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第25回UNI-LCJ年次総会、記念講演及びレセプションを開催

2024年2月16日(木)、第25回UNI-LCJ年次総会が東京で開催され、各加盟組織より運営委員、総会代議員、オブザーバー等約70人が出席した。

冒頭で石川幸德UNI-LCJ議長は、「国際労働運動において日本の労働組合が果たせる役割を常に意識し、この変化の激しい時代に世界中の働く仲間のネットワークを活用し、先見性ある柔軟な対応ができるよう、今後の活動を進めていきたい」と決意を表した。

その後、2023年度の活動報告、会計および監査報告が承認され、2024年度の活動計画及び予算が承認された。

続いて開催された記念講演には、UNI本部よりアルケ・ベシガーUNI副書記長、UNI Aproよりラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長が来賓として出席した。

ベシガーUNI副書記長は、欧州における人権デュー・ディリジェンス(HRDD)の法制化の現状を中心に共有するとともに、HRDDに関するスタッフ研修やグローバル枠組み協定への組み込みを強化していくと述べた。さらに、バングラデシュで始まった 繊維・衣料産業の安全衛生に関する国際協定「国際アコード」の取組みについて、結社の自由や苦情処理メカニズムを含め労働者の人権を強化する形で拡大していくとを報告した。

アチャリャUNI Apro地域書記長は、UNI Aproの優先課題として社会パートナーシップと対話促進、デジタル時代のディーセントワーク、平和、民主主義、人権状況などを挙げた。また、2024年11月下旬にタイ・バンコクで開催予定の第6回UNI Apro地域大会の準備状況とタイ国内の政治経済情勢等について共有し、大会への積極的な参加を呼びかけた。

質疑応答セッションでは、上杉雄太労済労連委員長が「日本では賃上げの機運が高まっているが、労務費を含む適正な価格転嫁が実現にむけた重要なカギの一つであり、サプライチェーンの取組みが避けられない」とした上で、サプライチェーンに関する取組みについて、助言を求めた。これに対してベシガー副書記長は「サプライチェーン全体の中に存在する様々なリスクについて把握する必要があり、どうしてもコストはかかる」としつつ、「消費者からの信頼や株価に影響が及ぶので、企業はリスク管理にしっかりと取り組まなければならなくなる。その一つが人権デュー・ディリジェンスだ」と述べた。

また、UNI Apro女性委員会の取組みに対する一層の支援を要請した中田綾子UNI Apro女性委員に対し、ラジェンドラ地域書記長は「バンコクで開催される地域大会の前や、3月にスリランカで開催される世界女性委員会の前段で、メンタリングのセッションが行われる。こうした機会に日本からもぜひオブザーバとして参加し、プログラムを受けてきた女性たちと交流してもらいたい」と応えた。

記念品を贈呈する北村UNI-LCJ副議長と並木UNI-LCJ副議長

レセプションでは、富田望厚生労働省大臣官房総括審議官より来賓挨拶を、また芳野友子日本労働組合総連合会会長および郷野晶子国際労働組合総連合(ITUC)会長より連帯挨拶を受けた。

UNI Apro会長を務める松浦UNI-LCJ副議長は、「 UNI-LCJは、UNI Aproが推進しているスマートパートナーシップを長期に渡って実践しており、UNI-LCJ加盟組合の知見をUNI Aproの取組みに生かし、つなげていくことで、役割を果たせると確信している。今後ともUNI Aproの活動への積極的な参画を改めてお願いしたい 」と述べて締めくくった。


労使が心理社会的リスクに関するEU指令を強く求めている―UNI欧州委託調査で

UNI欧州が委託した調査によると、労働組合や使用者といった社会パートナーの間で、心理社会的リスクに関するEU指令を求める声が圧倒的に多いことが分かった。

COVID-19パンデミックにより、女性に対する暴力が対面でもオンライン上でも、驚くほど増加している。一方で被害を受けた女性たちは、情報を得たりや援助を受ける機会を得られないまま、著しく孤立している。家庭内暴力は、パンデミックの間に3分の1増加している。またリモートワークによって、仕事に関連したセクシャル・ハラスメントがオンライン上で蔓延していることも、明らかになっている。

この問題について規模を明確に把握するため、UNI欧州は、欧州連合(EU)が共同出資する『仕事の世界における暴力とハラスメントを撲滅する』プロジェクトの一環として、調査を依頼した。この調査は、より広範な安全衛生対策の一環として、ジェンダーに基づく暴力やハラスメント、職場に影響を及ぼす家庭内暴力、第三者による暴力の防止に共同または単独で取り組む労働組合と使用者を対象に、実施された。

228の労働組合と18の使用者が協力したこの調査によると、COVID-19パンデミック中にテレワークが増加したことが家庭内暴力に与えた最も顕著な影響は、管理職が家庭内暴力の兆候に気づきにくくなったことである(労働組合57%、使用者75%)。職場で最も蔓延している女性労働者に対する虐待の形態として、労働組合側の76%の回答者が言葉によるハラスメント、53%の回答者がセクシャル・ハラスメント、52%の回答者が脅迫または威嚇を報告している。

労使の回答ともに、職場の問題としての家庭内暴力の最も顕著な心理社会的リスクとして、恐怖、ストレス、不安を挙げている(労働組合79%、使用者88%)。心理社会的リスクを軽減するために、心理社会的リスクに関するEU指令の制定を求める声が、党派を超えて強く出ていることが分かった(労働組合91%、使用者100%)。

労働組合は、職場での暴力やハラスメントの防止における団体交渉の可能性について、概して使用者側よりもかなり熱意を示している。調査に回答した労働組合と使用者の多くが、自部門に関連する共同声明や文書の作成に立ち会っており(労働組合75%、使用者83%)、政策、協約、プロトコルやガイドラインの普及などに取組んでいる。

2023年11月に、UNI欧州と社会パートナーは、職場における暴力とハラスメン トの撲滅に関する初のガイドラインに署名している。UNI欧州は引き続き、暴力やハラスメントから労働者を保護するガイドラインの拡大・実施に尽力していく。


アルゼンチンのゼネスト、新政権の改革に対して強固な反対の意思表示

2024年1月24日、アルゼンチン全土で労働者がハビエル・ミレイ新大統領の極右・反民主主義的政策に抗議するためにストライキを決行し、数十万人の人々が国の機能を停止させた。

この日のゼネストは、就任7週間目の大統領が「ショック療法」に例えた、有害な経済・政治改革の数々に対する最大規模の反対運動であった。労働組合によれば、必要緊急大統領令(DNU)と国家改革法案(オムニバス法として知られる)は、労働者、環境、民主主義のために何十年にもわたって苦労して守られてきたものを後退させるものだ。

ブエノスアイレスのプラザ・デル・コングレソでの大規模集会で、CGTおよびUNI加盟組織FATSAのヘクター・デール書記長は、「DNUを打倒し、オムニバス法が否決されるまで闘い続ける」と宣言した。同氏はUNI米州地域会長も務める。

アルゼンチン国内での広範な支援に加え、ゼネストは世界中で連帯を生み出 した。

約170か国の労働者を代表するグローバルユニオン評議会は、次のように支援声明を発表した。
「我々は、アルゼンチン政府が一方的に法案を出すのをやめ、労働問題に対処する方法について組合と交渉を開始するよう、要求する。また、民主主義の基盤を脅かすこうした逆進的な政策に積極的に反対するため、アルゼンチンの組合を支援する世界各地の行動に連帯する。(…中略…)アルゼンチンの民主主義の後退を許すわけにはいかない。今、我々は行動しなければならない。」

クリスティ・ホフマンUNI書記長とマルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「アルゼンチン政府が行おうとしている違法な改革は、貴国が締結した国際協定に謳われているストライキやデモの権利など、基本的な国際法に明白かつ明確に反している」として、ストライキを支持するとともに法改悪を非難する書簡を、ミレイ大統領に送った。

ブラジル、ベルギー、カナダ、チリ、コロンビア、ドミニカ共和国、ドイツ、エルサルバドル、メキシコ、ペルー、パラグアイ、スペイン、英国、米国、ウルグアイなど、数十か国の労働組合が、街頭で連帯を表明した。


グローバルユニオン、LGBTQI+の労働者を支援するツールキットを発表

2024年1月下旬、UNIを含む国際産業別労働組合組織(GUFs)は、LGBTQI+労働者のための包括的なツールキットを発表する。この取組みは、ILO第190号条約と併せて、職場の平等と安全の促進に向けた重要な前進を意味する。

ILO第190号条約は、ジェンダーに基づく暴力を含め、暴力やハラスメントのない職場環境に対するすべての個人の権利を認めた初の国際条約である。第206号勧告とともに、この条約は世界中で、より安全で尊重される職場を供するための重要なツールである。

新たに発表されたツールキットは、特にLGBTQI+コミュニティに対する暴力とハラスメントを対象としており、『LGBTQI+ファシリテーター・ガイド』と『LGBTQI+参加者ワークブック』という2つのリソースで構成されている。

『LGBTQI+ファシリテーター・ガイド』は、指導者やファシリテーターにとって貴重なツールであり、LGBTQI+の労働者に対する暴力やハラスメントについて理解を深めるための多様なアクティビティを、3つのモジュールで提供している。意識を高めるだけでなく、組合や職場において有意義な議論や積極的な対策を促すことを目的としている。構造化されたアプローチはさまざまな知識レベルに対応し、幅広い読者層にとって利用しやすく、効果的な内容となっている。

ファシリテーター・ガイドを補完する『LGBTQI+参加者ワークブック』は、労働組合員、LGBTQI+労働者、活動家のためのリソースとして機能する。意識向上、職場における行動、組合ベースの行動と、同じく3つの主要モジュールから構成されるワークブックには、LGBTQI+労働者の課題、暴力やハラスメントの影響、組合の力と集団行動を通じてこれらの問題に取り組むための実践的戦略に焦点を当てた活動が盛り込まれている。

ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、「このツールキットは、ILO第190号条約の推進に対する我々の取組みを強化するものであり、190号条約を各国政府に批准させ、国内法や団体協約に反映させる上で、組合が果たす極めて重要な役割を強調するものだ」と指摘し、「これらのリソースを通じて、我々は組合と組合員がLGBTQI+労働者の権利を世界中で擁護し、190号条約の原則が職場において積極的に組み込まれるようにしていく」と述べた。

ツールキットは、性的指向、性自認、民族にかかわらず、すべての労働者が恐怖や差別から解放された職場で働く世界に向けた、極めて重要な一歩である。


UNI書記長、ダボス会議でAIをめぐる交渉の必要性について訴える

2024年1月中旬にスイスの山村・ダボスで開催された世界経済フォーラムの年次総会では、人工知能が最重要テーマとなった。クリスティ・ホフマンUNI書記長は、特にAIのようなテクノロジーをめぐる団体交渉の必要性について、訴えた。

2024年の総会の全体テーマは「信頼の再構築」であり、ホフマン同書記長は、AIの導入に関して信頼が確立されるためには、使用者はこれについて労働組合と交渉しなければならないと指摘した。

デロイトやロレアルのCEOも参加した『オーグメンテーションを通じて考える』パネルでは、同書記長は「世界中の労働者は、AIが自らにとって何を意味するのか、不安を抱いている。解雇や職を失うことを心配しているのだ。この不安に対処するためには、そのプロセスに労働者を参加させなければならない」と強調した。

そして「労働時間をどのように再構築するかについて、広い視野を持つこと。生産性が向上すれば、解雇の代わりに週休3日制についての議論が高まる可能性もある。しかし、これも交渉次第だ」と加えた。

6万人以上の俳優や実演家を率いて、AIを中心課題として118日間のストライキを行った米国の組合SAG-AFTRAのダンカン・クラブツリー=アイルランド事務局長は、『労働者に焦点を当てる』の討議で、ホフマンUNI書記長と共にステージに上がった。そして、人工知能の導入に関する決定は、機械ではなく人間によって下されるものであるため、これらの選択に責任を持ち、人間を第一に考えるべきだと指摘した。そして、そのためには「労働者はそれらの決定を下す上で重要な役割を持つべきだ」と訴えた。

ホフマンUNI書記長は、ダボス会議でビジネス・リーダーや人権擁護に関わる活動家と会談したほか、アンソニー・ブリンケン米国務長官と会談したグローバル・ユニオン代表団の一員として、労働権の促進と労働組合の構築を目指すバイデン政権のグローバル・レイバー指令について語った。


UNI欧州が勝利:欧州委員会、公共調達の問題に取組むことを約束

2024年1月15日、UNI欧州のキャンペーン『団体協約なくして公契約なし』は、より良い雇用を求める闘いにおいて、突破口を開いた。

欧州委員会のニコラ・シュミット雇用・社会権担当委員が出席する中、欧州議会は公共調達指令に関する重要な本会議討論を行った。そして、欧州委員会は初めて、欧州議会が求める同指令の改正に直接応じた。シュミット同委員は「欧州委員会は、さらなる具体的な措置が必要となれば、立法的なものであれ検討することを約束する。つまり、現行の条文を見直す必要があり(…中略…)、これには社会的配慮も必ず含まれる」と述べた。

公共調達指令は、EU全域の公的機関が民間企業と物品・サービスの提供を契約する際の条件を概説している。残念なことに、あまりに多くの場合、価格だけが唯一の基準となり、賃金や労働条件、サービスの質に関して底辺へ向かう競争へとつながっているのが現状だ。清掃員やコールセンター労働者、通訳、安全監視員、看護師など、UNI欧州が代表する700万人のサービス労働者の多くが、公共入札の落札方法によって、直接影響を受けている。

改革を支援する欧州議会議員
UNI欧州の代表はストラスブールに赴いて討議をフォローし、欧州議会議員との会合の中で懸念を提起するとともに、会えなかった議員にはメッセージを送った。こうした取組みを経て、過半数の欧州議会議員が、ソーシャル・ダンピングの停止と公共調達指令の改革を求めるUNI欧州の要求を支持した。

ドイツのデニス・ラトケ議員は、討議の開始にあたって「本日この場で、この公共調達の問題を議論し、委員にこの質問を投げかけることは、非常に重要なことだ」と述べ、オランダのキム・ファン・スパレンタク議員は、「労働者を犠牲にして企業が利益を最大化する一方で、基準を引き下げることはもはや許されない」と述べた。

オランダのアグネス・ヨンゲリウス議員は、「労働者と団体協約を結んでいない企業に、これ以上公契約を結ばせないようにする必要がある」と同意を示し、デンマークのニコライ・ヴィルムセン議員は、「公共調達指令をできるだけ早く改正することが重要だ。団体協約を結ばない企業に、納税者の資金が使われるべきではない」と語った。討論に先立ち発表された論説では、4つの異なる政治系列の欧州議会議員4人が、欧州委員会に対して改革の道を拓くよう求めている。

討論会では、スペインのマリア・ロドリゲス・パロップ議員、イタリアのダニエラ・ロンディネッリ議員、マルタのアレックス・アギウス・サリバ議員、スペインのエストレラ・ドゥラ・フェランディス議員、スロベニアのミラン・ブルグレス議員など、他の複数の欧州議会議員も、改革を支持している。

欧州委員会のコミットメント
討論の最後にニコラ・シュミット委員は、欧州委員会が法制化も含めたさらなる措置と改革を検討することを約束するとともに、「不正行為を行い、労働者の権利を尊重せず、労働者の保護を尊重しなければ、企業は最安値で取引できるだろう。だがそれは誰が負担する価格なのか」と述べ、法的な不確実性が問題であるという重要な事実を認めた。

これは、EUの公共調達規則を改革するUNI欧州のキャンペーンにとって大きな勝利だ。今後、UNI欧州は加盟組織とともに、言動を行動に移すよう、働きかけていく。


ネパールの女性コミュニティ・ヘルスワーカーに特別報奨金―完全雇用にむけてさらに前進

ネパールで2番目に人口の多いバグマティ州の保健当局は、2023年12月5日の女性コミュニティ・ヘルスワーカー・デイ(FCHW)に、女性のコミュニティ・ヘルス・ボランティア(CHV)1人につき5,000ネパール・ルピーの特別報奨金を支給した。女性のエンパワーメントとコミュニティ・ヘルスワーカーにとって、大きな成果である。この報奨金は、バグマティ州政府が最近、FCHVのために拠出型家族健康保険制度の半額を負担すると約束したことに基づくものだ。

これを受けて、ネパールで1万人以上の女性CHVを代表するUNI加盟組織、ネパール地域保健労連(HEVON)のバサンティ・マハルジャン委員長は、完全な権利を求める闘いは続くと強調し、「UNI世界ケア部会の支援を受けて、我々は引き続き、FCHV の完全雇用と完全な賃金、社会保障の適用を求めるキャンペーンに注力し、FCHV が政府医療サービスに従事する女性労働者と同等の給付と承認を受けられるようにしていく」と語った。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「この画期的な動きは、他の州にとって称賛すべき手本となる。また、全国のFCHVの完全雇用と社会保障を確保するというHEVONの使命も強化され、献身的に医療に従事する人々が、その働きにふさわしい評価と支援を受けられるようになる」と述べた。

アラン・サブレUNI世界ケア部会担当局長は、「ネパールの医療制度は、こうした名もなき英雄たちの恩恵を大いに受けている。彼らの献身を認め、彼らが直面する課題に対処し、その重要なサービスが評価され、感謝の言葉だけでなく、日々、正当な報酬と十分な支援で報われるようにすべき時だ」と指摘した。

ネパールの医療制度は、長期ボランティア制度によって無報酬で働く5万1,000人以上のFCHVに大きく依存している。こうした献身的なコミュニティ・ヘルスワーカーは、母子の健康、家族計画、栄養などのテーマについて、必要不可欠な保健教育とカウンセリングを提供している。また、地域社会に働きかける取組みや、自然災害やパンデミック時の緊急対応においても、重要な役割を果たしている。

こうした多大な貢献にもかかわらず、彼らは地域社会で働く中で数多くの課題に直面している。最も重要な問題は、その仕事の重要性と、報酬に反映される低い社会的評価のギャップにある。


フィリピン上院、全会一致でILO第190号条約の批准を承認-フィリピン労働者に歴史的な瞬間

2023年12月11日、フィリピン上院が「仕事の世界における暴力およびハラスメントに関するILO第190号条約」の批准を全会一致で承認し、フィリピン労働者の権利にとって画期的な勝利がもたらされた。

ILOがこの条約を2019年に採択して以来、UNIフィリピン加盟協(UNI-PLC)は、フィリピンの他の労働組合、労働団体、権利擁護団体とともに、職場におけるあらゆる形態の暴力やハラスメントから労働者を保護するこの重要な条約の批准に向けて、キャンペーンを精力的に展開してきた。広範なロビー活動、大規模集会、政策立案者との対話、さらに労働者の権利保護における190号条約の重要性について認識を高めるための草の根アドボカシーなどを行ってきたのである。

UNI-PLCは、組合活動家やこの大きな成果のために取組んできた他の労働組合に敬意を表し、次のようにコメントした。「ILO第190号条約の批准は、フィリピン人労働者とその権利擁護のために取組んできた人々の声を結集した重要な勝利。ILO第190号条約が国内法の一部となるということは、フィリピンの労働組合・労働運動にとって重要な勝利として記憶される歴史的瞬間だ。この条約は、意味のある変化をもたらし、労働者の権利を前進させる上で、集団行動とアドボカシーの力がいかに重要であるかを示すものである。この画期的な勝利は、フィリピンのあらゆる労働者が暴力やハラスメントを受ける恐れを抱くことなく、まっとうな雇用に従事し、国内の職場で敬意と平等、安全の文化を育む未来への道を拓くものだ」

UNI-PLCはさらに、条約の批准という決定的な一歩を踏み出すことは、持続可能な開発と社会進歩の目標に沿い、すべての労働者の尊厳と権利を守る職場環境を構築するという国際労働基準と人権原則に対するフィリピンのコミットメントについて強力なメッセージを送ることになる、と期待している。

フィリピン政府は現在、法的枠組みの確立、執行のメカニズム、被害者への支援サービス、この問題に関する教育・啓発の促進など、包括的な施策を実施する体制を整えている。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「UNI Aproは、この画期的な成果を達成したUNI-PLCと加盟組織の精力的な活動、フィリピン労働運動への貢献を非常に誇りに思う」と述べ、勝利を祝した。

ILO第190号条約は、職場における暴力やハラスメントに対処・防止することを目的とし、そのような行為が人権や職場における基本原則・権利を侵害するだけでなく、個人の尊厳や社会全体の健全性を損なうものであるとしている。現在、ILO加盟国のうち36か国がこの条約を批准しており、うち太平洋地域からはオーストラリア、フィジー、パプアニューギニアの3か国が批准しているが、今回の画期的な決定により、フィリピンはアジアで初めて190号条約に加盟した国となった。


第22回UNI-LCJユース英語セミナーを開催!

2023年12月8~10日、東京・府中においてUNI-LCJユース英語セミナーが4年ぶりに対面開催された。6組織(情報労連、全印刷、全労金、UAゼンセン、大日本印刷労組、JP労組)14名の参加者(男性5名、女性9名)は、海外から招いた3人のリソースパーソンを交え、英語でコミュニケーションをはかりながら、国際労働運動について理解を深めた。

「2023~2027年UNI-LCJアクションプラン」の重点課題に挙げられる「国際労働運動で活躍できる人材の育成」という方針に沿って開催された本英語セミナーの開会式では、北村聡太UNI-LCJ副議長が英語で開会挨拶を行い、「将来、日本のみならずアジア太平洋地域の労働運動のリーダーとなる皆さんにとって、このセミナーへの参加は国際労働運動への第一歩となる。ぜひ職場の仲間にも、この合宿で得た体験を共有してほしい」と呼びかけた。

自己紹介とオリエンテーションを経て、参加者は、上田智亮UNI-LCJ事務局長より国際労働組合運動の概要やUNIの取組みについて説明を受けた。また、インド出身のプージャ・カパヒUNI Aproオルグ(デジタルコミュニケーション・キャンペーン担当)は、同国における貧富の差や女性差別などの問題に触れつつ、非正規層や青年女性の組織化、縁故主義の蔓延する労働組合運動の課題を指摘した。マレーシアのメディア労組のアメリア・ナディアKESTMB労組副書記長は、多文化共生の同国の風土、メディア産業、労働組合の現状、女性や青年の課題、組合の活動などについて報告した。また、オーストラリア出身のホビッグ・メルコニアンUNI Apro組織化・キャンペーン部長は、同国の労働組合運動の概要や、出身組織である店舗流通関連労組が取組んできたハラスメント撲滅キャンペーンやフランチャイズ店舗における移民労働者搾取に対する闘い等について、報告した。進藤葉月UAゼンセン国際局職員は、11月に開催されたUNI Apro青年委員会及びワークショップについて報告するとともに、UAゼンセンの青年組織である「ヤングリーブス」の取組みについて紹介した。

最終日には、前日より準備と練習を重ねてきた最終プレゼンテーションが行われた。

グループ1は、Make Amazon Payやジェンダーに基づく暴力に反対するキャンぺーン等を事例にUNIの取組みを説明し、組合の下で団結すれば変革していく力を得ることができる、とまとめた。

グループ2は、青年や女性がどのように労働運動の中で闘ってきたか、いくつかの事例をもとに歴史を振り返った。同時に、寸劇とクイズを盛り込み、参加者を惹きつける対話型の構成で発表を行った。

グループ3は、日本に来た外国人労働者が、日本の独特の職場文化に触れて違和感を表明しつつ、日本の労働者もそれによって視野を広げていくというストーリーで寸劇を行った。

いずれのグループも本セミナーで学んだ内容を盛り込みつつ、短い練習時間の中でもチームワークを発揮して、助け合いながらプレゼンテーションを成功させた。

またセミナー中、上記グループワーク以外にも、プレゼンの司会進行を担う「モデレーター」、参加者同士のアクティビティを企画・実施する「ソーシャルファン」、その日の出来事を英文記事にしてFacebookにアップする「レポーター」の3委員会が設置され、参加者は各委員会の中で積極的に役割を果たした。さらに懇親会や休憩時間、ソーシャルファンのセッションを通じて、参加者同士やリソースパーソンとの活発な交流が行われ、懇親と友情を深めた。

参加者からは、「日本と異なる組合の課題や社会問題を聞くことができて視野が広がった」、「英語への興味を今まで以上に持つことができた」、「他労組のメンバーと共に団結して達成感を味わい、横のつながりをのばすことができた」といった前向きな感想が寄せられた。


ジェンダーに基づく暴力に反対し、労働組合が共に立ち上がる16日間

毎年11月25日は、「女性に対する暴力撤廃の国際デー」である。この日は世界中のUNI加盟組織にとって、12月10日の世界人権デーまでの16日間を、ジェンダーに基づく暴力に反対するために共に取組みを開始する、重要な1日だ。

ジェンダーに基づく暴力とは、事実上または認識された性、ジェンダー、性的指向、性自認に起因する攻撃や敵意のことで、深刻な人権侵害となる。生命を脅かす健康上の問題であり、保護が必要となる。

今年、UNIの16日間キャンペーンでは、あらゆる形態のジェンダーに基づく暴力を理解すべく、基本に立ち返る。労働者が自分自身と同僚を守るためにUNI加盟組織が行っている取組みを紹介していく。

ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、「ジェンダーに基づく暴力を防ぐ上で、誰もが役割を担っている。我々は、不平等やそれを生み出す社会的・文化的規範と闘い、組合や労働者の間で力を高め、変革を訴えていく必要がある。女性の権利は労働組合の権利であり、我々はあらゆる形態の暴力やハラスメントから女性を守るために闘っていかなければならない」と述べている。

労働組合には、ジェンダーに基づく暴力を含むあらゆる形態の暴力やハラスメントから労働者を守る義務がある。労働組合は、安全な職場を作るために使用者と協約を交渉し、被害者を支援し、特別休暇手当を提唱し、暴力とハラスメントの根絶を目指す法律文書の採択をロビー活動で働きかけ、労働者の側に立つことによって、この義務を実践している。

職場における暴力とハラスメントを撤廃するためのILO第190号条約と第206号勧告は、労働組合がジェンダーに基づく暴力を根絶し、労働者を保護する政策を実施する上で不可欠なツールである。この条約はこれまで35 か国で批准されており、コロンビアを含め、多くの国でUNI加盟組織は条約の批准を働きかけている。

その他にもUNIは、フランスの銀行グループであるクレディ・アグリコルとのグローバル協定を含め、暴力やハラスメントの撤廃を求めて多国籍企業との協定にILO第190号条約や第206号勧告を盛り込んできた。UNIの加盟組織も、ウガンダのカルフールなど、それぞれの団体協約に190号条約の原則を盛り込んでいる。

ジェンダーに基づく暴力に反対する16日間の取組みに乗り出すにあたり、ソーシャルメディアで#16Daysのハッシュタグを使用して、活動を共有することをお忘れなく。


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