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2021年メーデーに、UNI Apro地域書記長メッセージ

2021年のメーデーにあたり、UNI Apro地域書記長は、UNI本部方針に沿った公約を次の通り強調した。加盟組織と協力しながら、より良い雇用と収入を確保し、また職場での安全を確保すべく、組合が交渉できるよう組合の能力を強化していくことだ。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、ビデオメッセージの中で、この1年、コロナ禍により無数の仕事や人々の生活が影響を受けており、組合にとっても労働者にとっても非常に困難な時であったと振り返った。 

UNI Aproは、労働者にとっての不可欠な権利と保護を繰り返し主張していく。UNI本部及び仲間の国際産別労働組織(グローバルユニオン)と連携し、職場における安全衛生は基本的権利であると認識されるよう、国際的なルールを変えていく。また各国政府に対しても、新型コロナウィルス感染症が労災として認定されるよう働きかけていく。 


国際労働災害犠牲者追悼日にあたって、UNI書記長メッセージ:命を落とした労働者を偲び、これ以上の犠牲者を出さないよう、変化を要求しよう!

新型コロナウィルス感染症が世界中にまん延する以前から、1日7,600人が業務上の病気や怪我で亡くなっていた。コロナ禍の間、UNI及びその加盟組織に代表される何百万ものエッセンシャルワーカー(必要不可欠業務に就く労働者)は、この致命的なウィルス感染の危険に晒されながら、コミュニティや家族の世話をしてきた。その多くは移民労働者、女性、有色人種である。不幸にも、無数の人々が命を落とした。

「今日、国際労働災害犠牲者追悼日にあたり、今はもう一緒にいない労働者を偲び、ご家族に哀悼の意を捧げたい。彼らは自らの命を危険に晒すとは思いもせず、社会が機能していくよう勇気をもって働いていたことに敬意を表したい」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は述べた。

世界中でウィルス感染のため亡くなった17,000人を超える介護労働者を偲びつつ、長期介護という仕事がパンデミックの前から、世界で最も危険な仕事の1つとされていることを認識しなければならない。多くの国で、介護施設で働くことが、鉱業、林業、警察等で働くのと同じくらい危険であるとは!

交通機関、病院、学校、事務所等を安全で清潔に保つために働き、犠牲となった清掃員や警備員にも哀悼の意を捧げる。英国では、コロナによる業務上の死亡において最も高い率を示したのが警備員だった。清掃員も同様の危険に直面している。米国の清掃員は、同僚の通夜で、「(私達の仕事の価値が認められるまで)あと何人、会社や政府のために死ななければならないのか」と涙した。

食料品店の労働者は、疲弊で倒れそうになりながら、コミュニティに食料が行き渡るようにしている。UFCW(全米食品商業労働組合)は、米国だけで、食料品店で働く178人が亡くなり、少なくとも39,900人が感染または危険に晒されたと報告する。職場委員でもあったカトリン・アニタ・メイソンは、ジャイアント・スーパーマーケット勤続42年、レジ係やベーカリー部門のマネジャーを務めたが、昨年コロナで亡くなった。

ブラジル、イタリア、スペイン、インド、その他、多くの国で銀行の支店は営業を続けた。銀行員は、職場で危険に晒され、感染したり亡くなったりしている。郵便労働者も、毎日、私達をつなぎ、配達をする中で、亡くなった人も多い。例えば、英国通信労組組合員だったボラ・オモエニは、郵便局勤続30年、同僚からも慕われていた。

コールセンターでも、多くの(他からは見えない)労働者が密な状態で機器を共有しながら、アップル、アマゾンといった世界で良く知られた最も儲かっている企業の顧客サービスに従事している。コロナ禍の間、コールセンター大手テレパフォーマンスは、フィリピンの労働者をデスクの脇で寝かせ、少なくとも1人がコロナで亡くなった。

だが、国際労働災害犠牲者追悼日はただ故人を偲ぶためだけの日ではない。行動を起こす日でもある。労働組合は、安全な仕事か危険な仕事かの違いをもたらすことができる。カナダ郵便労組は、個人用防護具を要求し勝ち取った。サービス労組は、有給病気休暇を交渉した。ポーランドでは、初めて介護施設労働者が組織された。これらは、労働者にとって不可欠な権利を勝ち取った点で大きな前進である。しかし、まだなすべきことは多い。

2021年の国際労働災害犠牲者追悼日(#IWMD21)に、私達は以下を要求する。

  • ILOは、労働安全衛生を基本的権利に指定すること。
  • 各国政府は、業務中に感染した労働者が支援を受けられるよう、新型コロナ感染症を業務上の疾病に区分すること。
  • 全ての労働者に、民主的に選ばれた労働安全衛生委員会を確保すること。そして労働組合も!

「コロナで何人が命を落とすかわからない。だがそのような犠牲は1人でたくさんだ」とホフマン書記長は憤り、「だからこそ、今闘わなければならない。今行動を起こさなければならない」と訴えた。


欧州議会、人権デューデリジェンスの義務化に向けて強いシグナル発信

欧州議会は2021年3月10日、ララ・ウォルターズ欧州議会議員による企業のデューデリジェンス及び説明責任に関する法制化に向けた自発的な報告書を採択した。

この報告書が賛成多数で採択されたことは、欧州委員会による人権デューデリジェンス義務化の導入に対する欧州議会の支持を示す、強いシグナルを出している。報告書では、欧州議会が今後の法案に期待する重要な要素も強調されている。

この報告書では、特に結社の自由と団体交渉の権利の重要性並びに、デューデリジェンス戦略の確立と実施にあたり、各国、EU、そして国際レベルで、労働組合と労働者代表が関与する必要性が認識されている点が非常に重要である。

欧州議会による今回の強力な支持表明は、EUにおける効果的な人権デューデリジェンスの義務化に向けた機運を後押しするものとなる。この問題の進展は、長年の懸案であった。企業の自主性に任せた人権擁護対策が失敗するのを、世界中で何度も見てきたからだ。

人権デューデリジェンスの義務化は、世界中で危機に陥っている結社の自由と団体交渉の権利が尊重されるよう取組む上で、特に求められている。ヘルスケア大手のフレゼニウスからコンタクトセンター大手テレパフォーマンスに至るまで、サービス産業全域で欧州企業がこうした基本的権利を弱体化させているのを我々は目の当たりにしてきた。

こうした人権上の必要性を満たすため、欧州委員会の取組みは、議会からのシグナルを踏まえたものであることが極めて重要だ。欧州委員会の公開協議の中では、欧州全域及び世界中のサービス産業の組合から、デューデリジェンスの必要性を強調した明確な事例が挙げられ、これを支持する声が数多く寄せられた。

このことから、多国籍企業から中小企業、公的部門の組織、スポーツ団体等、非営利団体として登録されている組織に至るまで、法的形態にかかわらず、EU域内で事業展開するあらゆる企業を対象としたEUの取組みが切実に求められているのが分かる。

UNIは、特に以下の点について取組みの必要性を強調する。

  1. 団体交渉の権利と結社の自由を強調すること。これらは、労働者がより広く自らの人権を守れるようにするための基本的な権利である。これに関して企業の進捗状況を測るため、団体協約の対象となる労働者の割合について報告を義務付け、これら基本的権利に関する企業のデューデリジェンスの成果を示させるべきである。
  2. デューデリジェンスのプロセス全体を通して、企業に対し、職場、国、欧州、国際レベルで、労働組合の意義ある関与を義務付けること。プロセスを交渉する権利、リスクの所在の明確化、リスク軽減措置に有意義に関与する権利も含まれる。
  3. デューデリジェンスが事業戦略の中核に位置付けられること。企業の人権デューデリジェンスの策定と実施を継続的に監督する責任を担う特定の取締役を任命する、監査委員会の監督を受ける、デューデリジェンスを年次総会の議題とする等。

ミャンマー軍事政権の代理人に金融制裁を科すべきだ

国際労働組合総連合(ITUC)と金融部門の労働者を代表するUNIは、3月19日、既に金融制裁の対象となっているクーデター指導者が彼らを代理人として利用することを避けるために、ミャンマー軍事政権と密接な関係を持つ金融制裁の対象とすべき23人の名前を公表した。

シャラン・バローITUC書記長は、「これら23人の人々は、米国やその他の国が科した金融制裁を逃れるために将軍達に利用されている。彼らもまた、制裁から逃れさせないために厳しい制裁を受けるべきである。政府には行動する責任があり、銀行やクレジットカード会社を含むその他の金融グループは、政権を支配する残忍な悪党への信用供与や資金のアクセスを遮断すべきである。また、SWIFTなどの決済サービスに対しても、クーデター指導者たちとその関係者との間の支払いを遮断するよう求めている。軍による罪のない人々の殺害や国家の略奪に、企業が加担することは許されない」と述べた。

行動する責任

また世界の組合組織は、ミャワディ銀行、インワ銀行、ミャンマー市民銀行、建設住宅インフラ開発(CHID)銀行等、軍政権が支配している、或いは一部支配している銀行との関係を断つよう、銀行に呼びかけている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように述べた。「ミャンマーの軍事政権によって殺害された若者や平和的な抗議者の数が増えるにつれ、銀行を含むミャンマーと関係のある全ての企業が、この受け入れがたい暴力を終わらせるための責任を取ることがより一層必要となっている。軍トップの将軍達に対する金融制裁は重要な一歩だが、これだけでは不十分である。我々は、権力中枢のクーデターのリーダー、そしてその暴力から利益を得ようとしている人たちの資金やクレジットへのアクセスを遮断しなければならない。」


コロナ禍の1年を振り返る

WHOが新型コロナウィルスの感染について「世界的大流行(パンデミック)」であると宣言して1年となる3月11日、労働組合は、これがいかに仕事の世界を変えてきたか振り返った。

この重要な節目は、労働者が勝ち取ったものを思い起こす機会であるだけでなく、失ったものを悼む時でもある。同時に、危機によって引き起こされた諸課題に立ち向かうため、次に何をすべきかを考察する時でもある。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように述べた。「パンデミックによって、世界経済の格差が明るみに出て、一大変革の必要性を露呈させた。ポーランドの老人ホーム、ペルーのスーパーマーケット、フィリピンのコールセンター、そして世界的なテック企業の本社等、世界中の労働者が、ますます集中する企業の権力に対抗しようと結集している。労働者を組織化するのは、コロナ禍で何百万もの労働者に想像を絶する悲劇をもたらしたのと同じ不正が、パンデミックからの復興過程で繰り返されないようにするためだ。」

UNIは2020年、打撃を受けた介護部門の徹底的な見直しを要求し、アマゾン等の企業による権力の濫用に抵抗し、団体交渉を通じて経済のバランスを取り戻すため、世界中で労働組合の動員を後押ししてきた。

UNIは、介護、小売、郵便・ロジスティクス、そしてコールセンター等の部門において、パンデミック中により安全に仕事をするための指針を提示した。メディア及びスポーツ部門でも、安全に仕事を再開させるための詳細な職場復帰手続きについて、組合の交渉を支援した。印刷及び金融部門では、優良事例の収集と社会対話を通じ、加盟組織を支援した。

また、多国籍企業の使用者と連携し、世界中の労働者のために安全基準を設定した。2月には、パンデミックの影響で加速しているリモートワークに関し、団体交渉の指針を発表した。

UNIは、加盟組織と共に、エッセンシャルワーカーのための不可欠な権利を要求した。危機の最初の年に、第一線で働く労働者は、コミュニティに食料が行き渡るようにし、安全で清潔な環境を保つために働き続けた。しかし彼らの仕事の多くは低賃金で、過小評価され、見過ごされてきた。

例えば、個人用防護具の支給を拒否された後に、組織化を行ったトルコのスーパーマーケット労働者は、「安全だとは思わないが、働く以外の選択肢はない」と打ち明けた。

ガーナの介護労働者も変化を求めている。ある助産師は、「特に今、支えてくれる組合が必要だ。仕事はますます厳しくなっている。介護をしながら、同時に使用者と絶えず労働条件交渉を行うことはできない。組合はそんな私達を支えてくれている」と述べた。

ネパールの警備労働者も、権利を尊重してほしいと願っている。ある警備員は「パンデミックの間も、全力でコミュニティを守ってきた。だから私達にも配慮してほしい。私達の仕事にも尊厳がある。私達にも組合に入る権利が必要だ」と訴えた。

ホフマンUNI書記長は、「このパンデミックの間、組合は世の中のためになる力として広く認識されるようになった。組合は、職場で感染拡大防止に尽力し、組合員が安定した収入を維持できるよう闘い、リモートワークのための公正な条件を交渉した。最近では、誰でも平等にワクチンを接種できるよう声を上げている」と述べた。

だが、道のりはまだ長い。

ポーランドの介護労働者は、パンデミック宣言から1年が経とうとする中、「疲労困憊だが満足している」と明かした。「自分の中に、前進していくための新たなエネルギーを見つけた。みんなで力を合わせて取組めば、パンデミックはいつか収束するだろう。」

パンデミックにより、組合運動にも新たなエネルギーが注入され、緊急性が煽られた。経済部門や国境を越え、労働組合はこの好機を捉え、変革を推進するために共に取組みを行っている。パンデミックが収束した時、私達は共により強くなり、より公正な社会を迎えているだろう。


世界中で労働者の力を構築してきたUNIの20年を祝う

UNIは、2021年3月9日、20周年記念イベントを開催し、2000万人のメンバーを持つ国際産別労働組織(グローバルユニオン)が労働者の力を構築してきた20年の歴史を振り返り、次の20年を展望した。

司会を務めたアルケ・ベシガーUNI副書記長は、「コロナ禍のため、記念イベントはオンライン開催となったが、世界中の組合役員、活動家、そしてUNIサポーターの皆さんと共にこれまでの数々の素晴らしい成果を称えると共に、連帯の精神を再確認する機会としたい」と挨拶した。

「今日のUNIは、明確なビジョンを持ったリーダー達によって創られ、私達がそのビジョンを一つ一つ実現してきた」とクリスティ・ホフマンUNI書記長は誇らしげに述べた。

UNI創設に尽力した4つの国際産別労働組織のリーダー、フィリップ・ジェニングス初代UNI書記長(FIET出身)、フィリップ・ボイヤー前UNI副書記長(CI出身)、アドリアーナ・ローゼンツバイク前UNI米州地域書記長(IGF出身)、トニー・レノン前MEI会長がそれぞれ、黎明期から草創期を振り返った。

「私達は、組合の国際協力の在り方をダイナミックなものに変えたいと思った」と、ジェニングス初代UNI書記長は熱く語った。「創設当初から、UNIは新たなミレニアム(千年紀)に生まれた新しい国際産別労働組織なのだとアピールし、結果を出すことにコミットしていた。」

その言葉通り、数々の成果(ブレイキングスルー)がスクリーンに映し出された。第3回UNI世界大会(2010年、長崎)のスローガンでもあった「ブレイキングスルー(突破)!」は、その後、UNIの中で“成果”を表す言葉としてずっと使われている。

これまでに、日本の髙島屋、イオンを含め50社以上の多国籍企業とUNIはグローバル協定(GFA)を締結し、世界中の何百万人もの労働者がこれらの協定の対象となっている。多国籍企業毎に、様々な国の労働組合を結集した同盟(労組アライアンス)が結成され、定期的に経営陣と対話を行っている。アマゾン、テレパフォーマンス等の企業をターゲットに国境を越えた組織化キャンペーンが展開されている。ジェンダー平等の点でもこの間、大きく前進した。労働者のために、ゲームのルールを変えようと、世界中で野心的な取組みを行ってきた。長崎世界大会で満場一致で採択された「核兵器の無い平和な世界」に向けた取組みは、核兵器禁止条約の発効につながった。

「我が米州地域で私は、UNIがどのように変化してきたか、そしてUNIが加盟組織や組合員のために、どのように違いをもたらしてきたかを、身をもって体験した」と、ルーベン・コルティナUNI会長は述べた。

UNIは世界の隅々まで影響力を及ぼしてきた。ナイジェリアのDHL組合員、アルゼンチンの銀行労組組合員、ポーランドの介護労働者、米国の警備員、不当に投獄された韓国の組合役員、マカオのカジノ労働者、マレーシアの放送局の組合役員が次々に、「組合があることで生活が変わった」、「UNIとUNIの仲間によって助けられた」と証言した。

コロナ禍にあって、組合があることはかつてなく重要である。

次の20年に向けて識者から示唆を得るためのパネルディスカッションでは、コロナ危機を克服し、より強い組合となる必要性が強調された。

「私達はこの好機を捉えなければならない」とホフマン書記長は強調した。「労働組合は、コロナ禍の間に、世の中のためになる力として広く認識されるようになった。そして労働者は貧しいままなのに、コロナで暴利を貪る人達がもっと裕福になるのを目の当たりにした。この怒りを集団の力に変える時だ。」

パネルディスカッションにはこの他、オックスファムからガブリエラ・ブシェール・エグゼクティブディレクター、ジャーナリストのオーウェン・ジョーンズ氏、ILO仕事の未来世界委員会メンバーを務めた清家篤慶應義塾大学前学長が加わり、ポストコロナの世界で公正な経済を構築するために、労働組合に期待される役割等を語った。清家教授は、ILO仕事の未来世界委員会報告書から、①人間の潜在能力への投資、②仕事に関わる制度への投資、③ディーセントで持続可能な仕事への投資の拡充が重要であるとし、コロナ禍でこれらへの投資の緊急性が高まったと述べた。

この他、ガイ・ライダーILO(国際労働機関)事務局長、シャラン・バロウITUC(国際労働組合総連合)書記長、ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長、アンヘル・グリアOECD(経済開発協力機構)事務局長、ダニエル・ロゼラ・ニヨン市長らから祝辞を受けた。

UNIの将来は、国際連帯にかかっており、グローバルアクションを通じた労働者のエンパワーメントにかかっている。

UNIは、20周年記念イベントに参加し共に祝ってくださった全ての皆さんに感謝します


第22回UNI-LCJ年次総会、新体制でUNI Apro運動牽引を誓う

2021年2月15日、第22回UNI-LCJ年次総会が初めてオンライン併用で開催された。コロナ禍で延期や変更を余儀なくされた2020年度活動報告、会計報告、監査報告を承認した。続いて、UNI Aproにおける6部会大会等の主要行事を含む2021年度活動計画及び予算が承認された。最後に役員改選があり、松浦UAゼンセン会長がUNI-LCJ議長に再選され、事務局長として新たに森川容子が選出された。

就任挨拶を行う森川新事務局長
上田事務局次長

続く記念講演には各加盟組織及び来賓等約100人が出席した。

主催者を代表して挨拶した松浦議長は、UNIやUNI Aproがコロナ禍にあっても組織化の手を緩めず、エッセンシャルワーカーや弱い立場にある労働者のために取組みを続けてきたことに触れ、今後もパートナーシップ労使関係を大切にしながら労働運動を発展させていきたいと決意を述べた。

また来賓として、厚労省の井内総括審議官は、政労使の社会対話によりコロナ禍の難局を乗り切っていく重要性を強調した。

神津連合会長は、ビデオメッセージを寄せ、労働者にとって非常に厳しい状況であるが、雇用や生活を守り、セーフティネットを拡充し、希望と安心の持てる社会の実現に向けて、労働運動は共に連携して取組んでいこうと呼びかけた。

その後「ウィズ/ポストコロナの国際労働運動」と題し、クリスティ・ホフマンUNI書記長(スイスからオンライン参加)及びラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長(ネパールからオンライン参加)から、過去1年の振り返りと今後の展望を聞いた。

ホフマン書記長は冒頭、年明け早々、米国でバイデン大統領率いる民主党政権が誕生したことや、米国のグーグル労働者が組合を結成したこと等の喜びと今後への期待を述べた。UNIはコロナ禍の間、エッセンシャルワーカーの労働条件改善に向けたキャンペーンに精力的に取組んだことや、デジタルな組織化スキルを深めてきたことを紹介した。2021年は、コロナ禍で加速したリモートワークの課題やリストラの課題に取組むこと、企業に説明責任を負わせるために、OECDガイドライン等の枠組みを活用しながら、運動を進めていくと述べた。アジアでは、ミャンマー、香港、フィリピン等で民主主義が危機に瀕していることにも触れ、UNI Aproと緊密に連携しながら国際労働運動全体として弾圧されている人々の支援に全力を挙げると強調した。

アチャリャUNI Apro地域書記長は、コロナの大打撃を受けアジア太平洋地域の特に途上国において労働者の状況が悪化していることを報告した。そのような中、労働者を勇気づけるキャンペーンに日本の加盟組織やリーダーが積極的に参加していることに、感謝の言葉が述べられた。最後に、UNI Aproはワンチームとして、コロナを克服し、より良い復興に向けて、政労使の議論に積極的に参画していきたいとの決意を語った。

講演後には、「コロナ禍を理由に労働者が不利な立場に置かれる国が多い中で、政労使の協力によって乗り切ろうとしている事例があれば教えてほしい」(全労金・末留委員長)、「UNI長崎世界大会で女性参画比率40%の目標を採択して10年が経過したが、前進したと評価できるか」(印刷労連・古賀副書記長)、「在宅勤務等の働き方が普及する中で、とりわけ就業経験の少ない若年層にはワークライフバランスやメンタルヘルス上の課題が生じている。このような新たな課題を解決するためのヒントはないか」(日放労・松波中央執行委員)、「グーグル労組結成までの経緯や苦労した点」(UAゼンセン・中田国際局局員)等の質問が出された。

閉会にあたり、野田副議長は、引き続き建設的労使関係の普及に努めるべく、アチャリャUNI Apro地域書記長を支え、松浦議長、森川新事務局長・上田事務局次長の下、UNI-LCJとして力強く活動を展開し、より良い復興を共に目指していこう、と参加者全体を鼓舞した。


2021年、共に立ち上がろう!

ルーベン・コルティナUNI会長ビデオメッセージ(スペイン語)

UNIファミリー、兄弟姉妹の皆さん

新年にあたり、2020年、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大の中、奮闘された皆様のご尽力に感謝申し上げたいと思います。

既にご承知の通り、世界でワクチン接種が始まりましたが、ウィルスは未だ猛威を振るっております。

国際労働運動の仲間と共に最前線に立っておりますが、私達はこの先、より良い通常に戻るため、引き続き緊張感をもって取組んでいきたいと思います。

私達は今なお、経験しているこの現状を論理的に理解しようと努めながら、足元では医療体制の整備、根本的には政治経済の立て直しを考えなければなりません。

国際労働運動が訴えてきたように、以前より良いニューノーマル(新たな日常)を構築する必要がありましょう。

新たな、より良い日常とは、環境に配慮し、富を平等に配分する必要性や、持続可能な開発のシナリオを重視するものです。

少なくともこの3点に配慮がなされなければ、不確実性はこの先も続くと思われ、更なるパンデミックに見舞われる不安が拭えません。新たな経済危機が訪れ、必然的に労働者や排除された人々が影響を受けるのです。

引き続きウィルス感染防止対策を徹底し、同僚の職場の安全衛生確保に取組む必要があります。しかし根本的には、先に述べた、より良い日常を構築する上で意思決定に影響を及ぼすには、私達が国レベル、地域レベル、現場レベルで強力な存在感を持たなければなりません。

改めて皆さんに感謝申し上げると共に、世界の緊張関係が解消されようとしている中、国際労働運動としても主張すべきことがたくさんあることを強調したいと思います。そうすることには歴史的な教訓が多々あるからです。

私達の組織を強化し、私達自身を大事にし、新年のスタートを切りましょう。労働運動の中で、私達はどのようにコロナによって破壊されたものを建て直し、前進していくかを深く議論していきましょう。

ビデオではありますが、皆様に心より連帯の気持ちを送ります。2021年が皆様にとって素晴らしい年になりますように祈念申し上げます。ご静聴ありがとうございました。


今日の英雄は明日にはいない:永久に公正な賃金を

本記事は、世界のあらゆる社会分野のOECD専門家やオピニオンリーダーがCOVID-19危機について議論し、今後に向けた方策を考えるシリーズの一部である。我々がこの重要な難題に立ち向かっていけるよう、分野を超えて専門的知見を交換することを目的としている。提起された意見は、必ずしもOECDの見解ではない。原文はこちらから(OECDフォーラムネットワーク、2020年7月21日掲載)

UNI書記長 クリスティ・ホフマン

世界の労働運動のリーダーとして、この数ヶ月間で私は何度も同じことを耳にしてきた。「喜ばしいことに、ついに労働者は本来受けるべき評価を得ている。多くのメディアが労働者の働きを取り上げ、人々は支援の気持ちを示している。」 実際、メディアはパンデミックの間に来る日も来る日も、「日々の英雄」は見過ごされ正当に評価されてこなかったと報じてきた。

日々の英雄とは、我々の地域社会に食料が行き届くようにしている食料品店の従業員のことであり、病人や障がい者、高齢者に不可欠な支援を行っているケアワーカーのことであり、病院やバス、公園や街頭が安全で清潔であるよう尽くしている清掃ならびに警備労働者のことだ。

そのほとんどが女性であり、人口に占める割合に比べて極端に多い人種的・民族的マイノリティの人々が、個人用防護具も支給されない中、こうした仕事に従事している。多くの場合、有給の病気休暇がないからである。仕事をするため、自分自身と家族を危険に曝しているのだ。毎年出される『OECD雇用アウトルック』も、女性やマイノリティ、低賃金労働者の働きによって、社会がコロナ危機を乗り切ろうとしていることを認識し、次のように述べている。「リモートでは提供できない必要不可欠なサービスに従事するいわゆる『最前線の労働者』は、低賃金であることが多い。」

だが、こうした労働者に対する世間の認識が高まった一方で、こうした低賃金の仕事の基準を押し上げるべく実質的な取組みがなされているのか、疑問である。実際には、パンデミック中、労働者を雇用し続けるために、わずかばかりの「ボーナス」の支払いすら使用者が撤回しているため、多くの労働者の賃金はむしろ下落しそうである。

雇用危機に直面して:『OECD雇用アウトルック』からわかる重要な点

例えば米国では、Kroger 、Whole FoodsやTrader Joe’sなどの40以上の小売チェーンが「英雄賃金」の支払を終了すると発表している。英国の大手スーパーマーケットチェーンのTescoは、国内のCOVID-19感染者が増加し続ける中、5月30日で10%の感謝手当を打ち切った。ドイツに本社を持つAldiの特別賃金は4月末で終了したが、コロナの危険は今も高まっている。

これは想像を絶する冷酷な仕打ちである。感染の危険がなくなったわけではないことは明らかであり、実際、食料品店の従業員の緊張感は高まり、彼らの受ける嫌がらせは増加しているのだ。従業員は、顧客に対してマスク着用を呼びかけることを求められているからだ。

だが、英雄賃金への注目は、もっと大きな点を見落としている。命取りのパンデミック中に業務の重要性を証明した労働者は、危機迫る間だけではなく、恒久的に公正な賃金を受け取るべきなのだ。

スーパーマーケットの一時的な「英雄手当」は、労働者と家族が安心して暮らせる賃金の代わりにはならない。世界中の労働組合がさらなる賃金を要求しているのは、このためだ。英国のUSDAW、カナダのUNIFOR、オーストラリアのSDA、米国のUFCWといった労働組合は皆、食品小売労働者の賃金引上げを求めるキャンペーンを展開している。ドイツのIG BAUは清掃労働者の賃金引上げを要求しており、米国のSEIU やペルーのSITOBURも同様である。アルゼンチンではSindicato de Salud Pública de la Provincia de Buenos Airesがケアワーカーの雇用と賃金確保を求めて闘い、勝利した。同様に、多くのケアに関わる組合がグローバルなキャンペーンに向けて準備を行っている。

こうした闘いは、エッセンシャルワーカーの必要不可欠な権利の確立に向けた一連の要求をめぐる、グローバルな動きの一環である。不可欠な権利とは、団体交渉の拡大、尊厳ある賃金、安全な仕事、そして特に米国と英国では有給の病気休暇のことである。

経済が良質な雇用をかつてなく必要としているこの時期に、必要不可欠な仕事を公正に評価することで、何百万もの人々が貧困から抜け出すことができるだろう。最前線の労働者を保護しながら、地域を守ることができるだろう。そして力と富の均衡を、一握りの者から大多数へとシフトする力になるだろう。

近年絶え間なく繰り返されてきた不平等の事実を我々は知っている。過去30年間、世界経済に占める労働者の割合は減少し、その理由の少なくとも半分は団体交渉の減少である。富の不均衡は、現代社会がかつて経験したことのないレベルにまで達している。世界で最も裕福な国、米国における「ワーキングプア」の数は爆発的に増加し、10世帯に1世帯以上が該当する。そして不安定雇用の増加により、その数は世界中でいっそう悪化している。

そうして我々の社会は、実質賃金が何十年も横ばいで、ラリー・サマーズのような著名な経済学者も、公正な条件を作り出すためにはもっと多くの労働組合が必要だと主張するに至った。改訂版「OECD雇用戦略」では、弾力的な労働市場を作り出し、不平等と闘う上での団体交渉の中心的役割が認識されている。昨年OECDは、強力な組合と調整された団体交渉は、ソーシャル・グッド(社会を良くするもの)であり、民主主義と社会の結束のために必要であるとの認識を明確にした。またコロナ危機の最中にOECDは、パンデミックにより露呈した問題の長期的解決策として、長期介護部門でのさらなる団体交渉を求めている。「雇用アウトルック2020」においても、社会パートナー、つまり労働組合と使用者団体が危機の間に果たす中心的役割を評価している。

我々は今、歴史的に類い稀な瞬間を生きている。未来を変える真の選択と不平等に関する取組みを行うには、良い機会だ。エッセンシャルワーカーの多くが、社会で最低の賃金しか得ていない。多くの場合は有給で病気休暇を取れず、国によっては適切な医療さえ受けられない状況だ。我々はこれまでの道を歩み続けたいのか?

スイスで保健庁を管轄するアラン・ベルセ内務大臣も最近、次のように問いかけている。「我々は、今回コロナ危機を経て明らかになったエッセンシャルワーカーへの酷い扱いを是正していく政治的意思を持つのか?それとも、『システム上、重要な』職業の人々に対する敬意を、安っぽい美辞麗句へとこっそり転じてしまうのか?」

エッセンシャルワーカーは、もっと多くを得て良いはずだ。彼らに必要なのは、感謝のしるし以上に、彼らの仕事を評価し、何が必要不可欠であるかを見極める我々の経済が変化していくことだ。グローバルに今、このことを考える時だ。

仕事をどのように評価するのか、リセットボタンを押すのは今だ。


韓国フレゼニウス・メディカルケア労組、初の団体協約を締結

2020年6月初め、韓国フレゼニウス・メディカルケア(FMC)労組は、フレゼニウスと初めて団体協約を締結したと発表した。初の協定によって、韓国の労働者の生活改善、組合の権利の保障、韓国FMC労働者の労働条件改善が期待される。

新たな団体協約には、公正な賃金、福利厚生、労働安全衛生、人権に基づく安定した枠組みが規定されており、ハラスメントからの保護やジェンダー平等も含まれる。また、組合活動家が「就業時間中に」組合の権利を行使することを認めており、団結権も保障される。

アルケ・ベシガーUNI副書記長は、「長年にわたる闘争が、ようやく韓国FMCの皆さんのために実を結びつつある」と喜んだ。「我々UNIファミリーは、誇り高く実効性ある韓国の労働運動を支援し強化していく」と述べた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「韓国フレゼニウスFMC労組の成功は、韓国の労働運動にとって新たな節目となる。アジアの他地域や世界の仲間を勇気づけるだろう」と述べた。

組合にとって団体協約は、感動的な節目として祝うだけでなく、UNIや韓国民主医薬労組(KDPU)等からの大きな支援に感謝を示す機会でもあった。韓国FMC労組は、イ・ヨンドク議員の尽力に感謝すると共に、今年2月、組合行動と合わせて協約締結に向けた最後の一押しをしたルーベン・コルティナUNI会長、アルケ・ベシガーUNI副書記長に謝意を示した。

キム・キュナン韓国FMC労組委員長は、「これは歴史的な協約であり、現場の労働者にとって大きな良い変化をもたらすだろう」と期待した。

この協約では、時間外労働について明確に規定され、更に年間150万から1000万ウォンに及ぶ画期的な福利厚生も設けられている。


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