ブログアーカイブ

欧州の小売卸売業界は女性が支えているが、ジェンダー格差は依然として深刻

●欧州各地の小売卸売産業の加盟組織がローマに結集し、同部門におけるジェンダー格差について議論した。
●参加者は課題や優良事例を共有、6つの重点分野を特定した。
●議論は、欧州の小売・卸売業界におけるジェンダー不平等に関するUNI 欧州の最新の包括的報告書の分析に基づいて行われた。

欧州のスーパーマーケット、デパート、小売チェーンに足を踏み入れれば、そこは従業員の大部分を女性が占めている。しかし、この女性が主流を占める業界における「ガラスの天井」は依然として深刻な状況だ。商業部門の労働力の圧倒的多数を占める女性労働者は、男性同僚に比べて賃金が低いだけでなく、社会保障や労働安全面でも不利な立場に置かれている。

これは、2026年5月19~20日にローマでイタリアのUNI商業部会加盟組織UILTuCSが主催した2日間のワークショップのテーマである。欧州各地(ドイツ、スウェーデン、イタリア、オランダ、ボスニア、ベルギー)から集まった商業部門の労働組合指導者、研究者、労働者は、1年にわたる調査を経て、今後数年間の活動を指針とする具体的な計画を策定した。
  
参加者には、UNI欧州の最新報告書「商業部門におけるジェンダー不平等」の調査結果が提示された。この報告書は、低賃金・パートタイム職から、管理職や技術職において女性の人数が過少である状況に至るまで、商業部門におけるジェンダー不平等の構造的要因を深く掘り下げている。

続いて、様々なステークホルダー間での議論と意見交換が行われ、デジタル化や環境に配慮した移行圧力の中で不平等が深刻化するのを防ぐため、最も介入が必要な6つの優先分野が浮き彫りになった。
• 賃金格差の是正
• 雇用の安定と標準的な雇用形態の促進
• 「マザーペナルティ」の解消と不平等なケア責任の是正
• 安全な職場の確保
• 公正な移行の管理
• 複合的な差別の是正

労働組合には何ができるか?
課題の特定に加え、本ワークショップでは欧州各国の労働組合による優良事例の共有も促進された。

●すべての職場に労働組合の連絡窓口を設置し、賃金透明性データを監視するとともに、ジェンダー中立的な賃金体系の実現を推進する。
●EU賃金透明性指令を活用し、今年から賃金監査と同一労働同一賃金に関する団体交渉を義務付ける。
●すべての職場で安全衛生委員会の設置を義務付けるよう交渉し、顧客による暴力に対しては実際に執行されるゼロトレランス(一切容認しない)方針を導入する。
●特にフランチャイズ店舗において、フルタイム勤務、予測可能な勤務時間、勤務スケジュールの事前通知に関する団体交渉による権利を確保する。
●デジタル化によって女性が職を失う前に、女性を対象としたリスキリングのプログラムについて雇用主から拘束力のある確約を引き出す。
●真に分かち合われる育児休暇(長期かつ十分に補償が支払われ、母親だけでなく父親にとっても当たり前のものとなる)を求める運動を展開する。

この分析に基づき、ジェンダー平等を達成するために重点を置くべき分野と必要な具体的な措置を明確にするガイドラインが作成された。本文はまもなく公開される予定である。

本調査は、商業部門におけるジェンダー視点を通じた労働条件の改善 (I’M Pinc)というEU共同資金によるプロジェクトの枠組みの中で実施された。同プロジェクトは、重要な研究の欠落を埋め、労働組合がこれらの変化に効果的に対応するために必要なツールを提供することを目的としており、商業の未来が革新的であるだけでなく、公正なものとなるよう確保することを目指している。


UNI LGBTI+ネットワーク、テクノロジーを悪用した暴力の脅威増大を指摘

2026年5月19日、UNI LGBTI+ネットワークは年次オンライン会議を開催し、世界中から約100名の参加者が集まった。会議では、アフリカ、アジア、欧州、米州から労働組合代表が登壇し、LGBTI+労働者を保護・支援するための成功事例を共有するとともに、組合のキャンペーンや取組みを紹介した。また、新たな脅威でありながら十分に報告されていない職場の危険、すなわち「テクノロジーを悪用としたジェンダーに基づく暴力(TFGBV)」にも注目が集まった。

司会を務めたマルタ・オチョアUNI機会均等局シニアコーディネーターは「LGBTI+の労働者について語る際、この暴力には明確な目的がある。それは、懲らしめ、沈黙させ、存在を消し去ることだ。カミングアウトの強要は偶然の事故ではなく、集団的ハラスメントも突発的なものではない。これらは虐待の一形態だ」と述べた。

続いてアルケ・ベシガーUNI副書記長は、組合に組織としてのコミットメントを求め、次のように訴えかけた。「ディーセントワークとは、職場に安全と尊厳があること。仕事に行くというだけで、暴力やハラスメントに直面したり、カミングアウトを強要されたり、差別を感じたりするようなことがあってはならない。平等はアイデンティティの問題ではなく、労働者の権利の問題だ。我々にいま必要なのは、意識啓発から具体的な行動へと移行すること。交渉を行い、政策を策定し、研修を実施し、手順書を作成し、キャンペーンを展開する必要がある」

国際的な状況:LGBTI+の権利にとっての重大な局面

グローバルユニオン評議会のクレア・トレバーLGBTI+労働者グループ・プログラム・コンサルタントは、世界的に権利が圧力にさらされている文脈を踏まえ、「極右勢力の台頭により、世界は重大な局面を迎えている。LGBTI+労働者の権利について労働組合の取組みを強化することが急務だ」と訴えた。また、2025~2026年にかけて以下の行動が実施/計画されていることを報告した。

  • 2025年6月、史上最多の参加者を集めたブダペストでのプライド・マーチに労働組合員が参加
  • 欧州労働組合連盟(ETUC)と国際レズビアン・ゲイ協会(ILGA)欧州事務所による共同抗議声明の発表
  • フィリピンでILO第190号条約に関する研修を実施、 7つのGUFsから20名以上の活動家が参加
  • 2025年11月、国連ビジネスと人権フォーラム内で初めて労働組合主導のイベントを開催
  • 2026年にはコロンビアでILO第190号条約に関する研修を計画

TFGBVとは何か―なぜLGBTI+労働者に深刻な影響を与えるのか?

会議ではTFGBVに関する概要が紹介され、LGBTI+労働者が非常に高いリスクにさらされている理由が強調された。

オチョアUNI機会均等局シニアコーディネーターは、同局が実施したTFGBVに関する調査結果を発表した。この調査は6言語で実施され、39カ国から137件の回答が寄せられた。回答者の約5人に1人が、職場環境におけるTFGBVの直接的な経験があると報告した。LinkedIn、X、Facebookといった公開プラットフォームが、社内ツールよりも主要な攻撃の場となっている。自らの表現を規制する行動が最も一般的な最初の対応であり、報告されているメンタルヘルスへの影響には、不安、うつ病、身の安全への恐怖などが含まれる。重大な問題として、43%の職場では、関連する保護措置(方針、労働協約の条項、研修など)が一切整備されていない。使用者の対応は不十分と評価され、回答者からは、労働組合の対応すべき最優先事項として団体交渉が挙げられた。

この調査結果は、より広く世界的な状況と一致している。米国のLGBTI+権利促進団体であるGLAADの調査(2023年)によると、現在行われているオンラインハラスメントの91%がトランスジェンダーの人々を標的としている。トレバー・プロジェクトの報告 (2023年) では、13~24歳のLGBTI+の若者の59%がネットいじめを経験している。ILGA欧州事務所の報告書(2022年)によると、レズビアンおよびバイセクシュアルの女性の65%がオンライン上で性的なメッセージにさらされており、Front Line Defendersの調査 (2023年) では、LGBTI+活動家の40%がオンライン上の嫌がらせを理由に活動規模を縮小させていることが明らかになった。

続いてUNI世界ICTS部会のニタ・カランジャ労働安全衛生・技術コーディネーターは、UNIの調査報告書『People Behind the Screens(画面の向こう側の労働者)』について説明し、最も危険にさらされながらも最も目に見えにくくされている労働者グループの一つ、すなわち、ほとんど保護措置のないままデジタル世界において有害なコンテンツの一部を処理しているコンテンツモデレーターやデータアノテーターにスポットライトを当てた。

そして、「LGBTIQのコンテンツモデレーターは、憎悪に満ちたコンテンツに遭遇するだけでなく、それをプラットフォーム上に再掲載せざるを得ない状況に追い込まれることで、特に深刻な影響を受けていた。心理的サポートが存在していたとしても、LGBTQの人々に対するヘイトスピーチなど、内容が極めて悪質とみなされない限り、彼らはそのサポートを受けることさえできなかった」と指摘した。

2025年にUNIはナイロビでコンテンツモデレーターを対象とした初のグローバルフォーラムを開催し、「安全なデジタル労働のためのグローバル労組アライアンス」を発足させるとともに、組織化の権利、有害コンテンツへの曝露制限、公正な契約、トラウマに配慮した安全研修など8つの要求事項を盛り込んだ「グローバル安全衛生プロトコル」を発表している。

各地域からの報告:労働組合の取り組み

●欧州:スペイン、CCOO- 枠組みとしての団体交渉

CCOO サービス部門のローラ・ファティマ・カステジョ・パス女性・平等・多様性担当書記は、スペインの2023年トランスジェンダー権利法および2024年の規制枠組みが、団体交渉を通じてどのように具体化されてきたかを説明し、「労働条件は人々の社会生活や私生活に影響を与える。職場環境で尊重されれば、その幸福感は日常生活にも波及します。そうでない場合、その悪影響は両方の領域に深刻な害をもたらすのであり、それらを切り離して考えることは困難だ」と述べた。

CCOOの戦略は3つの軸に基づいている。一つ目は、差別禁止、職種分類、心理社会的リスク評価、および非性差別的な言語使用を網羅する、すべての主要な産別協定に盛り込まれたLGBTI+条項。二つ目は、予防措置と制裁メカニズムの両方を備えたハラスメント防止プロトコル。そして三つ目は、スペイン政府、CCOO、UGTが共同で策定し、2026年3月31日に公表されたトランスジェンダー支援プロトコルである。このプロトコルは、労働者が行政上の性別登録手続きを開始した際に任意で発動され、個々の移行プロセスを監督するための労使合同委員会を設置するものである。

●Apro:日本、全労金Asia-Pacific –ゼロからの構築

全労金の深見正弘委員長は、2025年6月に同組織が「第2次ジェンダー平等計画」の一環として、性的指向および性自認(SOGI)に基づく差別禁止に関するガイドラインを策定したことを報告した。主な取組み目標として、 事業体に対してSOGIEに対する方針の策定を求めること、ハラスメント防止メカニズムの導入、相談体制の整備などが含まれる。また2019年のILO第190号条約採択後、2年間にわたる交渉を経て、業務に関連するあらゆる場所を対象とする業界全体のハラスメント防止ガイドラインも策定された。

これまでこの種のガイドラインが存在しなかった業界において、重要な一歩である。

●アフリカ:南アフリカ、  SASBO-危険の特定

金融労組であるSASBOのジムキタ・デムカ青年部議長は、労働安全衛生の観点からTFGBVについて言及し、「報告事案数の少なさは、事件の発生頻度が低いことを示すものではない。報告してもさらなる被害を招くだけだと、我々のコミュニティがどれほど不信感を抱いているかを示す指標なのだ。デジタル上の安全に関する団体交渉は、労働者保護の新たなフロンティアだ」と指摘した。

SASBOの要求は、以下の通り:労働安全衛生の枠組みを改定し、LGBTI+特有のリスク評価を通じ、職場におけるTFGBVを明確に職場の危険因子として分類すること。人事部門とは独立した、安全で匿名性の高い通報窓口を設けること。LGBTI+向けのサイバーセキュリティ研修に投資すること。LGBTI+ネットワークの代表者が、オブザーバーではなく意思決定者として労働安全衛生委員会に参加できるようにすること。

●米州:カナダ、Unifor–ツールと指針、制度的枠組み

トビー・ホイットフィールドUnifor顧問弁護士兼全国2SLGBTQIA+(多様な性を表す総称)連絡担当は、教育、実践的なリソース、および団体交渉条項を統合した枠組みを提示した。そして、「労働者の性自認の移行は一人ひとり異なるのであり、職場環境が複雑であることを踏まえた支援が必要だ。使用者には、クィアやトランスジェンダーの人々を差別やハラスメントから守る義務があり、性別移行中の労働者を支援する役割を果たすべきだ」と訴えた。

その重要性は明らかだ。EGALカナダ(2SLGBTQIA+のための権利促進団体)の調査によると、カナダのトランスジェンダー、トゥ・スピリット、ノンバイナリーの労働者の72%が職場での差別を経験しており、ほぼ半数が受け入れられていないと感じたために退職を検討したと報告している。

Uniforの取組み事例:地方組合員を対象とした5日間の「プライド活動家コース」の実施、2025年にリニューアルされた『トランスジェンダー労働者ガイド』の策定(差別禁止、福利厚生、トランスジェンダー移行計画に関するモデル労使協定条項を含む)、地方レベルで労使協定に明文化された「2SLGBTQIA+職場支援プログラム」、地方組合によるジェンダー平等キャンペーン支援のため助成金を支給する「ローカル・エクィティ基金」。

法的枠組み:ILO第190号条約とデジタル職場

本会議では、ILO第190号条約が、職場におけるTFGBVに対処するのに最も適した既存の国際的枠組みであることが説明された。直接適用される条項が3つある。第2条は、保護の対象をデジタルな職場環境およびプラットフォーム労働者に拡大し、第6条は性的指向および性自認を保護対象として明示している。そして第3条は、業務に関連したコミュニケーションを通じて発生する暴力およびハラスメントを規定している。

またILO第206号勧告は、実施に向けたロードマップを提供している。第18項は、デジタル技術およびソーシャルメディアに関する使用者の方針策定を義務付けている。第22項は、デジタル暴力、安全な通報体制、報復からの保護を網羅する団体交渉条項を義務付けている。第16項は、性自認および性的指向別の細分化されたデータ収集を義務付けている。

今後の展望

本会議では、労働組合の行動における6つの優先分野が特定された。労働組合は、TFGBV、オンライン上の暴力、およびLGBTI+の保護について明示的に網羅する団体交渉条項を交渉し、心理社会的リスク評価を含む労働安全衛生の枠組みにおいてTFGBVを職場の危険因子として分類するよう取組むべきである。職場では、通常の人事プロセスとは別に、安全で匿名性が高く、LGBTI+を肯定する報告窓口を設けるとともに、労働者と管理職の両方に対して、デジタル上の安全やLGBTI+の包摂に関する専用の研修を実施する必要がある。ジェンダーアイデンティティや性的指向別に分類されたデータを収集することは、今後も被害の実態を記録し、さらなる行動に向けた根拠を構築するための前提条件となる。政策レベルでは、労働組合はSNSプラットフォームの説明責任を求める運動を展開するとともに、ILO第190号条約の批准と完全な実施を提唱すべきである。


「LGBTI+差別撤廃国際デー」:デジタル暴力に立ち向かおう

「LGBTI+差別撤廃国際デー(IDAHOBIT)」を迎えるにあたり、我々は世界中の一員であるLGBTI+の仲間たちと連帯する。

この日は、LGBTI+に対する差別が労働者の生活と生計に直接的な害を及ぼすことを改めて想起させるものだ。今年、我々は「テクノロジーを悪用したジェンダーに基づく暴力(TFGBV)」という脅威に焦点を当てる。オンライン上で行われる暴力やハラスメントは増加しており、職場やその先の実社会において深刻な影響を及ぼしている。

テクノロジーを悪用としたジェンダーに基づく暴力(TFGBV)とは?

TFGBVには、オンライン上のハラスメントや性差別的な侮辱、ストーキングや望まないメッセージの送信、個人情報を許可なく公開すること、ディープフェイクを含む画像を用いた虐待、同意のない親密な画像の共有、そしてデジタル監視やモニタリングなど、多くの種類の虐待的行為が含まれる。

より強力な保護措置

TFGBVがLGBTI+の労働者にどのような影響を与えているかをより深く理解するため、UNIは調査を実施している。予備調査の結果によると、驚くほど多くの回答者が、職場に関連する状況において、自身の性的指向、性自認、または性表現に関連した何らかの形のデジタル暴力、ハラスメント、または虐待を経験したことが明らかになった。

我々が団体交渉協定を通じて、法的支援やメンタルヘルス支援、デジタル上の安全研修、そしてデジタルプラットフォームに対するより強い説明責任など、デジタルを介在した暴力に対するより強力な保護措置を求めているのは、まさにこうした理由からだ。

労働組合の対応

ヴェロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、「LGBTI+の権利は労働者の権利であり、グローバルな労働組合運動として、我々はすべての労働者の安全、平等、尊厳を守るために立ち上がる。多くのLGBTI+労働者がすでに認識しているように、デジタル空間は安全な場所ではなく、本来あるべき保護措置が欠如しているケースが非常に多い。労働組合は、LGBTI+の労働者がこの問題に独りで直面させられることのないよう、使用者との団体協約を通じて保護措置を交渉する上で、重要な役割を果たすことができる」と述べた。

2026年5月19日、UNIはLGBTI+ネットワーク向けにウェビナーを開催し、TFGBVがどのように行われているか、そして労働者と労働組合がそれに対して何ができるかを検討する。このセッションでは、調査結果を基に職場での保護を強化するための実践的な取組みを探っていく。

IDAHOBITとは?

5月17日のIDAHOBITとは、「国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビア・デー(International Day Against Homophobia, Biphobia and Transphobia)」の略称である。この日は、世界中のLGBTI+の人々が直面する暴力や差別に対する認識を高め、包摂性を育み、平等な権利を促進することを目的としている。

なぜ5月17日なのか?

IDAHOBITが5月17日に制定されたのは、1990年に世界保健機関(WHO)が『国際疾病分類(ICD)』から同性愛を削除した決定を記念するためです。


UNI欧州商業部会の報告書―ジェンダー不平等の構造が浮き彫りに

欧州全域において、女性は小売・卸売業の労働力の3分の2近くを占め、その中核を担っている。だがこの数字の裏には、女性の働きが正当に評価されていないという現実がある。根強い不平等、限られたキャリアアップの機会、そして急速に変化する業界におけるリスクの増大である。

同時に、この業界は大きな変革の真っ只中にある。デジタル化、Eコマース、環境に配慮した移行が、雇用と労働条件の両方を再構築しているが、多くの場合、保護措置は十分に講じられていない。

こうした変化をより深く理解するため、UNI欧州商業部会は、「商業部門におけるジェンダー不平等を理解する」と題する新たな報告書の作成を委託した。本報告書は、低賃金・パートタイム職から、管理職や技術職における女性の過小代表に至るまで、商業部門におけるジェンダー不平等の構造的要因を深く掘り下げている。

またこの報告書は、見過ごされがちな問題、すなわち小売現場の労働者がジェンダーに基づく暴力やハラスメントに広くさらされている実態にも光を当てている。報告書は、ジェンダーに配慮したアプローチがなければ、これらの変化が既存の不平等をさらに深刻化させるリスクがあると結論付けている。

本調査は、EUが共同出資するプロジェクト『Improving working conditions through gender perspective in commerce(ジェンダー枠組みを通じた商業部門における労働条件の改善、I’M Pinc)』の枠組みの中で実施された。同プロジェクトは、重要な研究の空白を埋め、労働組合がこれらの変化に効果的に対応するために必要なツールを提供することを目的としており、商業の未来が革新的であるだけでなく、公正なものとなるようにすることを目指している。多言語版報告書はこちらから。


女性が立ち上がる時、組合は強くなる:ビンドゥ・パテル・マレーシアAMCO書記長へのインタビュー

2026年3月の国際女性月間を記念し、UNI Aproは、メイバンク・クラスワン・オフィサー協会(AMCO)の書記長であるビンドゥ・パテル氏へのインタビューを行った。 ビンドゥ同書記長は、2025年12月に締結した、23ヶ月にわたる困難な団体交渉においてAMCOを率いた。不確実な時代において、粘り強さと連帯、そして原則に基づいたリーダーシップが何を実現できるかを示す証となっている。

インタビューは、2026年3月26日にミシェル・ベリーノUNI Apro女性活動担当部長(以下、ミシェルと記載)が行った。

ミシェル:2026年の国際女性デーを記念して、このインタビューに応じてくださりありがとうございます。2025年12月にメイバンクとの新たな団体協約を締結されたこと、おめでとうございます。まずは、ご自身と組合について簡単にご紹介いただけますか?

ビンドゥ:私はビンドゥ・パテルと申します。AMCO(メイバンク・クラスワン・オフィサー協会)の書記長を務めています。書記長には2014年から就任しましたが、組合活動への関わりはそれよりずっと前から始まっています。2000年に組合員として加入し、2006年に組合活動に本格的に参加し始め、2010年にはAMCOの執行委員となりました。ですから組合活動に携わって約26年になります。

AMCOは西マレーシア全域のメイバンク職員を代表しており、現在8,000名強の組合員を擁しています。組合は、公平性、透明性、そして人間味のある職場方針を提唱しています。組合員の尊厳と生計の両方を守る協約を交渉しつつ、組合員間の団結を築くことに尽力しています。

ミシェル:今回の新しい団体協約の締結には2年を要したと伺っています。前回の協約が2023年12月に失効した際、AMCOの組合員はどのような状況に直面していたのでしょうか?

ビンドゥ:今回の協約締結に時間がかかった主な理由は、銀行の経営陣の交代でした。交渉の途中で人事担当責任者が退任し、新しい担当者が就任したことで、交渉の進展が著しく困難になりました。前任者は組合の貢献と苦労を理解してくれていたので、彼女が留任していれば、交渉はもっとスムーズに進んだと思います。人事異動があったことで、銀行側を説得するのに非常に長い時間がかかってしまいました。
同時に、現場の組合員が直面していたのは、生活費の高騰と不安定な雇用でした。デジタル・トランスフォーメーションによって銀行業界が大きく様変わりするなど、多くの変化が起きており、団体協約の更新がないことは大きな不安材料となっていました。主な懸念は賃金と保護に関するものでした。

ミシェル:交渉では、西マレーシアのと東マレーシアの間にある賃金格差への対応も含まれていました。その問題について説明していただけますか?

ビンドゥ:西マレーシアは、ケダ州やペルリス州からジョホールバルに至るマレー半島全域を指します。東マレーシアはサバ州とサラワク州です。歴史的に、東マレーシアは物資の輸送費がはるかに高かったため生活費が高く、賃金も高かった上、東マレーシア手当が支給されていました。東マレーシアの職員が最初の団体協約を締結し、生活費手当が基本給に組み込まれた際、両地域間の賃金格差がより顕著になりました。これはAMCOが自らの団体交渉において解決を目指した課題でした。

ミシェル:これほど長く困難なプロセスを通じて、あなたとチームはどのようにして組合員のやる気と関わりを維持したのですか? 交渉を進めつつ団結を維持することは困難でしたか?

ビンドゥ:一貫して、頻繁なコミュニケーションを維持しました。メールでニュースレターを配信し、Zoomによる意見交換会も開催しました。組合員のフィードバックを得るためにアンケート調査も行いました。各州を回って組合員と対面でも会いました。

私たちが実施した重要な取組みの一つは、徹底した情報共有です。なぜ我々がさらなる改善を求めているのかを理解してもらうため、銀行の財務諸表の読み方といった基本的なことを組合員に説明しました。組合員は、退職金への積立効果を考慮せずに、現在受け取っている金額だけに注目しがちです。1%の差が退職後の貯蓄に大きな影響を与えるのですが、特に若い労働者はそのことを必ずしも理解していません。

9%の給与調整案が提示された際、執行委員会の9名は個人的に納得していました。しかし、組合員の犠牲と貢献を考慮すれば、これは組合員にとって公平な提案ではないと理解していました。銀行の最大の収益源は組合員であり、利益が100億単位に達しているにもかかわらず、賞与は減少の一途をたどっていました。論理的には、会社が繁栄すれば賞与も改善されるはずです。しかし、私たちの場合は逆だったのです。

アンケート調査を行った結果、90%近い組合員が「まだ署名せずにさらに交渉を続けるべきだ」と回答しました。これが、私たちが交渉を継続する正当な根拠となりました。

異なる期待のバランスを取ることは、確かに容易ではありませんでした。苦境にあり、さらなる改善を求めてくる組合員もいれば、比較的恵まれた環境にあり、提示された条件で十分だと感じる組合員もいるのです。しかしこうした組合員に事情を説明することで、彼らの目と心が開かれたのです。そして、2年間も待たされたにもかかわらず、彼らは私たちと共にいてくれました。これは、エンゲージメントが極めて重要であることを示しています。

ミシェル:組合員の意向を把握するためにZoomでの投票を実施されましたが、連帯活動についてもお聞かせいただけますか?

ビンドゥ:Zoomによる投票を行ったのは、状況について相反する情報が飛び交っていたからです。中には「組合の指導部だけが提案に反対しており、組合員は概ね納得している」と示唆する声もありました。提案に反対しているのが私たち指導部だけの意見ではなく、組合員全体の声であることを証明するための証拠と記録が必要だったのです。

私たちが立ち上げた連帯活動は、今回の団体協約のキャンペーンにおいて重要な要素となりました。「ブラック・マンデー」のキャンペーンでは、全組合員が黒の服を着て出勤するよう呼びかけました。各部署やユニットで写真を撮り、私たちに共有するよう呼びかけました。その時点では、私たちは心から不安を感じていました。交渉はすでに長引いており、組合員がまだ私たちと共に行動してくれているのか分からなかったからです。

しかしキャンペーン初日を迎えて、銀行の営業時間が始まる前から、写真が送られてきたのです。私は座り込んで泣いてしまいました。「組合員は私たちを支持してくれている!」と確信したのです。そこから、後戻りはできませんでした。

組合員たちは、私たちが求めた以上のことをしてくれました。歌を作ったり、動画を作ったりしました。また私たちは広範なネットワークを築き、首相官邸にまで働きかけたのです。これは、以前には決して必要なかったことです。

このキャンペーン期間中に私は13キロ減量しました。眠れない夜が続きました。私たちが下した結論が8,000以上もの世帯に影響を与えることになるためです。

ミシェル:振り返ってみて、何が転機だったと思いますか?どのような戦略が最も効果的でしたか?

ビンドゥ:従来は、労使関係はもっと単純で、互いに譲り合いながら物事を解決できていました。今回は状況が異なり、初めて試すことも多くありました。どの段階でも新しいことを学び、限界を超えて前進しました。

連帯行動が転機となりました。それが行われ、銀行の至る所で黒服姿の職員を見かけた時、CEOは疑問を抱いてチームに戻ったはずです。その後、私たちの要求は非現実的なものではなかったにもかかわらず、状況はより緊迫したものになりました。

UNI Aproから取締役会宛てに送られた書簡も、大きな影響を与えました。中野UNI Apro金融部会議長とラジェンドラUNI Apro地域書記長が取締役会に書簡を送ったことで、AMCOへの支援が単なる地域的なものではなく、グローバルなものであることが経営陣に示されました。少なくとも今、経営陣は私たちがネットワークを持ち、世界中の人々が公正なことを求めて団結していることを認識しています。

ミシェル:組合リーダーとして、この経験から個人的にどんな教訓を得ましたか?

ビンドゥ:戦略よりも忍耐と粘り強さが重要だと学びました。リーダーシップとは、全員の声を聞き、組合員に対して心から気にかけていることを示すことです。そして、使命を見失うわけにはいきません。信頼され、期待され、すべてを託されているわけですから。

確かに、10人から15人ほどの非常に否定的な組合員のグループがいて、メールやWhatsAppのグループを通じて私たちを攻撃し、誤った情報を広めていました。ですが私たちも組合員にメッセージと情報を伝え、全員を正しい方向へとリードし続けました。

ミシェル: 銀行業界全体での人工知能(AI)の導入といった急速な変化に直面し、組合の役割はどのように進化していくとお考えですか?

ビンドゥ: AIが銀行業界を変革する中、労働組合は、テクノロジーが労働者を置き換えるのではなく、補完するものとなるようにしていかなければなりません。今後10年間で完全な置き換えが起こるとは思いません。AIができることは、人間の仕事を補完し、プロセスを容易にし、サービスを向上させることです。しかし、私たちは再教育、公正な移行、そして搾取からの保護を強化しなければならず、これらの課題が非常に重要です。

ミシェル:この団体協約での成功は、公正な合意を確保する上で労働組合がいかに重要かという点について、組合員にどのようなメッセージを送っているのでしょうか?

ビンドゥ:このキャンペーンは、団結が力になることを真に証明していると思います。団結こそが第一です。組合員の利益を確保する上で、労働組合が依然として不可欠な存在であることを示しています。多くの若い組合員は、自分たちが享受しているものが、組合が闘い、交渉して勝ち取ったものであることに気づいていません。彼らは、それが会社から与えられたものだと考えています。

UNI Aproからの支援も非常に重要でした。私たちがマニラを訪れて問題を提起し、中野UNI Apro金融部会議長とラジェンドラUNI Apro地域書記長が取締役会に書簡を送ったことで、これが単なるローカルな問題ではないことが示されました。世界中の人々が、公正なことを求めて団結しているのです。

ミシェル:今回のキャンペーンではジェンダーが中心的な問題ではありませんでしたが、女性リーダーは組合の闘争にどのような独自の視点をもたらすとお考えですか?

ビンドゥ:女性リーダーは、しばしば共感力、忍耐力、そして協調の精神をもたらします。女性が他と比べて劣っているとも、優れているとも思いませんが、共感こそが最も重要です。共感し、誰の声も聞き逃さないようにすることで、組合の活動が強化されるのです。

また女性は表面的な反応で即座に判断を下すよりも、深く理解してから決断を下そうとする傾向があります。そして、AMCOの組合員の約71%が女性であることから、その視点は私たちの組合にとって非常に重要なのです。

ミシェル:リーダーシップの役割を担うことに躊躇している一般の女性組合員へのアドバイスをお願いします。

ビンドゥ:常に勇気を持って一歩踏み出してください。リーダーシップとは完璧さを求めるものではありません。信念が重要なのです。自分の視点には価値があると信じ、連帯があなたを支えてくれることを知ってください。落ち込んだり不安になったりした時、周囲の連帯を感じれば、心が動かされるはずです。

ミシェル:新たな団体協約が締結された今、AMCOと組合員にとっての優先事項は何ですか?

ビンドゥ: 私たちの最優先事項は依然として団体協約です。今年末に再び期限切れとなるため、その取り組みは継続します。また、組合員の教育を強化し、デジタル・トランスフォーメーションへの備えを整え、将来の交渉に向けたレジリエンスを築いていきたいです。

ミシェル:マレーシアの銀行業界における将来の課題に立ち向かうため、組合の能力をどのように強化していくとお考えですか?

ビンドゥ:研修への投資は非常に重要です。また、デジタルツールへの投資や、より強固なネットワークの構築も必要です。すでに、各銀行労組のリーダー間には強力な地域ネットワークが築かれています。能力開発は、私たちが機敏かつ効果的に活動し続ける助けとなるでしょう。

また、組合活動を単なる座学の活動にとどまらず、若い組合員を惹きつけるチームビルディングや野外活動など、現実の生活に即したものにしようと努めています。徐々に、若手組合員が前に出てきて関心を示し始めています。時間はかかりますが、こうした次世代のリーダー層を育成することは、私たちにとって最優先事項です。

ミシェル:最後に、UNI Apro加盟組織でリーダーシップの役割を担うことを検討している女性組合員に向けて、激励の言葉をいただけますか?

ビンドゥ:リーダーシップを担うことを検討しているUNI Aproのすべての女性へ。あなたの勇気は、人々の生活を変える力があると知ってください。リーダーシップとは、恐れを知らないことではありません。恐れを抱きながらも一歩踏み出し、連帯があなたを支えてくれると信じることです。一人ひとりの声が私たちの集団的な力に強さを加え、あなたが踏み出す一歩一歩が、他の人々のための扉を開きます。

女性が立ち上がれば、組合も強くなるのです。そして組合が強くなれば、社会はより公平なものになります。ですから、ぜひ舞台に立ち、自分の立ち位置を確立し、あなたのリーダーシップを輝かせてください。共に力を合わせれば、尊厳、正義、平等が単なる願望ではなく、現実となる未来を築くことができます。

この2年間を経験していなければ、私はこのようなことは言えなかったでしょう。ここで共有しているのは、私の26年にわたる組合活動ではなく、まさにこの2年間の道のりです。そして何より重要なのは、自分の仕事に情熱を注ぐことです。情熱こそが、あなたを突き動かす原動力となるのです。


ガーナの医療従事者、組合研修でジェンダー平等に関する意識を高める

長年にわたり、アデレード・アモア氏は、コフォリドゥアの東部地域病院で行われる議論を、ただ見守るだけであった。「私たちにはアイデアがあっても、発言力や自信に欠けていた」と議論に参加しなかった過去を振り返る。

だが、UNIとガーナ保健サービス労組(HSWU)が2025年9月に港町テマで主催した、労働安全衛生およびジェンダーに基づく暴力防止に関する研修に参加したことを契機に、状況は変わり始めた。

ドイツ国際協力公社(GIZ)が資金提供した『ケア部門における能力開発プログラム』の一環として実施されたこの研修は、職場の安全とジェンダー平等に関する労働者の理解を深めることを目的としていた。

研修は、職場の力学に配慮した構成となっており、女性たちはまずリーダーシップに関するセッションに参加してサポート体制の整った環境の中で自信を築いた後、ジェンダーバイアスや職場でのハラスメントといったデリケートなテーマに取り組む男女混合のワークショップに加わった。男性も専用のセッションを受け、ジェンダー役割に関する自身の固定観念を検証するよう促された。

アモア氏にとって、この研修は職場における自身の役割について見方を変えるものとなり、「私にとっての変化は、女性自身が能力を高め、自信を持って意思決定の場に加わらなければならないと気づいたこと。法律は私たちを後押ししてくれるが、私たち自身も一歩踏み出さなければならない」と述べる。

病院に戻ったアモア氏は、同僚との議論の中で積極的に意見を述べるようになり、今では自身の提案が検討され、取り入れられている。「自分の存在が認められ、大切にされていると感じる」と語るアモア氏は、他の女性たちに対しても、職場で自分の権利を主張し、キャリアアップを目指すよう働きかけ始めた。

同じく研修に参加した主任眼科技師のトマス・ブルサ氏にとって、この研修は職場だけでなく、家庭生活についても考え直すきっかけとなった。

ブルサ氏は、自らは公平に女性を扱っているつもりであったが、文化的な規範が依然として女性に重い負担を強いていることに気づいたと言う。研修後は子供たちと機会均等について率直に話し合うようになった。また、このプログラムが「共に進むこと」を重視していた点が特に意義深かったと述べ、「研修から得た最も貴重な教訓は、集団としてのエンパワーメントの重要性。真の達成とは、一人で頂点に立つことではなく、他者を高め、誰もが成功する機会を得られるようにすること」と語った。

参加者は、女性のリーダーシップに関するセッションと男女混合の対話が組み合わさったこの研修が、個人的そして職業的な変化のための場を生み出したと語る。ブルサ氏は、「平等への道のりはまだ長く続いている。それにむけた一翼を担う覚悟ができた」と語った。

アデレード・アモア氏とトーマス・コフィ・ブルサ氏は、2025年9月にガーナ・テマで開催された「女性リーダーシップおよび労働安全衛生(OSH)/ジェンダーに基づく暴力とハラスメント(GBVH)」研修に参加した。この研修は、ドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)の資金提供を受け、UNIがHSWUと提携、GIZの「ケア部門における能力開発プログラム」と協力して実施したものである。


女性労働者のリーダーシップ:ペルーの銀行労組

今日、パトリシア・サラザール委員長が率いるサンタンデール銀行労組は、強力なリーダーシップと組織、そして労働組合の国際連帯が困難な状況下でも労働者の権利を守りぬくことを示す力強い事例となっている。パンデミック中、組合の下に団結した労働者は、国際連帯の力を得て、法的措置と抗議活動を通じて大量解雇に立ち向かった。UNIや連帯組織の後押しを受け、ペルーの同労組は最終的に解雇の撤回と組合員の再雇用確保に成功した。

2025年2月28日、スコシアバンクグループは金融部門をサンタンデールグループに売却することを決定し、労働者にとって新たな局面が幕を開けた。この状況下で組合は組織の継続、雇用安定の確保、企業間移動する労働者の地位保護を図りつつ、名称をクレディスコシア銀行労組からサンタンデール銀行労組に変更するプロセスを開始した。

組合の要求事項には、労働者への情報提供と組織化に不可欠な手段である組合掲示板へのアクセス権など、基本的な労働組合権の尊重が含まれた。サラザール委員長は、「些細な要求に見えるかもしれないが、この権利の承認を得るために8年以上も闘ってきた我々にとって、これは重要な成果。法律で定められた権利でありながら、多くの企業が未だに抵抗している」と述べる。今日、サンタンデール銀行は組合の闘いのおかげで、ペルーで唯一組合掲示板の使用が認められている銀行である。

同委員長は、「組合組織の強化と決定的局面における労働者支援の全過程においてUNIの支援は極めて重要だった。サンタンデール銀行労組の国際的なネットワークからの支援は、スペイン本部の組合と連携した具体的な行動を通じて、労働者の権利のための闘争を持続させ、組合員にとっての具体的な進展を確固たるものにした」と振り返り、「この経験は、労働組合の国際連帯が具体的な成果—権利保護、組織強化、より強固で民主的な組合構築の進展—につながることを示している」と結んだ。

コロナ禍からのプロセス

2020年10月、当時スコシアバンクグループ傘下だったクレディスコシア・フィナンシエラは、100人以上の組合員と執行委員全員を含む350人の労働者を対象とした集団解雇手続きを実施する計画を発表した。この措置は労働者の雇用だけでなく、労働組合そのものの存続をも脅かした。

労働者の権利を防衛する闘争を主導したサラザール委員長は、「パンデミックの最中に解雇されることは、実質的に飢え死にを意味した」と語る。その後数か月間、組合は動員と法的防衛の強力なキャンペーンを展開し、組合員は20回以上のデモ行進を組織し、国家労働監督庁(SUNAFIL)、労働省、司法機関への申し立ても行った。

この過程には困難な局面もあった。ある動員活動の中で、組合幹部は拘束され暴行を受け、数日間にわたって投獄された。組合員の約60%を占める女性労働者も抗議活動中に虐待的な扱いを受ける事態に直面し、労働者の権利を守る上で女性が直面するさらなる困難を浮き彫りにした。

この闘争で組合は最終的に、集団解雇の撤回と組合員の復職を勝ち取ったのである。パンデミック下でペルーの多くの企業が同様の措置を講じていた状況下にあって、特に意義深い成果と言える。


国際女性デー:カナダ郵便労組の女性リーダーからメッセージ

今年の国際女性デーに際し、カナダ郵便労働組合(CUPW-STTP)のジャン・シンプソン委員長にスポットライトを当てる。同氏はカナダで全国規模の労働組合の委員長となった初の黒人女性であり、昨年はUNI世界郵便・ロジスティクス部会議長に4年の任期で選出された。以下のインタビュー記事から、ぜひ同氏の組合運動にかける情熱を感じていただきたい。

UNI世界郵便・ロジスティクス部会議長を務めることになったご感想は?
非常に光栄であると同時に大きな責任を感じています。この職は、急速な技術革新、産業の再編、労働条件への圧力といった多くの共通課題に直面している世界中の郵便・ロジスティクス部会の労働者からの信頼を背負うものです。私にとってこれは、労働者の声が世界的に届くようにし、良質な雇用と公共郵便サービスを守るための強力で連携のとれた戦略を構築し続けるということです。

なぜ国際連帯が重要なのでしょうか?
グローバルな連帯が不可欠なのは、私たちの業界を形作る企業や勢力が国境を越えて活動しているためです。労働者が自国内に孤立したままでは効果的に対応できません。国を超えて労働組合が連携すれば、戦略を共有し、争議で互いを支援し、賃金・労働条件・職場での尊重に関するより強固な基準を設定できます。連帯することによって、ある国での進展が世界中の労働者を支える力となり、使用者が労働者を対立させることを許さないのです。

UNIの一員であることがカナダの郵便労働者にどう役立っているのでしょうか?
UNIの一員となることで、カナダの郵便労働者は同様の課題に直面する世界的な組合ネットワークとつながることができます。この連携を通じて、私たちは郵便サービスの未来に向けた交渉力と提言力を強化するアイデア、研究、組織化戦略を共有しているのです。また、ロジスティクス部門とEコマースの変革に関する世界的な議論にカナダの労働者が参加できるようにし、産業が進化する中でも労働者の権利が中心に位置づけられるようにします。

UNI世界郵便・ロジスティクス部会議長として、この部門におけるあなたの目標は何ですか?
郵便・ロジスティクス部門の労組間の国際的な連携を強化し、業界が変化する中においてもディーセント・ワークを保護し、そしてEコマースと新技術の成長から労働者が確実に恩恵を受けられるようにすることです。公正な賃金、安全な職場環境、安定した雇用を推進すると同時に、持続可能で現代的な公共郵便サービスの擁護も求めていかなければなりません。もう一つの優先事項は、若い労働者を支援し、運動全体における代表性と包摂性を高めることで、次世代労組のリーダーシップを構築することです。

国際女性デーにあたり、志を持つ女性労働組合員の方々へのメッセージをお願いします。
私のメッセージは、あなたの声が重要だということ、女性がリーダーシップをとる時、私たちの運動はもっと力強くなるということです。労働組合はあらゆるレベルで女性の視点、経験、リーダーシップを必要としています。障壁は依然として存在するかもしれませんが、女性が前に進み、互いを支え合い、当然の地位を主張する時こそ、前進することができるのです。国際女性デーに際し、運動に関わるすべての女性に、参加し、声を上げ、リーダーシップをとるよう呼びかけます。労働運動の未来はそれに懸かっているからです。


国際産業別労働組合組織はイラン・中東における即時停戦と軍事的エスカレーションの終結を求める

UNIは他の国際産業別労働組合組織(GUFs)と共に、米国及びイスラエルによるイランへの軍事攻撃、並びにこれらが招いた紛争の激化を非難する。共同声明は以下の通り:

共同声明に署名したGUFsは、米国とイスラエルによるイランへの最近の軍事攻撃、特に民間人の死傷や学校・医療施設を含む重要な公共インフラの破壊をもたらした空爆を非難する。

これらの行動は国連憲章及び国際人道法に対する重大な違反であり、その人的被害が圧倒的に労働者階級に押し付けられている紛争をさらに激化させるものである。

労働者、民間人、公共機関は軍事作戦の標的となってはならない。学生、教師、教育関係者の殺害・負傷、学校や病院などの保護された民間施設の破壊は許されず、断固として非難されねばならない。

GUFsは、イランによるその後の報復攻撃にも懸念を抱いている。エスカレーションは不安定化を助長し、民間人の生命を脅かすだけである。港湾・空港・海上における移民労働者や運輸労働者(既に地域全体に広がる暴力で死傷が報告されている)は交戦状態に巻き込まれており、地域をより広範で壊滅的な戦争に陥れる危険性がある。

世界の労働組合運動は、暴力の連鎖を助長し、平和・正義・多国間協力の基盤を損なう武力行使を拒否する点で結束している。武力衝突ではなく外交こそが、安全保障と恒久的な平和への唯一の正当な道である。

様々な部門・大陸の何百万もの労働者を代表する組合として、我々は国際社会に対し以下を要請する:

  • 全ての当事者による武力行使を非難し、さらなるエスカレーションを防止すること
  • 即時停戦と完全な緊張緩和を確保すること
  • 国連のより強化された調整機能を包む外交と対話を優先すること
  • 国連憲章や民間人保護を含む国際法を擁護すること
  • 学校、病院、職場などの重要な公共インフラを保護すること
  • 地域全体における人権、労働者の権利、民主的自由、結社の自由を擁護すること

GUFsは、イラン及び地域全体の労働者、独立した労働組合、コミュニティと揺るぎない連帯を表明する。権威主義的統治と軍事化の論理によってあまりにも頻繁に沈黙させられてきた労働者の声が、必ず聞き届けられるようにしなければならない。イランの未来、そして地域の未来は、外部からの侵略や内部の抑圧から解放された、その地域の人々自身によって決定されなければならない。

我々は、紛争が交渉によって解決され、多国間主義が強化され、全ての人々が安全と尊厳、民主主義と平和の中で暮らし働く権利を有する世界の構築にむけた揺るぎない決意を改めて確認する。

署名団体:

  • 教育インターナショナル
  • 国際家事労働者連盟
  • 国際公務労連
  • 国際ジャーナリスト連盟
  • 国際運輸労連
  • インダストリオール・グローバルユニオン
  • UNI グローバルユニオン
  • 国際食品関連産業労働組合連合会
  • 国際建設林業労働組合連盟

欧州労使協議会とインディテックス・グループ、高齢労働者について画期的な合意

欧州労使協議会とインディテックス・グループは、高齢労働者の雇用課題への対応と職場における年齢多様性の促進について、先駆的な8項目からなる初の合意書に署名した。

本合意には、差別のない採用、労使関係における年齢中立的アプローチ、高齢労働者の知識・経験継承のためのメンター制度導入、および年次労働力分析の実施が含まれる。

この取組みは、職場における高齢者の価値を認識する広範な取組みの一環であり、グループ内で長期キャリアを持つ従業員の経験評価、平等な待遇の確保、世代を超えた人材活用を目的としている。

インディテックスはザラ、プルアンドベア、マッシモ・ドゥッティなどのファッションチェーンを傘下に持つ親会社であり、EU全域に事業を展開している。欧州労使協議会は、地域レベルでの経営陣との連携強化の窓口として、同社事業全体の労働者代表を結集している。

今回の合意を通じ、労使双方が確認したのは、欧州の労働人口の高齢化によって高齢労働者のニーズに合わせた人事政策の調整が必要であり、その経験とインディテックス・グループへの貢献を評価すべきであるという点だ。

そして職場における高齢者の専門的経験が重要な資産であり、仕事の質と満足度を向上させることを強調するとともに、世代間知識共有のツールとしてのデジタル化の役割を明示している。

より具体的には、新たな合意によって以下の分野で進展がもたらされる。
• 年齢・性別・資格に基づく労働力の年次分析の実施
• 採用プロセスにおける年齢中立的な雇用待遇と非差別の確保
• 特定の職務遂行に必要な経験・知識・能力のみを基準とし、年齢に基づく差別禁止の原則に基づく採用
• 加齢に伴う身体的・心理社会的リスクの予防
• 職務内容と労働時間の必要に応じた適応評価。
• 高齢労働者の研修と再資格取得の促進。
• 知識と経験の継承を目的としたメンタリングプログラムの推進。
• 各市場におけるベストプラクティスを分析する共同研究機関の設置。

合意により、インディテックスと欧州労使協議会は、職業人生の全段階における、責任ある包摂的で持続可能な人事管理への取組みを強化する。


uni logo
最近のコメント
    アーカイブ