新たな報告書:世界中の労働組合がアルゴリズム管理の問題に回答

近年、アルゴリズム管理システムの利用がさまざまな産業で劇的に加速し、使用者は労働者の福利厚生やプライバシー、賃金を犠牲にして生産性を優先させる新たな方法を手にしている。

こうした問題に緊急に対処する必要性から、UNIは新たな報告書『アルゴリズム管理:集団行動のチャンス』を発行した。 報告書は、既存の法的枠組みや交渉メカニズムを用いて、組合がどのようにアルゴリズム管理システムに対抗しうるのか、有益な指針を提供するとともに、今後の団体交渉に向けた具体的な提言も行っている。

アルゴリズム管理システムは、広範な監視とモニタリングによって、労働者と管理者にリアルタイムでパフォーマンス情報を提供している。しかし、このようなシステムでは、非現実的な生産性目標が課されることが多く、従業員に多大なプレッシャーを与え、身体的・精神的健康の悪化に繋がっている。

世界中の労働組合がこうした状況に立ち上がり、より安全な労働条件を要求し、これらのテクノロジーがもたらす生産性の利益の公正な分配を提唱している。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、この重大な局面における組合の意義を強調し、「アルゴリズムによる管理は深刻な新しい課題を突き付けているが、こうした新たなリスクに立ち向かう上で、労働者を代表する従来のツールは今なお重要である。労働組合には、テクノロジーの利用をめぐる交渉の長い歴史があり、何年も前に機能していた原則が、今日においても鍵となっている。労働組合は、交渉権に加えて、休憩や安全に関する既存の保護規定や、データ保護やプライバシーをカバーする新しい法律にも目を向けている。この報告書が目指すのは、こうした取組みの好事例をまとめ、互いに学び、職場における尊厳をすべての人にもたらすことだ」と語った。

グローバルな調査を通じて、UNIは、過剰なアルゴリズム管理に対処するための4つの重要なツールを特定した。
1:使用者の不公正かつ/または人権侵害的な行為を規制するデータ保護法
2:休憩や休息時間を義務付ける公正労働基準
3:安全衛生に関する規制
4:新しいテクノロジーの使用に関する交渉や協議の義務についての規定

報告書には、アルゴリズム管理が労働者に与える影響に関する交渉の指針も盛り込まれている。テクノロジー導入前に通知を受ける権利、差別の可能性を含むテクノロジーのリスクやその他の影響を評価する期間、透明性と情報を得る権利、安全衛生関する懸念に対処するための独立した労働者委員会の設置、意思決定プロセスにおける人による監督の要求などである。

UNIは組合によるアルゴリズム管理への対応について調査を継続しており、加盟組織に対し、新しい団体協約や提案、アルゴリズム管理に関する取組みなど、あらゆる情報を共有し、この進行中のプロジェクトへの参加を呼びかけている。

報告書(英文)はこちらから、日本語訳はこちら