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第28回UNI Apro執行委員会、ポストコロナを見据えた活動の展開を確認

2021年5月29日(土)日本時間14:00~18:00、第28回UNI Apro執行委員会がオンラインで開催された。本委員会は、 UNI Apro運営委員会(5月11日)、UNI世界運営委員会(5月19~20日)での重要議題の議論を経て、開催された。委員会では、過去1年のUNI Aproの諸活動を振り返ると共に、2021年度の活動計画・予算を承認した。特に今年は6部会大会を個別にオンライン開催する予定であり、その準備状況についても確認が行われた。

開会にあたり、野田三七夫UNI Apro会長(情報労連)は、 パンデミック発生から2年、感染はいまだ収束せず、様々な活動が制限を受け、労働者の生活が大きな影響を受けている。雇用制度が未成熟な国も多く、既存の格差が更に顕在化しており、包摂的で公正な復興を目指すグローバルな施策が必要だと述べた。吉田ITUC-AP書記長の連帯挨拶に続き、クリスティ・ホフマンUNI書記長が基調講演を行い、この間に行ったUNIの取組み(エッセンシャルワーカーを守る取組み、リモートワークに関する新たな課題、労働安全衛生の重視とCOVID-19を労災認定させる取組み、平等なワクチン接種、アマゾンキャンペーン等)について報告し、コロナ禍において、労働組合があれば、労働者を守れることが示された。組合の重要性をポストコロナに向けて更に強調していかなければならないと述べた。

財政及び人事関連の報告・確認に続いて、ミャンマーにおける民主主義の回復に関する声明及びアジア人へのヘイトに関する声明の採択が行われると共に香港のライハ委員から、香港の民主主義への引き続きの連帯支援要請を受けた。
地域書記長及び各部会/専門委員会担当部長より、前回委員会以降の主要な取組みと、2021年度の計画が報告され、ホビッグ組織化担当部長から、デジタル組織化を中心とした組織化を進め、UNI Aproに組織化センターを設立する旨の報告・提案を受け、確認された。


UNI Aproは、国際産業別労働組合組織のアジア太平洋地域組織とともに、ミャンマーにおける暴力と抑圧を止めるため、より具体的な行動を求める

国際産業別労働組合組織(GUF)のアジア太平洋地域組織は5月下旬、2021年2月1日にミャンマー軍が衝撃的なクーデターによって政権を奪取して以来、軍事政権による広範な労働者の権利侵害を詳述した概況報告書を発表した。

ミャンマーの人々がこの不当な権力掌握に果敢に抵抗する様子を、世界中が目撃してきた。人々の間では、素晴らしい市民的不服従運動(CDM)が自然発生的に生まれた。官民双方の多くの労働者や労働組合員が、この運動を後押ししてきた。

しかし民衆の要求は、銃弾や軍隊による残忍な殴打でかわされたのである。

政治犯支援協会(AAPP)によると、この3ヶ月間で、5,000人以上の人々が逮捕または拘留され、少なくとも812人が軍によって殺害されたことが確認された。

国際社会や地域社会は、軍事政権の行動に否定的な反応を示してきた。ミャンマーが民主的な文民統治を回復することを求める声は、国連や他の様々な地域組織の間でたびたび繰り返されてきた。また、4月24日にはASEAN各国の首脳が集まり、暴力を終結させるための「ASEAN5項目合意」が採択されたことも知られている。

だが、さらに多くの民間人や活動家、労働組合員が政権の銃弾に倒れ、あるいは恣意的な容疑で逮捕される一方、ほとんど成果が見られないまま1カ月が過ぎた。

UNI Aproは、国際産業別労働組合組織(GUF)のアジア太平洋地域組織とともに、国際社会に対し、軍事政権による抑圧と暴力を即刻終結させるため、以下を要請する。

• ミャンマーにおける全ての労働者と労働組合員を支援すること。
• 国民統一政府を承認し、非合法の国家行政評議会とのいかなる外交関係および業務上の関係も断絶すること。

民主主義や人権、労働者の権利の尊重をミャンマーに根付かせよう!


第34回UNI世界運営委員会、世界的な民主主義と人権の危機に強い懸念を表明

2021年5月19-20日、第34回UNI世界運営委員会がオンライン開催され、日本から野田三七生UNI Apro会長(情報労連)、増田光儀UNI副会長(JP労組)が正委員として出席した。運営委員会では、UNI加盟組織が直面している様々な課題(組織化、グローバルキャンペーン、ビジネスと人権、リモートワークとアルゴリズム管理、民主主義と人権、職場の労働安全衛生)について議論された。その他、2022年11月にオーストラリア・ブリスベンで予定されていたUNI世界大会・世界女性大会開催に関し、豪政府の渡航・入国制限の状況から、開催延期や開催方法・開催地の変更等を検討中する旨が提案・確認された。更に世界的な民主主義と人権の危機に強い懸念が表明され、ミャンマー問題、イスラエルによるガザ攻撃に関する2つの声明が採択された。野田UNI Apro会長は、ミャンマー、香港、アジア人ヘイトクライムに関し、アジア太平洋地域を代表し、世界の加盟組織の連帯に感謝すると共に引き続きの支援を要請した。

1日目(5月19日 日本時間19:00~21:30)

書記長報告:クリスティ・ホフマンUNI書記長
新型コロナウィルス・ワクチン普及に向けたグローバルなイニチアチブにUNIも積極的に貢献している。各地域で高まる民主主義への脅威に強い懸念と連帯を示したい。2021年前半はオンラインで多くの活動が行われ、デジタル組織化の進展、リモートワーク原則の確立、新型コロナウィルス感染症の労災認定を求める労働安全衛生の取組みなど多くの成果があった。今後はポストコロナを見据えて、店舗閉鎖などによる失業や非正規雇用の増加、アルゴリズムによる労働者監視強化などの課題に取り組むため、強い労働組合が必要だ。

組織化報告:アンディ・スノッディUNI SCORE(組織化)局長
デジタルツールを利用した組織化が各国で行われ成果を上げている。経験共有のためのウェビナーも開催し、多くの参加があった。東欧の組織化センターで開発されたオンライン加入システムが他地域の組織化にも活用されるなど、グローバルに連携して組織化を進めている。各部会でもコロナ禍で変化に対応した組織化の取組みやGFAの見直しなどが進められている。

グローバルキャンペーン:ニック・ルディコフUNIキャンペーン局長
アマゾンに対する世界各国で加盟組織と連携した取組みが続いている。スペイン、イタリアでストが行われ、ドイツ、英国、スウェーデンでもキャンペーンが開始された。欧州ではアマゾンが管理するデータの取扱いについて議論が行われており、インドではデジタル決済の認可申請を阻止する取組みを進めている。法人税の不払い、労働者の監視等、各国のアマゾンで共通の問題を解決するには、NGOや政府とも連携した国際的な取組みが重要である。

ビジネスと人権:クリスティ・ホフマンUNI書記長、アルケ・ベシガーUNI副書記長
人権デューデリジェンスの義務化に関する法制化が特に欧州を中心に進んでいる。今般、ケア部会は、多数の投資家と連携し、介護施設の株式保有者に労働安全衛生基準や労働権確保を求める声明を発表した。また、OECD多国籍企業ガイドライン更新への積極的な関与を目指している。5月末に期限を迎えるバングラデシュ・アコードの移行協定として設置されたブランド、工場オーナー、組合で構成される三者機関「持続可能な既製服評議会(RSC)」において、ブランド側は、組合側と法的拘束力のない協定の締結を求めており、ブランド側の説明責任が果たされない恐れが高まっていることから、UNIはこの提案を拒否し、信頼できる選択肢が提示されない限り、RSCからの離脱も辞さない姿勢で臨んでいる。

リモートワークとアルゴリズム管理:クリスティ・ホフマンUNI書記長
デジタル化が国際的に加速する傾向があり、リモートワークをめぐる使用者による労働者監視、特にアルゴリズム等のAIを使った管理が強化されていることに強く警戒すべきである。これらがニューノーマル時代の「当たり前」となる前に行動を起こし、各国における今後の労使交渉課題に盛込むべきである。

民主主義と人権:クリスティ・ホフマンUNI書記長
特に現在問題となっている3つの危機(イスラエル軍によるガザ攻撃、コロンビア政府による労働運動弾圧、ミャンマー軍事政権による民主主義と労働運動の危機)について強い懸念と連帯が示された。また、香港、フィリピン、ベラルーシ等をはじめ、今なお世界各地で民主主義が危機に陥っている地域があることを憂慮する旨、述べた。

野田UNI Apro会長は、ミャンマー、香港、アジア人ヘイトクライムの3点について発言した。ミャンマーについては世界の加盟組織の連帯とストライキ基金へのカンパに感謝し、ILOやITUCと連携して働きかけを続けていく。ICTS部会としても、軍事政権が導入しようとしている「サイバーセキュリティ法」を非難し、通信事業者の権利と安全を守るための声明を発表した。香港については、新国家安全法の下で民主主義と人権に対する危機が益々高まっているが、国際的な連帯や支援がかえって労働組合活動家を危険に晒すことにもなる。更に世界的にアジア人ヘイトクラムが多発している状況に強く懸念を示したい。UNI Apro執行委員会でも声明を採択する予定であると述べた。

その他、各地域の運営委員からコロンビアにおける労働運動弾圧の解決に向けた取組み報告や、イスラエルのガザ攻撃に抗議する追加声明要請、政治的紛争に伴って発生する移民問題への対応、米国から野田UNI Apro会長の発言に対する支持表明など多くの発言があった。
以上を踏まえ、世界運営委員会として、①ミャンマー軍事政権を非難し同国における民主主義回復のための連帯と行動を加盟組織に呼びかける声明、②イスラエルによるガザ攻撃を非難する声明を採択した。

2日目(5月20日 日本時間19:00~21:30)

職場の安全衛生:クリスティ・ホフマンUNI書記長
職場の労働安全衛生については、ILOの100周年記念宣言にも労働者の基本権として盛り込まれた重要な活動であり、2022年のILO総会においては、政労使合意を目指していく。更に、新型コロナウィルス感染症に関しては、職場で感染する例が多く、感染症罹患を労働災害として認めさせる活動が重要である。また、コロナ禍の中、職場の安全衛生において組合が果たすべき役割も重要な分野である。各国において組合以外にどのような機関が労働安全衛生部門を担っているか把握するための実態調査を実施予定である。

UNI世界大会、UNI世界女性大会:クリスティ・ホフマンUNI書記長
大会スローガンやロゴなどの準備は順調に進んでいるものの、開催国オーストラリアの渡航・入国制限解除の時期や世界のワクチン接種状況を考慮する中、2022年11月のUNI世界大会及び女性大会の開催に関し、今後いくつかの選択肢を検討していく旨が示された。野田UNI Apro会長もホスト地域として支持を表明しつつ、2010年、長崎世界大会をホストした経験から、世界大会は、ホスト地域のUNI労働運動を盛り上げるという意味において大きな意義があるとして、対面開催の重要性を強調し、慎重に検討するよう求めた。
世界大会動議案のひとつである2023~2026年UNI加盟費については、各地域代表2名、UNI書記長、副書記長、財政局長で構成される財政委員会に対し、原案を策定するよう求める勧告が提案され、確認された。

地域報告:各地域書記長
アフリカ:ワクチン接種に関して各国の格差(ワクチン・アパルトヘイト)が生じている。地域大会を2021年3月に開催予定だったが、12月にオンライン開催することになった。
米州:昨年地域大会をオンライン開催し多くの参加を得た。コロンビアの組織化センターでオルグ担当者を配置し、清掃部門を中心に組織化を進めている。労働法の改悪が各国で進んでおり、コロナの状況も悪化しているが、米国やチリでは労働組合に好意的な政権が発足する明るいニュースもあった。
アジア太平洋:ワクチン接種の不平等が生じており、雇用や労働時間が減少している。人権状況はミャンマーだけでなくフィリピンでも悪化している。新たな地域経済統合RCEPはインドが入っていないことが残念だが、労働分野への影響について注視していく。ASEANの政労使社会対話会合に関しては、今年ブルネイで開催されるが、労働組合が認められていない国でどのように関わっていくかが課題である。今年後半は6部会大会のオンライン開催を予定している。
欧州:3週間前に地域大会をオンライン開催し、多くの参加があった。今後は、団体交渉を強化するため、組合の交渉力をいかに高めるかがテーマである。組織化等のボトムアップとEUにおけるロビー活動や法改正等のトップダウンの両方のアプローチを取っていく。加えて既にGFAを締結している多国籍企業へのデューデリジェンス強化の取組みも進めていく。

その他、2020年度会計報告、2021年度予算、財政委員会報告、スタッフ人事及びUNI加盟に関する報告・提案が行われ、それぞれ承認され、次回2020年9月、同委員会を開催することを確認し、閉会した。


第35回UNI Apro運営委員会、ミャンマーへの連帯を確認

2021年5月18日(火)日本時間15:00~16:50、第35回UNI Apro運営委員会が開催された。今次運営委員会は、コロナ禍によりアジア太平洋地域を含め世界中で未だ渡航制限が続く中、オンライン開催となった。

開会に先立ち、野田三七生UNI Apro会長(情報労連)の提案により、物故されたUNI Apro役員、サフィアン・ウノス氏(マレーシア)、ウィリー・タン氏(シンガポール)、コロナ禍で亡くなった組合員及び全ての犠牲者に黙とうを捧げた。

開会にあたり、野田会長は、部会大会日程等を提起し、ミャンマーへの対応等について議論したいと述べた。

ホフマンUNI書記長は、開会挨拶において、インド、ネパール等での感染拡大を懸念すると共に平等なワクチン接種を訴える必要があると述べた。「ミャンマー問題に関しては、翌日のUNI世界運営委員会でも議論する。また、バングラデシュアコードが5月末をもって失効となるが、ブランド側が拘束力のある協定を交渉する意思がなければ無意味なものになると考えており、当面推移を見守ることとしている。なお、2022年開催予定のブリスベンでのUNI世界大会に関し、オーストラリア政府が感染拡大防止のため、2022年後半までの入国制限措置を継続すると発表していることから、世界大会開催について再検討する必要が生じている」等、最近の課題について述べた。

運営委員会では、2020年度UNI Apro財務及び監査報告、2021年度同予算・2022年度同暫定予算の承認、UNI Apro執行委員会・各部会大会の準備状況報告、UNI加盟申請の承認、ミャンマー問題に関するUNI Aproの対応、ブリスベン世界大会(2022年)等について議論された。最後に、ミャンマーに対する連帯声明と、 アジア人ヘイトに対する非難声明を、次のUNI Apro執行委員会として出すことを確認した。

日本からは、野田UNI Apro会長、松浦UNI Apro副会長、増田UNI世界副会長、景中UNI Apro女性委員会副議長他、オブザーバーが出席した。


グローバルユニオン、コロンビアにおける暴力の停止を求める

UNIは、他のグローバルユニオン BWI、IndustriALL、PSI、そしてコロンビア(CUT、CTC、CGT)とブラジル(CUT)の労働組合と共に、コロンビアで起きている暴力と4月28日のナショナルストライキ以降の事件を非難する。

完全非武装の若者や市民が治安部隊によって虐殺され、数人のデモ参加者が失踪したことは、全世界に衝撃を与えている。

5月3日、カリ市では、デモ参加者数人が国家警察によって殺害された。ナショナルストライキが始まった4月28日から5月4日までの間に、同国ではデモに対する残忍な弾圧により、28人の死者、234人の負傷者、726人の恣意的拘束、100人以上の失踪者が出ている。

労働組合は5月4日、声明を発表し、米州人権委員会(IACHR)及び国連人権高等弁務官に対し、コロンビアへの緊急介入と容赦なくエスカレートする残忍な警察の暴力と人権侵害を止めさせるよう求めた。

「労働問題を解決する最善の方法は、労働者の代表権と団体交渉を考慮することである。したがって、私たちはコロンビア政府に対し、開かれた対話を求め、労働者の要求に耳を傾け、COVID-19パンデミックによって生じた健康、経済、社会的危機に対応するよう、改めてメッセージを送る。暴力を根絶し、より公平な代替手段を見つけることが重要であり、最も弱い立場にある人々に降りかかる貧困的な医療、財政、労働、年金の改革ではない。国内の不平等をさらに悪化させることになる。」

また、組合は「イバン・ドゥケ政権が、全国的な抗議活動を主導してきた全国ストライキ委員会の要求に応えるよう求める。我々は、労働者の権利、労働組合の権利、デモの権利、表現の自由、そして何よりも生きる権利の保障を求めて、今後も活動を続けていく」と述べた。


2021年メーデーに、UNI Apro地域書記長メッセージ

2021年のメーデーにあたり、UNI Apro地域書記長は、UNI本部方針に沿った公約を次の通り強調した。加盟組織と協力しながら、より良い雇用と収入を確保し、また職場での安全を確保すべく、組合が交渉できるよう組合の能力を強化していくことだ。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、ビデオメッセージの中で、この1年、コロナ禍により無数の仕事や人々の生活が影響を受けており、組合にとっても労働者にとっても非常に困難な時であったと振り返った。 

UNI Aproは、労働者にとっての不可欠な権利と保護を繰り返し主張していく。UNI本部及び仲間の国際産別労働組織(グローバルユニオン)と連携し、職場における安全衛生は基本的権利であると認識されるよう、国際的なルールを変えていく。また各国政府に対しても、新型コロナウィルス感染症が労災として認定されるよう働きかけていく。 


国際労働災害犠牲者追悼日にあたって、UNI書記長メッセージ:命を落とした労働者を偲び、これ以上の犠牲者を出さないよう、変化を要求しよう!

新型コロナウィルス感染症が世界中にまん延する以前から、1日7,600人が業務上の病気や怪我で亡くなっていた。コロナ禍の間、UNI及びその加盟組織に代表される何百万ものエッセンシャルワーカー(必要不可欠業務に就く労働者)は、この致命的なウィルス感染の危険に晒されながら、コミュニティや家族の世話をしてきた。その多くは移民労働者、女性、有色人種である。不幸にも、無数の人々が命を落とした。

「今日、国際労働災害犠牲者追悼日にあたり、今はもう一緒にいない労働者を偲び、ご家族に哀悼の意を捧げたい。彼らは自らの命を危険に晒すとは思いもせず、社会が機能していくよう勇気をもって働いていたことに敬意を表したい」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は述べた。

世界中でウィルス感染のため亡くなった17,000人を超える介護労働者を偲びつつ、長期介護という仕事がパンデミックの前から、世界で最も危険な仕事の1つとされていることを認識しなければならない。多くの国で、介護施設で働くことが、鉱業、林業、警察等で働くのと同じくらい危険であるとは!

交通機関、病院、学校、事務所等を安全で清潔に保つために働き、犠牲となった清掃員や警備員にも哀悼の意を捧げる。英国では、コロナによる業務上の死亡において最も高い率を示したのが警備員だった。清掃員も同様の危険に直面している。米国の清掃員は、同僚の通夜で、「(私達の仕事の価値が認められるまで)あと何人、会社や政府のために死ななければならないのか」と涙した。

食料品店の労働者は、疲弊で倒れそうになりながら、コミュニティに食料が行き渡るようにしている。UFCW(全米食品商業労働組合)は、米国だけで、食料品店で働く178人が亡くなり、少なくとも39,900人が感染または危険に晒されたと報告する。職場委員でもあったカトリン・アニタ・メイソンは、ジャイアント・スーパーマーケット勤続42年、レジ係やベーカリー部門のマネジャーを務めたが、昨年コロナで亡くなった。

ブラジル、イタリア、スペイン、インド、その他、多くの国で銀行の支店は営業を続けた。銀行員は、職場で危険に晒され、感染したり亡くなったりしている。郵便労働者も、毎日、私達をつなぎ、配達をする中で、亡くなった人も多い。例えば、英国通信労組組合員だったボラ・オモエニは、郵便局勤続30年、同僚からも慕われていた。

コールセンターでも、多くの(他からは見えない)労働者が密な状態で機器を共有しながら、アップル、アマゾンといった世界で良く知られた最も儲かっている企業の顧客サービスに従事している。コロナ禍の間、コールセンター大手テレパフォーマンスは、フィリピンの労働者をデスクの脇で寝かせ、少なくとも1人がコロナで亡くなった。

だが、国際労働災害犠牲者追悼日はただ故人を偲ぶためだけの日ではない。行動を起こす日でもある。労働組合は、安全な仕事か危険な仕事かの違いをもたらすことができる。カナダ郵便労組は、個人用防護具を要求し勝ち取った。サービス労組は、有給病気休暇を交渉した。ポーランドでは、初めて介護施設労働者が組織された。これらは、労働者にとって不可欠な権利を勝ち取った点で大きな前進である。しかし、まだなすべきことは多い。

2021年の国際労働災害犠牲者追悼日(#IWMD21)に、私達は以下を要求する。

  • ILOは、労働安全衛生を基本的権利に指定すること。
  • 各国政府は、業務中に感染した労働者が支援を受けられるよう、新型コロナ感染症を業務上の疾病に区分すること。
  • 全ての労働者に、民主的に選ばれた労働安全衛生委員会を確保すること。そして労働組合も!

「コロナで何人が命を落とすかわからない。だがそのような犠牲は1人でたくさんだ」とホフマン書記長は憤り、「だからこそ、今闘わなければならない。今行動を起こさなければならない」と訴えた。


欧州議会、人権デューデリジェンスの義務化に向けて強いシグナル発信

欧州議会は2021年3月10日、ララ・ウォルターズ欧州議会議員による企業のデューデリジェンス及び説明責任に関する法制化に向けた自発的な報告書を採択した。

この報告書が賛成多数で採択されたことは、欧州委員会による人権デューデリジェンス義務化の導入に対する欧州議会の支持を示す、強いシグナルを出している。報告書では、欧州議会が今後の法案に期待する重要な要素も強調されている。

この報告書では、特に結社の自由と団体交渉の権利の重要性並びに、デューデリジェンス戦略の確立と実施にあたり、各国、EU、そして国際レベルで、労働組合と労働者代表が関与する必要性が認識されている点が非常に重要である。

欧州議会による今回の強力な支持表明は、EUにおける効果的な人権デューデリジェンスの義務化に向けた機運を後押しするものとなる。この問題の進展は、長年の懸案であった。企業の自主性に任せた人権擁護対策が失敗するのを、世界中で何度も見てきたからだ。

人権デューデリジェンスの義務化は、世界中で危機に陥っている結社の自由と団体交渉の権利が尊重されるよう取組む上で、特に求められている。ヘルスケア大手のフレゼニウスからコンタクトセンター大手テレパフォーマンスに至るまで、サービス産業全域で欧州企業がこうした基本的権利を弱体化させているのを我々は目の当たりにしてきた。

こうした人権上の必要性を満たすため、欧州委員会の取組みは、議会からのシグナルを踏まえたものであることが極めて重要だ。欧州委員会の公開協議の中では、欧州全域及び世界中のサービス産業の組合から、デューデリジェンスの必要性を強調した明確な事例が挙げられ、これを支持する声が数多く寄せられた。

このことから、多国籍企業から中小企業、公的部門の組織、スポーツ団体等、非営利団体として登録されている組織に至るまで、法的形態にかかわらず、EU域内で事業展開するあらゆる企業を対象としたEUの取組みが切実に求められているのが分かる。

UNIは、特に以下の点について取組みの必要性を強調する。

  1. 団体交渉の権利と結社の自由を強調すること。これらは、労働者がより広く自らの人権を守れるようにするための基本的な権利である。これに関して企業の進捗状況を測るため、団体協約の対象となる労働者の割合について報告を義務付け、これら基本的権利に関する企業のデューデリジェンスの成果を示させるべきである。
  2. デューデリジェンスのプロセス全体を通して、企業に対し、職場、国、欧州、国際レベルで、労働組合の意義ある関与を義務付けること。プロセスを交渉する権利、リスクの所在の明確化、リスク軽減措置に有意義に関与する権利も含まれる。
  3. デューデリジェンスが事業戦略の中核に位置付けられること。企業の人権デューデリジェンスの策定と実施を継続的に監督する責任を担う特定の取締役を任命する、監査委員会の監督を受ける、デューデリジェンスを年次総会の議題とする等。

ミャンマー軍事政権の代理人に金融制裁を科すべきだ

国際労働組合総連合(ITUC)と金融部門の労働者を代表するUNIは、3月19日、既に金融制裁の対象となっているクーデター指導者が彼らを代理人として利用することを避けるために、ミャンマー軍事政権と密接な関係を持つ金融制裁の対象とすべき23人の名前を公表した。

シャラン・バローITUC書記長は、「これら23人の人々は、米国やその他の国が科した金融制裁を逃れるために将軍達に利用されている。彼らもまた、制裁から逃れさせないために厳しい制裁を受けるべきである。政府には行動する責任があり、銀行やクレジットカード会社を含むその他の金融グループは、政権を支配する残忍な悪党への信用供与や資金のアクセスを遮断すべきである。また、SWIFTなどの決済サービスに対しても、クーデター指導者たちとその関係者との間の支払いを遮断するよう求めている。軍による罪のない人々の殺害や国家の略奪に、企業が加担することは許されない」と述べた。

行動する責任

また世界の組合組織は、ミャワディ銀行、インワ銀行、ミャンマー市民銀行、建設住宅インフラ開発(CHID)銀行等、軍政権が支配している、或いは一部支配している銀行との関係を断つよう、銀行に呼びかけている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように述べた。「ミャンマーの軍事政権によって殺害された若者や平和的な抗議者の数が増えるにつれ、銀行を含むミャンマーと関係のある全ての企業が、この受け入れがたい暴力を終わらせるための責任を取ることがより一層必要となっている。軍トップの将軍達に対する金融制裁は重要な一歩だが、これだけでは不十分である。我々は、権力中枢のクーデターのリーダー、そしてその暴力から利益を得ようとしている人たちの資金やクレジットへのアクセスを遮断しなければならない。」


コロナ禍の1年を振り返る

WHOが新型コロナウィルスの感染について「世界的大流行(パンデミック)」であると宣言して1年となる3月11日、労働組合は、これがいかに仕事の世界を変えてきたか振り返った。

この重要な節目は、労働者が勝ち取ったものを思い起こす機会であるだけでなく、失ったものを悼む時でもある。同時に、危機によって引き起こされた諸課題に立ち向かうため、次に何をすべきかを考察する時でもある。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように述べた。「パンデミックによって、世界経済の格差が明るみに出て、一大変革の必要性を露呈させた。ポーランドの老人ホーム、ペルーのスーパーマーケット、フィリピンのコールセンター、そして世界的なテック企業の本社等、世界中の労働者が、ますます集中する企業の権力に対抗しようと結集している。労働者を組織化するのは、コロナ禍で何百万もの労働者に想像を絶する悲劇をもたらしたのと同じ不正が、パンデミックからの復興過程で繰り返されないようにするためだ。」

UNIは2020年、打撃を受けた介護部門の徹底的な見直しを要求し、アマゾン等の企業による権力の濫用に抵抗し、団体交渉を通じて経済のバランスを取り戻すため、世界中で労働組合の動員を後押ししてきた。

UNIは、介護、小売、郵便・ロジスティクス、そしてコールセンター等の部門において、パンデミック中により安全に仕事をするための指針を提示した。メディア及びスポーツ部門でも、安全に仕事を再開させるための詳細な職場復帰手続きについて、組合の交渉を支援した。印刷及び金融部門では、優良事例の収集と社会対話を通じ、加盟組織を支援した。

また、多国籍企業の使用者と連携し、世界中の労働者のために安全基準を設定した。2月には、パンデミックの影響で加速しているリモートワークに関し、団体交渉の指針を発表した。

UNIは、加盟組織と共に、エッセンシャルワーカーのための不可欠な権利を要求した。危機の最初の年に、第一線で働く労働者は、コミュニティに食料が行き渡るようにし、安全で清潔な環境を保つために働き続けた。しかし彼らの仕事の多くは低賃金で、過小評価され、見過ごされてきた。

例えば、個人用防護具の支給を拒否された後に、組織化を行ったトルコのスーパーマーケット労働者は、「安全だとは思わないが、働く以外の選択肢はない」と打ち明けた。

ガーナの介護労働者も変化を求めている。ある助産師は、「特に今、支えてくれる組合が必要だ。仕事はますます厳しくなっている。介護をしながら、同時に使用者と絶えず労働条件交渉を行うことはできない。組合はそんな私達を支えてくれている」と述べた。

ネパールの警備労働者も、権利を尊重してほしいと願っている。ある警備員は「パンデミックの間も、全力でコミュニティを守ってきた。だから私達にも配慮してほしい。私達の仕事にも尊厳がある。私達にも組合に入る権利が必要だ」と訴えた。

ホフマンUNI書記長は、「このパンデミックの間、組合は世の中のためになる力として広く認識されるようになった。組合は、職場で感染拡大防止に尽力し、組合員が安定した収入を維持できるよう闘い、リモートワークのための公正な条件を交渉した。最近では、誰でも平等にワクチンを接種できるよう声を上げている」と述べた。

だが、道のりはまだ長い。

ポーランドの介護労働者は、パンデミック宣言から1年が経とうとする中、「疲労困憊だが満足している」と明かした。「自分の中に、前進していくための新たなエネルギーを見つけた。みんなで力を合わせて取組めば、パンデミックはいつか収束するだろう。」

パンデミックにより、組合運動にも新たなエネルギーが注入され、緊急性が煽られた。経済部門や国境を越え、労働組合はこの好機を捉え、変革を推進するために共に取組みを行っている。パンデミックが収束した時、私達は共により強くなり、より公正な社会を迎えているだろう。


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