UNI世界金融部会、ブラジルの民主主義を守る闘いに連帯を表明

UNI世界金融部会委員会が2018年4月5日、開催され、16か国から26人が出席した。今回はベルロファ議長が所属するContraf-CUT大会に合わせて、ブラジル・サンパウロで開催された。UNI Apro金融部会から、宮井議長、プリヤラル担当部長が出席した。

ベルロファ議長は、開会挨拶の中で、ブラジルの労働運動全体が取組んでいる民主主義擁護の闘いについて説明した。ルーラ元大統領は労組出身で、任期中、貧困削減と格差是正に取組み成果をあげた。しかし現在は収賄・資金洗浄等の嫌疑がかけられ、今年10月の大統領選挙に出馬できないようにする動きがある。前日、ブラジル全土のみならず南米中が注目する中、最高裁が同氏に対する人身保護令適用を却下したことで、逮捕され12年の刑に服する可能性が出てきた。ベルロファ議長は、これはブラジルの民主主義に対する攻撃だと懸念し、委員会出席者から次々とブラジルの労働運動への支援が表明された。

組合・コミュニティ・オルグのラーナー氏は、米国における銀行組織化の取組みがなぜ必要か、なぜ米国以外の労働組合の支援が必要かを、「金融労働者の集団行動で生まれる下からの規制」を事例に説明した。20世紀末に経済活動における金融市場や金融機関の重要性が増す中で、銀行の役員報酬が高騰し、レバレッジドバイアウトやプライベートエクイティによる投機的投資が当たり前になり、金融機関はハイリスクでハイリターンを得ることが可能になった。米国の銀行業界は大手6行で支配されており、世界の金融システムにも影響を及ぼす力を持つ。6行で米国のGDPの6割に匹敵する資産を有し、5行で世界の資本市場の7割を占める。大手米銀は規制を回避するようロビー活動を行う政治力と経済力を持つ。一方、中流階級以下の賃金は停滞し、格差は拡大、経済は不安定化し、経済危機を引き起こす結果となった。多くの国で銀行の従業員を代表する組合があり、基本給は高い。リスクの高い商品を押し売りすることなく、責任ある販売を奨励し、労働者と消費者を保護する交渉もできる。米国の銀行には組合が無いため、団体交渉ができず、低賃金で保護が殆ど無く、パフォーマンスは毎日モニターされ、ボーナスやインセンティブは成果に基づき払われる。過度なノルマからくるストレスやプレッシャーも抱えている。そのような中で、ラーナー氏は、「銀行改善委員会」と全米通信労組(CWA)を通じ、ウェルズファーゴとサンタンデール銀行で、顧客に有害かつ威圧的な雇用関係を明るみにした集団行動の成功事例(下からの規制)を挙げた。ウェルズファーゴでは、最高額の罰金を科せられトップが辞任に追いやられたスキャンダルの発覚につながった。スペインに本社があるサンタンデール銀行は米州で広く事業を展開しており、殆どの国に組合はあるが米国やプエルトリコ等には無い。米国サンタンデール銀行従業員は団結し、オートローンの略奪的かつ欺瞞的な販売行為を内部告発した他、中米プエルトリコの経済破綻につながった同行の利益誘導行為と規制逃れの実態を喚起した。ラーナー氏は、「銀行の交渉相手として組合が認知されれば、米国だけでなく、世界の金融システムの安定と、各国経済にプラスの影響を及ぼし得る」とした。団体としての権利が強化され組合があれば、従業員のより良い賃金・労働条件を交渉することができ、従業員は失職を恐れることなく、略奪的な商品の販売、役員の天下り、規制逃れ等、濫用的な行為を内部通報することもできる。南米の委員からは、「これは米国の銀行だけの問題ではない、米国の大手銀行の悪しき慣行が他国に広まらないよう、米国の銀行における組合結成に向け全力で支援していく」との連帯が表明された。

 

各地域報告として、宮井UNI Apro金融部会議長は昨年開催されたUNI Apro金融部会大会の議論の概要を報告し、ブドルフセンUNI欧州金融部会議長は2月に開催されたUNI欧州金融部会大会について報告すると共に、リバプール世界大会動議3「持続可能なグローバル経済のための労働組合」にESGの支持等を含める文言をUNI世界金融部会として追加提案することを提案・説明し、委員会はこれを確認した。

また、2019年に開催予定のUNI世界金融部会大会の開催地・時期について、10月頃、ポーランド・ワルシャワとの提案があった。理由は、政府や使用者が労働者を尊重しない国で奮闘する金融部門の労働者に連帯を示すためである。

4月6日夕方から、第5回Contraf-CUTが開催された。労働組合関係者及びUNI金融部会代表団は6日、逮捕令が出されたルーラ氏が滞在する金属労組本部にかけつけ、同氏を激励した。ルーラ氏は7日に出頭し収監された。UNIをはじめとする国際労働運動とブラジルの加盟組織は、この間一貫してルーラ氏の無罪を主張している。


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