2025年8月28日~29日にネパール・カトマンズで開催されたUNI Aproケア部会設立大会は、アジア太平洋地域のケア労働者にとって重要な節目を迎えた。
UNIの強力な支援のもと、松浦昭彦UNI Apro会長が議長を務めたこの歴史的な集会には、118名が集結した。これには18カ国28加盟組織を代表する29名の代表団に加え、46名のオブザーバー、6名のゲスト、支援スタッフおよびボランティアが含まれる。
この新たな組織体制は、世界で最も活気ある地域の一つにおいて、数百万の労働者と地域社会に影響を与える政策や労働条件を形成するにあたり、ケア分野の労働組合がより強力な集団的発言力を発揮するための主要なプラットフォームを提供する。大会終了後間もなくネパールは政情不安に突入し、労働者の声と民主的機関の強化が如何に重要かを浮き彫りにした。
ケア分野の重大課題への対応
大会に参加した代議員は一連のパネルセッションにおいて、ケア分野が現在および今後直面する決定的な課題について議論した。
大会では、急速な高齢化(2050年までに地域人口の4人に1人が60歳以上と予測)と、持続可能なケア政策形成において組合がいかに中心的役割を担えるかという点が議論された。また、国境を越えたケア労働の基盤を担いながらも搾取や差別の危険に晒され続ける移民労働者、特に女性の重要な貢献にも焦点が当てられた。
ケア労働者の雇用の正規化を求める闘いも大会のテーマの核心となった。アジア全域で家事労働者や地域保健従事者が基本的な社会保護から排除されながらもエッセンシャルサービスを提供し続けている。最後に、代議員はケアの現場における暴力とハラスメントの根絶が急務であることを取り上げ、予防策の強化とILO第190号条約の実施を強調し、ケアの仕事を安全な職場とすることを訴えた。
大会議長を務めた松浦昭彦UNI Apro会長は、「アジア太平洋地域のケア労働組合が初めて、強固で結束した政治的枠組みに結集した今日は、我々全員にとって誇らしい瞬間。18カ国から32の組合が参加しており、これは我々の運動の多様性と強さを示している」と語った。
ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は「この設立大会は、共に力を築くことを示すもの。つまりケア労働者の力を高め、こうした労働者が安価で代替可能な存在と見なされるのではなく、安定した雇用、公正な賃金、安全な職場、そして経緯に値するプロフェッショナルとして認識されるようにすることだ」と訴えた。
プラディプ・ポウデル・ネパール保健・人口大臣は「ネパールのケア労働者はグローバルなケア・チェーンの一部であり、彼らの貢献は不可欠であるにもかかわらず、体系的に過小評価されている。女性ケア労働者は賃金、安全、ハラスメント、搾取について懸念を表明してきた。また意思決定や団体交渉プロセスへの参加も求めている。こうした労働者の声が我々の行動指針となるべきだ」と強調した。
ヌマン・オズカンILOネパール事務所長は、「ILOとUNIは共通の信念を共有している。それは、労働者の権利こそが労働者の力の基盤であるということ。UNIが国境を越えて連帯を築き、150カ国以上でケア労働者、清掃員、その他数百万人の労働者を結束させている姿に感銘を受ける」と発言した。
ルナ・ランジット連帯センター国別ディレクターは、「家事労働者はケア労働者の中でも特に脆弱な立場にあり、移民家事労働者はなおさらだ。不安定雇用や社会保障の欠如から、ジェンダー不平等や安全でない労働環境に至るまで、彼らが直面する課題に取り組むための対話が継続することを期待している」と述べた。
大会の主な成果
大会に出席した代議員はUNI Aproケア部会のガバナンス体制を確認し、初の指導部を選出した。
カタリナ・ゴンザレス氏(オーストラリア、ユナイテッド労組)が初代UNI Aproケア部会議長に選出され、下記4人の副議長を率いる:
・染川 朗(日本、UAゼンセン)-中央・東アジア
・アンディ・リム(シンガポール、SMMWU)-東南アジア
・チャンドラ・プラカシュ・シン(インド、BRCKS)-南アジア
・アニー・ニューマン(ニュージーランド、E tū)-オセアニア
日本、韓国、台湾、シンガポール、フィリピン、マレーシア、インド、ネパール、パキスタン、スリランカ、オーストラリア、ニュージーランドの代表からなる部会委員会が設置された。グローバルレベルでは、アニー・ニューマン(ニュージーランド、E tū)、アンディ・リム(シンガポール、SMMWU)、チェ・ヒソン(韓国、KHMU)がUNI世界ケア部会委員会においてUNI Apro ケア部会を代表することとなった。また部会大会では、優先課題として正規雇用化、移民の権利、ジェンダー平等、職場の安全を定めた「戦略的行動計画2025-2029」が採択された。
もう一つの画期的な出来事として、カトマンズにおける南アジア組織化センター(SAOC)の開所式典が行われた。南アジア全域におけるUNI各部会の横断的な組織化の強化を目的に設立された同センターは、この地域全体で効果的に組合を構築するための実践的支援を提供する。センターの設立は、最近のネパールにおける混乱を含む新たな課題に直面する地域において、労働者の声を拡大し民主的レジリエンスを支援することの重要性を強調している。