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ミャンマーの民主化のために闘う労働者に「恐怖からの解放賞」

ミャンマー労働アライアンス及び労働者、UNI「恐怖からの解放賞」を受賞

UNIは、自らの自由と命を危険に晒しながらもミャンマーに民主主義を取り戻すために闘っている、ミャンマーの労働者とミャンマー労働アライアンスの並外れた勇気を称え、ミャンマー労働アライアンス及び労働者に「UNI恐怖からの解放賞」を贈った。

2021年2月1日にミャンマーで軍事クーデターが発生した。激怒した労働組合と市民社会組織は、アウンサンスーチー氏を中心とする民主的な選挙で選ばれた政権の回復を求め、市民の不服従運動を立ち上げた。

数千人もの公務員が政府の仕事を辞め、鉄道労働者が列車を止め、民間部門の労働者は全国ストを打った。ミャンマー銀行労組(MBU)やミャンマー銀行労連(BWTUFM)の組合員6000人もこれに加わった。

「UNI恐怖からの解放賞」の受賞に際し、ミャンマー労働アライアンスとミャンマーの労働者を代表して、ミャンマー労働組合総連合(CTUM)のサンダ・ソー副書記長は次のように述べた。

「この残忍な軍事政権との闘いは容易ではなく、非常に厳しい。危険を冒さなければならないことはわかっている。逮捕され、拷問され、投獄され、殺される。だが、他に選択肢がない。人々の力を取り戻すため闘わなければならない。兄弟姉妹の皆さん、皆さんからの連帯支援に支えられ、我々は勝利するまで闘い続ける。軍事独裁政権は撤退すべきだ。我々の革命が勝利しなければならない!」

1000人以上が殺害され、組合員を含む数千人の活動家が投獄され、60人以上が死刑を宣告されている。

UNIは、世界の労働運動と共に軍事クーデターを非難し、軍部が民主的秩序を回復し、全ての政治犯を釈放するよう要求している。

UNI世界運営委員会は、ミャンマーにおける権利と民主主義回復の闘いを支えるため、できる限りのことを行うとする声明を発表した。また、多国籍銀行に対しては、軍事政権と関わりのある企業から直ちに投資撤退するよう書面で要請し、9月15日の「ミャンマーのための世界行動デー」においても、この要請をあらためて強調した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「ミャンマーの民主的選挙からちょうど1年となる今週、この賞を贈ることは意義深い。だがその政権は、暴力によって覆されてしまった。我々は、ミャンマーの労働者が、ミャンマー労働アライアンスと共に、民主主義を不屈の精神で粘り強く追求してきた勇気と決意を称えたい。ミャンマーの人々の勇気ある行動は、世界の労働運動、更には世界中を奮い立たせ、支持を集めている。我々は連帯し、民主主義が回復するまで支援の手を止めることはない」と力を込めた。

「UNI恐怖からの解放賞」は毎年、危険を冒しながらも組合の組織化や労働者の権利を促進し、恐怖のない世界の実現に貢献した個人や団体に贈られる。


UNI Aproファミリー、松浦新会長の就任を歓迎

2021年11月5日にオンライン開催された第29回UNI Apro執行委員会は、松浦昭彦UAゼンセン会長を、新たな会長に選出した。2015年から地域会長を務めた野田情報労連前委員長を引き継ぎ、UNI Aproを率いていくこととなる。

委員からは祝福の言葉が相次いで述べられた。ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長も、「松浦会長はこれまでも副会長を務め、UNI Aproの状況をよくご存知なので、非常に心強い。豊富なご経験と知見でUNI Aproを強化し、次のステージに導いてくださるだろう」と期待を寄せた。

松浦会長は就任挨拶の中で次のように述べた。「コロナ危機の中で、アジア太平洋各国の組合は政府や経営者と交渉し、労働者保護のための協約や制度を勝ち取り、重要な役割を果たしてきた。我々の取組みによって、“やはり組合は必要なのだ”と認識された。我々はより多くの労働者を組織化し、組織を強化することによって影響力を発揮し、労働者を保護するための取組みを更に進めなければならない。アジアはグローバル化の中で経済的に急速に成長してきた地域だが、その一方で、ミャンマーにおけるクーデター、香港の民主派活動家への抑圧、フィリピンの反テロ法等、深刻な民主主義への攻撃が起こっている。アジアの多くの国では労働組合権が十分に認められておらず、サプライチェーンの底辺で不安定な雇用と劣悪な労働条件下で働く人も多い。その他にも、AIやロボット等の新技術の進展、気候変動といった我々の労働の未来に大きな変化をもたらすであろう多くの課題がある。そのような状況で、UNI Apro会長という大役を担うことの重責を感じている。今後、地域会長として、ラジェンドラ地域書記長をしっかりと支え、この地域のUNI加盟組合の皆さんと共に、全ての労働者の権利保護、安全、労働条件向上のため精一杯取組む所存だ。」

野田会長は、次のように退任の挨拶を行った。「6年前にクアラルンプールのUNI Apro地域大会で会長に選出されてから、多くの国を訪問し状況の理解に努め、リーダーの皆さんと人間関係を築いてきた。この2年はコロナ禍で皆さんに会うことができず残念かつ心残りだ。UNI Aproには、UNI Aproらしい良さがある。松浦新会長のリーダーシップの下、UNI Aproの益々の発展を祈っている。」

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「UNI本部及びUNI Aproにおける書記長交代という重要な移行期をずっと支えてくださり、大変感謝している。野田会長はUNI Aproだけでなく、ICTS部会の偉大なリーダーとしても、思慮深く、献身的かつ現実的に部会を主導してくださった。お忙しい中でもUNIの取組みに大変なエネルギーを注いでくださったことに、UNIを代表して“ありがとう!”と申し上げたい」と、野田会長に感謝の意を表した。

アチャリャUNI Apro地域書記長も、「事務局を代表し、野田会長の力強いサポートに心から感謝する。退任されても、UNI Aproの発展にお力添えをいただきたい」と述べた。

また、並木自動車総連事務局長及び石川JP労組委員長はUNI Apro副会長に、安藤情報労連委員長はUNI世界副会長にそれぞれ確認された。須齋損保労連事務局次長はUNI Apro女性委員会副議長として運営委員会メンバーに確認された。

新たな役員体制の下、UNI Aproファミリーは、コロナ危機を克服し、前進していくことを確信した。


コロナ禍の印刷・パッケージング部会加盟組織の取組みを共有

2021年10月19日、日本時間20:00~22:30、UNI世界印刷・パッケージング部会委員会がオンライン開催された。アジア太平洋地域からは、ロレイン・キャシン議長(オーストラリア製造労組印刷パッケージング部会書記長)、宍戸副議長(印刷労連委員長)、マヘンドラ委員(ネパール印刷情報メディア労組委員長)が出席した。

開会挨拶の中で、ホアキナ・ロドリゲスUNI世界印刷・パッケージング部会議長は、コロナ禍の1年半の加盟組織の奮闘に敬意を表した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は連帯挨拶の冒頭で、新たにメンバーに加わった宍戸印刷労連委員長を歓迎した。「欧州では徐々に対面会議ができるようになってきたが、先進国でワクチン接種が進んでいても、世界で見れば格差がある。UNIは全ての人に平等なワクチン接種の必要性を呼びかけている」と述べた。そして、食品、薬、衛生用品等、生活必需品のパッケージング製造・印刷に関わるエッセンシャルワーカーの職場の安全確保にとって、労働組合の存在は極めて重要だと強調し、加盟組織の尽力を称えた。

前回委員会以降、この1年の活動について、本部局長及び各地域担当部長/議長がそれぞれ報告を行った。

UNI Aproについては小川担当部長から、9月14日に第5回UNI Apro印刷・パッケージング部会大会を開催し、今後4年間の行動計画を採択し、役員体制を選出したこと等を報告した。

委員会では、コロナ禍の印刷・パッケージング部門における団体交渉の優良事例が報告された。

ベルギーでは、賃金の物価スライド指数、定年の年齢等は産業横断的に全国レベルで規制されている。一方、産別交渉は年2回行われ、印刷部門は、上乗せ賃金、食事手当、休暇増、自転車通勤手当、職業訓練等を交渉で勝ち取った。これらの上乗せや諸手当は、使用者が拠出する産別基金から出されるもので、これまでは使用者がその使い方を決めていた。コロナ危機を契機に、組合も拠出額の変更や、基金が労働者のためにも使われるよう交渉できるようになった。基金の残高も組合がモニターできるようになった。結果、2020~2021年に限り、産別基金への拠出額を減額したが、コロナ禍中に解雇された労働者に、通常は45歳以上に支給される「再就職支援金」を、年齢に関わらず産別基金から支給すること、コロナ禍中の休業期間も年末賞与の計算対象に含めること(使用者は産別基金から補填を受ける)、安全対策の徹底(消毒薬の提供、安全衛生問題の相談窓口の周知、感染時の手続き明確化等)を含む産別ガイドラインを労使で策定することができた。2020~2021年は政府からの企業への支援があったため、印刷会社も大きな解雇もなくコロナ禍を乗り切ることができそうだが、政府支援がなくなる2022年以降も、組合としては印刷産業使用者団体に、雇用を守り、優秀な人材を維持するためにも、産別基金を活用するよう交渉していく。

「印刷情報メディア産業に集う仲間にとって”必ずそばにいる存在”であるよう努めていく」(宍戸印刷労連委員長)

宍戸副議長は、コロナ禍の印刷労連の取組みとして、製造工場部門及び営業・企画部門それぞれの成果を報告した。製造工場部門では感染予防策を交渉し徹底すると共に、感染リスクに対する精神的ストレスを解消すべく、労使で改善に努めている。一方、営業・企画部門は出社比率の削減が求められており、5割目安でテレワーク勤務が続いているが、ニューノーマルな働き方に向けた勤務制度を労使で構築し、感染予防と業務遂行の両立を図っている。「コロナ禍で1対1の対話が信頼関係の醸成に極めて重要であることが再認識され、日々の取組みの発信が組合員一人ひとりに届き、理解・共感・参加に結びついているかを検証する機会となった。多様な生活様式や働き方が広がる中、印刷情報メディア産業に集う仲間にとって”必ずそばにいる存在”であるよう努めていく」とまとめた。

委員会は、この他、部会加盟人員と部会財政状況について事務局から報告を受けた他、今後の優先課題を確認し、コロナの感染状況次第ではあるが、徐々にハイブリッドまたは対面開催を検討しながら活動を実施していくこととした。


「安全衛生は職場の基本!」ディーセントワーク世界行動デー2021に際し、UNI Aproよりメッセージ

2021年10月7日の「ディーセントワーク世界行動デー」にあたり、UNIは世界に向けて「今こそ、全ての人々を守るため、交渉と規制を通じて、新しい安全基準を設定する時だ」と発信した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、 「コロナ禍をきっかけに、世界中で労働安全衛生の問題が注目されるようになった。労働者の権利についての議論では中心課題となり、勤務中の、以前からある、或いは新たに発生した様々な危険から労働者を守るために欠かせない、労働組合が果たしている重要な役割が浮き彫りにされた」と述べた。

「職場の安全衛生は基本的な権利であることを認識しなければならない。」

UNIは、「ILOが職場の安全衛生は基本的な権利であると認定するよう、全ての組合に働きかけを要請するキャンペーン」を展開しており、UNI Aproはこれを強く支持する。

ILOは政労使から成る三者構成機関であり、労働組合は使用者及び政府に対し、労働安全衛生を最高レベルの国際労働基準に格上げするよう要求している。基本的権利とは、全ての国及び労働者に適用される権利である。 

2019年に政労使代表により満場一致で採択された、ILO創設100周年記念宣言では、全ての労働者にとって労働安全衛生が重要であることが認識されている。

その後、職場におけるテクノロジーの拡大使用によって発生したリスクに、コロナ禍中の危険が重なり、職場の安全衛生を基本的権利とする必要性の緊急度が高まると同時に、労働組合はその権利を徹底し行使する上で不可欠であることが示された。

「余りに多くの労働者が仕事中に感染し亡くなった。ILOレベルでのアクションがあれば、現場レベルで安全な職場を促進する組合の役割も果たしやすくなるだろう」と、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は述べた。

「新型コロナウィルスは、働く人々の健康を脅かす多くの新しい問題の1つに過ぎないが、加盟組織は全ての労働者にとって職場を安全に保つことができると確信している。」

UNI Aproは、加盟組織の各職場での取組みを強く支持します!


コロナ禍とDXの影響を受ける印刷・パッケージング部会加盟組織、新たな行動計画を採択

2021年9月14日、9か国14加盟組織より34人と、来賓・スタッフ19人が出席し、第5回UNI Apro印刷・パッケージング部会大会がオンライン開催された。

大会は、2017~2021年度UNI Apro印刷・パッケージング部会活動報告、2021~2025年度UNI Apro印刷・パッケージング部会行動計画、UNI Apro共同声明を採択すると共に、2021~2025年度UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会委員及び役員を選出した。議長にはロレイン・キャシン氏(オーストラリア)が再選され、副議長には、宍戸印刷労連委員長(日本、東アジア代表)、ラビ・ラマサミー氏(マレーシア、東南アジア代表)、ジャグディシュ・ゴッセ氏(インド、南アジア代表)が選出された。

また、古賀印刷労連副書記長が資格審査委員長、安部全印刷書記長が決議委員を務めた。

ロレイン議長は、開会挨拶の中で、「本大会では、新たな環境の中でいかに組織化を進めるか、いかにコミュニケーションを図るか、情報交換を密にしいかに労働者を代弁していくかを議論する」と述べた。「ワクチン接種の格差が拡大する中、最前線で働いている労働者の安全確保が重要であり、多国籍企業は賃金や安全衛生を疎かにしてはならない。DXが加速し、チャンスも到来し、持続可能なパッケージング産業の構築が必要だ。過去のような形には戻らない。大会で情報交換をし、職場に戻りそれぞれの計画を策定することが大切だ」と強調した。

ホフマンUNI書記長からは連帯挨拶を受けた。「印刷・パッケージング部門はエッセンシャルワーカーであり、職場における安全衛生の確保が重要だ」と述べた。「コロナ禍により原則した世界経済を復興させる上で、労働者が取り残されてはならない。多くの企業がコロナを口実に、ビジネスモデルを変更したり、賃下げを行っている。特に印刷部門、新聞業界では、活字媒体が廃刊に追い込まれている。広告収入もデジタル企業に取られている。印刷やメディアは独占企業であってはならない。業界の将来をどう形成していくか交渉できる組合の存在が重要だ。技術の変化に対応して、労働者のスキルアップが重要だ。民主的な社会において労働組合は極めて重要な存在であることを強調していく。」

ニコラUNI世界印刷・パッケージング部会担当局長は、「コロナ禍で印刷・パッケージング業界の中でも、大打撃を受けた新聞、セキュリティ印刷部門と、ティッシュやパッケージング等の生産が増え成長した部門もある。我々は国際会議をオンライン開催しタイムリーな情報交換に努めた。労働安全衛生に関するガイドラインを策定し、各産業の傾向分析も行った。国際ジャーナリスト連盟(IFJ)とも連携を強化している。セキュリティ印刷部門の情報交換も継続していく。アムコール社のUNI Apro労組ネットワークを強化していきたい。マレーシアで印刷・パッケージング部門の労連(UNI PACK)が結成されたことは大きな成果だ。ネパールで、デジタル組織化を始めた。今後はフィリピン、ラオス、ベトナムにも目を向け、強力な組合をUNI Apro地域で構築していく」と挨拶した。

続いて、ラジェンドラUNI Apro地域書記長から基調講演を受けた。「印刷・パッケージング部門のコロナ禍の影響には濃淡がある。デジタル化の影響で新聞は廃刊になる等影響を受けていたが、コロナ禍で更に深刻化した。一方、パッケージやティッシュぺーパー部門は、衛生用品や食料品の需要増により活況となった。これらの変化が永続的なものになるかどうかは不明だが、デジタル化、自動化が一気に加速した。非正規で不安定な低スキル・低賃金労働が増え、労使関係が蔑ろにされる新しい労働形態が出現し、所得格差が拡大している。人間を中心とした復興を目指すには、ILOが提唱するように、①人間の潜在能力への投資、②仕事に関わる制度への投資、③ディーセントで持続可能な仕事への投資の拡充が重要だ。UNI Aproは、パートナーシップ労使関係を促進しながら、全ての人にとって、包摂的かつ公正で持続可能な社会の実現を目指し、国民皆保険、疾病手当の確保、移民労働者の保護、労働安全衛生の遵守と基本的労働権の確保等に取組んでいく」と述べた。

以下は行動計画に沿ったテーマ別議論の要約である。

セッション1「組織化! エンパワーメント! より良い団体交渉に向けて力の構築!」

UNI Apro各国で事業を行う多国籍企業アムコール、テトラパック、キンバリークラーク、ウェストロック等の組織化に重点を置き、労組間の連携を図っていく。ホビッグUNI Apro組織化担当部長から同部会の計画を聞き、インド・プネ地区における多国籍パッケージング企業の組織化に向けた調査報告と計画について確認した。

セッション2 デジタル化及びCOVID-19等の課題に対する革新的な対応」

宍戸印刷労連委員長は、産別労組として、働く立場から意見提起を行い、産業政策等について労使間での共有を目指しつつ、雇用の維持と創出、賃金・労働条件の維持向上に全力を挙げていくと発言した。

インドネシアASPEKのアリ印刷・パッケージング部会議長は、コロナ禍における政府及び企業への要請や、DXにおいても労働者が新しいスキルを習得できるよう支援している取組みを報告した。ラビ・マレーシア新聞労連書記長は、新聞業界は読者層が印刷媒体からSNSに移行し、縮小を続け、多くの組合員を失ったと述べた。組合つぶしも横行し、在宅勤務、契約労働・請負労働が増加し、組合に入りたがらない若年層もおり、組合員増につながらないと苦しい状況を報告した。

梅原全印刷委員長は、デジタル化は回避できないが、国民サービスの質の低下を招かぬよう、新事業の確保に向け労使間で課題を明らかにしながら克服に取組んでいくと述べると共に、長年支援してきたインドのセキュリティ印刷9組織が近い将来団結し、UNI活動に積極的に参加することに期待を寄せた。

これを受け、ジャグディシュ・インドセキュリティ印刷労組書記長は、7月にUNIが情報交換セミナーを開催してくれたこと、特に梅原全印刷委員長の支援に感謝した。セキュリティ印刷部門はデジタル化の影響を大きく受け非常に厳しい。「インドでもデジタル通貨による決済が年末までに開始される予定だが、都市のみで使用され、地方では混乱が生じる可能性がある。横行するサイバー犯罪の殆どが未解決で、セキュリティ上のリスクが高い。雇用喪失にもつながる」と警戒し、更なる情報交換の開催と支援を要請した。ジョー・ニュージーランドEtu交渉担当は、使い捨てプラスチックを減らすため、新たなパッケージのニーズが生じており、公正な移行を推進していくと強調した。

セッション3「印刷・パッケージング産業のより良い未来に向けてネットワーク強化」

市村大日本印刷労組委員長は、組合員の社会に対する関心や知識を高める取組みとして、UNIの協力を得て、SDGsをテーマとしたウェビナーを開催し、サプライチェーンの問題や児童労働について紹介したことを報告した。

マヘンドラ・ネパールIMPRESSION委員長は、組合員への福利厚生の充実や教育、労働環境改善の取組みを通じて組合のイメージを刷新すると共に、労働契約の適正な締結を目指していると述べた。デジタルプラットフォームを活用して組合員とのコミュニケーションや社会対話を図ろうとしている。

吉永新聞労連委員長は、ジェンダー平等実現に向けた取組みを報告した。組合の「真の民主化」を実現するには、具体的な数値目標を立て、マイノリティ性のある立場の人の声を拾えるよう、制度、構造、システムを変え、その必要性を組合員に繰り返し説明し全体で取組むことが重要だと述べた。


UNI Apro、ミャンマー国民統一政府の国連総会での承認を求める共同決議に参画

2021年8月30日に開催された、労働組合、国会議員、ミャンマー国民統一政府(NUG)によるASEAN+6地域社会対話(ARSD)で、ディーセントワークの推進に向けて同国の民主主義の回復を求める決議が採択された。

決議では、9月14日から開催される第75回国連総会において、NUGをミャンマーの正当な代表として承認することを国連に要請する等、重要な勧告がなされた。

今回の社会対話は、NUGと軍事政権のどちらの代表が国連総会に出席できるかを決定する国連総会の信任状委員会の審議に先立ち、特別に開催されたものだ。

ミャンマー国民は、民主的に選出された亡命中の立法機関が4月16日に設立したNUGを、国際社会が承認することを求めている。協議の中で重点的に検討されたのは、そうしたミャンマーの人々の声を後押しする方法である。NUGには、国民民主連盟(NLD)、すべての少数民族グループ、様々な政党、労働組合、青年・女性組織の代表者が参加している。

UNI Aproは、志を同じくするグローバルユニオンのアジア太平洋地域組織、ASEANサービス従事者労働組合評議会(ASETUC)とともに、国際労働組合総連合アジア太平洋地域組織(ITUC-AP)、ASEAN労働組合協議会(ATUC)、ASEAN人権議員連盟(APHR)、ミャンマー労働組合総連盟(CTUM)の協力を得て、NUGの承認を求める広範な活動の一環として、今回の社会対話を開催することとなった。

ASETUC書記長でベテラン組合活動家のモハマド・シャフィー・BP・ママルUNIマレーシア加盟協議会(UNI-MLC)議長が労働組合を代表して歓迎の言葉を述べ、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、パネルセッション「ミャンマーでビジネスを行うということ」の中で司会を務めた。

シャフィーUNI MLC議長は、「今回の社会対話が、ミャンマーの友人たちを勇気づけ、国際社会がNUGを正当な代表として認めることを望むミャンマーの人々に、希望を与えるものとなることを心から願う」と述べた。

ARSDは、ASEANで毎年開催されている三者社会対話であり、様々な問題に対する社会パートナーの対応を集約し、人々を中心としたASEANの構築に向けてディーセントワークのアジェンダを推進している。今回、参加国を拡大して特別版として開催されたARSDには、ASEANの主要な経済パートナーである5か国(日本、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド)も加わった。

国連総会前日の9月13日、グローバルユニオン評議会(CGU)は、政府間組織にNUGを承認するよう求める世界行動デーを実施する予定。


UNI、原爆投下76年目の広島・長崎の犠牲者を追悼

第二次世界大戦中の1945年8月6日に広島、8月9日に長崎に原子爆弾が投下された。原爆投下から76年目を迎えるにあたり、UNIは一瞬にして命を奪われた多くの犠牲者に哀悼の意を表すると共に、その後も長期にわたり放射線の影響を受け続けた被ばく者の苦しみに心を寄せる。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「世界がコロナウィルスという新たな脅威と闘う一方で、このような苦しみが繰り返されないように、平和と核軍縮を訴え続けていかなければならない」と訴えた。

UNIは、人権の基本要件である核兵器のない世界の実現に向けて積極的に取組んでおり、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)にも参加している。人権や労働者の権利を擁護するUNIは、2010年の世界大会を長崎で開催し、軍縮に焦点を当てた議論を行った。

2010年の世界大会前から、UNIは長崎や国際的な平和運動との強い絆を築き、核兵器がもたらす恐怖と破壊力について理解を深めてきた。

またUNIは、核兵器廃絶を目指す世界的なキャンペーンを支援する取組みとして、毎年、平和大使の訪問をUNI本部で受け入れてきた。だが残念なことに、この2年間はコロナ禍のため、平和大使の訪問ができなくなっている。UNIは一日も早いコロナの収束と、平和大使の訪問を切望している。


アジア太平洋地域のセキュリティ印刷関連労組、情報交換会

2021年7月12日、UNI印刷・パッケージング部会は、UNI Aproのセキュリティ印刷労働者を代表する加盟組織や組合代表及び欧州の講師を招いて、情報交換を行った。これは、6月9日のUNI Apro印刷・パッケージング部会委員会において、インドのセキュリティ印刷労組、ジャグディシュ書記長から、デジタル化の進展及びコロナ禍に伴う紙幣製造減少に直面する中、各国における対応状況について見聞する機会を設けてほしいとの緊急要請を受けて実現した。

UNI Aproからは、キャシンUNI Apro印刷・パッケージング部会議長(オーストラリア)、講師として梅原全印刷委員長が出席した他、インド、インドネシア、マレーシア、スリランカのセキュリティ印刷労組の代表が参加した。また、欧州からも講師が参加し、欧州における取組みについて理解を深めた。

梅原全印刷委員長は、「アジア及び日本における現状と将来に向けた取組み」と題する講演を行い、世界のデジタル化の情勢(キャッシュレス化の動向、中央銀行デジタル通貨の動向)から、日本社会のデジタル化の動向、キャッシュレスの方針・ロードマップ、キャッシュレス推進に向けた政府事業、日本銀行のデジタル通貨のスタンスと取組み等について詳細に説明した。最後に、労使一体の取組みを紹介し、デジタル化した社会においても、経済活動、国民生活の安定を図ることを責務とする国立印刷局の役割は今後も変わらないとし、労使で様々な課題を見極めながら克服に向けて共に取組んでいくことを強調した。

欧州中央銀行社会対話委員会でUNI欧州印刷・パッケージング部会の代表を務める、スペインFSC CCOO労組のマリア・アントニア・アラケ・アロンソ氏は、ユーロ紙幣印刷の現状について説明した。ユーロ紙幣製造・調達システムに、2015年以降、国立印刷造幣局の他、公共契約入札による民間印刷会社での製造が導入された。この官民モデルを推進する目的は、銀行券の供給の継続性確保、ユーロシステム内のノウハウ維持、競争によるコスト削減の促進、民間と公共部門のイノベーションの活用である。しかし、コスト削減と競争力を促進するために、公共事業としての銀行券製造の観点から離れ、自由市場モデルの力学を公共の製造に採り入れようとする懸念がある。また、多くの政府が電子決済を奨励する施策を推進する中で、銀行の大規模な支店閉鎖、ATM廃止等が行われ、農村部を中心に人々が基本的な金融サービスを受けられない状況が生まれる等、デジタル化による国民間の格差拡大も懸念される。そこで、デジタル通貨が通貨システムにもたらすリスクを回避するためには、開発の主導権を民間のプレーヤーだけに委ねてはならず、公的部門と組合が関与し民主的な方法で行わなければならないと主張した。

「現金は重要(Cash Matters)」という非営利組織の議長を務めるアンドレア・ニッチェ氏は、現金の重要性を提唱する運動について説明した。現金は(銀行口座の有無を問わず)とりわけ貧困層にとって唯一の決済手段であり生計を立てる手段でもある。現金使用には手数料はかからず、使用に関する情報の守秘性も保たれる。現金の使用に関して、貧富、銀行口座の有無、社会的地位、弁済能力、国籍、年齢、人種、ジェンダーによる差別はない。アンドレア氏は、金融包摂の点からも、個人の自由や尊厳が担保される点からも、現金の重要性を強調した。

インドのセキュリティ印刷部門9労組のうち、ナシックにあるセキュリティ印刷労組がUNIに加盟している。UNI及びUNI Apro印刷・パッケージング部会は、インドのセキュリティ印刷・造幣・製紙工場等9労組の連携強化を目指しており、毎年、インドで支援セミナーを開催してきたが、2020年はコロナ禍で現地セミナーが実施できなかった。そこで、ジャグディシュ書記長の要請を受け、インドの9労組全てに参加を呼びかけ、今回のオンラインによる情報交換会が実現した。ジャグディシュ書記長からは、各国の講師からの詳細な情報提供とUNIの迅速な対応に感謝の意が述べられた。

キャシン議長は、急速に変化する情勢を踏まえ、各国の状況に合わせた適切な戦略を策定するため、今後も定期的に情報交換・経験交流を続けていこうとまとめた。


UNIインド加盟協女性・青年/UNI-LCJ共同セミナー

2019~2022年度UNI-LCJ「海外活動の方向性」に従い、毎年インドで支援セミナーを開催することとしているが、昨年はコロナ禍で実施できなかった。今年も未だ感染が収束しない中、6月27日にオンラインで開催され、インドから34人、日本からが15人参加した。開会式で、ミリンドUNI-ILC議長は、UNI-LCJの継続的な支援と、アチャリャ地域書記長による講演や野田会長の出席等、UNI Aproの協力に感謝した。松浦UNI-LCJ議長は、未曽有の困難に立ち向かうための連帯を参加者に呼びかけると共に、日印関係がビジネス・経済面で今後ますます発展する中、両国の労働組合が連携を図り、互いの文化や労働組合の活動について理解を深め、それぞれの組合活動に活かしていく意義を強調した。

アチャリャUNI Apro地域書記長は、「コロナ禍・ポストコロナにおける労働組合及びUNIの役割」と題する基調講演を行った。インドの現状や課題について述べ、困難な中でもインドの労働組合が交渉やロビー活動で勝ち取った成果を評価した。また、UNI Aproが注力する女性・青年の育成に協力する形で、インドの女性・青年向けのセミナーを継続しているUNI-LCJに対して感謝した。基調講演に続き、インドの新聞労組、医療労組、IT労組の参加者がそれぞれ、労働組合がコロナ禍に取組んだ活動を報告した。インドでは「つながらない権利」という概念が認知されておらず、在宅勤務により労働時間が長くなり、ストレスが増したという意見が出された。

日本からは3人の講師が講演を行った。景中損保労連事務局次長は、コロナ禍が女性及び若年層に与えた影響と組合の取組みについて説明した。相対的に女性が多く従事する窓口業務や書類を扱う業務はテレワークが難しく、職場の感染防止対策の徹底や、テレワークの環境整備、テレワークが可能な業務の拡大に取組んだ。若年層については従来対面で育成・指導してきたが、リモート環境下での有効な育成・指導方法への柔軟な変更や、社員間のコミュニケーション強化に向けたルール作りを行っている。また、with/afterコロナにおいて、柔軟な働き方を推進する観点からも「長時間労働につながる商習慣」の見直しは有効であり、全ての労働者が働きやすい環境の実現につなげたいとした。

柏木JP労組中央執行委員は、各種統計や連合が実施したアンケート結果等から、コロナ禍の女性に対する影響の深刻さを説明した。連合は有識者を交え、コロナ禍におけるジェンダー平等課題に関する意見交換を実施し、指摘された諸課題について政府に必要な対策を求めていくこととしている。また、コロナ禍にJP労組が交渉で勝ち取った、特別な有給休暇や見舞金支給等の成果についても紹介した。

水野情報労連組織対策局長は、コロナ禍・ポストコロナにおける労働組合のコミュニケーションについて詳細に報告した。コロナを理由に活動を止めないため、感染防止対策の徹底と共に、オンライン活用や業務のデジタル化推進、対話・参加型の取組みに対する工夫、オンライン団交の向き・不向き等、経験に基づく具体的事例を詳細に紹介した。コロナ制約下でのオンラインの取組み成果を活かす多様なコミュニケーションツールの活用により、Face to Faceの取組みを追求しつつ、「つなぐ」役割の強化が重要だ、とまとめた。

インド人参加者からは、下記のような質問やコメントが出された。

  • ビデオ会議を含むテレワークに関する行動基準やガイドラインの有無
  • 郵便局におけるコロナ禍の交代出勤、妊婦や障がい者の保護対策、テレワークの可否等
  • 女性の在宅勤務に関する問題は組合が取組み改善していかなければならないことに同感する
  • オンラインレクやオンラインゲームはクリエイティブな試みだ、是非、インドの組合でも真似したい

この他、インド人参加者からも報告を受けた。

レッカD.M.(郵便労連)は、 コロナ禍でインドの女性が受けた影響について、郵便局の貢献及び職場で女性労働者が直面した課題と郵便労連の取組み、他産業の女性労働者が直面した問題とそれを克服するためのステップ等を報告し、コロナ禍から学んだ教訓でまとめた。

ロヒット・カプール(バローダ銀行管理職労組)は、インドの感染状況の深刻さを報告し、バローダ銀行は、ロックダウン中も預金・引出・送金等の不可欠サービスは提供し続け、中小企業を積極的に支援したことを説明。組合は、貧困層への食料配給、献血、育児中の母親・妊婦・障がい者等の在宅勤務化交渉、メンタルヘルスに関するウェビナー開催、遺族への弔慰金交渉等の成果を報告した。

グループワークでは、①女性・青年が組合に期待すること、②自分たちが貢献できることを議論し、各グループの討議結果が発表された。

①については、若年層や女性の課題を真剣に取り上げてほしい、若年リーダー育成・機会の提供、定期的なコミュニケーションを通じた組合活動の周知、組合員との双方向のコミュニケーションの重視、女性の参画を強化するため、女性だけでなく男性の意識啓発も促すこと等の提言がなされた。②については、若い労働者との信頼関係の構築、組合の意義や活動を正しく従業員に伝え、共感し、自ら積極的に取組むこと、楽しい方法で組合参加を促すアイデアを出し実行すること、SNSの活用、女性委員会の強化等、積極的な意思が表明された。アンジャリ・ベデカーUNI-ILCコーディネータは、短時間でも前向きなグループ討議ができ、良い意見がまとめられたことを称えた。

閉会式では、飛び入り参加した野田UNI Apro会長が、2017年秋の訪印時、成長するインドの勢い、能力とモチベーションの高さに感銘を受けたことを振り返り、インドは世界経済を牽引する存在でもあり、南アジアの組合の強化は、UNI Aproとして最も重要な戦略であると述べた。参加している女性、青年に対しては、女性の価値観や若年層の価値観をUNIの活動に活かしてほしいと激励した。ミリンドUNI-ILC議長は、UNI-LCJ及びUNI Aproの支援にあらためて感謝し、今後も協力関係を深めていきたいと述べた。また、働き方が変わっていく中で、組合役員の経験を活かすと共に、若きリーダーの成長に期待し、共に新しい労働運動をつくっていこうと激励した。森川UNI-LCJ事務局長は、オンライン開催だったからこそ、インド全土から多くの参加が得られ、日本側も講師だけでなく、野田UNI Apro会長をはじめ多くの傍聴が可能になったと述べ、対面開催ができる時まで、コロナ禍で学んだ経験や教訓を活かし、UNI活動を推進していこうとまとめた。


第28回UNI Apro執行委員会、ポストコロナを見据えた活動の展開を確認

2021年5月29日(土)日本時間14:00~18:00、第28回UNI Apro執行委員会がオンラインで開催された。本委員会は、 UNI Apro運営委員会(5月11日)、UNI世界運営委員会(5月19~20日)での重要議題の議論を経て、開催された。委員会では、過去1年のUNI Aproの諸活動を振り返ると共に、2021年度の活動計画・予算を承認した。特に今年は6部会大会を個別にオンライン開催する予定であり、その準備状況についても確認が行われた。

開会にあたり、野田三七夫UNI Apro会長(情報労連)は、 パンデミック発生から2年、感染はいまだ収束せず、様々な活動が制限を受け、労働者の生活が大きな影響を受けている。雇用制度が未成熟な国も多く、既存の格差が更に顕在化しており、包摂的で公正な復興を目指すグローバルな施策が必要だと述べた。吉田ITUC-AP書記長の連帯挨拶に続き、クリスティ・ホフマンUNI書記長が基調講演を行い、この間に行ったUNIの取組み(エッセンシャルワーカーを守る取組み、リモートワークに関する新たな課題、労働安全衛生の重視とCOVID-19を労災認定させる取組み、平等なワクチン接種、アマゾンキャンペーン等)について報告し、コロナ禍において、労働組合があれば、労働者を守れることが示された。組合の重要性をポストコロナに向けて更に強調していかなければならないと述べた。

財政及び人事関連の報告・確認に続いて、ミャンマーにおける民主主義の回復に関する声明及びアジア人へのヘイトに関する声明の採択が行われると共に香港のライハ委員から、香港の民主主義への引き続きの連帯支援要請を受けた。
地域書記長及び各部会/専門委員会担当部長より、前回委員会以降の主要な取組みと、2021年度の計画が報告され、ホビッグ組織化担当部長から、デジタル組織化を中心とした組織化を進め、UNI Aproに組織化センターを設立する旨の報告・提案を受け、確認された。


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