であると訴えた。

KFSUは、感染した労働者にコストを押し付けないよう、委託元の保険会社への要請を繰り返した。記者会見で会社に出された主な要求は、個人用保護具の支給、体温計設置、隔離または強制休業させられた労働者への賃金支払い等、職場に必要な措置を取ることである。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、韓国加盟組織が行った要求を支持し、次のように述べた。「我々の加盟組織のメンバーが今まさに、世界的に発生している健康上の脅威に直接晒されていることは残念である。まずは、感染した組合員とその家族の一刻も早い回復を、更には、彼らの雇用が守られ、休業中も賃金が支払われることを願っている。加盟組織は、この危機的状況において、影響を受けた労働者の声を代弁する極めて重要な役割を果たしている。UNIは加盟組織の取組みを全面的に支援する。」


カナダ郵便労組、ギグ労働者に歴史的な勝利

UNI加盟組合であるカナダ郵便労組(CUPW)は、2020年2月25日、ギグ労働者のために大きな勝利を収めた。オンタリオ州労働委員会が、フードラの配達員は、依存的契約労働者(dependent contractor)であるとの判決を下したことにより、組織化し組合を結成する法的権利が与えられたのだ。

この歴史的な判決の中で、CUPW及びフードスターズ・ユナイテッドは、配達員はフードラが主張するような独立請負人(independent contractor)ではないと主張し、認められた。独立請負人と分類されると、配達員は組合に加入することができず、フードラは使用者の責任を逃れることができた。

ヤン・シンプソンCUPW委員長は、「この判決で、オンタリオ州の数千人ものギグ労働者のために形勢が変わってきたと言える。間もなく彼らは組合に入る権利を手にするだろう。CUPWは、このフードデリバリー・アプリ大手に挑み、労働者の権利と安全、尊重を確保し、このような仕事の未来を形作ることに関与できて誇りに思う」と喜んだ。

フードラでの受注ベースの賃金支払いモデルは、食事配達プラットフォームで働く配達員にとって、受注が少ない時には往々にして最低賃金にも満たない賃金しか受け取れないことを意味する。一方、自転車、自動車、スクーターの維持費に数千ドルを費やさなければならない。配達員の殆どが働くオンタリオ州都トロントの路上で、怪我や事故の危険性にも晒されている。

「この判決は単なる勝利ではなく、プラットフォームで働く我々労働者自身が管理職であるとか、プラットフォームから保護を必要とせずに業界に参入する起業家だという議論を完全に切り捨てた。我々は労働者であり、それもきつい仕事だ。起業家ではない」とフードラの配達員は述べた。「依存的契約労働者だと裁定されたので、カナダの全てのギグ労働者に組合結成のドアが開かれた。カナダ最大の都市の大手プラットフォームで足掛かりをつかんだのだから、プラットフォーム経済で働く労働者の保護、尊重、ディーセントな賃金を求める闘いに他の労働者が加わるのは確実だ。」

この訴訟は、多くのギグ労働者や組合に注目され、プラットフォーム上の労働条件も脚光を浴びていた。そのおかげで、労働者の問題や権利についてより良い規制を求める機運が高まっていた。

「CUPWの勝利は、フードラ配達員だけでなく、カナダの全てのギグ労働者にとって大きな第一歩だ。スイス、オーストリア、ノルウェーの組合がプラットフォーム事業者と団体協約を交渉した後に続く朗報で、ギグエコノミーで働く労働者により良い保護を勝ち取る上で、また一歩前進した」と、コーネリア・ベルガーUNI郵便・ロジスティクス部会担当局長は称えた。

ギグエコノミー:インターネットを通じて単発の仕事を受発注する非正規労働によって成り立つ経済形態のこと。ギグとは本来ジャズの単発ライブ演奏を指した俗語であり、転用されて「単発の仕事」という意味で広く使われるようになった。

ギグ労働者:仕事を仲介するプラットフォームを通じて、自分の空き時間に単発の仕事を請け負う労働者。


商業部門に暴力やハラスメントを売る店は無い

3月8日、UNI世界商業部会は、UNI機会均等局と連携して、“商業部門に暴力やハラスメントを売る店は無い”と称する新たなキャンペーンを立ち上げた。

このキャンペーンは、仕事の世界における暴力やハラスメントの撲滅に関するILO第190号条約の批准を促進すると共に、商業部門における暴力やハラスメントの撲滅に向け、UNI世界商業部会加盟組織の取組みを支援することが目的である。

欧州生活労働条件改善財団(Eurofound)の労働条件調査によれば、商業・小売産業労働者は、仕事中にハラスメントを受けるリスクが極めて高いという。第三者(顧客)からの暴力が多発しており、特に女性労働者は悪質な嫌がらせに苦しんでいる。

UNI世界商業部会加盟組織が実施した調査でも、問題の深刻さが際立っている。SDAの調査によると、オーストラリアでは、小売労働者のうち実に85%が過去12ヶ月の間に嫌がらせを経験したという。多くの事例があるにも関わらず、暴力やハラスメントの報告件数は少ない。英国USDAWの調査では、店舗で暴力や脅迫を受けたことのある店員のうち、56%が使用者に報告しなかった。商業労働者の中には、「暴力、ハラスメント、嫌がらせ」は仕事の一部だと諦めている人もいる。

UNI世界商業部会加盟組織は、顧客からの暴力をなくすための画期的なキャンペーンを展開している。例えば、英国USDAWの「恐怖からの解放」キャンペーン、オーストラリアSDAの「誰も叱責されるいわれはない」キャンペーン、日本・UAゼンセンの「悪質クレーム対策」、米国RWDSU-UFCWの「小売業アクション・プロジェクト」等である。

「これらのキャンペーンは、グローバルに闘う勇気をくれるものだ」とマタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は絶賛する。「暴力やハラスメントは仕事の一部ではない。ILO第190号条約が認めている通り、誰もが暴力とハラスメントのない仕事の世界で働く権利を持っている。UNI世界商業部会とその加盟組織は、商業部門におけるこの権利の実現に引き続き取組んでいく。」

キャンペーンを通して、UNI世界商業部会は、

  • 商業部門における暴力とハラスメントの根絶に向け、国際的により高い基準を設定するため、グローバル枠組み協定の中に、より良いルールを盛り込むよう交渉する。
  • UNI世界商業部会の会議において、暴力とハラスメントに関する特別セッションを企画する。
  • 各国でキャンペーンを実施するよう、UNI世界商業部会加盟組織を支援する。
  • ILO第190号条約の批准のために、各国当局に加盟組織と共同で書簡を送付する。
  • 2020年11月25日に国際行動デーを企画する。
  • UNI世界商業部会加盟組織の優良事例を集め、共有する。

UNI世界商業部会は、商業部門における暴力・ハラスメント事例の分析、ILO第190号条約を理解するための簡単なガイドブック、商業部門における暴力・ハラスメント根絶に向けた10のアクション案等を含むキャンペーンツールキットを作成している。ILO第190号条約


3月8日、国際女性デー:労働の世界における暴力やハラスメントを撲滅するため、今こそILO第190号条約の批准を

今年3月8日の国際女性デーにあたり、UNIは世界中の加盟組織にILO第190号条約の批准を各国政府に要求するよう呼びかけている。この歴史的な条約は、2019年6月のILO総会で採択された。労働分野における暴力やハラスメントの撲滅を目指す、初めての国際基準である。

ILO第190号条約

しかし、この条約が発効するためには、2020年6月までに少なくとも2か国に批准される必要がある。これまで、ウルグアイしか批准していないが、アルゼンチン、フィンランド、スペインも批准をコミットしている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように訴えた。「ILO第190号条約は人生を変えることができる。その実現に向けて我々一人ひとりに果たせる役割がある。組合には、各国政府へのプレッシャーを倍加してほしい。この条約を批准しない理由はどう考えても無いのだから。暴力やハラスメントは、職場だけでなく、どこであっても許されるものではない。」

この画期的な条約は、あらゆる産業の全ての労働者を対象とし、とりわけ被害者は女性に偏っていることを認識し、特にジェンダーに基づく暴力やハラスメントに言及している。第190号条約は、職場に限らず、労働の世界全体を対象とし、顧客やクライアント、サービス提供者といった第3者からの暴力・ハラスメントも含む。

3月8日のアクションとして、商業部門で何百万人もの労働者を代表するUNIは“商業部門に暴力やハラスメントを売る店は無い”というスローガンで、流通労働者を守るキャンペーンを開始した。加盟組織に、ILO第190号条約の批准を各国政府に要求すると共に、職場における暴力やハラスメントを撲滅するための独自のキャンペーンを開始するよう、呼びかけるものだ。

UNIは既に、テレコム大手オレンジ社等、多国籍企業とのグローバル協定にこの条約の視点を盛り込むよう交渉している。加盟組織にも、ジェンダーに基づく暴力を禁止する強力な方針を団体協約に反映するため、第190号条約の文言をツールとして交渉に活用するよう奨励している。

UNIはまた、機会均等局の取組み(ニュース、キャンペーン、文書、その他情報等)をチェックできる、スマートフォン用アプリを立ち上げた。是非、「UNI Equal Opportunities」で検索してスマホにダウンロードして活用してほしい。

「3月8日に新たなアプリを披露できて嬉しい。このアプリを通じて、世界中の女性労働者に我々の取組みを知らせ、共有することができるようになる。ILO第190号条約の重要性や、暴力撲滅の取組みについて意識喚起を行う素晴らしいツールとなるだろう」と、ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長はアプリの効果に期待を寄せた。アプリは無料でダウンロードできる。(iOS及びAndroid対応)


米国の銀行で歴史的な組合結成!

何十年もかかって初めて、米国の銀行労働者は組合結成に成功した。

全米通信労組(CWA)は2020年3月2日、カリフォルニア州オークランドのベネフィシャルステートバンクで、従業員の過半数が組合結成に賛意を示し、組合の権利を勝ち取ったと発表した。

「大手銀行で20年近く働いた後、コミュニティに投資するというコミットメントに惹かれ、ベネフィシャルステートバンクに入行して誇りに思う」と、同行のデザレイ・ジャクソン部長補佐兼「より良い銀行委員会」メンバーは語る。「組合を結成するという歴史的な出来事に、コミュニティへの公約が実行されたことを実感している。これを成し遂げた1人として光栄に思う。銀行員は、自分達のため、同僚のため、顧客のために、仕事に対して発言権を持つべきだ。それは権利であり、公正なことだから。」

ベネフィシャルステートバンクの113人の銀行員が、「より良い銀行委員会」のメンバーでもあるCWAに加入する。組合を通じて、報復を恐れることなく、より良い賃金、労働条件を交渉し、仕事に関して意見を言うことができる。

窓口係からコールセンターまで、全米の銀行産業の労働者は、「より良い銀行委員会」に加入している。2008年の悲惨な金融危機と、2016年のウェルズファーゴ不正口座スキャンダルが二度と起こらないよう、より良い労働基準と消費者保護を要求するためである。不祥事は、「より良い銀行委員会」に加入していたウェルズファーゴ労働者によって暴露された。

差別、低賃金、過度な販売目標、内部告発者への報復等、組織上の問題が山積していた米国の金融産業は、組合組織率が最も低い。

「今日、ベネフィシャルステートバンクは銀行産業全体に前例を作った。このように組織上の変化を促すため、産業全体で労働者を組織化していきたい」と、CWAのオルグ、エリン・マホニーは意気込む。

「たいてい、パワーバランスは不当に使用者側にある。株主利益の最大化に専心する組織が人間や天然資源を搾取するような活動を推し進めるのを、幾度となく見てきた」とベネフィシャルステートバンクのランデル・リーチCEOは述べた。「経済システムの中でパワーの不均衡と闘うことに、ベネフィシャルステートバンクの存在意義がある。」

12月に始まった組織化の取組みに先立ち、ベネフィシャルステートバンクは、カードチェック(従業員が組合加入カードに署名する)プロセスの間、中立性を保つことに同意し、組合結成という労働者の権利を認めた。

「欧州でも、アジアでも、南米でも、アフリカでも、銀行員は、米国のようにハラスメントや脅しに遭うことなく、組合を結成し加入することができる」と、UNI世界金融部会のリタ・ベルロファ議長は述べ、「ベネフィシャルステートバンクの勝利は、世界中の金融労働者を勇気づけるものだ。金融産業で働く労働者の声を強化すると共に、米国の金融産業にとって転機となった」と喜んだ。


イタリアのUNI加盟組合、新型コロナウィルスの危機に直面し店舗従業員の安全を確保

イタリアのUNI商業部会加盟組合FILCAMS(イタリア商業・観光・サービス労連)は、新型コロナウィルスの影響を大きく受けている同国北部のロンバルディア州で、店舗労働者のための特別な対策を確保した。

FILCAMSは、ザラ、H&M、カルフール等の使用者から休暇と柔軟な労働時間を確保した。多くの学校が閉鎖される中、店舗労働者は子供達の面倒を見ることができる。また企業に、店舗用の消毒剤を提供すること、日中、手洗いができるようにすること、希望する労働者には手袋やマスクを提供すること等も約束させた。使用者は、強制的に閉鎖された場合の有給休暇を検討することも同意した。

FILCAMSミラノ支部、マルコ・ベレッタ書記長は次のように述べた。「新型コロナウィルスの深刻さが明らかになるや、我々は組合員を助けるために迅速に動かねばと思った。店舗労働者は人々と接する仕事ゆえに、ウィルスに感染しやすい。同時に多くの組合員は親でもある。学校が突然閉鎖となるような例外的な状況で、親として子供の面倒を見られるようにしたかった。我々の5点の要求は、ロンバルディア州で組合員を持つ全ての企業で受け入れられた。」

ミラノのザラで働くクラウディアは、「組合のおかげで、娘の世話をすることができる。学校が休みの時には、柔軟なシフトと休暇を利用することができる」と喜んだ。

ロンバルディア州(州都ミラノ)とヴェネト州(州都ヴェネツィア)では感染者が多く報告されている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「FILCAMSの迅速な対応を評価する」と称えた。「新型コロナウィルス禍に見舞われたロンバルディア州の店舗労働者へのプレッシャーを軽減する等、強力な組合があればこそ、使用者と真摯な交渉ができ、労働者を守り助けるための迅速な行動につながることを示す、素晴らしい事例だ。」

FILCAMSは以下の要求を勝ち取った。

  • 全ての店舗に、適切な感染防止の装備を手配する。マスクと手袋の着用は必須ではないが、希望者は誰でも許される。
  • 消毒剤を配備し、日中、手洗いを許可する。
  • 学校閉鎖のため欠勤した親に有給休暇を与える。
  • 学校閉鎖中も働きたい親に、柔軟なシフトを許可する。
  • 強制的な閉鎖のため欠勤した場合に、(週休と重ならなければ)有給休暇を検討する。
  • 更衣室及び現金自動支払機の特別な消毒。

UNI、欧州委員会のデューデリジェンス調査結果を歓迎

UNI及びUNI欧州地域組織は、デューデリジェンス(企業活動が及ぼす人権や環境へのマイナスの影響を回避・緩和することを目的として、事前に認識・防止・対処するために取引先などを精査するプロセス)の慣行に関する欧州委員会の調査結果を評価し、EU全体で強制力のあるデューデリジェンスのルールを法制化するよう行動を促した。

「あまりにも多くの企業が、労働者の権利を濫用したり、無視しようとしたりしている」とクリスティ・ホフマンUNI書記長は指摘する。「デューデリジェンスは、企業の説明責任を果たさせる重要な仕組みであり、強制力のあるルールが必要だ。リスクを洗い出し、リスク防止対策を取り、是正措置を整えるよう、企業に要求していかなければならない。有効な規制とするには、司法手続きへのアクセスを強化すべきだと考えている。」

「EUにとって、この調査結果は、デューデリジェンスの義務化に向けた重要な一歩である。このような決定的な証拠を突き付けて、長く待ち望んでいた、人権侵害から労働者を保護する法律の制定プロセスを直ちに開始するよう、EUへの要求にUNIも積極的に関わっていく」とオリバー・レティクUNI欧州地域書記長は語った。

この調査は、英国国際法・比較法研究所(BIICL)がシビック・コンサルティング及びLSEコンサルティングと協力して実施した。この結果により、デューデリジェンス規制義務化の必要性が確実に高まるだろう。企業の自主的な対策だけでは、労働者やコミュニティ、環境を守るのに効果がないことが示された。これは特に、ビジネスのグローバル・バリューチェーン及び金融機関に関連した、人権や環境への悪影響が、未だに残り、かつ悪化しているという証拠から明白である。

この調査は、市民社会及び業界団体の両方と幅広く協議して実施された。労組、市民社会組織、企業の大多数を含むステークホルダーの間では、既存のシステムでのデューデリジェンスの要件は、「効果的でなく、効率的でもなく、一貫性がない」という意見で一致した。調査参加企業のわずか3分の1強しか、人権及び環境への影響に配慮したデューデリジェンスを実施していない。

デューデリジェンスを既に実施している企業は、優良事例を主流化するための規制の必要性を感じている。70%以上の企業が、EUの規制によって公平な競争の場が生まれ、業界にもプラスになるだろうと回答した。

UNI及びUNI欧州地域組織は、この調査結果を歓迎する100を超える市民社会組織と共に、人権・環境デューデリジェンスの法制化を求める共同声明に署名を行った。


フレゼニウスの韓国における労働法侵害を非難

アルケ・ベシガーUNI副書記長は、韓国政府に対し、韓国の年金基金の運用先としてドイツのヘルスケア大手フレゼニウスと米国テクノロジー大手オラクルに投資することを厳しく見直すよう要求した。両社は、国際法で認められている労働者の権利を繰り返し侵害している。

2月21日に韓国の国会で開かれた記者会見で、韓国民主医薬労組(KDPU)を支持しながら、ベシガー副書記長は次のように語った。「我々は、2つの労組の代表から、結社の自由と団体交渉の権利を行使しようとしている中、ここ韓国で労働者が直面している困難な状況について聞いた。韓国においても、そして国際的にも認められている労働者の権利を順守する企業のみが政府の投資を受けるべきだ。政府はその影響力を行使して企業の行為を変えるよう要求すべきだ。」

ドイツに本社を置く多国籍企業フレゼニウスのグループ会社、フレゼニウス・メディカルケアでは、20回交渉してもゼロ回答であった。韓国の法律で勧告されている組合活動のための休暇を与えるといった労組の最も基本的な要求すら、会社側は拒否している。

「他国のフレゼニウス労働者が直面している障害と同様、韓国における問題は、同社に体系的かつ国際的な問題があることを示している。韓国フレゼニウス・メディカルケアとドイツの親会社フレゼニウスは、労働者の権利をこれ以上拒否せず、直ちに労組との有意義な交渉を始めなければならない」とベシガー副書記長は訴えた。

オラクルも、従業員と適切な雇用契約を締結していないことは韓国の労働法違反だとして、労組から非難されている。会社側は労働者の残業手当や年次休暇の補償も否定している。

ドイツ・バドホンブルグに本社のあるフレゼニウスは、世界で29万人の労働者を雇用し、年商約300億ユーロ(323億ドル)を記録するヘルスケアの大手企業である。韓国では、主に栄養食品を販売するフレゼニウス・カービと、人工透析器、透析液の販売、サービスを提供するフレゼニウス・メディカルケアを営業している。


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