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UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会がネパールに関する決議を採択、労働者の力の構築に取組む

2026年6月10日、UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会が、東京の全印刷局労働組合本部にてハイブリッド形式で開催された。会議では、民主主義の擁護、組織化の強化、持続可能な労働組合の構築、そして技術革新に向けた労働者と労働組合の対応に焦点が当てられた。

シュレスタ委員(ネパール、IMPRESSION)からは、労働組合の法的地位を弱体化させたり、重要な意思決定機関から組合を排除しようとする動きなど、労働組合の権利に対する攻撃が激化していることに関する詳細な報告が共有された。これを受けて、委員会は連帯決議を採択し、UNI Aproに対し、ネパールの労働組合運動への国際的な支援の強化を求めた。これには、政府と対話し、労働者の基本的権利の保護を求める組合の要求を後押しするための国際代表団派遣計画への支援も含まれる。

会議の主要な焦点は、多国籍パッケージング企業における継続的な組織化活動であり、インドおよびパキスタンでのテトラパック・キャンペーン、ならびにマレーシア全土でのアムコール・ャンペーンに関する最新情報が報告された。

また会議では組合の財政的持続可能性の問題も検討され、組合費の設定や引き上げ、組合費の回収に関する成功事例、および組合員の定着率向上について議論が行われた。

さらに、組合が効果的に組織化を行うために必要な資源を確保し、労働者が組合を通じて生活を向上させるための資源を得られるよう、より広範な取組みの一環として、組合費を労働者の給与の約1~2%とすることについて議論が交わされた。

UNI加盟組織であるオーストラリア製造労働組合(AMWU)に所属するトニー・ピッコロUNI Apro印刷・パッケージング部会議長は、印刷・パッケージング部門、特にテトラパック、DIC、アムコールといった主要な多国籍企業の職場において、組合は組織化に向けた長期的な取組みが必要であると述べた。同氏はさらに、労働組合は「組織化を行うだけでなく、極右勢力に立ち向かい、各産業の労働者を守るための十分な資源力を含め、組織を効果的に機能させる水準で組合費を徴収しなければならない」と付け加えた。

会議では続いて、印刷・パッケージング産業全体における人工知能(AI)の急速な普及とデジタル・トランスフォーメーションについて議論が行われた。出席者は、AIが労働に与える影響、組合の効率化や組織化のためのデジタルツールの活用、さらなる研修と能力開発の必要性、そして新技術の導入に伴い労働者の権利を守る重要性について議論した。
ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、この地域全体で労働者の権利に対する圧力が増大する中で、国際的な連帯が不可欠とした上で、「ある国の労働組合が攻撃を受けるとき、それは我々全員への警告であり、国境を越えて共に行動することが最も強力な対応であるということを改めて思い起こさせるものだ」と語った。

安部正全印刷局労働組合委員長は、業界が変化し続ける中、議論を通じて地域間のより深い協力の重要性が示されたと述べ、「今回の会議では、印刷・パッケージングおよび関連産業における急速な変化に先んじ、この激動の時期に労働者の雇用、権利、生計が確実に守られるよう、地域全体の労働組合間でさらに緊密な連携が必要であることが示された」と述べた。


UNI Apro、太平洋地域の労組強化に向け「ディーセントワーク・パートナーシップ」プロジェクトを開始

太平洋地域各地の労働組合指導者がフィジーに集まり、UNI Aproによる新プロジェクト「インド太平洋地域におけるディーセントワークのためのパートナーシップ:太平洋地域における包摂的な労働組合の強化』を開始した。

より強固で持続可能な労働組合を構築し、地域全体の労働者の生活を向上させることを目的とした画期的な取組みである。

ユニオン・エイド・アブロード–APHEDAとのパートナーシップにより実施され、オーストラリア政府外務貿易省(DFAT)の支援を受ける本プロジェクトは、2027年末まで実施され、フィジー、サモア、東ティモール、パプアニューギニア、ソロモン諸島、バヌアツの労働組合を支援する。

クレア・ミドルマスAPHEDA事務局長は、連帯とパートナーシップの重要性について、「ユニオン・エイド・アブロード–APHEDAは、UNIと協力して太平洋地域の労働組合の能力構築を支援できることを誇りに思う。本プロジェクトの強みのひとつは、オーストラリアと太平洋地域の労働組合間の連帯とパートナーシップの深化に焦点を当て、国境を越えて労働者を結集させ、ディーセントワーク、ジェンダー平等、気候正義を推進するための戦略を共有することにある」と述べた。

ナディでのキックオフは、組合員数の拡大、女性や若者を包含する民主的組織体制の強化、リーダーシップの育成、そして銀行・金融、商業、印刷・パッケージング、サービス業などの主要産業における労働者の集団的権力の増強に焦点を当てた、野心的な地域組織化プログラムの始まりを告げるものとなった。

公式発足に先立ち、ホヴィッグ・メルコニアンUNI Apro組織化担当部長と主任オルグのサイレシュ・ナイドゥ氏は、参加労組の代表者を対象に3日間にわたる集中組織化研修を実施した。このプログラムでは、女性や若者をはじめとする職場リーダーの特定、組織化チームの構築、職場のマッピング、組織化のための会話、そして労働組合の成長と労働者代表機能の強化に役立つ実践的な組織化スキルの向上に重点が置かれた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、地域全体の労働者の生活を向上させるためには、強固で持続可能な労働組合が不可欠であると強調し、「労働者は組織化されて初めて、持続的な改善を実現できる。本プロジェクトは、組合の成長を支援し、組織化能力を強化し、特に女性や若者の間で新たなリーダーを育成し、プロジェクト終了後も長期にわたり労働者を代表し続けられる持続可能な組合を構築することが目的だ。(‥‥中略‥‥)組織化体制の強化、組合員制度の革新、そしてあらゆるレベルでのリーダーシップの育成を通じて、太平洋全域において、労働者の声をより強くし、より強靭な民主的組織の基盤を築いている」と述べた。

この立ち上げイベントには、太平洋地域全域からUNIの従来からの2加盟組織と新規5加盟組合が一堂に会し、地域の協力と連帯への取組みが拡大していることを示した。ソロモン諸島労組、サモア・ファースト・ユニオン、パプアニューギニア銀行金融機関労組、パプアニューギニア警備労組、バヌアツ全国労組、フィジー全国食品商業労組、およびフィジー銀行金融産業従業員組合の代表者等が出席した。

オーストラリアの店舗流通関連労組(SDA)書記長を務めるジェラルド・ドワイヤーUNI会長は、ディーセントワークを確保し、労働者が自らの未来を形作るために集団的な発言権を持つことようにする上で、労働組合が果たす極めて重要な役割を強調した。「ディーセントワークは偶然に実現するものではない。労働者が強力な労働組合を通じて団結し、より良い賃金、より安全な職場、より高い雇用保障、そして職場での尊厳を求めて交渉を行うことによって、初めて達成されるものだ。(‥‥中略‥‥)強力な労働組合を築くことは、より強固な地域社会、より公正な産業、そして働く人々にとってより良い未来を築くということ。労働者が組織化されれば、持続的な変化を生み出す力を持つ」と発言した。

オーストラリア金融労組書記長のジュリア・アングリサーノUNI世界金融部会副議長は、組織化と包摂を通じて地域全体で労働組合の力を高めることの重要性を強調し、「このプロジェクトは、太平洋地域全域の金融・サービス業界で労働組合を構築するという我々の決意の具体的な表れであり、組織化戦略において女性や若年労働者を意識的に中心に据えることでそれを実現するものだ。(‥‥中略‥‥)フィジー、ソロモン諸島、サモア、パプアニューギニア、東ティモール、あるいはオーストラリアのいずれであれ、互いの経験から学ぶことで、我々は労働組合を強化し、組合員のために成果を上げる能力を深めることができる」とコメントした。

発足式には、ユニオン・エイド・アブロード–APHEDAのシャラン・KCプログラム・マネージャーや、ジョティカ・グンダーフィジー労働組合会議(FTUC)事務局次長が出席した。

今後数ヶ月間、本プロジェクトは、組合が組合員制度や組合費徴収システムを近代化し、組織の持続可能性を強化し、太平洋諸島連絡協議会を通じてより強固な地域連携を確立できるよう支援する。太平洋全域の労働組合が労働環境の急速な変化に直面する中、「インド太平洋におけるディーセントワークのためのパートナーシップ」は、労働者が団結力を高め、労働条件を改善し、より多くの労働者がディーセントワーク、尊厳、平等、そして職場での強い発言権を得られるよう支援する。

参加労組は共に、労働者の組織化、民主的な労働組合の強化、そして太平洋全域の労働者にとってより公正で包摂的な未来を築くという決意を改めて確認した。


UNI、英国でスト中のアムコールの労働者に連帯

UNIは、英国クラムリントンにあるアムコール工場でストライキを行っているUNI加盟組織Unite the Unionの組合員に全面的に連帯する。2026年5月18日から、公正な合意が成立するまでの毎週月曜日、労働者はある基本原則を守るためにストライキを行う。グラクソ・スミスクライン、アストラゼネカ、アッヴィといった大手医薬品会社の包装材を印刷する収益性の高い世界的なパッケージング企業は、労働者の生活水準を守る賃金を支払わなければならない、という原則だ。

クラムリントンの組合員は、4.1%の賃上げ案を拒否した。これは過去数年にわたりインフレ率を下回る賃上げにとどまり、実質的な生活水準が明らかに低下しているためだ。2022年から2024年にかけて、英国の世帯はここ数十年で最悪の生活費高騰の打撃を受けた。この3年間で累積インフレ率は約20%に達したが、アムコール・クラムリントン工場での賃金合意は常にそのペースに追いついていなかった。2026年の4.1%という提示は、その損害を修復するものではなく、単に労働者にその損失を恒久的に負担するよう求めるものに過ぎない。

2024年6月にワーキントン工場のアムコール労働者約100名は、6%の提示案を拒否した。ストライキの脅威が現実味を帯びたことを受け、アムコールは提示内容を2023年10月まで遡及する7%の賃上げに加え、500ポンドの一時金支給へと改善した。クラムリントンの労働者は、同じ使用者の下で働き、同じ生活費の圧力を受け、そしてインフレ率を下回る合意という同じ状況に直面している。ワーキントンの同僚を下回る扱いを受けることについて、経済的な正当性など存在しない。

アムコールが経済的苦境を主張することは、説得力に欠ける。
●アムコールは、2025年度(2025年6月30日終了年度)に150億ドルの年間売上高(前年比10%増)を記録し、ベリー・グローバルとの84億ドル規模の合併により、統合後の売上高のランレートは230億ドルに迫っている。
●同社は2025年度に約8億5,000万ドルの現金配当を株主に還元し、四半期配当を増額した。
●またベリー・グローバルとの合併により、2028年度までに年間6億5,000万ドルの税引前シナジー効果を達成することを公約している。

アムコール・フレキシブルズUKが公表した最新の決算報告書によると、英国レベルでの売上高は9,800万ポンドに達している。アムコールに利益が不足しているわけではない。不足しているのは公正な賃金だ。

アムコールは、税金対策で設立地および本拠地をチャンネル諸島のジャージー島に置いている。同地は、法人税回避の一環で世界的に広く認識されている管轄区域である。英国の公的医療サプライチェーンから多額の収益を得ながら、オフショア管轄区域を通じて企業活動を組織している企業が、30人の従業員が生活費の上昇に見合った賃金を求めている状況において、資金難を理由に言い逃れをする立場にはない。

サイモン・ダビンズUNI世界印刷・パッケージング部会議長は、「私はアムコールのクラムリントン工場の労働者と共に立ち上がる。彼らの闘いは、欧州のすべての印刷・パッケージング部門の労働者の闘いだからだ。アムコールは世界で最も収益性の高いパッケージング企業の一つだ。同社は株主に対して年間約8億5000万ドルの配当を支払っており、ベリー・グローバルとの合併を契機に、年間6億5000万ドルのシナジー効果をさらに生み出すという目標を掲げている。こうした状況下で、英国の患者に医薬品を届け続けている労働者に対し、わずか4.1%の賃上げを提示することは、経済的な制約によるものではなく、単なる選択に過ぎない。誤った選択だ。UNI 印刷・パッケージング部会および世界中の加盟組織は、これらの労働者が孤立して闘うことのないよう、支援していく」と力強く語った。

UNI世界印刷・パッケージング部会は、アムコールに対し、前提条件なしに交渉の席に戻り、2024年のワーキントンでの先例に倣い、クラムリントン労働者の実質賃金を守る改善された提案を提示すること、そして同社が公に掲げた建設的な対話の精神を尊重し、その約束を信頼できる書面による提案として具体化することを求める。

クラムリントンの労働者およびUnite the Unionの組合員へ:皆さんは一人ではありません。UNIと世界の労働組合運動は、皆さんに連帯します。


データが示す、欧州の印刷・製紙業界における安全衛生

UNI 欧州印刷・パッケージング部会が発表した新しい報告書は、労働災害に関する統計をまとめ、印刷・製紙業界のすべての労働者を保護するための対策を提示している。

• 欧州内の南北格差は依然として存在しており、南欧および東欧諸国ではより高い事故率を記録している。
• データによると、2018年から2024年にかけて全体的な改善傾向が見られる。
• 労働者保護について著しい格差は依然として残っており、水準の向上に向けた結束は、欧州全体で共通の優先課題とすべき。

安全が依然として重要な産業
危険な産業と聞いて、印刷、出版、製紙業界はすぐに思い浮かぶものではないだろう。だが欧州全域でこうした産業に雇用されている数十万人の労働者にとって、職場の安全は日々の現実だ。毎年、印刷産業では数千人の労働者が業務中に負傷している。

UNI 欧州印刷・パッケージング部会は、ユーロ圏統計局(Eurostat)公式データおよびベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランド、スロベニア、スペイン、スウェーデンの10カ国の国内統計を活用し、2018~2024年までの期間を対象に、これらの産業における労災統計について、これまでで最も包括的な国際比較データをまとめた。

データによって明らかになったこと
報告書は、業務上の非致死事故および致死事故を分析し、事故の絶対数と、労働者数を考慮した発生率の両方を検証している。この二重のアプローチは極めて重要であり、これによって同産業における雇用水準が大きく異なる国々の間でも、有意義な比較が可能になる。

特に注目すべき点は地理的要因だ。スウェーデン、デンマーク、ドイツなどの国々は一貫して低い発生率を維持しており、これはより強固な安全文化、より堅牢な規制枠組み、そしてより高いレベルの労働者代表性を反映している。対照的に、南欧および東欧では、法執行能力、職場の組織体制、社会対話における構造的な違いに起因して、より困難な状況に直面している国が複数ある。

なぜこれが重要なのか、そして何を変える必要があるのか
統計の背後に存在するのは、誰かの同僚、親、あるいは友人である労働者だ。本報告書の目的は、単に問題を記録することではなく、行動を起こす必要性を訴えることにある。UNI 欧州印刷・パッケージング部会は、同部門の社会対話プロセスの一環として、使用者、政策立案者、欧州機関と今回の分析を共有しており、明確なメッセージを発している。すなわち、安全基準の向上に向けた結束は、決して任意の選択肢ではないということだ。

またこのデータは、最も成果を挙げている国々が示しているように、より良い成果は実現可能である。必要なのは、政治的意志、労働監督のための十分な資源、安全管理への労働者の実質的な参画、そしてすべての人の安全基準を引き上げる欧州の枠組みだ。印刷・製紙業界の労働者は、もっと良い環境が与えられるべきなのだ。

「欧州印刷・パッケージング部会における2018–2024年の労働災害統計」報告書はこちらから。報告書には、調査結果の要約と政策提言が記載されている。


フィジーNUFCW、パッケージング企業との団体協約を更新

フィジー全国工場・商業労組(NUFCW)は、パッケージング企業であるゴールデン・マニュファクチャラーズ社との間で、2025年7月1日から2028年6月30日までの期間を対象とする3年間の団体協約の更新を実現した。

一連の労使交渉を経て2026年3月に締結された協約には、労働者への段階的な賃上げが含まれており、公正な報酬と労働条件の改善に向けた取り組みが強化された。

ソシセニ・バイニブワイNUFCW書記長は、長年にわたる労使関係を強調し、「NUFCWとゴールデン・マニュファクチャラーズ社のパートナーシップの歴史は1997年まで遡ることができ、一貫して従業員の賃金、労働条件、雇用保障の改善に注力してきた。今回の協約は、公正な賃金引き上げとより良い労働条件を確保するという、我々の共通の取組みを継続するものだ」と述べた。

NUFCWは、商業、印刷・パッケージング、警備、メディア、通信などの部門における40以上の企業で労働者を代表しており、産業横断的な労働者の権利向上において重要な役割を果たしている。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、組合による組織化と代表活動における持続的な取組みを反映した今回の成果について、「今回の協約更新は、UNI加盟組織NUFCWが、労働者の組織化と代表活動において成し遂げた数多くの成果の一つだ」と称賛し、「同労組はアジア太平洋地域全体の労働者を代表する上で不可欠な役割を果たしており、今後数年間でさらに連携を強化していきたい」と語った。


国際産業別労働組合組織はイラン・中東における即時停戦と軍事的エスカレーションの終結を求める

UNIは他の国際産業別労働組合組織(GUFs)と共に、米国及びイスラエルによるイランへの軍事攻撃、並びにこれらが招いた紛争の激化を非難する。共同声明は以下の通り:

共同声明に署名したGUFsは、米国とイスラエルによるイランへの最近の軍事攻撃、特に民間人の死傷や学校・医療施設を含む重要な公共インフラの破壊をもたらした空爆を非難する。

これらの行動は国連憲章及び国際人道法に対する重大な違反であり、その人的被害が圧倒的に労働者階級に押し付けられている紛争をさらに激化させるものである。

労働者、民間人、公共機関は軍事作戦の標的となってはならない。学生、教師、教育関係者の殺害・負傷、学校や病院などの保護された民間施設の破壊は許されず、断固として非難されねばならない。

GUFsは、イランによるその後の報復攻撃にも懸念を抱いている。エスカレーションは不安定化を助長し、民間人の生命を脅かすだけである。港湾・空港・海上における移民労働者や運輸労働者(既に地域全体に広がる暴力で死傷が報告されている)は交戦状態に巻き込まれており、地域をより広範で壊滅的な戦争に陥れる危険性がある。

世界の労働組合運動は、暴力の連鎖を助長し、平和・正義・多国間協力の基盤を損なう武力行使を拒否する点で結束している。武力衝突ではなく外交こそが、安全保障と恒久的な平和への唯一の正当な道である。

様々な部門・大陸の何百万もの労働者を代表する組合として、我々は国際社会に対し以下を要請する:

  • 全ての当事者による武力行使を非難し、さらなるエスカレーションを防止すること
  • 即時停戦と完全な緊張緩和を確保すること
  • 国連のより強化された調整機能を包む外交と対話を優先すること
  • 国連憲章や民間人保護を含む国際法を擁護すること
  • 学校、病院、職場などの重要な公共インフラを保護すること
  • 地域全体における人権、労働者の権利、民主的自由、結社の自由を擁護すること

GUFsは、イラン及び地域全体の労働者、独立した労働組合、コミュニティと揺るぎない連帯を表明する。権威主義的統治と軍事化の論理によってあまりにも頻繁に沈黙させられてきた労働者の声が、必ず聞き届けられるようにしなければならない。イランの未来、そして地域の未来は、外部からの侵略や内部の抑圧から解放された、その地域の人々自身によって決定されなければならない。

我々は、紛争が交渉によって解決され、多国間主義が強化され、全ての人々が安全と尊厳、民主主義と平和の中で暮らし働く権利を有する世界の構築にむけた揺るぎない決意を改めて確認する。

署名団体:

  • 教育インターナショナル
  • 国際家事労働者連盟
  • 国際公務労連
  • 国際ジャーナリスト連盟
  • 国際運輸労連
  • インダストリオール・グローバルユニオン
  • UNI グローバルユニオン
  • 国際食品関連産業労働組合連合会
  • 国際建設林業労働組合連盟

UNI Apro、永島智子新会長を歓迎

永島智子UAゼンセン会長が、UNI Aproの新会長に就任することが決定した。2025年10月28日に開催された臨時UNI Apro運営委員会での推薦を経て、UNI Apro執行委員会で承認された。

UNI Apro史上初の女性会長であり、アジア・太平洋地域の労働運動における女性のリーダーシップにとって画期的な出来事だ。

地域リーダーシップにおける歴史的節目
永島新会長の選出は、継続性と刷新の両方を体現している。継続性とは、UAゼンセンの長年にわたるUNI Aproへのコミットメントであり、刷新性とは、地域組織を率いる初の女性として永島新会長が担う先駆的役割である。永島新会長の任期は、アジア太平洋地域の労働組合が女性、若年労働者、非正規雇用・プラットフォーム労働者の代表拡大に尽力する時期に当たる。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「永島UNI Apro新会長の就任を心より歓迎したい。UNI Apro初の女性会長の誕生という、歴史的な出来事だ。同氏の就任を祝福するとともに、地域全体の運動強化に向け、緊密な連携を大いに期待している」と述べた。

永島新会長の略歴とリーダーシップ
永島UNI Apro新会長は、特に小売・商業分野において、組合指導者として深く多様な経歴を持つ。
• 2016年、イオンリテールワーカーズユニオン中央執行委員長、パートタイム労働者や非正規労働者の組織化活動を推進。
• 2018年、イオングループ労働組合連合会会長に就任、非正規労働者における同一賃金と組合加入率向上のための運動を推進。
• 2020年、UAゼンセン副会長 流通部門長。日本の商業部門の変革に対する同組織の構造的対応を主導。
• 2022年12月、UNI世界商業部会副議長に選出。
• 2024年9月、UAゼンセン第13回定期大会において会長に選出。UAゼンセンはパートタイム労働者の組織化と日本における賃金格差の縮小における功績を認められ、2024年11月に「UNIブレイキングスルー賞」を受賞。

強力なレガシーを継承
UNI Apro運営委員は、退任する松浦昭彦会長に対し深い謝意を表明した。松浦昭彦UNI Apro会長(同じくUAゼンセン)は2021年11月よりUNI Apro地域会長を務め、その任期中、地域の一体性が強化され加盟組織間の協力が推進された。同氏のリーダーシップのもと、UNI Aproはパンデミック後の複雑な復興期を乗り切りつつ、世界で最も多様性に富む地域の一つにおいて、労働者の権利、民主主義、労働組合の連帯を推進し続けてきた。
退任にあたり松浦昭彦UNI Apro会長は、「UNI Apro会長を務められたことを光栄に思う。この数年間、加盟組織の皆様からのご支援に深く感謝申し上げたい。永島新会長と新たな指導部のもと、UNI Aproが引き続きApro地域の労働者にとって不可欠な組織として成長していくことを確信している」と挨拶した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「永島UNI Apro新会長の就任を心よりお祝い申し上げる。我々の運動全体でより多くの女性が指導的立場に就くのは素晴らしいことであり、優れたリーダーになることを確信している。永島新会長と共に取組み、地域全体の労働者に対する新会長の力強い貢献を支援していく」とコメントした。

永島智子UNI Apro新会長は謝意を述べた後、「我々は地域的にも世界的にも多くの課題に直面している。これらに対処するには結束し協力しなければならない。運動の強化を継続する中で、皆様と協力できることを楽しみにしている」と挨拶した。

今後の展望
永島新会長の任期開始にあたり、UNI Aproは引き続き、増え続ける不安定雇用・パートタイム・プラットフォーム労働者の組織化、テクノロジーとAIが雇用に与える影響への対応、気候変動関連の混乱への対処、そして脅威にさらされているあらゆる場所での民主主義と人権の擁護に注力していく。


「保護主義や人口減少問題は共通の課題」UNI Apro東アジア労組フォーラムに130名が集結!

第11回目を迎えたUNI Apro東アジア労組フォーラムが、日本、韓国、台湾、モンゴル、香港各国・地域の労働組合代表129名が済州島に集い、保護主義、AIの進展、少子高齢化、ジェンダー平等、若者のエンパワメントなど、労働者を取り巻く多様な課題について意見を交わした。各国からは、民主主義や労働権の危機、女性や若者の参画促進、国際連帯の重要性が強調された。基調講演では、保護主義の経済的影響と労働界の対応が論じられ、配送業やメディア業界における過酷な労働環境や表現の自由の問題も共有された。また、ジェンダー平等に関する取り組みとして、女性の意思決定参画や健康支援制度の整備が報告され、若年層のキャリア支援や組合活動への参加促進の重要性も確認された。本フォーラムを通じて、各国の労働組合が直面する共通課題への理解が深まり、持続可能で包摂的な社会の実現に向けた国際的な連帯の強化が再確認された。なお、次回の開催年と開催地:2026年に台湾となる。

 1日目 

■開会式

冒頭でホスト国を代表してキム・ヒョンスン(IFIU委員長)UNI-KLC議長が、済州(チェジュ)は正義と和解の象徴として、世界にその存在を知られるようになった。この島は、かつての苦難を乗り越え、民主主義を守り抜いた歴史を有している。米国発の新たな経済戦争の波が押し寄せ、世界的な危機が労働者に重くのしかかっている。しかし、労働者はこれまでも幾多の困難を連帯の力で乗り越えてきた。済州に集った我々は、改めてその連帯の精神を確認し、平和で公正な社会の実現に向けて歩みを進める決意を新たにしている。済州の風は、抵抗と希望の風であると連帯挨拶を述べた。

■基調講演

テグ大学 経済学部 キム・ヤンヘ准教授は、日本・台湾・韓国は輸出主導型経済を築いてきたが、現在の保護主義の台頭により国際協力が困難になっている。韓国・慶州でのAPEC開催を前に、米韓関係への注目が高まる一方、APECの交渉は実質的成果に乏しいとの批判もある。トランプ前大統領の関税政策は、統治手段として機能し、インフレや投資コストの上昇を招いた。中国との資源を巡る対立や、同盟国への圧力も強まっている。再登場の可能性があるトランプ氏の影響で、国際通商体制の不安定化が懸念される中、各国労働界の連携と米国労働界の対応が重要となる、と言及した。

■テーマ別セッション:4つのテーマについて、各国の加盟組織より報告が共有された。

サブテーマ1:東アジアの労働者が直面する現在の政治的、経済的、社会的状況と課題

  • 日本(西谷涼子 JAW国際局局長):自動車産業は関税戦争の影響が懸念され、国内販売も2012年以降500万台を下回っている。2035年までに電動車化が進む中、公正な移行が重要である。約3万点の部品で構成される自動車は、サプライチェーンの安定が不可欠。自動車総連は税制の見直しや投資支援を求め、国内需要の喚起と持続的な発展に向けて取り組んでいる。
  • 韓国(ナ・ヨンミョンKHMU保健医療労組企画室長):米国の保護主義的な圧力により、韓国経済は関税や投資条件で不利な状況に置かれ、成長率の低下や雇用不安が広がっている。社会では高齢化や格差、極右勢力の台頭も進行中。こうした中、労働組合は労働時間の短縮、非正規職の正規化、地域交渉の活性化、医療・教育負担の軽減など4つの戦略を掲げ、組織拡大と政治的連携を強化しながら、内需中心の経済と国際連帯の構築を目指している。
  • 台湾(リン・イーフン CPWU国際部長):台湾は保護主義の圧力や米国との交渉の前提に直面し、経済安全保障の強化が求められている。IT産業は成長しているが、2025年には超高齢社会に突入し、人口の30.6%が高齢者となる見通しで、経済への影響が懸念される。賃金の低下や労働力不足も課題であり、58%の人が対中貿易を望んでいる。今後は、エネルギー・AI・産業交渉など多角的な政策と社会の体系化、リスク分散、デジタル化による安定的な発展が必要である。
  • モンゴル(バンディ・バヤガルマー ICN労組):2024年、モンゴルの貿易総額は274億ドルで、中国とロシアが80%以上を占める。輸出は石炭や銅など鉱物資源が中心。2025年、トランプ米大統領は全輸入品に10%の関税を課す政策を導入し、モンゴルのカシミヤなど主要輸出品に影響が及ぶ。これにより物価上昇や経済不安が懸念され、国内では教師や医師による賃上げ要求のデモが起きている。
  • 香港(マイケル・シウ RCCIGU): 2025年4月、トランプ米大統領は「解放記念日」として相互関税の停止を発表したが、中国には145%の関税を課し、香港・マカオにも影響が及んだ。香港では米国が中国製品と同等の関税を適用し、株式市場が急落。香港政府はWTOに提訴した。労働組合は保護主義の影響から労働者の権利を守るため、企業や政府との交渉を強化し、国際連携を通じて公正な貿易ルールを求めている。

 2日目 

サブテーマ2:人口構造危機-少子化、雇用年齢や定年年齢の延長、年金制度改革および年金基金の管理

2-1)人口構造危機と少子化:労働組合は何ができるか?

  • 日本(鈴木基子 JP労組中央執行委員):日本郵政グループは、少子高齢化による労働力不足や業務量の減少に直面している。社員数や新卒採用数の減少、郵便物や保険契約件数の減少が続く中、JP労組は65歳定年制度や短時間勤務制度、育児・介護休業応援一時金などを導入。地域ニーズに応じた柔軟な働き方や効率的な運営体制を提言し、持続可能な事業と安心して働ける環境づくりに取り組んでいる。
  • 韓国(シン・スンイル FKMTU):少子化は財政赤字だけでなく、社会保障制度の持続性に関わる深刻な問題である。特に交代勤務の現場では支援制度が機能せず、代替人員の確保が課題となっている。労働組合は賃金問題にとどまらず、子育て支援や制度改善に取り組む必要がある。少子化は東アジア全体の共通課題であり、労働組合の連帯によってこの危機を乗り越えることが求められている。
  • 台湾(シューチーチェンCPWU青年活動委員会議長):台湾の公共テレビとその組合員構成、同労組による長時間労働是正と勤務形態の多様化に向けた取組みについて、概説した。組合として次の勤務までの休息時間の確保、等に取組んでいる。高齢化が進む中、交渉によって年5日の有給の介護休暇を獲得した。また「報道者」について、残業削減に向けて、超過勤務指示が直前に行われた場合には代休時間を増やすことを協約で定めた。
  • 韓国(キム・ジンホン KFIU副委員長):韓国の金融労組KFIUは約10万人の組合員を擁し、産業別交渉を通じて労働環境の改善を推進している。2002年に週5日勤務制を導入し、2025年には週4.5日勤務制を提案。金曜日午後の自由時間は地域経済の活性化や少子化対策に寄与する。韓国の労働時間はOECD平均を上回り、AIの進展により事務職の働き方も変化している。KFIUはAIによる人員削減ではなく、労働時間の短縮と仕事の分かち合いを選択。6か月の交渉の末、金曜日の1時間短縮を実現し、制度化に向けた議論を開始した。
  • 香港(チェン・ライハ RCCIGU書記長):香港の出生率は世界最下位レベルで、経済的・政治的圧力や雇用環境が大きく影響している。教育環境を求めて移住する家庭も多く、若年層の流出が社会構造に影響を与えている。1997年以降、中国本土からの入国者は約203万人に達し、人口減少を部分的に補っている。2023年には新生児1人につき2万香港ドルの給付制度が導入されたが、効果には限界がある。労働組合は育児休暇や家族支援制度の拡充に取り組み、民主主義と自由の保障が出生意欲に直結することを訴えている。
    • 雇用年齢や定年年齢の延長
  • 日本(市川勝也 生保労連 中央副書記長):生保労連の組合員は約70%が営業職員、90%が女性で構成され、年7回の労使交渉で賃金や雇用制度を協議している。高齢化に伴い、65歳以降も働ける制度が整備されつつあり、一部企業では70歳定年・同水準の処遇を提案。組合員からは評価の声がある一方、若手の働きやすさや退職金制度への懸念もあり、慎重な制度設計が求められている。
  • 日本(西川由起 UAゼンセン流通部門執行委員):UAゼンセン流通部門では高齢化と人手不足に対応し、定年延長や再雇用制度の整備を推進。多くの企業が60〜65歳定年で、再雇用は97%が導入済み。「まいばすけっと」では75歳まで働ける「シニアパートナー制度」を導入し、健康診断や社保加入も実施。組合は、働き方の選択ができる社会の実現を目指している。
  • 台湾(ワン・スーユCTWU常任理事):台湾では高齢化が急速に進む中、高齢者の労働参加率は約10%と低く、労働力活用が課題となっている。CTWUは定年延長や再雇用制度の改善を提言し、2024年には抗議活動も実施。政府は補助金や再訓練支援を行っているが、年齢差別や早期退職の問題も残る。中華電信では従業員の3分の1以上が51歳以上で、若年層の採用が進まず、CTWUは柔軟な勤務制度や再教育の充実を通じて持続可能な雇用を目指している。
  • 持続可能な国民年金または年金基金の管理
  • 日本(金織すみえ 損保労連 中央執行委員): 日本の年金制度は3階建てで、公的年金(国民年金・厚生年金)に加え、企業年金やiDeCoなどの私的年金が老後を補完している。少子高齢化により公的年金の給付水準は低下傾向にあり、私的年金の重要性が高まっている。企業年金は確定給付型(DB)から確定拠出型(DC)への移行が進み、損保労連はDC制度の改善や投資教育の充実を企業に求めている。
  • KFSWU書記長):韓国では出生率の低下と高齢化が進み、2060年には労働人口1人が高齢者1人を支える社会になると予測されている。年金制度は3階建てで、退職年金の準備金は2024年に431兆ウォン、収益率は4.77%。政府は2025年に基金型退職年金制度の導入を提案し、NPSによる管理や専門機関の設立を検討。安定性と収益性の両立を目指し、海外事例も参考に制度改革が進められている。
  • 台湾(チャン・フイチェン CTWU主任):韓国では出生率の低下と高齢化が進み、2060年には労働人口1人が高齢者1人を支える社会になると予測されている。年金制度は3階建てで、退職年金の準備金は2024年に431兆ウォン、収益率は4.77%。政府は2025年に基金型退職年金制度の導入を提案し、NPSによる管理や専門機関の設立を検討。安定性と収益性の両立を目指し、海外事例も参考に制度改革が進められている。

サブテーマ3:ジェンダー平等と若者のエンパワメント

3-1)UNIの3Mキャンペーンとジェンダー平等に関する組合活動

  • 日本(浅野祥 情報労連中央執行委員):日本ではジェンダー平等の整備が遅れており、情報労連は1998年から女性参画を推進。2025年度からは「第2次ジェンダー平等推進計画」を策定し、クォータ制やトップの発信で数値目標の達成を目指している。中央執行委員会の女性参画率は46%、KDDI労組では30%以上の登用を目標に掲げ、職場の風土改革が進行中。今後はダイバーシティ推進と心理的安全性の確保に取り組む。
  • 日本(大西裕加 UAゼンセン):UAゼンセン総合サービス部門では女性組合員が60%以上を占める一方、役員比率は27%と低く、意思決定への参画が課題。2015年にダイバーシティ推進委員会を設置し、2024年からは委員会に女性枠を導入。「Uni女会」ではネットワーク構築やリーダー育成を進め、更年期などの課題も共有。女性リーダーワーキングチームによる研修も実施し、意思決定への女性参画拡大を目指している。
  • 台湾(カン・ウエンチー CPWU 三重分会理事長):台湾では女性の健康に配慮した休暇制度が整備されつつあり、月経休暇は法的に保障されているが取得率は低い。台湾金融労連は2021年に更年期休暇を提案し、2025年には診断書不要の原則が確立。制度は一般化し、企業が拒否できない仕組みとして定着しつつある。労働組合は職場文化の改善と法整備を通じて、女性が安心して働ける環境づくりを目指している。

3-2)若者のエンパワメントに関する現状報告

  • 日本(北堀卓思 全信連議長):日本企業では健康経営や社内副業制度など、従業員を尊重した柔軟な働き方が広がっている。信託銀行業界では専門性が高く、若手の焦りも見られる中、全信連はキャリア支援として異業種交流会や座談会を開催。若者が自己肯定感を高め、主体的にキャリアを築けるよう支援しており、労働組合はその後押し役として重要な存在となっている。
  • 台湾(イェ・チンユ CTWUストライキチームメンバー):台湾では一人当たりGDPが34,000米ドルに達する一方、若年層の賃金は低く生活に余裕がない。CTWUは退職金制度の改善や雇用主拠出金の引き上げを求め、2023年には2,000人以上が集会に参加し成果を上げた。青年キャンプや交流イベントを通じて若者の参加意識を高め、組合の力強化と社会への好影響を目指している。

サブテーマ4:特別報告

  • FSU-全国クーリエ労組クーパン本部議長):韓国のクーパンは自社物流子会社CLSを通じて垂直統合型配送モデルを展開し、365日・深夜配送を標準化。業界全体に過剰なサービス要求が広がり、CLSでは週60時間超の労働が常態化し過労事故も発生。2021年の社会合意を守らず、労働組合は夜間作業の制限や強制休息の法定化を求めている。「スピードより命」を掲げ、持続可能な産業構造の構築が急務となっている。
  • 韓国(リー・ホーチャンNUMW委員長):韓国では虚偽情報への制裁強化が進み、最大10億ウォンの懲罰的損害賠償を可能とする法改正が議論されている。判断の曖昧さから言論の自由が抑圧される懸念もあり、報道への捜査がメディアの萎縮を招いている。NUMWは表現の自由を守るため法改正に反対し、慎重な制度設計と社会的議論の必要性を訴えている。

■閉会式

第11回東アジア労組フォーラムには、日本、韓国、台湾、香港、モンゴルから129名が参加。保護主義の台頭、グローバル秩序の変化、少子高齢化、ジェンダー平等、若者のエンパワメントなど、労働者を取り巻く課題について活発な議論が行われた。

基調講演では保護主義の影響と労働界の対応が取り上げられ、各国からは政変、産業構造の変化、生活費高騰への対応が報告された。特別報告では、過労死対策や言論の自由の擁護についても認識が共有された。

韓国加盟協議長のキム・ヒョンスン氏はクロージングメッセージで、「韓国の悩みを分かち合えたことに感謝する。保護主義や人口減少問題は共通の課題であり、皆で解決策を見出し、共に道を切り拓いていこう」と語った。

次回フォーラムは2026年に台湾で開催される予定で、CTWUとCPWUの両委員長がホスト国として歓迎をしますとメッセージを参加者に送った。

なお、各セッションでは以下の方々が司会を務めた。

  • サブテーマ1:(韓国)シン・キオン    KFIU国際担当部長
  • サブテーマ2:(日本)豊福麻実      労済労連 副書記長 
  • サブテーマ3:(台湾)トゥー・ユーウェン CPWU書記長 
  • サブテーマ4:(韓国)キム・オクラン   FKMTU政策企画部長
  • 閉会:        UNI-KLC ジェイ・チョイ事務局長

第2回、UNI Apro東アジア金融労組フォーラムを韓国・済州島で開催!

2025年10月、韓国・済州島にて日本と韓国のUNI加盟金融労組より30名が一堂に会し、第2回UNI Apro東アジア金融労組フォーラムが開催された。2023年10月に開催されてから、2年振り2回目の開催となった。LCJ金融部会からは、*敬称略(損保労連)中野剛、原田龍人、山口悠、金織すみれ、(全信連)北堀卓思、塩谷麻子、西村匡史、植田莉帆、(生保労連)市川勝也、植木英之、(労済労連)豊福麻美、(全労金)深見正弘、(JP労組)安達正美、中野博之、鈴木基子、宮城千絵、事務局上田が参加した。

■開会

歓迎の挨拶では、キム・ヒョンスンKFIU委員長は、関税政策による分断が労働者に影響を与える中、東アジア金融フォーラムは連帯と民主主義の強化を通じて、新たな経済秩序の構築を目指す重要な機会である、と述べた。連帯の挨拶では、中野剛 UNI Apro金融部会議長は、フォーラム開催に尽力したKFIUとKFSWUへの感謝を述べ、韓国・日本の金融労組が連携し、地政学リスクや気候変動、AI・デジタル化など歴史的転換期にある課題に共に取り組む重要性を強調。金融機関には社会的責任が求められており、雇用安定とディーセント・ワークの確保には国際連帯と協力の強化が不可欠だと訴えた。ラジェンドラ地域書記長は、現在の課題は過去の問題の積み重ねであり、今後の予測も困難だと指摘。気候変動による災害は保険業に影響を与えているが、すべてが気候要因ではないとし、UNI Apro金融部門は労働・環境・持続可能性の観点から積極的に関与していると述べた。金融は経済の中心であり、組合やプラットフォーム間の連帯が不可欠であると強調。台湾では公的部門の弱さが課題であり、過去にはパリバ銀行の紛争解決にも関与したことに触れ、中野議長の尽力に感謝を表した。

■概要

今回のフォーラムでは、JP労組の中野副委員長が司会を務め、開会の挨拶を通じて金融産業の課題の重要性が共有された。続いて、保険・銀行・郵政・協同組合など各労組から現状や課題、取り組みについて報告が行われた。議論では、少子高齢化、地政学的リスク、技術革新、金融の公共性といった共通課題が確認され、CMIM(チェンマイ・イニシアティブ・マルチ化)の強化やILO条約の活用、地域連携による安定化策などが提案された。協力と構造改革を通じて、持続可能な金融モデルの構築を目指す方向性が共有された。

■基調講演

ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長は、金融は経済のOSであり、2008年以降もグローバル金融システムは脆弱性を抱えている。ビッグテックやAI、ブロックチェーン、デジタル通貨の進化により、銀行は従来の仲介モデルからの脱却を迫られ、非銀行金融の台頭も加速。公共性と安定性が問われる中、地域連帯と協同の強化が重要となる。東アジアでは過去の金融危機を教訓に協力体制の構築が進み、地政学的緊張下での連携も課題。量的緩和や暗号資産の影響も含め、持続可能で責任ある金融モデルの確立が求められている、とした。

■加盟組織より報告

日本から金融部会6組織(生保労連、損保労連、全信連、JP労組、全労金、労済労連=発表順)が、韓国からKFSWUが、それぞれ組織紹介および重点取り組み等の報告をし、互いの組織と重点取り組み活動などについて理解を深めた。

  • 韓国(全国事務金融サービス労働組合)イ・ドングン事務総長:韓国の保険産業は、超高齢化・気候変動・低成長・資本規制強化などのリスクに直面。MG損保の清算問題や外資系の撤退もあり、AIや介護・ヘルスケア分野への関心が高まっている。保険の役割は事後対応から生活の質向上へと変化し、日本と韓国の市場は類似。収益源の多様化が課題であり、労働組合は産業活性化に向けた取り組みを進めている。

以下、日本の加盟組織

  • 生保労連(植木英之 中央副執行委員長):生保労連は生命保険産業唯一の産業別労組として発足し、19組合・25万人が加盟。営業職7割・女性9割が特徴で、年7回の労使交渉を通じて賃金や産業課題を協議。震災やコロナ対応では1兆円超の給付を実施し、金融教育や地域安全活動、ジェンダー平等推進を通じて社会的理解の拡大に努めている。
  • 損保労連(原田龍人 中央執行委員):損保労連は、保険代理店による不正請求や料率操作などの業界不祥事に対応。代理店が保険の90%を扱う中、自動車事故での過剰修理や不適切な加入推奨が問題化し、金融庁から是正指導を受けた。信頼失墜を経営任せにせず、説明会やユニオンミーティング、労使懇談会を通じて信頼回復と産業別組織としての役割強化を全国で進めている。
  • 全信連(塩谷麻子 副議長):銀行業界は急激な人口減少と若年層の減少により、企業活動や人材確保に影響を受けている。従来の終身雇用型制度から脱却し、年功序列に依らないキャリア形成が求められる中、労働組合は制度改革や組織風土の変革を支え、組合員の意識変容を促す重要な役割を担っている。
  • JP労組(宮城千絵 中央執行委員):JP労組は郵政関連企業の雇用安定や福祉社会の実現を目指し、職場環境改善に取り組む。金融業界では少子高齢化や金融排除が課題。ゆうちょ銀行は金利変動による収益不安定やデジタル化の遅れ、かんぽ生命は契約減少や人材確保が課題。組合ではユニオンショップ協定や組織活性化を推進している。
  • 全労金(深見正弘 中央執行委員長):全労金は13の労働金庫と関連会社で構成される協同組織金融機関の労組連合で、利益はメンバーに還元される。非正規職員の組織化、ジェンダー平等推進、平和行動、災害支援に加え、若年層の離職対策としてポジティブキャンペーンを展開。金利上昇やデジタル化への対応、業界の将来像について10年を見据えた視点で経営陣と協議している。
  • 労済労連(豊福麻実 副書記長):労済労連は、こくみん共済co-opと関連会社の労組で構成され、9組合が加盟。2026年度はWEB活用など新たな活動スタイルを模索し、次世代活性化と効率性を追求。国際協同組合年への参画や組織統合への対応、協同組合の理解促進を重点に、社会課題に柔軟に取り組む姿勢を強めている。

■閉会

報告の締めくくりとして、中野副委員長は「韓国と日本が直面する課題には多くの共通点がある。社会のサイクルは数カ月で大きく変化し、金融も過渡期にある。今後、フォーラムのさらなる活性化に取り組んでいきたい」と語った。


「EU は緊急に行動を起こすべき」:欧州労働組合連盟、EU-イスラエル連合協定の見直しを支持

2025年5月下旬、EU外務理事会は、残虐行為、人権侵害、人道法に対する重大な違反の証拠が相次ぐ中、EUとイスラエル間の広範な貿易・協力協定の見直しを決定した。EU 連合協定第 2 条は、両者の関係は「人権と民主主義の原則の尊重に基づくもの」であると規定している。

5月21日に欧州労働組合連盟(ETUC) 執行委員会はこの決定を歓迎し、欧州委員会に対して「協定の見直しが完了次第、適切な措置を講じる」よう求めた。ETUC は声明の中で次のように述べている。

この決定は、イスラエルによるガザ地区への破壊行為、その結果としての多数の死者とインフラや建物の破壊、ガザ住民追放に関する協議の継続などを背景に下されたものである。 (…中略…)EUは、ガザと占領下パレスチナで進行している状況に対し、緊急に行動を起こす必要がある。…信頼できる国際的な情報源による十分な証拠に基づき、EUはEU-イスラエル連合協定の第2条に違反があると結論付けることができる。(…中略…)ETUCは、イスラエルとパレスチナの間で交渉による合意に達し、持続可能で平和的な『二国家解決』を実現し、人道支援のための国境の開放と国際法への完全な尊重を伴う即時かつ永久的な停戦を改めて呼びかける。我々は強制的な移住を非難し、すべての捕虜の解放を求める声を支持する。(…中略…)ETUCは世界中で行われているあらゆる人権侵害を非難し、紛争地域における労働者および労働組合との連帯を表明する。ETUCとその加盟組織は、公正で持続可能な平和の基盤として、社会正義と国際法の尊重を追求し続ける。」

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のようにコメントした。「ETUCの行動呼びかけを歓迎する。EUでの前進は喜ばしいニュースだ。ガザで飢餓の脅威が迫る中、世界は危機的状況にあり、我々はこの危機が展開するのをリアルタイムで注視している。封鎖を非難する強い言葉が繰り返し表明され、深刻な人道危機の終結を求める多くの声が上がっている中、この動きは長年待ち望まれてきた具体的で必要な一歩だ。」


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