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第7回UNI Apro東アジア労組フォーラム

第7回UNI Apro東アジア労組フォーラムが、2018年10月2~3日、「実現しよう!東アジアにおけるパートナーシップ労使関係の普及を目指して」というメインテーマの下、東京の全電通ホールで開催された。日本、韓国、台湾、香港より148人(うち女性49人、女性参加率33%)が出席し、「企業の社会的責任(CSR)」、「職場におけるハラスメント」、「新しい多様な働き方」への対応について、各国・労組が報告を行った。日本からは、14加盟組合より総勢99人(うち女性33人、女性参加率33%)が参加した。

クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長は、基調講演を行い、UNI Aproは日本に倣って、建設的な労使関係(UNI Aproではパートナーシップ労使関係と呼ぶ)の構築に取組んできたと述べた。とりわけASEANにおいて、労働者や労働組合に、権利を主張するだけでなく労働組合としての責任を果たすよう強く訴え、使用者及び政府にはASETUC(ASEANサービス労組協議会)が信頼できるパートナーであることを具体的な成果をもって示し、毎年ASEAN各国の労働大臣が主催する三者構成対話会議に労働側代表として参加してきた。第4次産業革命で労働市場に劇的な変化が起こりつつある中、政労使の建設的な対話を通じてのみ、労働者や弱者が取り残されない、包摂的な社会をつくることができると強調した。

UNI本部から、クリスティ・ホフマンUNI書記長が初めて本フォーラムに参加し、グローバル枠組み協定(GFA)の概要を説明した。本年6月のリバプール世界大会で書記長に選出されて以来、来日直前にフランスのBNPパリバ銀行、同じくフランスのカジノ大手パルトゥーシュとそれぞれGFAを締結し、翌週には既に締結されているカルフールとの協定を更新する。グローバル協定に詠われる内容は、ILOの中核的労働基準の遵守、人権、平等、多様性の尊重、環境への配慮等、社会的課題への取組みをUNIや加盟組合と共同で宣言するものである。続いて日本企業としてUNIとGFAを締結した髙島屋とイオンの労働組合から、その経緯や締結後の実施状況について具体的な報告を受けた。髙島屋労働組合の橋本国際局長から、組合の社会的責任を果たす活動の1つとして、日本初のグローバル協定を締結するまでの経緯を聞いた。締結が目的ではなく、スリーピング協定にしてはならないとの決意で、労使それぞれの立場から内外に向けて理解浸透を図る活動を継続している。また、イオングループ労連の村上国際局長からは、海外拠点における現地労働者への連帯支援の取組みを通じて、各国労働者の条件改善と企業の発展に寄与している事例の報告を受けた。

また、凸版印刷株式会社・人事労政本部の吉田労政部長から、労使が協力して推進している「働きがい」を高める取組みについて聞いた。これを受け、凸版印刷労組の佐藤委員長は、「労使が対立していた過去の経験を教訓にして、現在の良好な労使関係がある。労使が目指す方向は同じであり、互いの立場を尊重し、コミュニケーションをとりながら進めていくことが何より重要だ」と述べた。

「企業の社会的責任」のテーマでは、この他、自動車総連、韓国KFIU、韓国KHMU、台湾PTSFEU、香港RCCIGU、マカオ・ゲーム労組、ネパールから事例報告を受けた。

「職場におけるハラスメント」のテーマについては、井上久美枝連合総合男女・雇用平等局長から、導入報告を受けた。井上局長は、「男女ともに暴力やハラスメントの対象になり得るが、地位や力関係が平等でない場合、とりわけ女性や性別規範に合致しない立場の弱い人々が対象となりやすい」と述べた。職場におけるあらゆる種類の暴力とハラスメントを根絶するため、ILO総会で条約・勧告の制定が議論されており、そのプロセスや各国政労使の異なる論点、日本政府の態度や連合の取組み等について詳しく聞いた。続いて各国代表によるパネルディスカッションが行われた。UAゼンセンと香港ディズニーランド労組は顧客からのハラスメント、韓国HKMUと台湾CPWUはセクハラに関して、それぞれ現状、組合の対応と今後の取組み等を報告した。これまで被害者が泣き寝入りするしかなかったハラスメントを組合が取り上げ、使用者や政府と協力して世論を喚起し、必要であれば法制度を変える等、社会を巻き込むアクションの必要性が強調された。

「新しい多様な働き方」のテーマについては、情報労連から「働き方改革」をめぐる日本の状況として、本年6月に成立した働き方改革関連法案の内容について報告し、実現に向けては、労使が共に法を理解し運用するための集団的労使関係が不可欠だと述べた。続いて、損保労連、JP労組、韓国KPWU、台湾CTWU、香港BMSWGUからそれぞれ事例報告を受けた。

参加各国は情報交換を通じて、労使関係は対立から協調へ、労使のパートナーシップが不可欠であるとの認識を再確認した。最後に共同声明を採択し、本フォーラムを継続して情報交換を進めると共に、各国において労働者の利益・権利の向上と社会的影響力の強化に引き続き取組んでいくこととした。

 

 


第16回UNI Apro東アジア郵便労組フォーラム

第16回UNI Apro東アジア郵便労組フォーラムは、2018年10月1日、東京で開催された。本フォーラムは東アジア地域にける郵便労組の友好・信頼関係の醸成と、郵政事業を取り巻く情勢の共有のため、2002年から日本・韓国・台湾の持ち回りで開催している。3カ国の郵便労組から約65人が出席、JP労組からは増田JP労組委員長はじめ全国から約40人が出席した。海外からは韓国郵政労組、中華郵政工会、UNI本部及びUNI Aproが出席した。午後にはパネル討論を開き、「Eコマースと労組の対応」というテーマで、各労組のプレゼンテーションと質疑応答及び討論を行った。

増田委員長は、開会挨拶で「日本郵便では郵便物が減少し、ゆうパックを主とする荷物、つまり物流へとシフトが進んでいる。郵便業で働く私たちは日本有数の長時間労働の職場にいる。郵政事業が将来、現場の社員に過重労働かつ低い賃金を強いるようなビジネスモデルになってしまっては、事業発展にはおのずと限界がある」と危機感を示した。そして「『水道、電気、ガス』に続いて『郵便』が私たちの生活の中で欠かすことのできないインフラの一部となり、Eコマースや物流の増加をてこに今後も郵便局が重要な『社会インフラ』としての役割を果たしていくにはどうすればよいのか。本日のテーマであるEコマースが事業の発展と将来の私たちの働き方の両方にこれまで経験のない変化をもたらすことは明らかである。東アジアの郵政労組としてどのように対応していくのかを考えていきたい」と述べた。

フォーラムには日本郵便株式会社から米澤友宏・日本郵便代表取締役副社長兼執行役員上級副社長が「日本郵便における新技術の取り組み」と題した基調講演を行った。

クリスティー・ホフマンUNI書記長は連帯の挨拶の中で、「世界120カ国に郵便労組がUNIに結集している。郵便産業は新しい技術の影響が大きい部会である。私たちは団結しグローバルな行動を取り、より良い労働条件のためにみなさんと草の根のレベルから組合を強くし、ともに闘っていきたい」と述べ、参加者を激励した。

クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長は自身の長年の経験から、労使関係に「付加価値」としてパートナーシップ労使関係を加え、企業の成長・発展と労組の組織化を両立させた経験に触れた。そして、APPU(アジア太平洋郵便連合)とUNI Apro郵便・ロジスティクス部会との覚書に基づく社会対話をさらに促進するために、パートナーシップのための対話を行うことを訴えた。

午後のパネルディスカッションでは、各国労組からEコマースに関わる報告を受けた。韓国KPWUのイ・ヘンム広報部長は、韓国郵政のEポスト(オンラインショッピングシステム)により様々なサービスを提供している状況を報告した。台湾CPWUのリー・ポーハン企画部長は、中華郵政が物流増や新サービスに対応するための大型物流ハブを建設し、業務の転換を進めている状況を説明した。JP労組の石川書記長は、日本のEコマース拡大と社会構造の変化がもたらす諸課題に触れ、労組が取り組む雇用形態による格差解消を目指す状況について発表した。質疑応答ではのべ14人から質問が出された。

小売業売上高に占めるEコマース化率は、日本はわずか5.8%、台湾8.7%である一方、韓国は18%、中国ではすでに20%に達している。郵便産業では荷物量増加に伴う人手不足や長時間労働、サービス水準や料金設定等の問題が各国で濃淡はあるものの深刻化している。Eコマースの成長がもたらすプラスとマイナスの側面とも、一国、一企業だけの問題ではなく、産業全体の問題として取り組んでいくこと、そして労働組合が労働者の処遇や労働条件を守るために声を上げ続けることがさらに重要となる。


フランスの大手銀行BNPパリバとUNI、グローバル協定締結

2018918日、UNIはフランスの大手銀行BNPパリバとの間でグローバル協定を締結した。73か国20万人の従業員を対象とし、有給育児休暇(両親)、健康保険をはじめ、組合に加入する権利、反ハラスメント対策の徹底等を公約したものである。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「BNPパリバが、労働者の権利や社会的責任へのコミットメントを深めようとしている具体的なステップとして称賛したい。金融部門においては、労働者に結社の自由があり、非倫理的な行いに警鐘を鳴らすことができるのは極めて重要だ。この協定は、他の銀行にも見倣ってほしいモデルとなる」と述べ、BNPパリバとの建設的なパートナーシップに期待を寄せた。

このグローバル協定は、金融部門としては、有給育児休暇(母親14週間、父親6日間)及び医療保険、死亡保険、就労不能/障害保険の条項がある点で初めてである。また、採用、訓練、昇進の方針を含め、銀行全体でジェンダー平等を促進する戦略についても触れられている。

「この協定によって、何万人ものBNPパリバ従業員の仕事や生活が改善されるだろう。それ以上に、産業にとって新たな基準を設定することになる」と、UNI世界金融部会のリタ・ベルロファ議長は協定の意義を評価した。「ジェンダー平等から労働組合権まで、この協定に盛り込まれた画期的な条項は、銀行産業全体に良い影響を与えるだろう。」

協定に署名したBNPパリバの人事部門責任者のイヴ・マルトレンシャー氏は、「このたび包括的かつ意欲的な合意を締結したことにより、BNPパリバが国際的な社会的枠組みの創設に向けて熱心に取組んでいることを示すと共に、より一層責任感を持って社員と向き合う姿勢を鮮明にすることができた。今回の締結で、BNPパリバにおける生活の質及び労働条件は向上し、グループ全体の業績を推進する原動力ともなる」と述べた。

またコーポレート・エンゲージ部門のアントワーヌ・シレ氏は、「今回の合意により、当グループの数多くの社員が、日常業務を通じてインクルージョンの度合いや持続可能性がより一層高い世界を目指す取組みに貢献できる環境が整った。BNPパリバが社会に約束する方針の実現を大きく後押しする契機となる」と述べた。

グローバル協定は、グローバルユニオン(国際産業別労働組織)と多国籍企業との間で交渉され、多国籍企業が事業活動を行うあらゆる場所で働く労働者の利益を擁護し、労働組合権の基準を定めるものである。

締結に至ったのは、UNI欧州金融部会のメンバーが築いてきた基盤と、BNPパリバに根付いた社会対話の伝統があったからである。BNPパリバとは以前から、3つの欧州地域の協定が結ばれていた。それは欧州社会憲章の一部を形成するもので、雇用、ジェンダー平等、ストレス防止という最も重要な問題を扱っている。

UNIは同じ週に、フランスの カジノ大手パルトゥーシュともグローバル協定を締結することができた。

UNI12部会全体で、50を超えるグローバル協定を結んでいる。UNI世界金融部会は、世界の銀行、保険等、金融機関で働く300万人を代表する。BNPパリバはフランス及びユーロ圏で最大、世界10指に入る銀行グループである。

 

 

 


UNI Apro商業部会、職場のハラスメント対策を議論

18UNI Apro商業部会委員会が201883031日、ベトナム・ハノイで開催された。昨年11月の第5UNI Apro商業部会大会で選出されたドワイヤー議長の下、6か国から委員、オブ及びUNI本部、UNI Aproスタッフ等総勢29人が出席し、2018年度活動計画、多国籍小売企業の組織化状況等について議論した。

ドワイヤー議長は開会挨拶の中で、貿易協定の動きを注視しつつ、貿易協定に労働条項が入るよう労組も議論に参画していくこと、移民労働者を保護していくこと、組合のオンラインサービス(オンライン加入、オンラインでの組合費徴収、組合員が欲しい情報を得やすいアプリ)を強化していくこと、ギグエコノミーに適した労働法に改正していくこと、Eコマースの拡大に対応していくこと等の課題を挙げた。

ベトナムのナショナルセンターVGCLのホン副会長は、参加者を歓迎すると共に、ハノイが開催地となったことで、急速に発展する小売業の労組の役員が有益な情報を得ることができると感謝した。2015年から外資の参入が始まり、国際経済に組み込まれていく中で、機会もあれば課題も出てきたとし、海外の経験から学びたいと述べた。

ウンUNI Apro地域書記長は、ASEANで急成長するベトナムがTPP11等の交渉で需要な役割を果たしているとし、1995年から良好な関係を構築してきたVGCLの役割に期待を寄せた。現在、ASEANの政府や使用者の間で人権の課題を認識するようになっており、AECASEAN経済共同体)や更にはRCEP(東アジア地域包括的経済連携)に社会的側面を認識させるには、定期的に密度の濃い政労使対話を続けることが重要だと強調した。

ホフマンUNI書記長は、「強力で包摂的な労働運動を構築するための課題と機会」と題する基調講演を行った。これまでのグローバル化はどん底への競争に繋がっており、組合への反感や抵抗が高まり、多くの国で権利が拒否されていること、デジタル技術の進展により労働者の不安定さが増していること、多くの国で権力が集中し、先進国では実質賃金が上昇していない等の課題を認識しつつ、格差の広がりに対する労働者の怒りを組合の成長に繋げられること、OECDや世界銀行等の国際機関が、購買力が低いままでは経済が伸びず、組合が団体交渉を行えば格差の解消や男女差別の解消に繋がることを認識し始めたこと、ビジネスと人権に関する国連の条約制定に向けた動きが加速していること等の絶好の機会を活用していこうと鼓舞した。

八野世界商業部会副議長(UAゼンセン副会長)は、本年2月のUNI世界商業部会委員会の主な議論について報告した。1つは、労組同盟を企業別から業種別(ハイパーマーケット、ファストファッション、Eコマース)にしていくこと。2つ目に多国籍企業について最新情報を共有したこと。特にジョン・ローガン教授から、アマゾンのフルフィルメントセンター(配送センター)における低賃金・過酷な労働条件と、地域の雇用全体に及ぼす悪影響について説明があった。ホフマンUNI副書記長は、アマゾンについて、ITUC及びITF等と連携し、リサーチャーやNGOを交え包括的戦略を練るため、来年11月グローバルサミットを開催すること、欧米だけでなくグローバルな連携を構築していくと述べた。

続いて、アジア太平洋地域における多国籍小売企業の組織化について、韓国、日本、香港、ベトナム、マレーシア、インドネシア、シンガポール、オーストラリアにおける最新情報が報告された。ベトナムにおいては、UNI AproUAゼンセンが長年、商業労組の強化とネットワーク構築を支援しており、ベトナムの商業労組から感謝の意が述べられた。UNI Apro商業部会はターゲットとする多国籍小売企業を確認し、次回委員会でも進捗状況を報告することとした。

金子UNI Apro商業部会副議長(自動車労連事務局長)は、自動車産業がCASE(接続性、自動運転、保有からシェアへ、電動化)という言葉に象徴される大変革期にある中、持続可能な自動車産業の実現に向けた自動車総連の2つの取組みを紹介した。付加価値のWIN-WIN最適循環運動については、販売・サービス部門における繁閑差の解消等を好事例として説明した。経済成長・雇用維持・創出のための自由貿易を実現する通商政策については、雇用・労働分野の保護規定を注視しつつ歓迎する一方、保護主義に走った米中の報復関税合戦がグローバル経済に及ぼす悪影響に懸念を示した。

職場におけるハラスメントについては、藤吉委員(UAゼンセン副会長)がUAゼンセンの悪質クレーム対策について報告した。「客は神様」(消費者の行動は常に正しく、不当な意見にも耐えなければならない)という風潮があり、消費者をモンスター化させ、流通・サービス産業は、悪質クレームに起因する退職者の増加や慢性的な接客人材不足に陥っている。厚生労働省への対策を要請すると共に、メディアを活用し社会へ意識啓発を行っている。今後は、消費者によるハラスメントの位置づけで労働安全衛生法の改正による法制化と、企業への対策を要求していく。オーストラリア・SDAも、政府、労働安全衛生局、業界と円卓会議を行い、テレビやソーシャルメディアでコスト効果のある啓発コマーシャルを流し世論に訴えている。他の部会(例えば介護部会)との情報交換及び連携を図ることも重要だと述べた。韓国では15年前から「感情労働」対策に取組み、マスコミが取り上げたことにより世論の意識が高まった。嫌がらせを受け仕事ができなくなった労働者には、使用者が感情労働手当や感情労働休暇を支給するべきだと交渉している。

以上の報告を受け、委員会は、次回委員会までに「小売業の職場におけるハラスメント対策マニュアル」を作成する提案を確認し、作成への協力と支援を表明した。

 


UNI Apro ICTS部会委員会

2018年8月28~29日、ベトナム・ハノイで第20回UNI Apro ICTS部会委員会が開催され、13カ国・40人が参集した。日本からは情報労連・野田委員長、木村国際担当部長、NTT労組データ本部・福田副委員長、KDDI労組・後藤委員長、長谷川政策局長が参加した。野田ICTS部会議長が開会挨拶し、各国での熱心な活動に敬意を表するとともに、UNI本部と地域がしっかり連携した上で、Aproらしいやり方で効果を高めていく必要性を強調した。ホフマン書記長は「ICTS部会には①テレコム、②IT、③コンタクトセンターを3本柱として取組んでほしい。UNI本部もAproを支援していく」と挨拶した。

各国の状況

  • NTT労組データ本部・福田副委員長は日本の働き方改革に向けた労使の取組みとして、NTTデータ労使の対応について、罰則付き時間外労働規制においては法律を下回る設定を達成したことや、テレワークの取組みについて報告した。
  • KDDI労組・長谷川政策局長はKDDI労組の情報通信政策について説明し、産業全体の発展とそれに関わる労働者の雇用や生活向上につながる取組みとして、労働組合としての政策を持つべきであると強調した。
  • UNI-MLC(マレーシア)・シャフィー議長は、DIGIにおける第2回団体協約が締結されたことを報告した。
  • NCU(インド)・プラサド議長は、インドの携帯事業会社が3~4社に収斂されていくと予想し、エリクソン、イデア、テレノール/エアテルを主要ターゲット企業として組織化活動を展開すると報告した。
  • GPEU(バングラディシュ)・マスート委員長は政府の反組合政策の実態を説明し、親会社のテレノールを訪問して協力を要請すると述べた。
  • メディアプロテク(スリランカ)・ヘティアラチ書記長は、近年スリランカテレコムでリストラが実施されていたが、UNI Apro ICTS委員会の声明が一定の抑止役割を果たしたと報告した。CTWU(台湾)・リー国際部長は台湾の労働法改正について説明し、週当たり労働時間や休日など、労働者に不利な状況となっていると指摘した。
  • パキスタンテレコム(従業員1万人)では組合が消滅していたが、組織化に向けた取組みを再開した。アチャリャ書記次長がパキスタンを訪問して関係者との調整を行う予定であると報告した。

ITアウトソーシングについて

ホグバックP&M局長がIT部門のアウトソーシングについて報告した。1990年代、欧州の企業で最も早くアウトソーシングが進んだのがIT関連であり、背景としてコスト面が挙げられるが、逆に、専門知識やノウハウを外部に求めるケースも多い。UNIのターゲット企業であるエリクソンは後者で、ネットワークの質を高め、専門知識を得るためでもあった。Aproでもグラミンフォン(バングラディシュ)のIT部門がアクセンチュアに買収された。他にもエクセルアクシアタ(インドネシア)IT部門はファーウェイに、アクシアタ(マレーシア)ネットワーク部門はエリクソンに売却された。労働組合が考えなければならないのは、コストとサービスの質を考えること、また、アウトソーシングによるサービスの管理の問題である。アウトソーシングが正式決定される前に、常に状況を把握し組織率を高めておくことが必要である。

行動計画

アクシアタ(マレーシア)、テレノール(ノルウェー)、エリクソン(スウェーデン)の3社をターゲット企業として確定し、各企業の対策について議論、決定した。

この他、韓国オラクルの従業員が賃金や労働条件面で会社から不当な扱いを受けていることを受けて、UNI Aproとしてオラクルにおける闘争を支援する声明を採択した。

野田議長が閉会挨拶し「各国で様々な課題はあるが共通点も多いことが分かった、労働の未来へのアプローチは全員の課題であり、リーダーがどう向き合うかが大事だ。来年11月の委員会では成果と結果を持ち寄れるように頑張ろう」と参加者を激励し、委員会を閉会した。

 


第2回UNI Apro IT組織化ネットワーク会議

 

2018年8月27~28日、ベトナム・ハノイで第2回UNI Apro IT組織化ネットワーク会議が開催され、11カ国から約30人が参集した。日本からは情報労連・野田委員長、木村国際担当部長、NTT労組データ本部・福田副委員長、KDDI労組・後藤委員長、長谷川政策局長が参加した。

ICTS部会では通信部門と比べてIT労働者組織化の取組みが遅れており、急速に市場が拡大しているアジア地域においても重要性が高いとの認識の下、2017年のUNI Apro ICTS部会大会でIT労働者組織化を優先課題とした。これを受け、今年2月には第1回UNI Apro組織化ネットワーク会議をネパールで開催、今回は2回目の開催となった。

野田ICTS部会議長が開会挨拶し、IT労働者組織化の理由として、①自分のスキルに頼る一匹狼のように見えるが長期的な視点に立てばIT労働者にも組合が必要である、②既存の通信会社従業員が減少傾向にある中でUNI Apro ICTS部会の体制強化のためにはIT労働者組織化が絶対に必要である、と指摘した。

各国報告

会議では、前回会議で策定した国別行動計画について進捗状況を共有した。

  • インド・NCUでは、目標500人に対して524人の組織化を達成した。
  • ネパール・UNICTSは230人の新規組合員を獲得した。
  • スリランカ・UNITESは組合登録を達成した。
  • 他にも、韓国・HP労組、MSN労組、オラクル労組、及びマレーシアにおいてもIT会社組織化に取組んでいる事が報告された。
  • NTTデータは海外従業員約118,000人が未組織であるが「各国の労働法制や文化の違いを考慮し、UNIの指導の下で対応していく」と報告した。

戦略的優先課題

IT組織化ネットワークの活動強化に向けて、①オンラインアプリ等のコミュニケーションツールを活用し、加盟組織の情報交換を進める、②マイクロソフト、HP、オラクルをターゲット企業とし、加えて中小企業や新規事業者においても組織化を行う、③IT部門の女性、青年、フリーランス労働者を組合へ勧誘する、等を柱とした戦略的優先課題を策定した。参加者は各国でIT労働者組織化の対応を強化していくことを確認し、会議を終了した。


シリコンバレーの従業員が話し合いの場を要求

米国企業には強力な反組合文化があるにもかかわらず、巨大テクノロジー企業の従業員は使用者に影響を与えるために集団行動をとっている。

ホフマンUNI書記長によると、グーグル、アマゾン、マイクロソフト、IBMの従業員はこの1年以内に、集団行動を起こした。このような行動のほとんどが嘆願書への署名活動であり、一般職員が、攻撃的な移民法の施行やドローンの戦争利用に関連する米国政府機関とのビジネスをやめさせようとするものだ。

「労働者の力がこのように使われるケースは珍しい。従業員は会社の評判を形成するような決定に対し、発言権を要求している。自分の仕事に自らの価値観を反映したいと望んでいる。」

ホフマンUNI書記長は、従業員の集団行動が企業文化を変えた4つの事例をあげた。

  • グーグルの従業員は、ドローン攻撃の目標設定の精度を上げるために人工知能を利用する米国防総省のプロジェクト、「プロジェクト・メイブン」をやめさせるため団結した。従業員は、このようなプロジェクトのために働かされるならグーグルを辞めると迫った。グーグルは引き下がり、米軍との契約を破棄した。今月、グーグルの従業員は、予想される中国への再進出につき、倫理や透明性について再び懸念を示した。
  • アマゾンの従業員は、ジェフ・ベゾスに、顔認証を警察や政府機関、特に移民局に売らないよう要求している。
  • マイクロソフトの従業員は、移民局との1940万ドルのクラウドサービス契約の終了を要求している。
  • IBMの従業員は、coworker.orgというプラットフォームに結集し、会社に対し、トランプ大統領とは異なり、多様性を認めるよう要求した。IBMの従業員はまた、女性への待遇をめぐる問題でも団結した。

多くの若いIT専門職は「世界をより良い場所にする」という会社のビジネスモデルに納得しており、会社の製品が彼らの倫理観に反するときには立ち上がるべきだという責任を感じている。

従業員は、問題が発生する度に戦いたいとは思っていない。むしろ、決定が行われる交渉の場に参加したいのだ。あるアマゾンの従業員はジェフ・ベゾスへの手紙に、『自分達が作るものに選択権を要求し、その使われ方にも意見を言いたい』と書いた。

「従業員達は、技術者が発言権を持つには団結するしかないことを学んだ。最終的には、彼らのキャンペーン・ネットワーク組織をもっと正式な機構に変えていく必要がある。その新しい機構とは組合のようなものになるだろう」とホフマンUNI書記長は予測する。

UNI書記長は、ベトナムで開催されたUNI Apro ICTS部会主催のIT専門職組織化フォーラムの開会挨拶の中で、このように述べ、アジア太平洋地域におけるIT分野の組織化の重要性も強調した。

 


UNI、高校生平和大使の訪問を歓迎

長崎・広島、他からの高校生平和大使20人と被爆者及び関係者が、今年もスイス・ニヨンにあるUNI本部を訪れ、アルケ・ベシガー副書記長をはじめ本部スタッフの歓迎を受けた。高校生平和大使は2018年度ノーベル平和賞候補に選ばれている。

第1世代から第2世代、第3世代、第4世代の被爆者は、1945年8月の広島、長崎への原爆投下による重大な教訓を語り継ぎ訴えている。平和大使は毎年、ジュネーブの国連本部に、核兵器廃絶を要求する署名を届けており、その際、UNI本部も訪れている。

UNIが2010年に長崎で世界大会を開催したことがきっかけで、平和大使とUNIの交流は始まった。高校生平和大使によるUNI本部訪問は10年以上続いている。長崎世界大会に世界中から集まった2,000人を超える大会参加者は皆、新たな「平和大使」となって帰国した。

若い平和大使の1人は、被爆者が高齢化し亡くなっていく中、自分たちは恐らく被爆者から直接体験を聞くことのできる最後の世代だろう、だからこそ後輩に語り継ぐ責任があると述べた。同席したUNI本部スタッフは、原爆投下とその後の恐ろしい体験を聞き、まるでその場にいるかのように感じた。別の平和大使は、核兵器廃絶を実現するまで決してあきらめないと語った。この「夢」は、昨年、核兵器禁止条約が国連で採択されたことで、一歩前進した。

ベシガー副書記長は、「UNIは皆さんや他の平和を願う組織と共に、国連核兵器廃絶条約の完全実施を政治家に強く求めていく。今年6月にリバプールで開催されたUNI世界大会でもUNIファミリーは、核兵器の無い世界の実現に向けた決意をあらためて示した。労働組合運動は平和運動と一体となって、取り組んでいく」と約束した。

UNIのブレイキングスルー戦略は、国際的な核軍縮の動きを支持している。UNIは、国連核兵器廃絶条約の採択を後押ししたことで、昨年ノーベル平和賞を受賞したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)及びIPB(国際平和ビューロー)のメンバーでもある。

 


広島、長崎への原爆投下から73年、犠牲者を追悼

広島と長崎は、2018年8月6日と9日、21万人を超える尊い命を奪い、多くの負傷者を出した原爆投下から73年目を迎える。被爆後、生存者の多くが癌や白血病等、放射能の後遺症に苦しんでいる。

今年、リバプールで開催されたUNI世界大会では、UNIファミリーが核兵器の無い世界の実現に向け、誓いをあらたにした。

UNIは2010年に長崎で第3回世界大会を開催したことがきっかけで、長崎との交流を始め、平和運動に深く関わってきた。長崎世界大会に参加した2000人を越える代議員は、被爆者の体験を直接聞き、原爆資料館を訪れて原爆の恐ろしさを実感し、平和大使となって、その経験を各国に語りついでいる。

2017年7月、国連は核兵器禁止条約を採択した。この歴史的な条約は、核兵器とそれに関する全ての活動を禁止するものである。核兵器禁止条約は、50カ国が批准すると発効する。世界の指導者達は、核兵器のない未来を求める被爆者の叫びや世界中の市民の訴えに真剣に耳を傾けるべきだ。UNIは、核兵器禁止条約の採択を後押ししたことで2017年にノーベル平和賞を受賞したICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)及び世界最古の平和組織IPB(国際平和ビューロー)の運動を支持し、メンバーになっている。

1945年8月に広島で被爆したサーロー節子氏は、2017年12月のノーベル平和賞受賞スピーチで、「その一人ひとりには名前がありました。一人ひとりが、誰かに愛されていました。彼らの死を無駄にしてはなりません」と訴えた。

 

 


UNI、AIパートナーシップ(PAI)に参加

UNIは、2018年8月3日、多様なステークホルダーから構成される人工知能(AI)研究団体「Partnership on AI(PAI)」に加入した。

PAIは、AIが将来の働き方にいかに影響を与えるかを予測し、AIが社会に確実に恩恵をもたらすよう、幅広い問題に対応する。

PAIの創設者であり、会長のエリック・ホービッツ氏とムスタファ・スレイマン氏はこう語る。「AIは、新しい可能性や効率性を約束する。新しい技術の到来が、自然破壊の可能性や仕事の分配について納得のできる問題を提起するのだ。」

テクノロジー企業や教育機関だけでなく、アムネスティ・インターナショナル、Oxfam、国連開発計画など幅広い非政府組織がこの取組みに参加している。UNIはPAIに参加した始めての労働組合である。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「UNIがPAIに参加することで、労働者に発言権が与えられる機会を歓迎する。AIが、一握りの巨大テクノロジー企業の手において破壊力として使われるのではなく、どうすれば新しい仕事やより良い雇用・労働条件を生み出すための触媒になり得るか、議論を向けていくことが我々の目的だ」と述べた。

「PAIの他のメンバーに、AIの開発にあたり、企業や政府はデジタル経済において労働者が公正かつ確実に移行できるよう責任を持つべきだ、という明確なメッセージを伝えていく。」

UNIは、「労働の未来」のオピニオンリーダーとなり、ILO、経済協力開発機構、EUにおいて、また、サービス産業の多国間協力及び合意を通じて、デジタルな未来への展望に影響を与えていく。

UNIがまとめた「倫理的な人工知能のための10大原則」には、職場の透明性や実用性に関して具体的な要求があげられている。UNIはAIに関し「行動を今すぐ起こす緊急性」を強く主張し、AI使用による犠牲者を出すのではなく、その恩恵を労働者が確実に共有できるよう取組んでいる。

 


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