アイルランドのテック労働者、結束して組織化へ

●アイルランドのテック労働者が組織化:TikTok、アクセンチュア、コバレンなどの企業から労働者が集結し、「デジタル・テック労働者アライアンス」のフォーラムおよび年次総会が開催された。
●不安定な労働条件が組合結成を推進:解雇、長時間労働、過激なコンテンツへの曝露、高ストレス、生活費の高騰がテック労働者を組織化へと駆り立てている。
●世界的な潮流:アイルランドのテック労働者は、権利と労働条件改善を求めて組織化する国際的なテック労働者の運動の一端を成している。

アイルランドのテック労働者は、低賃金や不安定な雇用に直面し、職場での発言権のを欠く中、結束して組織化を進めている。労働者たちは、アイルランドのUNI加盟組織である通信労組(CWU)傘下のデジタル・テック労働者アライアンス(DATA)を通じて組合結成を進めている。

2026年 2月28日(土)に開催されたDATA主催のテックフォーラムでは、TikTokやアウトソーシング大手アクセンチュア、コバレンなどの企業から集まった労働者が、組織化と労働者力の構築に取り組んだ1年を振り返った。

フォーラムでは、民主主義・安全・権利に影響を与えるシステムの管理者として、 テック労働者が 必要不可欠なデジタルインフラを維持していることが強調された。組織化により労働者は自らの労働条件を改善できるだけでなく、集団的な力を用いて、自らが構築・監視するテクノロジーが安全で説明責任を果たし、企業の利益だけでなく公共の利益に資するようにすることができる。

参加した労働者はこのイベントの中で、長時間労働、ストレス、絶え間ない解雇の脅威への不満を表明した。こうした世界中のテック労働者に共通する状況が、アイルランドの労働者を「条件改善の唯一の手段」として組合結成へと駆り立てている。

オルグを務めるCWUのジョン・ボーハン氏は、「アイルランドのテック労働者はあらゆる側面から脅威に晒されている。社会的には高騰する家賃、崩壊しつつある公共サービス、そして使用者による支配がますます強まる状況に直面している。ビッグテックがそれをAI自動化と呼ぼうが、アウトソーシングや人員削減と呼ぼうが、結末は同じだ——テック労働者は、過剰な権力と限界を知らない利益追求に駆られた使用者からの脅威に晒されている。今、デジタル・テック労働者アライアンスを通じて彼らは立ち上がり、反撃しているのだ」と訴えた。

アイルランドの多くのテック労働者は移民労働者であり、ダブリンの高額な家賃と上昇する生活費に苦しんでいる。彼らは特にビッグテックの需要変動の影響を受けやすく、ほとんど予告なしに大規模な解雇が発生する可能性がある。

この傾向はコバレン社で顕著であり、2026年前半にメタ社のコンテンツモデレーション担当者のうち数百名が解雇された。これに対し労働者はストライキを連発し、会社側に組合の承認と対話に応じるよう要求している。同国では企業が労働組合を承認したり団体交渉を行ったりする義務がないからだ。

ベン・リチャーズUNIシニア政策担当は、「結社の自由と団体交渉権の尊重は、我々の活動の基盤だ。本日の講演者も国際連帯の重要性を強調したが、これはUNIの使命の中核をなしている。つまり、権利とより良い未来を求めて闘う世界中の労働者と連携し、皆様と共に活動することだ」と述べた。また同氏は、UNIのグローバルコンテンツモデレーター・アライアンスと、労働者の権限強化に向けた取り組み、さらにソーシャルメディア上のコンテンツ監視によるメンタルヘルスへの影響を最小化する方法を定めた同部門向けの安全衛生プロトコルについても言及した。

マイクロソフト、グーグル、アマゾンといった企業やコンテンツモデレーション業界全体で、労働者は組織化を進め集団的権力を構築している。ドイツのUNI加盟組織ver.diのダニエル・グティエレス氏は、ベルリンにおけるTikTok労働者の組織化に関する同労組の経験を共有した。