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UNI欧州の報告書、サービス産業における団体交渉の課題を分析

欧州の労働力の大半なしているのは、民間サービス部門である。この部門の労働者は、成長と革新を牽引しているにもかかわらず、取り残されている。団体協約の適用対象となっている労働者はわずか48%であり、非サービス部門の63%、公共サービス部門の75%と比べて大きく低い数字だ。

これは単なる数字だけの問題ではない。商業、情報通信技術(ICT)、宿泊・観光、金融など多岐にわたる部門で働く何百万人もの労働者が、団体協約による保護と公正な賃金を得られていない現実を表している。この格差は不安定な雇用契約、低賃金、脆弱な雇用保障につながっており、欧州最大の労働力にとって憂慮すべき傾向だ。

サービス産業で団体協約の適用範囲が低い理由を解明するため、UNI欧州はVisionary Analyticsに報告書「サービス業における団体交渉の課題」の作成を委託した。報告書は統計分析、文献レビュー、欧州全域の労働組合員20名へのインタビューをまとめたものだ。

報告書で明らかになったのは主に以下の点である:
• サービス産業の労働力はより細分化され不安定であり、パートタイム契約の増加、高い離職率、零細企業の急増が見られる。
• サービス産業の労働組合は、組合加入率の低下、限られた資源、絶えず変化する労働力といった状況に直面する一方で、組合の構造は依然として旧来の枠組みに縛られていることが多い。
• サービス産業の使用者は高度に分断化されており、大半の企業は規模が小さすぎるか、団体交渉に消極的である。フランチャイズ、アウトソーシング、プラットフォーム労働は責任の所在を曖昧にしている。
• 旧態依然とした法的枠組みは大規模で安定した職場向けに設計されたが、組合承認のハードルの高さ、労働者を「自営業者」とする誤分類、執行力の弱さは、現代のサービス経済の実態を反映していない。

本報告書の結論は明確である。EUが「適正な最低賃金指令」(団体交渉適用率80%という政治的目標を設定)を真剣に推進しようとするならば、サービス産業における団体交渉を阻む制度的障壁に緊急に対処しなければならない。報告書は政策立案者から労働組合、使用者に至る全ての関係者に提言する措置を提示して締めくくっている。


国際産業別労働組合組織はイラン・中東における即時停戦と軍事的エスカレーションの終結を求める

UNIは他の国際産業別労働組合組織(GUFs)と共に、米国及びイスラエルによるイランへの軍事攻撃、並びにこれらが招いた紛争の激化を非難する。共同声明は以下の通り:

共同声明に署名したGUFsは、米国とイスラエルによるイランへの最近の軍事攻撃、特に民間人の死傷や学校・医療施設を含む重要な公共インフラの破壊をもたらした空爆を非難する。

これらの行動は国連憲章及び国際人道法に対する重大な違反であり、その人的被害が圧倒的に労働者階級に押し付けられている紛争をさらに激化させるものである。

労働者、民間人、公共機関は軍事作戦の標的となってはならない。学生、教師、教育関係者の殺害・負傷、学校や病院などの保護された民間施設の破壊は許されず、断固として非難されねばならない。

GUFsは、イランによるその後の報復攻撃にも懸念を抱いている。エスカレーションは不安定化を助長し、民間人の生命を脅かすだけである。港湾・空港・海上における移民労働者や運輸労働者(既に地域全体に広がる暴力で死傷が報告されている)は交戦状態に巻き込まれており、地域をより広範で壊滅的な戦争に陥れる危険性がある。

世界の労働組合運動は、暴力の連鎖を助長し、平和・正義・多国間協力の基盤を損なう武力行使を拒否する点で結束している。武力衝突ではなく外交こそが、安全保障と恒久的な平和への唯一の正当な道である。

様々な部門・大陸の何百万もの労働者を代表する組合として、我々は国際社会に対し以下を要請する:

  • 全ての当事者による武力行使を非難し、さらなるエスカレーションを防止すること
  • 即時停戦と完全な緊張緩和を確保すること
  • 国連のより強化された調整機能を包む外交と対話を優先すること
  • 国連憲章や民間人保護を含む国際法を擁護すること
  • 学校、病院、職場などの重要な公共インフラを保護すること
  • 地域全体における人権、労働者の権利、民主的自由、結社の自由を擁護すること

GUFsは、イラン及び地域全体の労働者、独立した労働組合、コミュニティと揺るぎない連帯を表明する。権威主義的統治と軍事化の論理によってあまりにも頻繁に沈黙させられてきた労働者の声が、必ず聞き届けられるようにしなければならない。イランの未来、そして地域の未来は、外部からの侵略や内部の抑圧から解放された、その地域の人々自身によって決定されなければならない。

我々は、紛争が交渉によって解決され、多国間主義が強化され、全ての人々が安全と尊厳、民主主義と平和の中で暮らし働く権利を有する世界の構築にむけた揺るぎない決意を改めて確認する。

署名団体:

  • 教育インターナショナル
  • 国際家事労働者連盟
  • 国際公務労連
  • 国際ジャーナリスト連盟
  • 国際運輸労連
  • インダストリオール・グローバルユニオン
  • UNI グローバルユニオン
  • 国際食品関連産業労働組合連合会
  • 国際建設林業労働組合連盟

イタリア当局、アマゾン子会社による従業員個人情報利用を禁止

イタリアのデータ保護当局は、大手Eコマース企業アマゾンの現地物流子会社に対し、ローマ近郊の倉庫で働く1,800人以上の従業員の個人情報利用を停止するよう命じた。プライバシー規則に対する重大な違反を犯していることが理由だ。当局によれば、アマゾンが収集し複数の管理職と共有した情報には、労働組合活動やストライキ活動の詳細、病歴や病気の親族、離婚などの家族状況といった機微な情報が含まれていた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この裁定は、労働者と労働組合が長年訴えてきたことを裏付けるものだ。職場において過度に人権侵害的な監視や極めて個人的な情報の収集は許されない。雇用主は労働者のプライバシー、尊厳、結社の自由という基本的権利を尊重しなければならない。医療歴、家族状況、組合活動が監視されたり、不利に利用されたりする恐れを抱くべきではない」と指摘した。

当局は2026年2月下旬、アマゾン・イタリア・ロジスティカに対し、パッソ・コレーゼ施設で収集したデータの処理を停止するよう命じた。これにはトイレや休憩エリア付近に設置された4台の監視カメラで収集された情報も含まれる。また、プライバシー法に違反して取得した個人データの取り扱いを停止するよう命じた。

この禁止措置は、2週間前にパッソ・コレーゼ施設で実施された検査を受けて発令されたもので、雇用期間中に収集され最大10年間保持される情報に適用される。当局は、さらなる違反の可能性について調査中であると付け加えた。

今回の判決は単独の事例ではない。アマゾンが労働者の権利を侵害し、監視・組合潰し戦術・脅迫して組織化活動を妨害するという、懸念すべき世界的な傾向の一端である。

フランス:2024年にフランスデータ保護当局(CNIL)は、倉庫作業員の活動を秒単位で追跡する過度な生産性監視システムを運用したとしてアマゾンに3200万ユーロの罰金を科した。規制当局は、このシステムが労働者に絶え間ないプレッシャーを与え、フランスおよびEU法のプライバシー保護に違反していると認定した。その後、20人以上の組合指導者が欧州に対し、アマゾンの過度に人権侵害的な労働者監視への取り締まり強化を要求した。

インド: インド国家人権委員会(NHRC)は、安全でない労働環境、適切な休憩の拒否、過剰な生産目標設定に関する報告を受け、アマゾンのマネサール倉庫における反労働的慣行の申し立てを職権発動で認知した。同委員会は当局に対し、労働法および労働者の基本的権利の潜在的な侵害について調査するよう要請した。

米国: 全国労働関係局(NLRB)は、アマゾンの違法な反組合的行為に関する申し立てについて、繰り返し正当性を認めてきた。事例には、報復解雇、違法な監視、強制的な「囚われの聴衆会議」、ニューヨーク州スタテンアイランド、アラバマ州ベッセマーその他の施設における労働者の団結権への干渉などが含まれる。

EU:2020年、数十名の欧州議会議員がアマゾンCEOジェフ・ベゾスに正式書簡を送付し、欧州全域で労働者や労働組合代表者を監視していたとの報告について説明を要求した。議員らは、組織化活動に対する監視やデータ収集慣行がEUのデータ保護規則や基本的人権を侵害する恐れがあると懸念を表明し、完全な透明性と説明責任を求めた。

どこの法域・法制度においても、パターンは一貫している:監視を多用する経営手法と団体交渉を渋る姿勢があり、当局はアマゾンが法的・倫理的境界線を越えたことを繰り返し認定するのである。


ドイツのサプライチェーン法、法改正によって重大な弱体化のリスク

『デュー・ディリジェンス法の効果 ₋ドイツサプライチェーン法施行の事例から』と題する新たな報告書は、ドイツのサプライチェーン法が人権保護に効果的であることを示している。だが、現在審議中の同法改正案により、こうした成果が危ぶまれる状況となっている。

2026年2月9日に発表された新たな報告書で、ドイツの非営利組織Germanwatchと、同じくドイツの開発援助団体Misereorは、2023年から施行されているドイツのサプライチェーン法(LkSG)が実際にどのように機能し、世界中で人々の権利を守るためにどのように活用しているのかを明らかにしている。UNIとその加盟組織の事例を含む複数の事例調査を用いて、報告書は最近審議されている同法の改正案が、その有効性を大幅に制限する可能性があると警告している。

本報告書の著者であり、Germanwatchで企業の説明責任政策アドバイザーを務めるフィン・シュフト氏は、「ドイツの運輸部門であれ、トルコにおける結社の自由の実現であれ、西アフリカでの原料採掘問題であれ、世界中の人々と企業がすでにサプライチェーン法を活用し、人権侵害への対策に成功している。例えば西アフリカでは、ドイツ企業が初めて現地パートナーと連携し、ボーキサイト採掘による環境への深刻な影響について、対策を実施し始めた」と述べる。

サプライチェーン法は、ドイツ国内でも賃金の未払いなど、繰り返し権利を侵害されているトラック運転手にとって重要な手段だ。「サプライチェーン法により、影響力を持つ発注企業に対し、サプライヤーによる権利侵害を防止する責任を追及できる。これによって多くの事例で、運転手は未払い賃金を受け取れるようになった」と説明するのは、不当な扱いを受けた運転手を支援するフェア・モビリティ・ネットワークで部門コーディネーターを務めるアンナ・ヴァイリッヒ氏だ。

ドイツ企業のサプライチェーンにおける結社の自由の実現も好例だ。アルケ・べシガーUNI副書記長は、「サプライチェーン法は、労働者が労働組合を結成する権利を保障する新たな道を開いた。この法律の助けを借りて、トルコのUNI加盟組織は既に数多くの事例でドイツ企業の反組合活動に対して成功裏に措置を講じ、団体交渉を通じてより良い労働条件を確保することができた」とその意義を語る。

だが同時に調査結果は、最近提案されたサプライチェーン法の弱体化案が、こうした多くの成果を危うくする可能性があるということも示している。Misereorのアルミン・パーシュ責任ある企業活動政策アドバイザーは、「連邦政府はサプライチェーン法改正により、企業が人権リスクや対策の効果について分析を怠った場合の制裁を撤廃しようとしている。これにより法の抑止力が大幅に弱まり、人権侵害が発生する可能性が高まる」と警告する。

本調査では、サプライチェーン法に関わる労働組合、協会、企業、市民社会組織の専門家20名以上がインタビューに応じた。

ドイツ連邦議会では現在、サプライチェーン法改正案が審議中である。2026年2月上旬に、一部の業界団体が同法の完全停止を要求したばかりである。


同一ブランド店舗における労働者の権利を守る:公正かつ持続可能なフランチャイズは実現可能だ

2026年1月20日、欧州各地の労働組合・使用者団体の代表者、研究者、弁護士がブリュッセルに集結し、公正なフランチャイズに関する野心的な会議を開催した。

会議では、最近のフランチャイズの慣行、規制、同一ブランド内におけるフランチャイズ店と直営店の労働条件比較、ベストプラクティスと解決策に関する研究報告書が発表された。報告書は、倫理的なフランチャイズと適切な労働条件が、持続可能なビジネスモデルと不可分であることを強調している。

会議ではさらに、フランチャイズ制度内の構造的不均衡に対処するための欧州レベル及び国レベルにおける立法措置・労使関係措置を特定した包括的な政策提言が提示された。これらの提言は、フランチャイザーとフランチャイジー間の力関係の再調整、フランチャイズネットワーク全体への団体交渉適用範囲の拡大、労働基準と社会保障負担に対するブランドの共同責任の確保を目指すものである。さらに、直営店とフランチャイズ店間の公正な競争条件を創出し、業界全体でより公平かつ持続可能なビジネスモデルを促進することを目的としている。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、会議の冒頭で次のように発言した。「欧州全域で、労働者は同じブランドの下で働き、同じ顧客にサービスを提供し、同じ基準を守っているにもかかわらず、労働者の権利は多くの場合、その店舗は直営店か、フランチャイズか?という問いに左右されてしまう。(…中略…)進むべき道は明らかだ。第一に、フランチャイズネットワークを含む団体交渉の適用範囲を強化すること。権利は居たく業者ではなくブランドに付随すべきだからだ。第二に、企業、国、欧州レベルでの社会対話を通じて変化を予測し管理することだ」

アニカ・フラーテンUNI欧州商業部会担当部長も社会対話の重要性を強調し、「この会議は議論を締めくくる場ではなく、議論を開く場。我々が直面する課題には、社会パートナー間の対話と政策決定者との連携が不可欠だ」と訴えた。

クリステル・デルベルグ・ユーロコマース事務局長は、フランチャイズ事業モデルの価値を強調し、「フランチャイズは地域雇用に貢献する形態であり、雇用と所得創出に寄与している。社会対話は互いを傾聴し理解する重要な場だ」と述べた。

UNI欧州商業部会は、効果的な欧州規制の提唱と社会対話の強化に向けた取り組みを継続している。使用者側との協働を通じて、社会パートナーは労働者への公正な労働条件の確保を支援すると同時に、ビジネスや中小企業の長期的な持続可能性を支えることができる。


UNIとH&Mのグローバル協定、ニューヨークの労働者の協約実現に道を拓く

5か月に及ぶ交渉を経て、2026年1月にニューヨークのH&M店舗労働者が、圧倒的多数で3年間の画期的な協約を承認した。これはUNIがスウェーデンの小売大手と結んだグローバル協定が、労働者の組織化と団体交渉を可能にした価値を裏付けるものとなった。

米国のUNI加盟組織である小売・卸売・百貨店労組(RWDSU)1102支部とH&M経営陣が交渉した今回の協約は、1,000人以上の労働者に対し、過去最高の賃金引き上げ、勤務シフトの改善、雇用安定性の強化をもたらすものだ。

RWDSUは、声明の中で「この歴史的成果を勝ち取ったRWDSUの1102支部は、全米のH&M労働者を代表する他労組にとって新たな基準を打ち立てた。本協約は、団体交渉が小売業労働者全体の最低賃金を引き上げる上で最も効果的な手段であることを強く想起させるものだ」と述べている。

今回の成果は、2004年にUNIとH&Mが初めて締結したグローバル協定に端を発する、20年以上にわたる国際的な労働戦略の産物である。このグローバル協定によって同社は、全世界の事業活動において団結権や団体交渉権を含む基本的人権の尊重にコミットしている。

RWDSUは、このグローバル協定によって、 2007年に米国マンハッタンでH&M労働者が初めて組合代表権を獲得し、組織化突破の道筋が切り開かれたと評価している。UNIを通じて確立された中立協定を活用することで、労働者は小売業のキャンペーンでしばしば見られる恐怖や干渉なしに組織化を進めることができた。その後にRWDSUの1102支部は、ロングアイランドとニューヨーク市において、さらに多くの店舗で代表権を拡大している。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「勇気と粘り強さに基づく勝利を収めたRWDSU-1102支部の労働者に祝意を表する。これは、グローバル協定が履行され、労働者が自由に組織化できる環境下では、ニューヨークだけでなくH&Mの全世界の労働者にとって人生を変えるような改善を勝ち取れることを示している」と称えた。


労働組合とEU議員、欧州議会公聴会でアマゾンを非難

2026年1月28日、アマゾンが16,000人の解雇を発表する中、労働者代表とEU議員は、同社の倉庫における労働条件に関する欧州議会公聴会で、アマゾン経営陣が労働者の健康と欧州の民主主義を蔑ろにしていることを激しく非難した。アマゾンのロビイストが欧州議会から締め出されてから2年、今回の公聴会では初めてアマゾン経営陣が参加した。労働者側からは、オリバー・レティクUNI欧州地域書記長が、労働者が絶え間ない監視と業績圧力にさらされているアマゾン倉庫の過酷な労働条件について証言した。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「過去5年間、アマゾンは欧州議会との真摯な対話を避けてきた。たびかさなる回避を経て、ついにアマゾンが上級幹部を欧州議会公聴会に派遣したことを歓迎する」と述べた上で、「だがアマゾンの民主的説明責任に関する新たな取り組みは、労働者の福祉に関する取組みと同様、中途半端だと感じざるを得ない。ドイツでは、再三の要求にもかかわらず、アマゾンは依然としてver.diとの団体交渉を拒否している。欧州における競争力の向上が、アマゾンのような組合潰しや租税回避を行う多国籍企業が、団体協約を締結し税金を納める良識ある欧州の使用者に対して競争上の優位性を持つことを意味してはならない」と糾弾した。

ver.diで小売部門を担当するシルケ・ツィマー執行委員は、「必要なのはシアトルからのビデオ通話で済んでしまう以上の内容だ。アマゾンがここで事業を展開したいなら、社会対話へのコミットメントを示すべきだ。それは尊厳ある職場環境の構築と団体協約の承認を意味する。アマゾンはどちらも拒否している」と指摘した。

最後に公聴会が開催された2025年6月に先立ち、欧州議会はアマゾンが候補にあげた発言者を「必要な上級職レベルを満たしていない」として拒否していた。その後アマゾンは、今回2026年1月の公聴会に経営陣を代表してデイビッド・ザポルスキー(アマゾン上級副社長、グローバル公共政策・法務総責任者)を派遣することに合意した。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下で従業員の防護装備不足が問題視されて以来、アマゾンは欧州議会の注目を集めており、これまでに4回の公聴会が開催されている。労働組合代表とアマゾン経営陣が欧州議会の雇用委員会で対峙するのは今回が初めてである。アマゾンの出席は、労働組合と欧州議会議員による圧力の結果である。2024年2月、欧州議会は要請に対して何度も不履行を重ねたことを理由に同社ロビイストの立ち入りを禁止した。企業のロビイストが欧州議会から締め出されたのは史上2度目のことである。

その後アマゾンはロビー活動費を過去最高の700万ユーロに増額し、EU域内で2番目に多額のロビー支出を行う企業となった(マイクロソフト、アップルと同額)。Corporate Europe Observatory(企業のロビー活動がEUの政策立案に及ぼす影響を明らかにすることを目的としたブリュッセルに拠点をおく非営利団体)の調査によれば、ロビー禁止後も同社は欧州議会議員と少なくとも69回の会合を実施。この数字は議員自身の申告に基づくもので、実際の数はさらに多いと推測される。

労働組合はまた、「アマゾン税」と呼ばれる包括的なデジタルサービス税の導入を要求している。これは、公正な税負担を履行し労働組合と協約を結ぶ欧州の使用者との公平な競争条件を確保するためだ。さらに組合側は、アマゾンを収益性の高い公共契約から排除するよう求めており、納税者の資金が欧州における米国式組合潰しや欧州の米国依存を助長すべきではないと主張している。

今後数ヶ月、欧州議会は、アマゾン倉庫の労働条件について直接の視察を行うため、再び代表団を派遣する予定だ。オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「欧州議会議員がアマゾン倉庫の労働条件についてバランスのとれた見解を得るためには、労働者や労働組合の代表者と自由に面会できることが極めて重要だ」と述べる。

背景

2024年2月、UNI欧州、Corporate Europe Observatory、欧州労働組合連合、LobbyControl、SOMOなど30以上の労働組合および市民団体が、ロベルタ・メッツォーラ・テデスコ・トゥリッカス欧州議会議長に、アマゾンの議会へのアクセスバッジの剥奪を支持する共同書簡を送った。その結果、ロビー活動の許可は撤回された。ただし、アマゾンのロビイストが欧州議会での今後の公聴会に出席し、欧州議会の代表団をアマゾン倉庫での視察に迎え入れるまで、という条件となっている。

搾取的な労働慣行、独占禁止法違反、租税回避、環境に対する配慮の欠如など、数々の悪評にまみれたアマゾンの実績は、世界中の労働組合や擁護団体から厳しい批判を受けている。アマゾンに対する圧力の高まりは、「Make Amazon Pay」キャンペーンに結集しており、このキャンペーンでは毎年ブラックフライデーにストライキや抗議活動が行われている。

2023年1月、主要市場におけるアマゾン従業員を対象とした初の国際調査は、同社の業績監視システムが従業員に「ストレス、プレッシャー、不安、奴隷やロボットのように扱われ信頼されていない感覚」をもたらしていると指摘した。調査対象の過半数が、監視システムが身体の健康(51%)と精神衛生(57%)に悪影響を及ぼしたと回答している。これを受け、2024年5月には欧州全域の20以上の主要労組(800万人以上の労働者を代表)が、欧州のデータ保護当局に対し、アマゾンの虐待的(違法性の可能性もある)データ監視慣行に対する監督強化を要請した。

公聴会の模様はこちらで視聴可能。詳細のお問い合わせは、ダニエル・コップUNI 欧州広報部長まで。


欧州労使協議会とインディテックス・グループ、高齢労働者について画期的な合意

欧州労使協議会とインディテックス・グループは、高齢労働者の雇用課題への対応と職場における年齢多様性の促進について、先駆的な8項目からなる初の合意書に署名した。

本合意には、差別のない採用、労使関係における年齢中立的アプローチ、高齢労働者の知識・経験継承のためのメンター制度導入、および年次労働力分析の実施が含まれる。

この取組みは、職場における高齢者の価値を認識する広範な取組みの一環であり、グループ内で長期キャリアを持つ従業員の経験評価、平等な待遇の確保、世代を超えた人材活用を目的としている。

インディテックスはザラ、プルアンドベア、マッシモ・ドゥッティなどのファッションチェーンを傘下に持つ親会社であり、EU全域に事業を展開している。欧州労使協議会は、地域レベルでの経営陣との連携強化の窓口として、同社事業全体の労働者代表を結集している。

今回の合意を通じ、労使双方が確認したのは、欧州の労働人口の高齢化によって高齢労働者のニーズに合わせた人事政策の調整が必要であり、その経験とインディテックス・グループへの貢献を評価すべきであるという点だ。

そして職場における高齢者の専門的経験が重要な資産であり、仕事の質と満足度を向上させることを強調するとともに、世代間知識共有のツールとしてのデジタル化の役割を明示している。

より具体的には、新たな合意によって以下の分野で進展がもたらされる。
• 年齢・性別・資格に基づく労働力の年次分析の実施
• 採用プロセスにおける年齢中立的な雇用待遇と非差別の確保
• 特定の職務遂行に必要な経験・知識・能力のみを基準とし、年齢に基づく差別禁止の原則に基づく採用
• 加齢に伴う身体的・心理社会的リスクの予防
• 職務内容と労働時間の必要に応じた適応評価。
• 高齢労働者の研修と再資格取得の促進。
• 知識と経験の継承を目的としたメンタリングプログラムの推進。
• 各市場におけるベストプラクティスを分析する共同研究機関の設置。

合意により、インディテックスと欧州労使協議会は、職業人生の全段階における、責任ある包摂的で持続可能な人事管理への取組みを強化する。


敬意を払うことに料金はかからない-ホリデーシーズンに、小売労働者と連帯しよう

世界中でホリデーシーズンの買い物需要が高まる中、商業労働者は職場で前例のないプレッシャー、虐待、暴力、嫌がらせに直面している。長時間労働、慢性的な人員不足、高まる顧客需要により、小売労働者は今シーズンも負担を背負い続けている。

このホリデーシーズンに、小売労働者と連帯しよう-世界中のUNI加盟商業労組が、顧客に対し労働者への敬意ある対応を、雇用主に対し安全な人員配置とゼロトレランス方針の確保を、政府に対し労働者を虐待から守る法整備の強化を呼びかけている。

アイルランド:マンデート労組が敬意と保護強化を要求
アイルランドのマンデート労組による最近の調査が、問題の規模を明らかにしている:
• バー・小売従業員の約3分の2(63.4%)が職場で暴言被害を経験
• 4分の1以上(28.2%)が身体的な安全に脅威を感じた。
• 8人に1人近く(11.4%)が業務中に暴行被害に遭った

同労組のジム・フューリー書記次長は、繁忙期の圧迫を強調し、「労働者は毎年クリスマスに並外れた働きをしている。使用者はより良い労働条件でこの事実を認め、政府は虐待・脅迫・暴行に対する法的保護を強化する『2025年小売業労働者保護法案』を支持すべき時だ」と述べた。

マンデート労組が求めるのは、主に以下4点だ:
• 顧客や使用者からの嫌がらせに対するゼロトレランス方針に基づく、職場における尊重。嫌がらせ行為を許す言い訳はない。
• 公正な勤務シフト-適切な休息、シフトに関する事前に十分に時間をとった通知、実質的なワークライフバランスの確保。
• 貢献の評価―小売労働者が年間を通じて、特にクリスマスに果たす不可欠な役割を評価すること。
• 安全な人員配置―過密店舗での燃え尽き症候群防止と安全衛生上のリスク低減。

オーストラリア: SDAが顧客に「会計前に自己点検を」要請
オーストラリアの店舗流通関連労組(SDA)による最新調査でも、同様に憂慮すべき結果が報告されている:
• 2025年に組合員の88%が暴言被害を経験。
• 25%が身体的暴力に直面。
• 19%がセクシャルハラスメントを報告。
• 11%がオンライン上での虐待を経験。
• 10%が唾を吐きかけられる被害を受けた。
• 31%が民族・人種・文化的背景に関連する虐待を受けた。

UNI会長を務めるジェラルド・ドワイヤーSDA書記長は、共同責任を強調し、「小売従業員への嫌がらせは決して許されない。互いの安全を守ることは全員の責任だ。クリスマスは繁忙期だが、サービスを提供する人々はあなたの体験をより良くするためにいることを忘れず、敬意を持って接してほしい。レジ(チェックアウト)に向かう前に自分の行動をチェックしてほしい。そして、『誰も叱責されるいわれはない』というスローガンを思い起こしてほしい。」と語った。

SDAはまた、繁忙期であるクリスマス・休暇シーズン中、ささいな虐待や暴力の事例もすべて、報告するよう労働者に呼びかけている。

フィンランドでは、「Let’s Be Human」キャンペーン再開
フィンランドでは、フィンランド商業連盟とUNI加盟組織のPAMの調査により以下の実態が明らかになった:
• 顧客サービス従業員の70%が嫌がらせを経験。
• 35%がセクシャルハラスメントを経験。
• 25歳未満の労働者の80%が嫌がらせを経験。

これを受けてPAMとフィンランド商業連盟は、ホリデーシーズン直前の2025年12月1日、労働者に対する思いやりのある行動を促進する「Let’s Be Human」キャンペーンを再開した。ソーシャルメディア・動画・ガイドライン・研修を通じ、顧客の行動反省を促し、労働者のウェルビーイング向上を推進することが狙いだ。

PAMの労働環境専門家エリカ・カハラ氏は、「小売業は若年層最大の雇用主であり、多くの人にとって初めて経験する職場だ。そのため、オンライン上での嫌がらせの増加を含むハラスメントに対して、特に脆弱な立場にある」と指摘する。

米国:RWDSU、労働者への圧力増大とAI起因のストレスを警告
米国では、小売・卸売・百貨店労組(RWDSU)が、ホリデーシーズンにおける小売、倉庫、Eコマース、食品サプライチェーン全体の労働者の尊厳と尊重を求めている。

RWDSU は、労働者が現在、経済の不確実性、スケジュールや在庫管理における AI の積極的活用、継続的な盗難や暴力、需要の増加にもかかわらず季節雇用が減少している事など、さまざまな課題という「最悪の状況」に直面していると警告している。

UNI商業部会議長を務めるスチュワート・アペルバウムRWDSU委員長は、「小売業界は急速に変化しており、人員配置から損失防止まで、あらゆる分野に AI が組み込まれている。だがテクノロジーは人々を搾取するのではなく、人々に役立つものでなければならない。自動化によって人間性、尊厳、安全性が奪われてならない」と述べ、「職場での暴力を防止し、労働者の権利を保護し、職場での AI を規制し、危険なノルマを制限する法律を可決し、施行することが不可欠だ。だが法律だけでは不十分。雇用者、政策立案者、買い物客のすべてが、この季節が真に思いやりに満ちたものとなるよう、それぞれの役割を果たさなければならない。その第一歩は、1 年を通して、尊厳と敬意を持って労働者に接することだ」と付言した。

スペインでは、労働者が「赤いクリスマス」に向けて行動
2025年12月18日、スペイン全土の小売業労働者が、CCOOサービス部門の呼びかけに応じて行動を起こした。「赤いクリスマス」と名付けられたこの行動は、繁忙期における労働時間の短縮、十分な休息、公正な賃金を要求するものだ。

組合はまた、過重な労働負荷を強調する印象的で皮肉をこめたSNSメッセージを共有した:
• 「クリスマス商戦の悪夢」
• 「休息時間を守れ。一日で全部は無理。君はサンタじゃない」
• 「組織化して、悪夢を雇い主に味あわせよう」

ポーランドでは、長時間労働と過重労働に抗議
ポーランドでは2025年12月18日、労働組合Solidarność が全国規模で、営業時間延長と過重労働に抗議するデモを開始した。最初の抗議行動はカトヴィツェのビエドロンカ店舗前で行われ、労働者は顧客にビラも配布した。

NSZZ Solidarność のアルフレッド・ブジャラ委員長は、従業員の負担を強調し、「一部店舗は現在午前1時まで営業しており、レジ係は1日最大1.5トンの商品を処理している。従業員は店内で平均20キロメートル歩いており、人員不足は緊張を高め、不満を持つ顧客からの嫌がらせリスクを増大させる」と指摘し、買い物客が繁忙期の小売従業員に理解と敬意を示すよう、訴えた。

尊厳と敬意を求める世界的な呼びかけ
マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、各国労働者のこうした動きについて、「仕事をしているだけで虐待や嫌がらせ、暴力に直面するようなことがあってはならない。これはホリデーシーズンに限らず、年間を通じていえることだ。使用者は安全な人員配置と公正な条件を確保し、政府は保護を強化し、顧客は『敬意を示すことに料金はかからない』ことを肝に銘じるべきだ」とまとめた。そして、「この時期に、我々は世界中の加盟組織と共に小売労働者と連帯し、労働者の権利・健康・尊厳を最優先に掲げる」と締めくくった。


UNIアマゾン労組アライアンス、アマゾンの大量解雇を非難しAIと人員削減に関する交渉を要求

2025年12月8日、 UNIアマゾン労組アライアンスは、ホワイトカラーおよび技術スタッフに影響を与えるアマゾンの大量解雇発表を非難し、同社が「ジェフ・ベゾスやその他の主要株主の懐を肥やす」ために労働者を犠牲にしていると非難した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「アマゾンが技術とAIで利益と生産性を向上させているなら、その成果は会社が昨日し続けるために働いている労働者に共有されるべきであり、解雇の言い訳にしてはならない」と述べ、「この人員削減の正当化は、少ない報酬で少ない人員にさらなる仕事を要求する企業側の方便にすぎない。今回の解雇は、労働者が職場におけるテクノロジー活用方法に発言権を持つ必要がある理由を如実に示す事例だ」と語気を強める。

アマゾン労組アライアンスは、アマゾンの過去最高の収益性を踏まえ、今回の削減は「正当化できない」と指摘し、同社が昨年592億ドル超の利益を計上した事実を挙げ、今回の決定がホリデーシーズンに数千人の労働者と家族を不安定な状況に追い込むと警告した。

UNIは、いかなる人員削減も、職務内容を変える人工知能の導入も、団体交渉の対象とすべきであり、AIによる生産性向上の利益は、経営幹部や大株主だけに集中させるのではなく、労働者と共有されるべきだと主張している。

同アライアンスは、倉庫や配送ネットワークからコールセンター、データセンター、本社オフィスに至るまで、アマゾンの全事業部門の労働者への支援を改めて表明し、労働者の団結権と団体交渉権を尊重するよう同社に引き続き圧力をかけていく。

UNIアマゾン労組アライアンスの決議
UNIアマゾン労組アライアンスは、アマゾンがホワイトカラーおよび技術スタッフを対象とした大量解雇を発表したことを非難する。これは同社の本質を特徴づける企業の貪欲さが露呈したものである。

この正当化しえない人員削減は、アマゾンが過去最高の利益を計上し、昨年だけで592億ドルを超えた直後に実施された。

この残酷な決定は利益を人よりも優先させ、特にホリデーシーズンに数千人の労働者とその家族を不安定な状況に陥れるものである。

アマゾンのやり方は、労働者が強固で民主的な組合を構築すること、また人員削減や人工知能(AI)導入を団体交渉の対象とすることの緊急性を浮き彫りにしている。

AIがアマゾンの収益性を高めるなら、その利益は全ての労働者に共有されるべきであり、ジェフ・ベゾスや主要株主の懐に流れ込むべきではない。

アマゾン労組アライアンスの組合員は結束を固め、アマゾンに責任を追及し続ける。我々の連帯は、倉庫作業員から配達員、コールセンター・データセンター従業員、本社職員に至るまで、あらゆる労働者に及ぶ。全ての労働者は、尊重され、公正な待遇を受け、完全な労働組合の権利を享受するに値する。


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