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「私たちの国は売り物ではない」UNI、アルゼンチンの5月9日ゼネストを支援

アルゼンチンのUNI加盟組織が、アルゼンチン労働総同盟(CGT)が呼びかける2024年5月9日の全国ゼネストに参加する。多数のスト参加者が、緊急の賃上げ、あらゆる労働者のための自由な労働組合、国営企業の民営化反対を求めて結集する。

今回のストライキは、ハビエル・ミレイ政権が労働組合に加入する権利や団結権といった労働者の権利に対する攻撃を開始したことに対する反撃だ。アルゼンチンの労働組合は、これらの権利は国の歴史を通じて民主主義の礎となっていると指摘している。

ストライキは世界中で支持を集めている。2024年5月上旬にUNI世界運営委員会は、全会一致でゼネストへの連帯と支持を表明し、同政権について「何百万人もの人々を飢餓と日々の悲惨に導く、最も弱い立場にある人々の権利を攻撃することだけに集中している」と批判し、「組織化された労働者とその労働組合は、他の多くの市民社会組織と連携し、ミレイ政権の破壊計画に対する抵抗の先頭に立っている。 代替案が可能であることを示す法的・政治的行動をとるとともに、持続的かつ献身的な組合行動をとっている」と続けた。

ヘクター・デールUNI米州会長(CGT書記長)は、「CGTが呼びかけたゼネストは、社会正義もなく、労働組合も団体協約もない不平等モデルへの歴史的変化を強化しようとする政府の試みに対する強力な対抗措置だ」と訴えた。

政権初期に、同大統領は国家解体を目的とした300もの改革を、必要性・緊急性の法令によって押し付けようとした。この一連の改革は、経済を無差別に開放し、国の社会保護の法的構造を変えようとするものだった。労働運動は、まず法廷で、次に街頭で、この法令の労働に関わる章を廃止することに成功した。

2023年12月の政権発足以来、ミレイ政権は言論の自由を制限する明確な政策をとっており、ソーシャルネットワークや関連メディアを利用して、自らの行動に対する批判を締め上げている。

UNIと加盟組織は、公共メディアを擁護するキャンペーンを開始した。アルゼンチン議会が、可決されれば政府が公共メディア組織に対して措置を講じることを許可する法律を検討し始めたからである。

UNIはアルゼンチンの労働運動と全面的に連帯し、世界中の多くの労働組合の模範となっている労働組合主義を擁護する。


メーデーによせて:右翼過激派を撃退し、平等を促進し、民主主義を前進させよう

クリスティ・ホフマンUNI書記長が、2024年のメーデーに以下のメッセージを発信する。

労働組合は今日、反撃と前進を勝ち取るため街頭に繰り出す。我々は今日、労働者が社会の中で力を勝ち取るべく団結する重要性について祝福する。そして、我々の権利を剥奪し、生活水準を低下させ、民主主義を破壊しようとする右翼アジェンダの台頭にも反撃する。

世界の3,000人の億万長者が2020年以降34%も富を増やしている一方で、労働者の権利はあらゆる尺度で後退している。インフレは労働者の賃金を大きく奪い、公的支出の削減は貧困削減を停滞させている。政府に対する信頼が急落し、それに伴って民主主義に対する信頼が低下しているのも不思議ではない。

あまりにも多くの労働者が現状への怒りに駆られ、民主主義の価値観を共有せず、生活水準の低下を「よそ者」のせいにし、人種差別やナショナリズムの炎をあおることを好む、欺瞞に満ちた政治指導者を受け入れている。女性やLGBTQ+コミュニティの権利も同様に攻撃を受けている。

しかし右翼勢力は、労働組合員による動員と反撃、民主主義を取り戻すための力と決意を過小評価すべきではない。 例えばアルゼンチンでは、極右指導者ミレイが、まず労働組合を破壊しなければ痛みを伴う「改革」を実施できないと決定した。以来、何十万人もの労働者がゼネストに参加しており、ミレイ政権はあらゆる場面で抵抗に直面するだろう。

我々は、組合が民主的な職場にとって不可欠であることを知っている。労働組合は、職場における使用者の権力をチェックする重要な役割を担っている。アマゾンの労働者がよく言うように、労働組合は、労働者がロボットとしてではなく、人間として扱われるようにすることを保証しているのだ。

しかし、労働組合が行うのは賃金や労働条件の交渉だけではない。組合は教育し、動員する。そして今、それがこれ以上ないほど重要なのだ。世界経済フォーラムは、誤った情報が我々の未来と民主主義に対する世界的リスクのトップであると指摘した。労働者が自らの尊厳が剥奪されつつあると感じはじめると、誤った物語は助長されてしまうのだ。我々は、経済的圧力が人種、国、宗教に沿った亀裂を広げ、人々が富裕層や権力者ではなく、移民やマイノリティをスケープゴートにして政策を決定することを知っている。

組合は包摂性を擁護し、尊厳を守り、地域社会全体の経済的公平性を強化する。労働組合は、人種的怨恨や外国人排斥が高まりがちなコミュニティにおいて連帯を育んでいる。

だからこそ、このメーデーに労働組合として取組むべきことは、職場の権利を守ることだけではない。我々はコミュニティにおける正義を前進させるために闘わなければならない。我々は運動を組織化し、成長させることによって、そして民主主義を求める闘いを共有することによって、それを実現していく。

だから今日、街頭や組合の集会で結集しよう。使用者や議員に、労働者の声に耳を傾けるよう要求しよう。民主主義は投票で終わるものではなく、そこから始まるのだということを示そう。


欧州の労働組合、ミャンマーにおける徴用反対をEUに要請

2024年 2月10日、ミャンマーの軍事政権が徴兵制の開始を発表した。欧州労働組合連盟(ETUC)とUNI欧州をはじめとする欧州の労働組合組織は、この衝撃的な発表に全面的に反対している。ミャンマーの労働者・労働組合とその国際的な労働組合を代表し、3月1日に送付した書簡の中で、EU加盟国に対し「可能な限り早期にEUの緊急行動に合意する」よう求めた。

軍事政権の発表は、すでに3年以上にわたって軍政の恐怖支配下で暮らしてきたミャンマーの労働者や市民の生活をさらに危険にさらすものだ。現地からの報告は憂慮すべきものだ。すでに工業地帯の近くのホステルや、大都市や村の家族の家に住んでいる若い労働者たちは、すべての村や町で軍や民兵による誘拐や逮捕の危険にさらされている。1,300万人以上の若者が、軍政の国家行政評議会(SAC)地方当局によって連れ去られ、運搬役として、あるいは民主化勢力との戦闘の最前線で使われる可能性があるのだ。

政権が18~35歳の男性と18~27歳の女性を特定するために従業員データを使用するとの報道もあり、従業員データが使用されるのを阻止し、すべてのプロセスを停止させ、ミャンマーに民主主義を取り戻すためには、緊急の行動が必要である。

書簡では次のように記されている。「これまでの国際社会の対応は、十分とは言い難く、軍事政権は実際に引き起こされる影響を恐れることなく、労働者や市民に対する虐待を続けるだろう。この絶望的な状況に終止符を打たねばならず、我々はEUに対し、強制労働に等しい軍事政権による労働者と市民への虐待を止めるよう求める」

EUの緊急行動が必要
署名者であるETUC、UNI欧州、インダストリオール・ヨーロッパ、EPSU、EFBWW、EFJ、EFFAT、ETFは、以下の行動によって「すべてのEU加盟国に対し、軍事政権によるこの最近の行為に全面的に反対し、政権を標的にすることを目的とした緊急行動をとるよう要請」している。
●欧州理事会および欧州対外行動局が、この発表に最も強い言葉で公に反対を示すこと。
●EUは可能な限り早急に、以下の企業への優先制裁を含め、さらなる制裁を課すこと。銀行・保険部門、ジェット燃料、軍事政権の州および地域の首長、軍事政権の幹部とその家族が所有する企業の役員、軍事統制下にある企業の役員で、まだ制裁対象者リストに含まれていないもの、およびMEHLや海運会社のミャンマーファイブスター・ライン等に代わって石油を輸入・販売するグループ会社シュエビャインピュー等の企業。
●カンボジアで決定されたように、深刻な人権侵害を考慮し、EUのEBA 協定(Everything But Arms =武器以外の全て) 協定の下で適用されている特恵貿易関税を撤回すること。
●今なおミャンマーで操業しているEUのブランド企業や工場は、軍事政権と結託せず、従業員の身元を守り、SMART IDスキームを通じて得た情報を共有しないこと。さらに、EUのブランド企業は、従業員が誘拐されたり、深夜に帰宅途中に軍隊に強制連行されたりするリスクを軽減するため、こうした事例が現地で報告されている現在の状況下において、サプライヤーに対しては従業員に残業を課さないよう要求しなければならない。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「EU加盟国は、すでに3年間も軍事政権によるひどい虐待を受けてきたミャンマーの人々のために立ち上がらり、ミャンマーにおける強制徴用を終わらせなければならない」とコメントした。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「ミャンマーの若い労働者は、強制徴用のために軍や民兵による誘拐や逮捕の危険にさらされている。EU加盟国は、このような慣行を終わらせるため、軍事政権に対して持っている手段を駆使するべき」と訴えた。


もうひとつの世界は可能だ:ネパールで開催の世界社会フォーラムでラジェンドラ地域書記長がスピーチ

2024年2月15日、UNI Aproと加盟組織が、世界社会フォーラム(WSF)の期間中、社会保障、万人のためのジェンダー平等、ディーセント・ワーク、そして国内、地域、世界レベルでの連帯強化を求め、連帯行進を組織した。ネパールのカトマンズの路上で行われた行進には、22加盟組織から300人を超える組合役員が参加した。

続いて、「変化する現在の仕事の世界における社会正義に向けた、人間中心経済の醸成」をテーマとするパネル・ディスカッションが行われた。ディスカッションでは、労働者のために職場における人間的価値観をはぐくみ、すべての人のためのディーセント・ワークを目指して共に立ち上がることの重要性が強調され、様々な加盟組織の代表がそれぞれの見識を共有した。

NTUCのガネーシュ氏は、労働者の権利擁護における組合の重要な役割を強調し、GEFONTのシタ・ラマ氏は、健全なワークライフ・バランスの実現と、すべての労働者の社会保障適用を確保する必要性を訴えた。ANTUFのダン氏は、新自由主義がもたらす課題について話し、より公平な資源配分を求めた。また、包摂的な議論を促進するため、ネパール労働フォーラムの設立を提案した。トリブバン大学のラジブ・ティムシナ氏は、労働者福祉に取組む重要性を説いた。

ティラク・カドカUNI Apro職員は、公正な賃金を確保するための資本戦略や団体協約などの戦略について議論し、シャンカール・ラミッチャン氏は、地域、国、世界レベルで労働者の意識を高め、連帯を育むことの重要性を強調した。このセッションの司会を務めたプラナブ・カレル氏は、今日の不透明な時代に労働組合が直面している障壁を認めつつも、労働組合の適応能力と労働者の権利を擁護する能力について、楽観的な姿勢を崩さなかった。セッションには世界中の労働組合から100人以上が参加し、職場における社会正義の推進に対する世界的な関心を反映した。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、別のパネルディスカッションの中で講演し、「労働者が団結すれば、誰もが勝利する。労働組合に加入することは、賃上げ、社会保障、適正な労働条件を求めて闘うの上で役に立つ。強力な組合は、労働者にとっても使用者にとっても、より良い保護とより多くの利益を意味する。我々は今、気候変動、人工知能、新しいテクノロジー、世界的な健康危機、絶えず変化する仕事の世界と、様々な課題に取組んでいる。新たな世代の労働者の組織化において、連帯して取組む必要がある」と訴えた。

5日間にわたりネパールで開催されたWSFは、世界中から 5 万人以上の参加者を集め、98 か国から 1,400 を超える労働組合、組織、市民社会、利害関係者が、オンラインと対面で参加した。毎年、世界社会フォーラムは、労働組合がテーマに沿った討論を主催し、活動を組織し、文化的なイベントを行う環境を整えており、こうしたイベントは、ネットワークの構築と連携、そして公正で持続可能な未来の創造に関する対話を奨励することを目的としている。


UNI青年ワークショップ:持続可能な未来の構築に向けて

2024年2月下旬、スイス・ニヨンのUNI本部で、UNI世界青年委員会が『持続可能な未来を構築しよう』をテーマに掲げたワークショップを開催し、世界中から約60人の若年労働者と労働組合活動家が集まった。若年労働者の声は、組合が協力して気候危機に取組む方法を形づくる上で、極めて重要な役割を果たしていくことになる。

このワークショップは、教育制度における交流とモビリティ促進を目指すスイスの機関Movetiaの支援を受けて行われた。

31か国、11の異なる部会から43労組が参加し、若者が気候変動とその生活・生計への影響について議論した。

マルタ・オチョアUNI世界青年委員会担当局長は、「労働組合として、我々には団体交渉、スト権、平等権、環境権など、労働者の権利のために闘う責任がある」と述べ、「これはもはや単なる重要な問題のひとつではなく、あらゆるレベルで協調行動を求める絶対的に緊急な問題。このワークショップは、若い労働者に力を与え、持続可能な未来を提唱するためのツールと知識を身につけさせることを目指している」と、今回のワークショップの意義を強調した。

3日間にわたる熱心な討議を通じて、参加者は性別、階級、年齢、国籍に関係なく、気候変動が世界的にどのような影響を及ぼしているかを探った。

ワークショップの初日に参加者は、自然および人間社会のシステムに与える深刻な影響から、気候変動に対する不作為の影響、世界の北と南に存在する格差にいたるまで、気候変動の基礎的な部分について議論した。

2日目には、参加者それぞれの部会における気候変動の具体的な影響に焦点を当て、雇用における課題から、職場における緩和策と適応策の検討までが議論が白熱した。

最終日には、実行可能なステップに関心が向けられた。参加者は、フィラデルフィアで採択されたUNI世界大会の決議に注目し、決議を具体的な実行に移すために、労働組合がどのように対策を効果的に実施できるかを計画した。

フィラデルフィアで開催されたUNI世界大会で、気候変動に関するパネルで司会を務めた後、ワークショップ参加者の一人であるセネガルのママドゥ・ンディアイェ氏は、自国で行動を起こすことを決意した。ダカールでプラスチックごみと汚染の問題に取組むため、フィットネスとエコロジー活動を組み合わせたEcofitの取組みを開始したのだ。

「私の働くICT産業では、多くの汚染を生んでいるということをワークショップで学んだ。私の働いている会社ソナテルにはCSRプログラムがあるが、もっと多くのことが必要(…中略…)地域社会を改善し、変化をもたらすために、すでに行っている小さな行動だけでなく、大局的な行動を推し進める必要がある」と述べ、「セネガルに戻ったら、経営陣との直接、交渉を行っている書記長に会い、気候危機に取組むために、ここで学んだ教訓のいくつかを実行に移すよう、働きかけるていく」と力強く語った。

ワークショップを終えた参加者は、より持続可能なより良い未来のために行動する決意を新たにした。


第25回UNI-LCJ年次総会、記念講演及びレセプションを開催

2024年2月16日(木)、第25回UNI-LCJ年次総会が東京で開催され、各加盟組織より運営委員、総会代議員、オブザーバー等約70人が出席した。

冒頭で石川幸德UNI-LCJ議長は、「国際労働運動において日本の労働組合が果たせる役割を常に意識し、この変化の激しい時代に世界中の働く仲間のネットワークを活用し、先見性ある柔軟な対応ができるよう、今後の活動を進めていきたい」と決意を表した。

その後、2023年度の活動報告、会計および監査報告が承認され、2024年度の活動計画及び予算が承認された。

続いて開催された記念講演には、UNI本部よりアルケ・ベシガーUNI副書記長、UNI Aproよりラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長が来賓として出席した。

ベシガーUNI副書記長は、欧州における人権デュー・ディリジェンス(HRDD)の法制化の現状を中心に共有するとともに、HRDDに関するスタッフ研修やグローバル枠組み協定への組み込みを強化していくと述べた。さらに、バングラデシュで始まった 繊維・衣料産業の安全衛生に関する国際協定「国際アコード」の取組みについて、結社の自由や苦情処理メカニズムを含め労働者の人権を強化する形で拡大していくとを報告した。

アチャリャUNI Apro地域書記長は、UNI Aproの優先課題として社会パートナーシップと対話促進、デジタル時代のディーセントワーク、平和、民主主義、人権状況などを挙げた。また、2024年11月下旬にタイ・バンコクで開催予定の第6回UNI Apro地域大会の準備状況とタイ国内の政治経済情勢等について共有し、大会への積極的な参加を呼びかけた。

質疑応答セッションでは、上杉雄太労済労連委員長が「日本では賃上げの機運が高まっているが、労務費を含む適正な価格転嫁が実現にむけた重要なカギの一つであり、サプライチェーンの取組みが避けられない」とした上で、サプライチェーンに関する取組みについて、助言を求めた。これに対してベシガー副書記長は「サプライチェーン全体の中に存在する様々なリスクについて把握する必要があり、どうしてもコストはかかる」としつつ、「消費者からの信頼や株価に影響が及ぶので、企業はリスク管理にしっかりと取り組まなければならなくなる。その一つが人権デュー・ディリジェンスだ」と述べた。

また、UNI Apro女性委員会の取組みに対する一層の支援を要請した中田綾子UNI Apro女性委員に対し、ラジェンドラ地域書記長は「バンコクで開催される地域大会の前や、3月にスリランカで開催される世界女性委員会の前段で、メンタリングのセッションが行われる。こうした機会に日本からもぜひオブザーバとして参加し、プログラムを受けてきた女性たちと交流してもらいたい」と応えた。

記念品を贈呈する北村UNI-LCJ副議長と並木UNI-LCJ副議長

レセプションでは、富田望厚生労働省大臣官房総括審議官より来賓挨拶を、また芳野友子日本労働組合総連合会会長および郷野晶子国際労働組合総連合(ITUC)会長より連帯挨拶を受けた。

UNI Apro会長を務める松浦UNI-LCJ副議長は、「 UNI-LCJは、UNI Aproが推進しているスマートパートナーシップを長期に渡って実践しており、UNI-LCJ加盟組合の知見をUNI Aproの取組みに生かし、つなげていくことで、役割を果たせると確信している。今後ともUNI Aproの活動への積極的な参画を改めてお願いしたい 」と述べて締めくくった。


アイルランドの労働組合、初の労働組合週間の実施を発表

アイルランド労働組合会議(ICTU)は、 2024年4月29日~5月6日にかけて、同国で初となる労働組合週間を開催する計画を発表した。ICTUによると、アイルランド全域の職場や地域社会で行事が企画されるこの1週間は、過去数十年で最大数の労働組合員が動員されるという。この行動は、CWU、SIPTU、FSU、FORSAといったアイルランドのUNI加盟組織の支援を得ている。

労働組合週間は、労働組合に加入することの価値と利益についてアピールするため、2月に開始したICTUの「Better in a Trade Union(労働組合で、もっと良くなる)」キャンペーンの集大成となる。このキャンペーンでは、アイルランド全域の公共・民間部門の労働者を取り上げ、雇用保障の強化、助言・支援、雇用条件や賃金の改善などの利点を強調している。

若年労働者の約半数が労働組合への加入に関心
最近のRED Cによるオムニバス世論調査では、就業中の18~34歳の44%が、労働組合への加入に関心があると回答した。その主な理由は、労働組合によって職場における雇用保障が提供され、より良い賃金・条件を交渉してくれるからである。まだ労働組合に加入していない理由を尋ねたところ、最も多かった回答は「誰にも誘われたことがない」だった。

オーウェン・レイディICTU書記長は、労働組合週間の発表にあたり、組合員は非組合員よりも高い賃金の恩恵を受けており、特に若年労働者の間で労働組合のメリットに対する意識が高まっているとした上で、「労働組合に入れば、だれもがより良い条件を得られると知っている。特に若年労働者の中には、雇用保護や賃金・労働条件の改善を求めて闘う、自分たちの味方になってくれる人の必要性を認識している人々がいる。そして、これらの権利が団体行動を通じてのみ実現されることも理解している。だからこそ、労働組合週間はすべての人に参加を呼びかけている」と述べた。

団体交渉を支援するために必要な法律
また同書記長は、アイルランドでは組合に加入しようとする民間労働者が、使用者から反対されることがあると指摘した上で、「アイルランドではほとんどのEU諸国と異なり、多くの民間部門の使用者が、労働者が組合や団体交渉に参加することに拒否権を持っているという事実にスポットライトを当てたい。こうした状況は間違っており、変えなければならない。調査によると、何十万人もの労働者が労働組合への加入を望んでおり、労働組合に加入した方が良いと知っている。もはやこの権利を否定してはならない」と強調した。

UNI欧州はこの数年間、団体交渉を前進させるためにキャンペーンを展開し、 欧州の労働組合運動とともに、最低賃金に関するEU指令を可決させてきた。同法では、EU加盟国の団体交渉適用率に80%の目標が設定されている。アイルランドのようにこの目標に達していない場合、国別行動計画において団体交渉の障壁に取り組まなければならない。したがって、同法はアイルランドの労働者の状況を劇的に改善する強力な手段である。

同書記長は、「EUの適正な最低賃金に関する指令の実現にむけてアイルランドの義務を果たすことは、今後のアイルランド政府の責任である。これにより、生活水準と労働条件が改善されるが、決定的に重要なのは、賃金設定の手段としての団体交渉も促進されるということだ。ここ数世代で最も重要で進歩的なEU法だ」と指摘した。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「ICTUのBetter in a Trade Unionキャンペーンは、ちょうど良いタイミングで展開される。第一に、アイルランドの若者の間には、労働組合の一員となり、より良い賃金・待遇を求めて集団的に闘おうという大きな意欲がある。第二に、EUの最低賃金法制によって、組合への加入と団体交渉への参加(特に民間部門)をはるかに容易にする、またとない機会が到来している。これが、アイルランドが団体交渉適用率 80%を達成する唯一の方法だ。第三に、ICTUのキャンペーンによって、我々は2025年3月にベルファストで開かれる4年に1度の地域大会に向けて、労働組合と団体交渉の強化を求める闘いを加速させている。そのため、欧州全土の労働組合員がベルファストで一堂に会して、アイルランド内外の運動の成功を祝うことができるだろう」と期待を込めた。


アルゼンチンのゼネスト、新政権の改革に対して強固な反対の意思表示

2024年1月24日、アルゼンチン全土で労働者がハビエル・ミレイ新大統領の極右・反民主主義的政策に抗議するためにストライキを決行し、数十万人の人々が国の機能を停止させた。

この日のゼネストは、就任7週間目の大統領が「ショック療法」に例えた、有害な経済・政治改革の数々に対する最大規模の反対運動であった。労働組合によれば、必要緊急大統領令(DNU)と国家改革法案(オムニバス法として知られる)は、労働者、環境、民主主義のために何十年にもわたって苦労して守られてきたものを後退させるものだ。

ブエノスアイレスのプラザ・デル・コングレソでの大規模集会で、CGTおよびUNI加盟組織FATSAのヘクター・デール書記長は、「DNUを打倒し、オムニバス法が否決されるまで闘い続ける」と宣言した。同氏はUNI米州地域会長も務める。

アルゼンチン国内での広範な支援に加え、ゼネストは世界中で連帯を生み出 した。

約170か国の労働者を代表するグローバルユニオン評議会は、次のように支援声明を発表した。
「我々は、アルゼンチン政府が一方的に法案を出すのをやめ、労働問題に対処する方法について組合と交渉を開始するよう、要求する。また、民主主義の基盤を脅かすこうした逆進的な政策に積極的に反対するため、アルゼンチンの組合を支援する世界各地の行動に連帯する。(…中略…)アルゼンチンの民主主義の後退を許すわけにはいかない。今、我々は行動しなければならない。」

クリスティ・ホフマンUNI書記長とマルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「アルゼンチン政府が行おうとしている違法な改革は、貴国が締結した国際協定に謳われているストライキやデモの権利など、基本的な国際法に明白かつ明確に反している」として、ストライキを支持するとともに法改悪を非難する書簡を、ミレイ大統領に送った。

ブラジル、ベルギー、カナダ、チリ、コロンビア、ドミニカ共和国、ドイツ、エルサルバドル、メキシコ、ペルー、パラグアイ、スペイン、英国、米国、ウルグアイなど、数十か国の労働組合が、街頭で連帯を表明した。


UNI書記長、ダボス会議でAIをめぐる交渉の必要性について訴える

2024年1月中旬にスイスの山村・ダボスで開催された世界経済フォーラムの年次総会では、人工知能が最重要テーマとなった。クリスティ・ホフマンUNI書記長は、特にAIのようなテクノロジーをめぐる団体交渉の必要性について、訴えた。

2024年の総会の全体テーマは「信頼の再構築」であり、ホフマン同書記長は、AIの導入に関して信頼が確立されるためには、使用者はこれについて労働組合と交渉しなければならないと指摘した。

デロイトやロレアルのCEOも参加した『オーグメンテーションを通じて考える』パネルでは、同書記長は「世界中の労働者は、AIが自らにとって何を意味するのか、不安を抱いている。解雇や職を失うことを心配しているのだ。この不安に対処するためには、そのプロセスに労働者を参加させなければならない」と強調した。

そして「労働時間をどのように再構築するかについて、広い視野を持つこと。生産性が向上すれば、解雇の代わりに週休3日制についての議論が高まる可能性もある。しかし、これも交渉次第だ」と加えた。

6万人以上の俳優や実演家を率いて、AIを中心課題として118日間のストライキを行った米国の組合SAG-AFTRAのダンカン・クラブツリー=アイルランド事務局長は、『労働者に焦点を当てる』の討議で、ホフマンUNI書記長と共にステージに上がった。そして、人工知能の導入に関する決定は、機械ではなく人間によって下されるものであるため、これらの選択に責任を持ち、人間を第一に考えるべきだと指摘した。そして、そのためには「労働者はそれらの決定を下す上で重要な役割を持つべきだ」と訴えた。

ホフマンUNI書記長は、ダボス会議でビジネス・リーダーや人権擁護に関わる活動家と会談したほか、アンソニー・ブリンケン米国務長官と会談したグローバル・ユニオン代表団の一員として、労働権の促進と労働組合の構築を目指すバイデン政権のグローバル・レイバー指令について語った。


UNI欧州が勝利:欧州委員会、公共調達の問題に取組むことを約束

2024年1月15日、UNI欧州のキャンペーン『団体協約なくして公契約なし』は、より良い雇用を求める闘いにおいて、突破口を開いた。

欧州委員会のニコラ・シュミット雇用・社会権担当委員が出席する中、欧州議会は公共調達指令に関する重要な本会議討論を行った。そして、欧州委員会は初めて、欧州議会が求める同指令の改正に直接応じた。シュミット同委員は「欧州委員会は、さらなる具体的な措置が必要となれば、立法的なものであれ検討することを約束する。つまり、現行の条文を見直す必要があり(…中略…)、これには社会的配慮も必ず含まれる」と述べた。

公共調達指令は、EU全域の公的機関が民間企業と物品・サービスの提供を契約する際の条件を概説している。残念なことに、あまりに多くの場合、価格だけが唯一の基準となり、賃金や労働条件、サービスの質に関して底辺へ向かう競争へとつながっているのが現状だ。清掃員やコールセンター労働者、通訳、安全監視員、看護師など、UNI欧州が代表する700万人のサービス労働者の多くが、公共入札の落札方法によって、直接影響を受けている。

改革を支援する欧州議会議員
UNI欧州の代表はストラスブールに赴いて討議をフォローし、欧州議会議員との会合の中で懸念を提起するとともに、会えなかった議員にはメッセージを送った。こうした取組みを経て、過半数の欧州議会議員が、ソーシャル・ダンピングの停止と公共調達指令の改革を求めるUNI欧州の要求を支持した。

ドイツのデニス・ラトケ議員は、討議の開始にあたって「本日この場で、この公共調達の問題を議論し、委員にこの質問を投げかけることは、非常に重要なことだ」と述べ、オランダのキム・ファン・スパレンタク議員は、「労働者を犠牲にして企業が利益を最大化する一方で、基準を引き下げることはもはや許されない」と述べた。

オランダのアグネス・ヨンゲリウス議員は、「労働者と団体協約を結んでいない企業に、これ以上公契約を結ばせないようにする必要がある」と同意を示し、デンマークのニコライ・ヴィルムセン議員は、「公共調達指令をできるだけ早く改正することが重要だ。団体協約を結ばない企業に、納税者の資金が使われるべきではない」と語った。討論に先立ち発表された論説では、4つの異なる政治系列の欧州議会議員4人が、欧州委員会に対して改革の道を拓くよう求めている。

討論会では、スペインのマリア・ロドリゲス・パロップ議員、イタリアのダニエラ・ロンディネッリ議員、マルタのアレックス・アギウス・サリバ議員、スペインのエストレラ・ドゥラ・フェランディス議員、スロベニアのミラン・ブルグレス議員など、他の複数の欧州議会議員も、改革を支持している。

欧州委員会のコミットメント
討論の最後にニコラ・シュミット委員は、欧州委員会が法制化も含めたさらなる措置と改革を検討することを約束するとともに、「不正行為を行い、労働者の権利を尊重せず、労働者の保護を尊重しなければ、企業は最安値で取引できるだろう。だがそれは誰が負担する価格なのか」と述べ、法的な不確実性が問題であるという重要な事実を認めた。

これは、EUの公共調達規則を改革するUNI欧州のキャンペーンにとって大きな勝利だ。今後、UNI欧州は加盟組織とともに、言動を行動に移すよう、働きかけていく。


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