「労働者の声に耳を傾けよ」:ローマから呼びかけ

2022年10月上旬、イタリア労働総同盟(CGIL)本部へのファシストによる襲撃から1年を迎え、何千人ものデモ隊がローマの街頭に結集した。デモ参加者は、イタリアや欧州各国の政策決定者に対し、労働者のニーズに耳を傾けるよう求めた。

労働者が提示した10項目の要求の中でも、生活費危機に対処するための団体交渉の強化と公正な税制、そしてイタリアにおける不安定な状況に対処し、社会保障と公共サービスを強化することは、特に優先課題だ。ここには、公共契約や民間企業への補助金に対する社会的条件の導入も含まれている。

UNI欧州は、デモ行進に加わるとともに、集会「労働者の権利と民主主義のための反ファシスト国際ネットワーク」にも参加した。オリバー・レティクUNI欧州地域書記長が講演を行い、極右グループによる分裂を煽る企てを阻止するための、欧州各地の労組の戦略・戦術について、洞察を語った。

マリア・グラツィア・ガブリエリFILCAMS書記長は、「改めて仕事を中心に据えたプロジェクトが必要だ。不安定な状況との闘い、そしてより良い労働条件や尊厳ある賃金も必要だ。この国に別の未来を切り開くということは、若者、女性、そしてすべての働く人々に展望と未来を与えるということだ」と訴えた。

レティク地域書記長は、「ローマの街頭から、欧州全体に向けて、働く人々は警鐘を鳴らし、尊厳を要求している。生活費の危機は、多くの人々を深刻な経済難に陥れている。労働者を主役に据えることで、この問題に取り組まなければならない。団体交渉はその解決策だ。今こそ、職場の民主主義を強化するための行動を起こすべき時だ」と力強く呼びかけた。


チリのドラッグストア労働者、団体交渉で成果

2022年10月8日、チリのCONATRACOPSに加盟する全国薬局労連(FENATRAFAR)は、国内最大規模のドラッグストアの1つ、サルコブランドとの団体交渉で勝利し、重要な協約に達した。

同労連は、この協約でサルコブランド全労働者の賃上げを勝ち取り、また休業手当として各労働者に100万ペソを交渉した。ジョルジナ・カラスコFENATRAFAR事務局長は、「労働者の尊厳と権利が守られた団体交渉の過程で、多大な支援を受けたことに感謝したい」と述べた。

また同労連は、通勤費手当の再調整、白エプロン使用の復活、その他の改善を実現するための対話継続の意思を両者が持つことなどについても協議、確認を行った。

「この組合を構成する73%の女性は、今回の勝利とUNIの支援に値する労働者であり、我々は誇りに思う」とカラスコ同事務局長は締めくくった。

10月6日に労働者による平和的デモ行進が実施された際、会社側が労働者にガスを放射する事件が起きた。これを受けたストライキを経て、今回の協約が締結された。UNI米州はこの事件を公に非難しており、労働省は責任の所在を明らかにするために調査を開始する予定だ。

今回のキャンペーンと交渉の担い手となり、ディーセントワークと公正な労働条件のために闘ってきたすべての労働者に祝福を贈る。


第9回UNI Apro東アジア労組フォーラム (2022年10月13~14日、台湾(ハイブリッド開催))

第9回UNI Apro東アジア労組フォーラムは、2022年10月13~14日、台湾においてハイブリッド開催された。日本、韓国、台湾、香港、モンゴルより述べ約200人が参加した。日本からは14組織73人(うち女性26人、女性参加率38%)が参加した。前回(2019年)、デモの影響で参加できなかった香港が参加し、モンゴルも前回に続き2回目の参加となった。

「東アジアにおけるポストコロナ時代の新たな課題と労働組合の対応」というスローガンの下、「ポストコロナの労働安全衛生と組合の対応」、「ポストコロナで加速するデジタル化に対応した人材育成と組合の対応」、「ポストコロナの職場におけるハラスメントと組合の対応」というテーマで、各国が取組みを共有した。

 開会冒頭、ホスト国を代表し、ウー・ウェンフォン中華郵政労組(CPWU)委員長および、来賓としてワン・アンバン台湾労働省副大臣より歓迎挨拶を受けた。石川 幸德UNI-LCJ議長は、ウー委員長をはじめ、台湾の準備ともてなしに感謝した。そしてラジェンドラ・アチャリャUNI Apro書記長就任後、初めての開催となること、また、香港およびモンゴルから再び参加を得ることができた。3年ぶり開催となる今フォーラムの成功を祈念すると述べた。また松浦 昭彦UNI Apro会長は、特に「仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関するILO190号条約」に関するテーマが本フォーラムで初めて取り上げられることを強調し、東アジアでは同条約の批准に至った国はなく、批准に向けた各国の取組みなどを共有したい旨述べた。この他、クリスティ・ホフマンUNI書記長、ユン・チャンヒョンUNI-KLC議長(韓国)、チェン・ライハUNI-HKLC議長(香港)、オユンバヤール・チェルテムドルチUNI-LCM議長(モンゴル)から連帯挨拶があった。

 アチャリャUNI Apro地域書記長は「アジア太平洋地域におけるポストコロナ時代の新たな課題と労働組合の対応」と題した基調講演において、ポストコロナ時代は対面接触の仕事やリモートワークと出勤との複合的な仕事形態、Eコマースの需要増加がある。雇用形態は複雑化することが予測され、労働組合の関与が不可欠である。新たな課題に対応するため、労働組合は有識者とも連携して組合の影響力を強化すべきだ」と述べ、日本のロビー活動や政策提案などの事例を挙げて強調した。また各国と連携して、青年や女性の地位を高める取組みも継続して行っていく旨述べた。

 続いて、「ポストコロナの労働安全衛生と組合の対応(サブテーマ1)」の冒頭、ホフマンUNI書記長より「労働安全衛生を「人権」に:新たな働き方に伴う新たな労働安全衛生課題に対するUNIの取組み」と題する特別報告を受けた。ILO労働安全衛生の基準の説明やサービス部門での安全衛生、ケア部門のメンタルケアの重要性など事例を挙げて説明し、「労働安全衛生は世界中どの国でも課題になっておりUNIは重要視している。来年開催するUNI世界大会でもテーマに取り上げる。我々が結束することにより、新たな問題解決方法を見つけていきたい」と述べた。

★討論のポイント

サブテーマ1:「ポストコロナの労働安全衛生と組合の対応」

(1)リモートワークにおける労働安全衛生の課題と組合の対応

  • 日本(辻 耕平 情報労連中央執行委員): 2点の課題、①「つながらない権利」は、日本において働き方をめぐる大きなテーマであり、海外での事例も参考にしながら当該企業労使の対応を強化していくことが必要である。②「AIによる労働監視の課題」は、日本でのAI活用は積極的な社会実装を進めようとしているが、データに関するルール制約などがAI利活用を阻む要因となっており、法的拘束力のある横断的な規制は不要との政府の考え方がある。労働分野におけるAI導入については、「事前の労使協議の徹底」や「従業員への同意確認」などを担保することが重要であり、論理的側面からの法整備について政策アクションを行っていきたいと報告した。
  • 韓国(キム・ジョンウ 韓国事務金融労連(KFCLU)オラクル韓国労組委員長):在宅および遠距離勤務、アルコリズム、災害保険などポストコロナの労働組合の対応を報告し、組織化や対面相談など在宅勤務での労組対応の難しさを説明した。
  • 台湾(チャン・フーチ 台湾金融労連(TFFU)委員長):コロナ禍における職場の安全や長時間労働、交代勤務などの労働安全衛生の状況を説明し、メーデーを活用した組合の対応など報告した。

(2)エッセンシャルワーカーの労働安全衛生の課題と組合の対応

  • 日本(坂根 元彦 JP労組中央執行委員):安全衛生の取組み、長時間労働および時間外労働の取組み、感染症対策について報告した。また無人搬送車・搬送ロボットAGV(Automatic Guided Vehicle)の導入を紹介し、郵便・物流の自動化進展の影響を報告した。
  • 韓国(ソン・クミ 全国保健医療産業労働組合(KHMU)書記長):感染対策、長時間労働などのストレス、交代勤務などの保険医療産業の現状と、政府や産業別交渉などの労組の対応報告をした。
  • 韓国(チュン・ハナ 韓国サービス労連(KFSU)政策局長):小売店の休業義務の現状と制度を説明し、休業義務の制度は変更せず、現行を維持しながら多様な意見をとりまとめる方針の政府に対して、政府HPや抗議の公文書などで意見表明をしている報告をした。
  • 台湾(ジャオ・リンユ 嘉義医療財団法人関連企業組合(CYCHCU)委員長):医療現場の現状を説明し、感染リスクの低減や適切な報酬など必要であり、組合は医療スタッフの感染リスクの低減を主張していると報告した。

サブテーマ2:「ポストコロナで加速するデジタル化に対応した人材育成と組合の対応

(1)各国・各産業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の現状と課題

  • 日本(村上 瑞紀 自動車総連国際局部長):オンラインによる販売および商談、顧客がHPやSNSから情報を入手し購入の意思を固めてから来店する形態のマーケティング、電子制御車両や電気自動車増加による点検・整備のデジタル化の現状を紹介し、それぞれの課題を報告した。
  • 韓国(パク・ホンベ 韓国金融労組(KFIU)委員長):非対面金融サービスの拡張による店舗閉鎖の加速化などで発生した雇用縮小、業務負担の増加、金融消費者保護の弱体化等の問題点を挙げ、労働組合の取組みを説明した。
  • 台湾(リン・イーフン 中華郵政労組(CPWU)国際局長:DXの課題を業界別に挙げ、労働組合は、新たなテクノロジーは、より価値の高い生産的で創造的な仕事に集中できる職場環境になることを望んでいると説明した。また建設中のポスタル・スマートロジスティクス・パーク(物流オペレーションセンター)の紹介とその特長を説明した。
  • 香港(チェン・ライハUNI-HKLC議長):デジタル技術が全面に押し出され社会機能が維持することが可能になった反面、課題も多い。限られた資金の中小企業やデジタル技術を持たない労働者など。教育の在り方、技術分野に進出するのはまだ困難な女性など、デジタル技術の関心を高めていく必要性を説明した。

(2)DXに求められる人材育成と組合の役割(雇用の安定、リスキリングなど)

  • 日本(須齋 弥緒 損保労連事務局次長):技術革新が進む現状で、「人」ならではの付加価値を生み出す環境整備(雇用の安定)および「人への投資」の重要性やリスキリングの更なる拡充(人材育成)が重要であるとし、その取組みを報告した。
  • 韓国(キム・オクラン 医療産業労組(FKMTU)教育担当部長):非対面診療を充実させるため、デジタル医療の技術開発を進めており、労働組合として、デジタル技術に対応する人材育成を行っている旨述べた。
  • 台湾(ハミルトン・チェン 公共テレビ労組(PRTSFEU)執行委員:公共テレビ放送の現状を説明し、労働組合としては非デジタル業務をDXの方針に合わせて従業員の教育・研修を行い、働き方改革をする。また人材開発への転換や賃金体制の構築に取組みたいと述べた。

サブテーマ3:「ポストコロナの職場におけるハラスメントと組合の対応」

(1)職場における暴力の実態とILO第190号条約批准に向けた各国の取組みについて

  • 日本(桐田 真弓 全労金書記次長):法律を上回る「禁止」を盛り込んだ「労働金庫業態におけるあらゆるハラスメントの禁止ガイドライン」の策定と取組みを報告した。ILO第190号条約をどう具現化するか、①ハラスメントは人権問題である、②業務に関わる全ての人を対象とする、③全ての場所・ツールを対象とすることを盛り込んだものである旨報告した。
  • 台湾(リー・ハンチー 中華電信労組(CTWU)国際局長):反職場暴力・ハラスメント機構の構築や男女雇用平等法、ジェンダー平等教育法、セクハラ防止法など、CTWUと中華電信の連携した取組みを報告した。
  • 香港(キャロル・チャン 小売商業被服一般労組(RCCIGU)委員長):ILO190号条約について、中国返還前はイギリス政府によりILO条約を批准していたが、現在は中国の一部であり、国連人権報告書によると中国は条約に批准しないと思うと説明した。

(2)ハラスメントや暴力の撲滅に向けた組合の取組み

  • 日本(中島 麻紀子 生保労連中央副執行委員長):「職場におけるジェンダー平等」および「ワーク・ライフ・バランスの実現」を中期取組み方針とし、ハラスメント対策の強化は、双方の取組みの柱として位置付けている。組織としての取組み紹介や、法改正の動きを踏まえたハラスメント防止に向けた対応を強化する必要性がある旨述べた。
  • 日本(佐藤 宏太 UAゼンセン流通部門執行委員):厚生労働省に働きかけた結果、2022年度に厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」が完成した。秋田県での事例やUAゼンセンの活動を紹介し、産別を超えた取組みが推進されるよう連合とも連携しながら進めたい旨報告した。
  • 韓国(オ・スジョン 韓国郵政労組(KPWU)委員長):職場内のパワハラやいじめ根絶に向けて、2022年2月、「労使合同パワハラ根絶宣言式」を開催し、毎月11日を相互尊重の日として、パワハラ改善に努力することを説明した。
  • 台湾(パトリシア・フン 公共テレビ労組(PTSFEU)):セクハラ、パワハラの事例をそれぞれ挙げ、前者は『ジェンダー平等委員会』を立ち上げて会議を行い、申立て後2か月で解決するよう対応しており、後者は現状明確なルールがないので今後は策定していきたいと説明した。

閉会では、ハン・シーフェン 台湾金融労組(TFFU)書記長より統括があり、フォーラムのまとめとして共同宣言を採択した 。次回、第10回フォーラムは、2023年、日本で開催する予定。

【司会者】

  • 開会/基調講演:(台湾)ロー・フェジュ 中華郵政労組(CPWU)書記長
  • サブテーマ1:(日本)古賀 初代 印刷労連 副中央書記長
  • サブテーマ2:(台湾)チア・パオリン 中華電信労組(CTWU)委員長
  • サブテーマ3:(韓国)カン・ヨンベ 保険医療労働組合(KHMU)情宣部長
  • 閉会:(台湾)ウー・ウェンフォン 中華郵政労組(CPWU)委員長

南アSASBO、金融機関オールド・ミューチュアルと協定を締結

長期にわたる闘争の末、南アフリカのUNI加盟組織SASBOが、保険大手オールド・ミューチュアルと協定を締結し、SASBO組合員が交渉のテーブルに直接立つことになった。協定は、SASBO組合員であるオールド・ミューチュアル社の3793人の労働者を対象とし、協約期間は今後5年間である。

2017年に組合に限定的な権利を与える協定が締結されたものの、同社におけるすべての団体交渉からSASBOは排除されていた。

今回、中央協議会や事業別協議会に参加する上で必要な組合員数に達したことで、この新協定によって、ついにオールド・ミューチュアルのSASBO組合員は、会社で労働条件を交渉するための集団的発言権を持つことができるということだ。

ジョー・コケラSASBO書記長は、「長い間待ち望まれていた。ようやく交渉のテーブルにつくことができ、オールド・ミューチュアルの組合員のディーセントな労働条件を求めて闘うことができるようになり、感激している」と喜んだ。

この新しい承認協定により、SASBOはオールド・ミューチュアルで働くSASBO組合員の権利を効果的に保護し、利益を代表し、団体交渉を開始することができるようになった。

しかし、団体交渉に必要となる組織率25%の基準に達するまで、賃上げ交渉からは除外されたままだ。

キース・ジェイコブスUNIアフリカ地域書記は「これは非常に大きなブレイクスルーだ。交渉の席につけるということは、SASBOが南アフリカの何千人もの労働者のために、ディーセントワークと職場の尊厳を求めて効果的に闘えるということだ」と述べ、「UNIアフリカは、オールド・ミューチュアルの労働者が承認され、当然の権利と利益を得られるようにするためのSASBOの闘いを全面的に支持する」と後押しした。

オールド・ミューチュアルは、南アフリカ・ケープタウンに本社を置く投資・預貯金・保険を扱う総合金融機関であり、アフリカ・アジアの14か国で事業を展開し、3万人以上の従業員を擁している。


コロンビア:ILO第190号条約批准を求め、労働者が議会に集結

仕事の世界における暴力およびハラスメントの根絶を目指すILO第190号条約(C190)の批准が、コロンビアにおける公的アジェンダの中で、重要な課題として浮上している。10月7日のディーセント・ワーク世界行動デーに合わせ、労働組合と政治家のグループが共和国議会に集まり、C190批准に向けた公聴会に参加した。

公聴会は、UNI米州や加盟組織を含むC190の批准を目指すグループの呼びかけに応え、フェルナンダ・カラスカル下院議員が主催したものであり、条約や、ジェンダー不平等に対処するその他の措置を推進すべく開催された。

公聴会では、労連であるCGT、CTC、CUT、そして市民社会団体、UNIを含むグローバルユニオンが、条約批准に対する労働組合運動の取組みについて、改めて国会議員らに説明した。また女性たちは、自身や同僚が職場で受けたハラスメントや暴力の経験を共有した。

様々なセクターの女性が証言を行う中、ある清掃員の女性は、ハラスメントの状況がひどく、公の場で自らをさらけ出して証言することは身の危険につながるため、顔を覆って証言した。恐怖を感じつつも、この女性は深い決意を示し、支援ネットワークを通じて同僚とともに組織化を続けると表明した。

マグダ・アルベルト労働省ジェンダー平等・女性の権利担当アドバイザーは、C190の批准に向けた政府の取組みを強調するとともに、「女性や労働組合による証言は、職場での暴力やハラスメントに苦しむ労働者に償いを求めるものだ」と述べた。また、ジェンダーに基づく暴力に対抗する16日間の活動の一環として、ジェンダーの視点に関する訓練を受けた一級査察団が、11 月下旬に国内の各職場を監査することを発表した。

マリア・ラウラ・フィノILO国際労働基準専門家は、公聴会について「職場における暴力やハラスメントを根絶するための新たな国際労働規則を評価する適切な機会」であり、「身体的、精神的、性的、経済的被害を避けるためのプロトコル、つまり回復や啓発に向けた手段が保証された場」であるとして、その重要性を訴えた。

カラスカル議員は、労働組合組織の基本的な役割を確認し、「労働組合や組合員がC190の批准に向けた取組みを主導することは、非常に重要なことだ。困難なプロセスではあるが、我々は社会を変えていくことができる。我々にはやり遂げる意志があり、人権を守る必要性を理解しているからだ」と締めくくった。

今回の公聴会は、職場における暴力やハラスメント、差別によって、特に女性や移民、アフリカ系住民、LGBT+の人々が際立って大きな影響を受けていることを考慮し、これらの撲滅を目指すC190の批准に向けて、初めて開催されたものである。

UNIはこの条約の批准を長年にわたって支援し、加盟組織と協力してコロンビアをはじめ世界各地でこの条約の批准にむけて取組んでいる。


投獄されたミャンマーの労働組合員を解放せよ!

2022年10月10日、UNI、IndustriALL、国際食品関連産業労連(IUF)、国際公務労連(PSI)の代表らがジュネーブの国連前に結集し、投獄された労働組合員の解放と、国連によるミャンマーの国民統一政府の承認を要求した。

国際建設林業労連(BWI)、国際運輸労連(ITF)、国際家事労働者連盟(IDWF)を含む世界の労働組合運動は、以下の声明を発表した。

世界の2億人の労働者を代表するグローバルユニオンは、ミャンマーの全ての政治犯、特に2021年のクーデター以降、軍事政権によって不当に投獄されている60人以上の労働組合員の即時釈放を要求する。我々は、投獄された全ての民主化活動家に対するでっち上げの容疑を直ちに取り下げ、刑務所内における健康と安全を強力に保証すること、ならびに、彼らが家族のもとに迅速かつ安全に帰還できるようにすることを要求する。

活動家が収監され続けている状況は、正義の茶番であり、民主主義に対する愚弄である。労働組合の権利は、世界人権宣言ならびに労働における基本的原則および権利に関するILO宣言よって、世界的に認識され、保証されたものである。民主主義を守るためにこうした権利を行使したがゆえに労働者や労働組合員が投獄されることは、決して許されてはならない。人権および労働組合の権利は提案ではなく、差別や弾圧の恐怖を抱くことなく全ての労働者に適用されなければならない、普遍的で不可侵の権利である。

労働組合の権利は、民主主義の環境下においてのみ、発展していくことができ、民主的プロセスと法の支配にコミットする政府の下でのみ、成長し繁栄することができる。したがって、グローバルユニオンは、ミャンマーの国民統一政府(NUG)をミャンマー国民の唯一かつ真の民主的政府として承認するよう、国連総会に求めることを再確認するのである。NUGを承認することにより、我々はミャンマーの労働者の人権と労働組合権を保護し、軍事政権の残忍な独裁と国際社会における偽りのミャンマー代表にきっぱりと終止符を打つことができる。

またグローバルユニオンは、刑務所の内外でミャンマーの民主化活動家に対して蔓延する人権侵害、拷問、殺害を、可能な限り強い言葉で非難する。我々は、国連および全ての関連する国際的な人権機関に対し、この問題に関して強力な対応を取り、これら非道な行為に関して責任を持つ全ての者を裁くよう、強く要請する。

労働組合は、世界中のすべての労働組合員が抑圧や基本的権利の侵害から解放されるまで、決して休んではならない。民主主義は、すべての労働者にとっての権利である。専制政治が敷かれている場合には、いつ、いかなる場所にあっても、労働組合は団結と連帯をもって対応する。


世界の労働組合運動、イラン当局の残虐行為を非難-投獄された全労働組合員の釈放を要求

国際労働組合総連合(ITUC)、OECD労働組合諮問委員会(TUAC)およびGUFsは、イラン当局が自国民に対して繰り返している蛮行を非難し、国際社会からのイラン政権に対するより強力な圧力を求める。

国の厳しい服装規定に従わなかったことで、22歳のマーサ・アミニさんが宗教警察によって殺害された。この事件で国民の怒りが沸騰する中、約100人が殺され、多くの人々が負傷した。

シャラン・バローITUC書記長は、「全ての国際労働組合運動は、イラン専制政治の指導者による悪質な弾圧に立ち向かう勇敢な人々に敬意を表する。この抵抗運動を主導しているのは、身の危険を冒して、宗教的・政治的エリートの本質である女性差別および基本的権利の抑圧に終止符を打とうとする女性や少女たちだ。彼女たちに敬意と連帯の意を表したい」と述べた。

グローバルユニオン評議会(CGU)の議長を務めるスティーブ・コットン国際運輸労連(ITF)書記長は、「イランや世界中で労働組合員が逮捕されている。これは、批判者を黙らせ、国民の怒りは外部によって作られたものだと主張しようとする政権による、切羽詰まった試みだ。イランの労働者と世界中の仲間たちは、真実を理解している。彼らの即時解放を求める」と訴えた。

労働者の権利に関して、世界でも最も悪い状況にあるイランでは、あらゆる部門の労働者が、権利を求める闘いの先頭にたっている。

労働者の基本的権利を主張したがゆえに、多くの労働組合員が服役中であり、イランは2022年のITUC世界労働権利指数において、「労働者の権利が保証されていない」国の1つに入っている。

我々は、イランで投獄されているすべての労働組合員、その他不当に拘束されているすべての人々の釈放を求める。


便利でスピーディな宅配便:急増する需要の裏で

インドネシア西ジャワ州ブカシで暮らすジミーは、インドネシアの宅配業者で配達員として働いており、2児の父親でもある。1日に最大で150個ほどの荷物を配達する彼の日給は、13ドル。食事代、交通費、燃料代は払われない。

「平均すると1日13ドルだが、燃料代に約1.75ドルかかる。150個の荷物を届けるように言われているが、かなり難しい話で、全部は運べない日もある。この稼ぎでは生きていくのがやっとで、途方に暮れている」

こう嘆くジミーは、週7日、1日12時間から14時間働いている。彼は、インドネシアにいる何千人ものギグワーカーの一人であり、燃料価格の高騰とインフレが進む経済状況の中、過重労働と低賃金に苦しみながら、かろうじて生活を維持している。借金を抱えており、給料の一部は家賃や借金返済、子どもの学費に充てられている。

COVID-19パンデミックは、人々の健康や生活の質に影響を与え、国民経済や国中のサプライチェーンに混乱を生じさせた。そのため、アプリを使った宅配サービスが急増し、多くの人々が、食料などの必要な物資の調達を宅配業者に頼るようになった。

だが、観光客の減少に伴い、消費者の購買力は低下し、多くの人が失業したり、故郷に戻ったりして、都市部を離れていった。一方、宅配業者は遠隔地にまで機能を拡大していった。

ジミーは苦々しく続ける。「以前は1日あたり65ドルほどもらっていたが、需要の増加やアプリを使った新しい会社がキャンペーンを行うようになり、小包1個あたりの収入は大幅に減った」

インドネシアの最低賃金は、州、地区、部門によって異なる。2022年、インドネシア政府は最低賃金を改定し、ジミーが暮らすブカシ市の最低賃金は、週40時間労働で月4,782,935ルピー(319米ドル)から4,816,921 32ルピー(321米ドル)に引き上げられた。しかし、ジミーや彼の同僚たちの状況といえば、小包の配達にばらつきがあり、1日あたり、1か月あたりの給料も異なるため、ほぼ最低賃金で月に400時間近く働いていることになる。

「月400時間近く、通常の2.5倍近い時間を最低賃金に近い金額で働くのは、納得がいかないと思った。家族と過ごす時間もなく、働いても、働いても、家族を養うのがやっとの状態だった。それでSPPD労組への加入を決めた。今、仲間たちと一緒に組合を成長させ、インドネシア政府に問題を提起している」こう語るジミーは、「家族には稼ぎが必要だが、この労働時間と賃金はあまりに危険かつ不当だ。常に肉体的・精神的ストレスにさらされている。SPPD労組は希望を与えてくれた。すべてのギグワーカーにSPPD労組への加入を勧めたい。そして、すべてのインドネシアの労働者のために、より安全で公正な職場を一緒に作っていきたい」と、力を込めた。


*プライバシー保護のため、労働者の名前は実際とは変えてあります。


UNI、カルフールとのグローバル枠組み協定を強化

写真:2022年10月5日、パリのカルフール本社にて、アレクサンドル・ボンパール会長兼CEO(左から3人目)とクリスティ・ホフマンUNI書記長(右隣)

2022年10月5日、UNIは多国籍小売企業カルフールとのグローバル枠組み協定を更新し、同社の全世界32万1000人の従業員と、グローバルサプライチェーンにおける数千人の労働者の社会対話、多様性および労働基本権を強化・推進した。

フランス・パリのカルフール本社で開催された同社の欧州労使協議会(EWC)の会議において、クリスティ・ホフマンUNI書記長とアレクサンドル・ボンパール・カルフール会長兼CEOが協定に署名した。

2025年10月までを新たな期間として更新された今回の協定には、労働者の権利を強化する以下の追加事項が含まれている。

●仕事の世界における暴力とハラスメントの根絶に関するILO第190号条約の原則を実現するため、協定の両当事者が尽力すること。
●性的指向や性自認を理由とする差別から労働者を保護する包括的な文言。

労働者の健康保護に向けたUNIとカルフールの決意を強調するため、新たな協定には、UNIやカルフール、その他の小売業者が2020年のパンデミック時に署名した「食品小売業部門における労働者及び消費者のための予防措置に関する共同宣言」の付属文書が含まれている。

2001年に初めて署名され、2015年と2018年の改訂を経て強化されてきたカルフールとのグローバル枠組み協定は、両当事者間の建設的な社会対話を促進し、新規採用者との情報共有や承認を含む組合のアクセスに関する協定を通じ、労働者の団結権の行使を促進するものである。

この協定は団体交渉の原則を支持し、多様性、ジェンダー平等、女性に対する暴力防止、安全で衛生的な労働環境に関する強力な条項を含むものとなっている。

長年にわたり、カルフールとの間で結ばれたグローバル協定は、アルゼンチン、コロンビア、韓国、ルーマニア、トルコ等、世界中の数多くのカルフール事業所で、労働条件の改善、組合による代表の強化、団体交渉の確保に役立ってきた。

最近では、ウガンダとドミニカ共和国において、カルフールとのグローバル協定が現地の労働組合が承認される上で重要な役割を果たし、両国での団体協約の締結に道を開いた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、協定への調印にあたり、次のように述べた。
「今日、我々はこれまでのグローバル協定の成果を祝うとともに、今後これらの実績を基に、さらなる発展を期待している。この協定が非常に貴重なものであることは、幾度となく実証されてきた。協定により、労働組合への加入や労組結成が最も困難な国々においても、労働者の組織化が可能になり、労働者の生活に真の変化がもたらされてきた。パンデミック時には、UNIとカルフール(その他の食品小売企業も同様に)は連携し、業務にあたる労働者を保護する最善の安全対策に合意し、取組んだ。 そして今日、驚異的なインフレに直面する中でも、社会対話はこの荒波を乗り切るための貴重なツールであると認識している。」

一方、カルフールのアレクサンドル・ボンパールCEOは、「グローバル枠組み協定をさらに4年間更新できたことは、UNIとのパートナーシップ、そして強力な社会対話の証しだ。我々は、互いの価値観を強化し、相互の尊重、結社の自由、従業員の労働条件の改善を通じて会社を発展させるため、共に歩んでいく。我々は、変化していく世界に対応していかなければならないが、同時に我々の価値観を維持し、前進させる必要がある。グローバル枠組み協定を更新できることを誇りに思う」と語った。


欧州で3人に1人の労働者が知らされていない、アルゴリズム管理

労働者を対象とした新たな調査で、企業内におけるアルゴリズム管理ツールの適用についての情報が、多いに欠如していることが明らかになった。欧州のICT産業・通信部門の労働者を中心に、回答者の34%が、自分の職場でアルゴリズムによる管理ツールが導入されているか、どうかわからないと回答した。

サービス産業では、経営判断の自動化・半自動化を可能にするツールや手法の活用に取組む企業がますます増えている。これらの技術が大きく依存しているのは、データ収集と労働者の監視であり、採用活動のみならず、業績管理にも頻繁に利用されている。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「この結果は非常に懸念すべきものだ。自らの仕事がどのように評価・管理されているのか、そのプロセスを知ることがなければ、日々の職業生活を形作る意思決定に疑問を投げかけることは、非常に難しくなる。企業は、アルゴリズムによる管理が、差別的な慣行を強化した実例から教訓を学ぶべきだ。これらの新しいツールや技術が、労働者や一般市民の倫理的な期待に応えることは、決して当然のことではない。社会パートナーは、アルゴリズムによる管理手法の導入と開発における透明性と企業の説明責任を持たせるため、連携していかなければならない」と指摘した。

さらに、仕事の未来に関するコンピテンスセンター(FES財団)の事務局長を務めるマタイアス・ウェーバー氏は、「この調査が明確に示しているのは、職場におけるアルゴリズム管理の機能、使用、リスクに関して、労働者の理解、知識が欠如しているという点だ。使用者は、労働者の納得感を高め、望ましくない結果を抑制するため、アルゴリズム管理ツールを一層透明化する責任を負わなければならない。このプロセスには、労働組合が積極的に関わる必要がある」と強調した。

UNI欧州とFES財団の「仕事の未来に関するコンピテンスセンター」が実施したこの調査は、欧州の約1400人の労働者を対象に実施され、調査結果と提言は、報告書『アルゴリズム管理-認識、リスク、社会パートナーの対応』にまとめられている。


uni logo
最近のコメント
    アーカイブ