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労働組合が民間介護施設チャートウェルの労働リスクを指摘、投資家行動を呼びかけ

高い離職率、高ストレス、低賃金。今こそ、チャートウェルが変わる時

カナダ最大の民間労組UNIFOR、全米サービス従業員労組(SEIU)、全米鉄鋼労組(USW)およびUNIは、5月中旬に出された株主に対する注意喚起の中で、チャートウェル年次株主総会に向けた提言を発表した。

5 月 19 日の年次株主総会を前に、 カナダの大手介護施設チャートウェルの介護職員の過半数を代表する組合の連合体が同社の投資家に対し、人員配置、賃金と契約、安全衛生、結社の自由と団体交渉といった職場リスクについて、同社に働きかけを行うよう、呼びかけている。

カナダの介護部門はパンデミックの影響を特に受けており、COVID-19関連の死亡者の8割以上が介護施設におけるものだ。チャートウェルではCOVID-19による入居者の死亡率が悲劇的に高く、保健規制に関して同社が遵守していない項目の多さもあり、同社は危機の中心におかれている。

SEIU介護医療部門、UNIFOR、全米鉄鋼労組、UNIからなる組合の連合体は、投資家向けに発出した注意喚起の中で、同社のビジネスモデルに関連した以下のような労働リスクに焦点を当てた。

深刻な人員不足:介護部門における長年の問題であり、今回のパンデミックでは、労働者や入居者にとって人員不足がいかに危険であるかが、浮彫りになった。UNIFORやSEIU介護医療部門など複数の組合が、2022年にチャートウェルの施設全体で調査を実施したところ、回答した労働者の88%が、人員不足は質の高いケアを提供する能力に影響を及ぼすと答えた。

標準以下の賃金:2022年の調査ではチャートウェル労働者の85%が、自身の賃金ではまっとうな生活水準に達していないと回答した。2021年に実施された介護労働者に対する世界的な調査では、この数字は52%であった。

高い離職率:人員不足に伴う過重労働に低賃金が相まって、多くの労働者は他の雇用先を探すことを考えている。チャートウェルの従業員の離職率は、人材派遣会社の利用とともに、ケアの継続性に関して赤信号を灯している。同社は離職率を公表していないが、SEIU介護医療部門のデータから推定すると、同業他社のオルペアやコリアンよりもかなり高い離職率であることがわかる。

安全でない職場:2022年に調査した労働者の4割近くが、入居者と従業員を守るための会社措置は不十分であると回答した。ほぼ全ての回答に見られた、ストレス、疲労、身体的苦痛に関する訴えに加え、10人中7人の労働者が、業務中に身体的暴行を受けたことがあるとし、同様の数の労働者が言葉による嫌がらせも経験している。

労働組合と団体交渉は、こうした労働リスクに対処する上で重要な役割を果たしている。例えば、保健政策の専門誌『Health Affairs』に掲載された研究によると、労働組合の存在は、介護施設入居者のCOVID-19による死亡率を30%低下させることに関連することがわかった。チャートウェルは歴史的に、自社の従業員を代表する組合との交渉に敵対的であった。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「消耗し、過労し、低賃金である労働者にとって、チャートウェルのビジネスモデルは持続可能なものではない」と指摘し、「だが、世界の他の介護事業者で見られたような危機を避けたいと考える長期投資家にとっても、持続可能とは言えない。昨年、投資家らは、従来通りのビジネスは選択肢にはないということを同社に対して明確に示した。チャートウェルは今、変革を実行していることを全てのステークホルダーに示さなければならない」と強調した。

労働組合が同社のパンデミック対応について投資家に行動を呼びかけたのは、今年で2回目だ。組合は昨年、同社が労働関連のリスクをどのように管理しているかについて、取締役会のさらなる監視と情報開示を強く求める株主決議を支持する声を上げ、投票総数の31.37%を獲得した。

今回の投資家向けの注意喚起には、長期投資家がチャートウェルの慣行を変革するための、次のような提言が含まれている。
・人員不足や経営陣による反組合的行動などの労働リスクについて、同社に働きかける。
・UNIが支援する「ケア部門の責任ある投資家イニシアティブ」に署名する。この取組みは、3兆7000億ドルの運用資産を持つ100以上の投資家を集め、部門全体の基準引き上げを目指している。
・ガバナンスにおけるこれら重要な要素に関する取締役会の監督についての問題に投票する際、会社による取組みの進捗状況を考慮する。

マイルズ・サリバンUSW第6地区(オンタリオ州および大西洋沿海4州)担当部長は、「介護部門でのパンデミックは、最悪期こそ脱したかもしれないが、チャートウェルの介護施設でウィルスが猛威を振るうことになった根本的問題の多くは、未解決のままだ。深刻な人員不足と劣悪な労働条件は慢性的な問題であり、何年もずっと同じ状態が続いている」と鋭く指摘し、「投資家が他のステークホルダーとともに、同社に変革を求めることを期待する」と述べた。

アンディ・サヴェラUNIFOR介護医療部門担当部長は、「介護が、高離職率、高リスクの産業であり続ける必要はない。組合が労働者のために基準を向上し、入居者のためにケアの質を改善できるということを、様々な国や企業で目にしてきた。チャートウェルは、従業員と入居者の生活を向上させるため、従業員の声に耳を傾け、交渉を始めるべき時だ」と述べた。

シャーリーン・スチュワートSEIU介護部門委員長は、「我々が代表するのは、懸命に働いて疲れ果てて帰宅し、家族を養うために低賃金で危険な労働に直面している労働者だ。我々は投資家に対し、同社の施設で発生した死亡事故や病気の責任を追及するよう求めている。こうした事態が二度と起こらぬよう、投資家に行動を求めている」と力説した。


オルペアとUNI、倫理的雇用、社会対話、団体交渉、労働組合権に関するグローバル枠組み協定を締結

4月8日、オルペアグループとUNIは、パリのOECD本部で会合を開き、オルペアの7万人の従業員の権利擁護、労働組合の基本的権利、建設的な社会対話と団体交渉のための条件整備にむけた確固たるコミットメントを含む、画期的な協定の調印式に臨んだ。

23か国7万人の従業員を対象とするこの協定は、社会対話と組合の権利を強化し、従業員の労働条件およびオルペアの入居者や患者に提供されるケアの質を改善することを目的としている。この『倫理的雇用、社会対話、団体交渉、労働組合の権利に関するグローバル・パートナーシップ協定』は、医療・民間高齢者介護施設の分野では初のグローバル協定であり、まっとうな労働条件、良質なトレーニング、適正な賃金、労働者の権利尊重が、グループ施設内で入居者や患者に提供されるケアの質に直接影響を与えるという相互認識に基づくものだ。

実際、オルペアグループとUNIは、すべてのステークホルダー、特に組合パートナーとの連携によって、労働条件の改善、介護職員不足の課題への取組み、そしてより一般的には、入居者と患者に対するより良いケアの提供について、新しい方法を生み出すことができるという強い信念を共有している。

この協定におけるコミットメントは、拘束力のある仲裁と、オルペアのデューデリジェンス・プロセスにおける利害関係者としての確固たるUNIの役割によって強化されている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この協定は、何千人もの労働者がより良い雇用のために組織化する上で間違いなく役立つものだ。この協定の強力なコミットメントと説明責任のメカニズムによって、オルペアの労使関係を変革することができる」と述べ、「介護業界には切実に変革が必要であり、オルペアのグローバルなリーダーシップと協力してこの協定を実現することは、その改革の重要な一部分だ」と力を込めた。

オルペアのフィリップ・シャリエ会長兼CEOは、「UNIと締結したグローバル協定は、我々が構築する新しいオルペアの社会的側面に関する最初の礎だ。オルペアが重要な社会的使命を果たすには、オルペアに信頼を寄せる人々や従業員の福祉を保障する必要があり、これこそ、グループの全マネージャーが会社のあらゆるレベルで目指しているものだ」と述べ、「介護分野では世界初となるこの協定は、強いコミットメントを含んでおり、前へ進む新たな道を我々に示してくれている。従業員ともっと多くの考え方を共有し、オルペアが事業展開する各国の社会パートナーやグローバルなレベルでの社会対話を維持・強化することによって、さらなる前進が可能になる。協定は、オルペアグループの創業国フランスにおいても、社会対話の進化を求めている」と、続けた。

◆オルペア:1989年に設立されたオルペアグループは、世界有数の高齢者向け総合介護(高齢者施設、介護付有料老人ホーム、精神科クリニック、在宅ケア)の事業者である。


世界の労働組合運動、「世界人権デー」にフィリピンと連帯

12月10日の世界人権デーに、グローバルユニオン評議会(CGU)のメンバー組織として、UNIは世界中の労働組合と共に、フィリピンの組合活動家に対する暴力の終結を要求する。世界の労働組合運動は3年連続して、人権デーの取組みをアジアの国における虐待に焦点を当てることとなった。

CGU副議長を務めるクリスティ・ホフマンUNI書記長は、「我々はフィリピンの人々に連帯し、労働者の権利侵害、労働組合員に対する暴力、人権擁護者に対する攻撃と闘っていく」と語り、「現地の労働組合運動は、脅迫、暗殺、抑圧に直面しながらも、正義のために闘っている。我々は彼らと共に、ドゥテルテ政権がこうした暴力行為に対する免責をやめ、ILOなどの国際機関に協力することを要求する。これは世界中が注目している問題だ」と語気を強めた。

2016年のロドリゴ・ドゥテルテ大統領の就任以来、労働組合員に対する少なくとも50件の超法規的殺人が発生している。今年9月にILOが行った調査は、フィリピン政府は組合指導者への攻撃を止めるための具体的な措置を何ら取っていないと指摘している。

2020年に発効した「反テロ法」の下、フィリピンにおける結社の自由の権利に対する弾圧は悪化した。ドゥテルテ大統領が主導する「地方共産党の武力紛争を終わらせるための全国タスクフォース(NTF-ELCAC)」は、しばしば合法的な労働者組織を摘発している。

特に悪質なのは、平和的に労働者の権利を主張する活動家を、国家の敵である共産主義者と決めつけてレッドタギングを行う過激派組織の行為だ。反テロ法に基づいてレッドタギングされると、市民社会の指導者たちは、根拠も罪状もなく拘束され、監視され、銀行口座やその他の資産が凍結される危険がある。

CGUフィリピンの報告では、少なくとも17人の労働組合指導者が、労働組合活動を主導したという理由で治安維持部隊や警察からレッドタギングを受け、16人が捏造された罪で犯罪者となり、12人の労働組合員が隔離拘禁されたままになっている。

12月10日、CGUフィリピンはマニラで抗議集会を開催し、政府に以下の項目を要求する。

―フィリピンに関するILOバーチャル意見交換報告書の結論を実施するための期限付きロードマップについて、労働組合と直ちに協議すること。

―フィリピンへのILOハイレベル三者構成ミッションを遅滞なく受け入れること。

―労働組合員に対する超法規的殺人についての調査を迅速化し、免責をなくすこと。

―労働組合員とその合法的な活動に対するレッドタギングの廃止について、具体的な政策と実践をもって取組むこと。

シャラン・バローITUC書記長は、「フィリピン政府は、市民を守ることなく、基本的人権や労働組合の権利を侵害し、組合活動家を殺害しても処罰することなくこれを容認してきた」と厳しく非難するとともに、「まず第一歩として、期限付きの行動計画について組合と協議し、2019年のILO基準適用委員会の結論を実施するために、ILOハイレベル三者ミッションを遅滞なく受け入れなければならない。しかし最終的には、我々が望むのは、この政権が変わることであり、民主的な権利と自由のために立ち上がる政府だ」と語った。

ITUCとCGUは、フィリピンの人権を守るため、世界中の労働者を動員している。


ミャンマーの民主化のために闘う労働者に「恐怖からの解放賞」

ミャンマー労働アライアンス及び労働者、UNI「恐怖からの解放賞」を受賞

UNIは、自らの自由と命を危険に晒しながらもミャンマーに民主主義を取り戻すために闘っている、ミャンマーの労働者とミャンマー労働アライアンスの並外れた勇気を称え、ミャンマー労働アライアンス及び労働者に「UNI恐怖からの解放賞」を贈った。

2021年2月1日にミャンマーで軍事クーデターが発生した。激怒した労働組合と市民社会組織は、アウンサンスーチー氏を中心とする民主的な選挙で選ばれた政権の回復を求め、市民の不服従運動を立ち上げた。

数千人もの公務員が政府の仕事を辞め、鉄道労働者が列車を止め、民間部門の労働者は全国ストを打った。ミャンマー銀行労組(MBU)やミャンマー銀行労連(BWTUFM)の組合員6000人もこれに加わった。

「UNI恐怖からの解放賞」の受賞に際し、ミャンマー労働アライアンスとミャンマーの労働者を代表して、ミャンマー労働組合総連合(CTUM)のサンダ・ソー副書記長は次のように述べた。

「この残忍な軍事政権との闘いは容易ではなく、非常に厳しい。危険を冒さなければならないことはわかっている。逮捕され、拷問され、投獄され、殺される。だが、他に選択肢がない。人々の力を取り戻すため闘わなければならない。兄弟姉妹の皆さん、皆さんからの連帯支援に支えられ、我々は勝利するまで闘い続ける。軍事独裁政権は撤退すべきだ。我々の革命が勝利しなければならない!」

1000人以上が殺害され、組合員を含む数千人の活動家が投獄され、60人以上が死刑を宣告されている。

UNIは、世界の労働運動と共に軍事クーデターを非難し、軍部が民主的秩序を回復し、全ての政治犯を釈放するよう要求している。

UNI世界運営委員会は、ミャンマーにおける権利と民主主義回復の闘いを支えるため、できる限りのことを行うとする声明を発表した。また、多国籍銀行に対しては、軍事政権と関わりのある企業から直ちに投資撤退するよう書面で要請し、9月15日の「ミャンマーのための世界行動デー」においても、この要請をあらためて強調した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「ミャンマーの民主的選挙からちょうど1年となる今週、この賞を贈ることは意義深い。だがその政権は、暴力によって覆されてしまった。我々は、ミャンマーの労働者が、ミャンマー労働アライアンスと共に、民主主義を不屈の精神で粘り強く追求してきた勇気と決意を称えたい。ミャンマーの人々の勇気ある行動は、世界の労働運動、更には世界中を奮い立たせ、支持を集めている。我々は連帯し、民主主義が回復するまで支援の手を止めることはない」と力を込めた。

「UNI恐怖からの解放賞」は毎年、危険を冒しながらも組合の組織化や労働者の権利を促進し、恐怖のない世界の実現に貢献した個人や団体に贈られる。


UNI Aproファミリー、松浦新会長の就任を歓迎

2021年11月5日にオンライン開催された第29回UNI Apro執行委員会は、松浦昭彦UAゼンセン会長を、新たな会長に選出した。2015年から地域会長を務めた野田情報労連前委員長を引き継ぎ、UNI Aproを率いていくこととなる。

委員からは祝福の言葉が相次いで述べられた。ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長も、「松浦会長はこれまでも副会長を務め、UNI Aproの状況をよくご存知なので、非常に心強い。豊富なご経験と知見でUNI Aproを強化し、次のステージに導いてくださるだろう」と期待を寄せた。

松浦会長は就任挨拶の中で次のように述べた。「コロナ危機の中で、アジア太平洋各国の組合は政府や経営者と交渉し、労働者保護のための協約や制度を勝ち取り、重要な役割を果たしてきた。我々の取組みによって、“やはり組合は必要なのだ”と認識された。我々はより多くの労働者を組織化し、組織を強化することによって影響力を発揮し、労働者を保護するための取組みを更に進めなければならない。アジアはグローバル化の中で経済的に急速に成長してきた地域だが、その一方で、ミャンマーにおけるクーデター、香港の民主派活動家への抑圧、フィリピンの反テロ法等、深刻な民主主義への攻撃が起こっている。アジアの多くの国では労働組合権が十分に認められておらず、サプライチェーンの底辺で不安定な雇用と劣悪な労働条件下で働く人も多い。その他にも、AIやロボット等の新技術の進展、気候変動といった我々の労働の未来に大きな変化をもたらすであろう多くの課題がある。そのような状況で、UNI Apro会長という大役を担うことの重責を感じている。今後、地域会長として、ラジェンドラ地域書記長をしっかりと支え、この地域のUNI加盟組合の皆さんと共に、全ての労働者の権利保護、安全、労働条件向上のため精一杯取組む所存だ。」

野田会長は、次のように退任の挨拶を行った。「6年前にクアラルンプールのUNI Apro地域大会で会長に選出されてから、多くの国を訪問し状況の理解に努め、リーダーの皆さんと人間関係を築いてきた。この2年はコロナ禍で皆さんに会うことができず残念かつ心残りだ。UNI Aproには、UNI Aproらしい良さがある。松浦新会長のリーダーシップの下、UNI Aproの益々の発展を祈っている。」

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「UNI本部及びUNI Aproにおける書記長交代という重要な移行期をずっと支えてくださり、大変感謝している。野田会長はUNI Aproだけでなく、ICTS部会の偉大なリーダーとしても、思慮深く、献身的かつ現実的に部会を主導してくださった。お忙しい中でもUNIの取組みに大変なエネルギーを注いでくださったことに、UNIを代表して“ありがとう!”と申し上げたい」と、野田会長に感謝の意を表した。

アチャリャUNI Apro地域書記長も、「事務局を代表し、野田会長の力強いサポートに心から感謝する。退任されても、UNI Aproの発展にお力添えをいただきたい」と述べた。

また、並木自動車総連事務局長及び石川JP労組委員長はUNI Apro副会長に、安藤情報労連委員長はUNI世界副会長にそれぞれ確認された。須齋損保労連事務局次長はUNI Apro女性委員会副議長として運営委員会メンバーに確認された。

新たな役員体制の下、UNI Aproファミリーは、コロナ危機を克服し、前進していくことを確信した。


「安全衛生は職場の基本!」ディーセントワーク世界行動デー2021に際し、UNI Aproよりメッセージ

2021年10月7日の「ディーセントワーク世界行動デー」にあたり、UNIは世界に向けて「今こそ、全ての人々を守るため、交渉と規制を通じて、新しい安全基準を設定する時だ」と発信した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、 「コロナ禍をきっかけに、世界中で労働安全衛生の問題が注目されるようになった。労働者の権利についての議論では中心課題となり、勤務中の、以前からある、或いは新たに発生した様々な危険から労働者を守るために欠かせない、労働組合が果たしている重要な役割が浮き彫りにされた」と述べた。

「職場の安全衛生は基本的な権利であることを認識しなければならない。」

UNIは、「ILOが職場の安全衛生は基本的な権利であると認定するよう、全ての組合に働きかけを要請するキャンペーン」を展開しており、UNI Aproはこれを強く支持する。

ILOは政労使から成る三者構成機関であり、労働組合は使用者及び政府に対し、労働安全衛生を最高レベルの国際労働基準に格上げするよう要求している。基本的権利とは、全ての国及び労働者に適用される権利である。 

2019年に政労使代表により満場一致で採択された、ILO創設100周年記念宣言では、全ての労働者にとって労働安全衛生が重要であることが認識されている。

その後、職場におけるテクノロジーの拡大使用によって発生したリスクに、コロナ禍中の危険が重なり、職場の安全衛生を基本的権利とする必要性の緊急度が高まると同時に、労働組合はその権利を徹底し行使する上で不可欠であることが示された。

「余りに多くの労働者が仕事中に感染し亡くなった。ILOレベルでのアクションがあれば、現場レベルで安全な職場を促進する組合の役割も果たしやすくなるだろう」と、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は述べた。

「新型コロナウィルスは、働く人々の健康を脅かす多くの新しい問題の1つに過ぎないが、加盟組織は全ての労働者にとって職場を安全に保つことができると確信している。」

UNI Aproは、加盟組織の各職場での取組みを強く支持します!


UNI Apro、ミャンマー国民統一政府の国連総会での承認を求める共同決議に参画

2021年8月30日に開催された、労働組合、国会議員、ミャンマー国民統一政府(NUG)によるASEAN+6地域社会対話(ARSD)で、ディーセントワークの推進に向けて同国の民主主義の回復を求める決議が採択された。

決議では、9月14日から開催される第75回国連総会において、NUGをミャンマーの正当な代表として承認することを国連に要請する等、重要な勧告がなされた。

今回の社会対話は、NUGと軍事政権のどちらの代表が国連総会に出席できるかを決定する国連総会の信任状委員会の審議に先立ち、特別に開催されたものだ。

ミャンマー国民は、民主的に選出された亡命中の立法機関が4月16日に設立したNUGを、国際社会が承認することを求めている。協議の中で重点的に検討されたのは、そうしたミャンマーの人々の声を後押しする方法である。NUGには、国民民主連盟(NLD)、すべての少数民族グループ、様々な政党、労働組合、青年・女性組織の代表者が参加している。

UNI Aproは、志を同じくするグローバルユニオンのアジア太平洋地域組織、ASEANサービス従事者労働組合評議会(ASETUC)とともに、国際労働組合総連合アジア太平洋地域組織(ITUC-AP)、ASEAN労働組合協議会(ATUC)、ASEAN人権議員連盟(APHR)、ミャンマー労働組合総連盟(CTUM)の協力を得て、NUGの承認を求める広範な活動の一環として、今回の社会対話を開催することとなった。

ASETUC書記長でベテラン組合活動家のモハマド・シャフィー・BP・ママルUNIマレーシア加盟協議会(UNI-MLC)議長が労働組合を代表して歓迎の言葉を述べ、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、パネルセッション「ミャンマーでビジネスを行うということ」の中で司会を務めた。

シャフィーUNI MLC議長は、「今回の社会対話が、ミャンマーの友人たちを勇気づけ、国際社会がNUGを正当な代表として認めることを望むミャンマーの人々に、希望を与えるものとなることを心から願う」と述べた。

ARSDは、ASEANで毎年開催されている三者社会対話であり、様々な問題に対する社会パートナーの対応を集約し、人々を中心としたASEANの構築に向けてディーセントワークのアジェンダを推進している。今回、参加国を拡大して特別版として開催されたARSDには、ASEANの主要な経済パートナーである5か国(日本、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド)も加わった。

国連総会前日の9月13日、グローバルユニオン評議会(CGU)は、政府間組織にNUGを承認するよう求める世界行動デーを実施する予定。


UNI、原爆投下76年目の広島・長崎の犠牲者を追悼

第二次世界大戦中の1945年8月6日に広島、8月9日に長崎に原子爆弾が投下された。原爆投下から76年目を迎えるにあたり、UNIは一瞬にして命を奪われた多くの犠牲者に哀悼の意を表すると共に、その後も長期にわたり放射線の影響を受け続けた被ばく者の苦しみに心を寄せる。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「世界がコロナウィルスという新たな脅威と闘う一方で、このような苦しみが繰り返されないように、平和と核軍縮を訴え続けていかなければならない」と訴えた。

UNIは、人権の基本要件である核兵器のない世界の実現に向けて積極的に取組んでおり、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)にも参加している。人権や労働者の権利を擁護するUNIは、2010年の世界大会を長崎で開催し、軍縮に焦点を当てた議論を行った。

2010年の世界大会前から、UNIは長崎や国際的な平和運動との強い絆を築き、核兵器がもたらす恐怖と破壊力について理解を深めてきた。

またUNIは、核兵器廃絶を目指す世界的なキャンペーンを支援する取組みとして、毎年、平和大使の訪問をUNI本部で受け入れてきた。だが残念なことに、この2年間はコロナ禍のため、平和大使の訪問ができなくなっている。UNIは一日も早いコロナの収束と、平和大使の訪問を切望している。


UNIインド加盟協女性・青年/UNI-LCJ共同セミナー

2019~2022年度UNI-LCJ「海外活動の方向性」に従い、毎年インドで支援セミナーを開催することとしているが、昨年はコロナ禍で実施できなかった。今年も未だ感染が収束しない中、6月27日にオンラインで開催され、インドから34人、日本からが15人参加した。開会式で、ミリンドUNI-ILC議長は、UNI-LCJの継続的な支援と、アチャリャ地域書記長による講演や野田会長の出席等、UNI Aproの協力に感謝した。松浦UNI-LCJ議長は、未曽有の困難に立ち向かうための連帯を参加者に呼びかけると共に、日印関係がビジネス・経済面で今後ますます発展する中、両国の労働組合が連携を図り、互いの文化や労働組合の活動について理解を深め、それぞれの組合活動に活かしていく意義を強調した。

アチャリャUNI Apro地域書記長は、「コロナ禍・ポストコロナにおける労働組合及びUNIの役割」と題する基調講演を行った。インドの現状や課題について述べ、困難な中でもインドの労働組合が交渉やロビー活動で勝ち取った成果を評価した。また、UNI Aproが注力する女性・青年の育成に協力する形で、インドの女性・青年向けのセミナーを継続しているUNI-LCJに対して感謝した。基調講演に続き、インドの新聞労組、医療労組、IT労組の参加者がそれぞれ、労働組合がコロナ禍に取組んだ活動を報告した。インドでは「つながらない権利」という概念が認知されておらず、在宅勤務により労働時間が長くなり、ストレスが増したという意見が出された。

日本からは3人の講師が講演を行った。景中損保労連事務局次長は、コロナ禍が女性及び若年層に与えた影響と組合の取組みについて説明した。相対的に女性が多く従事する窓口業務や書類を扱う業務はテレワークが難しく、職場の感染防止対策の徹底や、テレワークの環境整備、テレワークが可能な業務の拡大に取組んだ。若年層については従来対面で育成・指導してきたが、リモート環境下での有効な育成・指導方法への柔軟な変更や、社員間のコミュニケーション強化に向けたルール作りを行っている。また、with/afterコロナにおいて、柔軟な働き方を推進する観点からも「長時間労働につながる商習慣」の見直しは有効であり、全ての労働者が働きやすい環境の実現につなげたいとした。

柏木JP労組中央執行委員は、各種統計や連合が実施したアンケート結果等から、コロナ禍の女性に対する影響の深刻さを説明した。連合は有識者を交え、コロナ禍におけるジェンダー平等課題に関する意見交換を実施し、指摘された諸課題について政府に必要な対策を求めていくこととしている。また、コロナ禍にJP労組が交渉で勝ち取った、特別な有給休暇や見舞金支給等の成果についても紹介した。

水野情報労連組織対策局長は、コロナ禍・ポストコロナにおける労働組合のコミュニケーションについて詳細に報告した。コロナを理由に活動を止めないため、感染防止対策の徹底と共に、オンライン活用や業務のデジタル化推進、対話・参加型の取組みに対する工夫、オンライン団交の向き・不向き等、経験に基づく具体的事例を詳細に紹介した。コロナ制約下でのオンラインの取組み成果を活かす多様なコミュニケーションツールの活用により、Face to Faceの取組みを追求しつつ、「つなぐ」役割の強化が重要だ、とまとめた。

インド人参加者からは、下記のような質問やコメントが出された。

  • ビデオ会議を含むテレワークに関する行動基準やガイドラインの有無
  • 郵便局におけるコロナ禍の交代出勤、妊婦や障がい者の保護対策、テレワークの可否等
  • 女性の在宅勤務に関する問題は組合が取組み改善していかなければならないことに同感する
  • オンラインレクやオンラインゲームはクリエイティブな試みだ、是非、インドの組合でも真似したい

この他、インド人参加者からも報告を受けた。

レッカD.M.(郵便労連)は、 コロナ禍でインドの女性が受けた影響について、郵便局の貢献及び職場で女性労働者が直面した課題と郵便労連の取組み、他産業の女性労働者が直面した問題とそれを克服するためのステップ等を報告し、コロナ禍から学んだ教訓でまとめた。

ロヒット・カプール(バローダ銀行管理職労組)は、インドの感染状況の深刻さを報告し、バローダ銀行は、ロックダウン中も預金・引出・送金等の不可欠サービスは提供し続け、中小企業を積極的に支援したことを説明。組合は、貧困層への食料配給、献血、育児中の母親・妊婦・障がい者等の在宅勤務化交渉、メンタルヘルスに関するウェビナー開催、遺族への弔慰金交渉等の成果を報告した。

グループワークでは、①女性・青年が組合に期待すること、②自分たちが貢献できることを議論し、各グループの討議結果が発表された。

①については、若年層や女性の課題を真剣に取り上げてほしい、若年リーダー育成・機会の提供、定期的なコミュニケーションを通じた組合活動の周知、組合員との双方向のコミュニケーションの重視、女性の参画を強化するため、女性だけでなく男性の意識啓発も促すこと等の提言がなされた。②については、若い労働者との信頼関係の構築、組合の意義や活動を正しく従業員に伝え、共感し、自ら積極的に取組むこと、楽しい方法で組合参加を促すアイデアを出し実行すること、SNSの活用、女性委員会の強化等、積極的な意思が表明された。アンジャリ・ベデカーUNI-ILCコーディネータは、短時間でも前向きなグループ討議ができ、良い意見がまとめられたことを称えた。

閉会式では、飛び入り参加した野田UNI Apro会長が、2017年秋の訪印時、成長するインドの勢い、能力とモチベーションの高さに感銘を受けたことを振り返り、インドは世界経済を牽引する存在でもあり、南アジアの組合の強化は、UNI Aproとして最も重要な戦略であると述べた。参加している女性、青年に対しては、女性の価値観や若年層の価値観をUNIの活動に活かしてほしいと激励した。ミリンドUNI-ILC議長は、UNI-LCJ及びUNI Aproの支援にあらためて感謝し、今後も協力関係を深めていきたいと述べた。また、働き方が変わっていく中で、組合役員の経験を活かすと共に、若きリーダーの成長に期待し、共に新しい労働運動をつくっていこうと激励した。森川UNI-LCJ事務局長は、オンライン開催だったからこそ、インド全土から多くの参加が得られ、日本側も講師だけでなく、野田UNI Apro会長をはじめ多くの傍聴が可能になったと述べ、対面開催ができる時まで、コロナ禍で学んだ経験や教訓を活かし、UNI活動を推進していこうとまとめた。


第28回UNI Apro執行委員会、ポストコロナを見据えた活動の展開を確認

2021年5月29日(土)日本時間14:00~18:00、第28回UNI Apro執行委員会がオンラインで開催された。本委員会は、 UNI Apro運営委員会(5月11日)、UNI世界運営委員会(5月19~20日)での重要議題の議論を経て、開催された。委員会では、過去1年のUNI Aproの諸活動を振り返ると共に、2021年度の活動計画・予算を承認した。特に今年は6部会大会を個別にオンライン開催する予定であり、その準備状況についても確認が行われた。

開会にあたり、野田三七夫UNI Apro会長(情報労連)は、 パンデミック発生から2年、感染はいまだ収束せず、様々な活動が制限を受け、労働者の生活が大きな影響を受けている。雇用制度が未成熟な国も多く、既存の格差が更に顕在化しており、包摂的で公正な復興を目指すグローバルな施策が必要だと述べた。吉田ITUC-AP書記長の連帯挨拶に続き、クリスティ・ホフマンUNI書記長が基調講演を行い、この間に行ったUNIの取組み(エッセンシャルワーカーを守る取組み、リモートワークに関する新たな課題、労働安全衛生の重視とCOVID-19を労災認定させる取組み、平等なワクチン接種、アマゾンキャンペーン等)について報告し、コロナ禍において、労働組合があれば、労働者を守れることが示された。組合の重要性をポストコロナに向けて更に強調していかなければならないと述べた。

財政及び人事関連の報告・確認に続いて、ミャンマーにおける民主主義の回復に関する声明及びアジア人へのヘイトに関する声明の採択が行われると共に香港のライハ委員から、香港の民主主義への引き続きの連帯支援要請を受けた。
地域書記長及び各部会/専門委員会担当部長より、前回委員会以降の主要な取組みと、2021年度の計画が報告され、ホビッグ組織化担当部長から、デジタル組織化を中心とした組織化を進め、UNI Aproに組織化センターを設立する旨の報告・提案を受け、確認された。


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