UNI Apro金融部会、金融包摂にデジタル化の活用を

第20回UNI Apro金融部会委員会が、2018年5月2日、フィリピン・マニラで開催され、日本、マレーシア、フィリピン、シンガポール、スリランカ、ネパールから委員及びオブザーバー、事務局等、24人が出席した。5月3日から開催されるアジア開発銀行(ADB)年次総会に合わせてUNI Apro金融部会委員会が招集され、翌3日には、昨年の横浜に続き、第2回目のUNI Apro金融部会/ADB共同フォーラムが開催される。

開会式では、地元フィリピンの金融労組(NUBE-IFO)を代表し、エクシー委員長が参加者を歓迎した。NUBE(銀行労組)は、デジタル化の進展に合わせ、保険労組や他の金融機関労組も組織するため最近、組織範囲を拡大し、NUBE-IFOへと名称変更を行った。1980年代、銀行にATMが導入された時にも雇用喪失が懸念されたが、今日起きている変化の流れは止めることができない。だからこそ、組合は変化の有り様を管理しなければならず、そのため、金融産業で働くより多くの労働者を結集し、変化にうまく対応するため政労使の議論に積極的に関与していくべきだと訴えた。

ウンUNI Apro地域書記長は、労働組合のイメージを変えることがメーデー生まれの自分のミッションであると強調した。「労働組合は一企業の労働者だけのための組織ではなく、産業及び国を発展させていくことができる建設的な組織であるという理解が、まだ社会に定着していない。」同時に労働者に対しても、「権利があるから組合をつくるのではなく、社会に対する責任があるから組合に入る」という意識を持たせることに取組んできた。「でなければ、単に自分たちの利益を守るためだけの組織になってしまう」と40年に渡り訴え続けてきた。ADB年次総会に合わせて共同フォーラムを開催する意義についても、「職場の労働争議に影響力を行使するだけではなく、国際的課題の戦略を形成する場に労働組合ももっと積極的に参画していかなければならないからだ」と繰り返し強調した。ADBは重要な国際機関であり、開発支援や雇用に関する政策は我々に大きく関係する。

宮井UNI Apro金融部会議長は、「フィンテックの影響にはネガティブな側面とポジティブな側面がある。両方の側面について知見を共有し、職場の課題や社会の様々な課題をフィンテックの活用により解決していく知恵を出し合おう」と述べた。

UNI世界金融部会委員会(サンパウロ)の報告として、宮井議長は、米国の銀行産業で100万人が雇用されているにもかかわらず組合が無いために、弱い立場に置かれた労働者が過剰なノルマを課される他、銀行への批判が起こりにくいことから、様々な問題が発生していると指摘し、「組織化を進めなければ、欧米のみならずUNI Aproでも同じ問題が起こるだろう」と警鐘を鳴らした。

プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長は、世界経済フォーラムが主催した、金融産業におけるデータ保護に関するワークショップの議論を共有した。「選挙で情報操作が行われると政治に影響する。金融産業においてもデータが濫用されると顧客の懐疑心が高まる」と述べ、データ保護をもっと意識すべきだと強調した。

第5回UNI Apro金融部会大会(ジャカルタ)で採択されたUNI Apro金融部会行動計画について、マレーシアのキャサリン委員がASEANにおける取組み計画を説明した。ASEANには多くの金融・銀行労組が存在するが、組合員数が減少しており、特にマレーシア、フィリピン、シンガポールの加盟組合に対し、タイ、ベトナムの労組との関係強化に協力を要請した。タイ、ベトナムの労組との連携を確立した後、リーダー育成を行い、ASEAN銀行労組協議会(ABUC)の再構築を図る計画である。

スリランカには34の銀行があり、うち19銀行しか組織されていない。従業員の平均年齢は低下しており、若年層は組合に対する関心が低い。このような世代を組織化するため戦略を練り直し、従来とは異なる手法での組織化に取組み始めたところである。

保険産業における気候変動及びインシュアテックのインパクトについては、宮井議長が、世界的な異常気象を背景とした日本の保険業界及び労組の取組みを報告すると共に、インシュアテックの実例を紹介した。また、インシュアテックの進展により保険産業の構造や組合員の働き方が大きく変化することが想定される中での労組の取組みについても述べた。


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