3月 2026のお知らせ

原則から実践へ:欧州金融部門の社会パートナーが責任あるAIガバナンスを推進

欧州の金融部門の労使が2026年3月上旬、デンマーク・コペンハーゲンでワークショップを開催し、銀行や金融機関における生成AIの責任ある導入方法について議論した。イノベーションが質の高い雇用、信頼、持続可能な競争力を強化する形で導入されるようにするためである。

EU資金のプロジェクト『持続可能で公正なサービス経済にむけて生成AIを形づくる』の一環としてデンマーク金融労組が主催したこのワークショップには、欧州各地の労働組合代表、使用者、研究者が集結。経験の共有と、金融部門におけるAIガバナンスの優先課題の特定が行われた。

開会挨拶でモーリーン・ヒックUNI 欧州金融部会担当部長は、金融部門におけるAI議論が既に理論段階を超えていると強調し、「生成AIは金融業務の組織形態、意思決定プロセス、労働者に求められるスキルを変革している。真の課題は技術導入の是非ではなく、そのガバナンス方法と、社会パートナーが初期段階から形成に関与できるか否かにある」と述べた。

本ワークショップは、2024年に欧州銀行業界の社会パートナーが共同で発表した『人工知能の雇用面に関する共同宣言』を基盤としている。マイケル・ブドルフセンUNI欧州金融部会議長は、欧州の社会対話の真価は、共同のコミットメントを欧州の銀行業界全体で実践に移すことにあると強調し、「欧州レベルでの取組みは、各国の枠組みや産別協定、欧州各地の職場における具体的な実践に反映されて初めて真の意味を持つ」と指摘した。

UNI 欧州金融部会で欧州銀行部門社会対話コーディネータを務めるアルネ・フレドリク・ホーシュタイン・ノルウェー金融労組副委員長は、欧州は技術変革の管理において独自のアプローチを有するとした上で、「我々はシリコンバレーではない。欧州では技術変革は対話、民主的機関、社会パートナー間の協力を通じて形作られるべきだと信じている。人工知能は金融部門を急速に変革しているが、この変革が信頼・技能・質の高い雇用を強化するためには、強力な社会対話が鍵となる」と発言した。

コペンハーゲン大学のアンナ・イルソー准教授は、責任あるAIの交渉と強力な労働市場制度を通じたデジタル変革管理に関する北欧諸国の研究の知見を共有した。労働者の早期参画、能力開発、集団的対話の重要性を強調する一方、新たなデジタル格差や訓練を受ける機会が不平等であることについて、警戒を促した。

参加者は、金融部門における生成AIの影響評価プロジェクトから得られた知見について議論した。同プロジェクトは生産性向上の可能性やサービス改善の機会を特定する一方、バイアス・透明性・監視・雇用の置き換えに関連するリスクも指摘している。そしてAIが質の高い仕事を代替することなく強化するようにしていくためには、人間の監視・強固なガバナンス・研修へのアクセスが不可欠であることが強調された。

2つのパネル討議では、金融機関におけるAI導入の実践的課題を探った。職場向けAIガイドラインの策定、研修施策、ガバナンス枠組みなどが議論され、高レベルのコミットメントと現場実施の間に生じうる乖離が指摘された。社会対話と団体交渉を通じ、原則を具体的な実践へと転換していくことの重要性が強調された。

参加者からは、AI研修を受ける機会が不平等であることや、デジタルスキルにおけるジェンダー格差拡大のリスクへの懸念も表明され、全ての労働者が技術革新の恩恵を受けられるよう包摂的な研修戦略の必要性が強調された。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、金融部門で進む変革が業界を超えた広範な影響を及ぼしている点を強調した。また金融は欧州の経済・社会生活の中核に位置するため、AI導入に関する決定は大陸全体の企業、地域社会、家庭に影響を及ぼすと指摘した。

労働組合にとって優先課題は明確である:労働者がAIに関する意思決定に早期から関与すること、ガバナンス枠組みが労働者の権利を保護すること、そして団体協約が部門全体において新たなテクノロジーの責任ある導入を導くことである。


ガーナの医療従事者、組合研修でジェンダー平等に関する意識を高める

長年にわたり、アデレード・アモア氏は、コフォリドゥアの東部地域病院で行われる議論を、ただ見守るだけであった。「私たちにはアイデアがあっても、発言力や自信に欠けていた」と議論に参加しなかった過去を振り返る。

だが、UNIとガーナ保健サービス労組(HSWU)が2025年9月に港町テマで主催した、労働安全衛生およびジェンダーに基づく暴力防止に関する研修に参加したことを契機に、状況は変わり始めた。

ドイツ国際協力公社(GIZ)が資金提供した『ケア部門における能力開発プログラム』の一環として実施されたこの研修は、職場の安全とジェンダー平等に関する労働者の理解を深めることを目的としていた。

研修は、職場の力学に配慮した構成となっており、女性たちはまずリーダーシップに関するセッションに参加してサポート体制の整った環境の中で自信を築いた後、ジェンダーバイアスや職場でのハラスメントといったデリケートなテーマに取り組む男女混合のワークショップに加わった。男性も専用のセッションを受け、ジェンダー役割に関する自身の固定観念を検証するよう促された。

アモア氏にとって、この研修は職場における自身の役割について見方を変えるものとなり、「私にとっての変化は、女性自身が能力を高め、自信を持って意思決定の場に加わらなければならないと気づいたこと。法律は私たちを後押ししてくれるが、私たち自身も一歩踏み出さなければならない」と述べる。

病院に戻ったアモア氏は、同僚との議論の中で積極的に意見を述べるようになり、今では自身の提案が検討され、取り入れられている。「自分の存在が認められ、大切にされていると感じる」と語るアモア氏は、他の女性たちに対しても、職場で自分の権利を主張し、キャリアアップを目指すよう働きかけ始めた。

同じく研修に参加した主任眼科技師のトマス・ブルサ氏にとって、この研修は職場だけでなく、家庭生活についても考え直すきっかけとなった。

ブルサ氏は、自らは公平に女性を扱っているつもりであったが、文化的な規範が依然として女性に重い負担を強いていることに気づいたと言う。研修後は子供たちと機会均等について率直に話し合うようになった。また、このプログラムが「共に進むこと」を重視していた点が特に意義深かったと述べ、「研修から得た最も貴重な教訓は、集団としてのエンパワーメントの重要性。真の達成とは、一人で頂点に立つことではなく、他者を高め、誰もが成功する機会を得られるようにすること」と語った。

参加者は、女性のリーダーシップに関するセッションと男女混合の対話が組み合わさったこの研修が、個人的そして職業的な変化のための場を生み出したと語る。ブルサ氏は、「平等への道のりはまだ長く続いている。それにむけた一翼を担う覚悟ができた」と語った。

アデレード・アモア氏とトーマス・コフィ・ブルサ氏は、2025年9月にガーナ・テマで開催された「女性リーダーシップおよび労働安全衛生(OSH)/ジェンダーに基づく暴力とハラスメント(GBVH)」研修に参加した。この研修は、ドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)の資金提供を受け、UNIがHSWUと提携、GIZの「ケア部門における能力開発プログラム」と協力して実施したものである。


グーグル韓国労組、交渉の行き詰まりを受けストライキを警告

グーグル韓国の組合員は、初の基本団体協約をめぐる交渉が3年間停滞している中、2026年3月12日に予定されている労使交渉で会社が信頼できる提案を示さない場合、闘争を無期限ストライキへとエスカレートさせる可能性があると警告した。

組合の要求事項は以下の通りである:
• 組合が不当解雇および職場からの強制的な排除と呼ぶ行為の停止。
• 団体協約の交渉、
• マイクロソフト、オラクル、SAP、HPなど韓国の他のIT企業と同様に、選出された労働組合代表に対する組合活動のための休暇の保証。
• グーグル韓国法人のCEOによる交渉への直接参加。

韓国金融サービス労組(KFWU)傘下のグーグル韓国労組は、この紛争は、「継続的な反組合的行為」「雇用の不安定さ」、そして従業員を会社から追い出すために業績管理システムが不正に利用されていることに起因すると主張している。

同労組は、「定期的な強制退職」や「業績不振とみなされた従業員の解雇」のような雇用不安に対処するため、2023年4月に結成された。結成直後に団体交渉を開始したにもかかわらず、経営陣との交渉でまだ団体協約は締結されていない。

グーグル韓国労組のキム・ジョンソプ委員長は、「現在、組合員は全従業員の3分の1を占めるが、社内メールの使用が制限されているため、組合活動を続けるために私的な時間を使っているという」と説明し、さらに「会社側が『グーグリネス』と呼ぶ、敬意を重んじる文化は、労働組合には適用されていない」と主張した。特に、AI技術の普及により雇用不安が高まっている状況下で、同社が形式的な回答を繰り返しているだけだと批判した。

クァク・チャンヨン韓国マイクロソフト労組書記長は連帯の意を示し、「AIへの移行期において、労使間の信頼と対話はより重要だ。責任ある交渉体制が整ってこそ、対立は解消される」と述べた。

グーグル韓国労組によると、同社の韓国法人トップは過去3年間、労使交渉に出席せず、議論を人事部長に委ねてきたという。また組合側は、同社はソウルオフィス内での交渉会場の提供を拒否し、交渉を外部の会場で行うことを余儀なくされたと述べた。

組合側が、業績改善プログラム(PIP)の悪用であると主張している問題をめぐり、緊張が高まっている。組合は、このプログラムが業績改善を支援するのではなく、従業員を解雇するための手段として利用されているとしている。

組合幹部らはまた、懲戒手続きについても批判している。解雇通知直後に警備員がノートパソコンを没収し、システムへのアクセスを遮断し、従業員を強制的に退去させるといった行為は、屈辱的であり、韓国の労働基準に反するものであると述べている。

昨年、組合はソウル地方労働委員会に紛争調停を申し立て、同委員会は選出された組合役員に対し3,000時間の有給休暇を付与するよう勧告した。だが組合によると、会社側はこの勧告を無視し、法的に定められた最低限の組合活動のための休暇の付与さえも拒否し続けているという。韓国における一般的な労働組合モデルでは、(専従者ではない)選出された組合役員が組合活動を行うための有給休暇が認められている。

2025年12月以来、組合員たちはソウルにあるグーグル韓国本社のロビーで毎週ピケや集会を行っている。2026年1月には、交渉が進展しない場合、ストライキを行うことについて、労働者の95%が賛成票を投じた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「グーグル韓国の労働者は、労働者の権利が尊重されることと、経営陣との真摯な対話を求めている。グローバルなテック企業は、事業を展開するあらゆる場所で、社会対話と公正な労働慣行に関する同一の基準を遵守しなければならない。我々は組合と連帯し、グーグルに対し誠意を持って交渉し、公正な合意に達するよう強く求める」と述べた。

組合幹部は、今も対話を通じた紛争解決を望んでいるものの、労働者の忍耐も限界に近づいていると警告している。

組合の要求には、団体協約の締結と3,000時間の休暇保証の受け入れ、グーグル韓国CEOによる交渉への直接参加、不当解雇および強制立ち退きの停止などが含まれている。グーグル韓国労組は、「対話による解決を望んでいるが、 これ以上、時間稼ぎは許容できない」と語気を強めた。


UNI欧州の報告書、サービス産業における団体交渉の課題を分析

欧州の労働力の大半なしているのは、民間サービス部門である。この部門の労働者は、成長と革新を牽引しているにもかかわらず、取り残されている。団体協約の適用対象となっている労働者はわずか48%であり、非サービス部門の63%、公共サービス部門の75%と比べて大きく低い数字だ。

これは単なる数字だけの問題ではない。商業、情報通信技術(ICT)、宿泊・観光、金融など多岐にわたる部門で働く何百万人もの労働者が、団体協約による保護と公正な賃金を得られていない現実を表している。この格差は不安定な雇用契約、低賃金、脆弱な雇用保障につながっており、欧州最大の労働力にとって憂慮すべき傾向だ。

サービス産業で団体協約の適用範囲が低い理由を解明するため、UNI欧州はVisionary Analyticsに報告書「サービス業における団体交渉の課題」の作成を委託した。報告書は統計分析、文献レビュー、欧州全域の労働組合員20名へのインタビューをまとめたものだ。

報告書で明らかになったのは主に以下の点である:
• サービス産業の労働力はより細分化され不安定であり、パートタイム契約の増加、高い離職率、零細企業の急増が見られる。
• サービス産業の労働組合は、組合加入率の低下、限られた資源、絶えず変化する労働力といった状況に直面する一方で、組合の構造は依然として旧来の枠組みに縛られていることが多い。
• サービス産業の使用者は高度に分断化されており、大半の企業は規模が小さすぎるか、団体交渉に消極的である。フランチャイズ、アウトソーシング、プラットフォーム労働は責任の所在を曖昧にしている。
• 旧態依然とした法的枠組みは大規模で安定した職場向けに設計されたが、組合承認のハードルの高さ、労働者を「自営業者」とする誤分類、執行力の弱さは、現代のサービス経済の実態を反映していない。

本報告書の結論は明確である。EUが「適正な最低賃金指令」(団体交渉適用率80%という政治的目標を設定)を真剣に推進しようとするならば、サービス産業における団体交渉を阻む制度的障壁に緊急に対処しなければならない。報告書は政策立案者から労働組合、使用者に至る全ての関係者に提言する措置を提示して締めくくっている。


女性労働者のリーダーシップ:ペルーの銀行労組

今日、パトリシア・サラザール委員長が率いるサンタンデール銀行労組は、強力なリーダーシップと組織、そして労働組合の国際連帯が困難な状況下でも労働者の権利を守りぬくことを示す力強い事例となっている。パンデミック中、組合の下に団結した労働者は、国際連帯の力を得て、法的措置と抗議活動を通じて大量解雇に立ち向かった。UNIや連帯組織の後押しを受け、ペルーの同労組は最終的に解雇の撤回と組合員の再雇用確保に成功した。

2025年2月28日、スコシアバンクグループは金融部門をサンタンデールグループに売却することを決定し、労働者にとって新たな局面が幕を開けた。この状況下で組合は組織の継続、雇用安定の確保、企業間移動する労働者の地位保護を図りつつ、名称をクレディスコシア銀行労組からサンタンデール銀行労組に変更するプロセスを開始した。

組合の要求事項には、労働者への情報提供と組織化に不可欠な手段である組合掲示板へのアクセス権など、基本的な労働組合権の尊重が含まれた。サラザール委員長は、「些細な要求に見えるかもしれないが、この権利の承認を得るために8年以上も闘ってきた我々にとって、これは重要な成果。法律で定められた権利でありながら、多くの企業が未だに抵抗している」と述べる。今日、サンタンデール銀行は組合の闘いのおかげで、ペルーで唯一組合掲示板の使用が認められている銀行である。

同委員長は、「組合組織の強化と決定的局面における労働者支援の全過程においてUNIの支援は極めて重要だった。サンタンデール銀行労組の国際的なネットワークからの支援は、スペイン本部の組合と連携した具体的な行動を通じて、労働者の権利のための闘争を持続させ、組合員にとっての具体的な進展を確固たるものにした」と振り返り、「この経験は、労働組合の国際連帯が具体的な成果—権利保護、組織強化、より強固で民主的な組合構築の進展—につながることを示している」と結んだ。

コロナ禍からのプロセス

2020年10月、当時スコシアバンクグループ傘下だったクレディスコシア・フィナンシエラは、100人以上の組合員と執行委員全員を含む350人の労働者を対象とした集団解雇手続きを実施する計画を発表した。この措置は労働者の雇用だけでなく、労働組合そのものの存続をも脅かした。

労働者の権利を防衛する闘争を主導したサラザール委員長は、「パンデミックの最中に解雇されることは、実質的に飢え死にを意味した」と語る。その後数か月間、組合は動員と法的防衛の強力なキャンペーンを展開し、組合員は20回以上のデモ行進を組織し、国家労働監督庁(SUNAFIL)、労働省、司法機関への申し立ても行った。

この過程には困難な局面もあった。ある動員活動の中で、組合幹部は拘束され暴行を受け、数日間にわたって投獄された。組合員の約60%を占める女性労働者も抗議活動中に虐待的な扱いを受ける事態に直面し、労働者の権利を守る上で女性が直面するさらなる困難を浮き彫りにした。

この闘争で組合は最終的に、集団解雇の撤回と組合員の復職を勝ち取ったのである。パンデミック下でペルーの多くの企業が同様の措置を講じていた状況下にあって、特に意義深い成果と言える。


アイルランドのテック労働者、結束して組織化へ

●アイルランドのテック労働者が組織化:TikTok、アクセンチュア、コバレンなどの企業から労働者が集結し、「デジタル・テック労働者アライアンス」のフォーラムおよび年次総会が開催された。
●不安定な労働条件が組合結成を推進:解雇、長時間労働、過激なコンテンツへの曝露、高ストレス、生活費の高騰がテック労働者を組織化へと駆り立てている。
●世界的な潮流:アイルランドのテック労働者は、権利と労働条件改善を求めて組織化する国際的なテック労働者の運動の一端を成している。

アイルランドのテック労働者は、低賃金や不安定な雇用に直面し、職場での発言権のを欠く中、結束して組織化を進めている。労働者たちは、アイルランドのUNI加盟組織である通信労組(CWU)傘下のデジタル・テック労働者アライアンス(DATA)を通じて組合結成を進めている。

2026年 2月28日(土)に開催されたDATA主催のテックフォーラムでは、TikTokやアウトソーシング大手アクセンチュア、コバレンなどの企業から集まった労働者が、組織化と労働者力の構築に取り組んだ1年を振り返った。

フォーラムでは、民主主義・安全・権利に影響を与えるシステムの管理者として、 テック労働者が 必要不可欠なデジタルインフラを維持していることが強調された。組織化により労働者は自らの労働条件を改善できるだけでなく、集団的な力を用いて、自らが構築・監視するテクノロジーが安全で説明責任を果たし、企業の利益だけでなく公共の利益に資するようにすることができる。

参加した労働者はこのイベントの中で、長時間労働、ストレス、絶え間ない解雇の脅威への不満を表明した。こうした世界中のテック労働者に共通する状況が、アイルランドの労働者を「条件改善の唯一の手段」として組合結成へと駆り立てている。

オルグを務めるCWUのジョン・ボーハン氏は、「アイルランドのテック労働者はあらゆる側面から脅威に晒されている。社会的には高騰する家賃、崩壊しつつある公共サービス、そして使用者による支配がますます強まる状況に直面している。ビッグテックがそれをAI自動化と呼ぼうが、アウトソーシングや人員削減と呼ぼうが、結末は同じだ——テック労働者は、過剰な権力と限界を知らない利益追求に駆られた使用者からの脅威に晒されている。今、デジタル・テック労働者アライアンスを通じて彼らは立ち上がり、反撃しているのだ」と訴えた。

アイルランドの多くのテック労働者は移民労働者であり、ダブリンの高額な家賃と上昇する生活費に苦しんでいる。彼らは特にビッグテックの需要変動の影響を受けやすく、ほとんど予告なしに大規模な解雇が発生する可能性がある。

この傾向はコバレン社で顕著であり、2026年前半にメタ社のコンテンツモデレーション担当者のうち数百名が解雇された。これに対し労働者はストライキを連発し、会社側に組合の承認と対話に応じるよう要求している。同国では企業が労働組合を承認したり団体交渉を行ったりする義務がないからだ。

ベン・リチャーズUNIシニア政策担当は、「結社の自由と団体交渉権の尊重は、我々の活動の基盤だ。本日の講演者も国際連帯の重要性を強調したが、これはUNIの使命の中核をなしている。つまり、権利とより良い未来を求めて闘う世界中の労働者と連携し、皆様と共に活動することだ」と述べた。また同氏は、UNIのグローバルコンテンツモデレーター・アライアンスと、労働者の権限強化に向けた取り組み、さらにソーシャルメディア上のコンテンツ監視によるメンタルヘルスへの影響を最小化する方法を定めた同部門向けの安全衛生プロトコルについても言及した。

マイクロソフト、グーグル、アマゾンといった企業やコンテンツモデレーション業界全体で、労働者は組織化を進め集団的権力を構築している。ドイツのUNI加盟組織ver.diのダニエル・グティエレス氏は、ベルリンにおけるTikTok労働者の組織化に関する同労組の経験を共有した。


国際女性デー:カナダ郵便労組の女性リーダーからメッセージ

今年の国際女性デーに際し、カナダ郵便労働組合(CUPW-STTP)のジャン・シンプソン委員長にスポットライトを当てる。同氏はカナダで全国規模の労働組合の委員長となった初の黒人女性であり、昨年はUNI世界郵便・ロジスティクス部会議長に4年の任期で選出された。以下のインタビュー記事から、ぜひ同氏の組合運動にかける情熱を感じていただきたい。

UNI世界郵便・ロジスティクス部会議長を務めることになったご感想は?
非常に光栄であると同時に大きな責任を感じています。この職は、急速な技術革新、産業の再編、労働条件への圧力といった多くの共通課題に直面している世界中の郵便・ロジスティクス部会の労働者からの信頼を背負うものです。私にとってこれは、労働者の声が世界的に届くようにし、良質な雇用と公共郵便サービスを守るための強力で連携のとれた戦略を構築し続けるということです。

なぜ国際連帯が重要なのでしょうか?
グローバルな連帯が不可欠なのは、私たちの業界を形作る企業や勢力が国境を越えて活動しているためです。労働者が自国内に孤立したままでは効果的に対応できません。国を超えて労働組合が連携すれば、戦略を共有し、争議で互いを支援し、賃金・労働条件・職場での尊重に関するより強固な基準を設定できます。連帯することによって、ある国での進展が世界中の労働者を支える力となり、使用者が労働者を対立させることを許さないのです。

UNIの一員であることがカナダの郵便労働者にどう役立っているのでしょうか?
UNIの一員となることで、カナダの郵便労働者は同様の課題に直面する世界的な組合ネットワークとつながることができます。この連携を通じて、私たちは郵便サービスの未来に向けた交渉力と提言力を強化するアイデア、研究、組織化戦略を共有しているのです。また、ロジスティクス部門とEコマースの変革に関する世界的な議論にカナダの労働者が参加できるようにし、産業が進化する中でも労働者の権利が中心に位置づけられるようにします。

UNI世界郵便・ロジスティクス部会議長として、この部門におけるあなたの目標は何ですか?
郵便・ロジスティクス部門の労組間の国際的な連携を強化し、業界が変化する中においてもディーセント・ワークを保護し、そしてEコマースと新技術の成長から労働者が確実に恩恵を受けられるようにすることです。公正な賃金、安全な職場環境、安定した雇用を推進すると同時に、持続可能で現代的な公共郵便サービスの擁護も求めていかなければなりません。もう一つの優先事項は、若い労働者を支援し、運動全体における代表性と包摂性を高めることで、次世代労組のリーダーシップを構築することです。

国際女性デーにあたり、志を持つ女性労働組合員の方々へのメッセージをお願いします。
私のメッセージは、あなたの声が重要だということ、女性がリーダーシップをとる時、私たちの運動はもっと力強くなるということです。労働組合はあらゆるレベルで女性の視点、経験、リーダーシップを必要としています。障壁は依然として存在するかもしれませんが、女性が前に進み、互いを支え合い、当然の地位を主張する時こそ、前進することができるのです。国際女性デーに際し、運動に関わるすべての女性に、参加し、声を上げ、リーダーシップをとるよう呼びかけます。労働運動の未来はそれに懸かっているからです。


3月8日は国際女性デー:ジェンダーの視点に立った交渉で平等を勝ち取ろう

2026年3月8日の国際女性デーにあわせ、UNIは職場におけるジェンダー平等の推進における労働組合の重要な役割を強調し、新たなマニュアル『ジェンダー視点に立って団体交渉を進めよう』を発表する。

職場における平等の進展は依然として不均等だ。現在の推計では、職場のリーダーシップにおけるジェンダー平等な代表性を達成するには140年かかる可能性がある。世界的に、女性の平均賃金は男性より20~30%低く、育児介護の責任を理由に労働市場から離脱する女性の割合は男性の9倍に達する。

同時に、ジェンダー平等へのバックラッシュが拡大している。虚偽情報キャンペーン、反フェミニズム的言説、女性権利擁護者への攻撃が激化し、新たな差別形態を正常化させ、先人たちが職場で苦難の末に勝ち取った保護が危険に晒されている。

労働組合が交渉にジェンダー視点を組み込むことで、使用者との団体交渉は賃金や労働条件を決定するだけでなく、平等と社会正義のための変革ツールとなり得る。

ヴェロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、「団体協約が職場の構造的不平等に対処するよう、もっと多くの女性が交渉の場に立つ必要がある。賃金だけでなく、暴力やハラスメントからの保護、ワークライフバランス、親の権利、女性の健康に関する規定など、女性が職場に留まり活躍するための課題に取組むが重要だ。この新しいマニュアルは、不平等を排除するために、団体交渉の核心に女性のニーズを据えることを目的としている」と述べた。

ジェンダー視点に立った団体交渉で以下のことが可能になる
• 透明性のある賃金体系と賃金監査による賃金格差の是正
• ILO第190号条約に沿った職場における暴力・ハラスメント防止策の確立
• 共同責任措置と柔軟な制度による無償のケア労働への対応
• 女性や社会的弱者層のリーダーシップへの道筋の創出
• 組合員数の増加、代表性の強化、民主的プロセスの促進

労働者のニーズを反映したジェンダーに配慮した団体交渉は、組合への参加と加入率を高め、組合を強化する。新たなマニュアルには、アルゼンチン、オーストラリア、コスタリカ、モロッコ、スウェーデンのUNI加盟組織による、女性のための団体交渉の成果事例が掲載されている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「女性の権利に対する全面的な攻撃が増加し、公共空間や職場における性差別が常態化しつつある状況の中で、我々は2026年の国際女性デーを迎える。だからこそ、労働組合が女性の関心事について進展を要求するために立ち上がることは、これまで以上に重要だ。育児休暇やセクハラ防止など、本マニュアルで取り上げる課題は交渉の場で最優先課題とされねばならない。女性の居場所は組合の中にあるということを、決して忘れてはならない」と訴えた。


国際産業別労働組合組織はイラン・中東における即時停戦と軍事的エスカレーションの終結を求める

UNIは他の国際産業別労働組合組織(GUFs)と共に、米国及びイスラエルによるイランへの軍事攻撃、並びにこれらが招いた紛争の激化を非難する。共同声明は以下の通り:

共同声明に署名したGUFsは、米国とイスラエルによるイランへの最近の軍事攻撃、特に民間人の死傷や学校・医療施設を含む重要な公共インフラの破壊をもたらした空爆を非難する。

これらの行動は国連憲章及び国際人道法に対する重大な違反であり、その人的被害が圧倒的に労働者階級に押し付けられている紛争をさらに激化させるものである。

労働者、民間人、公共機関は軍事作戦の標的となってはならない。学生、教師、教育関係者の殺害・負傷、学校や病院などの保護された民間施設の破壊は許されず、断固として非難されねばならない。

GUFsは、イランによるその後の報復攻撃にも懸念を抱いている。エスカレーションは不安定化を助長し、民間人の生命を脅かすだけである。港湾・空港・海上における移民労働者や運輸労働者(既に地域全体に広がる暴力で死傷が報告されている)は交戦状態に巻き込まれており、地域をより広範で壊滅的な戦争に陥れる危険性がある。

世界の労働組合運動は、暴力の連鎖を助長し、平和・正義・多国間協力の基盤を損なう武力行使を拒否する点で結束している。武力衝突ではなく外交こそが、安全保障と恒久的な平和への唯一の正当な道である。

様々な部門・大陸の何百万もの労働者を代表する組合として、我々は国際社会に対し以下を要請する:

  • 全ての当事者による武力行使を非難し、さらなるエスカレーションを防止すること
  • 即時停戦と完全な緊張緩和を確保すること
  • 国連のより強化された調整機能を包む外交と対話を優先すること
  • 国連憲章や民間人保護を含む国際法を擁護すること
  • 学校、病院、職場などの重要な公共インフラを保護すること
  • 地域全体における人権、労働者の権利、民主的自由、結社の自由を擁護すること

GUFsは、イラン及び地域全体の労働者、独立した労働組合、コミュニティと揺るぎない連帯を表明する。権威主義的統治と軍事化の論理によってあまりにも頻繁に沈黙させられてきた労働者の声が、必ず聞き届けられるようにしなければならない。イランの未来、そして地域の未来は、外部からの侵略や内部の抑圧から解放された、その地域の人々自身によって決定されなければならない。

我々は、紛争が交渉によって解決され、多国間主義が強化され、全ての人々が安全と尊厳、民主主義と平和の中で暮らし働く権利を有する世界の構築にむけた揺るぎない決意を改めて確認する。

署名団体:

  • 教育インターナショナル
  • 国際家事労働者連盟
  • 国際公務労連
  • 国際ジャーナリスト連盟
  • 国際運輸労連
  • インダストリオール・グローバルユニオン
  • UNI グローバルユニオン
  • 国際食品関連産業労働組合連合会
  • 国際建設林業労働組合連盟

イタリア当局、アマゾン子会社による従業員個人情報利用を禁止

イタリアのデータ保護当局は、大手Eコマース企業アマゾンの現地物流子会社に対し、ローマ近郊の倉庫で働く1,800人以上の従業員の個人情報利用を停止するよう命じた。プライバシー規則に対する重大な違反を犯していることが理由だ。当局によれば、アマゾンが収集し複数の管理職と共有した情報には、労働組合活動やストライキ活動の詳細、病歴や病気の親族、離婚などの家族状況といった機微な情報が含まれていた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この裁定は、労働者と労働組合が長年訴えてきたことを裏付けるものだ。職場において過度に人権侵害的な監視や極めて個人的な情報の収集は許されない。雇用主は労働者のプライバシー、尊厳、結社の自由という基本的権利を尊重しなければならない。医療歴、家族状況、組合活動が監視されたり、不利に利用されたりする恐れを抱くべきではない」と指摘した。

当局は2026年2月下旬、アマゾン・イタリア・ロジスティカに対し、パッソ・コレーゼ施設で収集したデータの処理を停止するよう命じた。これにはトイレや休憩エリア付近に設置された4台の監視カメラで収集された情報も含まれる。また、プライバシー法に違反して取得した個人データの取り扱いを停止するよう命じた。

この禁止措置は、2週間前にパッソ・コレーゼ施設で実施された検査を受けて発令されたもので、雇用期間中に収集され最大10年間保持される情報に適用される。当局は、さらなる違反の可能性について調査中であると付け加えた。

今回の判決は単独の事例ではない。アマゾンが労働者の権利を侵害し、監視・組合潰し戦術・脅迫して組織化活動を妨害するという、懸念すべき世界的な傾向の一端である。

フランス:2024年にフランスデータ保護当局(CNIL)は、倉庫作業員の活動を秒単位で追跡する過度な生産性監視システムを運用したとしてアマゾンに3200万ユーロの罰金を科した。規制当局は、このシステムが労働者に絶え間ないプレッシャーを与え、フランスおよびEU法のプライバシー保護に違反していると認定した。その後、20人以上の組合指導者が欧州に対し、アマゾンの過度に人権侵害的な労働者監視への取り締まり強化を要求した。

インド: インド国家人権委員会(NHRC)は、安全でない労働環境、適切な休憩の拒否、過剰な生産目標設定に関する報告を受け、アマゾンのマネサール倉庫における反労働的慣行の申し立てを職権発動で認知した。同委員会は当局に対し、労働法および労働者の基本的権利の潜在的な侵害について調査するよう要請した。

米国: 全国労働関係局(NLRB)は、アマゾンの違法な反組合的行為に関する申し立てについて、繰り返し正当性を認めてきた。事例には、報復解雇、違法な監視、強制的な「囚われの聴衆会議」、ニューヨーク州スタテンアイランド、アラバマ州ベッセマーその他の施設における労働者の団結権への干渉などが含まれる。

EU:2020年、数十名の欧州議会議員がアマゾンCEOジェフ・ベゾスに正式書簡を送付し、欧州全域で労働者や労働組合代表者を監視していたとの報告について説明を要求した。議員らは、組織化活動に対する監視やデータ収集慣行がEUのデータ保護規則や基本的人権を侵害する恐れがあると懸念を表明し、完全な透明性と説明責任を求めた。

どこの法域・法制度においても、パターンは一貫している:監視を多用する経営手法と団体交渉を渋る姿勢があり、当局はアマゾンが法的・倫理的境界線を越えたことを繰り返し認定するのである。


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