UNI Apro/JP労組ユース英語セミナー、初のオンライン開催

毎年、UNI AproはJP労組と協力し、1泊2日のユース英語セミナーを開催してきた。今年はコロナ禍のため、12月5日に初めてオンラインでの開催となった。

台湾及びニュージーランドからの講師とJP労組の参加者11人が、グループワーク等を通じて国際労働運動に対する理解を深めた。

参加者はまず事前に準備したパワーポイントを使い自己紹介を行った。続いて、小川UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長から、UNI概要(郵便・ロジスティクス部会及び青年委員会の活動等)について講義を受けた。

中華郵政労組(台湾)の蔡金芳(ニックネーム:Jump)は、台湾や出身地雲林の紹介を交えながら、中華郵政の主な事業、組合の課題についてプレゼンを行った。

ニュージーランドEtuのキャサリン・ミード(ニックネーム:Kat)は、自己紹介に続いて、ニュージーランドポストの事業、コロナ禍の状況、組合の取組みについてプレゼンを行った。

休憩の後、参加者とJump、Katは2つのグループに分かれ、「コロナ禍における職場、組合の取組み、自身の生活の変化」等について、ディスカッションを行った。アイスブレーキングによって殻を破り、少人数でのグループワークを通じて、互いの国、身の周りの状況等を英語で説明し合った。土曜日の午後、3時間という限られた時間ではあったが、北海道から沖縄まで、そして台湾、ニュージーランドの、同じ郵便部門で日々奮闘する仲間と連帯を深め、情報・経験交流を通じて相互の理解を深める国際労働運動に触れることができた。


UNI Apro執行委員会、ミア・マスードGPEU書記長の復職を要求

第27回UNI Apro執行委員会(2020年11月25~26日)は、バングラデシュのグラミンフォンによるミア・マスード氏の根拠なき解雇問題の解決に向け、全力を挙げて取組むよう、UNIに強く求める動議を採択した。

執行委員会は、クリスティ・ホフマンUNI書記長から、ミア・マスード書記長の解雇に至った経緯について説明を受けた。書記長は長年にわたりグラミンフォンにおける組合の存在感を高め、守ることに尽くしてきただけに、委員は大いなる遺憾の意を表明した。

野田三七生UNI Apro会長/UNI Apro ICTS部会議長は、UNI Apro執行委員会に対し、グラミンフォンの親会社であるテレノールとUNIが締結したグローバル枠組協定の下、ミア・マスード書記長の解雇を巡る問題の解決に向けたUNIの建設的な関与を全面的に支持する動議の採択を要請した。

ミア・マスード書記長の復職を求めるGPEU組合員のヒューマンチェーン

UNI Aproは、ミア・マスード書記長とグラミンフォン労組(GPEU)組合員、そして可能な限り短期間での無条件復職を確実にするべく取組むUNIに対し、全面的な連帯支援を表明する。


英国の店舗労働者に国際連帯を

英国のUNI加盟組織USDAW(店舗流通関連労組)が11月16~22日に「全国店舗労働者尊重週間」を実施するにあたり、世界中のUNI加盟組織が支持を表明した。

USDAWは2002年以来、「恐怖からの解放」キャンペーンの一環として、毎年このイベントを実施してきた。だが、同労組の調査で、パンデミック中の小売労働者に対する暴言や脅迫、暴力が倍増したことが明らかになった今年、尊重週間はいっそう重要な意味を持つことになった。

BBCラジオに出演したUSDAW組合員でもあるクレア店長は、「つばを吐いてコロナに感染させるぞと脅されたり、押し倒されることも日常茶飯事」だと語る。店員は、パンデミック当初の買い占めに走る人や、列に並びたくない人からの攻撃の対象となってしまった。そして、社会的距離の徹底は、客や店員の安全のためであるにもかかわらず、「店員は、それをお願いしたために、お客様から罵声を浴びるのです。」

小売労働者に対する暴力は世界的な問題となっており、カナダ、日本、トルコ、オーストラリア等20以上のUNI加盟組織がソーシャルメディア上で英国の店員に連帯を示した。

オーストラリアや日本では、店員に暴行を加えた者に罰金を科す法律がある。USDAWは小売労働者への暴力を特定犯罪とする新たな法律を議会に求める請願を開始した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は語気を強めて次のように述べた。「小売労働者は、自分や家族へのリスクを抱えながら、パンデミック中も食料や必需品を提供し続けるために、格別の努力をしてきた。そのエッセンシャルワーカーに敬意を持って接してほしいというのは、無理なお願いなのか?客の酷い行動を止めさせるには、より厳しい法律の施行を徹底しなければならない。パンデミックであろうとなかろうと、店員がこの種の暴言・暴力に曝されることは、断じて容認できない。」


UNI世界商業部会に集う自動車販売労組、初のネットワーク会議を開催

2020年11月13日(日本時間18:00~20:30)、7か国(日本、イタリア、マレーシア、ネパール、パキスタン、ルーマニア、スウェーデン)から計33人が出席し、UNI世界商業部会・第1回自動車販売労組ネットワーク会議が開催された。

開会にあたり、ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「2017年、自動車総連と世界の自動車販売労組間の情報共有の場が必要であると話をし、イタリアと共に準備を進めてきた。今回ようやくこの会議を開催できたことを嬉しく思う」と挨拶した。

金子晃浩自動車総連事務局長は、「COVID-19で大変な状況にもかかわらず、世界の自動車販売部門で働くUNIファミリーと会議を開催でき、感慨深い。100年に1度の大変革期とも言われている中、自動車産業を取り巻く環境は年々厳しくなってきているが、コロナ禍により厳しさに拍車がかかっている。そうした産業や環境の変化に伴って、今後想定される働き方や雇用環境の変化にも対応していかなければならない。そのような状況で、UNIに集う自動車販売労組が互いの課題を持ち寄り議論する場を望んでいたのではないか。こうした問題意識のもと、本ネットワークが立ち上がり、本日を迎えている。皆さんにとって有益なものにしていきながら継続していきたい」と述べた。

会議では、参加組織が各国における自動車販売労働者の組織化状況に関する基本情報や、自動車販売労組ネットワークに期待することを発表した。

閉会にあたり、カスタルドUNI世界商業部会政策担当は、「各国の取組みや課題に共通項が見られた。今後も生きたネットワークにしたい。各国の取組みに進捗・進展があった時や、連帯支援が必要な時等、UNI本部に共有してほしい。その後、UNI本部から本ネットワークを通じて皆さんに共有する」とまとめた。 これを受け、金子自動車総連事務局長は、「本ネットワークを継続する意義の大きさを感じた。各国の情報共有はもとより、共通項のテーマで議論を深めていきたい。例えば、“コロナ禍における労働運動”、“どのように危機を乗り越えているのか”は各国事情が違う中で、それぞれの経験から持ち帰れるものがあるのではないか。次回開催時にもUNI本部と協力し、テーマアップしてより良い場にして行きたい」と締めくくった。


暴力に反対する16日間の運動「暴力による心の病をなくそう」キャンペーン開始

11月25日の「女性に対する暴力撤廃の国際デー」から12月10日の「人権デー」までの16日間、UNIは暴力に対抗する運動を行う。

2020年は、全ての人にとって大変な年となったが、特に女性労働者にとって困難な年となった。国連女性機関によると、家庭内暴力は20%以上増加し、国際電気通信連合(ITU)の報告では、女性に対するオンラインの暴力は、セクシャルハラスメント、ストーカー行為、ズーム荒らし(ズーム上の侵入によるハラスメント)、セックス・トローリング(性的な荒らし行為)等の形で50%増加しており、COVID-19パンデミックが始まってから、最前線で働く女性労働者の多くが、不当に少なくとも週に1回は、第三者(顧客、依頼主、患者)から暴力を受けていると言っている。多くの場合、その暴力は、身体への暴行や暴言の形をとっている。

暴力は、長期的な心の健康に深刻な影響を与える。PTSD(心的外傷後ストレス障害)から抑うつ状態や不安症に至るまで、暴力は、私たちの健康に影響を与え、薬物などの乱用を招く。それは私たちの潜在能力を低下させ、私たちの生産性や地域社会への貢献を制限する。言い換えれば、暴力がある限り心の健康はない。COVID-19のパンデミックは、この問題を悪化させている。

私たちは、UNIとしてまた労働組合として、助けることができる。私たちは、労働の世界における全ての人への暴力をなくすためのILO190号条約と勧告の批准に向けて、労働組合と政府を支援し、この問題への意識啓発を図ることができる。

以上を踏まえ、「悪の連鎖を断ち切れ!」キャンペーンの新しいステージである「暴力による心の病をなくそう」への参加を要請する。

【実施期間】

2020年11月25日~12月10日までの16日間

【参加方法】

  1. 日替りポスター16枚を下記URLよりダウンロードする。
  2. 11月25日から16日間に渡り、1日1枚ずつ各種SNS等でハッシュタグ#ratifyILO190 #16daysをつけてシェアする。

日本語ポスター:https://1drv.ms/u/s!ArC6XJtdy3sNgaMqjKorB4sB_v1b1Q?e=BiaQ6g

英語その他言語のポスター:https://www.dropbox.com/sh/1rgmrb54xtnz6z9/AABtX5cVnfmTLpspbMfxIKEJa?dl=0

  キャンペーンサイト(英語):

UNI Global Union: Break the Circle! (breakingthecircle.org)

私たちは、今こそ女性労働者と共に立ち上がらなければならない。私たちが力を合わせれば、その力はより強くなり、労働の世界での暴力をなくす助けになる。暴力との闘いに参加してほしい。

UNI機会均等局長

ベロニカ・フェルナンデス・メンデス


2021年、UNI世界郵便・ロジスティクス部会大会に向け、戦略見直し

UNI世界郵便・ロジスティクス部会委員会が2020年11月17日、開催された。2020年は2月にUNI本部で世界部会大会前の委員会を対面開催したが、その後、大会が1年延期となり、コロナ禍の経験を踏まえた戦略行動計画の見直し・世界大会における決定事項の再確認が必要となったため、オンラインで本年2回目の委員会が開催された。

UNI Aproからは、増田議長、スビンダー副議長(シンガポール)、ムラリダラン副議長(インド)、チャンドリカ委員(スリランカ)、小川担当部長、オブ等が出席した。

委員会では、前半、コロナ禍におけるUNI世界郵便・ロジスティクス部会の対応、地域活動報告等が行われ、後半は部会大会議論に充てられた。

世界郵便デーにリリースされたビデオが上映された後、ベルガー担当局長は、2月の委員会以降、 この間の世界レベルの活動を報告した。 感染が拡大し始めた頃、健康危機から郵便労働者を守るため、必要かつタイムリーな情報発信・防護具の支給・具体的対策の重要性を認識し、

  • いち早くUPUと共同宣言を締結した。
  • 各国の加盟組織から優良事例を集め「危機の際の労働組合の役割:コロナ禍からの教訓」と題する冊子にまとめた。
  • 4月から5回に渡り、テーマを喫緊の課題に設定したオンライン議論の場を重ね、世界大会での戦略行動計画の見直しに反映させるべく、各地域からパネリストを募り、積極的な情報・意見交換を図った。
  • 対応不足があった郵便事業体・政府に対して対策を要求する書簡を送った。

各地域の報告において、小川担当部長はUNI Aproにおける主な活動を下記の通り報告した。

  • オンライン議論の場にUNI Apro加盟組織も積極的に貢献した。
  • 東アジア郵便労組フォーラムをオンライン開催し、経験共有をした。
  • 米国やブラジルの郵便労組への連帯支援に参加した。

UNI世界郵便・ロジスティクス部会大会に関しては、戦略行動計画の文案、決議委員会メンバー等を確認した。日程は2021年5月25~27日とし、更なる延期はせず、セネガル・ダカールでの対面開催を断念する場合は、オンライン開催とすることを確認した。事務局は、様々な可能性を検討していく。

委員会はまた、カナダ郵便労組がフードラのプラットフォーム労働者の組織化に道を拓いた功績により、今年のUNI世界執行委員会でブレイキングスルー賞を受賞したことを祝福した。


オランダとフランスの政府が声をあげる中、EUもテック大手企業に対する迅速な行動を!

このほど、フランスのセドリック・オ・デジタル経済大臣とオランダのモナ・ケイツァー国務長官(デジタル担当)は、市場におけるアマゾンのようなテック大手企業による権力の統合を抑制するために、欧州連合(EU)の競争当局に、企業の分離も含めた「迅速な行動」をとるよう求めるポジションペーパーを共同で発表した。

これを受けて、オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は次のようにコメントした。「アマゾンのような、説明責任を避け続ける企業の権力の増大によって、既に労働者は代償を払わされている。ここ1か月の間に、アマゾンが欧州の労働者をスパイしている可能性が高いことが明らかになっている。目的は明白だ。労働者が組合を結成し、より良い労働条件を求めて集団的に交渉しようとするあらゆる努力を打ち砕くことだ。彼らは、支配的な立場と反競争的なアプローチで、欧州大陸全体で労働者の条件を切り下げようとしている。」

「これは、労働者の参加を基盤とする欧州社会モデルに対する脅威だ。我々は、組合つぶし産業が欧州に輸入されるのを見たくない。アマゾンのスパイ疑惑が暴露された。世界で最も裕福な人が経営する企業が、ラストマイル配送員という低賃金で最も不安定な労働者を監視している。格差が手に負えないくらい拡大する前に公正な社会を確保するためには、このようなスパイ事件はゆゆしき問題だ。」

クリスティ・ホフマンUNI書記長も次のように述べた。「アマゾンのような巨大企業を正確に表現するならば、デジタル独占プラットフォームというべきだろう。アマゾンは、一連の競争を阻害する慣行を通じて、公平な競争の場を求める努力を弱体化させている。例えば、小売業での事業の相互補助や、競合他社を積極的に買収して市場シェアを奪ったり、安売りしたりするキラー買収等を行っている。問題は、アマゾン自体が市場であると同時に、その市場の売り手でもあり、自社製品や戦略を有利にするためデータやアルゴリズムを悪用していることだ。アマゾンは余りにも巨大過ぎて、労働者や持続可能なビジネス、消費者のプライバシー等は全く気にせず、我々の社会に壊滅的な影響を与えているのだ。」

EUがアマゾンに対して行動を起こすよう求める声が高まっている。9月末には、欧州の主要な組合が共同で欧州委員会に調査を求める書簡を送った。その1週間後には、欧州議会議員がジェフ・ベゾスCEOに書簡を送り、「労働者の組織化という会社への脅威」と「敵対的な政治的指導者」の調査に取組む諜報員を募集する求人広告について回答を求めた。最近では、人権擁護団体のアムネスティ・インターナショナルもアマゾンの労働問題への対応を求める呼びかけに加わっている。

最近、アマゾンがラストマイル配送員の個人的なフェイスブックグループを監視していることや、テック労働者のEメールを検閲して組織化の試みを監視していること、取締役会に米国サイバー司令部の元司令官(アンゲラ・メルケル独首相の監視を指揮していたとされる人物)を任命したこと、労組の動きを追跡するための新しいソフト開発に取組んでいること等が次々に暴露された。 アマゾン内の様々な事業部門の構造的な分離を求める声はますます大きくなり、これまで以上に多くの利害関係者が団結するようになっている。UNIとUNI欧州地域組織は、デジタルサービス法に関する協議に対し最近提出した意見書の中で、解決に役立つであろう問題を列挙した。


フランスのアマゾンでスト中の労働者に連帯を

2020年11月11~12日に開催されたUNI世界執行委員会は、フランスのアマゾンでスト中の労働者への支援決議を満場一致で採択した。彼らは、新型コロナウィルス感染拡大の中で、妥当な賃金を要求している。フランスで、アマゾンは労働者の要求を拒否しており、第二波の到来で何百万人もが外出を自粛する中、労働者に土曜勤務を強要している。

「アマゾンに公平な賃金と、コロナ第二波に見舞われる中、常識的な感染防止対策を要求するためストを決行しているフランスの兄弟姉妹を支援する」とクリスティ・ホフマンUNI書記長は述べた。「フランス及び欧州全域で、コロナ収束に向けて不要な移動を規制擦る等の対策を取っているが、アマゾンは従業員に土曜勤務を強要し、危険手当の支払いを拒否している。世界中でパンデミックで何万人も亡くなっていることを無視してはならない。労働者の声を聞くべきだ!」

UNI世界執行委員会、フランスでスト中のアマゾン労働者への支援を約束

2020年11月12日

エッセンシャルワーカー、特にアマゾンの労働者は、未だ続いているパンデミックの中で、前例のない健康リスクと経済的な課題に直面している。アマゾンが過去最高の収益を上げ、四半期の売上高が記録を更新したばかりの中で、世界中で何万人ものアマゾン労働者が感染している。

アマゾンはこれまでずっと、法律で強制されない限り、組合との直接交渉を拒否してきたが、これは労働者、その家族、地域社会の福祉、健康、安全を脅かしている。

CGTやFOなどの組合に代表されるフランスのアマゾン労働者は現在、適正な待遇と公正な賃金を要求してストライキを行っている。

UNIは、各国の加盟組合を通じて、22カ国のアマゾン労働者を含む、世界で最大のアマゾン労働者の代表組織であり、フランスのストライキ労働者と連帯して、以下のことを要求する。

  • アマゾンは直ちに組合への反対をやめ、フランスのアマゾン労働者の合法的な代表者と交渉すべきである。
  • アマゾンは、ストライキ労働者の要求通りに労働者の賃金を引き上げ、これらの賃上げを恒久的なものにすべきである。
  • アマゾンは、パンデミックが完全に収束するまで、安全衛生に関する主要な勧告に従い、感染予防策を実施すべきである。
  • アマゾンは、労働組合またはその選ばれた専門家が、主要な安全衛生勧告が適切に実施されているかどうかを検査し、確認することを許可すべきである。

世界の指導者たちへ:公正な経済復興と多国間主義の再構築に、労働組合は不可欠だ

マルティン・グズマン・アルゼンチン経済相、エンリコ・レッタ元イタリア首相を招き11月9日に開催されたUNI主催ウェビナーで、「COVID-19復興プログラムを公正なものとし、米国と欧州の間の環大西洋協力の再構築を支える上で、労働組合は重要な役割を担っている」との見解が表明された。

持続可能な金融システムの確保に向けた高度な議論は、ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ教授による9月の講演に続き、UNI世界金融部会が中心となって企画した。

司会を務めたクリスティ・ホフマンUNI書記長は「回復とレジリエンスは世界中で合言葉となっている」と述べ、「2008年の金融危機の時、数十億ドルの公的資金を使って銀行は救済されたが、人々は10年間の緊縮財政に苦しんだ。過去を繰り返さないために、必要なことは何でもしなければならないということは明らかだ」と続けた。

「労働組合として、今回の復興資金には社会的保証が伴っていることを確認しなければならない。つまり、実体経済に投資し、労働組合の権利や団体交渉、グリーンで持続可能な雇用を支援する企業に財政支援を与えるということだ」

今年、アルゼンチンの公的債務650億ドルの繰り延べについて交渉を成功に導いたグズマン大臣は、公的債務に苦しむ国々を支援するために国際的構造改革が喫緊に必要だと強調した。

大臣は「多くの場合、社会発展の見通しを損なうことなく各国が返済を行うことは、どうしても不可能だ」とし、「公的債務危機に対処するには時間がかかりすぎ、多くの場合、窮地に陥った国を支援するのに十分な解決策ではない」と主張した。

グズマン大臣はまた、特にアルゼンチンなど長期におよぶ不安定な歴史を持っている国に対しては、債務や外貨に関して責任ある借入の必要性を強調した。

これに関連して大臣は、「今週アルゼンチンの議会に提出される新しい法案は、政府が外貨を借りる前には議会の承認を得なければならないようにするものであり、この法案が通れば今後、IMFとアルゼンチンの間で行われるプログラムはすべて、国会の承認を得なければならなくなる」と説明した。

UNIは中南米で国有銀行を支援するキャンペーンを行っており、大臣は、生産を押し上げ、雇用を創出するプロジェクトの資金調達を支える公的銀行の重要性を説明するとともに、「アルゼンチンの公的銀行は、COVID-19の影響に対処する社会を支えるサービスを提供する上で、非常に重要な役割を果たしてきた」と付け加えた。また、パンデミック中の安定性、雇用、経済活動の維持に役立ったアルゼンチンの労働組合の役割を称えた。

パリ政治学院の国際関係学部長であるエンリコ・レッタ氏は、「EUはCOVID-19危機に迅速に対応しており、7,500億ユーロの欧州復興基金(次世代EU)に合意するまで、わずか4ヶ月しかかかっていない」ことに触れ、「EUは、欧州安定メカニズム(ESM)を通じた復興計画の策定に4カ月ではなく4年もの歳月を要した2008年の金融危機から教訓を得た」と述べ、「当時この遅れによって欧州の経済・社会的な『災害』がもたらされ、失業率が高まり、ポピュリズムの台頭を招いた」と主張した。

さらに、「今回、EUは連帯という社会的な柱に基づく革命的な対応を行った」と述べ、「ある国が他国に資金を提供するのではなく、欧州委員会が債券を通じて資金を調達し、金融支援は、力ではなくニーズに基づいて各国に配分されることになった」と説明した。また、次世代EUの資金調達のあらゆる段階で、実施やチェックを含め労働組合が役割を果たす必要があると力説した。

レッタ氏は、米国の選挙結果を歓迎し「バイデン氏が、金融レベルを含め多国間・環大西洋の協力の必要性を信奉している人物であることを考えれば、我々はこの新しいバイデン時代の勢いと機会を生かさなければならない」と述べ、欧州や世界の労働組合運動は、多国間主義の改善を支えていく中で重要な役割を果たすことができると付け加えた。

レッタ氏はまた、G20の再開を呼びかけた。G20の再開は、ルールや成功事例を共有し、特に巨大テック企業、闇経済、タックスヘイブンに関連し、税金について重要な決定を下すという点で、大きな影響を与えうる。

アンジェロ・デクリストUNI世界金融部会担当局長は「労働組合は永続的で持続可能な金融部門の実現に向けて重要な役割を担っているのであり、2人の講演者が組合運動の重要性を強調したことを歓迎したい」とし、「我々は共に取組んで初めて、より公正な社会を実現することができる」と締めくくった。


印刷・パッケージング部会委員会、コロナの難局を労使対話を通じて乗り越えるための知見を共有

UNI世界印刷・パッケージング部会委員会が、2020年11月3日、オンラインで開催され、委員、代理、オブ、スタッフ等約30人が出席した。UNI Aproからは、佐藤委員(印刷労連中央執行委員長、梅原委員代理)、マヘンドラ委員(ネパール)らが参加した。

委員会では、コロナ禍に見舞われた過去1年の、世界各地域・各国の印刷・パッケージング産業の動向や、コロナの影響、労働組合の取組みが報告・共有され、2021年度の活動計画が確認された。

世界の印刷・パッケージング産業の動向

各部門によって影響は異なるが、コロナによって既存の動向の進化が加速した。新聞・出版業界では、紙媒体の売上及び広告収入の激減や、民主主義への影響が懸念されている。オーストラリアのように、フェイスブックやグーグルに同国のメディア企業のコンテンツ利用に対し使用料の支払いを義務付ける法制度の導入を検討する等、メディア産業を支援する対策を取ろうとしている国もある。パッケージング業界は、特に食品包装や医療品包装を中心に需要が堅調に推移し、電子商取引(通販)の成長の恩恵を受けてきた。ティッシュ製造部門は、パンデミック当初は需要が激増した。セキュリティ印刷部門は、多くの国でデジタル決済への移行が加速し、紙幣印刷の将来的な需要が懸念されている。また、中小企業を中心に多くの企業が需要の減少に対し生存をかけて奮闘している。

UNI及び各地域の活動報告

2019年11月から2020年10月まで、殆どのUNI活動はオンラインで開催された。オンラインツールを活用し多くの加盟組織が活動を継続することができ、より多くの参加者がUNIの会議に参加することができている。この間の主な取組みは以下の通りである。

  • コロナ対策に関するUNI印刷・パッケージング部会の方針の発表。産別交渉・企業別労働協約を通じて、労働者に個人用保護具を提供し、労働条件・雇用・賃金を保護する必要性を強調している。欧州印刷事業者団体(Intergraf)及びラテンアメリカ印刷事業者団体(Conlatingraf)と共同で、「労使協力して印刷産業を促進し、社会対話と団体交渉を通じて全ての従業員の安全を優先するために努力すること」を宣言した。
  • 企業におけるコロナ対策を含めた労働組合のための安全衛生ガイドラインの発行。
  • 印刷部門全体におけるコロナの影響に関する加盟組織へのアンケート調査。
  • 国際レベルでの各種ウェビナーの開催。
    • UNI G&P/IFJ(国際ジャーナリスト連盟)共催「活字メディア/新聞部門」ウェビナー(9月21日):活字メディアが社会で果たす重要な役割と、デジタル大手企業への課税を通じた支援の必要性について、共同声明を採択。100人以上が参加。日本からは、新聞労連、日放労が参加。
    • セキュリティ印刷部門・第1回UNI欧州印刷部会セミナー(2月10~11日、ベルギー・ブリュッセル)に、欧州8か国から25人が参加。シンデックス社が報告した同部門の状況と傾向に関して議論を行い、プロジェクト実施の今後のステップについて確認。
    • セキュリティ印刷部門・第2回セミナー(10月19日)をオンラインで開催し、参加を欧州だけでなく、世界のセキュリティ印刷関連労組に呼びかけた。UNI Aproから、全印刷(梅原委員長、安部書記長)及びインドセキュリティ印刷労組が参加、日本及びインドの状況や組合の取組み等を説明した。

UNI Aproの加盟組織は、上述の、UNIが実施したコロナに関するアンケート調査や、国際ウェビナーに積極的に参加し、情報共有を行った。機関会議として以下3回の会議を行った。

  • UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会(2019年11月19日、ネパール・カトマンズ)
  • UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会(2020年5月28日、オンライン):コロナの事業面・雇用面への影響や組合の安全対策等を共有。2020年度の活動計画を調整。
  • UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会(2020年9月7日、オンライン):withコロナ/コロナ後の組合戦略について共有。2020年度の進捗を確認。

各国報告

続いて、各国の加盟組織から、報告を受けた。佐藤印刷労連委員長は、日本の印刷産業及び労働者の状況、労働組合の対応等について報告し、「コロナ禍において、それぞれの企業労使がこの難局を乗り越えるために、お互いの信頼関係に基づき様々な施策に取り組んでいる」とまとめた。

2021年度の主な優先課題

①大手多国籍企業との対話の継続と、グローバルな労使対話の構築、②大手多国籍企業の各国労組間の連携強化、③セキュリティ印刷部門プロジェクトの最終会議を2021年5月か6月頃開催、④パッケージング部門及び主要事業者の動向調査実施、⑤活字メディア部門に関するIFJとの共同ウェビナーのフォローアップ会議開催、⑥各地域の組織化計画の推進、等が確認された。


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