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トランスコムのコールセンター労働者、より良い解雇条件を求めてストライキを実施

トランスコム・フローニンゲンのコールセンター労働者約50名が、公正な解雇条件を求めてストライキを行っている。

これは、2026年11月1日に閉鎖が予定されており、約150人の従業員が職を失うことになるフローニンゲン支店における史上初のストライキである。彼らの多くは長年トランスコムで働いており、中には20年以上在籍している者もいる。

UNI加盟組織FNVは従業員と共に、より高額な退職金、研修および再就職支援のための予算、そして55歳以上の従業員に対するより充実した年金制度を含む、公正な解雇措置を求めている。

社会保障に手を出すな

FNVのコールセンター担当部長、エリー・ヘームスケルク氏は、「トランスコムの成功は、労働者の長年にわたる貢献の上に築かれている。彼らは何の過ちも犯していないにもかかわらず、スウェーデンの親会社の決定によって職を失おうとしている。このような状況下では、使用者が責任を負い、適切な退職金パッケージを提供すべきだ」と述べた。

ハンス・スペックマンFNV委員長もストライキ参加者に向けて次のように訴えた。「労働者は、何の過ちも犯す犯していないのに職を失おうとしている。これは、利益追求と株主の利益に駆り立てられた多国籍企業が、事業を海外に移転し、従業員を置き去りにしているためだ。まさにこのような時こそ、社会保障制度が存在する意義がある。それなのに、まさにこの分野で、現政権は数十億の予算削減を企てている。これは、人々が最も安心を必要としているまさにその瞬間に、人々をより脆弱な立場に追いやる政治的選択だ。我々はそれを許してはならない。だからこそ、来週、ストライキを行う」

トランスコムは交渉の席に戻らなければならない

FNVによると、トランスコムはこれまで解雇計画の再交渉を拒否し続けている。同労組は、とりわけ、より高額な退職金、研修および再就職支援のための予算、そして55歳以上の従業員に対するより充実した年金制度等を要求している。

トランスコムが交渉の席に戻り、妥当な解雇計画を提示する用意がない限り、労働者とFNVはさらなるストライキを行う。

イザベラ・ムホフスカFNVビジネスサービス担当部長は、「トランスコムは、長年にわたり会社の成功に貢献してきた従業員を、最低限の社会計画で脇に追いやることで、反社会的な振る舞いをしている。同社は支店を閉鎖しながらも、これまでずっと業務に従事してきた人々への影響について責任を取ることを拒否している。これは容認できない」と述べた。

トランスコムでのこの行動は、オランダ政府が社会保障支出を65億ユーロ削減しようとしている状況下で行われている。政府は、失業手当の受給期間の上限を短縮し、長期疾患を持つ人々への保護措置を撤廃し、介護への資金援助を削減する計画だ。これらの措置は、労働者が社会的セーフティネットを切実に必要としている時期に、彼らに打撃を与えることになる。そのため、オランダ全土の様々な部門の労働者が、来週から行動を起こすことになる。

(2026年8月28日)


チェコのマイクロソフト労働者、初の協約を獲得

マイクロソフトのチェコ支社に勤務する1,300人の労働者が、より強力な保護措置と職場における実質的な発言権を確保した。これはチェコのテック業界全体における基準となる画期的な成果である。

労働組合を結成してから2年足らずで、労働者は画期的な団体協約を勝ち取った。UNI加盟組織OS-PPP連盟に属するICTユニオンが交渉したこの協約は、チェコのテック業界において最も重要な労働組合の勝利の一つであり、労働者が組織化し、集団で交渉することで何を実現できるかを示している。

ICTユニオンは2025年に初めて団体協約案を起草し、年末にマイクロソフトに提示した。数ヶ月にわたる交渉の末、労働者とその組合は、苦闘の末に勝ち取った一連の保護措置と福利厚生を確保した。

新しい団体協約には以下が含まれる:

  • 退職金の額の大幅な引き上げ
  • 年金拠出に関する福利厚生の拡充
  • 従業員への組合情報共有のためのコミュニケーションチャネルの拡充
  • 回答期限の明確化を含む、経営陣と組合代表者間のコミュニケーションに関する規則の明文化
  • 新入社員研修に組合情報や資料を組み込み、組合代表者が直接新入社員向けに定期的な説明会を実施すること。

またこの協定では、チェコの労働法にすでに規定されているいくつかの権利を直接明記しており、これらの法定権利が弱体化することから従業員を保護するとともに、チェコ語を母国語としない労働者に対しても、自身が有する権利について明確に周知されるようにしている。

ICTユニオンのバルボラ・ミュラーヴァ氏は、「この協定によって、マイクロソフトにおける労働条件の改善以上の成果が得られることを期待している。マイクロソフトの従業員が組織化し、より良い労働条件を交渉で勝ち取ったやり方は、IT業界全体において物事がどのように進むべきかを示す好例だ。これは単なる一社や一つの協定の話にとどまらず、労働者が団結し、団体交渉を行うことで職場を変える力を持っているという証拠なのだ。」と語った。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「この協約は、単にマイクロソフト従業員にとっての成果であるばかりではない。同国で急速に成長している、組織化困難なテック産業における、より広範な組織化の取組みの礎を築くものだ」と述べた。欧州全域で、アイルランドからチェコに至るまで、尊厳と権利、団体交渉のためにますます多くのテック労働者が組織化している。UNI欧州は、こうした労働者への支援を今後も継続していく。

マイクロソフトのチェコ支社における労働組合は、2024年7月に公に発足した。その後の2年間で、同労組は支援を必要とするすべての従業員にとって頼れる存在へと成長すると同時に、日々の労働条件を改善するために会社と建設的に協力してきた。ICTユニオンはその過程で国際的な連携を築き、他国の労働組合と協力し、マイクロソフト欧州労使協議会に参加することで、チェコの労働者を欧州全土の仲間からなるより広範なネットワークへと結びつけてきた。

 ICTユニオンは2023年後半、東欧にあるUNIの組織化センターCOZZの支援を受けて結成され、OS PPP(銀行・保険従業員労働組合)の加盟組織となった。

(2026年8月27日)


労働者、オランダからの撤退をめぐるスウェーデンのBPO企業トランスコムの提案を拒否

スウェーデン資本のコンタクトセンター企業トランスコムは、オランダに残る最後の拠点を閉鎖する方針を示しており、これによりフローニンゲン市での26年にわたる事業が終了し、約150人の雇用が危機にさらされることになる。

UNI加盟組織であるFNVは、同社の社会計画に関する最終提案を拒否し、勤続10年、15年、場合によっては25年の労働者が受けるべき待遇には程遠いと指摘した。

10年前、同社は市内の複数拠点でおよそ1,000人を雇用していた。閉鎖が発表された時点で、同拠点がサービスを提供していたのは、たった1社のクライアントのみとなっていた。トランスコム社はこの決定を、地域における事業展開の見直しに基づく戦略的な再編であると説明しており、今後、オランダの顧客へのサービスは、同社のネットワーク内にある他の専門的な国際ハブから提供されると説明している。

FNVにとって、これこそがまさに問題である。同労組は、トランスコム社が、フローニンゲンの事業を築き上げた労働者たちに「適切な和解金を出す資金がない」と告げているまさにその瞬間に、海外事業や人工知能(AI)を通じたさらなる成長を公に推進している点を指摘している。

FNVのイザベラ・ムホフスカ氏は、「フローニンゲンの労働者は長年にわたり、トランスコムの成功に貢献してきた。拠点を閉鎖する企業が、法定最低額をわずかに上回るだけの補償パッケージで従業員を追い出すことは許されない」と同社を批判した。

FNVは、法定の移行手当の1.8倍に相当する退職金(下限7,500ユーロ)を求めている。また研修、再教育、法的助言のための予算増額、高齢労働者向けの年金制度の改善、および解雇が決定された後の業務免除も求めている。

一方、トランスコムは、限定的な退職金制度、一時金、およびスペインへの転勤を含むグループ内での再配置オプションに固執している。FNVによれば、フローニンゲンの従業員の大多数にとって、他国への移住は現実的な選択肢ではないという。

会社との交渉決裂

FNVによると、スウェーデンの親会社がオランダ法人を保証しており、資金も確保しているにもかかわらず、トランスコムのオランダ法人に適切かつ公正な社会計画を実施するための資金が不足していることを理由に、交渉は行き詰まった。

ベンジャミン・パートンUNI世界ICTS部会担当局長は、「過去25年間にわたり同社で働いてきた従業員もいる。トランスコムは、オランダ人従業員に対して責任を果たし、適切な社会計画を提示すべきだ。この業界は、人工知能への転換やオフショア・ハブへの投資といった変革の真っ只中にあるが、その変化を乗り越えようとしている労働者たちへの配慮が必要だ」と発言した。

FNVは、トランスコムに対し、フローニンゲンの労働者の立場にふさわしい提案を持って交渉の席に戻るよう求めている。もし会社がこれに応じない場合、組合は今後の対応を決定する予定だ。

(2026年8月10日)


UNIから投資家へのメッセージ:TPがグローバル協定を破棄すれば、ガバナンスおよび評判に関するリスクが増大

UNIは主要投資家に対し、その影響力を活用してTPに協定の更新を促すよう要請する。

UNIは、TP(旧テレパフォーマンス)の最大手投資家に対し、同社が事業全体における労働者の権利を保障するグローバル協定から離脱すれば、同社はガバナンスおよび評判に関するリスクの高まりに直面することになると警告している。

2026年7月29日に、80社以上の主要投資家宛てに送付された書簡の中で、この世界的な労働組合組織は、TPの株主に対し、2022年にUNIが同社と初めて締結したこの協定の更新を経営陣に求めるよう強く要請した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「新経営陣の下でAIへの転換を進めるこの過渡期において、この協定を放棄することは、ステークホルダーに対して誤ったシグナルを送ることになる。地域およびグローバルレベルでの労働組合とのパートナーシップがなければ、TPには、労働者の権利侵害の危険性が高い国々に集中する労働力リスクを管理するための体制がそもそも存在しない。だからこそ、この協定は極めて重要なのだ」と強調した。

当初のグローバル協定は2025年11月に期限切れとなる予定であったが、2026年5月まで延長されていた。前日の7月28日には、UNI加盟組織である米国のCWAは、TPの米国子会社であるLanguageLine SolutionsおよびZP Better Togetherにおける劣悪な労働条件に関する報告書を発表している。

(2026年7月29日)


報告書が明かす、米国TPの通訳者が抱える負担

UNI加盟組織である全米通信労組(CWA)が発表した新たな報告書によると、米国でTP(旧テレパフォーマンス)に勤務する通訳者は、安全が確保されていないストレスの多い労働環境に直面しているという。

CWAが2026年7月28日に発表した調査報告書『安全について語ろう:フランスのアウトソーシング企業TPで働くリモート通訳者が報告する、危険で過酷な労働環境とバーンアウト』は、TPの2つの子会社であるLanguageLine SolutionsとZP Better Togetherに所属する245人の通訳者を対象に、安全衛生に関する問題を調査したものである。

これらの労働者は、全米の病院、法廷、銀行、学校などで、数千人の顧客に対し、不可欠な英語および手話の通訳サービスを提供している。調査結果は以下の通りである。
●回答者の4分の3以上(76%)が、「TPは通訳者が回復するための十分な休憩時間を確保している」という主張に強く反対した。
●回答者の70%以上が、毎日(51%)または週に数回(20%)は、仕事によって精神的に疲れ果てていると感じている。
●回答者の4分の3近くが、毎日(41%)または少なくとも週に1回(32%)は、背中や首の痛みを感じている。

TPのLanguageLine Solutionsに所属する通訳者たちは、低賃金や持続不可能な労働条件(これらはクライアントへのサービス品質にも影響を及ぼしている)に対処するため、CWAと連携して労働組合を結成しようとしている。

UNIとTPの間で締結されたグローバル協定に基づき、労働者にはその権利が認められているにもかかわらず、今年初め、安全衛生委員会の選出許可が拒否された。UNIは2022年にTPと「社会的責任に関するグローバル協定」を締結しており、現在その更新交渉が進められている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「TPは、本報告書で指摘された安全衛生上の問題に対処するため、より一層の努力を払わなければならない。同社はこの部門のグローバルリーダーであり、収益性の高い企業であり、労働組合を受け入れる余裕もある。今こそ、同社は労働組合の取組みに協力し、労働者が安全衛生委員会を結成することを認め、CWAと協議の席に着き、これらの問題を解決すべき時だ」と述べた。

(2026年7月28日)


フィリピンのBPO労働者200万人が、政府や使用者との対話において正式な発言権を獲得

フィリピンのコールセンターおよびビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO=業務の外部委託)労働者が、業界のあり方を決定する場において、初めて正式かつ専用の議席を獲得した。労働者、使用者、政府で構成される「全国三者産業安定評議会」は、新たな「BPO特別小委員会」の設置を承認した。UNIフィリピン加盟組織連絡協議会(UNI-PLC)が主導するフィリピンBPO労連は、この動きを歴史的な出来事として歓迎した。

この新たな小委員会は、国内の200万人以上のBPO労働者にとって、使用者や政府に対して懸念事項を直接提起するための、制度的かつ公的に認められた窓口となる。同小委員会は、結社の自由、団体交渉、労働安全衛生、人員調整、技術開発、生産性、その他の新たな懸念事項など、この分野で最も差し迫った課題に関する継続的な対話の場として機能する。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「フィリピンの数百万人のBPO労働者がこの産業を牽引してきた。この委員会は、彼らがその成功の成果を公平に享受し、業界の将来について発言権を持てるようにするための重要な一歩だ。この恒久的な協議の場を確保できたのは、長年にわたる組織化活動の成果であり、我々は『BPO労働者憲章』の実現に向けて取組み続ける彼らに、今後も連帯していく」と述べた。

フィリピンBPO労連の共同発起人の一人であるローランド・デラクルスUNI-PLC議長は、「この臨時小委員会は、経済を支え続けているにもかかわらず、疑わしい企業慣行に対してしばしば自力で対処せざるを得ない状況に置かれている数百万人のBPO労働者のために、苦闘の末に勝ち取った場だ。我々は法案が可決されるのを待ってから労働者を保護し始めるつもりはない。取り組みは今、ここから始まる」と宣言した。

デラクルスUNI-PLC議長に加え、LIKHA連盟のヘスス・ビジャモール氏とアンジェラ・セノリン氏も、小委員会の設置に向けたロビー活動に参加した。両名ともUNI-PLC加盟組織に所属し、フィリピンBPO労連の共同発起人である。

コールセンターの現場で日々プレッシャーにさらされている一般のBPO労働者にとって、今回の進展は政策決定者に直接声を届ける待望の機会となる。

セブ島出身のBPO労働者リヴィ・ベンシ氏は、「この業界で20年間働いてきたが、業務量や夜勤、絶えず変わる評価指標に問題が生じた際、頼れるのは人事部しかなかった。しかし、人事部は往々にして経営陣の側に立つだけだった。小委員会が設置された今、標的にされたり解雇されたりする恐れなく、我々の実際の状況を率直に訴えられるという希望が持てる」と期待をにじませる。

マカティ在住で18年のキャリアを持つBPO労働者のアンドルー・バイコ氏は、「我々一般のエージェントにとって、これは非常に大きな出来事。ついに、意思決定が行われる場で我々の声が届くようになったからだ。ここマニラ首都圏での対話が改善されることを期待している」と語った。

UNI-PLCが主導するフィリピンBPO労連は、フィリピンのBPO業界全体において、安全で公正かつ尊厳ある職場環境を求めて活動する、BPO労働者、連合、労働者団体からなる連合体である。同団体はUNIに加盟している。

(2026年7月17日)


デジタル変革を遂げるスリランカで、労働組合の力を高める

人工知能やデジタル化がスリランカの通信部門を再構築する中、労働組合は、雇用を守り、労働者のスキルを向上させ、技術変革が社会対話に基づいて進められるようにするための能力を強化している。

2026年6月22~23日、UNI Apro ICTS部会代表団が首都コロンボを訪問し、労働組合の指導者と経験を共有するとともに、スリランカ・テレコムと同部門における「仕事の未来」について議論を交わした。

代表団は、情報労連委員長である北野眞一UNI Apro ICTS部会議長が率い、木村富美子UNI Apro ICTS部会担当部長が同行した。

技術変革に対する労働組合の対応強化

スリランカ・テレコムとメディア部門の労働者を組織するUNI加盟組織「Media Pro-Tech」から、30名以上の組合指導者が、セミナー『ICT産業における課題と労働組合の国際連帯』に参加した。

セミナー冒頭で北野議長は、AIやデジタル化によって引き起こされる急速な変化に対応する上で、国際的な経験の共有と労働組合間のより強固な協力の重要性を強調した。

セミナーには、テクノロジー、労働力開発、組織化の各分野に精通した講演者が一堂に会した。

ピーター・ダルメイダ氏(N-able元CEO)は、AI、データ活用、サイバーセキュリティ、クラウドコンピューティング、フィンテックを、ICT部門を再構築する主要な原動力として挙げた。同氏は、労働組合の戦略がテクノロジーの発展に歩調を合わせる必要性を強調し、雇用への影響評価や、より強力なリスキリングのイニシアチブを求めた。

ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会および専門職・監督職委員会担当部長は、技術革新が労働市場に及ぼす影響について論じ、変革の時期に労働者の権利と尊厳を守る上で労働組合が果たす役割を強調した。

トゥシャリ・ランブクポタ氏(SLT-Mobitel 人材開発部長)は、通信企業がますますテクノロジー企業へと変貌を遂げる中、継続的な学習と能力開発の必要性を強調した。

情報労連の入江優妃中央執行委員は、若者向け活動、国際連帯、多様性およびジェンダー平等の取組みに関する経験を共有した。同氏は、ICT産業は多様 な背景を持つ労働者なしに成り立たないこと、そして労働組合は誰もが参加し、意見を表明できる包摂的な組織を構築しなければならないことを強調した。

議論では、雇用影響評価、リスキリングおよびスキル転換の重要性に加え、若者の参加強化、ジェンダー平等、国際連帯の重要性が浮き彫りになった。

変化する労働力に対応する組織化

また、北野UNI Apro ICTS部会議長と木村担当部長は、スリランカ・テレコムの労働者を組織化している各労組と面会し、労働運動の動向や同産業における労働のあり方の変化について協議した。

各組合は、アウトソーシング、非正規雇用、リモートワーク、そして若い労働者層の期待の変化が、従来の組織化の手法をどのように変容しつつあるかを共有した。

北野議長は、若者の参加を促進し、労働組合のより広範な社会的役割を伝えるための新たな取組みを展開するよう、各労組に呼びかけた。また日本のNTTグループの経験を踏まえ、労働組合間の連携強化の重要性を強調した。

木村担当部長は、「 Media Pro-Tech 」を中心とした協力や、他国の労働組合との経験共有の価値に言及した。

会議では、雇用やテクノロジーの変化に対応する上で、より包摂的な組織化戦略、より緊密な協力、そしてより強力な国際交流が必要であることが確認された。

スリランカ・テレコムとの社会対話

スリランカ・テレコム(SLT)本社にて、代表団はモティラル・デ・シルバSLT会長およびM・リヤーズ・ラシードCEOと会談し、技術革新、雇用、人材開発、労使関係について意見交換を行った。

デ・シルバ会長は、デジタル化、AI、そしてデータの利用拡大が、テレコム産業における競争環境やビジネスモデルを変革していると述べた。また持続可能な事業運営のためには、技術開発と人材の両方への投資が不可欠であると強調した。

ラシードCEOは、AIやデジタル技術を通じて業務効率を向上させるためのSLTの取組みについて概説した。そして、この移行には労働力のスキルにおいて大幅な変化が必要となることを強調し、リスキリングや研修を通じて、雇用の維持と企業の競争力のバランスを取ることの重要性を指摘した。

またSLTの上級幹部は、従業員向けのAI教育を含む人的資本への投資を行っていることも明らかにした。議論では、急速な技術変革の時期において、安定した労使関係と継続的な対話が不可欠であること、そして組織変革には労働者の理解と信頼を確保することが極めて重要であることが認識された。

北野議長は、技術革新と雇用保護を対立する目標として扱うべきではないと強調した。また、AIが雇用に与える影響を徹底的に評価するとともに、リスキリングの措置を講じ、労働者や労働組合との継続的な対話を進めるよう求めた。

さらに、変革プロセスの初期段階から労働組合を関与させるべきであり、持続可能な事業成長と労働者保護のバランスを図るためには透明性のある対話が不可欠であると強調した。

SLTは、日本の労働組合との連携を強化し、今後の国際連携を拡大することに関心を示した。

北野UNI Apro ICTS部会議長は、「今回の訪問は、密度の濃い、非常に実り多いものとなった。ICTS部会加盟組織やスリランカ・テレコムの幹部と会談したことで、この分野で起きている変化についてより明確に理解することができた。この訪問を通じて、我々の関係が深まり、デジタル・トランスフォーメーションの形成において労働者と労働組合が有意義な役割を果たせるようにするという共通の決意がさらに強まったと確信している」と述べた。

  (2026年7月14日)


MENA地域の労働組合、BPO業務に伴う心理社会的リスクの労災認定を求める

中東・北アフリカ(MENA)地域のビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)産業の労働組合は今後、心理社会的リスクを労災認定すること、そして労働組合の関与のもとでの予防策の策定を求めていく。

この方針は、2026年6月24~25日の2日間にわたりモロッコ・カサブランカで開催されたセミナーで決定された。セミナーはUNIとフリードリヒ・エーベルト財団(FES)が共催した。BPO産業の各企業から、企業のさまざまな階層に属する約40人が参加し、男女比は均等だった。チュニジア労働者総同盟(UGTT)とモロッコ労働組合(UMT)も参加した。

参加した各労組は、地域の各国政府およびBPOサービスを利用する国際的なクライアントに対し、労働者の基本的権利を犠牲にすることなく成長していくことを求め、結社の自由と団体交渉権の尊重こそが、未来のデジタル経済の基盤でなければならないと訴えた。

急成長する産業の背後に健康リスク
この産業は同地域で急速に拡大しているが、低賃金、長時間労働、不規則なシフト、高い離職率、そして厳しい業績監視が伴うことが少なくない。UNIは、産業の成長はそれを牽引する労働者にも恩恵をもたらすべきだと主張している。

2日間にわたる議論の多くは、BPO業務でますます一般的になりつつあるコンテンツ・モデレーションに焦点が当てられた。不快なコンテンツに継続的にさらされるため、高リスクな職業となっている。こうした状況において、BPO産業における心理社会的リスクを労災として認定すること、および労働組合の積極的な参加のもとで策定された予防措置の整備が求められている。

キース・ジェイコブスUNIアフリカ地域書記長は、「中東および北アフリカ全域において、過重な業務量、低賃金、長時間労働、容赦ないノルマは、この産業における『底辺への競争』に対して労働者が負わされている代償だ。だからこそ、労働者が声を上げ、行動を起こすことが極めて重要だ。我々は、この仕事がもたらす心理的・身体的負担を軽減し、労働安全衛生法を通じてそれが認識され、対処されるようにしなければならない」と強調した。

新しいILO条約の批准を求める声
セミナーの冒頭でミルーディ・ムハリクUMT書記長は、モロッコ政府に対し、2026年6月に採択された「プラットフォーム経済におけるディーセントワークに関するILO第193号条約」の批准を強く求めた。同氏は、UMTがすでに政府にこの件について書簡を送っており、同産業の労働者には組織化や団体交渉を行うための実践的な手段が必要であると述べた。

UMTは、法的な抜け穴を埋めるために批准を求めている。同労組は声明の中で次のように述べた。「UMTはモロッコ政府に対し、国内の労働法をこの最新のILO条約に整合させるよう求める。これにより、特にアルゴリズム、雇用関係、生成AIの利用に関して、BPO産業に影響を及ぼしている法的な抜け穴が埋められることになる。」

ILO第193号条約は、2026年6月12日に開催された第114回ILO総会で採択された。これはプラットフォーム経済に関する初の拘束力ある国際労働基準であり、加盟国が批准して初めて労働者を保護することになる。セミナーでは、MENA地域の各国政府に対し、速やかな批准を求める声が上がった。

労働組合の強化
UNIは、こうした状況を変えるための主な手段として、労働組合の組織化を位置づけている。カサブランカでのセミナーは、『アフリカのテック労働者、立ち上がろう』イニシアティブの一環であり、UNI 世界ICTS部会がMENA地域で展開する活動の一環でもある。この活動は、加盟組合が同産業の多国籍企業とより効果的に交渉できるよう支援するものである。

(2026年7月7日)


社会対話と団体交渉が、公正な生成AI変革に向けた鍵

銀行、電気通信、メディアの各部門を対象とした新たな報告書が発表された。生成AIが莫大な価値を生み出す一方、その価値が公正に分配され、適切に管理されて初めて、企業と労働者の双方に利益をもたらすという、数々の証拠が裏付けている事実を、具体的な数値で示している。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「この報告書が明らかにしていることは、生成AIが労働者に利益をもたらすのは、偶然ではないということ。実際、社会対話が活発な場所では、労働者と企業の双方が恩恵を受けている。一方で、社会対話が欠如している場所では、双方が代償を払うことになる。我々は、生成AIによるこの変革が、公正かつ透明なものとし、かつ交渉を通じて行われるようにしていく」と強調した。

生産性の向上も事実だが、その恩恵が不公平に分配されるリスクがあるのも事実

報告書は、銀行部門だけで1,800~3,060億ユーロの価値創出が見込まれ、ICTやメディア部門においても大幅な効率化がもたらされると予測している。しかし生産性向上の見通しは、多くの場合、過大評価されているとも警告している。労働組合と使用者は、効率化による利益の公正な分配を保証する真の社会対話や団体交渉を行うために、現実的な予測を必要としている。企業は労働者に利益をもたらす変革に投資する必要があるのだ。

人間による監督はAIを改善するのであり、進化を遅滞させることはない

今回の報告書で調査された部門は、信頼に支えられている。ハルシネーション(AIが事実に基づかない情報を生成する現象のこと)、アルゴリズムのバイアス、不透明な意思決定は、すでにAI駆動型サービスへの信頼を蝕んでいる。スウェーデンのフィンテック企業であるクラーナがAIのみに頼るカスタマーサービスを撤回したことは、その顕著な一例である。雇用主と労働組合の双方は、説明と検証が可能で、真に信頼できるAIシステムに共通の利害関係を有している。

アイルランドの金融サービス労組(FSU)とアイルランド銀行の労働協約にも盛り込まれている、 労働組合側が一貫して要求してきた『人間による管理』の原則は、労働者を保護すると同時に、AIが倫理的かつ質の高い形で利用されることを保証するものである。

欧州社会問題銀行委員会のイェンス・タウ委員長は、あらゆるレベルでその取組み公式化することの重要性を強調し、「欧州レベルでは、AIと銀行部門に関する共同宣言を発表した。各国および欧州労使協議会が、AIに関する取組みにおいてこの宣言を活用することを期待している」と述べた。

スキル不足は喫緊の課題であり、市場に任せておくことはできない

これら3部門すべてにおいて、スキルは共通の制約要因となっている。通信業界のトップ企業の半数以上が、生成AI導入の最大の障壁として熟練労働力の不足を挙げている。小規模なEU加盟国の銀行には、AIの責任ある導入を実施する上での専門知識が不足している。メディア部門の企業には、学際的なスキルを持つ人材が必要だが、そのような人材はまだ十分な規模で存在していない。

しかし雇用主がAIを活用できる労働力を必要とするのと同様、労働者もまた、職を失うことなく適応し、活躍するための能力を身につける必要がある。調査によると、労働組合と協議の上で策定され、真に労働者の能力を深化させるよう設計された、雇用主が負担する体系的なリスキリングの枠組みが必要とされている。

欧州通信ネットワーク事業者協会(Connect Europe)社会対話・コミュニティ委員会のリタ・サントス委員長は、交渉による枠組みの予防的価値を強調し、「社会対話は、通信部門に変革的な影響を与えるAIの管理において中心的な役割を果たしている。社会対話は、システムが完全に導入される前に、変化とその影響を予測するための枠組みを提供する。また、主要な戦略を策定する上で重要な役割を果たし、労働者と事業者の双方が、変化し続ける役割に適応できるようにする」と語った。

問題は規制そのものではなく、執行の甘さにある

EUの規制枠組みは、時折指摘されるようなAI導入の障害ではない。欧州はAIの応用に関するイノベーションにおいて米国をリードしているが、それは規制環境があるからこそであり、規制環境にもかかわらず、ではないのだ。透明性、バイアス監視、知的財産権の遵守、および人間による監督に関する明確なルールは、企業が必要とする法的確実性を生み出し、規制の底辺への競争を防いでいる。EUの規制簡素化政策が、コンプライアンスに関わるコスト削減の名の下に、こうした基盤を蝕むことを許してはならない。

グレゴワール・ポラド欧州商業テレビ・ビデオ・オンデマンドサービス協会(ACT)事務局長は、クリエイティブ産業にとって特に重要な問題点について次のように指摘した。「AI大手企業は、我々の集合的な知的財産にほとんど、あるいは全く関心を持っていない。彼らは配信プラットフォームを構築したが、今度はコンテンツそのものを生み出そうとしている。彼らは、我々の知的財産を尊重することを拒みながら、独自の知的財産を築き上げようとしている。創造的な仕事に対する対価がなければ、メディア産業に未来はない。」

社会対話こそがAI導入を成功させる

労働者代表との有意義な協議なしにAIを導入する企業は、抵抗や不信感に直面し、AI導入は失敗に終わるだろう。対照的に、企業が労働者やその代表者と早期かつ真摯に関与する場合、AI導入は成功する可能性が高まり、信頼を獲得し、双方にとって持続的な価値をもたらすことになる。 本報告書に掲載された事例―銀行業のインテサ・サンパオロ、通信業界のオランジュ、メディア部門のRTLグループーには共通点がある。それは、労働者の参加を組み込んだガバナンスの枠組み、AIが役割をどのように変えるかについての明確なコミュニケーション、そして技術への投資と並行して人材への投資が行われている点である。団体交渉はAI導入の制約ではない。それこそが、導入を成功に導く要因なのである。

本調査は、プロジェクト「持続可能で公正なサービス産業のための生成AIの形成」の枠組みの中で、Visionary Analytics社によって実施された。本プロジェクトは、メディア、銀行、通信部門の欧州社会パートナーであるACT、EBF、Connect Europe、UNI 欧州が推進し、EUの共同資金提供を受けている。


UNI Apro、太平洋地域の労組強化に向け「ディーセントワーク・パートナーシップ」プロジェクトを開始

太平洋地域各地の労働組合指導者がフィジーに集まり、UNI Aproによる新プロジェクト「インド太平洋地域におけるディーセントワークのためのパートナーシップ:太平洋地域における包摂的な労働組合の強化』を開始した。

より強固で持続可能な労働組合を構築し、地域全体の労働者の生活を向上させることを目的とした画期的な取組みである。

ユニオン・エイド・アブロード–APHEDAとのパートナーシップにより実施され、オーストラリア政府外務貿易省(DFAT)の支援を受ける本プロジェクトは、2027年末まで実施され、フィジー、サモア、東ティモール、パプアニューギニア、ソロモン諸島、バヌアツの労働組合を支援する。

クレア・ミドルマスAPHEDA事務局長は、連帯とパートナーシップの重要性について、「ユニオン・エイド・アブロード–APHEDAは、UNIと協力して太平洋地域の労働組合の能力構築を支援できることを誇りに思う。本プロジェクトの強みのひとつは、オーストラリアと太平洋地域の労働組合間の連帯とパートナーシップの深化に焦点を当て、国境を越えて労働者を結集させ、ディーセントワーク、ジェンダー平等、気候正義を推進するための戦略を共有することにある」と述べた。

ナディでのキックオフは、組合員数の拡大、女性や若者を包含する民主的組織体制の強化、リーダーシップの育成、そして銀行・金融、商業、印刷・パッケージング、サービス業などの主要産業における労働者の集団的権力の増強に焦点を当てた、野心的な地域組織化プログラムの始まりを告げるものとなった。

公式発足に先立ち、ホヴィッグ・メルコニアンUNI Apro組織化担当部長と主任オルグのサイレシュ・ナイドゥ氏は、参加労組の代表者を対象に3日間にわたる集中組織化研修を実施した。このプログラムでは、女性や若者をはじめとする職場リーダーの特定、組織化チームの構築、職場のマッピング、組織化のための会話、そして労働組合の成長と労働者代表機能の強化に役立つ実践的な組織化スキルの向上に重点が置かれた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、地域全体の労働者の生活を向上させるためには、強固で持続可能な労働組合が不可欠であると強調し、「労働者は組織化されて初めて、持続的な改善を実現できる。本プロジェクトは、組合の成長を支援し、組織化能力を強化し、特に女性や若者の間で新たなリーダーを育成し、プロジェクト終了後も長期にわたり労働者を代表し続けられる持続可能な組合を構築することが目的だ。(‥‥中略‥‥)組織化体制の強化、組合員制度の革新、そしてあらゆるレベルでのリーダーシップの育成を通じて、太平洋全域において、労働者の声をより強くし、より強靭な民主的組織の基盤を築いている」と述べた。

この立ち上げイベントには、太平洋地域全域からUNIの従来からの2加盟組織と新規5加盟組合が一堂に会し、地域の協力と連帯への取組みが拡大していることを示した。ソロモン諸島労組、サモア・ファースト・ユニオン、パプアニューギニア銀行金融機関労組、パプアニューギニア警備労組、バヌアツ全国労組、フィジー全国食品商業労組、およびフィジー銀行金融産業従業員組合の代表者等が出席した。

オーストラリアの店舗流通関連労組(SDA)書記長を務めるジェラルド・ドワイヤーUNI会長は、ディーセントワークを確保し、労働者が自らの未来を形作るために集団的な発言権を持つことようにする上で、労働組合が果たす極めて重要な役割を強調した。「ディーセントワークは偶然に実現するものではない。労働者が強力な労働組合を通じて団結し、より良い賃金、より安全な職場、より高い雇用保障、そして職場での尊厳を求めて交渉を行うことによって、初めて達成されるものだ。(‥‥中略‥‥)強力な労働組合を築くことは、より強固な地域社会、より公正な産業、そして働く人々にとってより良い未来を築くということ。労働者が組織化されれば、持続的な変化を生み出す力を持つ」と発言した。

オーストラリア金融労組書記長のジュリア・アングリサーノUNI世界金融部会副議長は、組織化と包摂を通じて地域全体で労働組合の力を高めることの重要性を強調し、「このプロジェクトは、太平洋地域全域の金融・サービス業界で労働組合を構築するという我々の決意の具体的な表れであり、組織化戦略において女性や若年労働者を意識的に中心に据えることでそれを実現するものだ。(‥‥中略‥‥)フィジー、ソロモン諸島、サモア、パプアニューギニア、東ティモール、あるいはオーストラリアのいずれであれ、互いの経験から学ぶことで、我々は労働組合を強化し、組合員のために成果を上げる能力を深めることができる」とコメントした。

発足式には、ユニオン・エイド・アブロード–APHEDAのシャラン・KCプログラム・マネージャーや、ジョティカ・グンダーフィジー労働組合会議(FTUC)事務局次長が出席した。

今後数ヶ月間、本プロジェクトは、組合が組合員制度や組合費徴収システムを近代化し、組織の持続可能性を強化し、太平洋諸島連絡協議会を通じてより強固な地域連携を確立できるよう支援する。太平洋全域の労働組合が労働環境の急速な変化に直面する中、「インド太平洋におけるディーセントワークのためのパートナーシップ」は、労働者が団結力を高め、労働条件を改善し、より多くの労働者がディーセントワーク、尊厳、平等、そして職場での強い発言権を得られるよう支援する。

参加労組は共に、労働者の組織化、民主的な労働組合の強化、そして太平洋全域の労働者にとってより公正で包摂的な未来を築くという決意を改めて確認した。


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