米国脚本家組合のストに、世界中から連帯

2023年6月14日のグローバル行動デーに合わせ、 35か国以上の労働組合が、UNI加盟の全米脚本家組合(WGA)に対し、非常に強力な連帯行動を示した。

5月2日からストライキを続けているWGAを支援するため、チリから日本、アイルランドからアルゼンチンまで世界中のUNI加盟組織が、集会、ソーシャルメディア上のキャンペーン、映画・テレビスタジオでのピケに加わった。

米国の脚本家たちは、賃金改善、AIからの保護、脚本家部屋の適切な人員配置などを求めて、映画テレビ製作者連盟(AMPTP)と争っている。

UNIメディア部会、欧州脚本家連盟、国際脚本家連盟に対するメッセージの中で、メレディス・スティーム米国西部脚本家組合委員長は、「対面あるいはソーシャルメディア上で、我々のストライキへの支持を示してくれた世界中のすべての組織、脚本家、その他の労働者に、心から感謝したい。素晴らしい行動に感激し、写真や連帯の言葉を見聞きすることで、組合員は闘いに向かう力を得ることができた。共に立ちあがってくださり、感謝に尽きない」と述べている。

韓国では、韓国脚本家組合、オンライン漫画作家組合、全国メディア労働組合放送作家支部などのUNI加盟組織が、首都ソウルのネットフリックス社前行動を実施し、国際的に注目を集めた。

英国では、UNI加盟組織であるBECTUが、英国脚本家組合とともにレスター・スクエアで抗議活動を行い、人気ドラマ『ブラックミラー』のクリエイターであるチャーリー・ブルッカー氏や、『サクセション』を手掛けたジェシー・アームストロング氏といった脚本家らが参加した。

マイケル・ウィンシップ東部脚本家組合委員長は、「これほど多くの人々が、世界中のあらゆる場所から、我々の闘いを支持してくれたことに、本当に身が引きしまる思いだ。行動を起こし、世界各地から強力なメッセージをAMPTPに送ってくれた一人一人に、非常に感謝している」と述べた。

アルゼンチンでは、UNI加盟組織であるSUTEP、SATSAID、SICA APMAとアルゼンチン脚本家組合(SADA)が共同で、ブエノスアイレスのネットフリックス社前で集会に参加した。

SUTEP委員長を務めるミゲル・パニアグアUNI米州メディア部会議長は、「6月14日のグローバル行動デーに、欧州脚本家連盟や国際脚本家連盟と共に、 このような素晴らしい連帯を示して大きなインパクトを与えることができたことについて、UNI加盟組織を大変誇りに思う。脚本家のストライキは世界的な闘いだ。脚本家の懸念は米国のみならず世界中の脚本家が共有しており、米国内だけで終わる闘いではない。再度、我々はAMPTPに対し、世界中の脚本家の声に耳を傾け、我々が愛し、賞賛する素晴らしいエンターテインメントを創造するために、脚本家が公正な報酬と待遇を受け、最高の条件が与えられるよう、強く求めていく」と語気を強めた。

トーマス・マクラフリン国際脚本家連盟議長は、「作家を搾取し、衰退させようとする企業は世界規模だが、我々の取組みも世界規模だ。そして、米国での勝利は、世界中の脚本家にとっての勝利となるだろう」と呼びかけた。

ドイツの脚本家カロリン・オットー欧州脚本家連盟委員長は、「欧州の脚本家は、現在直面している継続的な攻撃から自らの職業を守り抜くために闘う、全米脚本家組合の仲間たちの組織、決意、連帯に敬意を表する。我々は、脚本家としてのキャリアを持続不可能にする脅威となる攻撃について、身に染みてよく理解している。欧州、そして世界中で、脚本家は仕事にコミットすることで搾取されており、全米脚本家組合のストを全面的に支持する。彼らの闘いは我々の闘いであり、彼らの勝利をともに分かち合いたい」と、連帯の意を示した。


ウガンダのカルフール労働者、初の団体協約を締結

ウガンダのUNI商業部会加盟組織HTS労組は、同国でカルフールのフランチャイズ店舗を展開するマジッド・アルフタイム・グループと、初の団体協約を締結し、カルフール労働者にとって重要な節目となった。 アラブ首長国連邦に拠点を置く同社は、カルフール・ウガンダで7店舗を経営し、約700人の労働者を雇用している。

キース・ジェイコブスUNIアフリカ地域書記長は、「我々は、ウガンダのカルフール労働者に初の団体協約をもたらすために力を尽くしたHTS労組の取組みを、誇りに思う。ウガンダの仲間たちは、我々がカルフール労働者の協約獲得のために加盟組織と連携しているケニアやコートジボワールを含め、アフリカ全域でさらなる勝利の道を切り開いた」と喜んだ。

HTS労組は、パンデミック時に開始した組織化キャンペーンが実を結び、2021年にカルフール・ウガンダで組合承認を獲得した。この組織化の取組みは、オランダのFNV労組の支援を受け、UNI商業部会が取組む国際連帯プロジェクトを通じて、加速化した。これらの連携した取組みにより、数百人の組合員が組織化され、強力な団体協約という形で交渉成功の道が開かれたのである。

マウク・R・モーゼスHTS労組書記長は、「UNIとFNVの支援の下で、我々の組織化キャンペーンが、カルフール労働者に強力な雇用保障、より良い労働条件、より安全な職場、多くの利益を提供する初の協約の締結につながったことを、心から感謝したい」と語った。

今回、新たに締結した団体協約は2025年4月まで有効であり、毎年の賃金見直し、福利厚生や労働条件の改善等が盛り込まれている。

●労働組合の権利:労働組合の権利として、店舗で選出された職場委員、職場委員や組合員が組合活動や会議に出席するための有給休暇、店舗における組合事務所(部屋)の確保などが含まれる。
●昇進:すべての新規または欠員のある役職やポストについては、既存の従業員の中で、有資格者または資格取得可能な者に優先権が与えられる。
●妊娠中および授乳中の従業員:シフトは、妊娠・授乳中の従業員に配慮して設計され、可能な限り授乳室が提供される。本人が希望すれば、子が1歳になるまで、女性労働者は夜勤を免除される。女性労働者には、妊娠中および子の予防接種を含む産後ケアのための有給休暇が付与される。
●産前産後休暇: 法律で認められた60日間の有給出産休暇に加え、カルフール労働者はさらに30日間の有給出産休暇を受ける権利があり、医師の推奨に応じて延長することができる。
●労働時間およびシフト: 1日または1週間のスケジュールを変更する場合は、従業員と協議し、両者が合意できない場合は、紛争解決のために組合が呼ばれる場合がある。
●時間外労働と祝祭日の勤務: 時間外労働は週単位で適切に記録され、法律に従って時間外労働(1.5倍)および公休日の時間外労働(2倍)について、労働者は補償を受ける。労働者は、公休日に勤務した場合、割増賃金(日当)または割増休暇のいずれかを選択する権利を有する。
●労働安全衛生: 会社は必要な予防措置をすべて講じ、労働者に適切な制服、保護具、衣類を提供し、すべての労働者が労災保険の対象となる。全店舗に安全衛生委員会を設置し、店舗管理者と組合員が代表となる。
●ジェンダーに基づく暴力およびセクシャルハラスメント: 労使は、意識啓発と店舗レベルでの適切なメカニズムの確立を通じて、職場におけるジェンダーに基づく暴力を排除するために連携する。使用者は組合と協議の上、セクシャルハラスメントと HIV/AIDS に関する方針を導入し、労働安全衛生委員会が店舗レベルで積極的にこれを実施する。
●雇用の安定: 労働者に対する任意の懲戒処分を避けるため、団体協約では、懲戒上の不正行為、違反、犯罪、およびそれに対応する懲戒手続きと対応を列挙し、明確に定義する。さらに、懲戒委員会が設置され、組合も委員を務める。いかなる労働者も、適切な調査や、労働者が自己弁護する機会を持ち、労働組合によって代表される公正な懲戒審問を受けることなく解雇されることはない。
●病気休暇: 法律で認められている 30 日間の有給の病気休暇に加え、カルフール労働者はさらに 30 日間の有給休暇を取得する権利を有する。
●年次休暇: 労働者は、法律で認められた21日間の年次休暇を取得する際に、200,000ウガンダ・シリング(約53米ドル)が支払われる。
●経済的利益: 協約により、死亡手当、棚卸手当、(地区間の)異動手当、早番・遅番の労働者の職場~自宅の無料送迎、有給もしくは無給の勉強休暇、結婚・出産手当、おむつ等の祝い品など、さまざまな福利や手当が労働者に提供される。

今回の団体協約は、中東、アジア、アフリカの17か国で375以上のカルフール店舗を展開するマジド・アルフタイム・グループとの初の協約となる。また、アフリカにおけるカルフール労働者の協約としては、チュニジアに次いで2件目となる。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、今回の成果の意義について 「この画期的な協約は、カルフールとのグローバル枠組み協定が、フランチャイズ事業を含む全世界の労働組合の権利尊重を確保する上で重要な役割を果たしている事実を証明するものだ。統合店舗とフランチャイズ店舗で働くすべてのカルフール労働者は、労働組合に代表される権利がある」と語った。


イオン・マレーシアが組合を自主承認―10年にわたる組織化闘争を経て

イオン・マレーシアで、10年にわたる組織化の取組みが実を結んだ。2023年6月6日にクアラルンプールで開催されたUNICOME* 労働者フォーラムに併せて開催された式典の中で、経営陣がイオン・マレーシア労組委員長に対し、組合の自主承認書を手渡した。

承認書は、カスマ・サトリア・ビン・マットジャディ最高人事責任者から、ハミダ・ビンティ・モハマド委員長に渡された。

式典には、世古継敏イオン・マレーシア副社長、モハメド・シャフィー・BPママルUNIマレーシア加盟協(UNI-MLC)議長をはじめ、イオン・マレーシア人事部、イオン・マレーシア労組の執行委員が出席した。

世古副社長は、労働組合の長年にわたる継続的な取組みと、会社からの承認獲得という成果を祝した。また同氏は、モハメド・シャフィーUNI-MLC議長のイオン・マレーシア労組への指導と支援、そして「スマートパートナーシップ」に対する揺るぎない信念に感謝し、「このスマートパートナーシップは、我々が調和のある労使関係を強化し、働きやすい環境を作るための優れたプラットフォームであり、最終的には、会社にとってより大きな目標、より良い成果を実現するための重要な要因となる」と述べた。

モハメド・シャフィーUNI-MLC議長は、イオン・マレーシア経営陣の英断と組合幹部の不屈の精神を賞賛し、「今回の組合承認により、イオン・マレーシア労組はマレーシア最大の商業部門労組となる。組合が最初の団体協約を締結し、約6,000人のイオン労働者に利益をもたらすことを期待する。また、UNI Apro、UAゼンセン、日本のイオングループ労連には、長年にわたって組合結成のために惜しみない支援をいただき、感謝している」と述べた、

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「UNIマレーシア加盟協の苦難の努力がついに実を結んだことに、非常に勇気づけられる思いだ。イオン・マレーシアの経営陣、そして新たに承認されたイオン・マレーシア労組の皆さんを祝福したい」と語った。

*UNICOMEはUNIマレーシア加盟協の商業部門であり、商業・小売業の労働者を代表している。


UNIフィリピン加盟協、地域医療従事者の地位と労働条件の向上に向けて取組む

2023年5月27日、フィリピンのバランガイ・ヘルスワーカー(BHW※)の労働条件の改善に向けた継続的な取組みにおける連携を強化するため、1万人の地域医療従事者を代表するマニラ首都圏の労働組合など17団体の代表が集まった。この種の会合としては初めて、UNIフィリピン加盟組織連絡協議会(UNI-PLC)が開催した。

会合では、地域の医療システムにおけるBHWの重要な役割を高め、UNI-PLCのネットワーク内で支援を拡充することについて、議論が交わされた。こうした取組みは、労働者が患者へのケアの質を高め、自らの仕事の質を向上させる上で鍵となるものだ。BHWは、基本的な健康教育や、母子保健、予防接種、応急処置、環境衛生などの特定一次医療サービスを提供し、患者を医療施設に繋いでいる。

ローランド・デラクルスUNI-PLC議長は、BHWを支援すること、そして労働条件、トレーニング、リソースへのアクセスを改善するために協力していくことを約束し、「今日の会議は、医療へのアクセスが限られている地方や遠隔地で重要なサービスを提供しているBHWの労働条件を改善するという、UNI-PLCのコミットメントを反映したものだ」と述べた。

続いて、レイニア・クルスUNI-PLC事務局長は、すべてのフィリピン人に対する質の高い医療の提供を実現する上で不可欠な、医療システムの強化および現場で業務に従事する労働者への投資の重要性を強調した。

エイドリアン・ドゥルチUNIケア部会担当局長は、オンラインで会議に参加し、「BHWがフィリピンの医療システムの柱であるように、労働組合や労働者団体の強力なネットワークは、彼らにふさわしい賃金や評価を獲得するとともに、フィリピン国民が必要とする良質な医療を確保する上で、極めて重要だ」と訴えた。

※バランガイ:最小行政単位を意味するフィリピノ語で、フィリピン全土に4万2千あまりに及ぶバランガイが存在する。


ネパールのカジノ労組、組合員数を拡大

ネパールのUNI加盟組織であるカジノ労組(CWU)は、組合員を新たに600人以上獲得した。直近では、カトマンズのマリオット・ホテルにあるデルティン・カジノで325人の労働者を組織化し、マヘンドラナガーとネパールガンジのハッピーアワー・ミニカジノでも組織化に成功した。

COVID-19の影響を被り、ネパールのカジノは1年半以上閉鎖されていたが、昨年、営業再開の許可が下りた。カジノ業界では、約12,000~15,000人が雇用されているとされる。

ネパール人のギャンブル行為を禁じられている中、CWUは、低賃金で汚名を着せられるゲーム産業で働く従業員の権利と福祉のために闘っている。組合に加入することで、カジノ労働者は使用者との団体交渉や協議のプラットフォームを得て、賃金や労働条件の改善、キャリア成長の機会を得ることができるようになる。

デルティン・カジノにおける勝利について、CWUのディネシュ・アチャリヤ・マリオットホテル支部委員長は、「デルティン・カジノで労働者を組織化する上で多くのハードルに直面してきた。だが、賃金改善や外部委託の廃止に向けた懸命な取組みとプラットフォームを通じ、組合加入について全労働者を説得することができた」と喜びを語っている。

加えて、ケム・カドカCWU委員長は、「使用者と国が労働組合運動を弱めようとしている中で、 我々には2つの選択肢しかない。強くなるために組織化するか、搾取されるか。強い発言権を得ることで、尊厳がもたらされる。我々が選ぶのは、常に前者だ」と言い切った。

ネパールのカジノ労働者は、2014年のカジノの全面禁止、2015年の壊滅的な大地震、そしてCOVI-19による業界閉鎖など、この10年間、厳しい試練に直面してきた。その結果、多くのカジノ労働者が職を失い、転職やネパール国外のカジノでの職探しを余儀なくされてきた。

CWUはUNIネパール加盟協に積極的に参加し、今年初めにはUNI Aproが主催したワークショップ『ネパールの文脈における労働者の効果的な組織化』には、同労組も出席している。キャンペーンの効果的な展開のために必要な知識と実践的スキルは、新規組合員を組織化する際にうまく活用された。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「厳しい環境の中、ネパールのカジノ産業で何百人もの新規組合員を獲得したCWUに、心から祝福を送りたい。彼らの地道で優れた組織化活動が実を結び、カジノ労働者は今回、成功を勝ち取り、組合の恩恵を受けることになるだろう」と述べた。

ネパールのカジノは、1963年のギャンブル法で規制されており、指定の5つ星ホテルでのみ、カジノの運営が許可されている。ミニカジノは、主に首都圏以外の4つ星ホテルで運営されているゲーム・ルームである。ネパール政府は、これらの施設を管理・監督し、フェアプレーと責任あるギャンブルを保証している。


UNI書記長「ILOは米国型の組合潰しを基本的権利の侵害と認めるべき」

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、フォーチュン誌に寄せた記事の中で、ILOは、米国式の組合潰しが結社の自由と団体交渉権を保護する中核的労働基準を定めた条約違反であることを明確にすべきだ、と主張した。

国際基準が徐々にグローバル・ガバナンスの一部となる中、米国の使用者は、反組合キャンペーンを禁止するILO条約の批准に反対するロビー活動を自国政府に対して行うことから遠ざかっている。代わりに使用者は、これらの基準をねじ曲げて、米国のモデルをグローバルなものに仕立てようとしているのである。同書記長は、次のように警鐘を鳴らす。

今日、使用者は主張を変えてきている。彼らは、米国における使用者の干渉を保護するだけでなく、これをグローバルな慣行として規範化することを望んでいるのである。今や米国の使用者は、国連グローバル・コンパクトのような、国際的なルールの尊重を義務づけるグローバルな原則に署名することを躊躇しない。しかし使用者側が主張しているのは、「言論の自由」は、「不干渉」、つまり使用者から一方的な圧力をかけられることなく、労働組合を持つか持たないかを選択する従業員の権利に優先するのであり、ゆえに、自らの組合潰し行為は、ILO基準に矛盾しないということなのだ。そうすることで企業は、従業員に対してほとんど無制限に大々的に演説し、さらには労働組合の「危険性」について嘘をつく、国際的に認められた権利があるとしているのである。

今回のホフマンUNI書記長のILOに対する呼びかけは、米国の組合(AFL-CIO、SEIU、Workers United)が、米国の労働法は労働者の結社の自由および団体交渉の権利を保護していないと主張する訴状を提出したのを受けてのものだ。スターバックスにおけるいくつかの違法な反組合的行動を挙げ、訴状は、同社の経営陣、労働者、組合スタッフ、政府関係者にインタビューする「現場でのミッション」を求めている。

ホフマンUNI書記長は、ILOがこれらの違反を認めたところで、米国の法律が変わるわけではないとしつつ、「国連やILOの陰に隠れて組合潰しの戦術を正当化することはできないというメッセージを企業に送ることになる」と述べている。


アマゾン株主、労働者の権利を守るために立ち上がる

2023年5月24日のアマゾン株主総会では、労働組合の権利を含め、環境・社会・ガバナンスのいわゆるESG問題を、投資家が同社に突き付けた。

例えば、約47万人の会員と130億米ドルの運用資産を擁するイタリア最大のコメタ年金基金は、アマゾンのジェフ・ベゾスCEOの再選に反対した。背景にあるのは、労働者の権利や人種・性差別に関するアマゾンの非常に劣悪な状況であり、 労働安全衛生、労働者の公民権や権利、賃金の公平性、環境の持続可能性を保護することを目的とした議題を含む20以上の追加議題について、同基金は投票権を行使した。

ここ数週間では他にも、ノルウェー銀行投資マネジメント部門や、デンマークの12の年金基金グループなどの有力な投資家が、アマゾンの結社の自由への取組みについて第三者による評価を求める第16号株主決議案を公的に支持している。さらに、資産運用を専門とするシュローダー社は、労働条件に関する報告書を求める第21号決議案に賛成票を投じることを発表している。

アマゾンの労働者が、出席した株主と取締役会にこれらの決議案を提出した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「労働条件に関して、投資家は透明性と説明責任を求めており、アマゾン労働者の権利を含め、人権状況の改善を目指して投票した基金を称賛したい」と語り、「企業の説明責任は、団体交渉と労働組合がなければ不可能だ。だからこそ、アマゾン等の企業の役員が結社の自由を尊重するよう、すべてのステークホルダーが要求していくことが非常に重要だ」と強調した。

UNIは昨年、グローバルユニオンの労働者資本委員会(CWC)とともに、企業が労働者の団結権や団体交渉権を侵害する場合に、投資家がなぜ、どのように対応すべきかをまとめた報告書『繁栄の共有』を発表している。


UNI、米国の監督組合に連帯

UNIおよびUNIメディア部会は、全米映画テレビ製作者同盟(AMPTP)との間で公正な協約を求めて闘う米国監督組合(DGA)への連帯を表明する。UNIは、世界中で150のメディア関連の労組/ギルドを代表している。

同じくUNI加盟組織である米国脚本家組合が、しかるべき尊厳、敬意、報酬を求めてAMPTPに対してストライキを行う中、DGAの現行の3年間の協約は、2023年6月30日に期限を迎える。脚本家組合と同様、Netflixやアマゾンなどの動画配信サービスに対する未払いの報酬も、今回の交渉の重要な課題の1つだ。

ジョン・アヴネットDGA交渉担当共同部長は「今年の交渉は、今後3年間のために強力な協約を交渉するだけではない。我々の業界の将来の方向性を定め、何十万もの組合員の雇用の持続可能性を確保しようとするものだ」と語り、トッド・ホランド同共同部長は「我々は、新しいグローバルな未来から公平な分け前を受け取るために闘っている」と加えた。

DGAは交渉の中で、インフレに見合った賃上げ、医療・年金制度の保護、テレビ・映画産業における危険なまでの長時間労働に対処する安全衛生の向上を求めている。同産業の長時間労働は、UNIの調査でも明らかになっている。

今回の交渉は、映画俳優/テレビ・ラジオ芸能組合(SAG-AFTRA、同じく6月30日に協約の期間が満了となる)とAMPTPの交渉が6月7日に開始されるのを前に、協約締結までの期間が短く、非常に複雑な状況下で行われている。

これまでの交渉とは異なり、動画配信は、かつて映画やテレビで利益を公平に分配していた従来のライセンスモデルを根底から覆すため、交渉は、非常に重大だ。一方でAIは、制作のあらゆる側面を変容する脅威となっている。カレン・ガビオラDGA交渉担当共同部長は、19,000人の組合員に向けた動画の中で、「世界中で爆発的に普及した映像配信は、我々の作品がどこでどのように視聴されるのかを、一変させた。我々の協約は、変化する制作と配信に対応したものでなければならない」と語る。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、UNIを代表してDGA組合員に宛てた連帯書簡の中で、「皆さんの闘いは私たちの闘いです。公正な賃金の確保、職場における組合員の権利と尊厳の保護は、UNI メディア部会の加盟組織のキャンペーンの中核を成しており、しばしば同じグローバル企業を相手にしています。映像配信への移行が進む中、現場のアーティストや労働者は圧迫されています。労働組合は、世界中の娯楽産業の労働者に影響を及ぼしている、仕事へのさらなる圧力、持続不可能な報酬モデル、危険なまでの長時間労働と闘うため、断固たる態度で臨んでいます」とエールを送った。

2000年の設立以来、DGAはUNIで積極的に活動しており、UNIメディア部会と協力し、世界中の監督組織の成長を支援し、団体交渉を後押ししてきた。UNIメディア部会の加盟組織が共にキャンペーンを展開している、世界の娯楽産業の公正な変革において、現場のアーティストと労働者の未来を守る強力で公正なDGAの協約は、極めて重要である。

マシュー・ローブUNI世界メディア部会議長(米国、IATSE) は、「我々は、AMPTPとの交渉を続けるDGAを支持する。我々の願いは、グローバルな映画スタジオが、このグローバル産業の未来を反映した公正な報酬、医療保険・年金への拠出、著作権、多様性、安全な撮影環境に合意することだ。我々はともに立ち上がる!」と強力な連帯を示した。


新たな報告書:世界中の労働組合がアルゴリズム管理の問題に回答

近年、アルゴリズム管理システムの利用がさまざまな産業で劇的に加速し、使用者は労働者の福利厚生やプライバシー、賃金を犠牲にして生産性を優先させる新たな方法を手にしている。

こうした問題に緊急に対処する必要性から、UNIは新たな報告書『アルゴリズム管理:集団行動のチャンス』を発行した。 報告書は、既存の法的枠組みや交渉メカニズムを用いて、組合がどのようにアルゴリズム管理システムに対抗しうるのか、有益な指針を提供するとともに、今後の団体交渉に向けた具体的な提言も行っている。

アルゴリズム管理システムは、広範な監視とモニタリングによって、労働者と管理者にリアルタイムでパフォーマンス情報を提供している。しかし、このようなシステムでは、非現実的な生産性目標が課されることが多く、従業員に多大なプレッシャーを与え、身体的・精神的健康の悪化に繋がっている。

世界中の労働組合がこうした状況に立ち上がり、より安全な労働条件を要求し、これらのテクノロジーがもたらす生産性の利益の公正な分配を提唱している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、この重大な局面における組合の意義を強調し、「アルゴリズムによる管理は深刻な新しい課題を突き付けているが、こうした新たなリスクに立ち向かう上で、労働者を代表する従来のツールは今なお重要である。労働組合には、テクノロジーの利用をめぐる交渉の長い歴史があり、何年も前に機能していた原則が、今日においても鍵となっている。労働組合は、交渉権に加えて、休憩や安全に関する既存の保護規定や、データ保護やプライバシーをカバーする新しい法律にも目を向けている。この報告書が目指すのは、こうした取組みの好事例をまとめ、互いに学び、職場における尊厳をすべての人にもたらすことだ」と語った。

グローバルな調査を通じて、UNIは、過剰なアルゴリズム管理に対処するための4つの重要なツールを特定した。
1:使用者の不公正かつ/または人権侵害的な行為を規制するデータ保護法
2:休憩や休息時間を義務付ける公正労働基準
3:安全衛生に関する規制
4:新しいテクノロジーの使用に関する交渉や協議の義務についての規定

報告書には、アルゴリズム管理が労働者に与える影響に関する交渉の指針も盛り込まれている。テクノロジー導入前に通知を受ける権利、差別の可能性を含むテクノロジーのリスクやその他の影響を評価する期間、透明性と情報を得る権利、安全衛生関する懸念に対処するための独立した労働者委員会の設置、意思決定プロセスにおける人による監督の要求などである。

UNIは組合によるアルゴリズム管理への対応について調査を継続しており、加盟組織に対し、新しい団体協約や提案、アルゴリズム管理に関する取組みなど、あらゆる情報を共有し、この進行中のプロジェクトへの参加を呼びかけている。

報告書(英文)はこちらから、日本語訳はこちら


幅広い視野をもった労働リーダーに!JP労組中国地方本部『次世代役員育成セミナー』

2023年5月25日、東京で、JP労組中国地方本部『次世代役員育成セミナー』が開催され、JP労組中国地方本部より14人の若手組合員が参加した。

この研修は、次世代を担う組合役員の国際労働運動に関する知識向上と意識の醸成を目的に開催されており、毎回「UNIの活動」について紹介する機会をいただいている。上田UNI-LCJ事務局長は、世界およびアジア太平洋地域の郵便・ロジスティクス部門が抱える課題や、UNI/UNI Aproの取組みを概説し、JP労組が果たしている国際労働運動における役割やUNIのネットワークを通じた連帯、社会貢献活動等を紹介した。

最後にJP労組の若手組合員のメッセージとして、「積極的にUNIを利用し、幅広い視野をもった労組リーダーになってほしい」と国際労働運動への積極的な参加を呼びかけた。


uni logo
最近のコメント
    アーカイブ