
UNIが2026年4月末に発表した新たな報告書「移民ケア労働者:労働者の力を高め、権利を促進する」は、移民ケア労働者は世界中の医療・介護システムの要であるにもかかわらず、組織的な搾取、差別、そして危険な労働環境に直面していると指摘している。
同報告書は、高齢化、慢性的な人手不足、投資不足によって引き起こされている世界的なケアシステムの危機に対処する上で、移民労働者が不可欠であるにもかかわらず、移民労働者に依存しているシステムそのものが、彼らを保護できていない実態を明らかにしている。
アラン・セーブルUNIケア部会担当局長は、「移民ケア労働者は使い捨ての労働力ではなく、我々の社会が機能するために不可欠な存在だ。この報告書は、労働者が労働組合や団体交渉を通じて発言権を持つことで、ケア部門全体の基準を引き上げることができることを示している。各国政府は、搾取的な移民モデルから脱却し、ケアの労働とその提供者を尊重する権利に基づくシステムを構築することにコミットしなければならない」と訴えた。
80カ国以上で1,000人以上の移民ケア労働者を対象とした調査に基づくこの報告書は、厳しい実態を浮き彫りにしている:
• 移民ケア労働者の62%が給与や福利厚生に不満を。
• 半数以上が職場での差別を経験したと報告。
• 多くの労働者が、安全でない労働環境、慢性的な人手不足、および移民の地位に起因するハラスメントに直面。
募集から雇用に至る移住のあらゆる段階で、労働者は過剰な紹介料、雇用主に紐づいた査証、スキルの低下、司法へのアクセス制限といったリスクにさらされている。
報告書は、二国間労働移住協定を含む現行の移住制度が、多くの場合、労働者の権利よりも労働力の供給を優先している実態を浮き彫りにしている。こうした協定には、公正な採用基準、永住権への道筋、労働者の実質的な代表権といった保護措置が欠けていることが頻繁にある。そして報告書は、こうした制度が労働者を保護するどころか、「不安定さと脆弱性を積極的に構造化している」と結論づけている。
また報告書は、ケアに携わる労働者のディーセントワークを確保し、母国での困窮による移住を強いられないよう、出身国における労働組合による組織化を強化する必要性を強調している。移民ケア労働者が組織化し、集団的な力を築くことで、変革は可能となる。
オーストラリア、米国、ガーナ、ニュージーランドなどの国における事例研究は、労働組合主導の組織化が、より高い賃金、より安全な労働条件、より強力な移住保護施策を確保できることを示しており、同時にケアの質も向上させている。
報告書は、各国政府が世界的な移住ガバナンスの進捗状況を評価する「2026年国際移住レビューフォーラム」に先立って発表された。
UNIは、以下の改革を緊急に求めている:
• 搾取を減らすため、査証と雇用主の紐づけを無くすこと
• 永住権への明確な道筋を確立する
• 公正な採用慣行を徹底し、労働者負担の費用を禁止する
• 移民政策の策定に労働組合と社会対話を組み込む
• 適正な賃金と労働条件を備えた持続可能なケア・システムへの投資
報告書は、こうした改革がなければ、世界的にケア・システムの危機が深刻化し、労働者の権利とケアの質の両方が損なわれると警告している。











