アイルランドの労働組合、初の労働組合週間の実施を発表

アイルランド労働組合会議(ICTU)は、 2024年4月29日~5月6日にかけて、同国で初となる労働組合週間を開催する計画を発表した。ICTUによると、アイルランド全域の職場や地域社会で行事が企画されるこの1週間は、過去数十年で最大数の労働組合員が動員されるという。この行動は、CWU、SIPTU、FSU、FORSAといったアイルランドのUNI加盟組織の支援を得ている。

労働組合週間は、労働組合に加入することの価値と利益についてアピールするため、2月に開始したICTUの「Better in a Trade Union(労働組合で、もっと良くなる)」キャンペーンの集大成となる。このキャンペーンでは、アイルランド全域の公共・民間部門の労働者を取り上げ、雇用保障の強化、助言・支援、雇用条件や賃金の改善などの利点を強調している。

若年労働者の約半数が労働組合への加入に関心
最近のRED Cによるオムニバス世論調査では、就業中の18~34歳の44%が、労働組合への加入に関心があると回答した。その主な理由は、労働組合によって職場における雇用保障が提供され、より良い賃金・条件を交渉してくれるからである。まだ労働組合に加入していない理由を尋ねたところ、最も多かった回答は「誰にも誘われたことがない」だった。

オーウェン・レイディICTU書記長は、労働組合週間の発表にあたり、組合員は非組合員よりも高い賃金の恩恵を受けており、特に若年労働者の間で労働組合のメリットに対する意識が高まっているとした上で、「労働組合に入れば、だれもがより良い条件を得られると知っている。特に若年労働者の中には、雇用保護や賃金・労働条件の改善を求めて闘う、自分たちの味方になってくれる人の必要性を認識している人々がいる。そして、これらの権利が団体行動を通じてのみ実現されることも理解している。だからこそ、労働組合週間はすべての人に参加を呼びかけている」と述べた。

団体交渉を支援するために必要な法律
また同書記長は、アイルランドでは組合に加入しようとする民間労働者が、使用者から反対されることがあると指摘した上で、「アイルランドではほとんどのEU諸国と異なり、多くの民間部門の使用者が、労働者が組合や団体交渉に参加することに拒否権を持っているという事実にスポットライトを当てたい。こうした状況は間違っており、変えなければならない。調査によると、何十万人もの労働者が労働組合への加入を望んでおり、労働組合に加入した方が良いと知っている。もはやこの権利を否定してはならない」と強調した。

UNI欧州はこの数年間、団体交渉を前進させるためにキャンペーンを展開し、 欧州の労働組合運動とともに、最低賃金に関するEU指令を可決させてきた。同法では、EU加盟国の団体交渉適用率に80%の目標が設定されている。アイルランドのようにこの目標に達していない場合、国別行動計画において団体交渉の障壁に取り組まなければならない。したがって、同法はアイルランドの労働者の状況を劇的に改善する強力な手段である。

同書記長は、「EUの適正な最低賃金に関する指令の実現にむけてアイルランドの義務を果たすことは、今後のアイルランド政府の責任である。これにより、生活水準と労働条件が改善されるが、決定的に重要なのは、賃金設定の手段としての団体交渉も促進されるということだ。ここ数世代で最も重要で進歩的なEU法だ」と指摘した。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「ICTUのBetter in a Trade Unionキャンペーンは、ちょうど良いタイミングで展開される。第一に、アイルランドの若者の間には、労働組合の一員となり、より良い賃金・待遇を求めて集団的に闘おうという大きな意欲がある。第二に、EUの最低賃金法制によって、組合への加入と団体交渉への参加(特に民間部門)をはるかに容易にする、またとない機会が到来している。これが、アイルランドが団体交渉適用率 80%を達成する唯一の方法だ。第三に、ICTUのキャンペーンによって、我々は2025年3月にベルファストで開かれる4年に1度の地域大会に向けて、労働組合と団体交渉の強化を求める闘いを加速させている。そのため、欧州全土の労働組合員がベルファストで一堂に会して、アイルランド内外の運動の成功を祝うことができるだろう」と期待を込めた。