ファッションブランド企業、国際アコードの長期的な将来と拡大を約束

世界の労働組合とファッション・ブランド企業および小売業者は、繊維・衣料品産業の安全衛生に関する国際協定(国際アコード)で合意に達した。再度交渉されたこの協定は、10年後までの活動を確保し、労働者のための苦情処理メカニズムを強化し、他国への拡大に関するコミットメントを含むものとなっている。

2023年11月1日から発効する3年間の法的拘束力のある協定は、3年後に交渉の必要なく自動的に更新される。ブランド企業は、バングラデシュとパキスタンで安全衛生プログラムを継続し、他国でもプログラムに向けてコミットする。他国への拡大条件は、実現可能性についての調査と協定の既存国におけるプログラムの進捗状況に基づく。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「今回の合意は、サプライチェーン規制のアコード・モデル(ブランドとグローバル・ユニオンの間の、拘束力を有する合意)が持続力を持つことを証明するものだ。多くの人々は、この合意について、ラナ・プラザの危機に対応するための一過性のものだと考えていた。しかし今日、両当事者はプログラムの対象地域とその範囲内の問題の両方を拡大する6年間の合意に達した。昨今、サプライチェーンにおけるデューディリジェンスの要件が導入される中、このアコードが実績あるモデルであることに、世界中の使用者は留意すべきだ」と述べた。

新しい国際アコードは今後も、独立した工場検査、是正措置、安全訓練、効果的な労働者苦情処理メカニズムなど、アコードを実効的なものにしてきた基盤の上に構築されていく。

労働者の権利を後押しするため、試験的調査の後、苦情処理メカニズムは、結社の自由など、労働安全衛生以外の問題にも拡大していく予定だ。

アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は、「10年前の発足以来、アコードは縫製産業の安全性向上に役立ってきた。我々は今、新たな国々への展開や、苦情処理メカニズムや訓練プログラムの中核的な構成要素として労働における基本原則と権利を盛り込むことにより、協約の長期的かつ持続可能な解決策を手にすることになる」とその意義を強調した。

国際アコードは新たな枠組みのもとで、各国の安全プログラムのための付則を伴う独立した枠組み協定として機能する。これらの国から製品を調達しているすべてのブランド企業は、国際アコードに加えてこれらの付則にも署名するよう求められている。この協定は、アムステルダムに本部を置く国際アコード基金とその事務局、および各国の事務所を通じて実施される。

アコードはまた、国際労働機関(ILO) が、各国のプログラムが確実に実施され、効果的なものとなるよう支援する上で、強力な役割を果たすことも想定している。ILOは長年にわたり、アコード運営委員会において中立的な立場として委員長を務めている。

●アコードについての以前の記事はこちらから
ラナ・プラザの災害から10年、さらに多くのブランド企業が国際アコードに署名を!

バングラデシュで実績ある国際アコード、パキスタンに拡大

70社以上のブランドが署名する衣料品産業労働者の安全衛生に関する国際協定が発効


インド国営機関の契約労働者に連帯

UNI Aproは、インドのプネーで国営機関に雇用される契約労働者のために闘う加盟組織RMSと連帯する。スニル・シンデ委員長を先頭に、50人を超えるRMSの献身的なオルグや指導者たちが、2023年11月1日から無期限のハンガーストライキに突入した。その断固たる要求は、何千人もの契約労働者に対し、自治体の常用労働者と同等に、賃金の1カ月分+21,000ルピーに相当する年次ディワリ賞与を支給することだ。

プネー市公社(PMC)は最近、15,000人の常用労働者に年間賞与を支給すると発表した。だが一方で、同様の役割を果たし、何百万人ものプネーの人々の日常生活に影響を与えている契約労働者の貴重な貢献は、無視されたのである。これらの名もなき労働者は、警備員、医療従事者、清掃員、運転手、水道事業関係者、火葬サービスに携わる者など、幅広い重要な役割を担い、都市住民の安全、衛生、福祉を支えている。

インドや世界の国営機関が雇用する契約労働者は、都市の社会的・経済的基盤を維持する上で極めて重要な役割を果たしている。彼らは都市機能の屋台骨であり、RMSは、彼らの権利を損なういかなる試みも「反国民的行為」にほかならないと確信している。そのためRMSは州政府および国政府に対し、PMC契約労働者の社会正義を確保するために速やかに行動するよう求めている。

労働市場がますます契約労働者を好むようになる中、労働組合運動は「契約労働者」が「常用労働者」と何ら変わらない待遇を受けるべきであると断固として主張することが不可欠である。RMSは引き続き雇用関係の改善に尽力し、すべての契約労働者の常雇化を要求していく。

過去2年間、RMSは自治体の契約労働者の権利を求めて闘い続けてきた。その取組みは団体交渉を通じて大きな勝利を収め、PMC労働者にとって歴史的な節目となった。

2023年11月1日に開始された現在のハンガーストライキは、2つの重要な要求が満たされるまで続けられる:
・正社員と同等の年次ディワリ賞与の支給
・1月26日、8月15日、10月2日を含む祝日休暇の付与。驚くべきことに、国民のために不断の奉仕をしている政府労働者には現在、こうした祝日が与えられていない。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「勇敢な労働者たちに心からの連帯と支援を送るとともに、現在インド・プネーで無期限のハンガーストライキを行っている指導者、スニル・シンデRMS委員長の健康を深く案じている。我々は、国営機関に雇用され、不正と不平等に直面している契約労働者の権利のために連帯の精神で団結する。状況が悪化する前に、労働者の要求に対処するために直ちに行動を起こすよう、関係当局に求める」と述べた。


国連貧困専門家、アマゾンなどの企業による労働者の待遇に懸念を表明

国連が任命した極度の貧困と人権に関する権威であるオリヴィエ・ドゥ・シュッター氏は、アマゾンのアンディ・ジャシーCEOをはじめ、ドアダッシュやウォルマートなどのグローバル企業の最高経営責任者(CEO)に宛てた書簡の中で、「不十分な賃金、積極的な組合つぶし戦術、労働者を『自営業者』として誤分類している」という疑惑について、説明を求めている。

同氏は、「地球上で最も豊かな国のひとつにある、世界で最も収益性の高い企業の一つで働く労働者が、食べるにも家賃を払うにも苦労していることを非常に憂慮している」と述べ、警鐘を鳴らした。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、これらの書簡に対して、「労働者に対する権利侵害は人権の侵害であり、国連の独立した専門家が、最悪の人権侵害企業に対して責任を追及していることは、心強い」と歓迎し、「団結権にせよ、安全な仕事に就く権利にせよ、アマゾンの米国での蛮行はひどいものだが、残念なことに、アマゾンはその非道なビジネスモデルを世界中に輸出している。アマゾンに労働組合を尊重させ、まともな賃金を支払わせようとする動きが高まっているのは、そうした理由からだ」と指摘した。

デ・シュッター氏は、米国で増加する「ワーキングプア」を強調した最近の国連報告書を引用し、非標準的な雇用契約が蔓延し、働く貧困層を助長していることに懸念を表明した。また、政府による医療補助や食糧補助を利用している人数は、この3社が最も多いとした米国政府の調査結果にも言及した。「雇用は貧困から抜け出す道筋を与えるはずのものだが、3社ともビジネスモデルは、悲惨な低賃金を補うために政府の給付金に頼ることで、運営コストを国民に転嫁しているようだ」と痛烈に批判した。

さらに同氏は、アマゾンとウォルマートの従業員が賃金改善を求めて交渉する際に直面する困難を指摘し、その原因は両社の組合つぶし戦術にあると指摘した。これらの企業は、従業員の組合結成を阻止するために多額の投資を行っていると言われており「アマゾンは倉庫で反組合的な行動をとってきた長い歴史があると言われている。これには、『囚われの聴衆会議』において労働者に対して恒常的かつ継続的に反組合的メッセージを発信したり、組合選挙結果に対して積極的に異議を申し立てたり、労働者は組合を通すよりもアマゾンと直接取引した方が良いという説明などが含まれる」と言及した。

国連特別報告者と独立専門家は国連人権理事会によって任命され、特定の国の人権状況やテーマ別の人権状況について、調査・報告を行う専門家である。


UNI、公共放送を擁護する韓国加盟組織を支援

2023年10月30日、UNIメディア部会の代表者は、韓国の加盟組織である全国メディア労組(NUMW)とともに、ソウルで記者会見を開き、韓国政府に対し、同国の労働組合との対話を行い、公共放送と報道の自由に対する攻撃をやめるよう促した。

右派の尹錫烈(ユン・ソンニョル)大統領が1年前に政権に就いて以来、政府は公共放送を監督する韓国放送通信委員会(KCC)の委員長に大統領の推薦候補を選出させるため、公共放送の首脳を違法に解任した。

KCCは現在、「フェイクニュース撲滅計画」を提案している。この計画は、政府が恣意的に「フェイクニュース」判定を下した後、事実上、報道機関を検閲できるようにするものだ。同委員会は『ワン・ストライク』ルールでニュース局を閉鎖する可能性がある。

NUMWによれば、政府はまた、公共放送の受信料を約30年ぶりに電気料金から切り離し、人々が受信をやめられるようにすることで、公共放送を弱体化させようとしている。資源の減少は、公共放送の質だけでなく、ジャーナリズムの能力にも影響を与えるだろう。独立したニュースを提供することを仕事とする公共放送ではなく、公的な情報が商業放送でしか得られないという状況が生まれかねない。

同時に、政府は24時間放送のニュース専門チャンネルYTNの株式を売却しようとしており、より多くの放送局が政府支持者の手に渡ることで、報道の自由をさらに脅かすことになりかねない。

NUMWは、政府が安定した視聴率と知名度を持つ公的資産を、民間事業者に引き渡そうとしていることを非難している。民間事業者は政府庇護の恩恵を受けおり、韓国国民にバランスの取れた情報を提供するよりも、むしろ政府を支持する可能性が高いからだ。

以下はNUMWとUNIメディア部会の共同声明の抜粋である。
「メディアを敵視し、表現の自由を損ない、批判的な報道を封じることで支持率を上げようとする韓国政府のメディア政策は、アジアの民主主義のモデルとなってきた韓国の民主主義の衰退を予感させるものだ。(中略)我々は、メディアを統制するためにブレーキのない列車のように暴走する韓国政府を強く非難する。我々は、表現の自由と報道の民主主義を守るための良心的な韓国市民とメディア労働者の闘いを強く支持する。この闘いに勝利するまで、世界中のメディア労働者は連帯する」


UNI、AI安全サミットに労働者の声を反映させるよう呼びかけ

2023年10月末、UNIとUNI欧州は、世界中の100を超える市民団体とともに、英国政府が開催するAI安全サミットについて「チャンスを逃した」と非難した。

リシ・スナク英国首相に宛てた公開書簡の中で、各団体は、AIによって最も影響を受ける地域社会や労働者がサミットから疎外されている一方で、一部の企業がルールを形作ろうとしている、と警鐘を鳴らした。

2023年11月1日、2日にロンドン近郊で開催予定のAI安全サミットでは、政治家やテック企業幹部を中心に、オープンAIのChatGPTのような高度なAI技術のリスクについて、議論がなされる予定だ。

ケイト・ベルTUC書記次長は、「AIはすでに、我々の働き方、雇用や解雇のされ方など、人々の人生を変えるような決定を下している。しかし、働く人々にはまだその交渉の席が与えられていない」と述べ、「このイベントは、幅広い声を集め、差し迫った脅威にどう対処し、いかにしてAIがすべての人に利益をもたらすようにするかを議論する機会となるべきだった。AIの未来を形作るのは、技術者や政治家だけであってはならない」と指摘した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「サミットから労働者の声を排除することは恥ずべきこと」と批判し、「AIを経済全体に展開する計画があるなら、労働者は初日からそのテーブルにつく必要がある。 AIは多くの人々にとって仕事が改善される機会を提供するが、それは適切な保護が導入され、労働者が利益を共有する場合に限られる」と強調した。


国連の第1回国際ケア・サポート・デー:労働組合が質の高いケアの道を拓く

国連が定めた「国際ケア・サポート・デー」の第一回目となる2023年10月29日に、世界中でケアに関わる労働者の果たす重要な役割にスポットライトが当てられる中、世界の労働組合が、この分野における団体交渉の拡大とケアの質の向上を目指して行動を起こしている。

国連が10月29日を正式に「国際ケア・サポート・デ―」に定めるのに先立ち、この日を機にUNIやITUCを含むケアに関わる労働者の権利を擁護する広範な連合体は、世界中でケア部門への投資拡大を訴えた。

介護・ケア労働者は、緊急にさらなる支援を必要としている。UNIが3,000人の労働者を対象に実施した2021年の世界的な調査では、広範な人員不足、貧困レベルの賃金、ハラスメント被害、危険な労働条件が明らかになった。調査対象となった介護・ケア労働者の半数以上が、日々の基本的なニーズを賄えないほどの賃金水準について報告し、30%以上が個人用保護具を十分に利用できなかったと訴えている。

2年経った今も、十分な変化は見られない。しかし、「ケア・サポート・デー」は、ケアに関わる労働組合がいかに闘い、成果を勝ち取ってきたかを示す機会となる。

アラン・サブレUNI世界ケア部会担当局長は、「圧倒的に女性が多く、そのほとんどが過重労働と低賃金の世界中の介護労働者は、もっと多くを受け取るべきだ。国際ケア・サポート・デーを祝うとともに、このような名もなき英雄たちが日々立ち向かっている闘いを認識し、彼らが職場で声を上げるために組織化する支援をさらに強化していく」と決意を語り、「#TogetherWeCareというハッシュタグを使っている。この部門を変革するには、介護労働者が団結して集団の力を発揮し、より良い労働条件とケアの質の向上を求めて闘うことが必要だからだ」と説明した。

COVID-19パンデミックの際、介護・ケア部門において組合が不可欠であることが証明され、感染症制御と安全衛生の強化につながった。英国を含む数カ国で、介護労組の主要な要求である人員配置比率の改善が実現した介護施設では、COVID-19感染が少なかったという証拠がある。米国では、組織化されている介護施設ではCOVID-19による死亡と症例が大幅に少なかった。未組織の施設よりも職員配置比率が改善され、個人防護具(PPE)を多く使用できたためである。

さらに、労働組合に加入している介護労働者は、一般的に収入が高く、離職率が低く、燃え尽き症候群になりにくい。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「ケアに関わる労働者は、変化を待っているのではなく、求めているのだ。まさに今、安全な仕事、適正な人員比率、安定した労働時間、家族を支えられる賃金を必要としている。パンデミック後のケア部門における組織化の急増は、労働者がいかにケア部門を再建し、家族、利用者、入居者の利益につなげているかを示している」と語った。

UNI加盟組織は、前進している。例えば、ドミニカ共和国では、組合が労働者向け研修の強化、労働条件の改善、高齢者介護職の正規雇用化を勝ち取った。チリでは、組合が民間部門の介護労働者の「休息権」を確保し、介護労働者のメンタルヘルスへの配慮の重要性が認識された。

米国では最近、ケアに関わる労働者が国内最大規模のストライキを実施し、賃金とケアの改善をもたらした。一方、フィリピンでは、フレゼニウス社の労働者が問題のある雇用慣行と闘っている。スロベニアでは今年、障がい者の介助者が、資金強化と雇用改善を勝ち取るために歴史的なストライキを決行した。

こうした世界中で行われている数百のキャンペーンは、人々の雇用と生活を変えていくだろう。だが、もっと多くのことをしなければならない。公正で良質、公共性の高い、ジェンダー役割を変革していくような医療・介護制度への投資が急務であることは、強調してもしすぎることはない。介護を必要とする人の数は、 2030年までに23億人に達すると予想されており、この急増する需要に対応するためには、介護部門において4億7500万の良質な雇用を創出する必要がある。

UNIが国際ケア・サポート・デーだけでなく、日々、世界中の労働組合とともに介護労働者の支援に取り組んでいるのは、そうした理由からだ。共に力を合わせれば、成果を獲得できる。


MAKE AMAZON PAYサミットで、労働組合と関連団体がブラックフライデーのストとアマゾンに対する抗議行動を発表

2023年10月27日に英国・マンチェスターで開催されたMake Amazon Pay(アマゾンに支払わせる、MAP)サミットにおいて、労働組合と政治指導者が、11月24日のブラックフライデーにあわせて世界30か国以上でストライキを行い、アマゾンに抗議する計画を発表した。

これはアマゾンが10月26日に四半期決算を発表したことに伴うものであり、アマゾンの収益は1431億ドルに達し、利益はほぼ3倍になった。

同サミットの共同主催者であるクリスティ・ホフマンUNI書記長は、「労働組合、政治指導者、NGOからなるこのコミュニティが一堂に会し、アマゾンの労働者に対する横暴と地域社会への影響をなくすために、我々の総力を結集して戦略を練ることは非常に重要だ。アマゾンのビジネスモデルは環境を破壊し、中小企業を潰し、倫理も説明責任もないまま、独占だけが残っていく。これは我々の時代の重要な戦いであり、我々は力を結集してアマゾンに支払わせることができる」と挨拶した。

ブラックフライデーに開催されるMAPの世界行動デーは、史上最大規模となる予定だ。昨年、この連合体はブラックフライデーに35か国で135以上のストライキと抗議行動を組織した。そして今年、アマゾンはさらなる混乱に直面することになるだろう。労働者が仕事を放棄し、活動家がアマゾン・ウェブ・サービスの環境破壊的行為に抗議し、市民がアマゾンに税金の支払いを要求し、中小企業や独立系書店がアマゾンの反競争的行為を非難するからだ。

アマゾンは、その不正行為に対する大規模の異議申し立てに直面している。各国では、労働者が一丸となって賃金や労働条件の改善、労働組合の承認を求めている。様々な都市や州、国において、規制当局や立法者が、労働者、地域社会、地球環境に対する損害の代償をアマゾンに払わせるため、行動をとり始めている。

昨年、英国では倉庫労働者がストライキを行った。ドイツでは、プライムデーに国中の事業所でストライキが行われた。米国では、アマゾンの配送ドライバーが史上初のドライバー労組を結成し、賃金改善、安全な仕事、組合承認を求めてピケットを張った。同時に、全米脚本家組合の脚本家たちは、アマゾンをはじめとする映画・テレビ制作スタジオに大勝利を収め、かつてまともな仕事であったはずの労働条件が、テクノロジーによって引き下げられるのを防いだ。インドのニューデリー郊外では、数百人の倉庫労働者による大規模な抗議行動がアマゾンに大幅な譲歩を迫った。バングラデシュでは、衣料品労働者が自身の安全を守るため、アマゾンに対して国際アコードに署名を求めて世界中の仲間とともに立ち上がった。また、アマゾンのシアトル本社のテックワーカーは、アマゾンのグリーンウォッシングの試みに抗議してストを行った。

バルセロナでは先進的な自治体が、アマゾンのラストワンマイル配送のための「無料」公共スペース利用に課税を実施した。ミネソタ州の議会は、米国で最も強力なアマゾン倉庫労働者に対する保護法案を可決した。アイルランドの上院は、アマゾンによる新品・未使用品の投棄を禁止する法律を可決した。また、米国と欧州の両方で、市場における競争についてアマゾンに対する画期的な調査が進行中であり、アマゾンの独占的慣行を阻止できる可能性がある。

UNIとプログレッシブ・インターナショナルが共同で主催するMAPキャンペーンは、労働、税制、気候、データ保護、人種的な観点で公正を目指す80以上の団体と、400人以上の国会議員、数万人の支持者を世界中から集めている。2020年以降、このキャンペーンは4回の世界行動デーを開催し、そのたびにアマゾンが労働者、地域社会、地球から搾取するのを阻止するため、惑星規模の運動を拡大してきた。

バーニー・サンダース米上院議員は、MAPサミットの中で次のように発言した。「アマゾンほど、米国、英国、そして世界中で見られる企業の貪欲さと傲慢さの見本となる企業はない。(中略)この企業の価値は1兆3000億ドル以上だ。単位を見誤ってはいけない。アマゾンは昨年、120億ドル以上の利益を上げた企業だ。昨年60億ドル以上を、労働者の生活向上や倉庫の安全性向上のためではなく、裕福な株主をさらに金持ちにするための自社株買いに費やした企業だ。アマゾンの労働者が組合に加入したり、最初の協約を結んだりするのを阻止するために、反組合コンサルタントや弁護士に1400万ドル以上を費やした会社だ。(中略)兄弟姉妹の皆さん、もしベゾス氏が豪邸やヨットやロケット船を買う余裕があるのなら、私がどう思うかお分かりでしょう。アマゾンの労働者が組合結成に投票した時、ベゾス氏は公平で公正な団体協約が結ばれるようにすることができるはずなのだ。ベゾス氏は、アマゾンで働くすべての労働者が、充実した福利厚生と安定したシフトで生活できる賃金を得られるようにし、アマゾンが世界で最も危険な職場ではなく、最も安全な職場となるようにすることができるはずなのだ」


ルーマニアのテレパフォーマンス労働者が組合承認を獲得

ルーマニアのテレパフォーマンス労働者は、フランスの大手カスタマー サービス企業、テレパフォーマンスとの団体協約締結に向けて大きな一歩を踏み出した。

テレパフォーマンス・ルーマニアに600人近い組合員を擁するUNI加盟組織のSITTは、同国の法律で義務づけられている組合承認基準である35%の組織率を大幅に上回ったため、同社で法的に組合承認を勝ち取った。特に注目すべきは、組合員の 80%以上がリモートワーカーであることだ。

UNIとテレパフォーマンスは2022年12月にグローバル協定を締結し、労働者が恐怖を感じたり脅迫を受けることなく組織化することを保証し、組合が在宅勤務の従業員 にアクセスできるようになった。

この協定は、テレパフォーマンスがデジタル・ビジネス・サービス業界をリードする一例だ。UNIは、同社が安全衛生に重点を置き、良好で安全な雇用をグローバルにコミットし、労働組合と現場で協力していることが、この部門で同社を際立たせていると指摘している。

ルーマニアでは、協定締結以来、SITTと現地経営陣との協力関係が発展し続けており、いくつかの労働者の懸念事項に関して、前向きな成果を上げている。SITTは、すべての労働者に利益をもたらす団体協約の締結について明るい見解を示している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「リモートワーカーを組織化するのは特に難しいが、ルーマニアでのこの成功は、より良い雇用を求めてさまざまな場所の労働者が団結できることを示している」と指摘、「また、グローバル協定によって労働者の権利に対するコミットメントをさらに強化し、労使の協力を深められることも示している。ルーマニアだけでなく、それ以外の場所でも、テレパフォーマンスとの建設的な関係を前進させることを楽しみにしている。

SITTは、今後数週間以内に同社との全国協約に向けた交渉を開始する予定だ。シフトや賃金など、様々なテーマを取り上げていく。

コロンビア、エルサルバドル、ジャマイカ、ポーランドとともに、ルーマニアはグローバル協定で特定された優先5か国の1つである。どの国にも労働組合があり、強力な団体協約の締結に向けて組織化を進めている。


オーストラリアのアップル小売労働者、新たな団体協約で雇用改善

12か月を超える交渉の末、UNI加盟組織の店舗流通関連労組(SDA)とオーストラリアサービス労組(ASU)が、アップルとの全国協約に調印した。協約により、賃金や労働区分、休暇取得の改善、より予測可能なシフトと労働時間の公正化、時間外労働、週末労働、深夜労働、祝祭日労働に対する賃上げが小売労働者に供される。

2023年8月にアップル労働者の圧倒的多数が賛成票を投じてこの協約が支持され、オーストラリア公正労働委員会が10月16日に団体協約を承認した。協約は2023年10月23日に発効する。

協約のハイライトは以下の通り:
●協約は、対象となるすべてのアップル従業員に対し、2023年の最低賃上げ率を5.75%(2023年7月1日に遡及)とし、正社員の最低初任給を時給29.23豪ドルとする。2023年以降、労働者は公正労働委員会の最低報酬の引き上げ、または少なくとも2%の年間最低賃上げのいずれか高い方を保証される。

●協約は、現行の年次休暇20日を恒久的な権利として確保することに加え、傷病、介護、生理に使用できる有給休暇を年間5日、追加導入する。さらに、労働者は、小売業労働者では初となる2日間の有給学習休暇と、10日間のジェンダー・アファーメーション休暇(トランスジェンダーの労働者のための移行期間)を獲得する。

アップルのグローバルな規定である20日間の有給家族介護休暇と、10日間の有給忌引休暇の方針も協定に組み込まれ、オーストラリアのアップル労働者の恒久的な権利として設定された。忌引休暇は、アボリジニおよびトレス海峡諸島民が伝統的な儀式や慣習に従って家族の喪失を悼むためのものだ。

協定は、より予測可能で公正な労働時間を規定している。フルタイム従業員は2週間に1度、希望すれば自由な週末が保証され、発表後のシフト変更はできない。パートタイム従業員には労働時間の保証が強化され、勤務は自身が示した労働可能な時間帯でなければならず、すべての労働者のシフトは4時間より短くすることはできない。

協約は、週末、祝祭日、およびほとんどの深夜労働について、法定最低賃金と同等か、それを上回る割増賃金を確保し、125%から250%の間で変動する。また、フルタイム、パートタイム、非正規労働者についても時間外手当の対象が拡大され、最初の2時間の時間外労働については150%、それ以降の労働については200%の割増賃金が支払われる。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「オーストラリアの加盟組織が多くの困難に直面しながらも、この協約を締結したことを祝福したい」と述べ、「この協約は、アップルの小売労働者に力強い成果をもたらすだけでなく、使用者側が押し付ける不誠実な取引に打ち勝つ上で、団体交渉が大きな違いをもたらすことを示している」と語った。

SDA書記長を務めるジェラード・ドワイヤーUNI会長は、「強力な賃金と良好な労働条件を供する包括的な協約が締結され、オーストラリアのアップル従業員にとって画期的なことだ」と祝福した。労働者が組合の下に結集し、公正さを求めて訴えを起こすことが強力な力となることが、改めて示された。

アップル小売労働者の企業レベルの団体協約は、直近では2014年に締結された。2022年8月に同社は、新たな条件を交渉したい旨を労働者に通告した。組合と公正な交渉を行うのではなく、基準以下の条件を押し付けようとしたのである。これに対してUNIは、オーストラリアのSDAやASUとともに、最初に同社が提示した案に反対を示してきた。


米国の脚本家、画期的な団体協約を締結

UNI加盟組織である全米脚本家組合東部(WGAE)および全米脚本家組合西部(WGAW)の組合員は、映画テレビ製作者連盟(AMPTP)との画期的な団体協約を締結した。約5か月に及んだストライキに終止符を打ったこの協定には、生成AIの使用に関する先駆的な保護が盛り込まれ、テレビ制作の最低人員レベルが定められ、ストリーミングの影響に対処する新たな仕組みを含む報酬の大幅増額が規定されている。

WGA組合員の圧倒的多数である99%が、この協約に賛成票を投じた。有効投票数8,525票のうち、「賛成」は8,435票、「反対」は90票(1パーセント)だった。新協約の期間は2023年9月25日から2026年5月1日までとなっている。

メレディス・スティームWGAW会長は「連帯と決意をもって、我々は組合員である、あらゆる部門の脚本家にとって有意義な利益と保護を含む協約を締結した」と述べ、「6か月前、多くの人々が不可能だと言ったことを、我々は共に成し遂げることができた。エレン・スタッツマンWGA主任交渉担当、交渉委員会共同委員長のクリス・キーサー氏とデビッド・A・グッドマン氏、WGA交渉委員会の全員、ストライキ・リーダー、支部コーディネーター、そして交渉とストライキのあらゆる部分を支えたスタッフなくして、この業界を変える協約を実現することはできなかっただろう」と振り返る。

リサ・タケウチ・カレンWGAE会長は、「今こそAMPTPは、交渉を通じて脚本家を支えてくれた 全米映画俳優組合 (SAG-AFTRA)の仲間と公正な協約を交渉し、人々を仕事に戻す時だ」と述べ、「スタジオが俳優のニーズに対応する協約を結ぶまで、WGA組合員はピケットラインに立ち、SAG-AFTRAと連帯して共に歩んでいく」と決意を語った。

フィラデルフィアで開催された世界大会の間、UNIは脚本家たちとの連帯行動を実施し、世界中のメディア部会の組合からのグローバルな連帯を得てきた。UNIは脚本家組合とともに、AMPTPに対し、SAG-AFTRAとの公正な協約を求めて交渉を引き延ばすことをやめるよう、求めている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は寄稿した記事の中で、「今回の協約は生成AIに関する組合の大勝利であり、これが最後ではないだろう。他の労働者も、WGAが交渉したようなセーフガードを緊急に必要としている。(中略)労働運動には、虐待を抑制し利益を共有するために新たなテクノロジーの使用を規制してきた長い伝統があるが、この勝利は新しい時代の転換点のように感じられる」と述べている。


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