
欧州の労働力の大半なしているのは、民間サービス部門である。この部門の労働者は、成長と革新を牽引しているにもかかわらず、取り残されている。団体協約の適用対象となっている労働者はわずか48%であり、非サービス部門の63%、公共サービス部門の75%と比べて大きく低い数字だ。
これは単なる数字だけの問題ではない。商業、情報通信技術(ICT)、宿泊・観光、金融など多岐にわたる部門で働く何百万人もの労働者が、団体協約による保護と公正な賃金を得られていない現実を表している。この格差は不安定な雇用契約、低賃金、脆弱な雇用保障につながっており、欧州最大の労働力にとって憂慮すべき傾向だ。
サービス産業で団体協約の適用範囲が低い理由を解明するため、UNI欧州はVisionary Analyticsに報告書「サービス業における団体交渉の課題」の作成を委託した。報告書は統計分析、文献レビュー、欧州全域の労働組合員20名へのインタビューをまとめたものだ。
報告書で明らかになったのは主に以下の点である:
• サービス産業の労働力はより細分化され不安定であり、パートタイム契約の増加、高い離職率、零細企業の急増が見られる。
• サービス産業の労働組合は、組合加入率の低下、限られた資源、絶えず変化する労働力といった状況に直面する一方で、組合の構造は依然として旧来の枠組みに縛られていることが多い。
• サービス産業の使用者は高度に分断化されており、大半の企業は規模が小さすぎるか、団体交渉に消極的である。フランチャイズ、アウトソーシング、プラットフォーム労働は責任の所在を曖昧にしている。
• 旧態依然とした法的枠組みは大規模で安定した職場向けに設計されたが、組合承認のハードルの高さ、労働者を「自営業者」とする誤分類、執行力の弱さは、現代のサービス経済の実態を反映していない。
本報告書の結論は明確である。EUが「適正な最低賃金指令」(団体交渉適用率80%という政治的目標を設定)を真剣に推進しようとするならば、サービス産業における団体交渉を阻む制度的障壁に緊急に対処しなければならない。報告書は政策立案者から労働組合、使用者に至る全ての関係者に提言する措置を提示して締めくくっている。