UNI世界郵便・ロジスティクス部会委員会及び世界会議

UNI世界郵便・ロジスティクス部会委員会及び世界会議が5月23~24日、スイス・ニヨンのUNI本部で行われ、約50人が出席した。23日午前に部会運営委員会、23日午後から24日にかけて世界会議が開催され、JP労組からは柴愼一副委員長、八木国際部長、栗原JP総研スタッフ、大芝国際スタッフが出席、UNI Aproからは大崎郵便・ロジスティクス部会担当部長が出席した。

会議では、世界議長のデーブ・ウォード英国CWU書記長が会議の議事進行を行い、コーネリア・ブロースUNI郵便・ロジスティクス部会担当局長が自己紹介を含め、昨年7月から新たに局長として就任して以降10か月の活動報告と今後部会が直面する課題について提案を行った。ブロース局長は、地域別活動報告、組織化、UNIとUPUとの新しい覚書案の承認、また付属資料として共同プロジェクトの具体的な内容について報告し、議論を行った。共同プロジェクトへのアイディアともなる、各国で進められている新サービスやイノベーションについても報告した。会議では2018年の活動計画についても議論、討論した。会議では、柴愼一JP労組副委員長が、民営化と労組誕生の変遷、そしてJP労組の10年間の成果、課題や取り組みについてプレゼンを行った。郵便局ネットワークを使った独居高齢者世帯への「みまもりサービス」や、日本郵便とベンチャー企業と連携し、自動運転、ロボット、ドローンなどの活用の実験を進めている状況を報告した。

また、今回、スーザン・アレクサンダーUPU国際局規制担当エキスパートが会議に出席し、UPUに関するプレゼンテーションを行った。国連の持続可能な開発目標(SDGs)達成のためにも、労組との協力は不可欠であり、UNIとの今後の密接な協力に対して大きな期待を表明した。UNIとUPUの新しい覚書は今年10月までにUPUの内部承認作業を終え締結を計画しているが、その締結前から共同プロジェクトを始めることになっている。

UNI郵便・ロジスティクス部会では、多様化する世界各国の郵便サービスの実態把握のため、①全加盟組織にアンケートを配布し、各組織から情報を集め、さらに②フランスのコンサルタント企業と契約し世界各国の郵便の自由化に関する調査を10月中旬までに行い、エグゼクティブサマリー及び50ページ前後の報告書を作成する。

会議の終了前には2020年にアジア太平洋地域で計画されるUNI世界郵便・ロジスティクス部会大会については、最も相応しい場所の選定を局長に一任するとし、現在韓国での開催を軸に調整していることが報告された。また、ポルトガル郵便の再国営化を求める請願書に会議出席者全員が署名し、労組に手渡した。

今部会委員会及び世界会議には、Aproからは日本のほかにシンガポールUTESとスリランカNPTWUから委員が出席した。

Apro地域の課題

各地域の郵便・ロジスティクス部会の活動報告が行われ、Apro地域からは、昨年末APPUとの新しい覚書に署名し、6月25日からベトナム・ダナンで開催されるAPPU執行理事会にも招待され、オブ参加することを報告した。また、新しい覚書にのっとり、今年中にAPPUとの政策フォーラムを開催するべく、現在準備中であると報告した。スリランカでは、郵政長官がUNIと安全規定について協力したいとの意向が示されており、U2U、UNI SCORE支援によってスリランカ、パキスタンの組織化セミナー(8月下旬~9月上旬で現在調整中)でUNI関係者が現地を訪問する際、合わせて協議を行うこととしている。

デジタルスキル研修(シンガポール政労使の取り組み)

世界各国がEコマースを始めとする多くの新しいサービスを導入している中、シンガポールでは職員のスキルアップに政労使が一致して取り組んでいる。ツビンダー・シンUTES書記長が政府による「スキルフューチャー制度」(シンガポールに3年以上居住する25歳以上の市民または永住者が受けられるデジタルスキルアップ研修)について報告した。さらにシングポストでは、UTESの働きかけが功を奏し「スキルフューチャー制度」に参加する職員に対し1日の有休休暇制度を導入し、職員が研修に参加しやすい環境づくりをしている。また、ツビンダー書記長はUTES、シングポストと雇用エンプロイヤビリティー協会の三者が協力し、郵便職員のデジタル化に伴うスキルアップの方法も模索している状況もあわせて報告した。

郵便・ロジスティクス部会活動計画(2018~2019年)

2018年~2019年の主な4つの活動項目は以下の通り。

  1. さらなる郵便事業の自由化と民営化を阻止する
  2. 郵便事業の将来を守る
  3. DHLとDPDジオポストにおいて、労働組合の力を強める
  4. UNIと郵便部会加盟組織のさらなる強化を図る

また、カナダCUPWから活動計画に気候変動の課題についても盛り込むことが提案され、全会一致で承認された。


第20回UNI Apro郵便・ロジスティクス部会委員会

標記会議が5月11日、UNI Apro郵便・ロジスティクス部会委員及びオブザーバーを含む30人が出席しシンガポールで開催された。会議では、新しく着任したコーネリア・ブロースUNI郵便・ロジスティクス部会担当局長も出席し、郵便事業の変革を行っている世界各国の郵便状況報告、また、セネガルなどで成功している多国籍ロジスティクス企業の組織化状況報告を受け、討論を行った。2週間後にスイス・ニヨンで開催されるUNI世界郵便・ロジスティクス部会委員会及び世界会議、2020年にApro地域で開催されるUNI世界郵便・ロジスティクス部会大会の開催地等の準備状況について全体で確認した。

 

 

基調講演と各国報告

(1) シンガポールポスト 

シンガポールポストのフローレンス・チャン副社長が、「シンガポールポスト、私たちの変遷の旅」と題し、150年をかけ世界的な郵便企業へと成長していった経験を話した。世界的にみると、かつて中核であった書状市場が10%以上も前年より減少している地域もある。シンガポールポストでは、「生き残るために変化する」とし、アリババなど多くのEコマース企業と提携し、既存の郵便ネットワークを使ったエンド・ツー・エンドの配達サービスを展開している。

(2)  世界の郵政事業の自由化と改革の発展

ブロースUNI郵便・ロジスティクス部会担当局長からは、欧州の更なる郵便の自由化を阻止する活動の紹介があった。欧州地域では、郵便物数の減少、Eコマースや小包物数の増加など、Apro地域とも共通する現象が起きている一方、将来のユニバーサルサービスの定義が、高い郵便料金、遅い配達スピード、配達頻度の減少など、これまでの基準から大きく変わる可能性も示唆された。

また、韓国郵政労組イ・ドンホ委員長は、新しいサービス、特にメールドローンの試行実験と環境に配慮した電気自動車による配達を積極的に導入している報告を行った。また、長時間労働をなくすため、土曜配達の廃止を目指すことが表明された。インドネシアASPEKリンフォックス労組のテグー委員長は、昨年末に経営側(リンフォックスはオーストラリアに本社のある多国籍ロジスティクス企業)から突然労組役員を含む職員の解雇通知を受け取ったが、UNI Aproの支援もあり、無事に労使の話し合いによって解決でき、解雇通知は撤回されたことが報告された。

APPUとの関係 ~関係強化に向け新しい共同プロジェクトを着手~

クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長からは、現在JP労組の支援により開催されているUNI AproとAPPU共催の若手組合員向け共同セミナーに加え、UNI Apro郵便・ロジスティクス部会委員会メンバーとAPPU加盟国対象のフォーラムの開催が提案され、全会一致で承認された。

UNI Apro郵便・ロジスティクス部会活動計画(2018~2019年)

採択された部会の活動計画の項目は以下の通り。

(1) 郵便・ロジスティクス企業の組織化・加盟組織のない国へのアプローチ及び現在脱退している組織への接触

(2) 組合のエンパワーメントと能力開発・各種セミナー支援

(3) UNI Apro郵便・ロジスティクス部会の調和の取れた労使関係を進める

(4) APPUとの関係強化・新しい共同行動を進める

 


UNI-LCJ印刷・パッケージング部会、情報交換会

2018年5月14日、UNI-LCJ印刷・パッケージング部会に集う4組織及びオブザーバー組織が、情報交換会を行なった。各組織からの報告に加え、2018年度のUNI及びUNI Apro(アジア太平洋地域)印刷・パッケージング部会の活動計画を共有した。

6月に英国・リバプールで開催される第5回UNI世界大会では、世界執行委員会の選挙が行なわれる。印刷・パッケージング部会のUNI Apro代表2議席につき、UNI-LCJ印刷・パッケージング部会からの候補を確認した。

 


UNI Apro執行委員会、パートナーシップ労使関係の重要性を再認識

第24回UNI Apro執行委員会が、2018年5月9~10日、シンガポールで開催された。

開会にあたり、野田UNI Apro会長は、「2015年のUNI Apro地域大会で採択されたブレイキングスルー戦略に基づき、アジア太平洋地域の各加盟協・各部会を中心とした活動は着実に前進をしている。アジアの時代が到来する中、労働組合の果たすべき役割もますます高まっている。本委員会の意思統一を踏まえ、更に運動を強化していこう」と挨拶した。

ジェニングスUNI書記長の代理として出席したホフマンUNI副書記長は、現下の世界政治情勢に触れ、フランスやブラジル等において労働運動や民主主義に対する攻撃が続く一方、ジャーナリスト、エコノミスト、思想家等が、「団体交渉は経済成長に寄与する社会的公共財。労働組合は格差是正の解決策になる」との認識を持ち始めるなど良い兆しもある、と述べた。野田UNI Apro会長は、39日後に迫ったUNI世界大会で選出予定のホフマン新書記長を、UNI Aproとして支えていくと激励した。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro書記次長から各部会の成果報告を受けた後、各国の委員から報告を受けた。

宮井UNI Apro金融部会議長は、アジア開発銀行(ADB)との関係強化の取組み成果を報告し、継続の重要性を訴えた。八野UAゼンセン副会長は、昨年の各部会大会で確認した声明に明記された、公平な成長と包摂的社会経済開発を維持するためのパートナーシップ労使関係の重要性を想起し、国や労働法は違っても、UNI Aproとして推進していくことをあらためて提起した。

これを受け、ウン地域書記長は、パートナーシップ労使関係の実践によって、労働組合が脅威とは見られず、パートナーとして経済統合プロセスへの関与を歓迎されるようになったASETUC(ASEANサービス労組協議会)の実例を繰り返し強調した。また、ADBとの関係強化については、UNI Aproの信頼性が高まるだけでなく、UNI Aproの影響力を高める上でも有益であると述べ、関係強化の取組みを継続していくと約束した。

2019年の第5回UNI Apro地域大会、女性大会については、ネパール・カトマンズでの開催を決定した。

 


世界の働く仲間とつながろう!JP労組中国地方本部「次世代役員育成セミナー」

2018年5月10日、東京で、JP労組中国地方本部「次世代役員育成セミナー」が開催され、JP労組中国地方本部より16人の若手組合員が参加した。

次世代を担う組合役員の国際労働運動に関する知識向上と意識の醸成を目的に開催したもので、森川UNI日本加盟組織連絡協議会事務局次長が「UNIの活動」について説明した。世界及びアジア太平洋地域郵便事情が抱える課題や、UNI/UNI Apro郵便・ロジスティクス部会の取組みを概説し、JP労組が果たす国際労働運動における役割やUNIのネットワークを通じた連帯、社会貢献活動等を紹介した。

最後にJP労組の若手組合員へのメッセージとして、「UNIを通じて世界の働く仲間とつながろう」と国際労働運動への積極的な参加を呼びかけた。


フィリピン金融労組との情報交換

UNI-LCJ金融部会代表団は、フィリピン・マニラで開催されたUNI Apro金融部会委員会並びにADBとの共同フォーラムに合わせ、2018年5月4日、フィリピンの加盟組織、金融労組(NUBE-IFO)と情報交換を行った。

午前中、UNIフィリピン加盟協(UNI-PLC)青年委員会が10年以上に渡り取組んでいる社会貢献活動の1つ、パヤタス地区の貧困家庭の児童への給食活動を体験した。レイナー・クルスNUBE-IFO副委員長(元青年委員会議長)は、社会一般、特に若年層が抱く労働組合のイメージを刷新する目的で、このパヤタス給食プロジェクトを始めた、と経緯を語った。「労働組合は企業内の労働者の条件改善のためだけの、抵抗する、古い組織だと思われている。貧困対策等の社会的課題にも目を向け、働く者どうし連帯することにより、また社会パートナーとの建設的な対話を通じて、社会を変えていくことができる組織であることを伝えたい。」

貧困対策は産別ではなくナショナルセンターが取組むべき課題ではないか、という質問には、フィリピンの労働運動はナショナルセンターが複数存在するなど分裂しており、結束して課題解決に取組む体制が弱いとの実情が吐露された。

エクシー委員長は、フィリピンの金融産業の現状と傾向、労働組合の課題、労使関係を説明し、デジタル化時代に合わせた銀行労組(旧名称NUBE)の組織改革について説明した。組織化については、未組織のユニバーサルバンク、農村銀行、保険会社、銀行へのITサービスプロバイダー等をターゲットとする他、どの産別にも未加盟の独立労組の加盟や、管理職の組織化を重点目標とする。重点課題は、労働基準の遵守及び監督システムの改善、ジェンダーに基づく暴力の廃絶、業務の自動化・AI化への組合の効果的な対策策定、契約労働をはじめとする不安定な雇用形態の蔓延防止等である。フィンテックへの意識啓発活動としては、まず将来の働き方への影響を分析し、従来の対応では不十分であることを踏まえ、労働組合として、この大きな変化を止めるのではなく、コントロールすることが重要であることを組合員に周知していく。フィンテックへの対応としては、AI導入に関するルールの策定に労働組合も参画すること、AIシステムに「人間が指揮する」アプローチを採用すること、前線で働く従業員をAIで置き換えるのではなくサービス強化のために使うことを原則に、「倫理的なAI」条項を協約に入れるよう交渉していく。

NUBE代表団は2016年3月に来日し、UNI-LCJ金融部会と情報交換を行っている。エクシー委員長は、UNI Apro金融部会加盟組織として、今後もUNI-LCJ金融部会と情報交換を密にしていきたいと述べた。

 


ADBとの共同フォーラム「金融産業におけるデジタル化の傾向と雇用へのインパクト」

第2回UNI Apro金融部会/アジア開発銀行(ADB)共同フォーラムが、2018年5月3日、フィリピン・マニラで開催され、65人が参加した。「金融産業におけるデジタル化の傾向と雇用へのインパクト」をテーマに、活発な意見交換が行われ、デジタルディスラプション(デジタル化の波がこれまでのビジネス秩序を覆し破壊すること)が続く中、金融産業で働く労働者にとっての急務の課題に対応するため知見を共有した。

ADB年次総会に合わせ、UNI Apro金融部会が共同フォーラムを開催するのは2回目である。

「ASEAN+3(日本、韓国、中国)におけるデジタル化の仕事、スキル、雇用への傾向」と題する知識共有セッションではまず、ADBの経済開発部のラナ・ハッサン部長から、テクノロジーと仕事に関するADB調査報告書の概要について報告を受けた。続いて、モーテン・クラウセンUNI欧州金融部会規制政策担当が、フィンテックと雇用喪失に関するUNI金融部会アンケートの結果を説明した。

向浦全信連副議長と、ボビー・テイ・シンガポール銀行労組書記長は、日本とシンガポールそれぞれにおけるフィンテックの影響について現状と課題を報告した。

「フィンテックにおける、人工知能を活用したイノベーションのインパクト」と題するセッションでは、インテリジェント・ソリューション&コンサルタンシー社取締役、マノダ・ガマジ博士から基調講演を受けた。このセッションでは、顧客の新たな期待に応える新たなビジネスモデルを開発するプラットフォーム等、人工知能(AI)を活用した銀行・保険会社にとっての新たなビジネスについてのアイデアや提案が議論された。司会を務めたクン・ワルダナUNI Apro ICTS部会担当部長は、「AIで人々のライフスタイルも変化し、金融機関の仕事も変わり、機会も生まれている。イノベーションには、迅速さと創造性、生涯学習の意欲が鍵となる。労働組合として、連帯してベストプラクティスを共有し、社会パートナーとの対話に積極的に関わっていくことが重要だ」とまとめた。

宮井UNI Apro金融部会議長は閉会に際し、ガマジ博士からの「銀行だけでなく個人もイノベーションを受け入れること、AIと人との組み合せで最良の顧客対応ができるはずだ」というメッセージを受け、「一人ひとりが考え、行動を変えていかなければならない。労働組合は組合員のチャレンジを後押しできる環境整備を、会社や行政に働き掛けていく必要がある」とし、「人間に焦点を当てた取組みが今一層求められている」と述べた。


UNI Apro金融部会、金融包摂にデジタル化の活用を

第20回UNI Apro金融部会委員会が、2018年5月2日、フィリピン・マニラで開催され、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポール、スリランカ、ネパールから委員及びオブザーバー、事務局等、24人が出席した。5月3日から開催されるアジア開発銀行(ADB)年次総会に合わせてUNI Apro金融部会委員会が招集され、翌3日には、昨年の横浜に続き、第2回目のUNI Apro金融部会/ADB共同フォーラムが開催される。

開会式では、地元フィリピンの金融労組(NUBE-IFO)を代表し、エクシー委員長が参加者を歓迎した。NUBE(銀行労組)は、デジタル化の進展に合わせ、保険労組や他の金融機関労組も組織するため最近、組織範囲を拡大し、NUBE-IFOへと名称変更を行った。1980年代、銀行にATMが導入された時にも雇用喪失が懸念されたが、今日起きている変化の流れは止めることができない。だからこそ、組合は変化の有り様を管理しなければならず、そのため、金融産業で働くより多くの労働者を結集し、変化にうまく対応するため政労使の議論に積極的に関与していくべきだと訴えた。

ウンUNI Apro地域書記長は、労働組合のイメージを変えることがメーデー生まれの自分のミッションであると強調した。「労働組合は一企業の労働者だけのための組織ではなく、産業及び国を発展させていくことができる建設的な組織であるという理解が、まだ社会に定着していない。」同時に労働者に対しても、「権利があるから組合をつくるのではなく、社会に対する責任があるから組合に入る」という意識を持たせることに取組んできた。「でなければ、単に自分たちの利益を守るためだけの組織になってしまう」と40年に渡り訴え続けてきた。ADB年次総会に合わせて共同フォーラムを開催する意義についても、「職場の労働争議に影響力を行使するだけではなく、国際的課題の戦略を形成する場に労働組合ももっと積極的に参画していかなければならないからだ」と繰り返し強調した。ADBは重要な国際機関であり、開発支援や雇用に関する政策は我々に大きく関係する。

宮井UNI Apro金融部会議長は、「フィンテックの影響にはネガティブな側面とポジティブな側面がある。両方の側面について知見を共有し、職場の課題や社会の様々な課題をフィンテックの活用により解決していく知恵を出し合おう」と述べた。

UNI世界金融部会委員会(サンパウロ)の報告として、宮井議長は、米国の銀行産業で100万人が雇用されているにもかかわらず組合が無いために、弱い立場に置かれた労働者が過剰なノルマを課される他、銀行への批判が起こりにくいことから、様々な問題が発生していると指摘し、「組織化を進めなければ、欧米のみならずUNI Aproでも同じ問題が起こるだろう」と警鐘を鳴らした。

プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長は、世界経済フォーラムが主催した、金融産業におけるデータ保護に関するワークショップの議論を共有した。「選挙で情報操作が行われると政治に影響する。金融産業においてもデータが濫用されると顧客の懐疑心が高まる」と述べ、データ保護をもっと意識すべきだと強調した。

第5回UNI Apro金融部会大会(ジャカルタ)で採択されたUNI Apro金融部会行動計画について、マレーシアのキャサリン委員がASEANにおける取組み計画を説明した。ASEANには多くの金融・銀行労組が存在するが、組合員数が減少しており、特にマレーシア、フィリピン、シンガポールの加盟組合に対し、タイ、ベトナムの労組との関係強化に協力を要請した。タイ、ベトナムの労組との連携を確立した後、リーダー育成を行い、ASEAN銀行労組協議会(ABUC)の再構築を図る計画である。

スリランカには34の銀行があり、うち19銀行しか組織されていない。従業員の平均年齢は低下しており、若年層は組合に対する関心が低い。このような世代を組織化するため戦略を練り直し、従来とは異なる手法での組織化に取組み始めたところである。

保険産業における気候変動及びインシュアテックのインパクトについては、宮井議長が、世界的な異常気象を背景とした日本の保険業界及び労組の取組みを報告すると共に、インシュアテックの実例を紹介した。また、インシュアテックの進展により保険産業の構造や組合員の働き方が大きく変化することが想定される中での労組の取組みについても述べた。


女性役員の育成には共感力が必要!

2018年4月24日、東京で、UNI-LCJ女性ネットワーク会議が開催され、10組織から40人が出席した。

目的は、UNI及びそのアジア太平洋地域組織(UNI Apro)の女性委員会が取組むジェンダー平等促進活動について、理解を深めることと、UNI-LCJ構成組織で活躍する女性役員から経験を聞き、UNI-LCJ構成組織の女性のネットワークを広げることであった。

第1部ではまず、小川UNI Apro機会均等担当部長が、UNI/UNI Aproのジェンダー平等促進活動及び6月のUNI世界女性大会について簡単に紹介した。

続いて、UNI Apro女性委員を務める、杉山真裕子全印刷中央執行委員と、新田真帆損保労連中央執行委員から、昨年11月のUNI Apro女性委員会での議論や出席した感想、組織における女性を含めた役員の育成等についての有益な経験を聞いた。

第2部では、UNI-LCJ構成組織の中央本部で役員を務める、古賀初代印刷労連副中央書記長、高橋桂子生保労連中央副執行委員長、小出真理子全労金書記次長、三木佳世子日放労中央執行委員をパネリストに迎え、組合役員になったきっかけから、ワークライフバランスの秘訣、政府が進める女性活躍推進政策に対する意見、労働組合における女性の参画の進展、更にはデジタル化によって女性労働者の働き方はどう変わるか、まで示唆に富んだ経験や意見を聞いた。また、自らの経験から、組合役員としての苦労や良かった点についても共有し、最後に後輩女性へのアドバイスがあった。

また、UNI世界女性委員会の議長を務める、英国Prospectのデニス・マクガイア委員長から、参加者にビデオメッセージが届いた。冒頭、2010年、長崎でのUNI世界大会に参加した経験を懐かしみ、リバプールでも良い思い出をつくってほしいと述べた。リバプールは「労働組合の街、強い女性の街」であると紹介し、UNI世界女性大会・世界大会で、日本の多くの女性代議員が大会議論に積極的に参加することを期待した。


スリランカの人材育成に貢献するJP労組関東地方本部奨学金

2018年4月、西藤JP労組関東地方本部委員長を団長とし、若手組合役員7人からなる代表団がスリランカ・コロンボを訪問した。

4月20日、現在JP労組関東地方本部から奨学金を受けている第8期の高校生・大学生の家庭を訪問した。奨学生及びその家族(郵便労組組合員)から直接、学校生活や専攻する学問、将来の夢等を聞き、スリランカの郵便局で働く家庭の状況を理解することができた。

21日には、UNI-SLAC(スリランカのUNI加盟組合の協議会)青年委員会・女性委員会との交流プログラムが開催された。元奨学生3人とその家族、ガヤン・ムナウィーラUNI-SLAC議長、奨学金管理委員会メンバーらも出席し、JP労組関東地本の奨学金と長年の支援に対し、感謝の意が示された。JP労組関東地本代表団は、奨学金の意義を実感することができた。

UNI Apro/JP労組関東地本奨学金プロジェクトは、スリランカのUNIに加盟する郵便労組(UPTO及びNPTWU)組合員の子供に奨学金を2年間支給するものである。(高校生は月額4000ルピー、大学生は5000ルピー)昨年、78人の応募があり、オンライン筆記試験及び全国5箇所の郵政研修施設で奨学金管理委員会による面接が行われ、15人が選抜された。奨学生の選考にあたっては、学業成績だけでなく、スポーツや音楽の才能等を含め総合的な人間性が評価の対象となっている。

西藤委員長は、既に7期90人を超える郵便労働者の子供たちが高校・大学で勉強を続け、地域や国の発展に貢献する優秀な人材として活躍していること、また奨学金支給から10年以上が経過し、卒業生たちが社会で活躍していることを喜んだ。

ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長(スリランカ出身)は、奨学金管理委員長として、全逓千葉県連協(当時)からJP労組関東地本に引き継がれ現在に至る長年の支援に感謝した。卒業生は、エンジニア、医師、看護師、教師等、多方面で活躍していると報告した。奨学生とその家族に希望を与えるだけでなく、「労働組合の国際連帯を通じて、スリランカにおける労働組合のイメージが向上し、特に若い世代が労働組合に関心を持つようになった」と、奨学金プロジェクトのインパクトが強調された。UNI-SLAC青年・女性委員会メンバーは、学生に面接を行い、労働組合の社会的貢献や国際連帯について話をするなど、このプロジェクトを側面から支えている。

元奨学生の1人、パムドゥは現在、総合病院で医師として働いている。医学部で学ぶ際の医学書や授業で必要な医療器具の購入に奨学金を充てることができた。「普通の郵便局員の家庭で生まれ、奨学金を得られて幸運にも医者になることができた」と感謝した。大学で講師を務めるミシハラは、両親が公務員であるため国の奨学金を受ける資格が無く、精神的に落ち込んでいたところ、郵便労組を通してこの奨学金制度を知り、奨学金を得ることができた。彼女にとって奨学金は、金銭的支援だけでなく、大きな心の支えとなった。自らの経験から「他者を助ける連帯の重要性」を、学生たちに伝えていきたいと語った。

UNI-SLAC青年・女性委員会メンバーとの交流プログラムでは、英語で自己紹介を行い、スリランカ語の歌や踊り、折鶴の紹介等を通じて文化交流をすると共に、両国の青年・女性活動を共有した。

また、郵政長官を表敬訪問し、中央集配センターを視察することによって、スリランカの郵政事業について理解を深めた。

 


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