スイスの医療介護従事者、ベルンで人員不足に抗議し集会

2025年11月下旬、数千人の医療介護従事者と支援者がベルンの連邦広場で集会を開き、安全な人員配置水準、労働条件の改善、スイスの2021年ケア・イニシアチブの完全実施を要求した。UNI加盟組織UNIAを含む労働組合は、医療介護部門が深刻な危機に陥っていると警告している。

アラン・セイブルUNIケア部会担当局長は、「医療介護制度は善意だけでは機能しない。質の高いケアには時間と人員、持続可能な投資が必要だ。スイスの医療介護従事者が警鐘を鳴らしたのはそのためだ。この警告は、労働者自身だけでなく、医療介護制度に依存する全ての人々のために真剣に受け止めるべきだ」と指摘する。

「医療介護保障:私たちがあなたの健康を守る」をスローガンに掲げた全国デモは医療介護職連合が主催し、医療介護従事者と支援者が参加した。国民投票でケアイニシアチブが承認されてから4年が経過したが、医療介護従事者は長時間労働を強いられ、燃え尽き症候群や疲労の増加、離職者が相次いでいる。人口動態の変化と医療ニーズの増加が制度の限界に迫っているとデモ参加者は警告した。

介護施設で働くスイスの労働組合Uniaの組合員モニカ・アンテネンは、「人手不足は日々、我々に倫理的課題を突きつけている」と語り、「通常、1シフトあたり入居者25人に対し介護スタッフは5人だが、これは不十分な配置だ。質の高い介護と支援には時間がかかりる。特に高齢者、さらに認知症の方にはなおさらだ。流れ作業のような働き方で、質の高い介護は提供できない。そうでなければ、入居者のニーズに応えられないのだ」と指摘する。

労働組合は、12月に審議予定の介護労働条件に関する連邦法案草案を批判し、有権者が承認したイニシアチブを実現するために必要な、人員増強や資金調達を規定していないと指摘した。スイス看護協会理事のイヴォンヌ・リビ氏は、「資金調達策を提示しない法律は無効で無意味だ」と批判した。医師会も、過重な業務負荷によりスイスの労働法上の制限遵守が困難になり、患者の安全が脅かされるリスクが高まる中、若手・ベテラン医師の疲労が深刻化していると報告した。

労働組合は、今回の投票率が高かったことは、スイスの医療・介護サービスの将来に対する広範な懸念を示していると述べた。労働組合Synaのニコ・フレーリ医療部門長は、「誰もがいつか基礎的なケアを必要とする時が来る。問題は、我々は地域全体で医師が不足していたり、在宅ケアサービスが需要を満たせなくなったりするような制度を望むのか?ということだ」と語った。