欧州:視聴覚部門における多様で包摂的な職場の推進に向けて

2024年4 月30日、欧州の労働組合と使用者が、ドイツ・ベルリンで視聴覚部門のインクルージョン(包摂性)に関する円卓会議を開催した。この円卓会議は、EUが資金提供する2年間のプロジェクトの一環であり、多様性強化策を実施する視聴覚部門の能力向上を目的としている。

今回の会議は、2023~2024年にかけて開催された4回シリーズの最終回である。すでに実施された3回では、概念と定義、そしてダイバーシティ・モニタリング・ツールについて検討した。また、インターセクショナリティ、DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)戦略、この部門に参入する上で必要な学び、スクリーン上の多様性についても議論された。

好事例
最初のパネルディスカッションでは、欧州の専門家が、優れた実践例と業界変革へのコミットメントを共有した。スペインの視聴覚メディアにおける多様性のための研究所、フランスのCollectif 50/50、ドイツの公共放送WDR、アイルランドのScreen Producersが議論に参加し、多様性強化策のさまざまな重要な側面、すなわち、障がいのある専門職やトランスジェンダーの代表性、多様性のあるニュースルーム、ステレオタイプ的な描写に対抗する必要性、多様な背景を持つ専門職のデータベースとメンタリング・プログラムの影響などを取り上げた。

第2部では、ドイツの状況に焦点が当てられた。Die Neuen deutschen Medienmacher*innen、ARD/ Degeto Film GmbH、Themis Vertrauensstelle e.V.といったメディア部門の主要組織が参加し、新たなプロトコルや働き方を採用する際に直面しがちな課題について、具体的なツールや変革のプロセスが積極的に議論された。

Produktionsallianzのビョルン・ボーニングCEOは、「ダイバーシティとインクルージョンを推進するには、差別と闘うだけでなく、他の手段も必要だ」と述べ、ダイバーシティを推進する「永続的なプロセス」の必要性を強調した。マティアス・フォン・フィンテルver.diメディア・ジャーナリズム・映画部門担当部長は、「我々は皆、よりオープンな制作と職場環境に貢献したいと考えています。(中略)視点の変化によってもたらされる、真の変化が必要」と述べた。

次なるステップは?
欧州社会パートナーは間もなく、視聴覚部門における多様性と包摂性に関する欧州行動枠組みの交渉段階に入る。その目的は、共通の目標と目的を設定し、多様性政策を実施・促進する業界の能力を向上させるための勧告を提出することである。

2024年11月19日にブリュッセルで会議が予定されており、プロジェクトをまとめ、交渉の現状が報告される。

EUが共同設立したこのプロジェクトは、視聴覚部門における欧州社会対話委員会を構成するすべての社会パートナーの共同イニシアティブである。参加しているのは以下の組織: 欧州放送連合(EBU)、欧州視聴覚制作協会(CEPI)、国際映画製作者連盟(FIAPF)、欧州ラジオ協会(AER)、欧州商業テレビ・ビデオオンデマンドサービス協会(ACT)、欧州ジャーナリスト連盟(EFJ)、国際俳優連盟(FIA)、国際音楽家連盟(FIM)、UNI欧州メディア部会。


重要な節目となる欧州デュー・ディリジェンス指令の最終承認

長年にわたる審議と白熱した交渉の末、欧州連合(EU)の閣僚は2024年5月24日、企業の持続可能性に関するデュー・ディリジェンス指令(CSDD)を最終承認した。企業の説明責任に新時代の到来を告げるものであり、今回の成果は、労働組合、市民社会、進歩的な議員のたゆまぬ取組みによって勝ち取られた前進である。

この指令は、企業の本社が欧州にあっても海外にあっても、欧州に大きな影響を及ぼす全ての企業が世界中の労働者の人権を確実に尊重するようにするための新たな可能性を引き出す。対象となる推定5,400社の範囲には、グローバルな事業、下請け業者、子会社、グローバルなバリューチェーン全体の労働者数百万人が含まれることになる。

この広大な範囲に人権デュー・ディリジェンスの義務化をもたらすと同時に、既存の国内デュー・ディリジェンス法を超える新たな規定も導入する。最も重要なことは、デュー・ディリジェンス・プロセスのあらゆる段階を通じて労働組合の役割が組み込まれる点である。また、監督当局が苦情を受理できるなど、様々な手段を組み合わせた執行の可能性も導入しており、その範囲は限定的ではあるが、民事責任を導入した最初のデュー・ディリジェンス法である。

欧州の各国労働組合は、 堅固な国内法制を確保するため、各国政府に強力な立法基盤を設定するよう圧力をかけていく必要がある。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「ようやく欧州連合(EU)レベルでCSDDが可決されたことは、大きな節目だ。この指令には制限があるものの、労働者の権利を守ろうとするEUの重要なリーダーシップが示されている。欧州全域の労働組合は今後、国内法が指令を確実に実施するだけでなく、さらに水準を高める機会を確実に捉えるべく、気を配っていくだろう」と述べた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「今回の承認は、 莫大な苦闘の末の勝利であり、労働者を保護する法律が弱い、もしくは存在しない国々の労働者に特に恩恵をもたらすもの。例えばアマゾンの請負業者は、ついに正義を求める手段を得ることになる。グローバル・ブランドの衣料品を生産する労働者は、EU域内で申立てを行えるようになる。UNIにとって、この法律の実施と施行は主要な優先事項となるだろう」と付言した。


グローバル・ユニオン、ウクライナ連帯ミッションに参加

2024年5月中旬、 クリスティ・ホフマンUNI書記長はウクライナの組合と労働者への支援を強化するため、ウクライナへの国際労働組合連帯ミッションの一員としてキエフを訪問した。

国際労働組合総連合(ITUC)が主導した代表団には、リュック・トライアングルITUC書記長、インダストリオールのアトレ・ホーイ書記長、を代表するポール・ノヴァク英国労働組合会議(TUC)書記長が参加した。

代表団は、ウクライナ自由労働組合総連合の議長で国会議員でもあるウクライナの組合指導者ミハイロ・ヴォリネツ氏、ウクライナ労働組合連盟のフリホリ・オソヴィイ議長、UNI加盟組織であるウクライナ文化労組を含むウクライナの多くの加盟組織と会談した。

国連によると、この戦争で何千人ものウクライナ軍が死傷し、少なくとも1万人の市民が死亡、2万人が負傷している。前線から遠く離れていても、ロシアの攻撃により、空襲警報やミサイル攻撃で日常生活が中断されている。

ホフマンUNI書記長は、「我々は戦争で荒廃したウクライナの労働者と組合が直面する困難と、極限状態の中で職務を遂行し続ける彼らの勇気を直接、見聞きした。労働者は最前線に招集され、多くの労働者がウクライナから脱出し、経済は2022年に壊滅的な打撃を受け、現在ようやく回復の兆しを見せている」と述べた。

ILOのデータによると、戦争が始まってから最初の1年間で、GDPは29%減少し、240万人の雇用が失われた。現在、国外で働いているウクライナ人は推定600万人で、その45%は戦争が始まってから国外に流出している。

ホフマンUNI書記長は、「代表団は、キエフ近郊にあるトリピルスカ発電所を訪問した。ここは、ウクライナの重要なインフラを一掃しようとするロシアのミサイルによって、ほとんど破壊されてしまった。スタッフは、発電所が再び破壊されるかどうかもわからない中で、施設再建のために懸命な努力をしている」と説明した。

キエフ最大の小児病院を訪問した一行は、爆弾攻撃の犠牲となった子どもたちを目の当たりにし、戦時中の脅威と人員不足の下で働くことの難しさを学び、民間人やインフラに対する攻撃を非難した。

使用者と政治家に対する代表団の重要なメッセージは、戦時下および将来の復興に向けた社会対話の重要性である。

グローバル・ユニオン評議会の議長も務めるホフマンUNI書記長は、「残念ながら、ロシアの侵略に対抗する国の団結にもかかわらず、一部の勢力が戦争を隠れ蓑にして労働者の権利を損ない、それが今後も続くことを意図しているようだ。使用者を含め、多くの人々が社会対話を支持する声を上げたが、この重要な原則は現場でも法律上でも崩壊しつつあるようだ」と懸念を表明した。

最近の法改正では、交渉権を持つ者の範囲が劇的に縮小されており、「我々は、将来のウクライナが自らの欲望を満たすものになるよう、一部の企業関係者が静かに動いていることを知った。労働者の法的権利がほとんどなく、交渉権が極端に制限され、ゼロ時間契約が結ばれ、年金制度が民営化されようとしている。今すぐこれを阻止しなければならない」と訴えた。また、「何十億ドルもの公的資金がウクライナに流入し、トラウマからの回復や復興を含め最終的な復興を支援することになるだろう。この資金は再建に役立つだろうが、ウクライナの人々がふさわしい社会を手に入れられるよう、良質な雇用と労働組合の役割を創出する機会にもすべきだ」と述べた。

世界中の組合が、自由で独立したウクライナに対するロシアの侵略を非難し、ウクライナの人々への支援で団結している。


UNI、フランスのメディア労働者のストライキに連帯

UNI世界メディア部会は、世界中のメディア産業で働く50万人の労働者を代表し、すべての公共視聴覚部門の企業を合併するというフランス政府案をめぐってストライキを準備するフランスの労働組合に連帯する。

フランスのUNI加盟組織であるCGT、FO、CFDTに加入する数千人の労働者が、2024年5月23日と24日に、フランスの公共放送機関である国立視聴覚研究所、フランス・メディアス・モンド、フランス・テレビジョン、ラジオ・フランス(合わせて約16,000人を雇用)でストライキを実施予定である。

フランス議会は、2025年初頭に持ち株会社を設立し、2026年1月1日にすべての公共メディアを1つの企業に統合できるようにする改革について議論している最中であり、今回の合同ストライキはこの計画案に反対して行われる。

過去数年間、フランスの歴代政権は公共放送部門を弱体化させてきた。2022年、フランスの労働組合はライセンス料廃止の政府計画に抗議したが、結局、代替財源の計画はないまま、ライセンス料は廃止された。

ヨハネス・ストゥディンガーUNI世界メディア部会担当局長は、「数度にわたるリストラと予算削減の結果、労働者はまたしても不安と雇用喪失に直面しているが、この新たな計画は、フランスの公共放送の財政的・編集的独立性をさらに損なう恐れがある。我々は、公共メディアを守るために闘うフランスの加盟組合に連帯する。独立した強力な公共放送を維持することは、私的所有権の集中が多様性を損ないかねないメディア状況において、すべての声がプラットフォームを確保するために極めて重要だ」とコメントした。

新しい持ち株会社の設立に伴い、既存の団体協約の再交渉が必要になる可能性があり、労働組合は、このような重要な変更に対して予定されている期限は急ぎすぎではないかと懸念している。

スト前夜に発表されたUNI世界メディア部会の連帯声明には、次のように記されている。

公共放送の弱体化は、多元的で多様、包摂的でオープンなメディア・エコシステムへのコミットメントを弱めることを意味する。公共空間を縮小し、主流派、時にはフェイクニュースや極端な言説の発展を支持する強力な多国籍企業に支配された世界において、公共放送は、我々の社会の多様性を反映する声、物語、テーマの表現のために、すべての市民がアクセスできる空間を保証する主体である。(…中略…)我々は、フランスの労働組合の要求を支持し、意思決定者に以下を要請する。
●公共放送に関するすべての持ち株および/または合併計画を撤回すること。
●公共放送サービスに持続可能かつダイナミックな資金を確保し、その独立性と多くの使命の遂行に必要な資源の両方を保証すること。
●いかなる展開においても、最低限の基礎として、従業員に対する従来の保障が継続されるようにすること。


UNIアフリカ、コートジボワールでハラスメント防止キャンペーンを開始

UNIアフリカは、コートジボワールで特に警備部門の女性が直面する課題に取組むことを目的とした広範な反ハラスメント・キャンペーンを開始した。このキャンペーンは、組織化、団体交渉スキル、職場暴力に関する意識向上に関するリーダーシップ研修を通じて、労働者のエンパワーメントに焦点を当てた3日間のトレーニング・セッションで幕を開けた。

このプログラムには、同国のUNI加盟組織SYNASCIから女性15人、 男性10人を含む25人の労働者が参加し、指導力を強化するための専門訓練を受け、職場のハラスメントと闘う役割を強化するためのメンタリング・プログラムにも参加した。

このキャンペーンは、男女別のロッカールームやトイレ、男性向けにデザインされた制服、セクシャル・ハラスメントなど、男女別の施設の欠如といった重大な問題を取り上げている。この業界では、一部の男性が優越的な権限を悪用して、好みの企業で働く見返りに性的な好意を要求することが知られており、拒否した女性は立場を悪くしたり、職を失うことさえある。こうした状況により、職場は女性にとって非常に厳しい環境となり、しばしば雇用不安や職業上の挫折につながっている。

こうした問題に対し、UNIアフリカは積極的な姿勢を示してきた。キース・ジェイコブスUNIアフリカ地域書記長は、「このキャンペーンは、見過ごされがちな日々の不公正に直面している警備部門の女性たちからの緊急の要請に応えるものだ」と述べ、「我々の目標は、性別に関係なく、すべての労働者にとって安全で尊重される職場環境をつくること。教育、提言、組織化を通じたエンパワーメントが、状況を変える鍵となる」と語った。

キャンペーンの一環として、これらの極めて重要な問題についての認識を促進し、より多くの議論を促すために、職場に掲示するポスターが配布された。こうした取組みからのフィードバックは、キャンペーンをさらに改善し、その範囲を拡大するために活用される。

UNIアフリカは、このキャンペーンをアフリカ大陸の全部門に拡大し、 必要に応じて同様の課題に直面している他の部門にも適用する計画である。この取組みは、差別や虐待を恐れることなく女性が活躍できるハラスメントのない職場の育成を目指すUNIの取組みにおいて、重要な一歩となる。


世界中のフレゼニウス労組、労働者の権利侵害に焦点

フレゼニウス・メディカル・ケア(FMC)とフレゼニウスSEの年次総会が2024年5月16日と17日に開催されるのを前に、世界各国の労働組合で構成されるフレゼニウス労組アライアンスとドイツ倫理的株主協会は、両多国籍企業が適切な人権デュー・ディリジェンスの基準を十分に遵守していないとの懸念を表明している

労組アライアンスの代表は、フランクフルトで開催される両社の年次総会に出席し、効果的なデュー・ディリジェンスと、そのプロセスへの組合の積極的な関与を求めていく。

コロンビアにおける結社の自由と団体交渉権に関する労働者のリスクは何年も前から知られており、フレゼニウスSEは独自のリスク評価でこれを考慮してきた。それにもかかわらず、経営陣が誠実に交渉することを拒否したため、交渉プロセスが遅れたと労働者は報告していた。争議は仲裁に持ち込まれ、フレゼニウス社の交渉拒否に対して労働者が仲裁で勝訴した後、経営側は3つのクリニックの仲裁判断の取り消しを要求した。

PSI副書記長を務めるデビッド・ボーイズ・フレゼニウス労組アライアンス代表は、「コロンビアが労働組合員や活動家にとって世界で最も危険な国の一つであることは広く知られている。そのため我々は、フレゼニウス SE がようやく結社の自由と団体交渉の権利が無視されてきたことを、自社の事業において優先的に対処すべきリスクとして認識したことを歓迎する。しかし、それだけでは十分ではない。フレゼニウスは何年も前からコロンビアの件を認識していたが、我々の仲間は日常的にこうした権利侵害にさらされ続けている。フレゼニウス社に対し、この状況を改善するために直ちに行動を起こすことを求める」とコメントした。

FMCの最大市場である米国では、2023年秋に十数か所のFMCクリニックで労働者がストライキを行った。労働者は、組合を結成しようとし、会社が誠実な交渉を拒否し、労働条件に違法な変更を加えていると報告したためにクリニックで脅迫され、脅迫され、場合によっては解雇された。さらにFMCは、2018年以降、組合潰しに300万ドルを費やしている。SEIU-UHWで執行委員を務めるキャス・ガルベス組織化担当部長は、「これは米国では違法ではないとはいえ、労働者の団結権行使に対する会社の姿勢を示している。それでも労働者たちは変化を求めて闘い続け、15のクリニックと病院で組織化した」と説明した。

カリフォルニア州にあるフレゼニウス・キドニー・ケアセンターの血液透析認定技師であるマニー・ゴンザレス氏は、「自分の家族よりも患者や同僚と過ごす時間のほうが長い。経営陣は慢性的な人員不足と低賃金であることを知っている」と語る。

アルケ・べシガーUNI副書記長は、「組合がフレゼニウス・メディカル・ケア経営陣の労働慣行を批判しているのは米国だけではない。フィリピンでは、さまざまな透析センターにおける検査で、労働法違反や安全衛生規制違反が明らかになった。さらに、同社は最近、利益相反方針を示したが、これは労働者の他団体への所属を制限するなど、労働者の結社の自由を行使する能力を損なう危険がある。フレゼニウスは、ドイツのサプライチェーン法と欧州のデュー・ディリジェンス指令を実施するための有意義な手段として、労働組合の権利に関するグローバル協定を交渉するなど、労働問題を解決するための早急な措置を講じる必要がある」と指摘する。

フレゼニウス労組アライアンスについて
フレゼニウス労組アライアンスは、3つのグローバルユニオン;国際公務労連(PSI)、UNI、インダストリオールによって組織されており、労働者と労働組合の権利を確保するためのグローバル枠組み協定を求めている。


UNI-LCJ印刷・パッケージング部会 春闘情報交換会

2024年4月22日、国立印刷局・東京工場(東京都北区)にて春闘情報交換会を開催し、オブザーバー参加を含む4組織(印刷労連、全印刷、大日本印刷労組、UAゼンセン)およびUNI-LCJ事務局より、13人が参加した。会議に先立ち、 本局の吉川総務部長および大澤工場長から、東京工場の概要や7月に改刷される3券種の日本銀行券の説明、見学に関する注意事項などを受けた後、製造工程を見学した。終了後、工場における女性採用比率や安全管理、セキュリティ管理等について質疑応答が行われた。

春闘情報交換会では、安部UNI-LCJ印刷・パッケージング部会議長(全印刷 中央執行委員長)の開会挨拶に続き、各組織より参加者の紹介、2024春闘における賃金・労働条件の交渉状況について説明があり、意見交換が行われた。

この他事務局より、11月にタイ・バンコクで開催される第6回UNI Apro女性大会・地域大会の案内他、2024年度のUNI/UNI Aporo/UNI-LCJ印刷・パッケージング部会活動スケジュールについて説明した。会議終了後は情報交換夕食会にて、懇親を深めた。


歴史的な法制上の勝利で米国の介護施設に新時代

世界各地の介護部門のUNI加盟組織は、長年にわたり各国政府に対し、介護施設等における安全な人員配置規制の導入を求めてきた。介護労働者や利用者擁護団体から「歴史的な瞬間」と称賛された画期的な取組みで、バイデン政権はまさにそれを実行した。米国政府は、全米の介護施設の質を向上させるため、抜本的な改革を実施した。

この新規則は、UNI加盟組織全米サービス従業員労組(SEIU)傘下の労組による長年のキャンペーンを経て制定された。同規則は、より質の高いケアを推進し、労働者の安全性を高めるために、介護施設の最低人員基準を定めるものである。また、介護労働者に対する公正な報酬の支払いも進めている。 運用資産額4.4兆ドル、150人以上の投資家からなる連合体で あるUNIの『責任あるケアのための投資家イニシアティブ』を代表する投資家グループは、バイデン政権に書簡を送り、この新たな人員配置基準に対する支持を表明した。

メアリー・ケイ・ヘンリーSEIU国際会長は、この規則変更を歓迎し、「バイデン政権は、介護労働力の強化に向けた大きな一歩を踏み出した。介護を必要とする人々に質の高い介護を保証し、すべての家族の幸福を支援している。雇用の質と介護への平等なアクセスとの相関関係は明らかであり、両規則は介護職を持続可能な、求められる職業に変えるための基本である。介護労働者(その大半は有色人種の女性)は、人種差別と性差別の遺産により、何世代にもわたって低賃金で過小評価されてきた。この規則は、歴史的に取り残されてきたエッセンシャルワーカーへの大きな投資でもある」とコメントしている。

この米国の取組みは、カナダのオンタリオ州やオーストラリアでも同様の措置が導入されているように、安全な人員配置規制の必要性に関する国際的なコンセンサスの高まりを反映している。「人員比率は命を救う」という世界的な叫びは、このような基準を緊急に設ける必要性を表したものであり、人員不足から生じる可能性のある、職員の離職率の高さ、労働衛生上の悪影響、不適切なケアを防ぐことを目的としている。

アラン・サブレUNI世界ケア部会担当局長は 「米国は介護に関して世界最大の経済圏であり、この新規則はそこで働く何十万人もの労働者と入居者の生活を向上させるだけでなく、世界的な波及効果をもたらす。(…中略…)この改革を推し進めた介護労働者の取組みを称賛したい。ケアが真に評価されるための重要な前進だ」と述べた。


「私たちの国は売り物ではない」UNI、アルゼンチンの5月9日ゼネストを支援

アルゼンチンのUNI加盟組織が、アルゼンチン労働総同盟(CGT)が呼びかける2024年5月9日の全国ゼネストに参加する。多数のスト参加者が、緊急の賃上げ、あらゆる労働者のための自由な労働組合、国営企業の民営化反対を求めて結集する。

今回のストライキは、ハビエル・ミレイ政権が労働組合に加入する権利や団結権といった労働者の権利に対する攻撃を開始したことに対する反撃だ。アルゼンチンの労働組合は、これらの権利は国の歴史を通じて民主主義の礎となっていると指摘している。

ストライキは世界中で支持を集めている。2024年5月上旬にUNI世界運営委員会は、全会一致でゼネストへの連帯と支持を表明し、同政権について「何百万人もの人々を飢餓と日々の悲惨に導く、最も弱い立場にある人々の権利を攻撃することだけに集中している」と批判し、「組織化された労働者とその労働組合は、他の多くの市民社会組織と連携し、ミレイ政権の破壊計画に対する抵抗の先頭に立っている。 代替案が可能であることを示す法的・政治的行動をとるとともに、持続的かつ献身的な組合行動をとっている」と続けた。

ヘクター・デールUNI米州会長(CGT書記長)は、「CGTが呼びかけたゼネストは、社会正義もなく、労働組合も団体協約もない不平等モデルへの歴史的変化を強化しようとする政府の試みに対する強力な対抗措置だ」と訴えた。

政権初期に、同大統領は国家解体を目的とした300もの改革を、必要性・緊急性の法令によって押し付けようとした。この一連の改革は、経済を無差別に開放し、国の社会保護の法的構造を変えようとするものだった。労働運動は、まず法廷で、次に街頭で、この法令の労働に関わる章を廃止することに成功した。

2023年12月の政権発足以来、ミレイ政権は言論の自由を制限する明確な政策をとっており、ソーシャルネットワークや関連メディアを利用して、自らの行動に対する批判を締め上げている。

UNIと加盟組織は、公共メディアを擁護するキャンペーンを開始した。アルゼンチン議会が、可決されれば政府が公共メディア組織に対して措置を講じることを許可する法律を検討し始めたからである。

UNIはアルゼンチンの労働運動と全面的に連帯し、世界中の多くの労働組合の模範となっている労働組合主義を擁護する。


アマゾンの人権侵害的な労働者監視に対する取り締まりを!

800万人以上の労働者を代表する欧州の複数の主要労組のリーダーが、欧州のデータ保護当局に対し、アマゾンの人権侵害的で(違法となりうる)データ監視の慣行に対する監視の強化を求めている。この集団的取組みは、アマゾンの企業慣行が労働者の権利と職場の安全性に及ぼす悪影響に対する懸念の高まりを強く示している。

アマゾンが倉庫や配送業務で多数の労働者を雇用している欧州11か国の組合指導者たちは、同社による監視とアルゴリズム管理の広範囲に及ぶ使用について警鐘を鳴らしている。アマゾンは、ハンドスキャナー、行動監視ソフトウェア、ビデオカメラ、GPS装置などを使用しており、最近の調査では、こうした監視が労働者の心身の健康に深刻な影響を及ぼすことが明らかになった。

最近の規制措置について、組合リーダーらは2023年12月27日にフランスのデータ保護当局(CNIL)が下した、アマゾン・フランスロジスティックが一般データ保護規則(GDPR)のいくつかの原則に違反しているとの決定を引き合いに出した。CNILは、従業員の活動や業績を監視するための「過度に人権を侵害するシステム」を構築していたとして、3,200万ユーロの多額の罰金を科したほか、ビデオ監視手順の不備に対する罰則も科した。

主要労組が連携してEU全域のデータ権利当局に提出した書簡の中では、次のように記されている。「欧州データ保護当局に対し、フランスの例に倣い、アマゾンによる労働者データ使用の合法性を調査し、法律に違反する行為を停止するための措置を講じるよう求めます。プライバシーやデータの管理を含む労働者の基本的権利と自由を保護する欧州の法律を、アマゾンに遵守させるよう求めます」。

アマゾンが欧州のデータプライバシー法に直面するのはこれが初めてではない。2021年にはルクセンブルクのデータ保護当局が、欧州の消費者を対象とした同様の監視行為に対して、同社に7億4600万ユーロの罰金を科した。これは当時、同法に関して過去最大規模の罰金額となった。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、 「アマゾンの執拗な監視は、単なる監視ではなく、統制と脅迫だ。このような強権的な手段は、生産性の向上を口実に、労働者の尊厳と権利を奪うものであり、早急な変化と説明責任を求める」と語気を強める。

労働組合はすべての欧州データ保護当局に対し、アマゾンの監視慣行の合法性を調査し、違法行為を抑制する措置を実施することで、フランスの積極的な姿勢を見習うよう求めており、その訴えは、プライバシーやデータ管理を含む労働者の基本的権利を保護する欧州の法律をアマゾンが遵守する必要性を強調している。

労働組合のリーダーたちは、欧州当局と協力してアマゾンの従業員のデータの権利を行使することにコミットし、職場における過剰な監視は容認できるものではなく、今後も異議を唱えていくという明確なメッセージを送った。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は 「アマゾンの広範で有害な監視戦術は、労使の信頼関係を損なうだけでなく、個人情報保護法が同社において組織的に無視されている状況を浮き彫りにしている。今こそ我々は立ち上がり、こうした多国籍企業が、労働者の個人データと尊厳ある職場に対する権利を尊重するよう、要求すべき時だ。法が完全に適用されるよう、今こそ断固とした行動が必要だ」と訴えた。


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