ブログアーカイブ

コービン英国労働党党首、UNI世界大会で連帯挨拶

第5回UNI世界大会は、2018年6月17日、開会式を迎えた。来賓として登壇した、ジェレミー・コービン英国労働党党首は、ナショナリズム(国粋主義)の高まりを厳しく非難し、進歩的で互いを尊重する国際主義のビジョンが各国に受け入れられるよう、国際労働運動が果たす役割に期待した。

「世界の経済システムは、グローバルノース(北半球の先進国)とグローバルサウス(南半球の途上国)のわずかな国のためだけに機能しているのは明らかだ。多くの人々が代替案を探している。国際労働運動は、我々が持つ社会志向の価値を、世界中の働く仲間のための代替案にするために頑張らなければならない」と訴えた。

英国ではコービン党首は、「合法的な従業員への責任を逃れようとするウーバーのような会社でも、全ての労働者が、採用された初日から完全な権利を得、偽の個人事業主をなくす」ための計画を打ち出した。

「歴史上、真に革命的な変化は、政治家や指導者によって後世に残されたわけではない。人々を組織することによって、共に成し遂げられたということを忘れてはならない」と、コービン党首は、労働者が国境を越えて組織化される必要性を繰り返し強調した。

コービン党首はまた、人類にとって4つの大きな脅威を挙げた。気候変動、難民の窮状、軍事力の行き過ぎた使用、世界におけるとてつもない格差のレベルである。

「これらの問題は、国際協力、連帯、そして共同のアクションがなければ、解決できない。そして、国際労働運動のサポートがなければ解決できない課題でもある。」

フィリップ・ジェニングスUNI書記長は、コービン党首の演説を受けて次のように述べた。「ジェレミーのビジョンは英国の何百万人もの人を感動させただけでなく、世界の何千万人もの人々を勇気づけた。今日、世界中から結集した労働組合リーダーは、彼の強力で明確なメッセージを聞くことができた。企業の強欲と格差と闘う喚声と受けとめるだろう。」

最後にコービン党首は、「我々は大きな障壁に直面しているが、自分たちの労働組合と、UNIのような国際産業別労働組合それぞれにおける団結の力によって支えられている」と述べ、「我々は一握りのためではなく、多くの人々のためにひとつになって、共に闘っている力強い運動だ。連帯!」と締めくくった。


UNI世界大会開幕

第5回UNI世界大会がリバプールで開幕した。アン・セリンUNI会長は、労働組合の街として知られるリバプールの歴史と精神に敬意を表した。会場となったアリーナ&コンベンションセンター、エコー・アリーナは世界中から参集した2,500人を超える労働組合リーダーで溢れかえった。「強力で誇り高き労働組合の街リバプールの歴史は、UNI世界大会を開催すのにふさわしい。会場からすぐのところにある、ビートルズ・ストーリー博物館は、最近、組合承認協定を結んだ。恐らく私たちの存在が役立ったのだろう」と喜んだ。

セリン会長は、アフリカ、アジア太平洋、米州、欧州のUNI加盟組織に、問題に直面している世界中の労働者に連帯を示し、共に立ち上がろう、と呼びかけた。「我々は日々様々な課題に直面している。デジタル革命、地球温暖化、格差や富の配分の不平等が拡大している。労働者の状況はもっとよくなっていいはずだ。」

国際連帯の重要性をあらためて強調し、セリン会長は、「事業が国内で行われていた時代は労働組合も国内課題を扱っていた。今は事業がますます国際化している。だから我々労働組合も、国際的な視野を持たねばならない。」

「我々は常に、貧困削減、正義、平等、ディーセントな仕事、公正な賃金、そして基本的人権を求める闘いの最前線にいなければならない。とりわけ、誰もが人間らしい有意義な生活を送り、職場で尊厳を得られるよう、平和を求めて闘わなければならない。」

「生態系の持続可能性も優先課題だ。子供たちのために地球を救わなければならない。地球が死んでしまえば仕事も何もない。」

「この偉大な街からインスピレーションを受けている。我々は勇敢で、挑戦する勇気があり、他とは違う。」

力強い演説の最後に、セリン会長は「何事も成功するまでは不可能に思えるものだ」というマンデラの言葉を引用した。「リバプールで大きな夢を抱こう!我々は世界中の労働者にとって希望の光となる。我々は実現している。」


UNI世界郵便・ロジスティクス部会委員会及び世界会議

UNI世界郵便・ロジスティクス部会委員会及び世界会議が5月23~24日、スイス・ニヨンのUNI本部で行われ、約50人が出席した。23日午前に部会運営委員会、23日午後から24日にかけて世界会議が開催され、JP労組からは柴愼一副委員長、八木国際部長、栗原JP総研スタッフ、大芝国際スタッフが出席、UNI Aproからは大崎郵便・ロジスティクス部会担当部長が出席した。

会議では、世界議長のデーブ・ウォード英国CWU書記長が会議の議事進行を行い、コーネリア・ブロースUNI郵便・ロジスティクス部会担当局長が自己紹介を含め、昨年7月から新たに局長として就任して以降10か月の活動報告と今後部会が直面する課題について提案を行った。ブロース局長は、地域別活動報告、組織化、UNIとUPUとの新しい覚書案の承認、また付属資料として共同プロジェクトの具体的な内容について報告し、議論を行った。共同プロジェクトへのアイディアともなる、各国で進められている新サービスやイノベーションについても報告した。会議では2018年の活動計画についても議論、討論した。会議では、柴愼一JP労組副委員長が、民営化と労組誕生の変遷、そしてJP労組の10年間の成果、課題や取り組みについてプレゼンを行った。郵便局ネットワークを使った独居高齢者世帯への「みまもりサービス」や、日本郵便とベンチャー企業と連携し、自動運転、ロボット、ドローンなどの活用の実験を進めている状況を報告した。

また、今回、スーザン・アレクサンダーUPU国際局規制担当エキスパートが会議に出席し、UPUに関するプレゼンテーションを行った。国連の持続可能な開発目標(SDGs)達成のためにも、労組との協力は不可欠であり、UNIとの今後の密接な協力に対して大きな期待を表明した。UNIとUPUの新しい覚書は今年10月までにUPUの内部承認作業を終え締結を計画しているが、その締結前から共同プロジェクトを始めることになっている。

UNI郵便・ロジスティクス部会では、多様化する世界各国の郵便サービスの実態把握のため、①全加盟組織にアンケートを配布し、各組織から情報を集め、さらに②フランスのコンサルタント企業と契約し世界各国の郵便の自由化に関する調査を10月中旬までに行い、エグゼクティブサマリー及び50ページ前後の報告書を作成する。

会議の終了前には2020年にアジア太平洋地域で計画されるUNI世界郵便・ロジスティクス部会大会については、最も相応しい場所の選定を局長に一任するとし、現在韓国での開催を軸に調整していることが報告された。また、ポルトガル郵便の再国営化を求める請願書に会議出席者全員が署名し、労組に手渡した。

今部会委員会及び世界会議には、Aproからは日本のほかにシンガポールUTESとスリランカNPTWUから委員が出席した。

Apro地域の課題

各地域の郵便・ロジスティクス部会の活動報告が行われ、Apro地域からは、昨年末APPUとの新しい覚書に署名し、6月25日からベトナム・ダナンで開催されるAPPU執行理事会にも招待され、オブ参加することを報告した。また、新しい覚書にのっとり、今年中にAPPUとの政策フォーラムを開催するべく、現在準備中であると報告した。スリランカでは、郵政長官がUNIと安全規定について協力したいとの意向が示されており、U2U、UNI SCORE支援によってスリランカ、パキスタンの組織化セミナー(8月下旬~9月上旬で現在調整中)でUNI関係者が現地を訪問する際、合わせて協議を行うこととしている。

デジタルスキル研修(シンガポール政労使の取り組み)

世界各国がEコマースを始めとする多くの新しいサービスを導入している中、シンガポールでは職員のスキルアップに政労使が一致して取り組んでいる。ツビンダー・シンUTES書記長が政府による「スキルフューチャー制度」(シンガポールに3年以上居住する25歳以上の市民または永住者が受けられるデジタルスキルアップ研修)について報告した。さらにシングポストでは、UTESの働きかけが功を奏し「スキルフューチャー制度」に参加する職員に対し1日の有休休暇制度を導入し、職員が研修に参加しやすい環境づくりをしている。また、ツビンダー書記長はUTES、シングポストと雇用エンプロイヤビリティー協会の三者が協力し、郵便職員のデジタル化に伴うスキルアップの方法も模索している状況もあわせて報告した。

郵便・ロジスティクス部会活動計画(2018~2019年)

2018年~2019年の主な4つの活動項目は以下の通り。

  1. さらなる郵便事業の自由化と民営化を阻止する
  2. 郵便事業の将来を守る
  3. DHLとDPDジオポストにおいて、労働組合の力を強める
  4. UNIと郵便部会加盟組織のさらなる強化を図る

また、カナダCUPWから活動計画に気候変動の課題についても盛り込むことが提案され、全会一致で承認された。


第20回UNI Apro郵便・ロジスティクス部会委員会

標記会議が5月11日、UNI Apro郵便・ロジスティクス部会委員及びオブザーバーを含む30人が出席しシンガポールで開催された。会議では、新しく着任したコーネリア・ブロースUNI郵便・ロジスティクス部会担当局長も出席し、郵便事業の変革を行っている世界各国の郵便状況報告、また、セネガルなどで成功している多国籍ロジスティクス企業の組織化状況報告を受け、討論を行った。2週間後にスイス・ニヨンで開催されるUNI世界郵便・ロジスティクス部会委員会及び世界会議、2020年にApro地域で開催されるUNI世界郵便・ロジスティクス部会大会の開催地等の準備状況について全体で確認した。

 

 

基調講演と各国報告

(1) シンガポールポスト 

シンガポールポストのフローレンス・チャン副社長が、「シンガポールポスト、私たちの変遷の旅」と題し、150年をかけ世界的な郵便企業へと成長していった経験を話した。世界的にみると、かつて中核であった書状市場が10%以上も前年より減少している地域もある。シンガポールポストでは、「生き残るために変化する」とし、アリババなど多くのEコマース企業と提携し、既存の郵便ネットワークを使ったエンド・ツー・エンドの配達サービスを展開している。

(2)  世界の郵政事業の自由化と改革の発展

ブロースUNI郵便・ロジスティクス部会担当局長からは、欧州の更なる郵便の自由化を阻止する活動の紹介があった。欧州地域では、郵便物数の減少、Eコマースや小包物数の増加など、Apro地域とも共通する現象が起きている一方、将来のユニバーサルサービスの定義が、高い郵便料金、遅い配達スピード、配達頻度の減少など、これまでの基準から大きく変わる可能性も示唆された。

また、韓国郵政労組イ・ドンホ委員長は、新しいサービス、特にメールドローンの試行実験と環境に配慮した電気自動車による配達を積極的に導入している報告を行った。また、長時間労働をなくすため、土曜配達の廃止を目指すことが表明された。インドネシアASPEKリンフォックス労組のテグー委員長は、昨年末に経営側(リンフォックスはオーストラリアに本社のある多国籍ロジスティクス企業)から突然労組役員を含む職員の解雇通知を受け取ったが、UNI Aproの支援もあり、無事に労使の話し合いによって解決でき、解雇通知は撤回されたことが報告された。

APPUとの関係 ~関係強化に向け新しい共同プロジェクトを着手~

クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長からは、現在JP労組の支援により開催されているUNI AproとAPPU共催の若手組合員向け共同セミナーに加え、UNI Apro郵便・ロジスティクス部会委員会メンバーとAPPU加盟国対象のフォーラムの開催が提案され、全会一致で承認された。

UNI Apro郵便・ロジスティクス部会活動計画(2018~2019年)

採択された部会の活動計画の項目は以下の通り。

(1) 郵便・ロジスティクス企業の組織化・加盟組織のない国へのアプローチ及び現在脱退している組織への接触

(2) 組合のエンパワーメントと能力開発・各種セミナー支援

(3) UNI Apro郵便・ロジスティクス部会の調和の取れた労使関係を進める

(4) APPUとの関係強化・新しい共同行動を進める

 


UNI Apro執行委員会、パートナーシップ労使関係の重要性を再認識

第24回UNI Apro執行委員会が、2018年5月9~10日、シンガポールで開催された。

開会にあたり、野田UNI Apro会長は、「2015年のUNI Apro地域大会で採択されたブレイキングスルー戦略に基づき、アジア太平洋地域の各加盟協・各部会を中心とした活動は着実に前進をしている。アジアの時代が到来する中、労働組合の果たすべき役割もますます高まっている。本委員会の意思統一を踏まえ、更に運動を強化していこう」と挨拶した。

ジェニングスUNI書記長の代理として出席したホフマンUNI副書記長は、現下の世界政治情勢に触れ、フランスやブラジル等において労働運動や民主主義に対する攻撃が続く一方、ジャーナリスト、エコノミスト、思想家等が、「団体交渉は経済成長に寄与する社会的公共財。労働組合は格差是正の解決策になる」との認識を持ち始めるなど良い兆しもある、と述べた。野田UNI Apro会長は、39日後に迫ったUNI世界大会で選出予定のホフマン新書記長を、UNI Aproとして支えていくと激励した。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro書記次長から各部会の成果報告を受けた後、各国の委員から報告を受けた。

宮井UNI Apro金融部会議長は、アジア開発銀行(ADB)との関係強化の取組み成果を報告し、継続の重要性を訴えた。八野UAゼンセン副会長は、昨年の各部会大会で確認した声明に明記された、公平な成長と包摂的社会経済開発を維持するためのパートナーシップ労使関係の重要性を想起し、国や労働法は違っても、UNI Aproとして推進していくことをあらためて提起した。

これを受け、ウン地域書記長は、パートナーシップ労使関係の実践によって、労働組合が脅威とは見られず、パートナーとして経済統合プロセスへの関与を歓迎されるようになったASETUC(ASEANサービス労組協議会)の実例を繰り返し強調した。また、ADBとの関係強化については、UNI Aproの信頼性が高まるだけでなく、UNI Aproの影響力を高める上でも有益であると述べ、関係強化の取組みを継続していくと約束した。

2019年の第5回UNI Apro地域大会、女性大会については、ネパール・カトマンズでの開催を決定した。

 


世界の働く仲間とつながろう!JP労組中国地方本部「次世代役員育成セミナー」

2018年5月10日、東京で、JP労組中国地方本部「次世代役員育成セミナー」が開催され、JP労組中国地方本部より16人の若手組合員が参加した。

次世代を担う組合役員の国際労働運動に関する知識向上と意識の醸成を目的に開催したもので、森川UNI日本加盟組織連絡協議会事務局次長が「UNIの活動」について説明した。世界及びアジア太平洋地域郵便事情が抱える課題や、UNI/UNI Apro郵便・ロジスティクス部会の取組みを概説し、JP労組が果たす国際労働運動における役割やUNIのネットワークを通じた連帯、社会貢献活動等を紹介した。

最後にJP労組の若手組合員へのメッセージとして、「UNIを通じて世界の働く仲間とつながろう」と国際労働運動への積極的な参加を呼びかけた。


女性役員の育成には共感力が必要!

2018年4月24日、東京で、UNI-LCJ女性ネットワーク会議が開催され、10組織から40人が出席した。

目的は、UNI及びそのアジア太平洋地域組織(UNI Apro)の女性委員会が取組むジェンダー平等促進活動について、理解を深めることと、UNI-LCJ構成組織で活躍する女性役員から経験を聞き、UNI-LCJ構成組織の女性のネットワークを広げることであった。

第1部ではまず、小川UNI Apro機会均等担当部長が、UNI/UNI Aproのジェンダー平等促進活動及び6月のUNI世界女性大会について簡単に紹介した。

続いて、UNI Apro女性委員を務める、杉山真裕子全印刷中央執行委員と、新田真帆損保労連中央執行委員から、昨年11月のUNI Apro女性委員会での議論や出席した感想、組織における女性を含めた役員の育成等についての有益な経験を聞いた。

第2部では、UNI-LCJ構成組織の中央本部で役員を務める、古賀初代印刷労連副中央書記長、高橋桂子生保労連中央副執行委員長、小出真理子全労金書記次長、三木佳世子日放労中央執行委員をパネリストに迎え、組合役員になったきっかけから、ワークライフバランスの秘訣、政府が進める女性活躍推進政策に対する意見、労働組合における女性の参画の進展、更にはデジタル化によって女性労働者の働き方はどう変わるか、まで示唆に富んだ経験や意見を聞いた。また、自らの経験から、組合役員としての苦労や良かった点についても共有し、最後に後輩女性へのアドバイスがあった。

また、UNI世界女性委員会の議長を務める、英国Prospectのデニス・マクガイア委員長から、参加者にビデオメッセージが届いた。冒頭、2010年、長崎でのUNI世界大会に参加した経験を懐かしみ、リバプールでも良い思い出をつくってほしいと述べた。リバプールは「労働組合の街、強い女性の街」であると紹介し、UNI世界女性大会・世界大会で、日本の多くの女性代議員が大会議論に積極的に参加することを期待した。


スリランカの人材育成に貢献するJP労組関東地方本部奨学金

2018年4月、西藤JP労組関東地方本部委員長を団長とし、若手組合役員7人からなる代表団がスリランカ・コロンボを訪問した。

4月20日、現在JP労組関東地方本部から奨学金を受けている第8期の高校生・大学生の家庭を訪問した。奨学生及びその家族(郵便労組組合員)から直接、学校生活や専攻する学問、将来の夢等を聞き、スリランカの郵便局で働く家庭の状況を理解することができた。

21日には、UNI-SLAC(スリランカのUNI加盟組合の協議会)青年委員会・女性委員会との交流プログラムが開催された。元奨学生3人とその家族、ガヤン・ムナウィーラUNI-SLAC議長、奨学金管理委員会メンバーらも出席し、JP労組関東地本の奨学金と長年の支援に対し、感謝の意が示された。JP労組関東地本代表団は、奨学金の意義を実感することができた。

UNI Apro/JP労組関東地本奨学金プロジェクトは、スリランカのUNIに加盟する郵便労組(UPTO及びNPTWU)組合員の子供に奨学金を2年間支給するものである。(高校生は月額4000ルピー、大学生は5000ルピー)昨年、78人の応募があり、オンライン筆記試験及び全国5箇所の郵政研修施設で奨学金管理委員会による面接が行われ、15人が選抜された。奨学生の選考にあたっては、学業成績だけでなく、スポーツや音楽の才能等を含め総合的な人間性が評価の対象となっている。

西藤委員長は、既に7期90人を超える郵便労働者の子供たちが高校・大学で勉強を続け、地域や国の発展に貢献する優秀な人材として活躍していること、また奨学金支給から10年以上が経過し、卒業生たちが社会で活躍していることを喜んだ。

ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長(スリランカ出身)は、奨学金管理委員長として、全逓千葉県連協(当時)からJP労組関東地本に引き継がれ現在に至る長年の支援に感謝した。卒業生は、エンジニア、医師、看護師、教師等、多方面で活躍していると報告した。奨学生とその家族に希望を与えるだけでなく、「労働組合の国際連帯を通じて、スリランカにおける労働組合のイメージが向上し、特に若い世代が労働組合に関心を持つようになった」と、奨学金プロジェクトのインパクトが強調された。UNI-SLAC青年・女性委員会メンバーは、学生に面接を行い、労働組合の社会的貢献や国際連帯について話をするなど、このプロジェクトを側面から支えている。

元奨学生の1人、パムドゥは現在、総合病院で医師として働いている。医学部で学ぶ際の医学書や授業で必要な医療器具の購入に奨学金を充てることができた。「普通の郵便局員の家庭で生まれ、奨学金を得られて幸運にも医者になることができた」と感謝した。大学で講師を務めるミシハラは、両親が公務員であるため国の奨学金を受ける資格が無く、精神的に落ち込んでいたところ、郵便労組を通してこの奨学金制度を知り、奨学金を得ることができた。彼女にとって奨学金は、金銭的支援だけでなく、大きな心の支えとなった。自らの経験から「他者を助ける連帯の重要性」を、学生たちに伝えていきたいと語った。

UNI-SLAC青年・女性委員会メンバーとの交流プログラムでは、英語で自己紹介を行い、スリランカ語の歌や踊り、折鶴の紹介等を通じて文化交流をすると共に、両国の青年・女性活動を共有した。

また、郵政長官を表敬訪問し、中央集配センターを視察することによって、スリランカの郵政事業について理解を深めた。

 


労働組合と平和―UNIは平和への取組みを続ける

7年ぶりに長崎を再訪したフィリップ・ジェニングスUNI書記長は、「核兵器の終わりか、それとも、私たちの終わりか」という、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞を受賞した際の、ベアトリス・フィン事務局長の演説の一節を引用した。長崎は、2010年のUNI世界大会の開催地。その大会でUNIは、核兵器のない世界を創る取組みを確認した。「私たちが終わる」脅威。世界中にはまだ1万5千発を超える核兵器が存在する。ジェニングスUNI書記長は、長崎の平和大使として世界に核兵器廃絶を訴え続けてきた。

UNI-LCJは3月1日、長崎で、ジェニングスUNI書記長の再訪を歓迎する会を開催し、当時のUNI長崎連絡会役員及び加盟組織役員等40人が集まった。中村法道長崎県知事、田上富久長崎市長も出席した。田上市長は挨拶の中で、「分断された世界において、平和の構築に労働組合の声は極めて重要だと認識している」と述べた。生存する被爆者が減っても、平和へのメッセージが忘れられてはならない。ジェニングスUNI書記長は、「労働組合は平和運動と連携し、長崎及び広島の被爆者の経験を語り継いでいく義務がある」と訴えた。

中村県知事は、UNIが長崎で大会を開催したことにあらためて感謝した。その上で、6月に退任するジェニングスUNI書記長に、今後も「長崎奉行」として長崎の思いを世界に発信し続けてほしいと期待を寄せた。

2010年以降も、UNIと長崎との友好関係は続いており、毎年スイスにあるUNI本部に長崎からの平和大使を受け入れ交流している。UNIはICANとIPB(国際平和ビューロー)のメンバーでもある。「平和」は6月に英国・リバプールで開催される第5回UNI世界大会の議題としても取り上げられる。平和はUNIの取組みの中心にある。なぜなら、社会正義がなければ平和が構築できるはずがないからだ。「平和なくして正義なし、正義なくして平和なし。」

UNI運動の目標は150か国から集う加盟組織の間に連帯を構築することである。2017年だけで15万7千人もの尊い命が紛争で失われた。犠牲になるのは人々であり、荒廃した国を再建するのも人々である。150年前、英国・マンチェスターで初の労働組合会議が開催された時から、労働運動は常に平和運動の推進者でもあった。

世界を見れば、労働運動はいつも勇気をもって危険をかえりみず、平和を求める闘いの中心にあった。独裁者に立ち向かい、民主主義と人権を求めて闘い、時には命を落とすこともあった。コロンビア、南アフリカ、北アイルランド、チュニジア、チリ、ブラジル、アルゼンチン、フィリピン、ネパール、インドネシア…労働組合がいかに民主主義、社会正義、そして平和のために立ち上がったかはあまり語られないが。

2007年のICAN創設以来、より多くの平和・核兵器廃絶推進団体が連携を図り、2017年7月7日、122か国が賛成し、核兵器禁止条約が採択された。現在まで50を超える国が批准した。地雷及びクラスター爆弾禁止条約もこの動きを後押しした。

2010年のUNI長崎世界大会で、核兵器のない世界の構築に向けた新たな勢いが感じられた。世界週末時計が深夜まであと2分と迫る中、我々はこの取組みを継続していかなければならない。

ジェニングスUNI書記長は最後に、2017年のノーベル平和賞受賞式で演説した広島の被爆者、サーロー節子氏の言葉を引用した。「今日私は皆さんに、広島と長崎で非業の死を遂げたすべての人々の存在を感じていただきたい。皆さんに、私たちの上にそして私たちの周りに、 25万人の魂の大きな固まりを感じ取っていただきたいと思います。その一人ひとりには名前がありました。一人ひとりが、誰かに愛されていました。彼らの死を無駄にしてはなりません。」

UNIリバプール世界大会では、 時が流れても、犠牲者の死が決して無駄にならないよう、我々は取組みを進めていくことを示す。


UNIの新たな未来に、ブレイキングスルー!

2018年2月27日、第19回UNI-LCJ年次総会が東京で開催され、各加盟組織より運営委員及び総会代議員、オブザーバー等約80人が出席した。2017年度活動報告、会計報告に続き、「UNIの新たな未来に、ブレイキングスルー!」をコンセプトとした2018年度活動計画及び予算が承認された。また、新メンバーを歓迎した。

UNI本部からフィリップ・ジェニングスUNI書記長、UNI Aproからクリストファー・ウン地域書記長が来賓として出席した。今年6月にリバプールで開催される第5回UNI世界大会で退任予定のジェニングスUNI書記長は、他の友誼組織からの参加者も含めた約130人を前に、「労働の未来を私たちの手に」と題して講演を行った。松浦議長が司会を務め、釘本UNI Apro青年委員会副議長(日放労中央執行委員)、杉山UNI Apro女性委員(全印刷企画部長)がインタビューする形で進められた。ジェニングスUNI書記長は、UNI世界大会の舞台となる英国・リバプールの街と世界大会の概要、英国の労働運動が直面する課題、UNIの『労働の未来』の取組み等について熱く語った。

リバプールは、英国の北西部に位置し、綿や機械製品輸出の拠点であり、新大陸への移民を乗せた船が出発し、アフリカからの奴隷貿易の中継港として発展してきた世界遺産にも登録されている歴史的な都市。世界大会は港近くのコンベンションセンターで開催され、大会テーマ「Making It Happen!(実現しよう)」の下、組織化、労働の未来、平和等について議論が行われる。また、ネルソン・マンデラ生誕100周年、女性参政権獲得100周年、英国ナショナルセンターTUC設立150周年等を祝い、コービン労働党党首やノーベル平和賞を受賞したICAN代表等、多彩な来賓を迎える予定である。

英国の労働運動は18世紀の産業革命がきっかけで発展し、今年はTUC設立150周年にあたる。TUCが強さを誇るのは公共部門で、民間部門は20%の組織率に留まり、労働協約で守られている労働者は30%に過ぎない。こうした状況を打破するため英国の労働組合は組織化に力を入れ、公共部門では17万人、民間部門では、一般労働者10万人、運輸労働者12万人、小売店労働者8万人の組織化に成功している。現在、英国はEU離脱がもたらす経済の影響や、ゼロ時間契約(オンコール労働)、格差拡大などの課題に直面している。

「労働の未来」は非常に重要な問題であるが、そもそも国際社会において「労働」を政治的な議論の場の中心におくこと自体が困難であり、「賃上げがなければ経済回復はない」という国際労働運動のメッセージは長年軽視されてきた。そうした中で、UNIは「労働の未来」について他に先駆けて取組みを始め、AIの倫理的活用、労働者/消費者データの保護の必要性等を訴えてきた。ジェニングスUNI書記長は退任後も2019年まで、ILOの仕事の未来世界委員会の委員として、デジタル化が進む中で労働者が「誰一人取り残されない社会」を目指していく、と抱負を述べた。

最後に、日本の加盟組合へのメッセージとして、「UNI-LCJの皆さんには今後もいっそう国際労働運動に積極的に取組み、UNI、UNI Aproにおいてリーダーシップを発揮してほしい」と、アジアおよび世界の労働運動の牽引役としての役割を期待した。また、2010年の長崎世界大会以来UNIとしても力を入れている平和の取組みの重要性にも言及し、「日本から世界へ平和のメッセージを発信し続けてほしい」と訴えた。

レセプションでは、本多厚生労働省総合政策・政策評価審議官、逢見連合会長代行、ウンUNI Apro地域書記長から連帯挨拶を受けた。また、ジェニングスUNI書記長の長年の功績に感謝し、野田UNI-LCJ副議長から記念品が贈呈された。2010年のUNI世界大会の長崎開催にあたり、地元の取りまとめ役を務めた宮崎連合長崎会長(元情報労連長崎県連絡協議会議長)は、長崎大会開催にまつわるジェニングスUNI書記長との思い出を振り返り、国際労働運動に直に触れることができた貴重な体験だったと感謝した。


uni logo
最近のコメント
    アーカイブ