7月 2026のお知らせ

韓国保健医療労組、公正なAI移行に向けた労使合同作業部会を発足

医療管理、診断、患者ケアへの人工知能(AI)の導入が進む中、UNI加盟組織である韓国保健医療労組(KHMU)は、デジタル移行の在り方を決定する過程で労働者の声が反映されるよう取り組んでいる。

KHMUは 2026年6月26日、ソウルで政府関係者、病院経営者、労働組合指導者を一堂に集めたハイレベルな社会対話フォーラムを開催した。この画期的なイベントは、「医療分野における公正なAI移行のための労使合同作業部会」の正式発足を記念するものとなった。

AIを活用した医療技術の普及が進むにつれ、看護師、医療技術者、事務職員の仕事や業務体制が変化しており、雇用の安定性への懸念や、職場における役割と責任をめぐる混乱が生じている。KHMUは、技術による職の置き換えが実際に発生してから対応するのではなく、労働者と経営陣が共同で仕事の未来を形作るための枠組みを構築している。

チェ・ヒスンKHMU委員長は、「AI移行の真髄は、『公正な移行』でなければならない。技術変革の過程で、いかなる労働者も一方的に犠牲にされてはならない。労使が共同で、この移行の方向性とペースを決定しなければならない。テクノロジ―は人類のための道具であり続けなければならず、労働者を置き換える口実であってはならない」と強調した。

政府と雇用主が「対話4.0」を支持

新設された作業部会は、「対話4.0」というアプローチの下で活動しており、紛争が発生してから解決する姿勢から脱却し、労使共同による解決策の積極的な共同設計へと移行している。このアプローチは、政府と病院側の使用者双方から強い支持を得た。

韓国のキム・ヨンフン雇用労働大臣は、祝辞の中でこの取組みを支持し、「AIへの移行は、労働と人間の尊厳がこの変革の中心に据えられて初めて、持続可能な成長につながる」と述べた。そして、AI移行が雇用に与える影響を政府が積極的に監視し、脆弱な分野を保護するための『産業転換期における雇用保障のための国家基本計画』の策定を加速させることを約束した。

韓国病院協会、国立医療センター、および地方公立病院の代表者らも、このイニシアチブへの支持を表明した。使用者側は、AIを人員削減の手段としてではなく、第一線で働く医療従事者の過重な業務負担を軽減し、患者の安全性を向上させるための手段として活用すべきであるという点で合意した。

ロードマップと今後の取り組み

作業部会は、江原国立大学が主導する包括的な研究プロジェクトを委託しており、同プロジェクトは2026年11月まで実施される。この研究では、病院におけるAIの現状の導入状況を検証し、さまざまな医療職種における労働条件、専門的責任、法的責任への影響を評価する。

作業部会は、以下の3つの主要な取り組みを実施する:

  • 研究: AIが雇用および労働条件に与える影響に関する詳細な調査を実施
  • 公開セミナー: 意識向上と議論の促進を目的とした、月1回の全11回にわたるセミナーシリーズを配信
  • グリーンペーパー: 共通の立場を策定するための支援として、様々な職種グループの労働者から意見を収集

この取り組みは2026年11月に集大成を迎え、作業部会は「医療部門における公正なAI移行のための労使共同ガイドライン」を提示する予定である。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長はこの取り組みを称賛し、「KHMUによるこの画期的な取組みを誇りに思う。これは、強固な政策立案能力を持つ労働組合が、大きな変革の時代にAIの導入を形作る上で、いかに積極的かつ建設的な役割を果たしうるかを示している。適切に管理されれば、AIは労働を変革し、公共の利益に貢献する可能性を秘めている。しかし管理が不適切な場合、労働者を支援する持続可能な政策がなければ、労働者は職と生計を失う恐れがある。すべての人のための公正な移行を確保するためには、労働者が労働組合を通じ、意思決定の場に参画しなければならない。」と述べた。

 (2026年7月15日)


フィリピンのBPO労働者200万人が、政府や使用者との対話において正式な発言権を獲得

フィリピンのコールセンターおよびビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO=業務の外部委託)労働者が、業界のあり方を決定する場において、初めて正式かつ専用の議席を獲得した。労働者、使用者、政府で構成される「全国三者産業安定評議会」は、新たな「BPO特別小委員会」の設置を承認した。UNIフィリピン加盟組織連絡協議会(UNI-PLC)が主導するフィリピンBPO労連は、この動きを歴史的な出来事として歓迎した。

この新たな小委員会は、国内の200万人以上のBPO労働者にとって、使用者や政府に対して懸念事項を直接提起するための、制度的かつ公的に認められた窓口となる。同小委員会は、結社の自由、団体交渉、労働安全衛生、人員調整、技術開発、生産性、その他の新たな懸念事項など、この分野で最も差し迫った課題に関する継続的な対話の場として機能する。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「フィリピンの数百万人のBPO労働者がこの産業を牽引してきた。この委員会は、彼らがその成功の成果を公平に享受し、業界の将来について発言権を持てるようにするための重要な一歩だ。この恒久的な協議の場を確保できたのは、長年にわたる組織化活動の成果であり、我々は『BPO労働者憲章』の実現に向けて取組み続ける彼らに、今後も連帯していく」と述べた。

フィリピンBPO労連の共同発起人の一人であるローランド・デラクルスUNI-PLC議長は、「この臨時小委員会は、経済を支え続けているにもかかわらず、疑わしい企業慣行に対してしばしば自力で対処せざるを得ない状況に置かれている数百万人のBPO労働者のために、苦闘の末に勝ち取った場だ。我々は法案が可決されるのを待ってから労働者を保護し始めるつもりはない。取り組みは今、ここから始まる」と宣言した。

デラクルスUNI-PLC議長に加え、LIKHA連盟のヘスス・ビジャモール氏とアンジェラ・セノリン氏も、小委員会の設置に向けたロビー活動に参加した。両名ともUNI-PLC加盟組織に所属し、フィリピンBPO労連の共同発起人である。

コールセンターの現場で日々プレッシャーにさらされている一般のBPO労働者にとって、今回の進展は政策決定者に直接声を届ける待望の機会となる。

セブ島出身のBPO労働者リヴィ・ベンシ氏は、「この業界で20年間働いてきたが、業務量や夜勤、絶えず変わる評価指標に問題が生じた際、頼れるのは人事部しかなかった。しかし、人事部は往々にして経営陣の側に立つだけだった。小委員会が設置された今、標的にされたり解雇されたりする恐れなく、我々の実際の状況を率直に訴えられるという希望が持てる」と期待をにじませる。

マカティ在住で18年のキャリアを持つBPO労働者のアンドルー・バイコ氏は、「我々一般のエージェントにとって、これは非常に大きな出来事。ついに、意思決定が行われる場で我々の声が届くようになったからだ。ここマニラ首都圏での対話が改善されることを期待している」と語った。

UNI-PLCが主導するフィリピンBPO労連は、フィリピンのBPO業界全体において、安全で公正かつ尊厳ある職場環境を求めて活動する、BPO労働者、連合、労働者団体からなる連合体である。同団体はUNIに加盟している。

(2026年7月17日)


アルゼンチンおよび米州全域で、労働組合が右派の攻撃に反撃

2026年6月末、クリスティ・ホフマンUNI書記長は、アルゼンチンの銀行労働者を代表する労働組合ラ・バンカリアの大会に出席するため、ブエノスアイレスを訪れた。

この集会は、同労組が100年以上にわたりアルゼンチンの金融労働者の権利擁護に取組んできた歩みを祝うものであった。 団体交渉や労働者代表における進展に加え、新たなテクノロジーに対応できるよう組合が研修を行っている数千人の労働者や、人工知能が労働に与える影響について取組む組合独自の委員会についても注目が集まった。

大会期間中、参加者は1970年代から1980年代にかけて同国の残虐な独裁政権下で「失踪」させられた組合員たちを追悼し、今年は追悼の碑にさらに7名の名前を追加した。

ラ・バンカリアの組合員や指導者による証言は、なぜアルゼンチンにこれほど強力な労働組合運動が存在するのかを浮き彫りにした。同国の労働組合は市民社会の中心的な存在であり、幅広いサービスを提供している。

そして、まさにそのモデルこそが、極右のミレイ大統領が排除しようとしているものである。大会終了後、ホフマンUNI書記長とマルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、アルゼンチンの全UNI加盟組織との会談で、ミレイ政権が労働組合の重要な財源を断つなど、組合を標的とした政策を進めている実態について報告を受けた。

ホフマン書記長が指摘するように、ミレイ大統領は、自分が「敗北することのない、巨大で団結した集団」と対峙していることを認識すべきである。アルゼンチンの事例は孤立したものではない。米州全域で右派政権が選挙に勝利しており、その多くが政権に就くと同様の政策を推進している。

各国の右派政権は「経済的緊急事態」という名目を盾に、適切な議論や実質的な協議を省略して、政令による改革を強行している。そして労働市場規制を緩和する理由として、新テクノロジーやAIを挙げている。そして、労働者が団結して力を発揮できるあらゆる手段を標的に攻撃している。

ボルソナロ政権下で可決されたブラジルの労働法やアルゼンチンの労働法は、労働組合が必要な資源を確保する能力を損なっている。チリでは、過度な最低サービス水準が設けられ、ストライキの実施が非常に困難になっている。エクアドルとペルーでは現在、デモ行進の実施が、「影響の少ない」指定区域のみに限定されており、トリニダード・トバゴでは抗議行動が行える場所を制限し、公共機関から遠ざけている。パナマとエルサルバドルでは、労働組合の指導者が起訴され、投獄されている。

だが、労働組合は反撃に出ている。
ホフマン書記長は、「アルゼンチンでは、労働組合はこうした事態を黙って受け入れてはいない。これは『ラ・バンカリア』の大会や、現地の加盟組織とのあらゆる交流において明らかであった。(‥‥中略‥‥)労働者は組織化し、団結しており、威嚇されることはない。これは、現在この地域の労働組合が拠って立つのと同じ強さだ。ミレイ大統領をはじめとする右派政権は、決して負けるつもりがない運動を相手に闘っている。そして世界の労働組合運動は、その道のりのあらゆる段階で彼らと共にある」と述べ、右派政権と闘う労働組合運動に連帯を表明した。


(2026年7月14日)


イタリアとスペインの外部委託労働者、AI導入に伴う雇用保護を求めてストライキ 

世界の多くの地域と同様、イタリアやスペインでは使用者がコールセンターに自動化や人工知能(AI)を導入し、必要な協議や保護措置を講じることなく、カスタマーサービスの雇用を削減している。現在、両国のビジネスプロセスアウトソーシング(BPO=外部委託)労働者は、テクノロジーが自分たちの仕事をどのように変革していくかを自ら決定するため、ストライキを行っている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「コールセンターの労働者は、AIによる変革の影響を最も受けやすい立場にあると言われているが、彼らの強みは集団行動にある。テクノロジーがどのように、どこで活用されるかを決める上で、労働者は役割を担わなければならない。(‥‥中略‥‥)これらのストライキは、労働者、政府、企業が、人々のためにテクノロジーが機能する未来を築くのに、まだ手遅れではないことを示している。今こそ、その第一歩を踏み出す時だ」と述べ、ストライキを支援した。

イタリアの労働組合、政府に対しAI導入において労働者を中心に据えるよう要求

イタリアの労働組合は、同国政府に対し「労働の保護と人々の尊厳を中心に据えた明確なルールを定め、迅速に行動する」ことを求めるため、2026年7月13日から27日にかけて全国的なストライキと動員を呼びかけている。

イタリアの労連であるSLC CGIL、FISTel CISL、UILFPC UILは、チャットボット、バーチャルアシスタント、顧客対応の自動化システムといったAIツールの利用が急速に増加していると報告している。最近まで労働者が担当していた業務について、労働組合代表との事前の協議も、職業再訓練計画も、関係する従業員への雇用保証もないまま、自動化が進められているのだ。

労働者は、BPOにおけるAI導入が雇用に与える影響を管理するため、政府、企業、労働組合が一堂に会する恒久的な協議の場を設けること、および雇用や職務に影響を及ぼす自動化が導入される前に、事前の通知と労働組合との協議を義務付けることを求めてストライキを行っている。

またAIの導入を、従業員の研修、資格の再取得、再配置計画の策定を条件とすること、デジタル化による構造調整の影響を受ける労働者に対する産業別の所得支援措置の強化、そして自動化による人員削減で利益を得ているクライアント企業からの社会的貢献を求めている。

SLC CGIL、FISTel CISLそしてUILFPC UILの各組織は、声明の中で「イノベーションを止めることはできないことを十分に認識している。しかし、こうしたプロセスに対する監督やガバナンスがないまま、テクノロジーの進歩が無差別な人員削減の口実となることは容認できない(‥‥中略‥‥)人工知能は、労働者のために役立つツールでなければならず、セーフティネットのないまま労働者を置き換える手段であってはならない」と主張している。

スペインのコンセントリクス社などで緊張が高まる

BPO労働者にとってのAI危機はイタリアに限ったことではない。スペインでは、コールセンター大手のコンセントリクス社の労働者も、AIによる人員削減をめぐり、7月13日に抗議行動を開始し、7月15日にはストライキを行った。

CC.OOやUGTなどの労働組合組織で構成されるコンセントリックスの労使協議会は、マイクロソフトの業務を請け負うガリシア州アコルーニャのセンターの従業員380人のうち160人を対象とした人員削減計画の撤回を同社に求めている。組合側は、この人員削減が「孤立した出来事でも、避けられない決定でもない」とし、むしろ「世界的な人員削減の動き」の一環であると主張している。

またコンセントリクス社に対し、誠実な対応を欠き、労働組合代表者の活動時間を制限し、必要な書類の提出を遅らせ、解雇に代わる真剣な代替案を提示していないと非難している。そして人員削減計画の即時撤回、真摯な交渉の開始、そしてアコルーニャでの雇用を維持するためのあらゆる選択肢を検討した事業継続計画の策定を求めている。

(2026年7月14日)


フィリピンのBPOおよびケア労働者、全国的な賃上げを求めて議会への働きかけを主導

ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)およびケア労働者を代表するUNIフィリピン加盟組織連絡協議会(UNI-PLC)は、2026年6月30日に開催された下院労働雇用委員会の公聴会および協議に出席し、民間部門の全労働者を対象とした日額200ペソ(3.25ドル)の全国一律最低賃金引き上げの即時可決を要求した。この公聴会は、生活費の高騰により窮地に追い込まれた労働者への救済措置を法制化することを目的とした17件の未決法案について、議会が審議を行っている中で開催された。

過去35年間、フィリピンの賃金水準は地域別の賃金委員会によって決定されてきた。UNI-PLCおよび同国の労働運動の大多数は、この断片的なアプローチが体系的に賃金を押し下げ、インフレから労働者を保護できていないと主張している。

IBON財団の調査結果によると、インフレ調整後の同国の実質賃金は、1989年から2023年の間に実際に26%も急落した。国民一人当たりのGDPは増加したものの、生産性の向上による利益は圧倒的に企業資本に偏っており、国民所得に占める労働者のシェアは継続的に低下している。

ローランド・デラクルスUNI-PLC議長は、下院に提出したテクニカル・ポジションペーパーの中で、「国内のどの地域の最低賃金も、公式の地域別貧困ラインを満たしていない。(‥‥中略‥‥)マニラ首都圏でさえ、最高賃金の労働者でも1日あたり19.22ペソ(約0.31ドル)不足しており、中央ルソン地方の農業労働者では地域間の格差が最大254ペソ(約4.13ドル)にまで拡大している。現行の制度は貧困を防ぐどころか、むしろ貧困を保証している」と指摘した。

現在、最低賃金は5人家族が生活するために必要な額の60%未満しか賄っておらず、僻地ではわずか32%にまで落ち込んでいる。提案されている200ペソ(3.25米ドル)の引き上げにより、地域によってはこの格差が即座に16~28%縮小し、数百万世帯を絶対的貧困から救い出すことになるだろう。

経済的圧迫は、同国で最も重要な経済の原動力である2つの部門、すなわち約200万人に上るBPO労働者と、最前線で働くケア労働者に特に深刻な打撃を与えている。

フィリピンBPO労連のエリー・アンドリュー氏は、「BPO労働者は多国籍企業に数十億の収益をもたらし、国の成長に貢献しているにもかかわらず、私たちの実質所得はインフレによって丸ごと飲み込まれてしまっている。(‥‥中略‥‥)生産性の向上による恩恵は圧倒的に資本側に偏っており、一方で労働者は生活費の高騰という打撃をまともに受けている。この法制化された賃上げを可決し、それが給与体系全体にわたる重要な賃金歪みの是正につながるよう確保することは、この業界を支える200万人の労働者にとって公平性を回復するために極めて重要だ」と訴える。

この見解を支持した統一フィリピンサービス労組(UFSW)のB レナート・カダノB 氏は、貧困レベルの賃金によって国内の医療インフラが積極的に空洞化していると警告し、「低賃金こそ、フィリピンの医療従事者が絶えず国外へ流出している主な理由であり、その結果、自国の医療格差が拡大する一方で、我々は事実上、他国のために専門家を育成・輩出しているのだ。(…中略…)この法に基づく賃上げは、医療従事者のわずかな給与を補い、彼らが国内に残り、自国の地域社会に貢献し続ける有意義な理由を与える上で、不可欠な第一歩である」と述べた。

法に基づく救済措置が即時的かつ実効性を持つよう、UNI-PLCは議会に対し、2つの譲れない条件の下で、全国一律200ペソ(3.45米ドル)の賃上げを可決するよう強く求めている。第一に、賃上げは一括実施され、一度に適用されなければならない。段階的な調整は、家族にとって不可欠な経済的救済の効果を薄め、雇用主による実施遅延を助長する。第二に、この政策は抜け穴のない全面的な適用を保証しなければならない。調整は、医療、小売、製造、農業、BPO業界を含むすべての民間部門に等しく適用されなければならない。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「この経済的生存をかけた重要な運動を牽引しているフィリピンのBPOおよびケア労働者に対し、この地域全体が断固として連帯している。UNI Aproは、地域内の数百に及ぶ加盟組織と共に、フィリピン政府が企業の利益を守るのか、それとも自国民の憲法上の権利を守るのか、その選択を注視していく」とコメントした。

デラクルスUNI-PLC議長は、「フィリピンの労働者は、企業からの慈善を求めているわけではない。自分たちの労働が生み出す富の公正な分配を求めているだ。議会は、生活賃金を単なる政策論争として扱うのをやめ、憲法上の権利として扱うべきであり、今すぐ賃上げを法制化すべきだ」と締めくくった。

(2026年7月15日)


デジタル変革を遂げるスリランカで、労働組合の力を高める

人工知能やデジタル化がスリランカの通信部門を再構築する中、労働組合は、雇用を守り、労働者のスキルを向上させ、技術変革が社会対話に基づいて進められるようにするための能力を強化している。

2026年6月22~23日、UNI Apro ICTS部会代表団が首都コロンボを訪問し、労働組合の指導者と経験を共有するとともに、スリランカ・テレコムと同部門における「仕事の未来」について議論を交わした。

代表団は、情報労連委員長である北野眞一UNI Apro ICTS部会議長が率い、木村富美子UNI Apro ICTS部会担当部長が同行した。

技術変革に対する労働組合の対応強化

スリランカ・テレコムとメディア部門の労働者を組織するUNI加盟組織「Media Pro-Tech」から、30名以上の組合指導者が、セミナー『ICT産業における課題と労働組合の国際連帯』に参加した。

セミナー冒頭で北野議長は、AIやデジタル化によって引き起こされる急速な変化に対応する上で、国際的な経験の共有と労働組合間のより強固な協力の重要性を強調した。

セミナーには、テクノロジー、労働力開発、組織化の各分野に精通した講演者が一堂に会した。

ピーター・ダルメイダ氏(N-able元CEO)は、AI、データ活用、サイバーセキュリティ、クラウドコンピューティング、フィンテックを、ICT部門を再構築する主要な原動力として挙げた。同氏は、労働組合の戦略がテクノロジーの発展に歩調を合わせる必要性を強調し、雇用への影響評価や、より強力なリスキリングのイニシアチブを求めた。

ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会および専門職・監督職委員会担当部長は、技術革新が労働市場に及ぼす影響について論じ、変革の時期に労働者の権利と尊厳を守る上で労働組合が果たす役割を強調した。

トゥシャリ・ランブクポタ氏(SLT-Mobitel 人材開発部長)は、通信企業がますますテクノロジー企業へと変貌を遂げる中、継続的な学習と能力開発の必要性を強調した。

情報労連の入江優妃中央執行委員は、若者向け活動、国際連帯、多様性およびジェンダー平等の取組みに関する経験を共有した。同氏は、ICT産業は多様 な背景を持つ労働者なしに成り立たないこと、そして労働組合は誰もが参加し、意見を表明できる包摂的な組織を構築しなければならないことを強調した。

議論では、雇用影響評価、リスキリングおよびスキル転換の重要性に加え、若者の参加強化、ジェンダー平等、国際連帯の重要性が浮き彫りになった。

変化する労働力に対応する組織化

また、北野UNI Apro ICTS部会議長と木村担当部長は、スリランカ・テレコムの労働者を組織化している各労組と面会し、労働運動の動向や同産業における労働のあり方の変化について協議した。

各組合は、アウトソーシング、非正規雇用、リモートワーク、そして若い労働者層の期待の変化が、従来の組織化の手法をどのように変容しつつあるかを共有した。

北野議長は、若者の参加を促進し、労働組合のより広範な社会的役割を伝えるための新たな取組みを展開するよう、各労組に呼びかけた。また日本のNTTグループの経験を踏まえ、労働組合間の連携強化の重要性を強調した。

木村担当部長は、「 Media Pro-Tech 」を中心とした協力や、他国の労働組合との経験共有の価値に言及した。

会議では、雇用やテクノロジーの変化に対応する上で、より包摂的な組織化戦略、より緊密な協力、そしてより強力な国際交流が必要であることが確認された。

スリランカ・テレコムとの社会対話

スリランカ・テレコム(SLT)本社にて、代表団はモティラル・デ・シルバSLT会長およびM・リヤーズ・ラシードCEOと会談し、技術革新、雇用、人材開発、労使関係について意見交換を行った。

デ・シルバ会長は、デジタル化、AI、そしてデータの利用拡大が、テレコム産業における競争環境やビジネスモデルを変革していると述べた。また持続可能な事業運営のためには、技術開発と人材の両方への投資が不可欠であると強調した。

ラシードCEOは、AIやデジタル技術を通じて業務効率を向上させるためのSLTの取組みについて概説した。そして、この移行には労働力のスキルにおいて大幅な変化が必要となることを強調し、リスキリングや研修を通じて、雇用の維持と企業の競争力のバランスを取ることの重要性を指摘した。

またSLTの上級幹部は、従業員向けのAI教育を含む人的資本への投資を行っていることも明らかにした。議論では、急速な技術変革の時期において、安定した労使関係と継続的な対話が不可欠であること、そして組織変革には労働者の理解と信頼を確保することが極めて重要であることが認識された。

北野議長は、技術革新と雇用保護を対立する目標として扱うべきではないと強調した。また、AIが雇用に与える影響を徹底的に評価するとともに、リスキリングの措置を講じ、労働者や労働組合との継続的な対話を進めるよう求めた。

さらに、変革プロセスの初期段階から労働組合を関与させるべきであり、持続可能な事業成長と労働者保護のバランスを図るためには透明性のある対話が不可欠であると強調した。

SLTは、日本の労働組合との連携を強化し、今後の国際連携を拡大することに関心を示した。

北野UNI Apro ICTS部会議長は、「今回の訪問は、密度の濃い、非常に実り多いものとなった。ICTS部会加盟組織やスリランカ・テレコムの幹部と会談したことで、この分野で起きている変化についてより明確に理解することができた。この訪問を通じて、我々の関係が深まり、デジタル・トランスフォーメーションの形成において労働者と労働組合が有意義な役割を果たせるようにするという共通の決意がさらに強まったと確信している」と述べた。

  (2026年7月14日)


賃金交渉が膠着状態のハンガリーのイケア労働者、ストライキに突入

ハンガリーのイケア労働者が、使用者側との数回にわたる交渉が合意に至らなかったことを受け、2026年7月9日にストライキに突入した。同社がハンガリーでストライキを行うのは36年ぶりのことである。

交渉を通じて、UNI加盟組織KASZ が組織する労働者は、軽視され、先延ばしにされ、はぐらかされるだけの対応しか受けず、実質的な進展はなかったと述べている。労働者の忍耐は限界に達しており、多くの従業員は、経営側が自分たちの懸念を理解していないか、あるいは理解しようともしないと感じている。

労働者の要求は明確である:

  • ブルーカラー従業員に対する基本給の6%引き上げ
  • 年次賃金交渉の実施
  • 従業員代表と共同で策定した新たな報酬・福利厚生パッケージの導入
  • EUの賃金透明性指令に沿った給与帯の見直し
  • 団体協約締結に向けた準備

ハンガリーの労働法に基づき、ストライキ委員会は、ストライキ実施に先立ち、使用者側代表と正式な交渉を行った。7月10日以降、ストライキ委員会は、制限なく、いつでもさらなるストライキ行動を発表する可能性がある。

UNI欧州は、労働者およびその労働組合であるKASZと連帯し、イケアに対し、ハンガリーの全従業員に対して公正な賃金と公正な協定を提供するよう求めている。

(2026年7月9日)


UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会がネパールに関する決議を採択、労働者の力の構築に取組む

2026年6月10日、UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会が、東京の全印刷局労働組合本部にてハイブリッド形式で開催された。会議では、民主主義の擁護、組織化の強化、持続可能な労働組合の構築、そして技術革新に向けた労働者と労働組合の対応に焦点が当てられた。

シュレスタ委員(ネパール、IMPRESSION)からは、労働組合の法的地位を弱体化させたり、重要な意思決定機関から組合を排除しようとする動きなど、労働組合の権利に対する攻撃が激化していることに関する詳細な報告が共有された。これを受けて、委員会は連帯決議を採択し、UNI Aproに対し、ネパールの労働組合運動への国際的な支援の強化を求めた。これには、政府と対話し、労働者の基本的権利の保護を求める組合の要求を後押しするための国際代表団派遣計画への支援も含まれる。

会議の主要な焦点は、多国籍パッケージング企業における継続的な組織化活動であり、インドおよびパキスタンでのテトラパック・キャンペーン、ならびにマレーシア全土でのアムコール・ャンペーンに関する最新情報が報告された。

また会議では組合の財政的持続可能性の問題も検討され、組合費の設定や引き上げ、組合費の回収に関する成功事例、および組合員の定着率向上について議論が行われた。

さらに、組合が効果的に組織化を行うために必要な資源を確保し、労働者が組合を通じて生活を向上させるための資源を得られるよう、より広範な取組みの一環として、組合費を労働者の給与の約1~2%とすることについて議論が交わされた。

UNI加盟組織であるオーストラリア製造労働組合(AMWU)に所属するトニー・ピッコロUNI Apro印刷・パッケージング部会議長は、印刷・パッケージング部門、特にテトラパック、DIC、アムコールといった主要な多国籍企業の職場において、組合は組織化に向けた長期的な取組みが必要であると述べた。同氏はさらに、労働組合は「組織化を行うだけでなく、極右勢力に立ち向かい、各産業の労働者を守るための十分な資源力を含め、組織を効果的に機能させる水準で組合費を徴収しなければならない」と付け加えた。

会議では続いて、印刷・パッケージング産業全体における人工知能(AI)の急速な普及とデジタル・トランスフォーメーションについて議論が行われた。出席者は、AIが労働に与える影響、組合の効率化や組織化のためのデジタルツールの活用、さらなる研修と能力開発の必要性、そして新技術の導入に伴い労働者の権利を守る重要性について議論した。
ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、この地域全体で労働者の権利に対する圧力が増大する中で、国際的な連帯が不可欠とした上で、「ある国の労働組合が攻撃を受けるとき、それは我々全員への警告であり、国境を越えて共に行動することが最も強力な対応であるということを改めて思い起こさせるものだ」と語った。

安部正全印刷局労働組合委員長は、業界が変化し続ける中、議論を通じて地域間のより深い協力の重要性が示されたと述べ、「今回の会議では、印刷・パッケージングおよび関連産業における急速な変化に先んじ、この激動の時期に労働者の雇用、権利、生計が確実に守られるよう、地域全体の労働組合間でさらに緊密な連携が必要であることが示された」と述べた。


MENA地域の労働組合、BPO業務に伴う心理社会的リスクの労災認定を求める

中東・北アフリカ(MENA)地域のビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)産業の労働組合は今後、心理社会的リスクを労災認定すること、そして労働組合の関与のもとでの予防策の策定を求めていく。

この方針は、2026年6月24~25日の2日間にわたりモロッコ・カサブランカで開催されたセミナーで決定された。セミナーはUNIとフリードリヒ・エーベルト財団(FES)が共催した。BPO産業の各企業から、企業のさまざまな階層に属する約40人が参加し、男女比は均等だった。チュニジア労働者総同盟(UGTT)とモロッコ労働組合(UMT)も参加した。

参加した各労組は、地域の各国政府およびBPOサービスを利用する国際的なクライアントに対し、労働者の基本的権利を犠牲にすることなく成長していくことを求め、結社の自由と団体交渉権の尊重こそが、未来のデジタル経済の基盤でなければならないと訴えた。

急成長する産業の背後に健康リスク
この産業は同地域で急速に拡大しているが、低賃金、長時間労働、不規則なシフト、高い離職率、そして厳しい業績監視が伴うことが少なくない。UNIは、産業の成長はそれを牽引する労働者にも恩恵をもたらすべきだと主張している。

2日間にわたる議論の多くは、BPO業務でますます一般的になりつつあるコンテンツ・モデレーションに焦点が当てられた。不快なコンテンツに継続的にさらされるため、高リスクな職業となっている。こうした状況において、BPO産業における心理社会的リスクを労災として認定すること、および労働組合の積極的な参加のもとで策定された予防措置の整備が求められている。

キース・ジェイコブスUNIアフリカ地域書記長は、「中東および北アフリカ全域において、過重な業務量、低賃金、長時間労働、容赦ないノルマは、この産業における『底辺への競争』に対して労働者が負わされている代償だ。だからこそ、労働者が声を上げ、行動を起こすことが極めて重要だ。我々は、この仕事がもたらす心理的・身体的負担を軽減し、労働安全衛生法を通じてそれが認識され、対処されるようにしなければならない」と強調した。

新しいILO条約の批准を求める声
セミナーの冒頭でミルーディ・ムハリクUMT書記長は、モロッコ政府に対し、2026年6月に採択された「プラットフォーム経済におけるディーセントワークに関するILO第193号条約」の批准を強く求めた。同氏は、UMTがすでに政府にこの件について書簡を送っており、同産業の労働者には組織化や団体交渉を行うための実践的な手段が必要であると述べた。

UMTは、法的な抜け穴を埋めるために批准を求めている。同労組は声明の中で次のように述べた。「UMTはモロッコ政府に対し、国内の労働法をこの最新のILO条約に整合させるよう求める。これにより、特にアルゴリズム、雇用関係、生成AIの利用に関して、BPO産業に影響を及ぼしている法的な抜け穴が埋められることになる。」

ILO第193号条約は、2026年6月12日に開催された第114回ILO総会で採択された。これはプラットフォーム経済に関する初の拘束力ある国際労働基準であり、加盟国が批准して初めて労働者を保護することになる。セミナーでは、MENA地域の各国政府に対し、速やかな批准を求める声が上がった。

労働組合の強化
UNIは、こうした状況を変えるための主な手段として、労働組合の組織化を位置づけている。カサブランカでのセミナーは、『アフリカのテック労働者、立ち上がろう』イニシアティブの一環であり、UNI 世界ICTS部会がMENA地域で展開する活動の一環でもある。この活動は、加盟組合が同産業の多国籍企業とより効果的に交渉できるよう支援するものである。

(2026年7月7日)


UNI欧州、欧州委員会金融安定・金融サービス・資本市場同盟総局との対話25周年の節目

欧州全域の700万人の労働者を代表するUNI 欧州と、欧州委員会の金融安定・金融サービス・資本市場同盟総局(DG FISMA)は、2026年6月23日、欧州金融産業の規制に関する体系的かつ正式な対話が25周年を迎えた。

この継続的な取組みにより、銀行、保険、金融サービス部門の労働者は、現場での経験を欧州委員会の政策立案に直接反映させるためのパイプを得ることができた。デジタル化、人工知能、グリーン移行によって推進される急速な変革の時代において、労働者の視点は周辺的な関心事ではなく、効果的かつ正当で公正な規制にとって不可欠な要素である。

この対話は25年間にわたり、強固な金融規制と労働者の権利保護が、対立するものではなく、互いに補完し合う目標であることを実証してきた。金融産業の労働者は、金融サービスを機能させる人的資本であると同時に、健全な規制が最終的にサービスを提供する受益者の市民でもある。

不平等、技術革新、気候変動に関連する世界的なリスクが深刻化する中、政策立案者と労働界との間で持続的かつ体系的な対話を続ける必要性は、かつてないほど高まっている。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「25年にわたり、UNIとUNI欧州金融部会は、金融産業の労働者の声を欧州の政策決定に直接反映させてきた。この関係は、重要な事実を反映している。すなわち、この産業を機能させている人々の労働生活をどのように形作っているかを理解しなければ、効果的な金融規制を構築することはできないということだ。我々は、この対話によって達成された成果を誇りに思うとともに、今後の課題が規制当局と労働者の間のこれまで以上に緊密な協力を必要としていることから、対話をさらに深化させることに尽力していく」と述べた。

マイケル・ブドルフセン会UNI欧州金融部会議長は、「労働者と政策決定者との間の25年にわたる構造化された対話は、単なる節目ではない。それは、制度が民主主義のための場を設けることで、民主主義が機能することを証明するものだ。金融産業の労働者は、規制の傍観者ではなく、その人間的な基盤そのものです。この節目は、最も持続可能な政策とは、影響を受ける人々を排除してではなく、彼らと共に築かれるものであることを改めて思い出させてくれる」とコメントした。


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