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「EU は緊急に行動を起こすべき」:欧州労働組合連盟、EU-イスラエル連合協定の見直しを支持

2025年5月下旬、EU外務理事会は、残虐行為、人権侵害、人道法に対する重大な違反の証拠が相次ぐ中、EUとイスラエル間の広範な貿易・協力協定の見直しを決定した。EU 連合協定第 2 条は、両者の関係は「人権と民主主義の原則の尊重に基づくもの」であると規定している。

5月21日に欧州労働組合連盟(ETUC) 執行委員会はこの決定を歓迎し、欧州委員会に対して「協定の見直しが完了次第、適切な措置を講じる」よう求めた。ETUC は声明の中で次のように述べている。

この決定は、イスラエルによるガザ地区への破壊行為、その結果としての多数の死者とインフラや建物の破壊、ガザ住民追放に関する協議の継続などを背景に下されたものである。 (…中略…)EUは、ガザと占領下パレスチナで進行している状況に対し、緊急に行動を起こす必要がある。…信頼できる国際的な情報源による十分な証拠に基づき、EUはEU-イスラエル連合協定の第2条に違反があると結論付けることができる。(…中略…)ETUCは、イスラエルとパレスチナの間で交渉による合意に達し、持続可能で平和的な『二国家解決』を実現し、人道支援のための国境の開放と国際法への完全な尊重を伴う即時かつ永久的な停戦を改めて呼びかける。我々は強制的な移住を非難し、すべての捕虜の解放を求める声を支持する。(…中略…)ETUCは世界中で行われているあらゆる人権侵害を非難し、紛争地域における労働者および労働組合との連帯を表明する。ETUCとその加盟組織は、公正で持続可能な平和の基盤として、社会正義と国際法の尊重を追求し続ける。」

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のようにコメントした。「ETUCの行動呼びかけを歓迎する。EUでの前進は喜ばしいニュースだ。ガザで飢餓の脅威が迫る中、世界は危機的状況にあり、我々はこの危機が展開するのをリアルタイムで注視している。封鎖を非難する強い言葉が繰り返し表明され、深刻な人道危機の終結を求める多くの声が上がっている中、この動きは長年待ち望まれてきた具体的で必要な一歩だ。」


UNI Apro、ILO総会に対しミャンマーに対するILO憲章第33条の支持を要請

2025年5月21~22日にシンガポールで開催された第34回UNI Apro執行委員会で、ILO憲章第33条のミャンマーに対する措置の発動を求める国際的な呼びかけについて、強い支持を表明する連帯声明が採択された。この問題は、今年6月に開催される第113回ILO総会で議論される予定だ。

声明において、UNI Apro執行委員会は、2021年2月1日に発生した軍事クーデターにより被害を受け続けているミャンマー国民との連帯を再確認した。

同執行委員会はまた、2025年3月28日に発生したマグニチュード7.7の地震後に、援助の妨害や民間人に対する空爆の継続など、人道危機の悪化に対し深刻な懸念を表明した。

UNI Apro執行委員会は、2025年6月2日から13日まで開催される第113回ILO総会に参加するすべての政府、使用者団体、労働組合に対し、ILO憲章第33条措置に賛成票を投じるよう求める。また、国連システムや二国間・多国間機関を含む国際社会全体に対し、第33条に基づき採択される措置と政策・行動を一致させるよう呼びかける。


米国で数千人の郵便労働者が結集、民営化に反対の声

2025年3月23日、米国で数千人の労働者が、郵便事業の解体に「断固反対」の声を上げるために街頭に繰り出した。

外勤労働者で構成される UNI加盟組織の全米郵便労組(NALC)は、トランプ政権による米国郵便公社(USPS)の民営化の脅威を受けて、3月23日(日)に全米の各都市で集会を主催した。

ロサンゼルスの集会で発言したブライアン・レンフロNALC委員長は、政府の動きは全米64万人の郵便労働者と、USPSに関連する800万の雇用に対する攻撃であると非難し、「米国経済の中心となる機関、5150万の地方世帯および企業、そしてUSPSを利用する3億人の米国市民に対する攻撃だ」と続けた。

集会は、退任するルイス・デジョイ郵政公社総裁が、イーロン・マスク氏の「政府効率化省」と協力し、米国郵便公社(USPS)から1万人の雇用と数十億ドルの予算を削減することに合意した後に開催された。

抗議活動には、政治的立場を問わずさまざまな政治家が郵便労働者の支援に駆け付け、「徹底抗戦!」「米国の郵便は売り物ではない」「民営化反対!」などと書かれたプラカードを掲げた。

NALCは「米国郵政公社の指導部の排除、規制監督の廃止、郵便事業の分割に関するあらゆる計画に反対する」としている。

連帯を示すため、UNI加盟組織で米国の内勤郵便労働者の組合であるAPWUのマーク・ダイアモンドスタイン委員長も、メリーランド州シルバースプリングでNALCの組合員たちとともに、リズ・シュラーAFL-CIO会長とともに集会に参加した。

APWUは3月20日にも独自のアクションデーを開催し、何千人もの郵便局員が参加した。ワシントンD.C.での集会で、ダイアモンドスタイン委員長は「我々は、この国の人々に、我々の郵便サービスが本当に危機に瀕していることを警告している。これは1日で終わるものではなく、継続的な闘いの始まりだ」と訴えた。

コーネリア・ベルガーUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、「郵便局員は公共サービスの生命線であり、どんなに辺境の地であっても、すべての家庭をつないでいる。USPSを解体しようとする試みは、無謀であるだけでなく、民主主義そのものへの攻撃だ。我々はNALCおよびすべての郵便労働者と団結し、はっきりと声を大にして叫ぼう。USPSに手を出すな!」


デンマークで郵便配達が終了 – 労働者と社会的弱者に危機

デンマークの国営郵便サービスであるポストノードは、2025年末までに書簡の配達を停止すると発表した。これにより、労働者とデンマーク住民、特に重要な連絡手段として郵便を利用している最も弱い立場にある人々に深刻な影響が及ぶことになる。UNIは、デンマークの加盟組織3Fとともに、この決定を最も強い言葉で非難する。

ポストノードの書簡市場からの撤退は、郵便の全職員約4,600人のうち1,500人の雇用喪失を意味する。同社の書簡市場における事業は、デンマークの民間物流会社DAOに引き継がれる予定である。DAOは現在、デンマークの郵便物のごく一部しか扱っておらず、歴史的に個人宛郵便物の効率的管理に苦慮してきた。またDAOは非常に多くの不安定雇用の労働者に依存している。ポストノードの撤退が実現すれば、DAOは書簡市場で唯一のプロバイダーとなり、デンマーク住民にとって重要なインフラである書簡を事実上、民間企業が独占することになる。

デンマークは今、郵便の歴史において重要な岐路に立っている。今後の決定によって、郵便サービスがデンマークの重要なインフラの安定的で利用しやすい一部であり続けるのか、それとも市場の失敗によって市民や企業が信頼できる郵便システムを失うことになるのかが決まる。

デンマークの住民、特に病院、自治体、金融機関とのやり取りに物理的な書簡を使用している27万1000人の状況は、危機的なものとなっている。すでにデンマーク国内では、単純な手紙を送るだけでも4ユーロ近くかかり、高齢者、地方在住者、低所得者層には大きな負担となっている。従来の郵便ポストが撤去され、切手が廃止されれば、郵便サービスへのアクセスは、特に農村地域にとってますます困難になるだろう。

デンマークの高齢者介護における民営化の経験は、必要不可欠な公共サービスを営利追求の民間事業者に委ねることの潜在的な結果を示している。そうした民間事業者は、厳しい経済状況下で撤退し、市民を重要なサービスから置き去りにしかねないからだ。
DAOが同様の道を歩むことになれば、デンマーク政府は財政的・物流的負担の大きさに直面する可能性がある。

3Fポストのゼヴァド・ラミック議長は、「デンマークの政治家が書簡市場の自由化を決定して以来、我々はメディアや政策立案者の間で、その影響について啓発するために集中的に取組んできた。自由化の目的は、価格を引き下げ、サービスレベルを向上させることだったが、。2023年の施行以来、価格は100%以上上昇し、サービスレベルは大幅に悪化した。そして先週、究極の結末を目の当たりにした。ポストノードが市場から撤退し、重要なインフラが民間に独占されることになったのだ。住民と労働者にとって深刻な打撃だ」と指摘し、「我々は適正な賃金と労働条件を求めて闘争を強化していく。職を失った従業員が支援も機会もなく取り残されることは認めない。我々は、大きな需要がある労働市場において、従業員が前進するための最良の条件を確保するために闘っていく。そして労働者の尊厳とこれまでの仕事に対する敬意を忘れてはならない」と訴えた。

UNI世界郵便・ロジスティクス部会が6大陸で11の事例を調査したところ、郵便の民営化は、料金の上昇、配達の遅れ、雇用の悪化という悪影響をもたらすことが明らかになっている。UNIと世界中の郵便労組は、昨年の世界郵便デーにデンマークを訪れ、3Fを支援するとともに、デンマークが以前に実施したユニバーサル・サービス義務撤回による有害な影響を示した。

コーネリア・ベルガーUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、「郵便サービスは地域社会をつなぐ基本的なものであるにもかかわらず、デンマークから英国、米国に至るまで、郵便は攻撃を受けている。デジタル化によって郵便事業は大きく変貌したが、郵便事業がその役割を責任を持って再構築できていないことは非常に問題だ。世界中の労働組合が団結し、質の高いサービスを保護し、世界中の郵便労働者のまっとうな労働条件を確保する、確固たる将来ビジョンを求めている」と訴えた。


クリスティUNI書記長、ラジェンドラUNI Apro地域書記長の記念講演 ~第26回 UNI-LCJ年次総会~

クリスティUNI書記長とラジェンドラUNI Apro地域書記長

★講演1:「生成AIがもたらす労働の未来」 クリスティ・ホフマン UNI書記長

現在、世界は激動の時を迎えており、米国のトランプ政権は政府機構を解体し、国際機関からの脱退を進めています。その影響は世界中に及び、AIを含む技術革新にも大きな影響を与えている。

特に、AIの職場への導入については、労働組合の関与が不可欠だ。その理由は、①最良の結果を得るため、②労働者への悪影響(解雇など)に対応するため、③生産性向上の利益を労働者と共有するためである。しかし、使用者側は「テクノロジーについて交渉するのは非現実的」として反対しているが、それでもフランスの70以上の企業が社会対話に合意するなど、前向きな動きもある。

AI技術の中でも特に影響が大きいのはアルゴリズム管理と生成AIだ。アルゴリズム管理は、監視や労働者への圧力に利用され、Amazonの倉庫やコールセンターなどで広く導入されている。一方、Chat GPTなどの生成AIは、文章作成やデータ分析などを自動化し、多くの業務の一部を代替する可能性がある。IMFの予測によると、全雇用の40~80%が何らかの形で生成AIの影響を受ける、特に事務職やバックオフィス業務がリスクが高いとされており、コールセンターやプログラマーも影響を受けており、今後、経済全体への普及が加速する可能性がある。

労働組合は、AI導入に関する交渉を進めるべきだ。既にいくつかの成功例もある。例えば、米国の脚本家組合はAIの使用を制限する協約を勝ち取り、オーストラリアやドイツの労働組合もAIに関する協議の枠組みを確立した。これにより、AIが労働者に与える影響を最小限に抑えつつ、技術の利点を生かす道が開かれると期待している。しかし、多くの国ではまだAIに関する労働規制が整っていない現状もある。そのため、労働組合の活動を奨励し、雇用主が技術導入の際に労働者と協議することを義務化するなどの政策が求められている。労働者のスキル向上を支援し、新たな仕事を創出するためのインセンティブも必要だ。

テクノロジーの発展は不可避ですが、それが労働者にとって公平で持続可能な形で進められるよう、労働組合は交渉の場に立ち、積極的に関与することが重要である。UNIは今後もこの課題に取り組み、労働者の利益を守るために国際的な対話を推進していきたい。

★講演2:「平和・人権・民主主義」 ラジェンドラ・アチャリャ UNI Apro地域書記長

アジアにおける民主主義の状況は国によって異なり、日本、韓国、インドは民主主義を維持しているが、他の国々では依然として厳しい状況が続いている。

ミャンマーでは、軍事クーデターから4年が経過し、大規模な避難、暴力的な弾圧、そして活動家の投獄が続いている。労働組合は民主主義勢力とともに、民主主義を復活させるための国民統一政府(NUG)を結成した。香港では、中国の国家安全法の下で制限が強化され、言論の自由や報道の自由が制約されている。バングラデシュでは、政治的な状況が不安定であり、前政権は反対派の声を抑圧していたことで批判された。現在の指導者は、同様の手段に頼ることなく、安定した政治運営を行うことが重要である。

アジアにおける平和は依然として不安定であり、国境を巡る争いや南シナ海での緊張や、朝鮮半島における終わりの見えない紛争の脅威が地域の安定を脅かしている。 また、ミャンマー、アフガニスタン、フィリピン、パキスタンの一部地域では内戦が続いており、平和と安全を取り戻すための障壁となっている。

人権:続く闘い

アジア全体で人権侵害が広がっており、政府は言論の自由を制限し、報道機関を弾圧し、人権活動家を迫害している。また、監視体制や強制労働、政治的抑圧が根強く存在している。多くの国々で進展が見られる一方、依然として女性やジェンダー平等に対する制約が続いている。

労働組合の権利と労働条件:

アジアの労働者は、特に労働保護が不十分な国や権威主義的な国々で重大な課題に直面しており、多くの国では団体交渉が制限され、労働者は搾取され続けている。湾岸諸国では移民労働者が非人道的な労働条件に苦しんでいる。しかし、バングラデシュのラナ・プラザ事故後、繊維業界の安全基準が改善され、国際安全衛生協定はバングラデシュとパキスタンで進展を見せている。

国際労働基準と人権デューデリジェンス:

アジアにおける国際労働基準の施行は国によって異なる。いくつかの国々は主要な国際労働機関(ILO)の条約を批准しているが、その実施は一貫していない。強制労働、児童労働、そして安全でない労働環境は、繊維、農業、建設業、さらにはサービス業でも依然として続いている。人権デューデリジェンスは注目を集めており、日本、韓国、オーストラリアは企業責任規制を強化している。

デジタル時代における労働と労働組合の権利:

技術革新、デジタル化、自動化はアジアの労働市場に変革をもたらし、製造業やサービス業で雇用の安定性が脅かされている。ギグエコノミーの拡大に伴い、特に新興経済国で労働者保護が不十分だ。職場の監視やアルゴリズム管理には倫理的懸念があり、強力な規制が求められている。労働組合は、技術革新が労働者の権利を守りつつ進むよう役割を果たすべきである。

UNI Apro: 私たちの役割と取り組み

UNI Aproは、民主主義、人権、労働組合の自由を守るため、ミャンマーの強制労働問題やフィリピンの労働組合弾圧に対する活動を行っている。インドネシアのオムニバス法に挑戦し、香港のRCCGUを支援。さらに、フィリピン、インド、パキスタン、ネパールで労働組合権利強化を進めている。

アジアにおける民主主義、平和、人権、労働組合の自由の闘いは続いており、権威主義や労働搾取は依然として課題である。労働組合の強化、国際労働基準の施行、デジタル変革の責任ある導入が重要だ。

講演後には、福井洋損保労連事務局長は、アルゴリズムによる労働管理が日本に導入される可能性について言及し、「その際に労働者の納得感や働きがいに差が生じるかどうか。もし差が生じる場合、労使協議で特に重視される観点は何か、またアルゴリズム導入後に従業員からフィードバックを得る仕組みや、働きがいを高めるためにどのような工夫がされているか」と質問した。

また、UNI Apro青年委員を務めている横内愛咲UAゼンセン運動推進局局員は、UAゼンセンの多くの組合が若者への教育機会を設けているものの、意思決定機関に若者を参加させる進展が低い現状を報告し、「青年が意思決定機関に参加するために一番大切なことは何か、また海外での先進的な青年活動の事例」について質問した。


第26回UNI-LCJ年次総会開催~変革のために、共に立ち上がろう!

クリスティUNI書記長、ラジェンドラUNI Apro地域書記長とUNI-LCJ幹部会メンバー

2025年2月26日(水)、第26回UNI-LCJ年次総会が全電通労働会館ホール(東京都千代田区)で開催され、各加盟組織より運営委員、総会代議員、オブザーバー等約60人が出席した。

UNI-LCJ年次総会と監査報告をする戸口監査委員

2024年度活動報告、会計報告の後、UNI-LCJ内部監査員である戸口剛全印刷書記長より2024年度の会計監査報告があった。続いて2025年度活動計画および予算が承認された。

質疑で発言する川口日放労書記長、古賀印刷労連副書記長、中田UNI Apro女性委員会議長(UAゼンセン国際局副部長)

質疑の時間において、川口哲矢日放労中央書記長は、昨年11月タイ・バンコクで開催されたUNI Apro地域大会・女性大会と併催のメディア部会委員会の内容に触れ、「組合の役割は注目度が高まっており、連帯を高めるための活動は重要である。海外の仲間と様々な知見を共有し議論できるのは、日本の組合員にとってもとても有益である。今年度は、自組織の若手組合員と海外メディア労組との交流会の開催を期待したい」と述べた。

古賀初代印刷労連副中央書記長は、UNI Apro女性大会で中田綾子UAゼンセン国際局副部長がUNI Apro女性委員会議長に就任したことに触れ、「UNIの女性の取組みについては、印刷労連でも方針の柱の1つにしている。毎年UNI-LCJが開催している、青年・女性ネットワーク会議やユース英語セミナーを通じて、産業や組織の枠を超えたコミュニティの場が設けられており、非常に有益に感じている。グローバル化やDXなど新たな課題が山積だが、これからも、しっかり取り組んでいただきたい」と期待した。

中田UNI Apro女性委員会議長がこれに続き、インドネシアASPEK訪問の際聞いた、ASPEKが新しく始めた女性支援の取組みについて報告し「とても良い事例なので5月にシンガポールで開催されるUNI Apro女性委員会で報告ができるよう働きかけている。良い事例などあったら、今後も積極的に取り込んで情報共有していきたい」と述べた。

クリスティUNI書記長とラジェンドラUNI Apro地域書記長
(UNI-LCJ年次総会 記念講演)

続いて開催された記念講演には、UNI本部よりクリスティ・ホフマンUNI書記長、UNI Aproよりラジェンドラ・アチャリャ地域書記長が来賓として出席した。クリスティ書記長は「生成AIがもたらす労働の未来」について、またラジェンドラ地域書記長は「平和・人権・民主主義」について講演した。

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レセプションで乾杯の発声をする永島智子UNI-LCJ副議長(UAゼンセン会長)

記念講演終了後、会場近くのレストラン(グッドビューダイニング Good View Dinning、中央大学駿河台キャンパス19F)に場所を移し、レセプションを開催した。

レセプション開会の挨拶をする石川UNI-LCJ議長(JP労組中央執行委員長)

UNI-LCJ議長である石川幸徳JP労組中央執行委員長は「厚生労働省、連合、ITUCのご来賓に迎え、またUNI書記長・地域書記長から貴重な講演をいただだいた御礼を述べ、「今後もパートナーシップ労使関係を基盤とした労働運動の発展に向け、UNI-LCJも尽力していきたい」と冒頭の挨拶した。

来賓および連帯挨拶

続いて、秋山伸一厚生労働省大臣官房統括審議官(国際担当)に来賓の挨拶を、また、清水秀行日本労働組合総連合会事務局長、および、郷野晶子国際労働組合総連合会長より連来の挨拶をうけた。

全国農団労への感謝と司会進行を務めた永渕達也UNI Apro青年委員(情報労連中央執行委員)

また上田智亮UNI-LCJ事務局長は、全国農団労の川岸正徳代表および大谷篤史氏へ感謝の意を述べ「いつでもUNIファミリーに戻ってきてほしい」と言葉を贈った。

レセプションの中締めをする安藤京一UNI-LCJ副議長(情報労連中央執行委員長)

UNI欧州の調査:人々は公的資金が賃金と労働条件の改善につながることを望んでいる

2025年3月上旬に発表された欧州全域を対象とした調査(UNI欧州が委託したもの)の結果によると、EU市民の大多数(72%)が、団体交渉を通じて労働者の生活を強化する公共調達を支持していることが明らかになった。

この調査結果は、民間企業への公契約の発注を管理するEU調達規則の改革に 欧州委員会が着手した矢先の発表となった。調査結果は、調達規則の中に団体協約を有する企業を優先し、労働組合潰しやダンピングを行う企業を排除する社会的条項を求める労働者や組合の声を後押しするものとなる。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は「今回の調査結果は、緊急の行動を求める呼びかけであり、欧州委員会は欧州の有権者の声を聞くべきだ。公的資金は、公正な競争を阻害し労働組合を弱体化させる企業ではなく、質の高い雇用を支援すべきだ」と述べ、「最善の方法は、労働組合と団体協約を結んでいる良心的な雇用主を優先することだ」と付言した。

EUでは、公契約を通じて何百万人もの労働者が雇用されている。公共調達は、民間部門全体の賃金や労働条件に影響を与える基準をつくっている。

調査の主な結果:
• 回答者の65%が、公契約は価格、品質、環境、社会基準に基づいて発注されるべきだと回答
• これらの基準のうち、賃金と労働条件は最優先事項であり、回答者の46.4%が、価格が高くても正当化されると回答
• 回答者の83%が、組合潰しの企業や低賃金の企業を排除することを希望
• 回答者の72%が、公共機関が団体協約のある企業を優先することを希望
• 公共入札において価格以外の要素を考慮することを希望する市民の割合は、2011年の同様の調査以来、52%から65%へと大幅に増加

この調査は、欧州全域で700万人の労働者を代表するUNI欧州の委託により、独立系の世論調査会社オピニアが実施した。チェコ、フランス、ドイツ、アイルランド、ポーランド、スペインの6か国より6,080人以上の回答者から回答を得た。

調達をより社会的なものにするという人々の希望は、労働者や労働組合の要求と一致している。2024年10月1日、9か国から1,000人以上のエッセンシャルワーカーが賃金と労働条件の改善を目指す公共調達改革のためにブリュッセルに結集した。しかし、UNI欧州の調査では、EU全域の公共入札の半数が、最低価格のみに基づいて行われており、これは調達規則に起因する場合が多い。

トマ・ピケティやイザベラ・ウェーバーなど100人以上の世界屈指の経済学者が、公開書簡の中で「入札において最低価格のみにフォーカスしすぎること」を批判し、規則の改革に向けて「団体交渉の強化」を求める労働者の要求を支持した。労働集約型の清掃、警備、ケータリング産業の使用者団体ですら、価格のみに焦点を当てることをやめる必要性を強調している。

レティクUNI欧州地域書記長は「欧州の人々は、エッセンシャルワーカー、世界有数の経済学者、そして使用者とともに、EU規則は最低価格のみに焦点を当てるのではなく、労働条件、賃金、サービスの質に関する欧州全体の基準を設定すべきだ、と訴えている」と主張した。そして、「これは規則を簡素化するという欧州委員会の目標を推し進めることにもつながる。例えば団体協約の尊重といった明確な基準は、単に煩雑な役所仕事を減らすだけでなく、ヨーロッパの数百万人のサービス労働者の賃金と労働条件を改善することにもつながる」と訴えた。


労働組合、米郵政公社の民営化を狙うトランプ大統領に抵抗

UNIに加盟する米国の郵便労組が、米国郵政公社(USPS)の民営化を目論むトランプ大統領の意向が最近改めて示されたことを受け、反撃に出ている。

マーク・ディモンドスタイン米郵便労組(APWU、内勤従業員の組合)委員長は、「紛れもない事実として、郵便事業は攻撃にさらされている」と警告を発し、「これは郵便局だけの問題ではない。郵便局を利用する人々、我々の地域社会、公共の利益に関わる問題だ」と、雑誌『マザー・ジョーンズ』のインタビューで続けた。さらに民間企業に利益をもたらすためにUSPSを弱体化させようとする動きについて、「権力掌握」であるとして批判した。

トランプ米大統領は、2024年度には95億ドルに上るUSPSの財政赤字を政府が補填することを望まないと発言している。しかし組合側は、長期的な効率化を図るために多額の投資を行ってきたこと、年間800億ドルの収益と拡大の可能性があることから、財政的に安定していると主張している。

こうした中で2025年2月13日、全米郵便労組(NALC、外勤従業員の組合)は、公正な契約、労働者の安全、民営化の阻止などを求める「徹底抗戦」キャンペーンを開始した。

ブライアン・L・レンフロNALC委員長は、「郵便事業の民営化の動きには組合として何としてでも抗戦する準備ができている。民営化の考えは完全に誤っており、郵便配達員や我々が提供するユニバーサルサービス、そして安全で信頼性の高いUSPSを直接攻撃するものだ。我々の仕事は地域社会を結びつけるものであり、切手やサービスによる収益によって支えられている。納税者の税金によるものではない。郵便サービスは米国の歴史よりも古く、米国憲法に定められている。我々はすべての連邦議会議員がH.Res.70(民営化反対の決議案)の共同提案者となるまで、民営化反対の闘いを続ける」と語気を強めた。

1775年に設立され 2025年に250周年を迎えるUSPSは、国民から最も愛され、信頼されている機関のひとつであり、72%の支持率を誇る。USPSは最低でも週6日間、1億6800万以上の住所に、3億7600万通の郵便物と小包を配達している。64万人の従業員を擁し、退役軍人の雇用者としては国内最大である。またUSPSのネットワークは、AmazonやFedExなどの民間配送業者にとっても重要な役割を果たしている。こうした企業がUSPSと提携しているのは、USPSが全米のあらゆる企業および個人顧客に対して独自のラストワンマイル配送サービスを提供しているためだ。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「我々は欧州における郵便事業の民営化の危険を目の当たりにしてきた。民営化によってサービスの低下、料金の値上げ、雇用削減、郵便配達が採算に合わない地方コミュニティの切り捨てにつながっている。トランプ大統領は、USPSを民営化するのではなく、Eコマースの機会を捉え、特に疎外された地域や遠隔地へのサービスを拡大し、かけがえのない公共の通信ネットワークを保護するため、郵便事業を支援すべきだ」と述べ、米国の郵便労組の闘いを支持した。


フランスで開催のAIアクションサミット:多くの使用者が団体交渉、研修、サプライチェーンの公正性に対する支持を示す

2025年2月中旬にフランス・パリで開催されたAI アクションサミットでは、70社以上の使用者が『Pledge for a Trustworthy AI in the World of Work(仕事の世界における信頼できるAIについての誓約)』に署名した。この誓約には、団体交渉や労働組合との協議、トレーニングやスキルアップ、さらにはAIのサプライチェーンにおける労働基準の向上といった重要なコミットメントが含まれている。

この文書は、サミットの重要な成果のひとつであり、企業によるコミットメントをOECD、国際労働機関(ILO)、G7の最新枠組みと整合させ、労働者を代替するのではなく支援するAIの推進を強化するものだ。

サミットにパネリストとして参加したクリスティ・ホフマンUNI書記長は、今回の署名を歓迎し、次のように述べている。

『今回の誓約は、労働者の権利を尊重し、公正な経済を促進する形で人工知能を活用する動きに近づくものであり、先駆的な署名者のリーダーシップを称賛したい。サミット後の数週間で、我々は協力してこれらの誓約を具体的な行動に移さなければならない。つまりAIの影響を受ける人々、およびそのデータサプライチェーンの労働者の両方に対して、社会対話と団体交渉を拡大する上で真の進歩を遂げるということだ。またAIが雇用に影響を与える中、トレーニング、専門知識、スキル構築への投資を増やすことも意味する。これは規制に取って代わるものではなく、公益のためのAIを推進する政策を補完するものだ。我々は今後、使用者、政府、国際機関と協力し、ここに定めたコミットメントを強化し、AIをディーセントワークと経済的正義の推進力とするよう努めていく。』

文書の全文はこちら(英文)から。


人権デューディリジェンス:労働組合のための新たなツールが形に

労働者の権利を保護する労働組合の力を強化するための新たな取組みが具体化しつつある。UNIがドイツの労働組合総連合DGBおよびフリードリヒ・エーベルト財団(FES)と提携し、2025年に人権デューディリジェンス・コンピテンスセンターを設立する。センターの目的は、労働組合が新しい人権デューディリジェンス法を活用して労働者の権利を効果的に保護できるようにすることだ。

任意の企業責任から企業責任の義務化へ
OECD多国籍企業行動指針や国連ビジネスと人権に関する指導原則など、従来の任意の規範を基に、ドイツ、フランス、EUの人権デューディリジェンス法は、グローバルな事業活動やサプライチェーン全体を通じて、労働者の基本的権利を含む人権尊重を確保するため、大企業に法的拘束力のある義務を課している。多くのグローバル・サプライチェーンが存在するアジア太平洋地域の労働組合にとっては、多国籍企業との社会対話を強化する大きな機会となる。この法律は、企業に対してグローバルおよびローカルの両レベルで労働組合などのステークホルダーと関わることを義務づけており、労働者の権利問題に関するより体系的で有意義な社会対話を促進する可能性をもつ。

今後開設されるコンピテンスセンターは、次の3つの重点分野を通じて、欧州の法律とグローバルレベルでの実施との間のギャップを埋めることが期待される。
●デューディリジェンス法を効果的に活用するための労働組合の能力強化
●労働者の権利への影響に関する具体事例への支援
●企業および政策立案者に対する人権デューディリジェンス法の効果的な実施の提唱
●協議ワークショップ

2025年1月15日にはオンラインでの協議ワークショップが開催され、UNI加盟組織、姉妹GUF組織、そしてアジア太平洋・アフリカ全域のFES各国担当者ら60人以上の参加者が集まった。このワークショップは2025年初の重要なイベントであり、2024年9月に開始した一連の協議の一部を成すものだ。

ブリタ・ウッツFESサハラ以南アフリカ地域労組コーディネーター、モニカ・テッパーITUC法務担当官、そしてUNIのミリアム・ニール氏が共同で進行役を務めたワークショップでは、人権デューディリジェンスの実施における労働組合の以下のような重要な役割が強調された。
●企業のデューディリジェンス方針および管理システムに関する対話への参加
●労働者の基本的権利に影響を与える問題を企業に通知する
●適切な是正措置について労働者を協議する
●デューディリジェンスの不備を明らかにするために企業の報告書を精査する
●企業が適切なデューディリジェンスを実施しない場合の説明責任を徹底する

参加者は、グローバル枠組み協定の強化、労働者からの苦情に対する信頼性できる申し立てメカニズムの確立、実施体制の利用など、人権デューディリジェンス法の潜在的な影響を示すいくつかの具体的事例を検討した。


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