2026年1月28日、アマゾンが16,000人の解雇を発表する中、労働者代表とEU議員は、同社の倉庫における労働条件に関する欧州議会公聴会で、アマゾン経営陣が労働者の健康と欧州の民主主義を蔑ろにしていることを激しく非難した。アマゾンのロビイストが欧州議会から締め出されてから2年、今回の公聴会では初めてアマゾン経営陣が参加した。労働者側からは、オリバー・レティクUNI欧州地域書記長が、労働者が絶え間ない監視と業績圧力にさらされているアマゾン倉庫の過酷な労働条件について証言した。
オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「過去5年間、アマゾンは欧州議会との真摯な対話を避けてきた。たびかさなる回避を経て、ついにアマゾンが上級幹部を欧州議会公聴会に派遣したことを歓迎する」と述べた上で、「だがアマゾンの民主的説明責任に関する新たな取り組みは、労働者の福祉に関する取組みと同様、中途半端だと感じざるを得ない。ドイツでは、再三の要求にもかかわらず、アマゾンは依然としてver.diとの団体交渉を拒否している。欧州における競争力の向上が、アマゾンのような組合潰しや租税回避を行う多国籍企業が、団体協約を締結し税金を納める良識ある欧州の使用者に対して競争上の優位性を持つことを意味してはならない」と糾弾した。
ver.diで小売部門を担当するシルケ・ツィマー執行委員は、「必要なのはシアトルからのビデオ通話で済んでしまう以上の内容だ。アマゾンがここで事業を展開したいなら、社会対話へのコミットメントを示すべきだ。それは尊厳ある職場環境の構築と団体協約の承認を意味する。アマゾンはどちらも拒否している」と指摘した。
最後に公聴会が開催された2025年6月に先立ち、欧州議会はアマゾンが候補にあげた発言者を「必要な上級職レベルを満たしていない」として拒否していた。その後アマゾンは、今回2026年1月の公聴会に経営陣を代表してデイビッド・ザポルスキー(アマゾン上級副社長、グローバル公共政策・法務総責任者)を派遣することに合意した。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック下で従業員の防護装備不足が問題視されて以来、アマゾンは欧州議会の注目を集めており、これまでに4回の公聴会が開催されている。労働組合代表とアマゾン経営陣が欧州議会の雇用委員会で対峙するのは今回が初めてである。アマゾンの出席は、労働組合と欧州議会議員による圧力の結果である。2024年2月、欧州議会は要請に対して何度も不履行を重ねたことを理由に同社ロビイストの立ち入りを禁止した。企業のロビイストが欧州議会から締め出されたのは史上2度目のことである。
その後アマゾンはロビー活動費を過去最高の700万ユーロに増額し、EU域内で2番目に多額のロビー支出を行う企業となった(マイクロソフト、アップルと同額)。Corporate Europe Observatory(企業のロビー活動がEUの政策立案に及ぼす影響を明らかにすることを目的としたブリュッセルに拠点をおく非営利団体)の調査によれば、ロビー禁止後も同社は欧州議会議員と少なくとも69回の会合を実施。この数字は議員自身の申告に基づくもので、実際の数はさらに多いと推測される。
労働組合はまた、「アマゾン税」と呼ばれる包括的なデジタルサービス税の導入を要求している。これは、公正な税負担を履行し労働組合と協約を結ぶ欧州の使用者との公平な競争条件を確保するためだ。さらに組合側は、アマゾンを収益性の高い公共契約から排除するよう求めており、納税者の資金が欧州における米国式組合潰しや欧州の米国依存を助長すべきではないと主張している。
今後数ヶ月、欧州議会は、アマゾン倉庫の労働条件について直接の視察を行うため、再び代表団を派遣する予定だ。オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「欧州議会議員がアマゾン倉庫の労働条件についてバランスのとれた見解を得るためには、労働者や労働組合の代表者と自由に面会できることが極めて重要だ」と述べる。
背景
2024年2月、UNI欧州、Corporate Europe Observatory、欧州労働組合連合、LobbyControl、SOMOなど30以上の労働組合および市民団体が、ロベルタ・メッツォーラ・テデスコ・トゥリッカス欧州議会議長に、アマゾンの議会へのアクセスバッジの剥奪を支持する共同書簡を送った。その結果、ロビー活動の許可は撤回された。ただし、アマゾンのロビイストが欧州議会での今後の公聴会に出席し、欧州議会の代表団をアマゾン倉庫での視察に迎え入れるまで、という条件となっている。
搾取的な労働慣行、独占禁止法違反、租税回避、環境に対する配慮の欠如など、数々の悪評にまみれたアマゾンの実績は、世界中の労働組合や擁護団体から厳しい批判を受けている。アマゾンに対する圧力の高まりは、「Make Amazon Pay」キャンペーンに結集しており、このキャンペーンでは毎年ブラックフライデーにストライキや抗議活動が行われている。
2023年1月、主要市場におけるアマゾン従業員を対象とした初の国際調査は、同社の業績監視システムが従業員に「ストレス、プレッシャー、不安、奴隷やロボットのように扱われ信頼されていない感覚」をもたらしていると指摘した。調査対象の過半数が、監視システムが身体の健康(51%)と精神衛生(57%)に悪影響を及ぼしたと回答している。これを受け、2024年5月には欧州全域の20以上の主要労組(800万人以上の労働者を代表)が、欧州のデータ保護当局に対し、アマゾンの虐待的(違法性の可能性もある)データ監視慣行に対する監督強化を要請した。
公聴会の模様はこちらで視聴可能。詳細のお問い合わせは、ダニエル・コップUNI 欧州広報部長まで。