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UNI加盟組合、ILO190号条約批准キャンペーンに参加

女性と少女に対する暴力撤廃のための国際デー(11月25日)と、ジェンダーに基づく暴力に対抗する16日間の活動の開始を記念して、UNIグローバル・ユニオンは、ILO190号条約および206号勧告の批准に向けた取組みを推進する世界中の加盟組合と立ち上がっている。

労働組合が闘って勝ち取ったこの条約は、ジェンダーに基づく暴力やハラスメントを含む暴力やハラスメントのない労働の世界に対するすべての人の権利を認めた最初の国際条約である。これまでに9カ国で批准されているが、多くの国では労働組合が主導しており、さらに多くの国で批准されている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は同キャンペーン開始に当たり、次のように述べている。

「私たちはもう待たない。私たちは、労働の世界における暴力、特に女性に対する暴力の流れを取り戻さなければならない。ILO190号条約は、これを実現するためのツールだ。私たちはこの条約のために懸命にキャンペーンを展開し、この条約の批准と実施を確認する義務がある。パンデミックで暴力やハラスメントが急増している中、私たちはサービス業で虐待の最前線にいる組合員に対して、安全な職場を求めて戦い続ける義務がある」

ILO190号条約は、リモートワークや通勤・通学を含む労働の世界全体での暴力や、顧客を含む第三者からの暴力を対象としている。

スウェーデンのUNI加盟組合ハンデルスが実施した調査によると、小売業に従事する女性の28%が過去12カ月間に第三者からのセクシャルハラスメントを経験していることが明らかになった。一方、より広い労働市場で同様の被害を経験した女性は4%に留まる。ハンデルスは現在、このような虐待を防ぐための条項を労働協約に盛り込んでいる。

ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、今すぐ条約を活用する必要性を強調した。

「特定の国で条約が批准されていなくても、私たち労働組合は、交渉や労働協約の中で条約の精神が謳われていることを確認する必要がある。第190号条約および第206号勧告は、職場における暴力やハラスメントを根絶するために、私たちが使い始めなければならないツールだ」

小売業における暴力をなくすための世界的な行動日の一環として、UNI商業部会の加盟組合は先週、政府と小売業者に商業における暴力とハラスメントをなくすために行動することを求める宣言を支持した。英国のUSDAW、日本のUAゼンセン、オーストラリアのSDAといった加盟組合がそれぞれの国で店舗労働者に対する暴力を止めるための画期的なキャンペーンを行っている。

また、ILO 190号条約は、パンデミックで急増したドメスティック・バイオレンスが職場の問題であることを認識し、解雇に対する保護など、被害者の保護に役立つ措置を提唱している。

南アフリカでは、UNI加盟組合SACCAWUがILO190号条約の批准に向けて徹底的に取組み、2021年9月に議会で承認された。

南アフリカのUNI加盟組合SACCAWU出身のパトリシア・ナイマンUNI世界女性委員会議長は次のように述べている。

「私たちのこれまでの経験から、条約が不毛な国際基準の一つにならないように、批准と実施のプロセスには、草の根の参加と活動、コミットメント、フェミニストのリーダーシップが必要であり、女性労働者の利益のために労働の世界を変えていくべきだ」

12月10日の世界人権デーまでのジェンダーに基づく暴力に反対する16日間の活動において、UNIは加盟組合に以下のことを求めている。

  • 自国でのILO190号条約の批准に向けて、積極的にキャンペーンを行う。
  • 利用可能なツールを用いて、組合員および社会全体の意識を高め、組合教育を促進する。
  • 労働の世界における暴力とハラスメントの問題について動員する。
  • 職場での暴力やハラスメントをなくすために、他の労働組合やナショナルセンター、NGOとの連携を図る。
  • 批准に向けての体制を整える

来る16日間のキャンペーンでは、あなたのアクションを以下のハッシュタグでシェアしよう!

#RatifyILO190
#ItCanChangeLives

ILO第190号条約チラシ


ミャンマーの民主化のために闘う労働者に「恐怖からの解放賞」

ミャンマー労働アライアンス及び労働者、UNI「恐怖からの解放賞」を受賞

UNIは、自らの自由と命を危険に晒しながらもミャンマーに民主主義を取り戻すために闘っている、ミャンマーの労働者とミャンマー労働アライアンスの並外れた勇気を称え、ミャンマー労働アライアンス及び労働者に「UNI恐怖からの解放賞」を贈った。

2021年2月1日にミャンマーで軍事クーデターが発生した。激怒した労働組合と市民社会組織は、アウンサンスーチー氏を中心とする民主的な選挙で選ばれた政権の回復を求め、市民の不服従運動を立ち上げた。

数千人もの公務員が政府の仕事を辞め、鉄道労働者が列車を止め、民間部門の労働者は全国ストを打った。ミャンマー銀行労組(MBU)やミャンマー銀行労連(BWTUFM)の組合員6000人もこれに加わった。

「UNI恐怖からの解放賞」の受賞に際し、ミャンマー労働アライアンスとミャンマーの労働者を代表して、ミャンマー労働組合総連合(CTUM)のサンダ・ソー副書記長は次のように述べた。

「この残忍な軍事政権との闘いは容易ではなく、非常に厳しい。危険を冒さなければならないことはわかっている。逮捕され、拷問され、投獄され、殺される。だが、他に選択肢がない。人々の力を取り戻すため闘わなければならない。兄弟姉妹の皆さん、皆さんからの連帯支援に支えられ、我々は勝利するまで闘い続ける。軍事独裁政権は撤退すべきだ。我々の革命が勝利しなければならない!」

1000人以上が殺害され、組合員を含む数千人の活動家が投獄され、60人以上が死刑を宣告されている。

UNIは、世界の労働運動と共に軍事クーデターを非難し、軍部が民主的秩序を回復し、全ての政治犯を釈放するよう要求している。

UNI世界運営委員会は、ミャンマーにおける権利と民主主義回復の闘いを支えるため、できる限りのことを行うとする声明を発表した。また、多国籍銀行に対しては、軍事政権と関わりのある企業から直ちに投資撤退するよう書面で要請し、9月15日の「ミャンマーのための世界行動デー」においても、この要請をあらためて強調した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「ミャンマーの民主的選挙からちょうど1年となる今週、この賞を贈ることは意義深い。だがその政権は、暴力によって覆されてしまった。我々は、ミャンマーの労働者が、ミャンマー労働アライアンスと共に、民主主義を不屈の精神で粘り強く追求してきた勇気と決意を称えたい。ミャンマーの人々の勇気ある行動は、世界の労働運動、更には世界中を奮い立たせ、支持を集めている。我々は連帯し、民主主義が回復するまで支援の手を止めることはない」と力を込めた。

「UNI恐怖からの解放賞」は毎年、危険を冒しながらも組合の組織化や労働者の権利を促進し、恐怖のない世界の実現に貢献した個人や団体に贈られる。


UNI Aproファミリー、松浦新会長の就任を歓迎

2021年11月5日にオンライン開催された第29回UNI Apro執行委員会は、松浦昭彦UAゼンセン会長を、新たな会長に選出した。2015年から地域会長を務めた野田情報労連前委員長を引き継ぎ、UNI Aproを率いていくこととなる。

委員からは祝福の言葉が相次いで述べられた。ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長も、「松浦会長はこれまでも副会長を務め、UNI Aproの状況をよくご存知なので、非常に心強い。豊富なご経験と知見でUNI Aproを強化し、次のステージに導いてくださるだろう」と期待を寄せた。

松浦会長は就任挨拶の中で次のように述べた。「コロナ危機の中で、アジア太平洋各国の組合は政府や経営者と交渉し、労働者保護のための協約や制度を勝ち取り、重要な役割を果たしてきた。我々の取組みによって、“やはり組合は必要なのだ”と認識された。我々はより多くの労働者を組織化し、組織を強化することによって影響力を発揮し、労働者を保護するための取組みを更に進めなければならない。アジアはグローバル化の中で経済的に急速に成長してきた地域だが、その一方で、ミャンマーにおけるクーデター、香港の民主派活動家への抑圧、フィリピンの反テロ法等、深刻な民主主義への攻撃が起こっている。アジアの多くの国では労働組合権が十分に認められておらず、サプライチェーンの底辺で不安定な雇用と劣悪な労働条件下で働く人も多い。その他にも、AIやロボット等の新技術の進展、気候変動といった我々の労働の未来に大きな変化をもたらすであろう多くの課題がある。そのような状況で、UNI Apro会長という大役を担うことの重責を感じている。今後、地域会長として、ラジェンドラ地域書記長をしっかりと支え、この地域のUNI加盟組合の皆さんと共に、全ての労働者の権利保護、安全、労働条件向上のため精一杯取組む所存だ。」

野田会長は、次のように退任の挨拶を行った。「6年前にクアラルンプールのUNI Apro地域大会で会長に選出されてから、多くの国を訪問し状況の理解に努め、リーダーの皆さんと人間関係を築いてきた。この2年はコロナ禍で皆さんに会うことができず残念かつ心残りだ。UNI Aproには、UNI Aproらしい良さがある。松浦新会長のリーダーシップの下、UNI Aproの益々の発展を祈っている。」

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「UNI本部及びUNI Aproにおける書記長交代という重要な移行期をずっと支えてくださり、大変感謝している。野田会長はUNI Aproだけでなく、ICTS部会の偉大なリーダーとしても、思慮深く、献身的かつ現実的に部会を主導してくださった。お忙しい中でもUNIの取組みに大変なエネルギーを注いでくださったことに、UNIを代表して“ありがとう!”と申し上げたい」と、野田会長に感謝の意を表した。

アチャリャUNI Apro地域書記長も、「事務局を代表し、野田会長の力強いサポートに心から感謝する。退任されても、UNI Aproの発展にお力添えをいただきたい」と述べた。

また、並木自動車総連事務局長及び石川JP労組委員長はUNI Apro副会長に、安藤情報労連委員長はUNI世界副会長にそれぞれ確認された。須齋損保労連事務局次長はUNI Apro女性委員会副議長として運営委員会メンバーに確認された。

新たな役員体制の下、UNI Aproファミリーは、コロナ危機を克服し、前進していくことを確信した。


今こそ、更年期障害について話し合おう

UNI世界女性委員会は、10月18日の「世界メノポーズデー(世界更年期の日)」に合わせ、更年期障害の影響を受けている女性に対する職場での支援や調整を求めて働きかけを行うよう、加盟組織に呼びかけている。

更年期障害は、40代後半から50代の女性にとって重要な労働上の健康問題であり、キャリアや職業経験がピークに達する時期に起こることが多い。90%の女性が更年期障害の症状を経験し、英国の調査では90万人もの女性が更年期障害のために離職しており、経済的にも大きな影響を与えている。

更年期障害は、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が減少することによって、身体に変化をもたらすものだ。症状としては、ほてり、頭がぼんやりする、疲労感、筋肉や関節の痛み、気分のムラなどがみられる。個人差はあるものの、こうした身体的変化の多くは、不安、気分の落ち込み、自信喪失、集中力の低下などの心理的影響をもたらすため、職場で大きな問題となりうる。

キャロル・シェファーUNI欧州女性委員会議長は、「労働者は、尊厳が保たれ、秘密が厳守された形で、更年期障害についての懸念を表明できなければならない。また使用者は、更年期障害の影響を受けている従業員に対する配慮義務を継続し、適切な調整を行う必要がある。更年期障害の影響を受けている労働者が黙って苦しみに堪えることがあってはならず、更年期障害を職業上の健康問題として普通に話し合えるようにする必要がある」と語った。

多くのUNI加盟組織が更年期の女性をサポートするための職場方針や手順を策定しているが、更年期障害について語ることがタブーである場合が非常に多く、支援を受けられずに症状に悩む中、女性は職場での差別に直面している。

ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、「この重要な問題に対する認識を高めることは、平等と多様性へのUNIの取組みを前進させる」と述べた。


「安全衛生は職場の基本!」ディーセントワーク世界行動デー2021に際し、UNI Aproよりメッセージ

2021年10月7日の「ディーセントワーク世界行動デー」にあたり、UNIは世界に向けて「今こそ、全ての人々を守るため、交渉と規制を通じて、新しい安全基準を設定する時だ」と発信した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、 「コロナ禍をきっかけに、世界中で労働安全衛生の問題が注目されるようになった。労働者の権利についての議論では中心課題となり、勤務中の、以前からある、或いは新たに発生した様々な危険から労働者を守るために欠かせない、労働組合が果たしている重要な役割が浮き彫りにされた」と述べた。

「職場の安全衛生は基本的な権利であることを認識しなければならない。」

UNIは、「ILOが職場の安全衛生は基本的な権利であると認定するよう、全ての組合に働きかけを要請するキャンペーン」を展開しており、UNI Aproはこれを強く支持する。

ILOは政労使から成る三者構成機関であり、労働組合は使用者及び政府に対し、労働安全衛生を最高レベルの国際労働基準に格上げするよう要求している。基本的権利とは、全ての国及び労働者に適用される権利である。 

2019年に政労使代表により満場一致で採択された、ILO創設100周年記念宣言では、全ての労働者にとって労働安全衛生が重要であることが認識されている。

その後、職場におけるテクノロジーの拡大使用によって発生したリスクに、コロナ禍中の危険が重なり、職場の安全衛生を基本的権利とする必要性の緊急度が高まると同時に、労働組合はその権利を徹底し行使する上で不可欠であることが示された。

「余りに多くの労働者が仕事中に感染し亡くなった。ILOレベルでのアクションがあれば、現場レベルで安全な職場を促進する組合の役割も果たしやすくなるだろう」と、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は述べた。

「新型コロナウィルスは、働く人々の健康を脅かす多くの新しい問題の1つに過ぎないが、加盟組織は全ての労働者にとって職場を安全に保つことができると確信している。」

UNI Aproは、加盟組織の各職場での取組みを強く支持します!


UNI Apro、ミャンマー国民統一政府の国連総会での承認を求める共同決議に参画

2021年8月30日に開催された、労働組合、国会議員、ミャンマー国民統一政府(NUG)によるASEAN+6地域社会対話(ARSD)で、ディーセントワークの推進に向けて同国の民主主義の回復を求める決議が採択された。

決議では、9月14日から開催される第75回国連総会において、NUGをミャンマーの正当な代表として承認することを国連に要請する等、重要な勧告がなされた。

今回の社会対話は、NUGと軍事政権のどちらの代表が国連総会に出席できるかを決定する国連総会の信任状委員会の審議に先立ち、特別に開催されたものだ。

ミャンマー国民は、民主的に選出された亡命中の立法機関が4月16日に設立したNUGを、国際社会が承認することを求めている。協議の中で重点的に検討されたのは、そうしたミャンマーの人々の声を後押しする方法である。NUGには、国民民主連盟(NLD)、すべての少数民族グループ、様々な政党、労働組合、青年・女性組織の代表者が参加している。

UNI Aproは、志を同じくするグローバルユニオンのアジア太平洋地域組織、ASEANサービス従事者労働組合評議会(ASETUC)とともに、国際労働組合総連合アジア太平洋地域組織(ITUC-AP)、ASEAN労働組合協議会(ATUC)、ASEAN人権議員連盟(APHR)、ミャンマー労働組合総連盟(CTUM)の協力を得て、NUGの承認を求める広範な活動の一環として、今回の社会対話を開催することとなった。

ASETUC書記長でベテラン組合活動家のモハマド・シャフィー・BP・ママルUNIマレーシア加盟協議会(UNI-MLC)議長が労働組合を代表して歓迎の言葉を述べ、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、パネルセッション「ミャンマーでビジネスを行うということ」の中で司会を務めた。

シャフィーUNI MLC議長は、「今回の社会対話が、ミャンマーの友人たちを勇気づけ、国際社会がNUGを正当な代表として認めることを望むミャンマーの人々に、希望を与えるものとなることを心から願う」と述べた。

ARSDは、ASEANで毎年開催されている三者社会対話であり、様々な問題に対する社会パートナーの対応を集約し、人々を中心としたASEANの構築に向けてディーセントワークのアジェンダを推進している。今回、参加国を拡大して特別版として開催されたARSDには、ASEANの主要な経済パートナーである5か国(日本、韓国、インド、オーストラリア、ニュージーランド)も加わった。

国連総会前日の9月13日、グローバルユニオン評議会(CGU)は、政府間組織にNUGを承認するよう求める世界行動デーを実施する予定。


UNI、原爆投下76年目の広島・長崎の犠牲者を追悼

第二次世界大戦中の1945年8月6日に広島、8月9日に長崎に原子爆弾が投下された。原爆投下から76年目を迎えるにあたり、UNIは一瞬にして命を奪われた多くの犠牲者に哀悼の意を表すると共に、その後も長期にわたり放射線の影響を受け続けた被ばく者の苦しみに心を寄せる。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「世界がコロナウィルスという新たな脅威と闘う一方で、このような苦しみが繰り返されないように、平和と核軍縮を訴え続けていかなければならない」と訴えた。

UNIは、人権の基本要件である核兵器のない世界の実現に向けて積極的に取組んでおり、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)にも参加している。人権や労働者の権利を擁護するUNIは、2010年の世界大会を長崎で開催し、軍縮に焦点を当てた議論を行った。

2010年の世界大会前から、UNIは長崎や国際的な平和運動との強い絆を築き、核兵器がもたらす恐怖と破壊力について理解を深めてきた。

またUNIは、核兵器廃絶を目指す世界的なキャンペーンを支援する取組みとして、毎年、平和大使の訪問をUNI本部で受け入れてきた。だが残念なことに、この2年間はコロナ禍のため、平和大使の訪問ができなくなっている。UNIは一日も早いコロナの収束と、平和大使の訪問を切望している。


UNI Apro女性委員会、女性のエンパワーメントと、仕事における暴力撲滅を誓う

2021年7月8日、12ヵ国49人が参加してUNI Apro女性委員会がオンライン開催された。日本からは、景中悠紀UNI Apro女性委員会副議長(損保労連事務局次長)、寺嶋雪乃UNI Apro女性委員(UAゼンセン男女共同参画局副部長)、福田千秋UNI Apro女性委員(JP労組中央執行委員)、森川容子UNI Apro女性委員会東アジア地区コーディネーター(UNI-LCJ事務局長)が出席した。

東南アジア、南アジアを中心に変異ウイルスが猛威を振るう中、ミラ・スミラットUNI Apro女性委員会議長(インドネシアASPEK会長)の家族(夫)が急逝したため、急遽ジュリア・フォックスUNI世界女性委員会副議長(オーストラリアSDA)が議長代行を務めた。来賓として開会挨拶と報告を行う予定だったベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長、アンナ・リー・フォス・ツベラITUC-APジェンダー平等活動担当部長もそれぞれ家族の事情や体調不良により欠席した。

開会にあたり、ラジェンドラUNI Apro地域書記長は、最愛の同志を失ったミラ議長に深く哀悼の意を表した上で、UNI Aproは女性の積極的な貢献を歓迎する包摂的な組織であり、オンラインでの訓練プログラムを通じて加盟組織における若い女性リーダー育成に向け最大限バックアップしていく、と女性のエンパワーメントに積極的に協力していく姿勢を示した。

続いて、欠席したミラ議長に代わりジュリア・フォックスUNI 世界女性委員会副議長が基調講演を行った。「コロナにより、リモートワークが増えたが、ジェンダーにより格差が生じるなどの影響が分かってきた。また、女性が多いエッセンシャルワーカーの賃金にはコロナ禍での貢献が反映されておらず、富める者が益々富むという状況だ。職場と家庭で暴力が起きており、女性がより多く被害を受け、ILO190号条約の批准の重要性が更に高まっている。また、デジタル戦略も考えていかなくてはならない。SNSなども使って、組合員に適切な情報を提供しなければならない。労働者の声を吸い上げ、ジェンダーを考慮した公正な復興を目指し、団結して共に頑張ろう」と力強く呼びかけた。

UNI Apro女性委員会構成の変更では、濱崎委員(UAゼンセン)の後任として寺嶋委員(UAゼンセン)の指名が確認された他、各地区の変更が確認された。

「女性のエンパワーメントのための取組み」では、アリス部長によるUNI Apro女性委員会活動報告の後、日本、シンガポール、フィリピン、インドから報告が行われた。景中UNI Apro女性委員会副議長(損保労連)は、男女平等参画推進アクションプランに沿った女性組合役員比率の達成に向けた取組みとして、女性版ユニオン・ミーティングの開催により女性組合員への意識啓発に取り組んでいる事例などを報告した。また、5月22日に開催されたUNI Apro女性委員会主催のメーデー/国際女性デー記念ウェビナーについて、森川UNI Apro女性委員会東アジア地区コーディネーターが報告した。同ウェビナーでは、日本から安藤UAゼンセン流通部門副事務局長がカスタマーハラスメントの取組みについて報告した。

「全ての人にとって安全な職場づくり」と題した議題では、福田UNI Apro女性委員(JP労組)が、コロナ禍でJP労組が会社と交渉し勝ち取った、特別休暇や見舞金、テレワークへの対応など組合員の新たな働き方や賃金を支える取組みについて報告した。

特別報告では、UNI Apro青年委員会活動、香港の状況に続き、初めてオンラインで開催されたUNI世界郵便・ロジスティクス部会大会に参加したロー・フイジュ委員(台湾CPWU)が報告を行った。今年3月に同労組で女性初の委員長に就任したロー委員は、UNI Apro女性委員から送られた多くの祝辞に改めて感謝した。

「職場における暴力」に関する議題では、オーストラリア、日本、バングラデシュ、マレーシア(サラワク)から報告が行われた。寺嶋UNI Apro女性委員(UAゼンセン)は、これまでの働きかけにより国でカスタマーハラスメント・ガイドラインの策定作業が進んでいること、更に、今年の労働条件闘争を通じた各単組でのカスタマーハラスメントに関する交渉成果を報告した。アリス・チャンUNI Apro女性委員会担当部長は、各国で展開されているILO190号条約批准キャンペーンにおいて、労働組合が運動を主導しガイドライン作りに参画していこうとメンバーを激励した。また、カスタマーハラスメントについて、日本やオーストラリアの加盟組織が進めている先進的な取組みに倣い、各国でも是非取り組んでほしいと呼びかけた。

次回日程については、来年の世界大会・世界女性大会によって左右されるため、両大会の日程や開催方法等が決まり次第、調整が行われることが説明された。


UNIインド加盟協女性・青年/UNI-LCJ共同セミナー

2019~2022年度UNI-LCJ「海外活動の方向性」に従い、毎年インドで支援セミナーを開催することとしているが、昨年はコロナ禍で実施できなかった。今年も未だ感染が収束しない中、6月27日にオンラインで開催され、インドから34人、日本からが15人参加した。開会式で、ミリンドUNI-ILC議長は、UNI-LCJの継続的な支援と、アチャリャ地域書記長による講演や野田会長の出席等、UNI Aproの協力に感謝した。松浦UNI-LCJ議長は、未曽有の困難に立ち向かうための連帯を参加者に呼びかけると共に、日印関係がビジネス・経済面で今後ますます発展する中、両国の労働組合が連携を図り、互いの文化や労働組合の活動について理解を深め、それぞれの組合活動に活かしていく意義を強調した。

アチャリャUNI Apro地域書記長は、「コロナ禍・ポストコロナにおける労働組合及びUNIの役割」と題する基調講演を行った。インドの現状や課題について述べ、困難な中でもインドの労働組合が交渉やロビー活動で勝ち取った成果を評価した。また、UNI Aproが注力する女性・青年の育成に協力する形で、インドの女性・青年向けのセミナーを継続しているUNI-LCJに対して感謝した。基調講演に続き、インドの新聞労組、医療労組、IT労組の参加者がそれぞれ、労働組合がコロナ禍に取組んだ活動を報告した。インドでは「つながらない権利」という概念が認知されておらず、在宅勤務により労働時間が長くなり、ストレスが増したという意見が出された。

日本からは3人の講師が講演を行った。景中損保労連事務局次長は、コロナ禍が女性及び若年層に与えた影響と組合の取組みについて説明した。相対的に女性が多く従事する窓口業務や書類を扱う業務はテレワークが難しく、職場の感染防止対策の徹底や、テレワークの環境整備、テレワークが可能な業務の拡大に取組んだ。若年層については従来対面で育成・指導してきたが、リモート環境下での有効な育成・指導方法への柔軟な変更や、社員間のコミュニケーション強化に向けたルール作りを行っている。また、with/afterコロナにおいて、柔軟な働き方を推進する観点からも「長時間労働につながる商習慣」の見直しは有効であり、全ての労働者が働きやすい環境の実現につなげたいとした。

柏木JP労組中央執行委員は、各種統計や連合が実施したアンケート結果等から、コロナ禍の女性に対する影響の深刻さを説明した。連合は有識者を交え、コロナ禍におけるジェンダー平等課題に関する意見交換を実施し、指摘された諸課題について政府に必要な対策を求めていくこととしている。また、コロナ禍にJP労組が交渉で勝ち取った、特別な有給休暇や見舞金支給等の成果についても紹介した。

水野情報労連組織対策局長は、コロナ禍・ポストコロナにおける労働組合のコミュニケーションについて詳細に報告した。コロナを理由に活動を止めないため、感染防止対策の徹底と共に、オンライン活用や業務のデジタル化推進、対話・参加型の取組みに対する工夫、オンライン団交の向き・不向き等、経験に基づく具体的事例を詳細に紹介した。コロナ制約下でのオンラインの取組み成果を活かす多様なコミュニケーションツールの活用により、Face to Faceの取組みを追求しつつ、「つなぐ」役割の強化が重要だ、とまとめた。

インド人参加者からは、下記のような質問やコメントが出された。

  • ビデオ会議を含むテレワークに関する行動基準やガイドラインの有無
  • 郵便局におけるコロナ禍の交代出勤、妊婦や障がい者の保護対策、テレワークの可否等
  • 女性の在宅勤務に関する問題は組合が取組み改善していかなければならないことに同感する
  • オンラインレクやオンラインゲームはクリエイティブな試みだ、是非、インドの組合でも真似したい

この他、インド人参加者からも報告を受けた。

レッカD.M.(郵便労連)は、 コロナ禍でインドの女性が受けた影響について、郵便局の貢献及び職場で女性労働者が直面した課題と郵便労連の取組み、他産業の女性労働者が直面した問題とそれを克服するためのステップ等を報告し、コロナ禍から学んだ教訓でまとめた。

ロヒット・カプール(バローダ銀行管理職労組)は、インドの感染状況の深刻さを報告し、バローダ銀行は、ロックダウン中も預金・引出・送金等の不可欠サービスは提供し続け、中小企業を積極的に支援したことを説明。組合は、貧困層への食料配給、献血、育児中の母親・妊婦・障がい者等の在宅勤務化交渉、メンタルヘルスに関するウェビナー開催、遺族への弔慰金交渉等の成果を報告した。

グループワークでは、①女性・青年が組合に期待すること、②自分たちが貢献できることを議論し、各グループの討議結果が発表された。

①については、若年層や女性の課題を真剣に取り上げてほしい、若年リーダー育成・機会の提供、定期的なコミュニケーションを通じた組合活動の周知、組合員との双方向のコミュニケーションの重視、女性の参画を強化するため、女性だけでなく男性の意識啓発も促すこと等の提言がなされた。②については、若い労働者との信頼関係の構築、組合の意義や活動を正しく従業員に伝え、共感し、自ら積極的に取組むこと、楽しい方法で組合参加を促すアイデアを出し実行すること、SNSの活用、女性委員会の強化等、積極的な意思が表明された。アンジャリ・ベデカーUNI-ILCコーディネータは、短時間でも前向きなグループ討議ができ、良い意見がまとめられたことを称えた。

閉会式では、飛び入り参加した野田UNI Apro会長が、2017年秋の訪印時、成長するインドの勢い、能力とモチベーションの高さに感銘を受けたことを振り返り、インドは世界経済を牽引する存在でもあり、南アジアの組合の強化は、UNI Aproとして最も重要な戦略であると述べた。参加している女性、青年に対しては、女性の価値観や若年層の価値観をUNIの活動に活かしてほしいと激励した。ミリンドUNI-ILC議長は、UNI-LCJ及びUNI Aproの支援にあらためて感謝し、今後も協力関係を深めていきたいと述べた。また、働き方が変わっていく中で、組合役員の経験を活かすと共に、若きリーダーの成長に期待し、共に新しい労働運動をつくっていこうと激励した。森川UNI-LCJ事務局長は、オンライン開催だったからこそ、インド全土から多くの参加が得られ、日本側も講師だけでなく、野田UNI Apro会長をはじめ多くの傍聴が可能になったと述べ、対面開催ができる時まで、コロナ禍で学んだ経験や教訓を活かし、UNI活動を推進していこうとまとめた。


ポストコロナの世界において社会対話を推進し、保険部門労働者の仕事の未来を守る~UNI欧州金融部会ウェビナー

2021年6月21日(月)日本時間21:00~23:00、UNI欧州金融部会は「ポストコロナ:保険部門労働者と労働組合を取り巻く環境変化」と題するウェビナーを開催した。

「コロナ禍が欧州保険部門の労働者と労働組合に与えた影響に関する報告」 ピエール・シャルル・プラディエ パリ大学・パンテオン・ソルボンヌ校経済学部准教授
COVID-19パンデミックにより、保険部門の企業及び労働者は、特に大きな影響を受けた。社会的不安から保険に関する仕事量が増大し、労働者の負担が増した。もともと業界ではパンデミック前、ほとんどリモートワークは行われていなかったが、コロナ禍により、極めて迅速にリモートワークに切り替えた業界でもある。しかし、急激な感染拡大により、労働者に対するPCスキル研修やネットワーク環境の整備は十分でなかった。
国ごと、企業ごとに取組みにばらつきはあるものの、労働者に対する一定程度の支援は行われていると言える。しかしながら、仕事量の増加、家族的責任を有する労働者へのサポートに関しては、適切な対応できていない場合が多い。ロックダウン中でも業務目標の見直しがなかった、通勤時間が無くなり、その分労働時間が増える傾向があり、様々な不公平や問題が顕在化したことは、今後の交渉において重要な項目になる。企業にとってリモートワークがコスト削減につながっている現実を見なければならない。オフィスコストが最大60%の削減につながったという回答もあり、ある企業はリモートワークを前提としたオフィス建設すら始めている。「つながらない権利」を含めた新しい働き方に関する原則が必要になっている。労使協定は十分な内容を包含できているか、仕事量の分担のルール化、リモートワーカーに対する差別防止、ジェンダーの公平性は担保されているか等を考慮すべきである。スペインやスロバキアにおいてつながらない権利など各国で法制化の動きが早まっている。今後は各国、各企業からデータや好事例を集積し分析、研究することでより良い原則を作っていくことが重要である。更に労使の協力の下、データ保護と労働者のプライバシー、AI監視に対する対応については、法制化も含めて取組む必要がある。

「#InsuranceWORK2030 -フィンランド保険部門の新社会パートナー・プロジェクト」 リーサ・ハルメ PRO フィンランド
フィンランド保険部門においては、社会対話を通じた新しい取り組みが成果を上げている。「保険の仕事2030」と題したプロジェクトでは、3つのテーマでウェビナーを開催している。「AIと新たなテクノロジーと生涯教育(2021年5月)」、「生涯教育と新しい習慣(2021年9月)」、「多様性と包摂性について(2021年10月)」ポストコロナの時代において、社会対話と労使交渉、仕事の未来に備えるために正しい知識を手に入れることは重要である。保険部門の認知度を高め、産業としての魅力を伝え、次世代人材の育成も重要になっている。また、組合役員を対象に研修を行いAIの基礎、ロボット化、デジタルトランスフォーメーション、労働者の権利、コンプライアンス等、最新且つ正しい知識を得て使用者との交渉に臨むことが特に重要になっている。

「持続可能な欧州保険部門のための社会パートナーの関与」 ヴィック・ヴァン・ケルレブローク UNI欧州金融部会 欧州保険社会対話コーディネーター
UNIが取組んだAIプロジェクトは重要だった。欧州の労使の枠組み、社会対話の枠組みは重要であり、産業界が正しい方向に向かうように働きかけるものである。その意味からもEUのAI協定締結はとても重要だった。AIを作るのも運用するのも人間であり、人間が中心のAI活用でなければならない。EUの共同宣言は画期的であり、今後AIが保険部門労働者にとって脅威とならないように取り組まなければならない。AIがどのように影響してくるのかが重要であるので、みなさんからの情報共有をお願いしたい。また、保険業界ではまだ男女格差がある。給与、昇進などに差があるのが現実である。UNIでは、これから「多様性・包摂性・非差別に関する共同宣言」を発出する準備を行っている。あらゆる差別や排除が無い職場を作る必要がある。

「イタリア保険部門のリモートワークに関する社会パートナーとの画期的合意」 モーリーン・ヒック UNI欧州金融部会担当部長
2021年2月、イタリアの保険部門において45,000名の保険労働者をカバーする協定を締結した。本協定の主な内容は、リモートワークは任意であり、労働者が選択できなければならない。団体交渉で得た権利はリモートワーカーを含めすべての労働者に有効である。ワークライフバランスの確保、つながらない権利の保障、IT機器、通信環境整備、安全衛生、食事補助、研修の権利などUNIが発表した原則に則る協定が締結できたのは大きな意味を持つ。労使双方の参画によって策定されたプロトコルが、団体協約に読み替えられ、各企業で実践されることが合意された。
https://www.uni-europa.org/2021/02/italys-insurance-sector-unions-signs-landmark-agreement-on-remote-work/

「危機的状況下における持続可能な枠組みに関するGenerali EWC共同宣言」 キャロル・ブルナー FBA CFDT フランス
コロナ禍によるロックダウンに端を発した新たな働き方の急激な進行に関して、当初経営側は消極的だった。喫緊の危機に関する共同宣言に取り掛かったのはちょうど1年前、粘り強い交渉と社会対話により、労働安全衛生、つながらない権利、経済的負担に関する共同宣言を発出することができた。本宣言の主な内容は、メンタルヘルスを含めた労働安全衛生の保護、リモートワークの基本原則を順守し、正しく活用すること、管理職、経営職を含めた研修機会の保障と提供、包摂性と機会均等の担保、家族的責任を有する労働者への支援及びリモートワークに関する経済的負担の補償等である。今後、リモートワーク及びAI利用に関する共同文書を発出する予定である。

アンジェロ・デクリストUNI世界金融部会担当局長
コロナ禍がリモートワークを始めとする新たな働き方を急激に進めてしまった。我々は、この急激な変化がメリットばかりではないことを自覚する必要がある。使用者はリモートワークの推進がコスト削減に繋がることを知ってしまった。今後は、デジタルアウトソーシングという流れを注視すべきである。銀行では支店の閉鎖、撤退が続いており、保険部門においては、オフショア化が進む懸念がある。社会対話が更に重要になってくる。プロトコルや共同宣言は協約ではないが、はじめの一歩として重要であり、我々の好事例の集積が世界各地域の加盟組織の助けになるはずである。


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