UNI、持続可能性リーダーシップで『ヴォーグ・ビジネス・イノベーターズ100』に選出

UNIはインダストリオールと共同で、持続可能性における先見的なリーダーシップが評価され、2023年『ヴォーグ・ビジネス・イノベーターズ100』に選出された。

ファッション業界のアカウンタビリティにおいて重要な節目となる今回の選出は、システム改革と持続可能性を求める声が世界的に高まる中で発表され、 持続可能性と労働者の権利にとって画期的な出来事となった。

UNIとインダストリオールがこのリストに入ったことで、当初、バングラデシュ・アコードとして知られていた「火災と建設物の安全に関する国際アコード」の設立において、両グローバル・ユニオンが果たした重要な役割にスポットライトが当たることとなった。

今回の選出は、ファッション業界に真の変革をもたらす国際アコードの有効性を強調するものである。バングラデシュのダッカで1,138人の命を奪い、さらに2,500人の負傷者を出したラナ・プラザの悲劇を受けて実施されて以来、アコードは、バングラデシュの2,400の縫製工場で56,000件近くの安全検査を実施してきた。安全に関わる14万件以上の 問題を改善し、その改善率は91%という驚異的な数字を誇る。

アルケ・べシガーUNI副書記長は、「単に我々にとって名誉なことではなく、ブランド企業と協力した組合と労働者の総意と努力の証だ。我々の取組みは、労働者の安全を保証する規則や規制の範囲内で、業界はビジネスを行えるし、またそうしなければならないということを示してきた」と述べた。

2023年1月現在、国際アコードはパキスタンを皮切りに、他の地域にも拡大していく予定だ。国際アコードが対象とする工場の労働者にプラスの影響を与えることは間違いなく、他地域への展開は、ファッション・ビジネスが持続可能かつ倫理的に営まれるあり方に、一大革命を約束するものである。

ファッションのサプライチェーンにおける賃金格差から植民地主義的なパワーダイナミクスまで、複雑な課題が山積する中、UNIとインダストリオールは、変革が可能であることを実証してきた。『ヴォーグ・ビジネス』誌からの今回の栄誉は、制度的な持続可能性を求める継続的な動きに大きな勢いを与え、UNIや労働組合のリーダーを、グローバルな変革の最前線に位置づけるものだ。

「グローバル化時代の最も効果的なキャンペーン」と称されたバングラデシュ・アコードは、バングラデシュの縫製産業の安全性に革命をもたらした。バングラデシュ・アコードは、工場を検査する独立機関を設立し、職場の危険を是正するための期限を定めた。検査と是正の要件に従わない工場は、世界最大級のファッションブランドを含むアコード調印企業のために商品を製造する資格がない。これらのブランド企業は、工場の修繕のための適切な資源を確保する責任を持つ。

小売業者2社が、是正費用の公正な負担を拒否した際には、UNIとインダストリオールは仲裁手続きを開始し、是正費用に充てるための相当額の和解金を確保した。

バングラデシュ・アコードが実施された結果、労働者と組合は現在、危険な作業を拒否する権利、報復を恐れずに安全に関わる問題を報告する権利、組合に加入する権利を有している。180万人以上の労働者が職場の安全に関する訓練を受け、労働者主導で何千もの危険が特定され、是正されてきた。

国際アコード:労働安全は新たな節目
2021年9月に、UNIとインダストリオールは、国際アコードの交渉を完了した。バングラデシュにおけるアコードの仕組みと要件は変わらないが、検査機能は、業界代表も参加する3者構成の既製服持続可能性協議会(RSC)に移管された。また2021年の合意は、ブランドと小売業者が他の衣料品生産国において工場安全プログラムを拡大することを約束するものである。

約200の調印企業を擁する国際アコードは、このモデルが永続的で信頼できるものであることを、証明している。