スリランカの人材育成に貢献するJP労組関東地方本部奨学金

2018年4月、西藤JP労組関東地方本部委員長を団長とし、若手組合役員7人からなる代表団がスリランカ・コロンボを訪問した。

4月20日、現在JP労組関東地方本部から奨学金を受けている第8期の高校生・大学生の家庭を訪問した。奨学生及びその家族(郵便労組組合員)から直接、学校生活や専攻する学問、将来の夢等を聞き、スリランカの郵便局で働く家庭の状況を理解することができた。

21日には、UNI-SLAC(スリランカのUNI加盟組合の協議会)青年委員会・女性委員会との交流プログラムが開催された。元奨学生3人とその家族、ガヤン・ムナウィーラUNI-SLAC議長、奨学金管理委員会メンバーらも出席し、JP労組関東地本の奨学金と長年の支援に対し、感謝の意が示された。JP労組関東地本代表団は、奨学金の意義を実感することができた。

UNI Apro/JP労組関東地本奨学金プロジェクトは、スリランカのUNIに加盟する郵便労組(UPTO及びNPTWU)組合員の子供に奨学金を2年間支給するものである。(高校生は月額4000ルピー、大学生は5000ルピー)昨年、78人の応募があり、オンライン筆記試験及び全国5箇所の郵政研修施設で奨学金管理委員会による面接が行われ、15人が選抜された。奨学生の選考にあたっては、学業成績だけでなく、スポーツや音楽の才能等を含め総合的な人間性が評価の対象となっている。

西藤委員長は、既に7期90人を超える郵便労働者の子供たちが高校・大学で勉強を続け、地域や国の発展に貢献する優秀な人材として活躍していること、また奨学金支給から10年以上が経過し、卒業生たちが社会で活躍していることを喜んだ。

ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長(スリランカ出身)は、奨学金管理委員長として、全逓千葉県連協(当時)からJP労組関東地本に引き継がれ現在に至る長年の支援に感謝した。卒業生は、エンジニア、医師、看護師、教師等、多方面で活躍していると報告した。奨学生とその家族に希望を与えるだけでなく、「労働組合の国際連帯を通じて、スリランカにおける労働組合のイメージが向上し、特に若い世代が労働組合に関心を持つようになった」と、奨学金プロジェクトのインパクトが強調された。UNI-SLAC青年・女性委員会メンバーは、学生に面接を行い、労働組合の社会的貢献や国際連帯について話をするなど、このプロジェクトを側面から支えている。

元奨学生の1人、パムドゥは現在、総合病院で医師として働いている。医学部で学ぶ際の医学書や授業で必要な医療器具の購入に奨学金を充てることができた。「普通の郵便局員の家庭で生まれ、奨学金を得られて幸運にも医者になることができた」と感謝した。大学で講師を務めるミシハラは、両親が公務員であるため国の奨学金を受ける資格が無く、精神的に落ち込んでいたところ、郵便労組を通してこの奨学金制度を知り、奨学金を得ることができた。彼女にとって奨学金は、金銭的支援だけでなく、大きな心の支えとなった。自らの経験から「他者を助ける連帯の重要性」を、学生たちに伝えていきたいと語った。

UNI-SLAC青年・女性委員会メンバーとの交流プログラムでは、英語で自己紹介を行い、スリランカ語の歌や踊り、折鶴の紹介等を通じて文化交流をすると共に、両国の青年・女性活動を共有した。

また、郵政長官を表敬訪問し、中央集配センターを視察することによって、スリランカの郵政事業について理解を深めた。

 


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