第5回UNI Apro地域大会開幕! 多様性の中の団結

第5回UNI Apro地域大会開会式が2019年11月20日午後より行われ、多民族国家ネパールの「多様性の中の団結」を象徴する色とりどりの民族衣装を纏った若者たちによるダンス、ネパール加盟協に加盟する加盟組合旗の入場で華やかに幕を開けた。

野田UNI Apro会長らに誘われてK.P.シャルマ・オリ首相が入場すると、大会参加者は立ち上がり、ネパール国旗を振って歓迎した。オリ首相はネパールが開催地に選ばれたことに感謝し、「大会テーマであるUNI Aproが目指す変化の時代における『労働者のための公正な移行』の実現はネパール政府が目指す価値観と共通するものだ」と強く支持を表明した。

続いて行われた対話セッションでは、UNI本部、UNI Apro及び米国、アフリカを代表するUNI役員からの5つの質問が投げかけられ、首相はそれぞれに丁寧に答えた。日本からは、野田UNI Apro会長(情報労連委員長)が移民労働者の権利を守るための戦略について、金子UNI Apro副会長(自動車総連事務局長)がいかにビジネスとのバランスを取りながら労働法改革を推進するかについて質問した。オリ首相には感謝の意を込めて、宝石で作られた記念の肖像画が贈呈された。

開会式で挨拶した野田UNI Apro会長は、4年前にネパール大地震により大会開催地が急遽変更になるという困難に直面しながらも、多角的な被災者支援で労働組合の社会における認知度を大きく変えることに成功したUNIネパール加盟協の取組みに敬意を表した。また、この間の組織拡大と飛躍を称えるとともに、大会準備に奔走してきたシャンカール・ラミチャーニUNIネパール加盟協(UNI-NLC)議長のリーダーシップや、加盟組織の尽力と、運営を支える多くの青年メンバー、学生ボランティア等のチームワークとおもてなしに感謝を述べた。最後に、今後のUNI Aproを率いることとなるラジェンドラ・アチャリャ地域書記長候補の出身組織として、力強く支えてほしいと要請した。


ネパールの印刷労組は私たちの誇りだ!UNI Apro地域大会を支えた功労者

第5回UNI Apro地域大会の前日、2019年11月19日、ネパール・カトマンズにおいて、UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会が開催された。オーストラリア、日本、ネパール、インドネシア、タイ、UNI本部、UNIアフリカ地域及びUNI Aproから20人が出席した。

委員会で歓迎の挨拶を行うマヘンドラIMPRESSION委員長

UNI Apro印刷・パッケージング部会の委員を務める、ネパールの加盟組織IMPRESSION(情報通信・メディア・出版・グラフィック労組)のマヘンドラ委員長は、参加者を歓迎して次のように挨拶した。「ネパールへようこそ! IMPRESSIONは、規模は小さいが、優秀な組合員が活躍している。40年前の結成時と比べ、技術革新により機械化等、職場は多くの変化を経験した。組合は最低賃金の39%アップを達成したものの、市場価格には合っていない。月給122米ドル相当で、どうしたら生計を立てられるか想像してほしい。2013年にUNIに加盟した。加盟まで12年かかったが、その間のUNIのサポートに感謝する。2015年の大地震で壊滅的な被害を受け、残念ながらUNI Apro地域大会の受入れをマレーシアにお願いしなければならなくなった。今回、夢が叶い、ついにUNI Apro地域大会を我が国で開催し皆さんをお迎えすることができ、非常に光栄だ。私がデザインした第4回及び第5回大会ロゴが皆さんに気に入ってもらえて、準備にもより一層力が入った。ロゴデザインの他にも、会場・舞台装飾、出版物等、皆さんが目にする殆どのものを私たちの組合が担当した。ネパールの滞在が思い出深いものになるよう万全を期すので、お困りのことがあったら遠慮なく言ってほしい。お手元に配布した組合誌はUNI Apro地域大会特集号だ。組合費は年間1米ドル程度なので、組合運営の補助とするため、広告も掲載している。昨年から組合運営費を増やすため、ソフトウェア開発等も請け負っている。例えば、JTUCC(労働組合共同委員会)向けの組合員管理システムを開発した。来年は、組織強化も兼ねてスキル開発訓練も始める予定である。引き続き、UNIや皆さんの連帯支援をお願いしたい。」

ロレイン・キャシン議長は、大会準備委員会の中核を担ったマヘンドラIMPRESSION委員長の協力に感謝すると共に、「UNI Apro地域大会のグラフィック関係全般を担当した印刷労組は部会の誇りだ!」と称賛した。

委員会では、印刷労連の役員改選に伴い、田倉前委員長から佐藤久恒委員長へ委員を交代すること等が確認された。昨年1年間の活動を振り返り、小川担当部長は、インドのセキュリティ印刷労組のネットワーク構築に向けた全印刷の協力と、印刷労連及び凸版印刷労組の協力により第7回UNI Apro東アジア労組フォーラム(2018年10月、東京)に凸版印刷の経営側代表の出席が実現したことに感謝した。この他、UNI-LCJ印刷・パッケージング部会が、日本における組織拡大に貢献したことにより、UNI世界執行委員会でブレイキングスルー賞を受賞したことも報告した。 最後に、2020年度の活動計画が提案され、詳細は今後詰めていくことを確認した。


団体交渉を通じてデジタル化の恩恵を公平に

デジタル化の影響は今後も大きくなるだろう。2019年11月4日、UNIは世界執行委員会に先立ち、デジタル化の危険性を軽減し、明るい見通しを最大化するための優良事例を共有するフォーラムを開催した。

参加者の多くがフォーラム開催のタイムリーさを評価し、変化する労働の世界において労働者の権利を確保することは国際労働運動にとって急務の課題であると認識した。デジタル化に関わる問題、例えばダウンサイジング、スキルアップ、自動化等は、多くの組合の交渉において重点事項となっており、フォーラムからは、組合は課題に備えなければならないという強いメッセージが打ち出された。

「デジタル化への移行の過程で、誰一人取り残されてはならない。団体交渉こそ、デジタル化された職場で働く全ての労働者に正義と平等を確保するために、適切な手段だ」とアルケ・ベシガーUNI副書記長は強調した。

英国ユナイト・ザ・ユニオンからは、デジタル化時代の組織化及び団体交渉を強化するため、組合のあらゆるレベルで実施している訓練や準備について聞いた。南アフリカSASBOは、自動化によって金融産業の組合員が置き換えられるなど影響を受けている中、組合の力を高めるための革新的な戦略について語った。

ノルウェーHKは、使用者が設備を自動化した後、倉庫で働く労働者の仕事を維持または改善することができた経験を共有した。「デジタル化の交渉には強力な組合が必要だ。既存の団体協約では解決できるとは限らないので、組織化し備えなければならない」と強調した。

テレサ・カセルターノUNI世界ICTS部会担当局長は、つながらない権利に関する革新的な取組みを紹介し、フランスFOは、つながらない権利が国レベルでどのように組合によって活用されているかの事例を報告した。

アンディ・カーUNI世界ICTS部会議長(英国CWU)は、UNI欧州地域が策定している人工知能に対する労組のアプローチについて説明した。

米国CWAは、AIによるコールセンター労働者の監視の現状と、組合が労働者のデータをもっと管理できるよう交渉に成功したことを報告した。「この問題に関して、組合があれば変化を起こせることが示された。例えば、英国のサンタンデール銀行のコールセンター労働者は、まだ組合の無い米国のサンタンデール銀行で実施されているような過度な監視の下には置かれていない」とカー議長は語る。

クリスティーナ・コルクロフUNIプラットフォーム・派遣・デジタル化担当部長は、画期的なUNIプロジェクト「スポットライト」について説明した。労働者が自身の労働条件に関する詳細なデータを保存し、データのコントロール権を持てるようにするものだ。

マット・ロブUNI世界メディア部会議長は、組合員は伝統的な雇用形態、いわゆる「典型」労働者には分類されないが、彼の組合IATSEが演劇・テレビ制作労働者のために行っている取組みについて報告した。「労働者や組合が互いに競争し合わなくて済むように、産業を超えて、全国、地域、国際的な基準を設定しなければならない」とロブ議長は訴えた。

フォーラムのまとめとして、クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「デジタル化は将来の課題ではなく、現在の課題だ。デジタル化によって企業はますます豊かになり、格差が拡大している1つの理由にもなっている。労働者は公平な配分を受けていない。公正なデジタル化への移行に向けて交渉するため、今日、共有された事例から多くを学ぶことができるだろう。交渉テーブルで解決できないことは、ルールを変えることによって解決していく」と述べた。


世界のゲーム産業労働者、安全衛生等について議論

2019年10月31日~11月1日、マカオにおいて、UNI世界ゲーム部会会議が開催され、世界20ヵ国から80人が参加した。日本からは、UAゼンセン・総合サービス部門パチンコ関連部会の佐藤部会長(ダイナムユニオン)及び蒔苗事務局長が出席した。

開会式では、クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長、ダニエル・アモロソUNIゲーム部会議長、クロエ・マカオカジノ労組代表から挨拶を受けた。 続いて、アジア太平洋地域におけるカジノ産業の概況について、ミシェル・ベリーノUNI Aproゲーム部会コーディネーターから説明があった。 テーマ別ディスカッションでは、組織化、安全衛生(受動喫煙)、テクノロジーに関する労働協約、オンライン教育について、各国から現状の課題や取組み事例の発表があり、質疑を交わしながら議論を行った。 UAゼンセンからは、日本におけるカジノ産業の状況報告として「IR誘致に関する動向」、「ギャンブル依存問題の対応」について説明を行った。 UNIゲーム部会の2020~2021年活動計画については、ハラスメント問題(パワハラ・カスハラ)、受動喫煙問題、労働条件などについての協約強化(組織強化)を進める重点活動をはじめ、地域毎に取組んでいる活動も促進していくこと、受動喫煙や教育、テクノロジー等のテーマ別課題についての調査を行うことが確認された。

なお、会議終了後、マカオ組合事務所の開会式に会議参加者全員で出席した。


第8回UNI Apro東アジア労組フォーラム

第8回UNI Apro東アジア労組フォーラムは、「労働の未来、決めるのは私たち」というスローガンの下、2019年10月16~17日、韓国・ソウルにおいて開催された。日本、韓国、台湾、モンゴルより156人(うち女性45人、女性参加率29%)が出席した。日本からは9組織41人(うち女性14人、女性参加率34%)が参加した。香港は民主主義を求めるデモの影響で出席できなかったが、今回初めてモンゴルが参加した。

開会式では、ホスト国を代表し、ナ・スンジャUNI韓国加盟協議長から歓迎挨拶を受けた。松浦UNI-LCJ議長は、ナ議長をはじめ、韓国加盟協の受入れ準備ともてなしに感謝し、本フォーラム出席が最後となるクリストファー・ウンUNI Apro地域書記長にも感謝した。そしてUNI-LCJが長年、強化を支援してきたモンゴルの加盟組織の初参加を歓迎すると共に、参加できなかった香港の加盟組織に連帯を表明し、平和的に解決が図られることを祈念した。

ウンUNI Apro地域書記長は特別講演の中で、デジタル化のマイナス影響を最小化し、ビジネスの発展と雇用維持・創出を両立するためには、経済・労働政策の一貫性が必要であると訴えた。そして、ディーセントワークを確保し、包摂的で持続可能な社会経済的秩序を築くためには、労働組合の関与が不可欠であり、政労使による建設的な対話と大局的な連携強化の必要性を強調した。講演後に、ホスト国、韓国の労働運動との思い出を振り返り、「労働界は団結して、大きな課題に立ち向かわなければならない」と東アジアの全ての労働組合に激励の言葉を残した。

続いて、韓国労働社会研究所のキム・ジョンジン副所長から、「雇用可能性を高めるためのスキル開発と良質な仕事」と題する基調講演を受けた。韓国における労働市場の現状、とりわけプラットフォーム労働の問題等について詳細に説明し、「プラットフォーム労働者も、正規労働者と同じ労働条件とすることが重要であり、共存できるようにすることが課題だ」と述べた。 フォーラムでは、「各国の政治、経済、社会、労働事情の報告」、「労働時間短縮とワークライフバランス」、「プラットフォーム労働者及びIT部門の組織化」、「ジェンダー平等」というテーマで、各国の取組みを共有した。

最後にフォーラムのまとめとして共同宣言を採択した。第9回フォーラムは、2020年10月、台湾・台北で開催する予定。


私たちの組合は闘う!

2019年10月21~22日、第5回UNI世界印刷・パッケージング部会大会が、スペイン・トレドにおいて開催され、100人が出席した(男性77人、女性23人)。アジア太平洋地域(UNI Apro)は、オーストラリア、インド、インドネシア、日本、ネパール、タイから18人が参加した。日本からは印刷労連、全印刷、大日本印刷労組、新聞労連が参加し、積極的に発言を行うと共に、各国の参加者と友好を深めた。

大会スローガン「私たちの組合は闘う!」の下、「印刷・パッケージング部会の進化と傾向」、「組織化」、「労働組合アライアンス及びグローバル協定」のテーマで議論を行った。また、過去4年間の活動報告、加盟問題及び財政報告、2019~2023年度行動計画、動議を採択した。最後にUNI世界印刷・パッケージング部会執行委員を選出し、議長にホアキナ・ロドリゲス(スペイン)が再選された。梅原全印刷委員長が執行委員(佐藤印刷労連委員長が予備委員)に選出された。


500日のストを経て、韓国オラクル労組、組合承認を勝ち取る

より良い賃金と公正な処遇を求める1年半に渡るストを経て、韓国オラクル労組は、10月始め、ソフトウェア及びコンピューター大手オラクル社との間で初めて、基本的な組合承認の協定を勝ち取った。

以前から、オラクルは組合との交渉を拒否し、労働者を代表するために法に則り選ばれた組合役員を認めていなかった。この協定により組合は、オラクル従業員のために組合としての活動がしやすいよう、事務所に加え、就業時間内に労働者を代表すること、組合役員への報復的な賃金カットから守ること等の便宜が与えられることになる。

ストの間、労働者はオラクルの前で、バスを簡易事務所として使うなどして野宿した。組合の要求はまだ完全に応えられたわけではなく、何点か争点は残ったままだが、それらは今後の交渉での解決が期待されている。組合は会社と団体協約を結びたいと願っている。

クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長は、韓国オラクル労働者の強い決意に敬意を表し、初の基本合意を喜んだ。「韓国オラクル労組が本社の前で中古バスを組合事務所代わりに使うとは創造的なやり方だ。直面する課題に新しい解決策を見出すことができてよかった。この組合事務所バスは、多くの観光客や地元民の目に触れやすいオラクル本社前に置かれたため、韓国オラクル経営陣には大きなジレンマだっただろう」と述べた。ウン地域書記長は、国を超えて労働者を支援するため、数か月前、ソウル訪問時に韓国オラクル労組役員と会って激励していた。

「8月にクアラルンプールで開催されたUNI世界ICTS部会大会に参加した代議員から連帯が示され、私たちは闘争を続ける力をあらためてもらった」と、韓国オラクル労組のアン・ジョンチョル委員長は語る。

テレサ・カセルターノUNI世界ICTS部会担当局長は、「韓国からカリフォルニアまで、テク労働者は不公平かつ濫用的な慣行に異を唱えるため団結し始めている。韓国オラクルと初のきちんとした団体協約が調印されたら、IT企業の文化を、労働者の意見が聞いてもらえる文化に変えていく上で、重要なステップとなるだろう」と期待した。

交渉プロセスにおいて、韓国金融事務職労連(KFCLU)と韓国オラクル労組は、監査局の公聴会に持ち込んだ。公聴会は9月と10月に行われ、韓国オラクル社のムン・グンCEOが労使関係を含む同社の韓国事業に責任を有するか否かに関する意見の相違に焦点が当てられた。リ・ジェギャップ雇用労働大臣は、ムンCEOは韓国における事業運営に完全なる責任を有すると判断した。

アン委員長によると、韓国で事業を行う外資企業のCEOの責任に関するこの法的解釈によって、政府が、現在、法の抜け穴を利用した外資企業の悪しき慣行を是正することができるようになるため重要である。

韓国オラクル労組は、不公平かつ不透明な賃金・報酬制度に対応するため2017年10月に結成された。韓国オラクルでの平均労働時間は週約80~100時間にのぼるが、殆どの労働者は過去10年で実質賃上げがなされていない。

韓国では、ヒューレットパッカード、マイクロソフトでも既に組合ができている。新たに結成された韓国SAP労組も初の団体協約を交渉中である。


日本、韓国、台湾の郵政職場における労働安全衛生について意見交換

第17回UNI Apro東アジア郵便労組フォーラムが、2019年10月15日、ソウルで開催された。2002年に始まった本フォーラムは、郵便労組間の友好・信頼関係の醸成と、郵政事業を取り巻く情勢の共有、労組共通の課題解決に向けた取組みと経験共有のため、日本、韓国、台湾の持ち回りで毎年開催されている。

JP労組からは増田委員長をはじめ7人の代表団、そして韓国郵政労組、中華郵政工会及びUNI Aproから約50人が出席した。

増田委員長は開会挨拶で、「JPグループは今春の労使交渉の中で、2020年4月からの65歳までの定年延長、非正規雇用労働者の雇用条件改善、正規・非正規格差の是正に、働く者の立場を代表して改善に努めている」と述べた。

コーネリア・ブロースUNI郵便・ロジスティクス部会担当局長は、ビデオで連帯挨拶を行った。「世界120カ国の郵便労組がUNIに結集している。郵便産業は特にデジタル化や新しい技術の発展の影響が大きく、組合員を守る戦略が必要となっている。互いに学びあい、団結し、グローバルな行動によって、より良い労働条件のためにみなさんとともに闘っていきたい」と述べ、出席者にエールを送った。

続いて韓国郵政のキム・ドーヒー労働安全局長が、「韓国郵政の安全改善計画ロードマップ」と題し、職場の労働安全衛生を改善する取組み及び使用者側の果たすべき役割について説明した。

午後のパネルディスカッションでは、クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長の導入に続き、各国労組からそれぞれの職場の安全衛生に向けた取組み報告及び質疑応答が行われた。JP労組の金子中央執行委員は、労使から委員を任命し労働衛生委員会を設置し、委員会の中で意見交換や産業医からの助言や指導を受け労働環境の改善を行っていると発表した。台湾のジャン・イーシン副理事長は、中華郵政では外務職員の安全を守るため、危害を加える危険性のある攻撃的な犬を飼っている利用者には、了解を得たうえで、家には配達せず、局留め配達などの措置をとれると紹介した。韓国郵政労組のチャ・ヨンミン労働安全衛生部長は、今年7月にストを構えての厳しい団体交渉を振り返り、世論を味方につけた取組みで、2,000人の増員を勝ち取ったことを報告した。また、労使で労働安全衛生委員会を設立し、定期的にスムーズな意思疎通を行い、労働災害の再発防止に向けて労使で努力している状況を報告した。質疑応答でも、多くの質問が出され、活発な意見交換が行われた。


ケア労働者、ディーセントワーク世界行動デーにより良い労働条件を要求

今年のディーセントワーク世界行動デーに、UNIUNIケア部会加盟組織は共に、ケア産業への投資と、ケア産業を支える労働者の尊重を要求した。

107日、12回目のディーセントワーク世界行動デーとなる今年のテーマは「ケア産業への投資」。労働者や患者が直面する多くの課題を克服するため、各国政府及び業界の多国籍企業に対し、ケア産業への更なる投資を要求した

UNIは、全てのケア労働者に対するディーセントな労働条件、適切な賃金、団体交渉を要求している。とりわけ使用者には、ケア労働者が安全に働けるよう、適切なスタッフ配置と訓練を提供するよう要求している。

「この日を機会に、ケア産業の企業化と、それが労働者や患者にとって意味することにスポットライトを当てたい」とクリスティ・ホフマンUNI書記長は述べる。フレゼニウス、ORPEA等、ケア産業の大手多国籍企業には、全てのケア労働者が職種や使用者に関係なく、尊厳や敬意をもって扱われるようにしてほしい。」

エイドリアン・ドゥルチUNIケア部会担当局長は、「在宅介護はグローバル経済の中で最も急速に成長している分野だ。そこで働く人々は、社会の中で最も弱い立場にある人々の世話をしている。団体交渉を通じて、彼らにディーセントな労働条件を確保していかなければならない。使用者の“底辺への競争”は押し返さなければならない。」

ニュージーランドのE tū、インドのRMS、ネパールのUNIPHIN等、世界で組合がデモや集会を行った。アフリカではUGTTが病院や介護施設で、欧州ではポーランドやチェコのORPEA労働者が連帯行動を行った。オーストリアのVida、ベルギーのSETCA、スペインのCC.OOは、長期介護に関する啓発キャンペーンを行った。

ミゲル・ズビエタUNIケア部会議長(アルゼンチン FATSA)は、アルゼンチンの何百人もの在宅介護労働者とデモに参加した。ペルー、チリ、ウルグアイの仲間ともライブ配信でつながった。ズビエタ議長は、ケア産業の仕事は極度に感情的かつ体力を要する仕事であることを強調し、全ての労働者に尊厳、訓練、団体交渉権が必要だと訴えた。

この日のもう1つのテーマは、よりジェンダー平等なケア産業とすることだ。ケア産業の仕事は主に女性が行っているが、過小評価されており、低賃金と不十分な労働条件である。


韓国金融労組、産別団体協約の実施を確実にするためのタスクフォース結成

韓国の労働法では2019年7月から、週労働時間の上限が最長12時間の超過勤務を含め52時間とされた。300人以上の従業員を雇用する企業に適用される。韓国金融労組(KFIU)は、国のガイドラインが発表される1年前の2012年から週5日労働を率先して要求してきた。今回もまた、KFIUは韓国で週52時間労働を導入するために、固い決意で主導的役割を果たしてきた。

2018年、KFIUと韓国銀行協会は、今年1月から週52時間労働とする約束を含む団体協約を結んだ。団体協約は実質的に、指定された昼食休憩時に仕事のコンピューターを操作しないこと、全ての妊娠した女性スタッフは1日2時間の短縮を認められること、管理職はKPI(主要業績評価指数)を軽減するか、または簡素化すること、客を装って銀行窓口の接客態度等を評価すること等、33件の懸念事項もカバーしている。

今年5月、KFIUは、30の職場からの44人の組合員で構成される、WIT(職場調査チーム)と称する特別タスクフォースを設置した。KFIUの加盟組織、KB銀行労組は6年前から既に、2人の専従組合役員を配置した独自のWITを設置し、不当労働行為や労働条件の悪化に警告を与えるため、経営側の慣行をモニターしてきた。組合員は誰でもWITに連絡し、WITは状況を是正するため、調査を行い勧告を行う。

新たなタスクフォースの最初の任務は、時短、感情労働からの保護、過度な競争の禁止という3つの優先課題について団体協約の実施を評価するチェックリスト作成である。

WITのチーム長を務めるKFIUのユー・ジュスン書記長は、「2001年から、地域銀行は全て金融持株会社の傘下に再編され、市場シェアを維持するために競争がいっそう激化した。そのため個別の銀行レベルで、従業員の“モチベーションを高める”ために、個人の業績評価の使用が増加した。そうした傾向によって、金融機関の公的価値が弱まり意味が無くなってきている。銀行員は高い販売ノルマを達成して生き残ることを余儀なくされ、顧客に最大レベルまで販売してしまう。結果、顧客に悪影響が及ぶこともある」と述べる。

「銀行員は大きなストレスを抱えており、その結果、鬱病や慢性疾患率が増大し、自殺者も出てしまった。韓国では、銀行員の業務上疾病率は、建設労働者に次いで2番目に高い。昨年、多くの交渉を重ね、KFIUと韓国銀行協会はついに、長年の懸案事項であった、超過勤務と、チームの協力より個人の過当競争が蔓延している環境に起因する業務上のストレスを解決する取決めに合意した。」 KFIUのWITは、6月に実施した初の職場視察の報告をまとめた。調査結果からは、組合のある27の職場のうち24の職場で週52時間労働が実施されていることがわかった。しかし3つの職場にしか、実際の労働時間を追跡・立証する自動計測機が設置されていない。9つの組合は、未だに残業代が正しく払われていないと報告した。組合員が監督者からの否定的な反応を恐れて、超過勤務の実態を報告していない場合もあるという。韓国産業銀行は育児休業を現行の2年から3年に延長したことも報告された。タスクフォースは、週52時間労働を完全に実施するために、新規採用を増やすべきだと提案している。


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