5月 2026のお知らせ

UNI、英国でスト中のアムコールの労働者に連帯

UNIは、英国クラムリントンにあるアムコール工場でストライキを行っているUNI加盟組織Unite the Unionの組合員に全面的に連帯する。2026年5月18日から、公正な合意が成立するまでの毎週月曜日、労働者はある基本原則を守るためにストライキを行う。グラクソ・スミスクライン、アストラゼネカ、アッヴィといった大手医薬品会社の包装材を印刷する収益性の高い世界的なパッケージング企業は、労働者の生活水準を守る賃金を支払わなければならない、という原則だ。

クラムリントンの組合員は、4.1%の賃上げ案を拒否した。これは過去数年にわたりインフレ率を下回る賃上げにとどまり、実質的な生活水準が明らかに低下しているためだ。2022年から2024年にかけて、英国の世帯はここ数十年で最悪の生活費高騰の打撃を受けた。この3年間で累積インフレ率は約20%に達したが、アムコール・クラムリントン工場での賃金合意は常にそのペースに追いついていなかった。2026年の4.1%という提示は、その損害を修復するものではなく、単に労働者にその損失を恒久的に負担するよう求めるものに過ぎない。

2024年6月にワーキントン工場のアムコール労働者約100名は、6%の提示案を拒否した。ストライキの脅威が現実味を帯びたことを受け、アムコールは提示内容を2023年10月まで遡及する7%の賃上げに加え、500ポンドの一時金支給へと改善した。クラムリントンの労働者は、同じ使用者の下で働き、同じ生活費の圧力を受け、そしてインフレ率を下回る合意という同じ状況に直面している。ワーキントンの同僚を下回る扱いを受けることについて、経済的な正当性など存在しない。

アムコールが経済的苦境を主張することは、説得力に欠ける。
●アムコールは、2025年度(2025年6月30日終了年度)に150億ドルの年間売上高(前年比10%増)を記録し、ベリー・グローバルとの84億ドル規模の合併により、統合後の売上高のランレートは230億ドルに迫っている。
●同社は2025年度に約8億5,000万ドルの現金配当を株主に還元し、四半期配当を増額した。
●またベリー・グローバルとの合併により、2028年度までに年間6億5,000万ドルの税引前シナジー効果を達成することを公約している。

アムコール・フレキシブルズUKが公表した最新の決算報告書によると、英国レベルでの売上高は9,800万ポンドに達している。アムコールに利益が不足しているわけではない。不足しているのは公正な賃金だ。

アムコールは、税金対策で設立地および本拠地をチャンネル諸島のジャージー島に置いている。同地は、法人税回避の一環で世界的に広く認識されている管轄区域である。英国の公的医療サプライチェーンから多額の収益を得ながら、オフショア管轄区域を通じて企業活動を組織している企業が、30人の従業員が生活費の上昇に見合った賃金を求めている状況において、資金難を理由に言い逃れをする立場にはない。

サイモン・ダビンズUNI世界印刷・パッケージング部会議長は、「私はアムコールのクラムリントン工場の労働者と共に立ち上がる。彼らの闘いは、欧州のすべての印刷・パッケージング部門の労働者の闘いだからだ。アムコールは世界で最も収益性の高いパッケージング企業の一つだ。同社は株主に対して年間約8億5000万ドルの配当を支払っており、ベリー・グローバルとの合併を契機に、年間6億5000万ドルのシナジー効果をさらに生み出すという目標を掲げている。こうした状況下で、英国の患者に医薬品を届け続けている労働者に対し、わずか4.1%の賃上げを提示することは、経済的な制約によるものではなく、単なる選択に過ぎない。誤った選択だ。UNI 印刷・パッケージング部会および世界中の加盟組織は、これらの労働者が孤立して闘うことのないよう、支援していく」と力強く語った。

UNI世界印刷・パッケージング部会は、アムコールに対し、前提条件なしに交渉の席に戻り、2024年のワーキントンでの先例に倣い、クラムリントン労働者の実質賃金を守る改善された提案を提示すること、そして同社が公に掲げた建設的な対話の精神を尊重し、その約束を信頼できる書面による提案として具体化することを求める。

クラムリントンの労働者およびUnite the Unionの組合員へ:皆さんは一人ではありません。UNIと世界の労働組合運動は、皆さんに連帯します。


ルーマニアの銀行労組、ウニクレディットCEOに対して異動した労働者に対する「組織的な排除」の停止を求める

UNIは、ルーマニアのUNI金融部会加盟組織を支援している。同労組はイタリアの多国籍銀行であるウニクレディット・グループのCEOに対して公開書簡を送付し、昨年のルーマニア・アルファ銀行とウニクレディット・ルーマニアの合併後に異動した労働者に対する、組織的な組合弾圧と差別の実態を明らかにした。

保険銀行労連(FSAB)を通じてUNIに加盟している組合「Vocea Noastră=我々の声」は、ルーマニアのウニクレディット銀行で約1,000人の従業員を代表している。同労組は、 アンドレア・オルセル ・ウニクレディットCEO宛ての書簡の中で、現地経営陣がルーマニアの労働法、EU指令2001/23/EC、およびウニクレディット自身の労働協約に違反する一連の組織的な措置を通じて、ルーマニア・アルファ銀行から異動した労働者(組合幹部を含む)を組織的に標的にしていると主張している。

「アカデミー」という組織体制

合併後、移籍した従業員は「アカデミー」と呼ばれる専用の組織体制に配置されたが、組合はこれを事実上の「排除の通路」と表現している。従業員は実質的な職務を剥奪され、資格に見合わない役職に就かされ、劣悪な地位を受け入れるよう絶えず圧力をかけられてきた。組合は、この体制がほぼルーマニア・アルファ銀行からの移籍者にのみ適用され、既存のウニクレディット従業員には影響が及んでいないと指摘している。

組合幹部(執行部全員およびブカレスト支部の指導部を含む)もまた、この組織体制に組み込まれ、組合はこれを意図的に排除する措置であると批判している。

解雇と報復

2026年2月4日、ウニクレディット・ルーマニアは、アカデミー内の14の職位の廃止を承認した。組合は、使用者に対して法的手続きを開始していた5名の従業員全員が、Vocea Noastrăの委員長、副委員長、およびブカレスト支部長と共に、解雇対象に含まれていたと述べている。

組合は、これは中立的な組織再編措置ではなく、団体協約第118条に直接違反する報復措置であると主張している。同条項は、厳格に定義された状況を除き、任期中または任期終了後2年以内に組合幹部の契約を解除することを禁じている。またルーマニア・ウニクレディット銀行の人事幹部は、労働者が裁判所に訴えた行為を「誠実さを欠く」ものと評し、Vocea Noastră.は正当な労働組合ではないと示唆したと報じられている。これは書簡が違法と指摘する、組合活動への干渉にあたる。

アンジェロ・ディクリストUNI世界金融部会担当局長は、ウニクレディットの行為を非難し、「ウニクレディット・ルーマニアで起きていることは、孤立した事案ではなく、構造的な問題だ。組合幹部は、職務を遂行しただけで疎外され、標的とされ、最終的には解雇されている。これらの申し立ては、紛れもなく組合潰しの手法そのものだ。我々はグローバルな経営陣に対し、介入してルーマニアでの事業運営が法律および労働者の権利に対する銀行自身の公約に準拠するようにすることを強く求める。UNI金融部会は、Vocea Noastrăの労働者および指導者と全面的に連帯する」と述べた。

組合の要求

加えて、より広範な再編計画も検証の対象となっている。閉鎖対象とされた42支店のうち、41支店はルーマニア・アルファ銀行から買収した事業部門に属している。Vocea Noastrăはウニクレディット・グループに対し、以下を求めている:

  • 30日以内に申し立てについて独立かつ透明性のある調査を実施し、その結果を公表するとともに、影響を受けた者に対して直ちに是正措置を講じること
  • 粛清戦略に関与した人事チームおよび経営陣に責任を問うこと
  • ルーマニア・ウニクレディット銀行の行動を、グループが掲げるESGの価値観および労働者の権利と労働組合の自由に関する欧州基準に適合させること

書簡は次のような鋭い指摘で締めくくられている。「ウニクレディットは、ESGの原則と従業員の基本的権利の尊重にコミットした、責任ある欧州の銀行であると自らを位置づけている。しかし、実際に生じていることは、これらのコミットメントとは正反対のことだ」


ハンガリーの訪問介護労働者と使用者が共同声明 

2026年5月、ブダペストで開催された社会対話フォーラムには、訪問介護の分野から約40~50名の参加者が一堂に会した。そして労働者、使用者、研究者、サービス利用者は、ディーセントワークと質の高いケアの実現を約束する共同声明に署名した。

2026年5月6日に開催されたこの公開フォーラムでは、利害の大きく異なるグループ間での合意という、予想を超える成果が生まれた。参加者は、労働力の流出、経験豊富な介護労働者を維持することの難しさ、そして訪問介護業務の価値と労働条件との間に存在する根深い格差について率直に語りあった。

イベントの閉会時に署名された『訪問介護に関する声明』は、署名者が以下3つの原則を確認するものである。すなわち、ディーセントワークと質の高いケアは切り離せないものであるということ。労働者、使用者、研究者、サービス利用者のすべてが、この部門の将来に関する意思決定に参加する場を持つこと。そして社会対話には効果があるということである。

ハンガリーの社会福祉労組(SZÁD)のフェレンツ・ケーヴェシュ委員長は、イベント終了後に「このフォーラムは、この部門においてディーセントワークと質の高いケアを実現するためには、対話、連帯、そして集団行動が必要であるという我々の確信を強めるものとなった。今後も我々は取組みを進めていく」と述べた。

このフォーラムは、2026年5月5日にSZÁDがUNI欧州の支援を受けて開催した労働者研修から始まる1日半のプログラムの集大成であった。

高齢者や障がい者を自宅で支援するハンガリーの訪問介護労働者は、多くの場合、利用者間を数時間かけて移動しているが、移動時間は無給だ。そしてその賃金は業務に必要なスキルを反映したものではない。彼らの大半は、組織的な発言力を欠いている。研修では、組織化、ディーセントワークの必要性、権利擁護やコミュニケーションスキル、そして産別交渉への道筋などが取り上げられた。

またイベント中に提示された調査データは、労働者の負担が増大している実態を示していた。労働者の4人に1人近くが週40時間以上働いていると報告し、半数以上が6時間ごとの休憩を取ることができないと答え、60%が仕事に関連する腰痛や腱炎などの筋骨格系の不調を訴えた。同時に、57%がストレスに関連するメンタルヘルスの問題を抱えていると報告した。

 ソーシャルワーカーのモニカは、「組合活動への新たなエネルギーを得た。今後は地元の支部を強化し、組織化を全国に広めていきたい」と述べ、この研修の影響は単なるスキル向上にとどまらなかった。 訪問介護に携わるジュディットは、「組合の真の意義について、本当に目を開かされた」と率直に語り、別の参加者であるズズサナは、「この2日間で、組合活動に向けた新たな力を得ることができた」とコメントした。

フォーラムで議論された課題は、まもなく発表される「PHS雇用モニター」の調査結果にも反映されていた。この調査は欧州全域で8,000件以上の回答を集めており、そのうち400件以上がハンガリーからのものだ。調査によると、ハンガリーの訪問介護労働者の55.7%が過去3年間にこの業界を離れることを検討したことが判明し、そのうちの82%が理由として低賃金を挙げた。雇用主側も同様に深刻な課題に直面していると報告しており、41%が採用活動を「非常に困難」と表現し、容易だと答えた者は一人もいなかった。

だがこのデータは、なぜブダペストのフォーラムで合意形成ができたのかという理由も明らかにしている。この部門で最も必要な変化は何かという質問に対し、ハンガリーの労働者の90%が賃上げを最優先事項として挙げた。

これはUNIにとって、欧州のケアエコノミー全体において労働者の力を強化し、社会対話を構築するための継続的な取組みの一環である。この産業は数百万人を雇用し、労働者の大半が女性であり、多くの国で依然として最も過小評価されている部門の一つである。研究では一貫して、労働条件と介護の質が関連付けられている。すなわち、安定した環境と十分な支援を受けた介護労働者が、質の高い介護を支えるということだ。

今後の取組みとしては、SZÁDの組合員拡大、使用者側の関与の強化、そして労働者とケアを受ける人々の双方に利益をもたらす団体交渉の基盤構築などが挙げられる。

本イニシアチブや近日公開予定の「PHS雇用モニター」について詳しく知りたい読者は、6月15日20:30(日本時間)に開催されるオンライン会議への参加を推奨する:Zoom会議への登録はこちら。

 本イベントは、SZÁDがUNI 欧州と連携して主催し、EUの「個人・家庭サービス社会パートナープログラム」の一環であるSCALE UPプロジェクト(助成契約番号101197690)の下、欧州委員会から共同資金提供を受けて実施された。ここに示された見解は必ずしも欧州委員会の見解を反映するものではない。


テレフォニカ労組アライアンス、サンパウロで経営陣と会談

2026年5月19~20日、ブラジルとスペインの労働組合代表がサンパウロでテレフォニカの経営陣と会談した。これは世界最大級の通信企業の一つであるテレフォニカとその労組アライアンスの間で継続されている対話の一環である。

会合には、ブラジルの労働組合であるSINTETEL、FENATEL、FITT-Livre、およびスペインの労働組合であるCCOOとUGTが参加し、テレフォニカの最高人事責任者であるマルタ・マチコット氏を含む同社上級経営陣と一堂に会した。

テレフォニカは現在、「Transform & Grow」戦略計画を推進しており、主要市場全体で従業員体制、技術インフラ、ビジネスモデルの再構築を進めている。経営陣は、グループの戦略的方向性と人材計画、および今後を見据えたブラジル固有の計画について説明した。

議論では、テクノロジーとそれが労働者に与える影響が主なテーマとなった。組合代表団は、人工知能(AI)や自動化の導入が、雇用・スキル・労働条件に及ぼす影響について会社側と協議した。またこうした決定を行う際には、労働組合との真摯な協議が不可欠であることを強調した。労働者は、新たなテクノロジーの導入方法やその恩恵の分配方法について発言権を持たなければならない。

リスキリングと専門能力開発も議題に上った。スペインのテレフォニカは、UGTおよびCCOOとの2025年10月の団体協約の一環として策定された研修プログラムの経験を共有し、ブラジルを含む他の市場における労働者に対しても、同様の取組みがどのように適用できるかについての議論を促した。

また会議では、テレフォニカのサプライチェーンにおける労働者の状況や、同社の人権デューディリジェンスのプロセスについても取り上げられた。組合代表団は、効果的なデューディリジェンスには、プロセス全体を通じた労働組合の実質的な参加が不可欠であると強調した。またブラジルにおけるメンタルヘルスや労働条件についても議論が行われ、大きな変革期にある中で労働者のウェルビーイングを監視するための共同メカニズムの重要性が指摘された。

組合代表団は、2000年から続くUNIとテレフォニカの間のグローバル協定へのコミットメントを再確認するとともに、同社とその労働者が直面する現状を反映させるべく、協定の更新を求めた。

ベンジャミン・パートンUNI世界ICTS部会担当局長は、「サンパウロでの今回の会合は、グループ全体の労働者にとって最も重要な課題である、テクノロジー、スキル、サプライチェーンにおける権利、労働条件について、テレフォニカと直接対話する貴重な機会となった。我々は、この対話を継続し、同社が約束した事項を確実に履行することを期待している」と語った。


UNI LGBTI+ネットワーク、テクノロジーを悪用した暴力の脅威増大を指摘

2026年5月19日、UNI LGBTI+ネットワークは年次オンライン会議を開催し、世界中から約100名の参加者が集まった。会議では、アフリカ、アジア、欧州、米州から労働組合代表が登壇し、LGBTI+労働者を保護・支援するための成功事例を共有するとともに、組合のキャンペーンや取組みを紹介した。また、新たな脅威でありながら十分に報告されていない職場の危険、すなわち「テクノロジーを悪用としたジェンダーに基づく暴力(TFGBV)」にも注目が集まった。

司会を務めたマルタ・オチョアUNI機会均等局シニアコーディネーターは「LGBTI+の労働者について語る際、この暴力には明確な目的がある。それは、懲らしめ、沈黙させ、存在を消し去ることだ。カミングアウトの強要は偶然の事故ではなく、集団的ハラスメントも突発的なものではない。これらは虐待の一形態だ」と述べた。

続いてアルケ・ベシガーUNI副書記長は、組合に組織としてのコミットメントを求め、次のように訴えかけた。「ディーセントワークとは、職場に安全と尊厳があること。仕事に行くというだけで、暴力やハラスメントに直面したり、カミングアウトを強要されたり、差別を感じたりするようなことがあってはならない。平等はアイデンティティの問題ではなく、労働者の権利の問題だ。我々にいま必要なのは、意識啓発から具体的な行動へと移行すること。交渉を行い、政策を策定し、研修を実施し、手順書を作成し、キャンペーンを展開する必要がある」

国際的な状況:LGBTI+の権利にとっての重大な局面

グローバルユニオン評議会のクレア・トレバーLGBTI+労働者グループ・プログラム・コンサルタントは、世界的に権利が圧力にさらされている文脈を踏まえ、「極右勢力の台頭により、世界は重大な局面を迎えている。LGBTI+労働者の権利について労働組合の取組みを強化することが急務だ」と訴えた。また、2025~2026年にかけて以下の行動が実施/計画されていることを報告した。

  • 2025年6月、史上最多の参加者を集めたブダペストでのプライド・マーチに労働組合員が参加
  • 欧州労働組合連盟(ETUC)と国際レズビアン・ゲイ協会(ILGA)欧州事務所による共同抗議声明の発表
  • フィリピンでILO第190号条約に関する研修を実施、 7つのGUFsから20名以上の活動家が参加
  • 2025年11月、国連ビジネスと人権フォーラム内で初めて労働組合主導のイベントを開催
  • 2026年にはコロンビアでILO第190号条約に関する研修を計画

TFGBVとは何か―なぜLGBTI+労働者に深刻な影響を与えるのか?

会議ではTFGBVに関する概要が紹介され、LGBTI+労働者が非常に高いリスクにさらされている理由が強調された。

オチョアUNI機会均等局シニアコーディネーターは、同局が実施したTFGBVに関する調査結果を発表した。この調査は6言語で実施され、39カ国から137件の回答が寄せられた。回答者の約5人に1人が、職場環境におけるTFGBVの直接的な経験があると報告した。LinkedIn、X、Facebookといった公開プラットフォームが、社内ツールよりも主要な攻撃の場となっている。自らの表現を規制する行動が最も一般的な最初の対応であり、報告されているメンタルヘルスへの影響には、不安、うつ病、身の安全への恐怖などが含まれる。重大な問題として、43%の職場では、関連する保護措置(方針、労働協約の条項、研修など)が一切整備されていない。使用者の対応は不十分と評価され、回答者からは、労働組合の対応すべき最優先事項として団体交渉が挙げられた。

この調査結果は、より広く世界的な状況と一致している。米国のLGBTI+権利促進団体であるGLAADの調査(2023年)によると、現在行われているオンラインハラスメントの91%がトランスジェンダーの人々を標的としている。トレバー・プロジェクトの報告 (2023年) では、13~24歳のLGBTI+の若者の59%がネットいじめを経験している。ILGA欧州事務所の報告書(2022年)によると、レズビアンおよびバイセクシュアルの女性の65%がオンライン上で性的なメッセージにさらされており、Front Line Defendersの調査 (2023年) では、LGBTI+活動家の40%がオンライン上の嫌がらせを理由に活動規模を縮小させていることが明らかになった。

続いてUNI世界ICTS部会のニタ・カランジャ労働安全衛生・技術コーディネーターは、UNIの調査報告書『People Behind the Screens(画面の向こう側の労働者)』について説明し、最も危険にさらされながらも最も目に見えにくくされている労働者グループの一つ、すなわち、ほとんど保護措置のないままデジタル世界において有害なコンテンツの一部を処理しているコンテンツモデレーターやデータアノテーターにスポットライトを当てた。

そして、「LGBTIQのコンテンツモデレーターは、憎悪に満ちたコンテンツに遭遇するだけでなく、それをプラットフォーム上に再掲載せざるを得ない状況に追い込まれることで、特に深刻な影響を受けていた。心理的サポートが存在していたとしても、LGBTQの人々に対するヘイトスピーチなど、内容が極めて悪質とみなされない限り、彼らはそのサポートを受けることさえできなかった」と指摘した。

2025年にUNIはナイロビでコンテンツモデレーターを対象とした初のグローバルフォーラムを開催し、「安全なデジタル労働のためのグローバル労組アライアンス」を発足させるとともに、組織化の権利、有害コンテンツへの曝露制限、公正な契約、トラウマに配慮した安全研修など8つの要求事項を盛り込んだ「グローバル安全衛生プロトコル」を発表している。

各地域からの報告:労働組合の取り組み

●欧州:スペイン、CCOO- 枠組みとしての団体交渉

CCOO サービス部門のローラ・ファティマ・カステジョ・パス女性・平等・多様性担当書記は、スペインの2023年トランスジェンダー権利法および2024年の規制枠組みが、団体交渉を通じてどのように具体化されてきたかを説明し、「労働条件は人々の社会生活や私生活に影響を与える。職場環境で尊重されれば、その幸福感は日常生活にも波及します。そうでない場合、その悪影響は両方の領域に深刻な害をもたらすのであり、それらを切り離して考えることは困難だ」と述べた。

CCOOの戦略は3つの軸に基づいている。一つ目は、差別禁止、職種分類、心理社会的リスク評価、および非性差別的な言語使用を網羅する、すべての主要な産別協定に盛り込まれたLGBTI+条項。二つ目は、予防措置と制裁メカニズムの両方を備えたハラスメント防止プロトコル。そして三つ目は、スペイン政府、CCOO、UGTが共同で策定し、2026年3月31日に公表されたトランスジェンダー支援プロトコルである。このプロトコルは、労働者が行政上の性別登録手続きを開始した際に任意で発動され、個々の移行プロセスを監督するための労使合同委員会を設置するものである。

●Apro:日本、全労金Asia-Pacific –ゼロからの構築

全労金の深見正弘委員長は、2025年6月に同組織が「第2次ジェンダー平等計画」の一環として、性的指向および性自認(SOGI)に基づく差別禁止に関するガイドラインを策定したことを報告した。主な取組み目標として、 事業体に対してSOGIEに対する方針の策定を求めること、ハラスメント防止メカニズムの導入、相談体制の整備などが含まれる。また2019年のILO第190号条約採択後、2年間にわたる交渉を経て、業務に関連するあらゆる場所を対象とする業界全体のハラスメント防止ガイドラインも策定された。

これまでこの種のガイドラインが存在しなかった業界において、重要な一歩である。

●アフリカ:南アフリカ、  SASBO-危険の特定

金融労組であるSASBOのジムキタ・デムカ青年部議長は、労働安全衛生の観点からTFGBVについて言及し、「報告事案数の少なさは、事件の発生頻度が低いことを示すものではない。報告してもさらなる被害を招くだけだと、我々のコミュニティがどれほど不信感を抱いているかを示す指標なのだ。デジタル上の安全に関する団体交渉は、労働者保護の新たなフロンティアだ」と指摘した。

SASBOの要求は、以下の通り:労働安全衛生の枠組みを改定し、LGBTI+特有のリスク評価を通じ、職場におけるTFGBVを明確に職場の危険因子として分類すること。人事部門とは独立した、安全で匿名性の高い通報窓口を設けること。LGBTI+向けのサイバーセキュリティ研修に投資すること。LGBTI+ネットワークの代表者が、オブザーバーではなく意思決定者として労働安全衛生委員会に参加できるようにすること。

●米州:カナダ、Unifor–ツールと指針、制度的枠組み

トビー・ホイットフィールドUnifor顧問弁護士兼全国2SLGBTQIA+(多様な性を表す総称)連絡担当は、教育、実践的なリソース、および団体交渉条項を統合した枠組みを提示した。そして、「労働者の性自認の移行は一人ひとり異なるのであり、職場環境が複雑であることを踏まえた支援が必要だ。使用者には、クィアやトランスジェンダーの人々を差別やハラスメントから守る義務があり、性別移行中の労働者を支援する役割を果たすべきだ」と訴えた。

その重要性は明らかだ。EGALカナダ(2SLGBTQIA+のための権利促進団体)の調査によると、カナダのトランスジェンダー、トゥ・スピリット、ノンバイナリーの労働者の72%が職場での差別を経験しており、ほぼ半数が受け入れられていないと感じたために退職を検討したと報告している。

Uniforの取組み事例:地方組合員を対象とした5日間の「プライド活動家コース」の実施、2025年にリニューアルされた『トランスジェンダー労働者ガイド』の策定(差別禁止、福利厚生、トランスジェンダー移行計画に関するモデル労使協定条項を含む)、地方レベルで労使協定に明文化された「2SLGBTQIA+職場支援プログラム」、地方組合によるジェンダー平等キャンペーン支援のため助成金を支給する「ローカル・エクィティ基金」。

法的枠組み:ILO第190号条約とデジタル職場

本会議では、ILO第190号条約が、職場におけるTFGBVに対処するのに最も適した既存の国際的枠組みであることが説明された。直接適用される条項が3つある。第2条は、保護の対象をデジタルな職場環境およびプラットフォーム労働者に拡大し、第6条は性的指向および性自認を保護対象として明示している。そして第3条は、業務に関連したコミュニケーションを通じて発生する暴力およびハラスメントを規定している。

またILO第206号勧告は、実施に向けたロードマップを提供している。第18項は、デジタル技術およびソーシャルメディアに関する使用者の方針策定を義務付けている。第22項は、デジタル暴力、安全な通報体制、報復からの保護を網羅する団体交渉条項を義務付けている。第16項は、性自認および性的指向別の細分化されたデータ収集を義務付けている。

今後の展望

本会議では、労働組合の行動における6つの優先分野が特定された。労働組合は、TFGBV、オンライン上の暴力、およびLGBTI+の保護について明示的に網羅する団体交渉条項を交渉し、心理社会的リスク評価を含む労働安全衛生の枠組みにおいてTFGBVを職場の危険因子として分類するよう取組むべきである。職場では、通常の人事プロセスとは別に、安全で匿名性が高く、LGBTI+を肯定する報告窓口を設けるとともに、労働者と管理職の両方に対して、デジタル上の安全やLGBTI+の包摂に関する専用の研修を実施する必要がある。ジェンダーアイデンティティや性的指向別に分類されたデータを収集することは、今後も被害の実態を記録し、さらなる行動に向けた根拠を構築するための前提条件となる。政策レベルでは、労働組合はSNSプラットフォームの説明責任を求める運動を展開するとともに、ILO第190号条約の批准と完全な実施を提唱すべきである。


英仏の労働組合、映画業界の過酷な労働時間をめぐる闘いをカンヌへ

英仏のUNI加盟組織が連携し、世界の映画業界における危険なほどの長時間労働の実態を訴えている。

カンヌ国際映画祭に合わせて発表された声明の中で、6つの労働組合は、制作会社が長時間の労働を「当たり前」にしてしまっているとし、この長時間労働の文化が労働者の健康、安全、そして全体的なウェルビーイングに深刻な影響を及ぼしていると指摘している。

共同声明は「カンヌといえば華やかさやレッドカーペットでのプレミア上映が連想されるが、作品の成功を支えている多くの労働者の現実は、はるかに目に見えにくい」と指摘し、「我々は、業界のリーダーや観客の皆さんに、舞台裏で働く人々――その多くは、カンヌで上映される映画を完成させるために、過酷なプレッシャーの下で長時間労働を強いられている――の存在を認識するよう強く求めている」と訴えかけている。

労働組合は、公正な労働時間を優先し、休憩時間を保障し、映画・映像労働者の持続可能なキャリアを確保するため、業界の慣行を直ちに見直すよう求めている。

ヨハネス・ストゥディンガーUNIメディア部会担当局長は、「カンヌで祝われるすべてのプレミアの裏には、その献身と創造力によってこれらの制作を可能にしている何千人もの労働者がいる。それにもかかわらず、あまりにも多くの使用者が、働き手の健康と安全を脅かすような長時間労働を強い、経験豊富な専門家を業界から追い出している。UNIは英国のBectuおよびフランスの5加盟組織と共に、労働者の適切な休憩、予測可能で公正な労働時間、そして持続可能なキャリアに対する権利を尊重する業界文化のグローバルな確立を求めている」と述べた。


「LGBTI+差別撤廃国際デー」:デジタル暴力に立ち向かおう

「LGBTI+差別撤廃国際デー(IDAHOBIT)」を迎えるにあたり、我々は世界中の一員であるLGBTI+の仲間たちと連帯する。

この日は、LGBTI+に対する差別が労働者の生活と生計に直接的な害を及ぼすことを改めて想起させるものだ。今年、我々は「テクノロジーを悪用したジェンダーに基づく暴力(TFGBV)」という脅威に焦点を当てる。オンライン上で行われる暴力やハラスメントは増加しており、職場やその先の実社会において深刻な影響を及ぼしている。

テクノロジーを悪用としたジェンダーに基づく暴力(TFGBV)とは?

TFGBVには、オンライン上のハラスメントや性差別的な侮辱、ストーキングや望まないメッセージの送信、個人情報を許可なく公開すること、ディープフェイクを含む画像を用いた虐待、同意のない親密な画像の共有、そしてデジタル監視やモニタリングなど、多くの種類の虐待的行為が含まれる。

より強力な保護措置

TFGBVがLGBTI+の労働者にどのような影響を与えているかをより深く理解するため、UNIは調査を実施している。予備調査の結果によると、驚くほど多くの回答者が、職場に関連する状況において、自身の性的指向、性自認、または性表現に関連した何らかの形のデジタル暴力、ハラスメント、または虐待を経験したことが明らかになった。

我々が団体交渉協定を通じて、法的支援やメンタルヘルス支援、デジタル上の安全研修、そしてデジタルプラットフォームに対するより強い説明責任など、デジタルを介在した暴力に対するより強力な保護措置を求めているのは、まさにこうした理由からだ。

労働組合の対応

ヴェロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、「LGBTI+の権利は労働者の権利であり、グローバルな労働組合運動として、我々はすべての労働者の安全、平等、尊厳を守るために立ち上がる。多くのLGBTI+労働者がすでに認識しているように、デジタル空間は安全な場所ではなく、本来あるべき保護措置が欠如しているケースが非常に多い。労働組合は、LGBTI+の労働者がこの問題に独りで直面させられることのないよう、使用者との団体協約を通じて保護措置を交渉する上で、重要な役割を果たすことができる」と述べた。

2026年5月19日、UNIはLGBTI+ネットワーク向けにウェビナーを開催し、TFGBVがどのように行われているか、そして労働者と労働組合がそれに対して何ができるかを検討する。このセッションでは、調査結果を基に職場での保護を強化するための実践的な取組みを探っていく。

IDAHOBITとは?

5月17日のIDAHOBITとは、「国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビア・デー(International Day Against Homophobia, Biphobia and Transphobia)」の略称である。この日は、世界中のLGBTI+の人々が直面する暴力や差別に対する認識を高め、包摂性を育み、平等な権利を促進することを目的としている。

なぜ5月17日なのか?

IDAHOBITが5月17日に制定されたのは、1990年に世界保健機関(WHO)が『国際疾病分類(ICD)』から同性愛を削除した決定を記念するためです。


インドステイト銀行労働者が全国ストを宣言‐2年にわたる未解決問題を受け

インド最大の公的銀行の労働者が、確立された対話を通じて主な懸念事項の解決を図ってきたが、2年以上にわたり継続的な取組みにもかかわらず成果が得られなかったことを受け、全国規模のストライキを実施する方針だ。

インドステイト銀行(SBI)はインド最大の公的銀行であり、全国で数十万人の労働者を雇用している。

UNI加盟組織である全インドステート銀行従業員組合(AISBISF)は、2026年5月25日と26日の2日間にわたる全国一斉ストライキについて、SBI経営陣に正式に通告した。一般労働者のカテゴリーに属するSBI労働者を代表する同労組は、インドの「労働争議法」に基づき、2026年5月2日に経営陣へ事前通知を発出した。ストライキ実施日のいずれかが祝日または週休日に当たる場合、ストライキは2026年5月27日に行われる。

AISBISFは16項目の要求事項を提示しており、これらは大きく以下の3つの分野(雇用と人員配置、賃金と社会的保護、ガバナンスと倫理的な銀行業務)に分類される

雇用と人員配置に関して、同組合はSBIの全業務における人員不足を指摘している。これには、29年間新規採用が行われていないメッセンジャー職の長期にわたる採用停止も含まれる。また、事務職の採用も着実に減少している一方で、業務量は増加している。

同組合はさらに、武装警備員の採用が必要であると訴え、退職や昇進に伴う補充が行われない現状の不足が、職員、顧客、および銀行資産にリスクをもたらすと警告している。

またAISBISFは、常勤・正規の業務における外注労働者の利用拡大に対し深刻な懸念を表明し、これは経営陣との既存の合意に違反すると主張している。さらに、外注労働者の賃金が、その業務に見合う水準を下回るケースが頻繁に見られ、公正な賃金の原則に反していると指摘する。

賃金と社会的保護の項目において、AISBISFは、直近の業界全体での合意後に管理職のみに追加手当が支給された結果、管理職と一般従業員の間の賃金格差が拡大していることを指摘した。これにより、管理職の賃金上昇率は実質的に約22%に達したのに対し、一般従業員のそれは17%にとどまっている。

またAISBISFは、一般従業員向けの「キャリア・プログレッション・スキーム(キャリア昇進制度)」の見直しが遅れている点にも言及している。同制度は2018年に最後に改定され、2023年以降の見直しが予定されていた。

その他の懸念事項としては、インド政府が義務付けた確定拠出年金制度である国民年金制度(NPS)に影響を及ぼす未解決の問題が挙げられる。財務省の指示によりSBIはこれに従うよう求められているにもかかわらず、5万5,000人以上の対象職員が年金基金運用会社の変更権を行使できない状況にあると報告されている。さらに、合意済みの医師診察料の適用遅延、医療費償還制度の改善、および対象となる退職者に対する年金・退職給付の未払いなどの課題も残っている。

ガバナンスおよび倫理的な銀行業務の観点から、同労組は、和解や合意の履行・適切な実施の欠如、銀行の人事管理システムに関する未解決の問題、および1974年SBI規則に基づく規定の権利であるSBI取締役会への労働者代表理事の任命が長期にわたり遅れていることを指摘している。また、積立基金受託者候補者の任命が行われていない点も提起された。

ストライキに先立ち、AISBISFは2026年5月を通して実施する段階的な行動計画を策定した。主な行動には、昼休みのデモ、記者会見、ソーシャルメディアキャンペーン、沈黙の座り込み抗議、国会議員・財務大臣・首相への陳情書の提出、そして2日間のストライキに先立つキャンドル行進などが含まれる。

チャンドラセカルAISBISF書記長は、「2年以上にわたる継続的な取組みにもかかわらず、これらの問題は未解決のままだ。そのため我々は、これらの正当な懸念事項の解決を図るため、ストライキ行動を最終段階とする一連の抗議活動を展開することを決定した」と述べた。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「AISBISFは、ストライキに先立ち事前通知を行い、段階的な行動計画を提示することで、責任ある対応をとってきた。組合が提起している問題は、人員配置、公正な賃金、社会的保護、ガバナンス、そして倫理的な銀行業務の実践に及ぶものであり、合理的かつ正当なものである。UNI AproはAISBISFに全面的に連帯し、インドステイト銀行の経営陣に対し、組合と建設的に対話し、16の懸念事項すべてについて公正かつ満足のいく解決に向けて早急に取組むよう求める」とコメントした。


UNI世界運営委員会、ネパールの労働組合に連帯を表明

2026年5月に開催されたUNI世界運営委員会は、ネパールの労働組合を支援し、同国における労働組合の権利保護に関するUNI Aproの声明を再確認することを全会一致で可決した。政府による特定の労働組合、特に公共サービス労働者を代表する組合の禁止措置は、国内外で抗議の声が上がっており、GUFsもこの動きを非難している。

第35回UNI Apro執行委員会に提出された声明前文は以下。

ネパールにおける労働組合の権利の保護に関する声明

UNI Apro執行委員会は、ネパール新政府が「ガバナンス改革のための100項目アジェンダ」の一環として、公共部門における労働組合活動を制限すると発表したことに対し、深い懸念を表明する。

2026年4月8日にアジア太平洋地域のGUFsが発表した共同声明を踏まえ、またネパールのUNI加盟組織から寄せられた懸念を鑑み、UNI Aproはネパール政府に対し、憲法上および国際的な義務に照らして、この提案を再考するよう要請する。

ガバナンス改革の実施が急務であることは認識しているものの、独立して登録された労働者組織を含む公共部門における労働組合活動の制限案は、ネパール憲法の下で深刻な懸念を引き起こすものである。

ネパール憲法(2015年)第34条および第35条は、すべての労働者に労働組合を結成し、団体交渉を行う権利を明示的に保障している。

さらにネパールは、団結権および団体交渉権に関するILO第98号条約を批准している。ILOは一貫して、ネパールに対し、国内の労働法の国際基準への整合を強化し、反組合的差別に対する保護を改善するよう求めてきた。提案されている措置は、この重要な局面において、その方向とは逆行する一歩である。

また我々は、「100項目アジェンダ」に含まれるこの労働組合に対する規制案が、事前の三者協議を経ずに盛り込まれたこと、すなわちILO第144号条約に規定された社会対話の原則に反していることを懸念している。労働者の団結権に影響を及ぼす改革措置は、労働者に押し付けるのではなく、労働者と共に策定されなければならない。

したがって我々はネパール政府に対し、ネパールの憲法規定および批准済みのILO条約に基づく義務との整合性について徹底的な見直しが行われるまで、労働組合活動の制限に関する規定の実施を停止するよう求める。

我々は、労働者の団結権および団体交渉権に影響を及ぼすあらゆる改革措置を進める前に、中央労働諮問委員会(CLAC)を通じて労働組合と真の社会対話を行うよう政府に強く要請する。

効果的なガバナンスと労働者の基本的権利の保護は、互いに排他的な目標ではない。ネパール政府は、国内および国際的な義務を完全に尊重しつつ、社会対話を通じて改革アジェンダを推進することができるのであり、またそうすべきである。そうすることで、改革はネパール国民に不可欠な公共サービスを提供する労働者の権利を強化することになる。


バンコク銀行労組、30回にわたる交渉の末に団体協約を締結

UNI加盟組織であるバンコク銀行労組(BBTU)は、2025年10月に始まった30回にわたる交渉を経て、2026年5月にバンコク銀行との間で労働協約の締結に成功した。

7つの主要な要求事項は、従業員の福祉と経済的安定の向上を目的としたものであった。

  1. 全従業員を対象とした1.5ヶ月分の給与に相当する金銭的支援に加え、20,000バーツ(618米ドル)の生活費手当の支給。
  2. 配偶者の出産支援のための育児休暇を5日間から15営業日に延長。
  3. 産前産後休暇を98日から120日に延長。
  4. 入院(IPD)および集中治療室(ICU)での治療費、ならびに看護サービス料に対する医療保険給付の拡充。
  5. 融資限度額15万バーツ(4,634米ドル)、特別金利を適用した太陽光発電システム導入ローンの導入。
  6. 外部の個人債務の借り換え金利を、MLR -0.25%からMLR -0.50%に引き下げ。
  7. 出張業務に従事する従業員に対する保険適用。

交渉はバンコク銀行の利益が継続的に増加している期間に行われた。2025年第3四半期に、同行は137億8,947万バーツ(4億2,606万6,000米ドル)の純利益、および9ヶ月累計で382億4,700万バーツ(11億8,152万米ドル)の利益を報告し、前年同期比で9.9%の増加となった。また、同行は『TIME』誌の「2025年世界最高の企業」の一つに選出され、リストに名を連ねた唯一のタイの銀行となった。

こうした堅調な業績にもかかわらず、銀行側は当初、組合が求めていた生活手当の追加20,000バーツ(618米ドル)の支給を拒否した。

8ヶ月以上にわたる交渉を通じて、BBTUは一貫して、増大している銀行の利益は経営陣や株主だけでなく、銀行の成功に直接貢献している従業員にも公平に分配されるべきであると主張してきた。

組合は交渉の席で揺るぎない姿勢を貫く中で、組合員や多くの従業員は公正な報酬を求めてますます活発にキャンペーンに参加した。彼らの集団的な粘り強さと連帯が、最終的に経営側にその立場を再考させ、追加手当の承認へと導いた。

ブンディット・チャンカウレイBBTU委員長は、「この結果は第一歩に過ぎず、終わりではない。職場における正義は、従業員が継続的に参加し、団結し、労働者の権利、尊厳、そして未来を守るために共に立ち上がることで初めて実現できる」と述べた。

ラジェンドラ・アルチャリャUNI Apro地域書記長は、「バンコク銀行労組が、この長期にわたる交渉を通じて示した粘り強さと団結は、集団行動の力を証明している。この合意は銀行労働者にとって重要な勝利であり、職場での公正な待遇と尊厳を求めて闘い、決して諦めなかった労働者たちの決意の証だ」と今回の成果を称えた。


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