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欧州:視聴覚部門における多様で包摂的な職場の推進に向けて

2024年4 月30日、欧州の労働組合と使用者が、ドイツ・ベルリンで視聴覚部門のインクルージョン(包摂性)に関する円卓会議を開催した。この円卓会議は、EUが資金提供する2年間のプロジェクトの一環であり、多様性強化策を実施する視聴覚部門の能力向上を目的としている。

今回の会議は、2023~2024年にかけて開催された4回シリーズの最終回である。すでに実施された3回では、概念と定義、そしてダイバーシティ・モニタリング・ツールについて検討した。また、インターセクショナリティ、DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)戦略、この部門に参入する上で必要な学び、スクリーン上の多様性についても議論された。

好事例
最初のパネルディスカッションでは、欧州の専門家が、優れた実践例と業界変革へのコミットメントを共有した。スペインの視聴覚メディアにおける多様性のための研究所、フランスのCollectif 50/50、ドイツの公共放送WDR、アイルランドのScreen Producersが議論に参加し、多様性強化策のさまざまな重要な側面、すなわち、障がいのある専門職やトランスジェンダーの代表性、多様性のあるニュースルーム、ステレオタイプ的な描写に対抗する必要性、多様な背景を持つ専門職のデータベースとメンタリング・プログラムの影響などを取り上げた。

第2部では、ドイツの状況に焦点が当てられた。Die Neuen deutschen Medienmacher*innen、ARD/ Degeto Film GmbH、Themis Vertrauensstelle e.V.といったメディア部門の主要組織が参加し、新たなプロトコルや働き方を採用する際に直面しがちな課題について、具体的なツールや変革のプロセスが積極的に議論された。

Produktionsallianzのビョルン・ボーニングCEOは、「ダイバーシティとインクルージョンを推進するには、差別と闘うだけでなく、他の手段も必要だ」と述べ、ダイバーシティを推進する「永続的なプロセス」の必要性を強調した。マティアス・フォン・フィンテルver.diメディア・ジャーナリズム・映画部門担当部長は、「我々は皆、よりオープンな制作と職場環境に貢献したいと考えています。(中略)視点の変化によってもたらされる、真の変化が必要」と述べた。

次なるステップは?
欧州社会パートナーは間もなく、視聴覚部門における多様性と包摂性に関する欧州行動枠組みの交渉段階に入る。その目的は、共通の目標と目的を設定し、多様性政策を実施・促進する業界の能力を向上させるための勧告を提出することである。

2024年11月19日にブリュッセルで会議が予定されており、プロジェクトをまとめ、交渉の現状が報告される。

EUが共同設立したこのプロジェクトは、視聴覚部門における欧州社会対話委員会を構成するすべての社会パートナーの共同イニシアティブである。参加しているのは以下の組織: 欧州放送連合(EBU)、欧州視聴覚制作協会(CEPI)、国際映画製作者連盟(FIAPF)、欧州ラジオ協会(AER)、欧州商業テレビ・ビデオオンデマンドサービス協会(ACT)、欧州ジャーナリスト連盟(EFJ)、国際俳優連盟(FIA)、国際音楽家連盟(FIM)、UNI欧州メディア部会。


UNI、フランスのメディア労働者のストライキに連帯

UNI世界メディア部会は、世界中のメディア産業で働く50万人の労働者を代表し、すべての公共視聴覚部門の企業を合併するというフランス政府案をめぐってストライキを準備するフランスの労働組合に連帯する。

フランスのUNI加盟組織であるCGT、FO、CFDTに加入する数千人の労働者が、2024年5月23日と24日に、フランスの公共放送機関である国立視聴覚研究所、フランス・メディアス・モンド、フランス・テレビジョン、ラジオ・フランス(合わせて約16,000人を雇用)でストライキを実施予定である。

フランス議会は、2025年初頭に持ち株会社を設立し、2026年1月1日にすべての公共メディアを1つの企業に統合できるようにする改革について議論している最中であり、今回の合同ストライキはこの計画案に反対して行われる。

過去数年間、フランスの歴代政権は公共放送部門を弱体化させてきた。2022年、フランスの労働組合はライセンス料廃止の政府計画に抗議したが、結局、代替財源の計画はないまま、ライセンス料は廃止された。

ヨハネス・ストゥディンガーUNI世界メディア部会担当局長は、「数度にわたるリストラと予算削減の結果、労働者はまたしても不安と雇用喪失に直面しているが、この新たな計画は、フランスの公共放送の財政的・編集的独立性をさらに損なう恐れがある。我々は、公共メディアを守るために闘うフランスの加盟組合に連帯する。独立した強力な公共放送を維持することは、私的所有権の集中が多様性を損ないかねないメディア状況において、すべての声がプラットフォームを確保するために極めて重要だ」とコメントした。

新しい持ち株会社の設立に伴い、既存の団体協約の再交渉が必要になる可能性があり、労働組合は、このような重要な変更に対して予定されている期限は急ぎすぎではないかと懸念している。

スト前夜に発表されたUNI世界メディア部会の連帯声明には、次のように記されている。

公共放送の弱体化は、多元的で多様、包摂的でオープンなメディア・エコシステムへのコミットメントを弱めることを意味する。公共空間を縮小し、主流派、時にはフェイクニュースや極端な言説の発展を支持する強力な多国籍企業に支配された世界において、公共放送は、我々の社会の多様性を反映する声、物語、テーマの表現のために、すべての市民がアクセスできる空間を保証する主体である。(…中略…)我々は、フランスの労働組合の要求を支持し、意思決定者に以下を要請する。
●公共放送に関するすべての持ち株および/または合併計画を撤回すること。
●公共放送サービスに持続可能かつダイナミックな資金を確保し、その独立性と多くの使命の遂行に必要な資源の両方を保証すること。
●いかなる展開においても、最低限の基礎として、従業員に対する従来の保障が継続されるようにすること。


「私たちの国は売り物ではない」UNI、アルゼンチンの5月9日ゼネストを支援

アルゼンチンのUNI加盟組織が、アルゼンチン労働総同盟(CGT)が呼びかける2024年5月9日の全国ゼネストに参加する。多数のスト参加者が、緊急の賃上げ、あらゆる労働者のための自由な労働組合、国営企業の民営化反対を求めて結集する。

今回のストライキは、ハビエル・ミレイ政権が労働組合に加入する権利や団結権といった労働者の権利に対する攻撃を開始したことに対する反撃だ。アルゼンチンの労働組合は、これらの権利は国の歴史を通じて民主主義の礎となっていると指摘している。

ストライキは世界中で支持を集めている。2024年5月上旬にUNI世界運営委員会は、全会一致でゼネストへの連帯と支持を表明し、同政権について「何百万人もの人々を飢餓と日々の悲惨に導く、最も弱い立場にある人々の権利を攻撃することだけに集中している」と批判し、「組織化された労働者とその労働組合は、他の多くの市民社会組織と連携し、ミレイ政権の破壊計画に対する抵抗の先頭に立っている。 代替案が可能であることを示す法的・政治的行動をとるとともに、持続的かつ献身的な組合行動をとっている」と続けた。

ヘクター・デールUNI米州会長(CGT書記長)は、「CGTが呼びかけたゼネストは、社会正義もなく、労働組合も団体協約もない不平等モデルへの歴史的変化を強化しようとする政府の試みに対する強力な対抗措置だ」と訴えた。

政権初期に、同大統領は国家解体を目的とした300もの改革を、必要性・緊急性の法令によって押し付けようとした。この一連の改革は、経済を無差別に開放し、国の社会保護の法的構造を変えようとするものだった。労働運動は、まず法廷で、次に街頭で、この法令の労働に関わる章を廃止することに成功した。

2023年12月の政権発足以来、ミレイ政権は言論の自由を制限する明確な政策をとっており、ソーシャルネットワークや関連メディアを利用して、自らの行動に対する批判を締め上げている。

UNIと加盟組織は、公共メディアを擁護するキャンペーンを開始した。アルゼンチン議会が、可決されれば政府が公共メディア組織に対して措置を講じることを許可する法律を検討し始めたからである。

UNIはアルゼンチンの労働運動と全面的に連帯し、世界中の多くの労働組合の模範となっている労働組合主義を擁護する。


アルゼンチンの組合に連帯!公共放送と民主主義を守ろう

UNIはメディア部会の加盟組織に対し、アルゼンチンの公共放送を守るために闘う同国の労働組合を支援するよう、呼びかける。

アルゼンチンの極右大統領ハビエル・ミレイ氏が、アルゼンチンの公共放送グループであるラジオ・テレビジョン・アルヘンティーナ(RTA)の解体を宣言したのである。これには、51の公共ラジオ局や、カナル7(アルゼンチンで最も古いテレビネットワークで、民間企業がカバーしない遠隔地への放送に長年の歴史がある)などの有名チャンネルが含まれる。この他、スポーツ専門チャンネルのdeportv、教育専門チャンネルのencuentroとpaka pakaも危機に瀕している。

アルゼンチンでは現在、採択されれば政府に公共メディア組織を民営化・解体する権限を与える法案が審議されている。何千人もの雇用を脅かし、民主主義への攻撃となる動きだ。

しかし、行動を起こすのに遅すぎるということはない。アルゼンチンのUNI加盟組織は、公共放送と独立メディアに対するこの攻撃に反撃するため、国際的な連帯を訴えている。

アルゼンチンの議員に書簡を送ることで支援を示そう。公共放送は存続の必要があることを議会に説得するよう、働きかけよう。そして、この重要な問題について世論を喚起するため、以下のハッシュタグを使用し、ソーシャルメディア上で我々のメッセージを広めよう。#defendamoslosmediospublicos #lapatrianosevende

マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「公共放送を破壊しようとするミレイ大統領の策略は阻止しなければならない。強固で独立したメディアは、民主主義が十分に機能するために不可欠である。独立したメディアによって、文化の多様性が促進され、信頼できる情報への普遍的なアクセスが可能になる。我々はアルゼンチンの加盟組織とともに、この国の豊かな公共メディアを次世代のために守るよう、議員に呼びかける」と、コメントした。

マシュー・ローブUNI世界メディア部会議長は、議員に宛てた書簡の中で「世界中が、公共放送に対するこの攻撃の動向と、この局面においてアルゼンチン議会が果たしている重要な役割を注視している。我々は、アルゼンチンの組合SATSAID、すべての姉妹組合、アルゼンチンの公共メディア労働者と連帯し、彼らを支援する。(…中略…)政府が、アルゼンチン国民にとって有害なこうした政策を進めるの全力で阻止するよう、お願いしたい」と述べている。

ホラシオ・アレセイゴルSATSAID書記長は、「アルゼンチンの公共メディアはまさに崖っぷちの状況にある。雇用を守り、表現の自由、文化の多様性、民主的価値観の原則を守るために闘う中、UNIと加盟組織の支援に非常に感謝している」と述べた。

ミゲル・パニャグァUNI米州メディア部会議長は、SATSAID、SALCO、AATRAC、SUTEPとともに公共放送を守るべく団結している部会内の結束力を強調するとともに、民主主義の質はこの集団的な取組みにかかっていると述べ、文化的多様性と言論の自由を尊重するメディアの必要性を訴えた。


メーデーによせて:右翼過激派を撃退し、平等を促進し、民主主義を前進させよう

クリスティ・ホフマンUNI書記長が、2024年のメーデーに以下のメッセージを発信する。

労働組合は今日、反撃と前進を勝ち取るため街頭に繰り出す。我々は今日、労働者が社会の中で力を勝ち取るべく団結する重要性について祝福する。そして、我々の権利を剥奪し、生活水準を低下させ、民主主義を破壊しようとする右翼アジェンダの台頭にも反撃する。

世界の3,000人の億万長者が2020年以降34%も富を増やしている一方で、労働者の権利はあらゆる尺度で後退している。インフレは労働者の賃金を大きく奪い、公的支出の削減は貧困削減を停滞させている。政府に対する信頼が急落し、それに伴って民主主義に対する信頼が低下しているのも不思議ではない。

あまりにも多くの労働者が現状への怒りに駆られ、民主主義の価値観を共有せず、生活水準の低下を「よそ者」のせいにし、人種差別やナショナリズムの炎をあおることを好む、欺瞞に満ちた政治指導者を受け入れている。女性やLGBTQ+コミュニティの権利も同様に攻撃を受けている。

しかし右翼勢力は、労働組合員による動員と反撃、民主主義を取り戻すための力と決意を過小評価すべきではない。 例えばアルゼンチンでは、極右指導者ミレイが、まず労働組合を破壊しなければ痛みを伴う「改革」を実施できないと決定した。以来、何十万人もの労働者がゼネストに参加しており、ミレイ政権はあらゆる場面で抵抗に直面するだろう。

我々は、組合が民主的な職場にとって不可欠であることを知っている。労働組合は、職場における使用者の権力をチェックする重要な役割を担っている。アマゾンの労働者がよく言うように、労働組合は、労働者がロボットとしてではなく、人間として扱われるようにすることを保証しているのだ。

しかし、労働組合が行うのは賃金や労働条件の交渉だけではない。組合は教育し、動員する。そして今、それがこれ以上ないほど重要なのだ。世界経済フォーラムは、誤った情報が我々の未来と民主主義に対する世界的リスクのトップであると指摘した。労働者が自らの尊厳が剥奪されつつあると感じはじめると、誤った物語は助長されてしまうのだ。我々は、経済的圧力が人種、国、宗教に沿った亀裂を広げ、人々が富裕層や権力者ではなく、移民やマイノリティをスケープゴートにして政策を決定することを知っている。

組合は包摂性を擁護し、尊厳を守り、地域社会全体の経済的公平性を強化する。労働組合は、人種的怨恨や外国人排斥が高まりがちなコミュニティにおいて連帯を育んでいる。

だからこそ、このメーデーに労働組合として取組むべきことは、職場の権利を守ることだけではない。我々はコミュニティにおける正義を前進させるために闘わなければならない。我々は運動を組織化し、成長させることによって、そして民主主義を求める闘いを共有することによって、それを実現していく。

だから今日、街頭や組合の集会で結集しよう。使用者や議員に、労働者の声に耳を傾けるよう要求しよう。民主主義は投票で終わるものではなく、そこから始まるのだということを示そう。


UNIメディア部会とアジア太平洋放送連合、気候変動に取組むウェビナーを開催

2024年3月14日、UNI世界メディア部会とアジア太平洋放送連合(ABU)が、放送部門における気候変動への取組みを推進するための共同ウェビナー・シリーズの第1回目を開催した。

アジア太平洋地域のUNIメディア部会加盟組織とABUの加盟組織から約40名が参加した今回のウェビナーでは、気候変動との闘いにおけるメディアの重要な役割が強調され、環境に配慮した制作手法にむけた実践的なツールが紹介された。

冒頭の挨拶で、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長とアーメド・ナディームABU事務局長は、昨年の覚書締結に続く今回の共同行動の発足に感謝の意を表した。アチャリャUNI Apro地域書記長は、UNIの様々な部会において気候問題の重要性が高まっていることを強調し、ABUとの協力関係を歓迎した。一方でナディームABU事務局長は、気候変動に関する議論が昨今ますます報道されるようになったことを指摘し、公共のコミュニケーションにおけるメディアの重要な役割を強調した。また、今後のUNI AproとABUとの共同活動について、期待を示した。

パネルディスカッションでは、ABUのラッセル・アイザック氏、ダフネ・テッパーUNIメディア部会プロジェクト担当部長、ビエナ・ミシェル・マグビタン・アジア気候トラッカー事務局長が、気候変動への対応と緩和の取組みを促進するメディアの可能性について、それぞれの経験を語り、貴重な洞察を提供した。

テッパーUNIメディア部会プロジェクト担当部長は、ツール、イニシアティブ、ガイド、炭素計算機、研修プログラムなど、欧州19か国の110以上のリソースをマッピングしたプロジェクトの成果を発表した。その中には、能力開発セミナー、グリーンプロダクションの小冊子、メディア部門における実行可能なステップを紹介するオンライン・データベースなどが含まれる。

この共同ウェビナーは、ABUとUNIの協力関係における重要なマイルストーンとなり、アジア太平洋地域の放送業界における持続可能性とグリーンな実践の促進を目指すさらなる共同の取組みに向けて、基礎を築いた。


タイUNI加盟組織、第6回UNI APRO地域大会に向け始動

UNIタイ加盟組織連絡協議会が2024年3月12日、ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長と会談し、UNIが対象とする部会において組織化と組合成長を促進するための準備を開始した。また、2024年11月20日~22日までタイ・バンコクで開催される第6回UNI APRO地域大会の準備についても、協議した。

UNIタイ加盟協は、主要6部会(商業、金融、印刷・パッケージング、ICTS、郵便・ロジスティクス、メディア)でUNI加盟組織を代表している。

大会が強固な対話、戦略的連携、インパクトのある決議を生み出すプラットフォームとして機能し、組合結成に向け強力な組織化の波を残せるようにすることが共同の目標だ。

UNI Apro地域大会の目的の1つは、タイにおける組織化の可能性にスポットライトを当てることだ。東南アジア第2位の経済大国であるタイのサービス産業は、GDPの56%を占めており、サービス部門の労働力に焦点を当てることの重要性と、組合成長の可能性を浮き彫りにしている。第6回UNI APRO地域大会は、取組みを拡大し、労働力の包摂性とエンパワーメントの促進を目指す。

UNI本部からのタイ加盟組織への支援を示すため、クリスティ・ホフマンUNI書記長が2024年4月に同国を訪問し、タイ加盟協やその他の関係者と会談し、大会に向けて連携を強化する。

2024年11月にバンコク中心部で開催されるUNI Apro地域大会には、400人以上の代議員、オブザーバーが参加予定だ。


欧州の企業持続可能性デューディリジェンス指令:権利保護に向けた一歩だが、さらなる取組みが必要

長年にわたる集中的な交渉を経て、2024年3月15日に EU加盟国大使は、労働者の権利と環境を保護するための重要な前進である企業持続可能性デューディリジェンス指令(CSDDD)の支持を可決した。 ベルギー政府の仲介もあり、今回の支持が実現した。

今回の指令により、バリューチェーン全体での損害について多国籍企業の責任が追及され、事業全体を通じて労働者、女性、少数民族の権利が、より確実なものとなる。

労働組合は、欧州委員会の当初の提案とは異なり、企業やその子会社、バリューチェーン全体における実効的なデューディリジェンス方針・計画・戦略の策定と実施に、組合代表が関与することを確認した。指令の導入と強力な実施を確保する上で、UNI欧州の中核的な焦点となる。

残念ながら今回可決された法案は、イタリアとドイツを中心とする複数の政府が支持を撤回したため、ここ数週間で弱まってしまった。今回の妥協案では、特に対象となる企業数が16,000社から5,500社以下に減り、指令の適用範囲が狭められた。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「デューディリジェンス指令が土壇場で薄められてしまったことは遺憾だが、加盟国の投票はグローバルなバリューチェーンにおける労働者の権利向上に向けた前向きな一歩として歓迎する。あとは欧州議会が4月の採決で指令を成立させるだけだ」とコメントした。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この法律は欧州にとって重要なだけではない。世界中で最も強力な大企業の企業活動を変える可能性を秘めている。本日採決されたバージョンは、完璧には程遠いとはいえ、企業の行き過ぎた貪欲さを撃退し、世界の労働者の権利を確保するために不可欠なツールとなる」と期待を示した。

UNIは、すべてのEU加盟国、そして世界各国の政府に対し、人権デューディリジェンスに関する強制力のある法律を採択するよう求める。


欧州の労働組合、ミャンマーにおける徴用反対をEUに要請

2024年 2月10日、ミャンマーの軍事政権が徴兵制の開始を発表した。欧州労働組合連盟(ETUC)とUNI欧州をはじめとする欧州の労働組合組織は、この衝撃的な発表に全面的に反対している。ミャンマーの労働者・労働組合とその国際的な労働組合を代表し、3月1日に送付した書簡の中で、EU加盟国に対し「可能な限り早期にEUの緊急行動に合意する」よう求めた。

軍事政権の発表は、すでに3年以上にわたって軍政の恐怖支配下で暮らしてきたミャンマーの労働者や市民の生活をさらに危険にさらすものだ。現地からの報告は憂慮すべきものだ。すでに工業地帯の近くのホステルや、大都市や村の家族の家に住んでいる若い労働者たちは、すべての村や町で軍や民兵による誘拐や逮捕の危険にさらされている。1,300万人以上の若者が、軍政の国家行政評議会(SAC)地方当局によって連れ去られ、運搬役として、あるいは民主化勢力との戦闘の最前線で使われる可能性があるのだ。

政権が18~35歳の男性と18~27歳の女性を特定するために従業員データを使用するとの報道もあり、従業員データが使用されるのを阻止し、すべてのプロセスを停止させ、ミャンマーに民主主義を取り戻すためには、緊急の行動が必要である。

書簡では次のように記されている。「これまでの国際社会の対応は、十分とは言い難く、軍事政権は実際に引き起こされる影響を恐れることなく、労働者や市民に対する虐待を続けるだろう。この絶望的な状況に終止符を打たねばならず、我々はEUに対し、強制労働に等しい軍事政権による労働者と市民への虐待を止めるよう求める」

EUの緊急行動が必要
署名者であるETUC、UNI欧州、インダストリオール・ヨーロッパ、EPSU、EFBWW、EFJ、EFFAT、ETFは、以下の行動によって「すべてのEU加盟国に対し、軍事政権によるこの最近の行為に全面的に反対し、政権を標的にすることを目的とした緊急行動をとるよう要請」している。
●欧州理事会および欧州対外行動局が、この発表に最も強い言葉で公に反対を示すこと。
●EUは可能な限り早急に、以下の企業への優先制裁を含め、さらなる制裁を課すこと。銀行・保険部門、ジェット燃料、軍事政権の州および地域の首長、軍事政権の幹部とその家族が所有する企業の役員、軍事統制下にある企業の役員で、まだ制裁対象者リストに含まれていないもの、およびMEHLや海運会社のミャンマーファイブスター・ライン等に代わって石油を輸入・販売するグループ会社シュエビャインピュー等の企業。
●カンボジアで決定されたように、深刻な人権侵害を考慮し、EUのEBA 協定(Everything But Arms =武器以外の全て) 協定の下で適用されている特恵貿易関税を撤回すること。
●今なおミャンマーで操業しているEUのブランド企業や工場は、軍事政権と結託せず、従業員の身元を守り、SMART IDスキームを通じて得た情報を共有しないこと。さらに、EUのブランド企業は、従業員が誘拐されたり、深夜に帰宅途中に軍隊に強制連行されたりするリスクを軽減するため、こうした事例が現地で報告されている現在の状況下において、サプライヤーに対しては従業員に残業を課さないよう要求しなければならない。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「EU加盟国は、すでに3年間も軍事政権によるひどい虐待を受けてきたミャンマーの人々のために立ち上がらり、ミャンマーにおける強制徴用を終わらせなければならない」とコメントした。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「ミャンマーの若い労働者は、強制徴用のために軍や民兵による誘拐や逮捕の危険にさらされている。EU加盟国は、このような慣行を終わらせるため、軍事政権に対して持っている手段を駆使するべき」と訴えた。


第41回 UNI Apro運営委員会、UNI世界大会のフォローアップに関する最新状況やUNI Apro地域大会の準備確認

2024年2月27日(火)、日本時間15:00~17:00、第41回UNI Apro運営委員会が、オンライン開催された。

冒頭、松浦昭彦UNI Apro会長(UAゼンセン)は、1月1日に発生した能登半島地震に際しUNI Aproの仲間より多数メッセージがあったことに感謝し、「新しい年を迎えてもなお、世界は混沌としており、UNI Aproは団結して、苦しんでいる組合員とその家族の支援、また人権を蹂躙し、労働運動を弾圧する国家権力と闘わなければならない」と挨拶した。

次に挨拶したクリスティ・ホフマンUNI書記長は、アルゼンチン政権について触れ「民主主義をしっかり支えるのは労働組合が大切だ」と述べた。

会議は、UNI Apro運営委員会構成の変更やスタッフ人事についての説明があり、また第39回および40回運営委員会の議事録についての承認確認をした。

続いてホフマンUNI書記長は、昨年8月に米国・フィラデルフィアで開催された第6回UNI世界大会および世界女性大会の開催報告、および、フォローアップ状況についての説明し、「我々の活動や取組みを知らなかった外部の人たちに知ってもらうことができた。今後も常に誇りを持って活動していきたい」と述べた。またジェラルド・ドワイヤーUNI会長は「現状、AIが上手く活用できてなく、雇用は減らされているのに仕事量が増えている。安全な職場づくりや労働者が尊重される職場をつくることが大切だ」と発言した。

今年11月には、第6回UNI Apro地域大会および女性大会がタイ・バンコクで開催される。その準備状況についてラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長より説明があり、「タイは56%サービス産業が貢献している。今後タイにおける労働運動を率いていくだろう。私たちUNI Aproも協力していく。今大会において、特にサービス関連の組合が大会に参加してくれることを期待したい」と述べた。

日本からは、松浦UNI Apro会長をはじめ、並木泰宗UNI Apro副会長(自動車総連)、石川幸德UNI Apro副会長(JP労組)、安藤京一UNI副会長(情報労連)、中島遥香UNI Apro女性委員会副議長(損保労連)他、オブザーバーが出席した。


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