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UNI Aproメディア部会、アジア太平洋放送連合と共同ウェビナー開催

UNI Aproメディア部会は、2021年1月22日、アジア太平洋放送連合(ABU)と共同で「コロナ禍における安全衛生」をテーマに、ウェビナーを開催した。
アジア太平洋放送連合(ABU)には、69か国・256の放送事業者・関連団体が加盟しており(2021年1月現在)、日本ではNHKや民放数局が会員・準会員となっている。UNIとABUは、2012年に放送産業の社会対話に関する地域協定を締結しており、UNI Aproメディア部会は、ABUとの関係強化を目標の1つに掲げている。
今回は、コロナ禍の中、取材や番組制作の最前線で、人々に正確な情報をタイムリーに提供すべく業務を遂行する放送メディア労働者の安全衛生をテーマに、労使双方の立場から報告し、専門家の知見を得るウェビナーとなった。

はじめに労働側を代表し、中村正敏UNI Aproメディア部会議長が、コロナ禍が番組の取材・製作現場に与えた影響について報告した。また、中村議長は最大の課題は、「職員やスタッフの安全を確保することと、質の高い、公共的なコンテンツを届けるというミッションのバランスをどのようにとっていくか」であると述べた。また、今回のコロナ禍においては、従業員の安全確保のために組合の介入が必要となる事態には発展していないとし、東日本大震災における原発事故の際、放射能に対する防護体制をどのように構築していくか、組合と会社側とが熾烈な交渉を行った経緯がベースとして労使で共有されているため、今回は会社側が率先して在宅勤務を進めていることに触れた。

次に、使用者側を代表し、メディアプリマ(マレーシア)のアズリン・レズワン氏が発表した。メディアプリマでは、メディア労働者の安全衛生ガイドラインを策定し、在宅勤務が可能な業務を洗い出し、出社が必要な場合は、接触を減らすローテーションを構築する等、早期にかつ率先して安全衛生の取組みを進めてきたことを強調した。また、在宅勤務となっても生産性は変わらなかったことから、収束後もコロナ以前に戻る必要はなく、柔軟な勤務体制を継続していく予定だが、在宅勤務によるメンタルヘルスの課題には継続して取組んでいきたいと述べた。

また、専門家として長く英BBCやABUで安全衛生を担当したアリステア・ホリントン氏は、「コロナ前から安全衛生手順の基本は変わっていないが、現場レベルで状況に応じた手順の見直しや再評価を行うことは重要だ」と指摘した。
労使が共通の課題を共有し、議論を深めていくことは、コロナ後を見据えた労働者の安全衛生を確保していく上で不可欠であり、UNI Aproメディア部会とABUは今後も連携強化を図っていくことを確認した。

ウェビナー後、UNI Aproメディア部会メンバーは、ABUとの共同ウェビナーについて評価を行った。参加者からはこのような情報交換は非常に有意義であるとの意見が多く出された。今後もABUとはシリーズで、在宅勤務やジェンダーに関するテーマで共同ウェビナーを開催していく。


UNIは米国の労働運動と共に、反民主主義的白人至上主義者による連邦議会襲撃を非難する

騒乱は収まり、催涙ガスも消え去った。ジョー・バイデン氏は、合法的に米国大統領就任が確定した。しかし、米国の民主主義を破壊しようとした右翼の過激派と白人至上主義者による不名誉な試みは世界を驚愕させた。世界の民主主義の規範がこれ以上侵食されぬよう、行動を起こさなければならない。

UNIは米国の加盟組織と共に、連邦議会に対するこの恥ずべき襲撃を糾弾する。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「1月6日、世界中の人々は、米連邦議会が武装した右翼テロリストの暴徒に包囲されているのを、恐怖の中で見守っていた。トランプ大統領が任期中に憎しみと白人至上主義の炎を煽ってきたことで、過激派は暴力へと駆り立てられた。無力な治安部隊は簡単に圧倒されてしまったが、これは昨夏の『黒人の命は大切』を掲げるデモ参加者に対する軍国主義的な対応とは全く対照的なものであった。これは民主主義に対する凶悪な攻撃であり、民主主義の制度を強化し、米国内外で根本的な変化を起こすことが急務であることを思い起こさせるものである」と述べた。

メアリー・ケイ・ヘンリー全米サービス労組(SEIU)委員長は、「連邦議会の襲撃は、何千万人もの黒人、褐色人種、白人、アジア太平洋諸島人、先住民等の有権者の票を無効化させようとする試みである」と憤り、力強い声明の中で次のように表明した。「この暴動は、我々が大切にするものを脅かそうとして、力を振りかざしている。我々が大切にするもの、それは、あらゆる人種の家族が繁栄し、良い仕事に就き、適切な医療を受け、子供たちが安全に暮らし、清浄な空気を吸えるようにすることだ。このようなことは決して許されない。労働運動の中で、我々は分断と憎しみの教訓を学んできた。全ての米国労働者とその家族が犠牲を強いられてきた。これ以上は容認できない。この攻撃に対処するために、我々は、この国が明らかに必要としている変革を躊躇なく要求していく。」

クリス・シェルドン全米通信労組(CWA)委員長は、暴徒による「メディアを殺せ」というメッセージと彼らの抱く人種差別的イメージに注目し、行動への呼びかけを行った。「報道の自由と共に、我々のような自由で民主的な労働組合は、共通の目標に向けて団結する労働者の力を恐れるファシストの標的となっている。我々は、民主主義を強化し、白人至上主義とファシズムに抵抗する闘いにコミットし続けなければならない。我々は昨年春に開始したプロセスを継続し、我々の組織内を含む、あらゆる人種差別の根絶に向け、いっそう努力しなければならない。共に全ての労働者のために力を構築しよう。」

ヘンリーSEIU委員長、シェルトンCWA委員長の両氏は、多くの議員同様に、トランプ氏即時解任を求めている。

米国最大の労働組合組織であるアメリカ労働総同盟・産別会議(AFL-CIO)のリチャード・トラムカ会長は、今回の襲撃を「法を守る全ての米国人の憲法上の権利を侵害する行為であり、労働運動は決してこれを容認することはできない。今も、これからも」と非難した。 スペインのナショナルセンターである労働者委員会は、この襲撃を非難する声明の中で、バイデン次期大統領が当選した要因の1つは、労働者の社会的保護の拡大を公約に掲げていたことだが、民主主義の基本的規範を回復せねばならない状況となった今、困難に陥っていると指摘した。


2021年、共に立ち上がろう!

ルーベン・コルティナUNI会長ビデオメッセージ(スペイン語)

UNIファミリー、兄弟姉妹の皆さん

新年にあたり、2020年、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大の中、奮闘された皆様のご尽力に感謝申し上げたいと思います。

既にご承知の通り、世界でワクチン接種が始まりましたが、ウィルスは未だ猛威を振るっております。

国際労働運動の仲間と共に最前線に立っておりますが、私達はこの先、より良い通常に戻るため、引き続き緊張感をもって取組んでいきたいと思います。

私達は今なお、経験しているこの現状を論理的に理解しようと努めながら、足元では医療体制の整備、根本的には政治経済の立て直しを考えなければなりません。

国際労働運動が訴えてきたように、以前より良いニューノーマル(新たな日常)を構築する必要がありましょう。

新たな、より良い日常とは、環境に配慮し、富を平等に配分する必要性や、持続可能な開発のシナリオを重視するものです。

少なくともこの3点に配慮がなされなければ、不確実性はこの先も続くと思われ、更なるパンデミックに見舞われる不安が拭えません。新たな経済危機が訪れ、必然的に労働者や排除された人々が影響を受けるのです。

引き続きウィルス感染防止対策を徹底し、同僚の職場の安全衛生確保に取組む必要があります。しかし根本的には、先に述べた、より良い日常を構築する上で意思決定に影響を及ぼすには、私達が国レベル、地域レベル、現場レベルで強力な存在感を持たなければなりません。

改めて皆さんに感謝申し上げると共に、世界の緊張関係が解消されようとしている中、国際労働運動としても主張すべきことがたくさんあることを強調したいと思います。そうすることには歴史的な教訓が多々あるからです。

私達の組織を強化し、私達自身を大事にし、新年のスタートを切りましょう。労働運動の中で、私達はどのようにコロナによって破壊されたものを建て直し、前進していくかを深く議論していきましょう。

ビデオではありますが、皆様に心より連帯の気持ちを送ります。2021年が皆様にとって素晴らしい年になりますように祈念申し上げます。ご静聴ありがとうございました。


「コロナ禍でも情報発信と文化を守れ」UNI世界メディア部会委員会、オンライン開催

2020年12月15日、UNI世界メディア部会委員会がオンライン開催された。開会挨拶の中で、マシュー・D・ローブUNI世界メディア部会議長は、オンライン開催の利点として多くの傍聴者の参加を歓迎した。日本からは、中村UNI Apro メディア部会議長が参加した。

ヨハネス・ストゥディンガーUNI世界メディア部会担当局長は、2020年活動報告として、コロナ禍によってメディア及びエンターテイメント業界が深刻な影響を受ける中でも、UNI及びメディア部会は、活動を止めることなく、労働者のため、さまざまな課題に取り組んでいる旨報告した。

続いて各地域より活動報告が行われた。特にコロナ禍の影響が大きい欧州地域においては、ライブパフォーマンス業界におけるコロナ禍の影響に関するウェビナーを行い、共同声明を採択すると共に、UNIからEUに対し、エンターテイメント業界への支援を要請した。米州地域においては、メディア制作の現場がストップしたが、UNIはメディアの現場を守るためのセミナーを行うと共に、調査活動を行い、現場の支援を行った。

アルケ・ベシガーUNI副書記長は、「コロナ禍の中、メディア及びエンターテイメント業界の労働組合は、文化を守るため闘ってきた。しかし今後も終息には長い道のりが予想され、この世界的危機により貧困に陥る人が増えている。業界では企業の労働者のみならず、フリーランスの労働者も影響を受けている。メディア業界は、情報の発信と人々に楽しみと豊かさを与える重要な仕事である。今、民主主義が危機にさらされており、雇用が守られない時代となった。我々は全ての人がディーセントな仕事に就くことができる“よりよい復興”を目指さなければならない。そのためには、デジタル税、タックスヘイブンの是正を始めとする多国籍企業への取り組みを続けなければならない。かつてこれほどまでに労働組合が必要とされたことはなく、我々は団体交渉を行うことができる団体である」と述べた。

「仕事における平等と尊厳」に関し、UNI世界メディア部会女性ワーキンググループは、メディア業界におけるジェンダー平等の好事例ハンドブックを作成し、ABU(アジア太平洋放送連合)やILOと共に啓発に努めているが、女性労働者の更なる地位向上が必要であることを強調した。

また、映画・テレビ制作ワーキンググループは、コロナ禍における映像制作のプロトコルを策定したことで、コストはかかるが現場の安全性は担保されたという成果がある一方で、長時間労働問題は相変わらず残っており、引き続き使用者側との協議を行っている旨報告した。

最後に8月に採択した2021年度の優先課題及び活動計画と共に、2021年3月、次回部会委員会をオンライン開催で予定することを確認し、閉会した。


アチャリャUNI Apro地域書記長、就任後初のUNI Apro運営委員会を開催

2020年10月12日、第34回UNI Apro運営委員会がようやく開催された。4月にシンガポールで開催する予定だったが、コロナのため延期となり、このほどオンライン開催することとなった。ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長にとっては、昨年の第5回UNI Apro地域大会で選出されて以来、初めての運営委員会である。

野田UNI Apro会長は開会にあたり、「今この時も拡大を続ける“新型コロナウィルス感染症”により世界の経済・社会は、試練の時期を迎え、“私たちの日常”は劇的に変化している」と述べた。「アジア地域のサプライチェーンは、まさに分断の危機にある。企業活動の停止や停滞によって、地域経済は深刻な打撃を受け、その規模は、かつての“アジア経済危機”や“世界金融危機”を上回ることは明らかである。ILOからは、アジア太平洋地域においては、とりわけ青年の雇用への影響が深刻であるとの報告も示されている」と述べ、人口分布において若年層の割合が多いUNI Apro地域の重要な課題であると指摘した。“仕事の世界”においても、ニューノーマルの下での働き方が定着しつつあり、オンラインを活用したビジネスモデルも一般的になってきた。リモートワークが進む中、労働組合・労働運動のBCPも必須である。「これまでの対面を前提とした活動スタイルの抜本的見直しが必要だ。こうした中で、各国の状況や取組みは参考になる事例も多く、UNI Aproのネットワークを有効活用し先進的事例を水平展開したい」と述べた。

続いて、クリスティ・ホフマンUNI書記長が挨拶し、「厳しい状況の中でも最善を尽くそう」と呼びかけた。対面会議はできなくても、活動は進めなければならないと訴え、コロナ禍の間も、職場の安全衛生確保に重点的に取組み、加盟組織が安全な職場復帰に向けた交渉ができるよう支援してきたことを紹介した。リモートワーク、AI使用、アルゴリズム管理、Eコマースの拡大が加速しており、この動向に遅れることなく備えていかなければならないと強調した。一方、「危機によって、組合こそ違いをもたらせることが世間に知らしめられた。エッセンシャルワーカーが社会に果たす貢献が明らかになった」と、暗雲立ち込める中にも希望はあると述べた。

主な議題は、コロナの影響と各国の対応に関する情報交換、地域大会後のフォローアップ、2019年度会計報告確認、2020年度予算、2021年度暫定予算の承認、スタッフ人事及び就業規則改定案の承認、加盟申請の確認等であった。

アチャリャUNI Apro地域書記長は、昨年11月の地域大会以降、コロナ禍に見舞われた今日までの活動を次のように報告した。「対面の組織化ができない中、多くの組合がテクノロジーを活用してデジタル/リモート組織化という新たな手法を検討し、実施している。コロナ禍においてパートナーシップによる労使の連携は非常に重要になっている。安全衛生の確保、移民労働者の保護、女性・若年労働者の問題等にも力を入れている。コロナ禍における明るい兆しは、若年層が組合の意義に関心を持ち始めたことだ。どの業界で働いていても組合は大切だとの認識が深まった。」その上で、姉妹組織や他のGUFと連携しつつ、小地域(南アジア、東南アジア、東アジア、オセアニア)毎の戦略を立て、取組んでいくと述べた。

日本からは、野田UNI Apro会長、松浦UNI Apro副会長、金子UNI Apro副会長、増田UNI世界副会長、景中UNI Apro女性委員会副議長他、オブザーバーが出席した。日本のコロナの状況・影響、UAゼンセンの取組み等については、松浦UNI Apro副会長がUNI-LCJを代表して報告した。


ディーセントワーク世界行動デーに、世界の労働組合がエッセンシャルワーカーの権利を求めるキャンペーンを開始

10月7日のディーセントワーク世界行動デーに、世界150か国のサービス産業労働組合を代表するUNIは、エッセンシャルワーカーのための不可欠な権利を求める国際キャンペーンを開始する。

新型コロナウィルス感染拡大期に、不当に低賃金で、正当に評価されず、過小評価された労働者こそが、世界中のコミュニティが機能し続けられるよう、働いてきた。棚に食料品を並べ、病気の人や高齢者の介護をし、学校、職場、公共交通機関、公共の場等が清潔で安全に保たれるようにする労働者がいた。郵便や小包を届ける労働者もいた。人々が金融サービスを受けられるようにする労働者もいた。

危機によって、これらの仕事がどれほど人々の生活に不可欠であるかが明らかになったように、このキャンペーンでは、私達の社会はもう、このような仕事をしている人々のニーズに気づかぬふりをするわけにはいかないと主張している。

「エッセンシャルワーカーにとってディーセントな仕事とは、より良い賃金、安全な仕事、有給の病気休暇、組合があること、そしてみんなが尊敬することだ」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は語る。「パンデミックをきっかけに、これらの不可欠な仕事を再評価しないなら、公正な経済はあり得ない。危機の間、そして平時であっても、エッセンシャルワーカーは大変な貢献をしており、感謝の言葉だけでなく、きちんと評価されるべきだ。」

ディーセントワーク世界行動デーは、私達のグローバル経済に必要とされる抜本的な変化に目を向ける好機である。だからこそ、世界中の労働組合は、全ての エッセンシャルワーカーのために不可欠な権利を要求している。


雇用、民主主義、印刷メディアを守る、グローバルユニオン・キャンペーン

雇用を守り、民主主義を守り、印刷メディアを守る:グローバルユニオンが、ジャーナリズムの未来を守るキャンペーンを開始

世界中で2100万人の労働者を代表する2つのグローバルユニオン(国際産業別労働組織)が共同で今日、印刷ジャーナリズムを守るキャンペーンを開始する。

2020年9月21日、国際ジャーナリスト連盟(IFJ)とUNIは、各国政府に対し、印刷メディア産業全体(ジャーナリズム、出版、印刷、流通)への緊急救済措置をとると共に、メディア情報源から広告収入を横取りしてきたアマゾン、グーグル、フェイスブック等の大手テクノロジー企業に対するデジタルサービス税を導入するよう要求することを表明する。

COVID-19危機は、長年にわたるメディア広告収入の減少を加速化させ、今年だけでも収入は20%減少した。減少した収入の大部分は、テクノロジー企業によって吸い上げられてきた。例えば2018年に、グーグルはニュースサイトから470億ドルを稼ぎ出したが、これが記事を書いたジャーナリストに分配されたことはない。

「昨今の世界的な健康危機によって、印刷メディア産業が直面している大きな困難がさらに拡大している」と、アンソニー・ベランガーIFJ書記長は警鐘を鳴らす。「各国政府は緊急に対応すべきだ。この産業は公共の利益であり、民主主義にとって極めて重要な柱だ。政府もそのことを良く理解しているはずだ。実際、COVID-19危機の最中に、政府は必要不可欠な産業であるとした。もはや船が沈むのを高みから静観している場合ではない」と訴えた。

その先にある深刻な経済危機を見据え、労働組合は、各国政府が、質、倫理、連帯、労働の権利、基本的自由のために闘う印刷メディア産業を守り、メディアの雇用を守るため介入することを期待している。

「我々の民主主義の健全性は、権力を持つ人への説明責任を問うことにかかっている。多くの場合、ジャーナリストは、社会的な信認を濫用する政治及び企業の権力にスポットライトを当てる」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は語る。「印刷メディアは、この情報を発信し、ジャーナリズムのオンライン部分を支える上で大きな役割を果たしている。」

行動を起こさなければ、メディア部門の統合と広告収入の減少により、何千ものメディア情報源が閉鎖されるリスクがあり、何十万もの雇用が失われるリスクがある。

IFJとUNIは、「印刷メディア産業の救済及び将来の存続に向けた救済策」と題する、各国政府に宛てた共同アピールを採択した。両組織の加盟組織は、報道メディアへの支持を求めてロビー活動を行う際に、これらの論点を活用していく。

ニコラ・コンスタンティノウUNI世界印刷・パッケージング部会担当局長は、「印刷メディアはソーシャルグッド(社会を良くする事業)である。そして、メディアのサプライチェーンは巨大で、ジャーナリスト、編集者、校正者、印刷業者、デザイナー、カメラマンだけでなく、配達員、郵便労働者、書店等、何百万人もの人々が携わっている」と述べる。

「これらの事業と、そこで働く人々は、大手ハイテク企業による、不当な租税回避から広告収入を盗まれ、不利な立場に置かれている。我々が頼りにしている、ニュースを制作し配布する人々が公正な配分を得られるようにするため、政府に介入するよう求める。」

参考

UNI世界印刷・パッケージング部会(UNI G&Pは80万人以上のメンバーを代表する国際産業別労働組織である。そのメンバーは、新聞、一般印刷、セキュリティ印刷、出版、ティッシュ、パッケージング等、様々な分野で働いている。UNI世界印刷・パッケージング部会は、UNIの一部会である。UNIは、150か国以上の、急速に成長する幅広いサービス産業で働く2000万人余のメンバーの声を代弁する国際組織である。詳細はこちらのリンクから https://www.uniglobalunion.org/

国際ジャーナリスト連盟(IFJは、ジャーナリストの世界最大の組織で、140か国以上、187組織、60万人のメディア専門職を代表する。IFJは、どの国であっても、労働者の権利及び専門職としての権利を求めて闘うジャーナリスト及びその組合を支援し、支援を必要とするジャーナリストに人道的支援を提供するための国際安全基金を設立した。詳細はこちらのリンクから https://www.ifj.org/


香港やフィリピンから、民主主義への弾圧に悲痛な叫び

第7回UNI Aproメディア部会委員会は、2020年8月28日、オンラインで開催された。中村UNI Aproメディア部会委員会議長は、開会に先立ち、コロナ危機のため実際に会うことができないのは残念だが、エッセンシャルワーカーとしてメディアの最前線で働く仲間に敬意を表し、困難な中でも連帯を深める場にしたい、と挨拶した。

ミシェル・ベリーノ担当部長から、新型コロナウィルスがアジア太平洋地域のメディア・娯楽産業に及ぼすインパクトについて概要報告を受けた後、マレーシア、台湾、香港、ネパール、韓国、インドネシア、フィリピンの委員らから報告を受けた。

ハミルトン委員(台湾)によれば、台湾ではコロナ対策成功事例を海外にアピールする政府の国際広報戦略の一環として公共放送に国際ニュースチャンネルが新設された。戦略そのものに異論はないが、プロジェクトに契約労働者を採用したり業務を外注化したりすることや、透明性や公共性の点で懸念があることを組合として指摘し、情報公開と専門職の公正な処遇を求める声明を大会で採択したと述べた。

エレン委員(香港)は、「香港の民主主義は死んだ」と題し、コロナ感染が拡大する中、政府や警察の横暴の数々を報告した。政府は覆面禁止法の名目でマスク着用を禁止したり、政府に中国本土と香港の境界封鎖を呼びかけストを決行した医療従事者を職場に戻るよう強制したり、警察は真実を伝えようとする報道記者に催涙ガスを噴射したりする。若い世代は自由の奪われた香港に失望しており、「香港を見捨てないでほしい、香港の労働者を救ってほしい」と、UNIの仲間に訴えた。

フィリピンでも、コロナ危機に乗じて反テロ法が成立し、政府に批判的なオンラインニュースサイト・ラプラーや民放ABS-CBN等が存続の危機に瀕している。

ゴビンダ委員(ネパール)は、大手企業でも人員整理が始まり、賃金未払い、賃金削減、賃金支払い遅延が発生し、労働者は健康危機に加え経済的危機にも直面していると述べた。

このような報告を受け、UNIの活動としては、コロナ禍で2021年初頭に予定されていた第3回UNI Aproメディア部会大会を2022年に延期することを確認した他、活動計画の中に、コロナ対応として、①メディア・娯楽産業及び労働者への影響を軽減するためのUNI Apro加盟組合の取組みを支援すること、②仕事への復帰や、コロナ後の対策、安全衛生手順に関して情報交換・経験共有を行い、姉妹組織と連携すること、③コロナの影響に関して、国際的な使用者団体との対話を促進し、UNI及びUNI世界メディア部会と連携することを追加した。


UNI Apro、コロナ禍の移民労働者に対する責任を果たすよう、民間企業に要求

UNI Aproは、市民社会組織及び労働組合と連携し、「未払い賃金を直ちに正すよう」要求する。労働者の権利と人権の保護を目指し、企業に法的義務を果たすよう求めるものだ。

新型コロナウィルスの世界的大流行によって、労使双方が非常に大きな困難に見舞われた。感染拡大が続く中で、最終的にどれだけの影響を受けるのか、ますます予測は困難になっていくだろう。しかし、移民労働者は、この危機の間に最も大きな影響を受けたグループであることは間違いない。

COVID-19に見舞われる前、移民労働者は、企業の繁栄に貢献する等、重要な役割を果たしてきた。しかし、一方的に経費削減策を取る企業も出てきており、労働者に悪影響が及んでいる。更に、移民受け入れ国の経済状況が悪化すれば、多くの移民労働者は本国に送還されることが予想される。

UNI AproはASETUC(ASEANサービス労組協議会)と共に、移民労働者が本国に送還されるまでに、未払い賃金や諸々の権利の請求がきちんと清算されるよう、あらゆる企業に強く要請する。パンデミックは、移民労働者の貢献を却下するための理由や言い訳にはならず、対価は払われねばならない。 要請の中では、労働者を賃金未払いから守るために使用者や企業が取ることのできる14の具体的な手順が示されている。今回の要求は、7月1日と9日に続く3回目の要求である。その中では、正当な賃金や手当を受けられずに本国に送還された移民労働者の苦境を打開するための世界的なキャンペーンとして、公正な仕組み作りを要求している。既出の2回の要求は、各国政府と国連の関連機関に対し、パンデミックのために職を失い、帰国した労働者の賃金関連の苦情や請求、労働紛争に対応する、暫定的な司法メカニズムを構築するよう緊急対応を求めている。


UNIメディア部会、女性役員情報交換

UNIメディア部会女性役員は毎年、世界執行委員会に合わせて情報交換を行っている。2020年はコロナ禍のため、8月10~11日、オンラインでの開催となった。新型コロナウィルス感染拡大が世界中のメディア・娯楽産業で働く女性に及ぼした影響について情報共有し、組合の情報発信におけるジェンダー描写について議論を行い、国際舞台演劇映画組合(IATSE)から、米国の同産業におけるジェンダー平等を求める闘いについての講演を受けた。

IATSEのジョアン・M・サンダース国際担当副委員長は、IATSEにおける女性労働者の地位向上を成し遂げた経緯を説明した。過去100年近く、撮影クルーにおいても組合役員においても女性比率は非常に低かった。しかし、時間はかかったが着実に、IATSEの女性は組合内で、女性の重要性を認識してもらい、その結果より高い役職に多くの女性が就けるよう、結束を深めて取組んできた。そうするうちに、組合の支部等にも効果が波及し、変化が起こり始めた。これらの努力が2015年6月6日、IATSE女性委員会の設立につながった。その翌年、IATSEは平等に関する声明も採択した。女性委員会は、女性の人脈作りやメンタリングの機会、各種教材を提供したり、ソーシャルメディアを活用したキャンペーンを展開したりする他、コミュニティにも働きかけたり、IATSE女性組合員の様々な活動を企画・実施している。その後、IATSEは2019年にプライド委員会を設立することによって、LGBTQ+組合員を含めるよう範囲を拡大し、組合及び広くコミュニティにおいて認知度を高めると同時に、LGBTQ+組合員に重要な問題についての意識喚起も行った。ジョージ・フロイドの死を受けて、ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)運動が国内外で注目され、とりわけ警察や司法当局による有色人種の扱いに注意が向けられるようになった。IATSEは現在、BIPOC(黒人、原住民、有色人種)組合員のニーズに応えられるよう、多様性委員会を改変しようとしている。ジョアン・M・サンダース副委員長は、「人種差別主義者でない」だけでは不十分だと強調し、我々は「人種差別反対主義者」だと断言しなければならないと訴えた。

ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、今回のパンデミックが世界中の女性に及ぼした影響について話した。「感染拡大当初、女性に不足していたのは情報だった。労働組合がこのような例外的な状況の中で労働者の権利について、また危機からいかに自分を守るかについての情報を提供すべきであったのは明白だった」と強調した。UNI機会均等局は、女性労働者向けの教材を作成し、共有している。女性の多くは、エッセンシャルワーカーとして、命を危険に晒しつつ最前線で働いている。女性参加者の多くが、それぞれの国において、「コロナ危機を受けて実施されたロックダウンの間に、女性に偏って育児や家事の負担が増し、仕事との両立が難しくなった」、「育児サービスを受けられなくなり女性は仕事を辞めざるをえなかった」、「在宅・自粛期間中、明らかに家庭内暴力が増えた」等と報告した。UNI機会均等局は、加盟組織と連携し、例えばオンライン教育を受けられるようにする等、最も弱い立場にある女性が支援を受けられるよう働きかけている。

メディアにおけるジェンダーの描写について、UNIメディア部会女性ワーキンググループは、リーフレットを作成している。その目的は、組合内で、広報資料に関して男女をどのように描写しているかについての議論を始めることである。例えば、ある職種を無意識に特定のジェンダーに連想させる固定観念を押し付けるような広報資料をまだ見かける。リーフレットがまとめられたら、メディア部会加盟組織には、自組織の広報資料やジェンダー問題への取組みの評価に活用するだけでなく、ジェンダーを巡る描写について議論を奨励し、意識喚起のためにも活用することが期待されている。

日本からは、民放労連・女性協議会の岸田議長が、民放産業における女性役員の登用を求める取組みについて、日本俳優連合の森崎国際事業部長が、俳優をはじめとするフリーランス労働者への法的保護拡大の取組みについてそれぞれ状況を報告した。岸田議長は、女性役員を登用し多様性を確保しなければ先入観の無い倫理的な決定がなされず業界は生き残れないと訴えた。


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