2026年8月26~27日にかけて、アジア・太平洋地域の郵便・ロジスティクス労組の組合役員が、スリランカ・コロンボに集まり、「第7回UNI Apro郵便・ロジスティクス部会大会」が開催された。これは、同部会において約8年ぶりとなる対面形式の地域大会である。11カ国の19の加盟組織から代表者やオブザーバーを含む約90人が参加した。
大会の冒頭では、2026年8月26日にネパールで発生した氷河崩壊およびそれに伴う災害の犠牲者に対し、黙祷が捧げられた。
スリランカの3つの郵便労働組合(UPTO、NPTWU、SLPTSU)がホストとなった今大会は、G・G・C・ニロシャナUPTO委員長による歓迎の挨拶で幕を開けた。同委員長は、各国に共通する課題があるからこそ、大会での知識共有がすべての参加者にとって価値あるものになると述べた。
S・R・W・M・R・P・サトクマラ・スリランカ郵政長官は、大会のテーマ「共に立ち上がろう、未来を届ける」を紹介し、これはデジタル化や新興テクノロジーが従来のサービスに大変革をもたらす一方で新たな機会も生み出している、急速に変化する業界の現状を反映したものであると述べた。
ラジェンドラ・アチャリヤ UNI Apro地域書記長は、UNIが引き続き地域全体の郵便・ロジスティクス労組間の協力強化に取り組んでいると述べ、デジタルプラットフォームは国際的に運営されており、ある国での決定が他の地域の労働者に即座に影響を及ぼし得ると指摘した。
ジャン・シンプソンUNI世界郵便・ロジスティクス部会議長は、世界中の労働組合が驚くほど類似した課題に直面していると述べ、ユニバーサル郵便サービスを擁護し、安定した雇用を守り、デジタル変革が仕事を置き換えるのではなく改善することを確保し、郵便サービスを利益ではなく人々に焦点を当てたものにし続ける必要性を強調した。
コーネリア・ベルガー UNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、「労働組合としての我々の役割は、変化を形作ることにある。我々は近代的な郵便サービスを望んでいるが、それは人々に奉仕するものでなければならない。新しいテクノロジーも望んでいるが、それは監視やストレス、労働強度を高めるのではなく、労働者を支援するものでなければならない。イノベーションと多様化も望んでいるが、その過程には最初から労働者と労働組合が参画していなければならない。だからこそ、ユニバーサル・サービス義務が私たちの議論の中心となるのだ。ユニバーサル・サービスは過去のものなどではない。それは、我々が未来の郵便サービスを築き上げるための基盤なのだ」と訴えた。
安達正美UNI Apro郵便・ロジスティクス部会議長 は、2022年の前回大会が新型コロナウイルスの影響でオンライン開催となったため、コロンボでの部会大会は約8年ぶりの対面での集まりとなることを指摘し、議論はイノベーション、持続可能性、テクノロジー、郵便事業の多角化、ユニバーサル・サービス義務(USO)、ラストマイル配送、および同部会の5カ年戦略に焦点を当てる予定であると述べた。
ビナヤ・プラカシュ・シン・ アジア太平洋郵便連合(APPU)事務局長は、ビデオメッセージの中で、この業界の未来は全員の協力にかかっており、郵便労働者を変革の中心に据えつつ、郵便サービスをより革新的、持続可能、かつ包摂的なものにする責任があると述べた。
大会では、栗原啓UNI Aproの郵便・ロジスティクス部会担当部長が提示した2021~2025年の活動報告書が採択された。同報告書では、地域全体における組織化の成果が強調されている。ネパールでは、キャンペーンにより小規模郵便局の閉鎖が撤回され、8,000人以上の労働者が保護された。バングラデシュでは、研修を通じて団体交渉力が強化され、新たな青年・女性委員会が設立された。またインドネシアでは、U2U/SEKOが支援する新たなプロジェクトにより、DHLを含む各現場で組織化、労働安全衛生、公正な移行に向けた取り組みが進められている。また出席した代議員は、韓国のクーパンをめぐる連帯行動や、2025年8月にスリランカで予定されている郵便労使紛争についても報告を受けた。
ベルガー担当局長が世界における郵便・ロジスティクス産業の動向について報告し、イェンス・サヴェルスタムUNI郵便・ロジスティクス部会副議長が、欧州におけるユニバーサル・サービス義務(USO)の現状について報告した。また、Apro地域における郵便業務の将来に関するUNI Apro–APPUの参加型研究プロジェクトの成果が紹介された。
2日目は3つのパネル討議が中心となった。1つ目は「USOの民営化からの保護」で、モハド・エフェンディUPCW委員長が司会を務め、日本、パキスタン、スリランカ、スウェーデンの登壇者が参加した。2つ目は「組織化と組合活動」で、インドのシヴァジ・ヴァシレディFNPO書記長が司会を務め、インドネシア、ネパール、バングラデシュ、UNIの登壇者が参加した。3つ目は「イノベーション、環境、多角化」で、シンガポールのスヴィンダー・シンUTES書記長が司会を務め、 シンガポールのトゥヴィンダー・シン書記長が司会を務め、インド、マレーシア、モンゴル、シンガポール、カナダからの発言者が登壇した。
大会では、郵便労働者および公務員の労働組合権の保護に関するネパールの決議、USOの保護とスリランカ郵便公社の将来に関するスリランカ加盟組織による共同声明、UNI Apro郵便・ロジスティクス部会行動計画(2026~2030年)、および同部会規則の改正案が採択された。
2026~2030年の役員体制
安達正美議長(日本、JP労組)が再選されたほか、台湾CPWUのリン・ジュンチョウ氏、シンガポールUTESのスヴィンダー・シン氏、インドFNPOのシヴァジ・ヴァシレディ氏、ニュージーランドETUのマット・ダナハー氏の4名が副議長に選出され、地域全体から選出された新たな委員会が構成された。
再選された安達正美UNI Apro郵便・ロジスティクス部会議長は、当部会がデジタル化に伴う郵便物量の減少、Eコマースに牽引された物流量の増加、そして技術革新や構造改革による新たな圧力といった大きな変化に直面しているものの、労働組合の使命であるディーセントワーク、雇用の安定、安全な職場、結社の自由は不変であると述べた。また、地域全体での連帯と国際協力の強化を呼びかけた。
(2026年9月10日)