
ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)およびケア労働者を代表するUNIフィリピン加盟組織連絡協議会(UNI-PLC)は、2026年6月30日に開催された下院労働雇用委員会の公聴会および協議に出席し、民間部門の全労働者を対象とした日額200ペソ(3.25ドル)の全国一律最低賃金引き上げの即時可決を要求した。この公聴会は、生活費の高騰により窮地に追い込まれた労働者への救済措置を法制化することを目的とした17件の未決法案について、議会が審議を行っている中で開催された。
過去35年間、フィリピンの賃金水準は地域別の賃金委員会によって決定されてきた。UNI-PLCおよび同国の労働運動の大多数は、この断片的なアプローチが体系的に賃金を押し下げ、インフレから労働者を保護できていないと主張している。
IBON財団の調査結果によると、インフレ調整後の同国の実質賃金は、1989年から2023年の間に実際に26%も急落した。国民一人当たりのGDPは増加したものの、生産性の向上による利益は圧倒的に企業資本に偏っており、国民所得に占める労働者のシェアは継続的に低下している。
ローランド・デラクルスUNI-PLC議長は、下院に提出したテクニカル・ポジションペーパーの中で、「国内のどの地域の最低賃金も、公式の地域別貧困ラインを満たしていない。(‥‥中略‥‥)マニラ首都圏でさえ、最高賃金の労働者でも1日あたり19.22ペソ(約0.31ドル)不足しており、中央ルソン地方の農業労働者では地域間の格差が最大254ペソ(約4.13ドル)にまで拡大している。現行の制度は貧困を防ぐどころか、むしろ貧困を保証している」と指摘した。

現在、最低賃金は5人家族が生活するために必要な額の60%未満しか賄っておらず、僻地ではわずか32%にまで落ち込んでいる。提案されている200ペソ(3.25米ドル)の引き上げにより、地域によってはこの格差が即座に16~28%縮小し、数百万世帯を絶対的貧困から救い出すことになるだろう。
経済的圧迫は、同国で最も重要な経済の原動力である2つの部門、すなわち約200万人に上るBPO労働者と、最前線で働くケア労働者に特に深刻な打撃を与えている。
フィリピンBPO労連のエリー・アンドリュー氏は、「BPO労働者は多国籍企業に数十億の収益をもたらし、国の成長に貢献しているにもかかわらず、私たちの実質所得はインフレによって丸ごと飲み込まれてしまっている。(‥‥中略‥‥)生産性の向上による恩恵は圧倒的に資本側に偏っており、一方で労働者は生活費の高騰という打撃をまともに受けている。この法制化された賃上げを可決し、それが給与体系全体にわたる重要な賃金歪みの是正につながるよう確保することは、この業界を支える200万人の労働者にとって公平性を回復するために極めて重要だ」と訴える。
この見解を支持した統一フィリピンサービス労組(UFSW)のB レナート・カダノB 氏は、貧困レベルの賃金によって国内の医療インフラが積極的に空洞化していると警告し、「低賃金こそ、フィリピンの医療従事者が絶えず国外へ流出している主な理由であり、その結果、自国の医療格差が拡大する一方で、我々は事実上、他国のために専門家を育成・輩出しているのだ。(…中略…)この法に基づく賃上げは、医療従事者のわずかな給与を補い、彼らが国内に残り、自国の地域社会に貢献し続ける有意義な理由を与える上で、不可欠な第一歩である」と述べた。
法に基づく救済措置が即時的かつ実効性を持つよう、UNI-PLCは議会に対し、2つの譲れない条件の下で、全国一律200ペソ(3.45米ドル)の賃上げを可決するよう強く求めている。第一に、賃上げは一括実施され、一度に適用されなければならない。段階的な調整は、家族にとって不可欠な経済的救済の効果を薄め、雇用主による実施遅延を助長する。第二に、この政策は抜け穴のない全面的な適用を保証しなければならない。調整は、医療、小売、製造、農業、BPO業界を含むすべての民間部門に等しく適用されなければならない。
ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「この経済的生存をかけた重要な運動を牽引しているフィリピンのBPOおよびケア労働者に対し、この地域全体が断固として連帯している。UNI Aproは、地域内の数百に及ぶ加盟組織と共に、フィリピン政府が企業の利益を守るのか、それとも自国民の憲法上の権利を守るのか、その選択を注視していく」とコメントした。
デラクルスUNI-PLC議長は、「フィリピンの労働者は、企業からの慈善を求めているわけではない。自分たちの労働が生み出す富の公正な分配を求めているだ。議会は、生活賃金を単なる政策論争として扱うのをやめ、憲法上の権利として扱うべきであり、今すぐ賃上げを法制化すべきだ」と締めくくった。
(2026年7月15日)