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調査報告:低賃金の個人・家庭向けサービスで、労働者・事業者・利用者が賃上げと手頃なサービス料金を求める

欧州33か国で、労働者5,000人以上、サービス利用者2,000人以上、数百のサービス提供事業者を対象に実施された大規模調査により、労働者の賃上げと、個人・家庭向けサービス(PHS)を利用しやすい価格で提供することが急務であると明らかになった。PHSの労働者は、子ども、高齢者、障がいのある人のケアから、料理、清掃、庭の手入れなど、日常的な家事に至るまで、多岐にわたる業務を担っている。

この調査「PHS Employment Monitor」は、欧州の労使社会対話のパートナーであるEFFE、EFSI、EFFAT、UNI欧州が、2024年の開始以来、2回目となる調査として実施したものである。調査結果に基づく報告書では、各国および欧州の政策決定者に向けた明確な要求が示されている。労働者と提供事業者は賃金改善を求める一方、利用者と提供事業者は、手頃な価格でのサービス提供を求めている。2024年以降、EU全体の累積インフレ率が6.2%に達するなか、欧州で続く生活費危機の双方の問題を解決するには、社会に不可欠な基盤となるサービスへの公的投資が必要であると、報告書は指摘している。

雇用・社会権担当の元欧州委員ニコラ・シュミット氏は、報告書の序文で次のように述べている。「パンデミックが深刻だった時期には、何百万人もの人々が医療・社会福祉従事者に拍手を送った。しかし今日、誰もが口にするのは、競争力や規制の簡素化である。今回の調査で特に注目されるのは、生活費危機が依然として続いていること、そして雇用関係にある双方で、費用負担の重さに対する懸念が高まっていることだ。この問題に取組むことは、すべての民主主義勢力に課せられた責務だ。」

調査対象となったPHS労働者のほぼ半数(47.5%)が、過去3年間にPHS分野での仕事を辞めることを考えたと回答しており、その最大の理由は低賃金だった。また、PHS労働者の確保・定着が「困難」または「非常に困難」と回答したサービス提供事業者のうち、10社中8社が、その理由として賃金の低さを挙げた。

サービスの利用しやすさについては、利用者の約80%が、サービス料金を「多少の問題」または「大きな問題」と捉えている。利用者の声からは、在宅ケアや家事支援の労働者を利用できなくなった場合、仕事と生活の両立が難しくなり、家庭環境が悪化し、ケアの質も低下することが示されている。

調査結果は、低賃金とサービス料金の高さが、未申告労働の要因にもなっていることを示している。未申告労働が場合によっては正当化されると回答した労働者のうち、約半数が、仕事を申告すると賃金が低くなりすぎることを理由に挙げた。また、同様に回答したサービス利用者の約36%は、仕事を申告するとPHSのサービス料金が高くなりすぎることを理由として挙げた。

さらに労働組合がPHS労働者にとって、自らの権利に関する重要な情報源となっていることも明らかになった。労働組合に加入していない労働者は、組合員に比べ、権利に関する情報を政府のウェブサイト、ソーシャルメディア、友人や家族から得る傾向が有意に強かった。

PHSのサービス提供事業者の五分の2は、産業別または企業別の労働協約を締結していないと回答した。

調査を実施した労働組合の一つであるUNI欧州のオリバー・レティク地域書記長は、「PHSの労働者は、高齢化が進む欧州社会において、誰もが尊厳をもって生活するために不可欠な役割を果たしている。だがこの分野では、労働者、使用者、利用者のいずれにとっても、サービスの費用負担が大きな危機となっている。労働者に公正な賃金が支払われ、使用者が人材を確保・定着させ、利用者がサービスを利用できるようにするには、強固な社会対話と団体交渉が不可欠だ。」と述べた。

その他の主な調査結果

  • 週35~40時間の通常の労働時間で働くことは例外的であり、週35~40時間働いていると回答した労働者は全体のわずか4分の1だった。
  • PHS分野で働く労働者の10人中6人が、腱炎や腰痛など、仕事が原因の筋骨格系障害に悩まされていると回答した。
  • 住み込みで、呼び出しに応じて働くケア労働者の約6割が、仕事のために睡眠に問題を抱えていると回答した。また多くの労働者が、食事の不足や非人道的な生活環境を経験していた。
  • 調査に回答したPHSサービス提供事業者の3分の2が、労働者の採用は「困難」または「非常に困難」であると回答し、約40%が、PHS労働者の定着は「困難」または「非常に困難」であると回答した。

(2026年10月13日)


フィリピンのコミュニティ・ヘルスワーカー、施政方針演説を前に大統領に直訴

2026年7月21日、フィリピン国内で27万7000人のコミュニティ・ヘルスワーカー(現地ではバランガイ・ヘルスワーカー=BHWとして知られる)を代表する指導者が、マラカニアン大統領官邸を厳粛に訪問した。フェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領に共同嘆願書を手渡すとともに、間近に迫った大統領による施政方針演説に先立ち、政権が長年先送りしてきたバランガイ・ヘルスワーカーのためのマグナ・カルタを優先的に取り上げるよう訴えた。

組合の代表団は、UNIフィリピン連絡協議会(UNI-PLC)とその加盟組織であるフィリピン・バランガイ保健従事者全国連合(NCBHWP)で構成されており、両団体の幹部および18人の地域レベルの委員長が共同嘆願書に署名した。

同代表団は、大統領に対し、立法・行政開発諮問委員会(LEDAC)の下で「バランガイ・ヘルスワーカーのマグナ・カルタ」を最優先措置として復活させること、同法案を緊急法案として認定すること、そして7月27日に予定される施政方針演説において同法案の成立に向けた公約を再確認することを要請している。

コミュニティ・ヘルスワーカーは、フィリピンのすべての村(すなわちバランガイ)において、公衆衛生プログラムの第一線の主要な提供者としての役割を果たしている。基本的な妊産婦ケアの提供や地域保健プログラムの実施から、COVID-19パンデミック時の国家緊急対応の中核を担うことまで、これらの従事者は国家医療システムの不可欠な中核を成している。

だがその不可欠な役割にもかかわらず、BHWは依然として過酷な状況下で業務を続けている。標準的な報酬、標準的な職務規定、そして基本的な社会保護が欠如しており、医療従事者の中でも最も脆弱な立場に置かれている。

フィリピン全国バランガイ・ヘルスワーカー連盟のコナン・ダーク・T・セリアル会長は、「2023年に大統領は、我々の『マグナ・カルタ』を支持すると公に約束し、数十万人のコミュニティ・ヘルスワーカーに新たな希望を与えた。今日BHWは、大統領に対し約束を果たすよう謙虚に訴えている。40年以上にわたり、複数の政権の下で、我々は公正な評価、適切な福利厚生、そして社会的保護を保証する法律の制定を繰り返し約束されてきた。多くの仲間が、そうした保護措置を目にすることなく、すでに退職したり、亡くなったりしている。マルコス・ジュニア大統領が、この40年にわたる闘いにようやく終止符を打つ指導者となることを願っている。」

大統領府へのこの訴えは、抗議としてではなく、労働の正義と基本的人間としての尊厳を求める真摯な嘆願として位置づけられている。

ローランド・デラクルスUNI-PLC議長は、「我々のコミュニティ・ヘルスワーカーは、あらゆる村で一次医療システムの文字通りの『背骨』であるにもかかわらず、依然として最も脆弱で、十分な保護を受けていない(‥‥中略‥‥) 『マグナ・カルタ』の法制化は、基本的な人間の尊厳と労働者の正義に関わる問題だ。我々は、この法案を緊急措置として認定するよう、政府に謹んで要請する。この公約を果たすことは、27万7000人のコミュニティ・ヘルスワーカーの献身に報いるでなく、フィリピンの草の根の医療従事者たちにとって、永続的で不朽の正義の遺産となるだろう」と述べた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「国際労働運動は、フィリピンの数十万人のコミュニティ・ヘルスワーカーと揺るぎない連帯を築いている。(…中略…)コミュニティ・ヘルスワーカーは、フィリピンのあらゆる村において公衆衛生の基盤そのものを支えており、法的保護を求めて40年間も待ち続けてきた状況に終止符を打たなければならない。マルコス・ジュニア大統領には、『マグナ・カルタ』を緊急措置として認定し、これらのエッセンシャルワーカーが長年にわたり当然受けるべきであった尊厳、評価、社会的保護を実現することで、リーダーシップを発揮する歴史的な機会が訪れている。」と述べた。

マラカニアン宮殿での正式な提出に続き、労働者代表は、大統領が国民向け演説の中で彼らの訴えに耳を傾けてくれることに対し、強い期待を表明した。UNI-PLCとNCBHWPの両団体は、この数十年にわたる立法への取り組みを現実のものとするため、大統領府と連携する用意があることを改めて強調した。

(2026年7月22日)


インドで若手女性ケア労働者が研修を主導!

インド全土からケア部門で働く女性労働者が、ジャールカンド州ランチーに集まり、第2回UNIインド加盟協(UNI-ILC)ケア部会 女性・青年ワークショップが開催された。この取組みは、リーダーシップ育成、組織化、実践的なファシリテーション体験を通じて、次世代の女性労働組合リーダーを育成することを目的としている。

このワークショップには、インド全土のUNIケア部会に所属する40歳未満の女性が一堂に会し、リーダーシップや組織化スキル、職場における権利に関する意識の向上が図られた。ギータンジャリ・テテ氏(RMS)、レカ・クマリ氏(BRCKS)、スウェタ・アリヤ氏(JSNGEF)、サイブン・ニシャ氏(JSHCAEF)は、過去にUNI-ILC女性・青年ワークショップにも参加しており、今回はファシリテーターとして復帰し、ベテランの労働組合指導者の支援のもと、双方向型のセッションを主導した。

特にケア部門の多くの若い女性は、すでに職場会議、ソーシャルメディアを通じた啓発活動、コミュニティレベルの組織化等を通じて現場でキャンペーンを主導しているが、言語の壁があるため、ファシリテーターとしての自信を養う機会は限られていた。UNI-ILCは、支援的な環境を構築することで、新進の女性リーダーが全国レベルのワークショップをリードできるようにした。

プレゼンテーション、グループディスカッション、実践演習、行動計画策定を通じて、参加者はケア部門における労働環境の変化、デジタルを活用した組織化、国家予算の理解、女性の安全、そして組合員数の拡大と労働者の参画を促進するための戦略について深く学んだ。

ミリンド・ナドカルニUNIインド加盟協議長は、この取組みをインドの労働組合運動の未来への重要な投資であると称賛し、「このワークショップは、真のリーダーシップ育成とはどのようなものかを示している。我々は単に若い女性を訓練しているだけでなく、彼女たちが自らトレーナー、メンター、そしてリーダーとなる機会を創出している。過去のワークショップの参加者が自信を持って全国規模のセッションを進行する姿を見ることは、若い女性への投資が将来に向けて我々の労働組合をいかに強化しているかを示している。彼女たちの献身、勇気、そしてリーダーシップを発揮しようとする意欲は、大きな刺激を与えてくれる。全国規模のケア部門ワークショップを成功裏に主導したことを称え、労働組合のリーダーとして成長し続ける彼女たちの将来が実り多いものとなることを願う」と述べた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、将来のリーダーに投資する重要性を強調し、「強力な労働組合は、新たなリーダーへの投資によって築かれる。このワークショップは単なる研修プログラムにとどまらず、若い女性ケア労働者が、他者を率い、組織化し、鼓舞するための自信、スキル、経験を身につける機会を創出している。過去の参加者がトレーナーとしての役割を担う姿は、UNI Aproが地域全体で構築に取り組んでいる持続可能なリーダーシップモデルを反映している」と称えた。

このワークショップは、ジャールカンド州一般公務員連盟(JSNGEF)とジャールカンド州保健・ケア従事者連盟(JSHCAEF)の共催で開催され、両組織の役員が全国から集まった参加者を歓迎した。

アショク・シンJSNGEF書記長、「ランチーでこのワークショップを主催することができ、非常に誇らしい。このプログラムの特筆すべき点は、かつて参加者としてこのワークショップに参加していた若い女性が、今では自信を持って議論や活動を主導していることだ。若いオルグを信頼し、成長の機会を与えること――これこそが、我々の運動の中で持続可能なリーダーシップを築く方法だ」と述べた。

レカ・マンダルJSHCAEF書記長は、新進の女性リーダーを支援する場を創出することの重要性を強調し、「ケア部門の若い女性は、すでに地域社会で日々労働者を組織化しているにもかかわらず、会場の前に立ってワークショップを主導する機会はほとんどない。このプログラムは、彼女たちに自信を与えてくれる。彼女たちが互いに支え合いながらトレーナーとして成長していく姿は、女性が女性をエンパワーし、草の根からより強固な労働組合を築き上げる力強い好例だ」と振り返った。

スサント・クマール・サフーJSNGEF共同書記長は、参加者が発表したプログラムを称賛し、こうしたワークショップが組合活動に関する前向きなメッセージを伝えるのに役立つとし、「インド政府とジャールカンド州政府は、女性のエンパワーメント、特に若い女性のために素晴らしい取組みを行っている。若い女性がその恩恵を受けられるよう、我々は組合のプログラムの中でこれらの取組みについて議論しなければならない。そうすることで、力を得た女性や若いリーダーが前に踏み出し、組合を強化し、団結と一体性を高めることができるだろう」と語った。

このワークショップは、UNI Aproが継続的に取り組んでいる、メンタリングプログラム、ピア・ラーニング、実践的な経験を通じてケア部門の女性および若者のリーダーシップを強化する取組みの一環であり、労働者を組織化し、より強力な労働組合を構築し、インドのケアエコノミー全体でディーセントワークを推進する力を備えた新世代の女性リーダーの育成を支援している。

(2026年7月20日)


韓国保健医療労組、公正なAI移行に向けた労使合同作業部会を発足

医療管理、診断、患者ケアへの人工知能(AI)の導入が進む中、UNI加盟組織である韓国保健医療労組(KHMU)は、デジタル移行の在り方を決定する過程で労働者の声が反映されるよう取り組んでいる。

KHMUは 2026年6月26日、ソウルで政府関係者、病院経営者、労働組合指導者を一堂に集めたハイレベルな社会対話フォーラムを開催した。この画期的なイベントは、「医療分野における公正なAI移行のための労使合同作業部会」の正式発足を記念するものとなった。

AIを活用した医療技術の普及が進むにつれ、看護師、医療技術者、事務職員の仕事や業務体制が変化しており、雇用の安定性への懸念や、職場における役割と責任をめぐる混乱が生じている。KHMUは、技術による職の置き換えが実際に発生してから対応するのではなく、労働者と経営陣が共同で仕事の未来を形作るための枠組みを構築している。

チェ・ヒスンKHMU委員長は、「AI移行の真髄は、『公正な移行』でなければならない。技術変革の過程で、いかなる労働者も一方的に犠牲にされてはならない。労使が共同で、この移行の方向性とペースを決定しなければならない。テクノロジ―は人類のための道具であり続けなければならず、労働者を置き換える口実であってはならない」と強調した。

政府と雇用主が「対話4.0」を支持

新設された作業部会は、「対話4.0」というアプローチの下で活動しており、紛争が発生してから解決する姿勢から脱却し、労使共同による解決策の積極的な共同設計へと移行している。このアプローチは、政府と病院側の使用者双方から強い支持を得た。

韓国のキム・ヨンフン雇用労働大臣は、祝辞の中でこの取組みを支持し、「AIへの移行は、労働と人間の尊厳がこの変革の中心に据えられて初めて、持続可能な成長につながる」と述べた。そして、AI移行が雇用に与える影響を政府が積極的に監視し、脆弱な分野を保護するための『産業転換期における雇用保障のための国家基本計画』の策定を加速させることを約束した。

韓国病院協会、国立医療センター、および地方公立病院の代表者らも、このイニシアチブへの支持を表明した。使用者側は、AIを人員削減の手段としてではなく、第一線で働く医療従事者の過重な業務負担を軽減し、患者の安全性を向上させるための手段として活用すべきであるという点で合意した。

ロードマップと今後の取り組み

作業部会は、江原国立大学が主導する包括的な研究プロジェクトを委託しており、同プロジェクトは2026年11月まで実施される。この研究では、病院におけるAIの現状の導入状況を検証し、さまざまな医療職種における労働条件、専門的責任、法的責任への影響を評価する。

作業部会は、以下の3つの主要な取り組みを実施する:

  • 研究: AIが雇用および労働条件に与える影響に関する詳細な調査を実施
  • 公開セミナー: 意識向上と議論の促進を目的とした、月1回の全11回にわたるセミナーシリーズを配信
  • グリーンペーパー: 共通の立場を策定するための支援として、様々な職種グループの労働者から意見を収集

この取り組みは2026年11月に集大成を迎え、作業部会は「医療部門における公正なAI移行のための労使共同ガイドライン」を提示する予定である。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長はこの取り組みを称賛し、「KHMUによるこの画期的な取組みを誇りに思う。これは、強固な政策立案能力を持つ労働組合が、大きな変革の時代にAIの導入を形作る上で、いかに積極的かつ建設的な役割を果たしうるかを示している。適切に管理されれば、AIは労働を変革し、公共の利益に貢献する可能性を秘めている。しかし管理が不適切な場合、労働者を支援する持続可能な政策がなければ、労働者は職と生計を失う恐れがある。すべての人のための公正な移行を確保するためには、労働者が労働組合を通じ、意思決定の場に参画しなければならない。」と述べた。

 (2026年7月15日)


クロアチアの介助者が結集、全国キャンペーンを開始

2026年5月、クロアチア各地で障がい者の自宅での介助に従事する労働者が初めて一堂に会した。国内で最も孤立し、過小評価されている労働力の一つであるこの職業に対し、社会的認知、公正な資金提供、団体交渉権を獲得するための全国キャンペーンの基盤が築れた。

アラン・セーブルUNIケア部会担当局長は、「欧州全土の障がい者介助や家事援助サービスに従事する労働者は、非常に多くの場合、見えない存在となっており、過小評価されている。だが力がないわけではない。オーストラリア、ドイツ、あるいは米国の仲間たちが同じ立場からスタートし、勝利を収めたことを知れば、団結して取り組むことで何を成し遂げることができるか、認識を変えることができる。UNIは、この部門が緊急に必要としている社会対話と団体交渉を構築しようとしているRISおよびクロアチアの介助者を支援する」と発言した。

2026年 5月22~23日にストビチケ・トプリツェで開催された2日間の研修には、障がい者が自宅で自立した生活を送れるよう支援する約20人の介助者が参加した。このワークショップは、EUが資金提供するプロジェクトの一環として、UNIの支援を受け、加盟組織RISが主催した。

クロアチアの介助者は、労働市場の中でも最も不安定な部門の一つで働いており、産業をカバーする団体協約はなく、他の労働者との接点もほとんどない。この仕事は過酷であり、利用者の尊厳と自立にとって不可欠であるにもかかわらず、使用者や政府、一般市民からほとんど見過ごされたままとなっている。ワークショップに参加したクリスティーナは、「我々が『見えない存在』であり、静かに沈黙している状態にはもううんざりだ。我々は真剣に受け止められなければならない。それを実現するには、団結して共に声を上げることしか道はない。我々は、尊厳ある賃金と労働条件を求めている」と語った。

2日間にわたり、労働者は直接、この部門におけるRISの全国キャンペーン計画に取組んだ。繰り返し取り上げられたテーマは、障がい者を仲間としてキャンペーンに巻き込むことの重要性である。介助におけるディーセントワークを求める闘いは、障がい当事者が尊厳と自立を持って生きる権利と切り離せないものだからだ。

ヤコフ・コラクRIS書記長は、「介助者の存在は、クロアチアにおける障がい者の自立生活の要だが、依然として目に見えず、保護もされていない。今回の研修は、こうした労働者が団結することで何が可能になるかを示した。介助者たちは、誰かに代表されるのを待っているのではなく、自分たちでキャンペーンを築き上げている」と述べた。

労働者は国境を越えた視点も持つことができた。オーストラリア、ドイツ、米国からの国際的な事例は、これより弱い立場からスタートした介助者が組織化し、実質的な成果を勝ち取ってきたことを示している。UNIを通じてつながったクロアチアの介助者は、自らの闘いを孤立したものではなく、世界的な運動の一部として捉え直すことにつながった。


ハンガリーの訪問介護労働者と使用者が共同声明 

2026年5月、ブダペストで開催された社会対話フォーラムには、訪問介護の分野から約40~50名の参加者が一堂に会した。そして労働者、使用者、研究者、サービス利用者は、ディーセントワークと質の高いケアの実現を約束する共同声明に署名した。

2026年5月6日に開催されたこの公開フォーラムでは、利害の大きく異なるグループ間での合意という、予想を超える成果が生まれた。参加者は、労働力の流出、経験豊富な介護労働者を維持することの難しさ、そして訪問介護業務の価値と労働条件との間に存在する根深い格差について率直に語りあった。

イベントの閉会時に署名された『訪問介護に関する声明』は、署名者が以下3つの原則を確認するものである。すなわち、ディーセントワークと質の高いケアは切り離せないものであるということ。労働者、使用者、研究者、サービス利用者のすべてが、この部門の将来に関する意思決定に参加する場を持つこと。そして社会対話には効果があるということである。

ハンガリーの社会福祉労組(SZÁD)のフェレンツ・ケーヴェシュ委員長は、イベント終了後に「このフォーラムは、この部門においてディーセントワークと質の高いケアを実現するためには、対話、連帯、そして集団行動が必要であるという我々の確信を強めるものとなった。今後も我々は取組みを進めていく」と述べた。

このフォーラムは、2026年5月5日にSZÁDがUNI欧州の支援を受けて開催した労働者研修から始まる1日半のプログラムの集大成であった。

高齢者や障がい者を自宅で支援するハンガリーの訪問介護労働者は、多くの場合、利用者間を数時間かけて移動しているが、移動時間は無給だ。そしてその賃金は業務に必要なスキルを反映したものではない。彼らの大半は、組織的な発言力を欠いている。研修では、組織化、ディーセントワークの必要性、権利擁護やコミュニケーションスキル、そして産別交渉への道筋などが取り上げられた。

またイベント中に提示された調査データは、労働者の負担が増大している実態を示していた。労働者の4人に1人近くが週40時間以上働いていると報告し、半数以上が6時間ごとの休憩を取ることができないと答え、60%が仕事に関連する腰痛や腱炎などの筋骨格系の不調を訴えた。同時に、57%がストレスに関連するメンタルヘルスの問題を抱えていると報告した。

 ソーシャルワーカーのモニカは、「組合活動への新たなエネルギーを得た。今後は地元の支部を強化し、組織化を全国に広めていきたい」と述べ、この研修の影響は単なるスキル向上にとどまらなかった。 訪問介護に携わるジュディットは、「組合の真の意義について、本当に目を開かされた」と率直に語り、別の参加者であるズズサナは、「この2日間で、組合活動に向けた新たな力を得ることができた」とコメントした。

フォーラムで議論された課題は、まもなく発表される「PHS雇用モニター」の調査結果にも反映されていた。この調査は欧州全域で8,000件以上の回答を集めており、そのうち400件以上がハンガリーからのものだ。調査によると、ハンガリーの訪問介護労働者の55.7%が過去3年間にこの業界を離れることを検討したことが判明し、そのうちの82%が理由として低賃金を挙げた。雇用主側も同様に深刻な課題に直面していると報告しており、41%が採用活動を「非常に困難」と表現し、容易だと答えた者は一人もいなかった。

だがこのデータは、なぜブダペストのフォーラムで合意形成ができたのかという理由も明らかにしている。この部門で最も必要な変化は何かという質問に対し、ハンガリーの労働者の90%が賃上げを最優先事項として挙げた。

これはUNIにとって、欧州のケアエコノミー全体において労働者の力を強化し、社会対話を構築するための継続的な取組みの一環である。この産業は数百万人を雇用し、労働者の大半が女性であり、多くの国で依然として最も過小評価されている部門の一つである。研究では一貫して、労働条件と介護の質が関連付けられている。すなわち、安定した環境と十分な支援を受けた介護労働者が、質の高い介護を支えるということだ。

今後の取組みとしては、SZÁDの組合員拡大、使用者側の関与の強化、そして労働者とケアを受ける人々の双方に利益をもたらす団体交渉の基盤構築などが挙げられる。

本イニシアチブや近日公開予定の「PHS雇用モニター」について詳しく知りたい読者は、6月15日20:30(日本時間)に開催されるオンライン会議への参加を推奨する:Zoom会議への登録はこちら。

 本イベントは、SZÁDがUNI 欧州と連携して主催し、EUの「個人・家庭サービス社会パートナープログラム」の一環であるSCALE UPプロジェクト(助成契約番号101197690)の下、欧州委員会から共同資金提供を受けて実施された。ここに示された見解は必ずしも欧州委員会の見解を反映するものではない。


UNIの報告書が警告:移民労働者の保護に向けた緊急改革がなければ、世界のケアシステムは存続の危機に

UNIが2026年4月末に発表した新たな報告書「移民ケア労働者:労働者の力を高め、権利を促進する」は、移民ケア労働者は世界中の医療・介護システムの要であるにもかかわらず、組織的な搾取、差別、そして危険な労働環境に直面していると指摘している。

同報告書は、高齢化、慢性的な人手不足、投資不足によって引き起こされている世界的なケアシステムの危機に対処する上で、移民労働者が不可欠であるにもかかわらず、移民労働者に依存しているシステムそのものが、彼らを保護できていない実態を明らかにしている。

アラン・セーブルUNIケア部会担当局長は、「移民ケア労働者は使い捨ての労働力ではなく、我々の社会が機能するために不可欠な存在だ。この報告書は、労働者が労働組合や団体交渉を通じて発言権を持つことで、ケア部門全体の基準を引き上げることができることを示している。各国政府は、搾取的な移民モデルから脱却し、ケアの労働とその提供者を尊重する権利に基づくシステムを構築することにコミットしなければならない」と訴えた。

80カ国以上で1,000人以上の移民ケア労働者を対象とした調査に基づくこの報告書は、厳しい実態を浮き彫りにしている:
• 移民ケア労働者の62%が給与や福利厚生に不満を。
• 半数以上が職場での差別を経験したと報告。
• 多くの労働者が、安全でない労働環境、慢性的な人手不足、および移民の地位に起因するハラスメントに直面。

募集から雇用に至る移住のあらゆる段階で、労働者は過剰な紹介料、雇用主に紐づいた査証、スキルの低下、司法へのアクセス制限といったリスクにさらされている。

報告書は、二国間労働移住協定を含む現行の移住制度が、多くの場合、労働者の権利よりも労働力の供給を優先している実態を浮き彫りにしている。こうした協定には、公正な採用基準、永住権への道筋、労働者の実質的な代表権といった保護措置が欠けていることが頻繁にある。そして報告書は、こうした制度が労働者を保護するどころか、「不安定さと脆弱性を積極的に構造化している」と結論づけている。

また報告書は、ケアに携わる労働者のディーセントワークを確保し、母国での困窮による移住を強いられないよう、出身国における労働組合による組織化を強化する必要性を強調している。移民ケア労働者が組織化し、集団的な力を築くことで、変革は可能となる。

オーストラリア、米国、ガーナ、ニュージーランドなどの国における事例研究は、労働組合主導の組織化が、より高い賃金、より安全な労働条件、より強力な移住保護施策を確保できることを示しており、同時にケアの質も向上させている。

報告書は、各国政府が世界的な移住ガバナンスの進捗状況を評価する「2026年国際移住レビューフォーラム」に先立って発表された。

UNIは、以下の改革を緊急に求めている:
• 搾取を減らすため、査証と雇用主の紐づけを無くすこと
• 永住権への明確な道筋を確立する
• 公正な採用慣行を徹底し、労働者負担の費用を禁止する
• 移民政策の策定に労働組合と社会対話を組み込む
• 適正な賃金と労働条件を備えた持続可能なケア・システムへの投資

報告書は、こうした改革がなければ、世界的にケア・システムの危機が深刻化し、労働者の権利とケアの質の両方が損なわれると警告している。


ケア部門への民間投資に対する適切な規制を欠けば、利用者と労働者がその代償を支払い続ける

2026年3月20日にUNIが発表した新たな報告書『金融化されたケアの代償:投資、所有権、説明責任』は、金融事業者が6カ国において医療介護制度を再構築しようとしているが、その方法は労働条件や医療提供を体系的に損なう恐れがあると、警告した。

UNIは、「適切な安全策がなければ、ケアの金融化は労働者の不安定さを増大させ、透明性を低下させ、公共政策の余地を狭め、最終的にはケアシステムそのものを損なうことになる」と警鐘を鳴らす。そして各国政府に対し、「投資が、そこから利益を得る者ではなく、ケアを提供しケアを受ける人々のために機能するようにすること」を求めている。

コロンビア、ブラジル、ドミニカ共和国、ケニア、ガーナ、フィリピンにおける医療部門の金融化を調査した同報告書は、プライベート・エクイティ投資、債務主導の統合、不透明な保険仲介業者が、公的資金による医療制度を再構築しつつ、賃金を押し下げていることを明らかにした。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「ケアは決して、単なる投資家のための資産カテゴリーの一つとして扱われるべきではない。ケアへの投資は強く求められているが、利益追求型の金融戦略が社会にとって不可欠なサービスを再構築する時、その代償を払うのは労働者と患者だ」と指摘し、「ケア部門に対する民間投資には、労働者と患者を守るための安全策と透明性が不可欠だ。説明責任がなければ、金融化は社会が最も依存しているサービスそのものを損なうリスクがある。今こそ、政府が行動を起こすべき時だ」と呼びかけた。

UNIはケアの金融化が定着する前に、各国政府に対し5つの分野で行動を起こすよう求めている。
• 公的ケア制度の強化。これは搾取的な金融化に対する最も効果的な防護策である。
• すべてのケア提供者において、所有権の系列、債務水準、財務構造に関する完全な透明性を義務付けること。
• 最も悪影響の大きい金融慣行を対象とした、規制上の安全策を導入する。
• 政策立案に労働組合と労働者を関与させる。ケアを提供する当事者が、システムがどこで機能不全に陥っているかについて、かけがえのない知識を持っている。
• ケア部門のすべての規制および投資評価にジェンダー分析を組み込む。

さらにUNIは労働組合に対し、合併、新規株式公開(IPO)、所有権の変更といった影響力を行使できる機会を契機とし、投資家の種類に応じた差別化された戦略を策定するよう促している。そして1999年以降、民間医療部門に90億米ドル以上を投資してきた世界銀行傘下の国際金融公社(IFC)を含む開発金融機関に対し、プロジェクト承認前およびプロジェクトの全ライフサイクルを通じて、拘束力のある労働者保護措置を徹底するよう求めている。

各国の事例:公的資金、私的利益
本報告書は、現代の医療政策の根本的な前提、すなわち「公的資金が公的説明責任を保証する」という考えに異議を唱えている。調査対象国において、この前提は成立しておらず、政府はこのへだたりを埋めることに失敗しているのだ。

コロンビアでは、医療費の70%以上を国が負担しているが、その資金の大部分は、患者に対するケアではなく利益追求を主目的とする民間仲介業者(その多くは外資系)に流れている。改革の試みは、政治的に根強い企業利益、とりわけ多国籍企業ケラルティ・グループによって阻まれ、政治危機を引き起こした。

ケニアでは、画期的な公的医療保険改革として提示されたものが、後に同国の監査総監によって、民間コンソーシアムに委託された営利目的の契約であることが明らかになった。この8億米ドル規模のプログラムにおいて、同コンソーシアムは請求1件あたり約5%の管理手数料を徴収していた。

ドミニカ共和国では、3社の民間医療リスク管理会社が保険市場の75%近くを支配しており、最大33%の利益率を記録している。

リスクのシグナルとしての負債
報告書は、過度なレバレッジが労働条件の悪化や患者の安全リスクを示す先行指標であると指摘し、ケア部門はすでに危険水域に深く入り込んでいると結論づけている。プライベート・エクイティによる買収企業は、2023年までの10年間で平均1.74倍のレバレッジ比率を示した。医療部門のレバレッジ比率は、すでに高い水準にあるその平均値を45%上回っており、これはICT部門に匹敵する水準である。

ブラジルでは、ハプヴィダ(Hapvida)、レデ・ドール(Rede D’Or)、ダサ(DASA)を含む国内5大医療コングロマリットによる負債を伴う事業拡大が、2015年から2021年の経済危機において、医療従事者の実質賃金を大幅に押し下げる一因となった。多くの労働者は、最低限の収入を維持するために、複数の仕事を掛け持ちし、週60~80時間働くことを余儀なくされた。

この部門に流入する資本の規模を鑑みれば、政府による対策は急務である。世界の急性期病院医療市場は2022年に3.2兆米ドルと評価され、2030年までに4.9兆米ドルに達すると予測されている。医療部門への世界のプライベート・エクイティ投資だけでも、2022年には約4,460億米ドルに達した。報告書は、適切な規制がなければ、この資本は患者や彼らをケアする労働者よりも、財務的リターンを優先する形で流入し続けると警告している。


ガーナの医療従事者、組合研修でジェンダー平等に関する意識を高める

長年にわたり、アデレード・アモア氏は、コフォリドゥアの東部地域病院で行われる議論を、ただ見守るだけであった。「私たちにはアイデアがあっても、発言力や自信に欠けていた」と議論に参加しなかった過去を振り返る。

だが、UNIとガーナ保健サービス労組(HSWU)が2025年9月に港町テマで主催した、労働安全衛生およびジェンダーに基づく暴力防止に関する研修に参加したことを契機に、状況は変わり始めた。

ドイツ国際協力公社(GIZ)が資金提供した『ケア部門における能力開発プログラム』の一環として実施されたこの研修は、職場の安全とジェンダー平等に関する労働者の理解を深めることを目的としていた。

研修は、職場の力学に配慮した構成となっており、女性たちはまずリーダーシップに関するセッションに参加してサポート体制の整った環境の中で自信を築いた後、ジェンダーバイアスや職場でのハラスメントといったデリケートなテーマに取り組む男女混合のワークショップに加わった。男性も専用のセッションを受け、ジェンダー役割に関する自身の固定観念を検証するよう促された。

アモア氏にとって、この研修は職場における自身の役割について見方を変えるものとなり、「私にとっての変化は、女性自身が能力を高め、自信を持って意思決定の場に加わらなければならないと気づいたこと。法律は私たちを後押ししてくれるが、私たち自身も一歩踏み出さなければならない」と述べる。

病院に戻ったアモア氏は、同僚との議論の中で積極的に意見を述べるようになり、今では自身の提案が検討され、取り入れられている。「自分の存在が認められ、大切にされていると感じる」と語るアモア氏は、他の女性たちに対しても、職場で自分の権利を主張し、キャリアアップを目指すよう働きかけ始めた。

同じく研修に参加した主任眼科技師のトマス・ブルサ氏にとって、この研修は職場だけでなく、家庭生活についても考え直すきっかけとなった。

ブルサ氏は、自らは公平に女性を扱っているつもりであったが、文化的な規範が依然として女性に重い負担を強いていることに気づいたと言う。研修後は子供たちと機会均等について率直に話し合うようになった。また、このプログラムが「共に進むこと」を重視していた点が特に意義深かったと述べ、「研修から得た最も貴重な教訓は、集団としてのエンパワーメントの重要性。真の達成とは、一人で頂点に立つことではなく、他者を高め、誰もが成功する機会を得られるようにすること」と語った。

参加者は、女性のリーダーシップに関するセッションと男女混合の対話が組み合わさったこの研修が、個人的そして職業的な変化のための場を生み出したと語る。ブルサ氏は、「平等への道のりはまだ長く続いている。それにむけた一翼を担う覚悟ができた」と語った。

アデレード・アモア氏とトーマス・コフィ・ブルサ氏は、2025年9月にガーナ・テマで開催された「女性リーダーシップおよび労働安全衛生(OSH)/ジェンダーに基づく暴力とハラスメント(GBVH)」研修に参加した。この研修は、ドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)の資金提供を受け、UNIがHSWUと提携、GIZの「ケア部門における能力開発プログラム」と協力して実施したものである。


オーストラリアのケア労働者、夜勤に関する画期的な訴訟に勝利!

オーストラリアの介護・障がい者支援に関わる労働者が、 大きな勝利を収めた。 使用者による夜間「宿泊勤務」の格下げ要求を労働審判所が却下したのだ。労働組合は、この格下げが賃金削減につながり、労働者と利用者の安全を損なうと警告してきた。

2026年1月14日に公表された判決で、最低労働基準を設定・執行する機関であるオーストラリア公正労働委員会は、社会福祉・地域サービス分野における夜間勤務の分類と賃金支払いに関する争議において、労働組合側の主張を支持した。

この訴訟は、使用者団体であるオーストラリア産業グループ(Ai Group)が宿泊勤務を労働時間ではなく無給の「休憩」と再定義しようとしたことを受け、オーストラリアサービス組合(ASU)などが2024年半ばに提訴したものである。

アラン・サブレUNI世界ケア部会担当局長は、「これはオーストラリアの労働者だけでなく、世界中でケアにかかわる労働者にとって重要な勝利だ。世界中の使用者は労働コスト削減のため、労働と休息の境界を曖昧にしようとしている。今回の判決は明確なメッセージだ。つまり、使用者の管理下にある時間は労働時間であり、公正な賃金が支払われなければならないということだ」と述べた。

宿泊勤務は世界中の介護業務で一般的である。労働者は利用者の自宅や介護施設に一晩(通常8時間)滞在し、夜間支援が必要な場合に備え対応する義務を負う。労働者は職場を離れることができず、障がい者、養護施設の子ども、家庭内暴力の被害者など、脆弱な立場にある人々の安全と福祉に責任を負っている。

使用者側は、睡眠時間は労働時間に含まれないと主張した。これに対し労働組合側は、宿泊勤務を休憩時間とみなせば、労働者は時間外手当や割増賃金を剥奪され、使用者は適切な休息なしに(場合によっては丸一日を超える)極端に長い勤務シフトを組めるようになると反論した。

公正労働委員会の決定はこの手法を阻止し、賃金と労働条件の法的最低基準を定めるオーストラリアの業界別賃金協定制度下における、休憩時間・残業・割増賃金の現行最低基準を維持した。

この訴訟はASUによる全国的な運動を呼び起こし、職場行動・集会・数千人の労働者が参加する署名活動などが展開された。労働組合はこの訴訟を契機に、宿泊手当の増額や清潔で安全な宿泊施設の提供など、より広範な要求を推進した。

労働組合は、慢性的な人手不足、燃え尽き症候群、高い離職率に直面する介護業界において、この判決は重要な先例になると指摘した。そして賃金や休息の保護を弱めることは、世界のケア労働力の危機をさらに深刻化させるだけだと警告した。


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