
世界の多くの地域と同様、イタリアやスペインでは使用者がコールセンターに自動化や人工知能(AI)を導入し、必要な協議や保護措置を講じることなく、カスタマーサービスの雇用を削減している。現在、両国のビジネスプロセスアウトソーシング(BPO=外部委託)労働者は、テクノロジーが自分たちの仕事をどのように変革していくかを自ら決定するため、ストライキを行っている。
クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「コールセンターの労働者は、AIによる変革の影響を最も受けやすい立場にあると言われているが、彼らの強みは集団行動にある。テクノロジーがどのように、どこで活用されるかを決める上で、労働者は役割を担わなければならない。(‥‥中略‥‥)これらのストライキは、労働者、政府、企業が、人々のためにテクノロジーが機能する未来を築くのに、まだ手遅れではないことを示している。今こそ、その第一歩を踏み出す時だ」と述べ、ストライキを支援した。
イタリアの労働組合、政府に対しAI導入において労働者を中心に据えるよう要求
イタリアの労働組合は、同国政府に対し「労働の保護と人々の尊厳を中心に据えた明確なルールを定め、迅速に行動する」ことを求めるため、2026年7月13日から27日にかけて全国的なストライキと動員を呼びかけている。
イタリアの労連であるSLC CGIL、FISTel CISL、UILFPC UILは、チャットボット、バーチャルアシスタント、顧客対応の自動化システムといったAIツールの利用が急速に増加していると報告している。最近まで労働者が担当していた業務について、労働組合代表との事前の協議も、職業再訓練計画も、関係する従業員への雇用保証もないまま、自動化が進められているのだ。
労働者は、BPOにおけるAI導入が雇用に与える影響を管理するため、政府、企業、労働組合が一堂に会する恒久的な協議の場を設けること、および雇用や職務に影響を及ぼす自動化が導入される前に、事前の通知と労働組合との協議を義務付けることを求めてストライキを行っている。
またAIの導入を、従業員の研修、資格の再取得、再配置計画の策定を条件とすること、デジタル化による構造調整の影響を受ける労働者に対する産業別の所得支援措置の強化、そして自動化による人員削減で利益を得ているクライアント企業からの社会的貢献を求めている。
SLC CGIL、FISTel CISLそしてUILFPC UILの各組織は、声明の中で「イノベーションを止めることはできないことを十分に認識している。しかし、こうしたプロセスに対する監督やガバナンスがないまま、テクノロジーの進歩が無差別な人員削減の口実となることは容認できない(‥‥中略‥‥)人工知能は、労働者のために役立つツールでなければならず、セーフティネットのないまま労働者を置き換える手段であってはならない」と主張している。
スペインのコンセントリクス社などで緊張が高まる
BPO労働者にとってのAI危機はイタリアに限ったことではない。スペインでは、コールセンター大手のコンセントリクス社の労働者も、AIによる人員削減をめぐり、7月13日に抗議行動を開始し、7月15日にはストライキを行った。
CC.OOやUGTなどの労働組合組織で構成されるコンセントリックスの労使協議会は、マイクロソフトの業務を請け負うガリシア州アコルーニャのセンターの従業員380人のうち160人を対象とした人員削減計画の撤回を同社に求めている。組合側は、この人員削減が「孤立した出来事でも、避けられない決定でもない」とし、むしろ「世界的な人員削減の動き」の一環であると主張している。
またコンセントリクス社に対し、誠実な対応を欠き、労働組合代表者の活動時間を制限し、必要な書類の提出を遅らせ、解雇に代わる真剣な代替案を提示していないと非難している。そして人員削減計画の即時撤回、真摯な交渉の開始、そしてアコルーニャでの雇用を維持するためのあらゆる選択肢を検討した事業継続計画の策定を求めている。
(2026年7月14日)