
中東・北アフリカ(MENA)地域のビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)産業の労働組合は今後、心理社会的リスクを労災認定すること、そして労働組合の関与のもとでの予防策の策定を求めていく。
この方針は、2026年6月24~25日の2日間にわたりモロッコ・カサブランカで開催されたセミナーで決定された。セミナーはUNIとフリードリヒ・エーベルト財団(FES)が共催した。BPO産業の各企業から、企業のさまざまな階層に属する約40人が参加し、男女比は均等だった。チュニジア労働者総同盟(UGTT)とモロッコ労働組合(UMT)も参加した。
参加した各労組は、地域の各国政府およびBPOサービスを利用する国際的なクライアントに対し、労働者の基本的権利を犠牲にすることなく成長していくことを求め、結社の自由と団体交渉権の尊重こそが、未来のデジタル経済の基盤でなければならないと訴えた。
急成長する産業の背後に健康リスク
この産業は同地域で急速に拡大しているが、低賃金、長時間労働、不規則なシフト、高い離職率、そして厳しい業績監視が伴うことが少なくない。UNIは、産業の成長はそれを牽引する労働者にも恩恵をもたらすべきだと主張している。
2日間にわたる議論の多くは、BPO業務でますます一般的になりつつあるコンテンツ・モデレーションに焦点が当てられた。不快なコンテンツに継続的にさらされるため、高リスクな職業となっている。こうした状況において、BPO産業における心理社会的リスクを労災として認定すること、および労働組合の積極的な参加のもとで策定された予防措置の整備が求められている。
キース・ジェイコブスUNIアフリカ地域書記長は、「中東および北アフリカ全域において、過重な業務量、低賃金、長時間労働、容赦ないノルマは、この産業における『底辺への競争』に対して労働者が負わされている代償だ。だからこそ、労働者が声を上げ、行動を起こすことが極めて重要だ。我々は、この仕事がもたらす心理的・身体的負担を軽減し、労働安全衛生法を通じてそれが認識され、対処されるようにしなければならない」と強調した。
新しいILO条約の批准を求める声
セミナーの冒頭でミルーディ・ムハリクUMT書記長は、モロッコ政府に対し、2026年6月に採択された「プラットフォーム経済におけるディーセントワークに関するILO第193号条約」の批准を強く求めた。同氏は、UMTがすでに政府にこの件について書簡を送っており、同産業の労働者には組織化や団体交渉を行うための実践的な手段が必要であると述べた。
UMTは、法的な抜け穴を埋めるために批准を求めている。同労組は声明の中で次のように述べた。「UMTはモロッコ政府に対し、国内の労働法をこの最新のILO条約に整合させるよう求める。これにより、特にアルゴリズム、雇用関係、生成AIの利用に関して、BPO産業に影響を及ぼしている法的な抜け穴が埋められることになる。」
ILO第193号条約は、2026年6月12日に開催された第114回ILO総会で採択された。これはプラットフォーム経済に関する初の拘束力ある国際労働基準であり、加盟国が批准して初めて労働者を保護することになる。セミナーでは、MENA地域の各国政府に対し、速やかな批准を求める声が上がった。
労働組合の強化
UNIは、こうした状況を変えるための主な手段として、労働組合の組織化を位置づけている。カサブランカでのセミナーは、『アフリカのテック労働者、立ち上がろう』イニシアティブの一環であり、UNI 世界ICTS部会がMENA地域で展開する活動の一環でもある。この活動は、加盟組合が同産業の多国籍企業とより効果的に交渉できるよう支援するものである。
(2026年7月7日)