第16回UNI Apro東アジア郵便労組フォーラム

第16回UNI Apro東アジア郵便労組フォーラムは、2018年10月1日、東京で開催された。本フォーラムは東アジア地域にける郵便労組の友好・信頼関係の醸成と、郵政事業を取り巻く情勢の共有のため、2002年から日本・韓国・台湾の持ち回りで開催している。3カ国の郵便労組から約65人が出席、JP労組からは増田JP労組委員長はじめ全国から約40人が出席した。海外からは韓国郵政労組、中華郵政工会、UNI本部及びUNI Aproが出席した。午後にはパネル討論を開き、「Eコマースと労組の対応」というテーマで、各労組のプレゼンテーションと質疑応答及び討論を行った。

増田委員長は、開会挨拶で「日本郵便では郵便物が減少し、ゆうパックを主とする荷物、つまり物流へとシフトが進んでいる。郵便業で働く私たちは日本有数の長時間労働の職場にいる。郵政事業が将来、現場の社員に過重労働かつ低い賃金を強いるようなビジネスモデルになってしまっては、事業発展にはおのずと限界がある」と危機感を示した。そして「『水道、電気、ガス』に続いて『郵便』が私たちの生活の中で欠かすことのできないインフラの一部となり、Eコマースや物流の増加をてこに今後も郵便局が重要な『社会インフラ』としての役割を果たしていくにはどうすればよいのか。本日のテーマであるEコマースが事業の発展と将来の私たちの働き方の両方にこれまで経験のない変化をもたらすことは明らかである。東アジアの郵政労組としてどのように対応していくのかを考えていきたい」と述べた。

フォーラムには日本郵便株式会社から米澤友宏・日本郵便代表取締役副社長兼執行役員上級副社長が「日本郵便における新技術の取り組み」と題した基調講演を行った。

クリスティー・ホフマンUNI書記長は連帯の挨拶の中で、「世界120カ国に郵便労組がUNIに結集している。郵便産業は新しい技術の影響が大きい部会である。私たちは団結しグローバルな行動を取り、より良い労働条件のためにみなさんと草の根のレベルから組合を強くし、ともに闘っていきたい」と述べ、参加者を激励した。

クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長は自身の長年の経験から、労使関係に「付加価値」としてパートナーシップ労使関係を加え、企業の成長・発展と労組の組織化を両立させた経験に触れた。そして、APPU(アジア太平洋郵便連合)とUNI Apro郵便・ロジスティクス部会との覚書に基づく社会対話をさらに促進するために、パートナーシップのための対話を行うことを訴えた。

午後のパネルディスカッションでは、各国労組からEコマースに関わる報告を受けた。韓国KPWUのイ・ヘンム広報部長は、韓国郵政のEポスト(オンラインショッピングシステム)により様々なサービスを提供している状況を報告した。台湾CPWUのリー・ポーハン企画部長は、中華郵政が物流増や新サービスに対応するための大型物流ハブを建設し、業務の転換を進めている状況を説明した。JP労組の石川書記長は、日本のEコマース拡大と社会構造の変化がもたらす諸課題に触れ、労組が取り組む雇用形態による格差解消を目指す状況について発表した。質疑応答ではのべ14人から質問が出された。

小売業売上高に占めるEコマース化率は、日本はわずか5.8%、台湾8.7%である一方、韓国は18%、中国ではすでに20%に達している。郵便産業では荷物量増加に伴う人手不足や長時間労働、サービス水準や料金設定等の問題が各国で濃淡はあるものの深刻化している。Eコマースの成長がもたらすプラスとマイナスの側面とも、一国、一企業だけの問題ではなく、産業全体の問題として取り組んでいくこと、そして労働組合が労働者の処遇や労働条件を守るために声を上げ続けることがさらに重要となる。


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