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壊滅的な洪水に見舞われたネパールの人々に連帯

UNI Aproは、現在も続く自然災害により甚大な被害を被っているネパールの人々に対し、心よりお見舞いと連帯の意を表明する。

2024年9月26日以降、降り続く豪雨により洪水や地滑りが広範囲に発生し、200人以上が死亡、さらに多くの負傷者や行方不明者が出ている。

負傷者を助ける医療従事者、地域社会をつなぐ郵便局員、地域社会の安全を守る警備員など、 こうした中でエッセンシャルワークに携わっている労働者が特に懸念される。 この災害はまた、社会的に脆弱な立場にある労働者、特に移民とその家族、非正規労働者が直面する課題を悪化させている。

多くの人々が家を失い、生計を立てられなくなり、農場や事業所は洪水で水没した。工業地帯や地元の市場は、インフラ被害によって閉鎖に追い込まれている。

首都カトマンズと国内各地を結ぶ主要な高速道路を含む道路が封鎖され、交通や通信網に大きな混乱が生じている。プリトヴィ高速道路やトリブバン高速道路を含む主要な道路が地滑りによって寸断され、重要な橋が流されているため、地域社会はさらに孤立し、商業活動が停止している。

3,000人以上が救助されたものの、救助活動が続く中、多くの人々が依然として取り残されている。

UNIとUNI Aproはネパールの人々に連帯し、世界中の仲間と労働運動に対し、この危機の中で労働者が生活を再建し、権利を確保できるよう、支援を呼びかける。


グローバル・ユニオン、イスラエルで働く20万人以上のパレスチナ人労働者の賃金回復を求めてILOに提訴

国際労働機関(ILO)の賃金保護条約について明確な違反があったとして、世界160カ国以上、2億700万人の労働者を代表する10のグローバル・ユニオンが、イスラエル政府を提訴した。この訴状は、イスラエルで雇用されている20万人以上のパレスチナ人労働者の賃金未払いなどの状況を是正・救済するイスラエル当局の義務を強調している。

こうした状況は、司法の救済を受けることができないパレスチナ労働者にとって、多額の収入減、深刻な経済的な不安と困窮、基本的サービスの剥奪、影響を受けた労働者とその家族に広範な苦難をもたらしている。

 ILO憲章第24条に基づいて2024年9月27日に提出されたこの共同提訴は、2023年10月7日のハマスによる攻撃当時、イスラエルで公式または非公式に雇用されていたヨルダン川西岸とガザの20万人以上のパレスチナ人労働者が直面している搾取的な状況を詳述している。こうした労働者は、労働許可証の停止と一方的な契約打ち切りにより、広範に賃金が未払いとなっている。

グローバル・ユニオンの訴えは、ガザとヨルダン川西岸で働く20万人以上の労働者が、10月7日以前に完了した労務に対する賃金を支払われておらず、それ以降も賃金を受け取っていないことを示す証拠に基づいている。ILOの推計によると、正規の労働許可証に基づいてイスラエルで雇用されたパレスチナ人労働者の平均日給は297.30シェケル(79米ドル)だった。原告の推定によると、インフォーマル経済で働く労働者の平均週給は2,100~2,600シェケル(565~700米ドル)であった。1年以上にわたり、パレスチナ人労働者は未払賃金を回収することも、返済義務を清算することもできないでいる。

訴状には、アルファベット順に、国際建設林業労働組合連盟 (BWI)、 教育インターナショナル (EI); インダストリオール・グローバルユニオン、国際ジャーナリスト連盟(IFJ)、国際労働組合総連合(ITUC)、国際運輸労連(ITF)、国際食品関連産業労働組合連合会(IUF)、国際公務労連(PSI)、OECD労働組合諮問委員会(TUAC)、UNIグローバルユニオンの各組織が署名した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「ガザでの残忍な戦争とヨルダン川西岸での暴力の増加に加え、パレスチナの移民労働者は働く能力を奪われ、正当に得た数百万ドルの賃金を奪われている。イスラエル政府が賃金保護に関するILO条約第95号に違反したことで、何十万もの家族が、その多くがすでに不安定な状況に直面しているにもかかわらず、経済的荒廃の瀬戸際に立たされている。この深刻な不公正は、特に戦争・紛争時における国際条約の必要性と、イスラエル国家がILO加盟国としての約束を守る必要性を浮き彫りにしている」と語気を強める。

ルーク・トライアングルITUC書記長は、「今年初めにヨルダン川西岸地区を訪問した際、イスラエルで雇用されているパレスチナ人労働者の家族が経験している経済的困窮を目の当たりにした。今も、働く人々は紛争が続く中で最悪の事態に耐えている。この提訴を通じて我々は、生活苦にあえぐ労働者が切実に求めている未払いの賃金が支払われるようにしたい」と述べた。

アンベト・ユソンBWI書記長は、 「国際法は明確であり、いかなる危機も、戦争でさえも、労働者の労働権の停止や正義の否定を正当化することはできない。パレスチナの労働者の多くはイスラエ ルの建設部門で雇用されており、未払い賃金を受け取る権利がある。我々は、正当な報酬を拒否された何十万人ものパレスチナ人労働者に正義がもたらされ、停戦が実現するまで到底納得できない」とコメントした。

ステファン・コットンITF書記長は、「イスラエルによるヨルダン川西岸地区とガザ地区の不法占拠は、数十年にわたりパレスチナ経済を分裂させ、イスラエルの労働市場への過度の依存を引き起こしてきた。イスラエルで働くパレスチナ人が突然失業し、数十万人が貧困にあえいでいる。イスラエルは国際的な法的義務を遵守し、これらの労働者が賃金を受け取れるようにしなければならない。我々が永続的な和平に向けて努力する中で、イスラエルはパレスチナ人労働者に対する労働市場の再開も検討すべきだ」と主張した。

ダニエル・ベルトッサ PSI書記長は、「賃金未払いは、占領下のパレスチナ労働者が直面している最新の不当な屈辱だ。現在のガザへの砲撃と同様、この状況に正当性はない。これはパレスチナ人民に対する集団的懲罰である」と非難した。

デビッド・エドワーズEI書記長は、「我々は、パレスチナの労働者と揺るぎない連帯を築き、イスラエ ルに対し、国際法上の義務を履行し、支払うべき賃金が支払われるよう求める。さらに、ガザとヨルダン川西岸地区の教師は、2023年11月以降、給与が支払われておらず、壊滅的で非人道的な状況にもかかわらず、生徒のために教壇に立ち続けている。世界中の教育関係者は改めて、即時かつ永続的な停戦、人道援助の安全な受け入れ、すべての人質の無条件解放、パレスチナ人の権利承認、教師と生徒の安全な聖域としての学校の保護を求めていく」と述べた。

アトレ・ホーイ・インダストリオール書記長は「これは重要なILO条約に対する大規模な違反だ。20万人の労働者に賃金が支払われていない状況は、どのような形であれ許されることではない。だからこそ我々はITUCや他のGUFとともに、この提訴を行う」と、述べた。 


OECD技術フォーラムでホフマンUNI書記長「我々の望む未来を形づくるために今、行動を」

OECDの技術フォーラムで、クリスティ・ホフマンUNI書記長が発言した。労働者、労働組合、公正な経済の擁護者は、将来AIの恩恵が広く共有されるよう、いま行動しなければならないと訴え、「歴史と自身の経験の両方を踏まえ、テクノロジーの影響は、労働者がその使用について発言権を持つかどうか、規制や社会環境にかかっている」と指摘した。

パネル討議『Looking Back to Look Forward』(未来を見据えて、過去を振り返る)には、他にアーメド・N・タンタウィ・エジプト通信情報技術省上級顧問、ウェンデル・ウォラック・カーネギー国際問題倫理評議会「AIと平等イニシアチブ」共同ディレクターが参加し、司会はベン・ブレイク・ドイツ連邦デジタル・運輸省デジタル・データ政策局長が務めた。

ホフマンUNI書記長はパネルの中で、まずラッダイト運動を例に挙げて発言した。一般的には進歩の敵として理解されているラッダイト運動だが、実際には機械織機による代替から地域社会の仕事を守ることを目的とした大衆運動であった。この運動が成功しなかった理由の大部分は、労働者が政治的・組織的な力を持っていなかったからである。指導者たちは処刑され、地域社会は荒廃した。賃金は1世紀以上にわたり経済成長に遅れをとった。

しかし1980年代にホフマンUNI書記長自身が働いていた、組織化された工場に数値制御の機械が導入されたとき、同氏の経験はまったく違うものだった。

同書記長は当時を振り返り、「同僚はほとんど男性ばかりで、その多くは仕事のスキルが落ちることを恐れていましたが、私自身は肉体労働から解放されてとても嬉しかった。(…中略…)当時この技術は、今日ではほとんど存在しない状況の中で導入された。特に、UNIが代表する多くの部門を含め、AIの影響を最も受けそうな労働者にとって、状況はこれと同じではではない。私には組合があり、安全性に対するリスク、雇用保障への影響、OJTの必要性などについて交渉することができた。新しい機械が仕事を自動化するわけではないので、機械によって雇用が代替されることへの不安はなかった。機械は私の能力を高めてくれるものであり、生産性が上がれば、同僚や私の賃金も上がる。つまりこの技術をうまく導入させるたくさんの理由があり、実際、私は交渉委員会のメンバーに選ばれ、1982年に初めて新技術条項について交渉を行った。(…中略…)今日、どこの国の労働者もAIに取って代わられるのではないかと恐れている。使用者がAIによって生産性が大幅に向上すると公然と喧伝しているからだ。そして、ほとんどの労働者は集団で声を上げることができないでいる」と指摘した。

そして次のように続けた。
「労働者や社会全体は、長い目で見ればテクノロジーから常に恩恵を受けていると言われている。しかし我々は、長い道のりは実に長く、その過程で計り知れない苦しみや技術の誤用が生じ、深く取り返しのつかない損害をもたらす可能性があることを知っている。だが、苦難は避けられないものではない。我々は、労働者の尊厳とまっとうな生活を可能にする共有の利益を最大化するよう、技術の使用を形作っていくことができる。(…中略…)つまり、自動化するのではなく、我々は人間の能力を増大させるテクノロジーを支持しなければならないということだ。 AIに取って代わられる仕事にかわる、新たな仕事を生み出すテクノロジーだ。これは、資本所得に対する税金などによって賄われる賃金補助のような直接的介入を含め、多くの方法で実行可能だ。我々は、企業が労働者をリスキリングまたはスキルアップするためのインセンティブを提供しなければならないのであり、そうすることで、雇用を維持するインセンティブを高めることができる。(…中略…)例えば、共同決定や部門別交渉を通じて、団体交渉の障壁を下げ、テクノロジーの導入前に労働者代表との協議を義務付けるなど、組合結成を促進する労働政策が必要だ。これによって組合は、メンタルヘルスを含む安全衛生をめぐる交渉や、一部の業務が廃止されても他の業務を追加できるような職務の再編成、生産性向上による利益の公正な配分を交渉することができるようになる。我々は短期的な変化を過大評価しているが、職場における長期的な影響や、我々が何もしなければ富と権力のシフトが起こることを過小評価している。だから、5年後であろうと25年後であろうと、我々が望む経済社会を構築するために、我々は今、未来を形作るための取組みを始めなければならない」


UNI、イスラエルのゼネストを支持

ガザで拘束されている人質を解放する取引に向けてイスラエル政府を動かすことを期待し、イスラエル労働総同盟(ヒスタドルート)がイスラエル経済を停止させるゼネストを呼びかけた。UNIはこの動きを歓迎する。

2024年9月2日のストライキ発表の中で、ヒスタドルートのアーノン・バー=ダビッド議長は、「一般市民は無関心でいることなく、街頭に出よう」と呼びかけた。そして「これは右か左かの問題ではなく、生と死の問題だ。治安当局の責任者全員がこの取り決めを支持しており、人質を帰国させるのは政府の責任だ。我々の子どもたちが、狭い思考や利害のために帰国しないということは到底ありえない」と付言した。

また、国中の労働者を襲っている経済危機の拡大に警鐘を鳴らし、「インフレが止まらない。イスラエル中央銀行はシェケル安を警告している。イスラエルの信用格付けがマイナスの見通しで下がっている。来年度予算についての協議がいまだに始まっていない。赤字が深刻化している。連立政権がそれのさらなる拡大を要求している。こうした憂慮すべきシグナルがすでに出ているのだ」と訴えた。

UNIはこの危機が始まって以来、ガザでの戦争を終結させ、パレスチナ人の主権と自決も保証する公正で持続可能な和平への第一歩として、停戦と全人質の即時無条件解放を要求してきた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「全国的なストライキを呼びかけることで、ヒスタドルートの組合とイスラエルの労働者は非常に大きな重要な一歩を踏み出した。もうたくさんだ。停戦はもうずっと長いこと求められてきた。ネタニヤフ首相には、イスラエルの労働者の声に耳を傾け、いまだ拘束されている人質の家族の声に耳を傾け、国際社会の声に耳を傾け、合意に達するよう強く求める」と語気を強めた。


バングラデシュ情勢に関するUNI声明

UNIはバングラデシュで展開されている状況について警戒と懸念を強め注視している。我々は加盟組織と連絡を取り合い、労働者と家族の安全と幸せを最優先事項としている。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は「変革を求める人々の正当な声に対する前政権の残忍な対応を非難する」とし、「何百人ものデモ参加者が暴力によって死亡したことについて、その責任者が責任を問われることを求める。遺族に正義の裁きが下るよう、殺害に対する完全かつ独立した調査が行われなければならない」と語気を強める。

国際的な人権・労働基準に基づき、バングラデシュ国民の市民的自由を十分に尊重した上で、平和的デモ参加者の保護と安全が保証されなければならない。

アルケ・べシガーUNI副書記長は、「使用者は労働者に対する責任を果たす必要がある。 給与が支払われ、職場への往復という現実的な問題を含め、労働者の健康と安全が守られなければならない」とコメントし、「今は非常に憂慮すべき時だが、労働者の権利が守られ、労働組合が尊重される未来のバングラデシュには希望がある。我々は引き続き加盟組織に支援・連帯し、バングラデシュの平和で民主的な、より良い未来を築くための取組みにおいて、加盟組織と協力していく」と述べた。

UNIは、バングラデシュで新政府を樹立する人々に対し、労働組合との積極的な関与を求める。必要な改革と再建のプロセスにおいて、労働組合の声は極めて重要である。


広島を忘れない:核兵器のない世界を

広島への原爆投下から世界が79年を迎える今週、UNIは1945年に失われた14万人の命に思いをはせ、放射線と心的外傷の永続的な影響について考える。

世界情勢が不安定化する中、 UNIは、核兵器のない世界を実現するための新たな取組みを呼びかけている。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は「我々は、この厳粛な原爆の日に、命を落とした人々や永続的な苦しみを被った人々を追悼する。このような兵器が二度と使われることのないようにしなければならない」と述べ、「特にウクライナやガザでの戦争によって、世界が混乱と核の脅威に直面する中、平和と世界中の核兵器の廃絶を求める声は、これまで以上に緊急性を増している」と指摘した。

UNIは、核兵器の存在が人権と相容れないことを強調し、核兵器廃絶を長年にわたって提唱してきた。核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のメンバーとして、UNIは世界レベルの軍縮を支持し続けている。

アチャリャ地域書記長は、「我々の地域、そして世界中の安全で民主的な未来には平和が必要であり、それは核兵器の脅威によって損なわれている」と付言し、「この一週間は、追悼し、振り返り、そして被爆した家族に連帯する時だ」と訴えた。

UNI世界大会が2010年に長崎で開催されて以来、UNIは長崎市や国際平和運動との結びつきを強め、核兵器のない未来の必要性を強調してきた。


ITUC グローバル権利指数:攻撃に晒される民主的価値と労働者の権利

2024年6月に発表されたITUCのグローバル権利指数は、民主的価値と基本的権利が国際レベルで崩壊しつつあることに、緊急の警鐘を鳴らしている。

この報告書は、ILO条約や法理論から抽出された労働者の権利尊重に関する97の指標リストに対して、151か国をランク付けしている。今年版は、労働組合を組織する権利や団体交渉を行う権利など、民主主義の本質を支える基本的権利について、政府や企業が踏みにじろうとする動きが強まっていることを示している。

ルーク・トライアングルITUC書記長は、「この11年間、この指数は世界のあらゆる地域で労働者の権利が急速に低下していることを明らかにしてきた。労働者は民主主義の心臓部であり、労働者が声をあげる権利は、民主主義制度の健全性と持続可能性にとって極めて重要である。労働者の権利が侵害されれば、民主主義そのものが攻撃されているということだ。民主主義、労働組合、労働者の権利は一体であり、どれか一つでも欠けたら、他方は成立しない」と危機感を表明した。

主な調査結果は以下の通り:
●言論および集会の自由は43%の国で制限されている。
●74%の国が労働組合の登録を妨げている。
●74か国で労働者が拘束・逮捕された。
●ストライキ権は87%の国で侵害された。
●75%の国で労働者は労働組合を結成したり、加入したりする権利を否定された。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この新しいグローバル権利指数は、労働者の権利尊重に関して、我々が前進しているのではなく、むしろ逆であることを示している。これらの権利はますます損なわれ、完全に見捨てられてすらいる。あまりにも多くの国が、団結権について口先だけ甘いことを言っているが、権利を守るために何も実行していない。労働者が直面する問題は、常態化した組合潰しから暴力、さらには労働組合員の殺害まで多岐にわたる。これは世界的な恥辱であり、企業の自主的な社会的責任プログラムやチャリティが意味をなさないことを示している。グローバルなルールが必要なのだ」と語気を強めた。


「私たちの国は売り物ではない」UNI、アルゼンチンの5月9日ゼネストを支援

アルゼンチンのUNI加盟組織が、アルゼンチン労働総同盟(CGT)が呼びかける2024年5月9日の全国ゼネストに参加する。多数のスト参加者が、緊急の賃上げ、あらゆる労働者のための自由な労働組合、国営企業の民営化反対を求めて結集する。

今回のストライキは、ハビエル・ミレイ政権が労働組合に加入する権利や団結権といった労働者の権利に対する攻撃を開始したことに対する反撃だ。アルゼンチンの労働組合は、これらの権利は国の歴史を通じて民主主義の礎となっていると指摘している。

ストライキは世界中で支持を集めている。2024年5月上旬にUNI世界運営委員会は、全会一致でゼネストへの連帯と支持を表明し、同政権について「何百万人もの人々を飢餓と日々の悲惨に導く、最も弱い立場にある人々の権利を攻撃することだけに集中している」と批判し、「組織化された労働者とその労働組合は、他の多くの市民社会組織と連携し、ミレイ政権の破壊計画に対する抵抗の先頭に立っている。 代替案が可能であることを示す法的・政治的行動をとるとともに、持続的かつ献身的な組合行動をとっている」と続けた。

ヘクター・デールUNI米州会長(CGT書記長)は、「CGTが呼びかけたゼネストは、社会正義もなく、労働組合も団体協約もない不平等モデルへの歴史的変化を強化しようとする政府の試みに対する強力な対抗措置だ」と訴えた。

政権初期に、同大統領は国家解体を目的とした300もの改革を、必要性・緊急性の法令によって押し付けようとした。この一連の改革は、経済を無差別に開放し、国の社会保護の法的構造を変えようとするものだった。労働運動は、まず法廷で、次に街頭で、この法令の労働に関わる章を廃止することに成功した。

2023年12月の政権発足以来、ミレイ政権は言論の自由を制限する明確な政策をとっており、ソーシャルネットワークや関連メディアを利用して、自らの行動に対する批判を締め上げている。

UNIと加盟組織は、公共メディアを擁護するキャンペーンを開始した。アルゼンチン議会が、可決されれば政府が公共メディア組織に対して措置を講じることを許可する法律を検討し始めたからである。

UNIはアルゼンチンの労働運動と全面的に連帯し、世界中の多くの労働組合の模範となっている労働組合主義を擁護する。


メーデーによせて:右翼過激派を撃退し、平等を促進し、民主主義を前進させよう

クリスティ・ホフマンUNI書記長が、2024年のメーデーに以下のメッセージを発信する。

労働組合は今日、反撃と前進を勝ち取るため街頭に繰り出す。我々は今日、労働者が社会の中で力を勝ち取るべく団結する重要性について祝福する。そして、我々の権利を剥奪し、生活水準を低下させ、民主主義を破壊しようとする右翼アジェンダの台頭にも反撃する。

世界の3,000人の億万長者が2020年以降34%も富を増やしている一方で、労働者の権利はあらゆる尺度で後退している。インフレは労働者の賃金を大きく奪い、公的支出の削減は貧困削減を停滞させている。政府に対する信頼が急落し、それに伴って民主主義に対する信頼が低下しているのも不思議ではない。

あまりにも多くの労働者が現状への怒りに駆られ、民主主義の価値観を共有せず、生活水準の低下を「よそ者」のせいにし、人種差別やナショナリズムの炎をあおることを好む、欺瞞に満ちた政治指導者を受け入れている。女性やLGBTQ+コミュニティの権利も同様に攻撃を受けている。

しかし右翼勢力は、労働組合員による動員と反撃、民主主義を取り戻すための力と決意を過小評価すべきではない。 例えばアルゼンチンでは、極右指導者ミレイが、まず労働組合を破壊しなければ痛みを伴う「改革」を実施できないと決定した。以来、何十万人もの労働者がゼネストに参加しており、ミレイ政権はあらゆる場面で抵抗に直面するだろう。

我々は、組合が民主的な職場にとって不可欠であることを知っている。労働組合は、職場における使用者の権力をチェックする重要な役割を担っている。アマゾンの労働者がよく言うように、労働組合は、労働者がロボットとしてではなく、人間として扱われるようにすることを保証しているのだ。

しかし、労働組合が行うのは賃金や労働条件の交渉だけではない。組合は教育し、動員する。そして今、それがこれ以上ないほど重要なのだ。世界経済フォーラムは、誤った情報が我々の未来と民主主義に対する世界的リスクのトップであると指摘した。労働者が自らの尊厳が剥奪されつつあると感じはじめると、誤った物語は助長されてしまうのだ。我々は、経済的圧力が人種、国、宗教に沿った亀裂を広げ、人々が富裕層や権力者ではなく、移民やマイノリティをスケープゴートにして政策を決定することを知っている。

組合は包摂性を擁護し、尊厳を守り、地域社会全体の経済的公平性を強化する。労働組合は、人種的怨恨や外国人排斥が高まりがちなコミュニティにおいて連帯を育んでいる。

だからこそ、このメーデーに労働組合として取組むべきことは、職場の権利を守ることだけではない。我々はコミュニティにおける正義を前進させるために闘わなければならない。我々は運動を組織化し、成長させることによって、そして民主主義を求める闘いを共有することによって、それを実現していく。

だから今日、街頭や組合の集会で結集しよう。使用者や議員に、労働者の声に耳を傾けるよう要求しよう。民主主義は投票で終わるものではなく、そこから始まるのだということを示そう。


欧州の労働組合、ミャンマーにおける徴用反対をEUに要請

2024年 2月10日、ミャンマーの軍事政権が徴兵制の開始を発表した。欧州労働組合連盟(ETUC)とUNI欧州をはじめとする欧州の労働組合組織は、この衝撃的な発表に全面的に反対している。ミャンマーの労働者・労働組合とその国際的な労働組合を代表し、3月1日に送付した書簡の中で、EU加盟国に対し「可能な限り早期にEUの緊急行動に合意する」よう求めた。

軍事政権の発表は、すでに3年以上にわたって軍政の恐怖支配下で暮らしてきたミャンマーの労働者や市民の生活をさらに危険にさらすものだ。現地からの報告は憂慮すべきものだ。すでに工業地帯の近くのホステルや、大都市や村の家族の家に住んでいる若い労働者たちは、すべての村や町で軍や民兵による誘拐や逮捕の危険にさらされている。1,300万人以上の若者が、軍政の国家行政評議会(SAC)地方当局によって連れ去られ、運搬役として、あるいは民主化勢力との戦闘の最前線で使われる可能性があるのだ。

政権が18~35歳の男性と18~27歳の女性を特定するために従業員データを使用するとの報道もあり、従業員データが使用されるのを阻止し、すべてのプロセスを停止させ、ミャンマーに民主主義を取り戻すためには、緊急の行動が必要である。

書簡では次のように記されている。「これまでの国際社会の対応は、十分とは言い難く、軍事政権は実際に引き起こされる影響を恐れることなく、労働者や市民に対する虐待を続けるだろう。この絶望的な状況に終止符を打たねばならず、我々はEUに対し、強制労働に等しい軍事政権による労働者と市民への虐待を止めるよう求める」

EUの緊急行動が必要
署名者であるETUC、UNI欧州、インダストリオール・ヨーロッパ、EPSU、EFBWW、EFJ、EFFAT、ETFは、以下の行動によって「すべてのEU加盟国に対し、軍事政権によるこの最近の行為に全面的に反対し、政権を標的にすることを目的とした緊急行動をとるよう要請」している。
●欧州理事会および欧州対外行動局が、この発表に最も強い言葉で公に反対を示すこと。
●EUは可能な限り早急に、以下の企業への優先制裁を含め、さらなる制裁を課すこと。銀行・保険部門、ジェット燃料、軍事政権の州および地域の首長、軍事政権の幹部とその家族が所有する企業の役員、軍事統制下にある企業の役員で、まだ制裁対象者リストに含まれていないもの、およびMEHLや海運会社のミャンマーファイブスター・ライン等に代わって石油を輸入・販売するグループ会社シュエビャインピュー等の企業。
●カンボジアで決定されたように、深刻な人権侵害を考慮し、EUのEBA 協定(Everything But Arms =武器以外の全て) 協定の下で適用されている特恵貿易関税を撤回すること。
●今なおミャンマーで操業しているEUのブランド企業や工場は、軍事政権と結託せず、従業員の身元を守り、SMART IDスキームを通じて得た情報を共有しないこと。さらに、EUのブランド企業は、従業員が誘拐されたり、深夜に帰宅途中に軍隊に強制連行されたりするリスクを軽減するため、こうした事例が現地で報告されている現在の状況下において、サプライヤーに対しては従業員に残業を課さないよう要求しなければならない。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「EU加盟国は、すでに3年間も軍事政権によるひどい虐待を受けてきたミャンマーの人々のために立ち上がらり、ミャンマーにおける強制徴用を終わらせなければならない」とコメントした。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「ミャンマーの若い労働者は、強制徴用のために軍や民兵による誘拐や逮捕の危険にさらされている。EU加盟国は、このような慣行を終わらせるため、軍事政権に対して持っている手段を駆使するべき」と訴えた。


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