10月 2024のお知らせ

英国議会、団結権と団体交渉権に関する労働者保護強化に向けた法案を可決

2024年10月10日、英国議会は、職場における労働組合の強いプレゼンスは労働者と経済にとって有益であり、団体交渉は生産性、産業改革、平等性と雇用に利益をもたらすという認識が高まっていることを受け、法案を提出した。この法案は10月21日、下院の2回目の読会で委員会段階に進められた。

主なポイントは以下:

  • 労働組合が職場にアクセスし、労働者の組織化、集会、代表を行う権利の確立。
  • 組合承認手続きの簡素化、基準の引き下げ、組合員が過半数を超える組合の自動承認。
  • ストライキを行う労働組合員の保護。
  • 組合選挙および労働争議の決定に関する投票ルールの公平化。
  • 平等な代表性のための施設利用時間を含む新たな権利。

声明で、英国労働組合会議(TUC、ナショナルセンター)は次のように述べている。

「この法案は、労働組合が現代の職場において活動するためのより良い環境を整備するものとなる。労働組合を通じて賃金や労働条件を守る上で、労働者の地位が改善されることになる。(…中略…)多くの使用者が、労働組合が労働者と事業にもたらす利益を認識している一方で、AmazonがGMBの最近の組合承認キャンペーンに反応したように、労働組合が労働者と話すことさえ妨げる異常な手段を取る使用者もいる。この法案は、労働組合が職場に入り、労働者と面会し、労働者を代表し、組織化し、労働者を勧誘し、団体交渉を促進することを可能にすることで、こうした状況を変えていくものだ」

労働者のためのニューディールキャンペーンを立ち上げたデーブ・ウォード英国通信労組書記長は、「これは前向きな展開であり、労働の世界の再均衡化に向けた第一歩だ。欧州の他地域では一般的となっている労働者の権利を拡大するこれらの提案を、一部のメディアや大企業が攻撃していることは恥ずべきこと。我々は今、労働党に対し、これらの計画の完全実施を迅速に進めるよう強く要請する。保守党による数十年にわたる労働者への攻撃を経て、この変更を遅らせることはできない。また、法律を骨抜きにする大企業の要求に屈することもできない」と強い決意を見せる。

UNIとUNI欧州は、TUCおよび英国の労働組合とともに、これらの進展を歓迎する。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この法案は、労働組合の活動家にとって明るい話題であり、職場で団結力を高めたいと願う労働者が直面する障壁を低くするための現実的な前進策を提供するものだ。現行の規則では、アマゾンのような反組合キャンペーンを打ち負かすことはほぼ不可能だ。だが、この新法は、長らく待ち望まれていた転換点となるだろう。新しい法律には、常に細部に問題が潜んでいるが、この法案には大きな期待が持てる」と歓迎した。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「団体交渉は労働組合活動の基盤であり、職場におけるより公平で透明性の高い強力な代表を通じてのみ、労働者は自らの状況を改善することができる。この法案は、労働者とその組合が職場において真の意見表明と賃上げを実現するための組織化を可能にするものであり、我々はこれを歓迎する。この新法はまた、欧州全域における団体交渉の強化に焦点を当てるUNI欧州の機関会議(2025年3月にアイルランド・ベルファストで開催予定)に向けて、重要なメッセージを発信するものだ」とコメントした。


UNI世界金融部会/UNI世界専門職・監督職委員会共催シンポジウム『デジタル化とAIがもたらす労働の未来』を開催

2024年9月26~27日、全電通労働会館ホール(東京都千代田区)において、UNI世界金融部会、UNI世界専門職・監督職(P&M)委員会共催シンポジウム『デジタル化とAIがもたらす労働の未来』を開催した。1日目は全部門対象に「生成AIについて」をテーマに、2日目は金融部門対象に「銀行業界と保険業界におけるAI」をテーマに開催し、UNI-LCJ加盟組織や未加盟の金融労組他、2日間で延べ約120人が参加した。

本シンポジウム開催に伴い、海外より、アンジェロ・ディクリストUNI世界金融部会担当局長、マッシモ・メンシUNI世界専門職・監督職(P&M)委員会担当局長兼UNI Aproデジタル・テクノロジー政策アドバイザー、ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長兼UNI Apro専門職・監督職委員会担当部長を、また日本より、独立法人労働政策研究・研修機構の岩月信也研究員を招聘し、最新の事例と研究が共有された。

昨年より生成AIの台頭によって、仕事の世界においても様々な機会に、AIやデジタル化についての議論が関心を集めてきた。激動の変化の中で、労働の世界はどのように変化し、公正な移行に向けて労働組合はどのように対応していくべきか、活発な議論が展開された。

1日目-UNIの部門横断的視野から、仕事の世界における生成AIの現状と組合の取組みについて、議論がなされた。

 冒頭の挨拶でディクリストUNI世界金融部会担当局長は、新技術が労働に与える影響について触れ「特にデジタル化とAIは労働者にとって機会と課題の両面の意味を持つ。AI技術が労働者の仕事を奪う可能性がある一方で、労働環境の改善にもつながる可能性がある。UNIとしてはAIに関する政策検証が重要であり、これに対応する準備が必要だと」強調した。

 次に挨拶した安藤京一UNI-LCJ副議長(情報労連中央執行委員長)は、デジタル化とAIの進展が労働市場に与える影響を指摘し「多くの職業が自動化されるリスクがあり、労働者が新しいスキルを習得し、増々変化に適応することが必要だ」と述べ、労働時間の柔軟性やリモートワークの普及に伴い、労働組合が従来の枠組みを再構築する必要性を強調した。

■基調講演「生成AIが労働力に与える影響」

 メンシUNI P&M委員会担当局長は、生成AIの現状と今後の動向、生成AIが各部門や労働力に与える影響について基調講演を行い、生成AIなどの新技術が生産性を向上させる一方で、労働者の雇用や権利を侵害するリスクを指摘した。特にアルゴリズム管理が労働者を過度に監視し、労働環境を悪化させる可能性があるとした上で、労働組合がこうした技術の導入に対して労働者の権利を守るための交渉を行う重要性を強調した。

■パネル・ディスカッション「生成AIの部門横断的影響について」

 プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長がセッションの司会を務め、4組織(UAゼンセン、JP労組、大日本印刷株式会社、情報労連(※発表順))の報告が共有された。

  • 松井健 UAゼンセン常任中央執行委員/労働条件局長/政策サポートセンター長は、デジタル技術革新への対応と人材育成強化の取組みについて説明した。「2019年から労働条件交渉にAI導入を要求項目に加えた。AIとDXの推進が労働者にとって必要不可欠であり、人材育成と技術導入による生産性向上が重要だ」と強調した。
  • 吉野充 JP労組特別中央執行委員は、物流業務の自動化や無人搬送車、ドローンを使った配送など、労働力不足への対応策を具体例として挙げ、日本郵政グループにおけるAI活用と省力化、省人化の取組みや組合としてAI技術の活用を支持する理由を説明した。
  • 大竹宏之 大日本印刷株式会社 技術・研究開発本部ICT統括室室長は、同社のDX戦略と生成AIの取組みについて発表し、「社内にAI利用環境を整備し、全社員へのリテラシー教育を推進している。またAIの活用に伴う倫理的問題にも配慮し、高セキュリティな運用を行っている」と説明した。
  • 春川徹 情報労連副中央執行委員長/KDDI労組中央執行委員長は、生成AIの導入が職場で進行している事例を紹介し、AIの活用が労働者のサポートとなり、効率向上に寄与している点を強調した。またAIが人事評価に利用される可能性に対して懸念を示し、人間中心のAI活用の必要性を主張した。

■アルゴリズム管理「労働組合役員のためのUNIガイド」

 メンシUNI世界P&M担当局長は、アルゴリズム管理(作業プロセスをコンピュータで調整する技術で、リアルタイムのモニタリングや職場の意思決定に活用されている)と生成AIが労働環境に与える影響について説明をした。特にアマゾンの倉庫労働者が過剰な監視を受けている事例を挙げ、労働者の生産性や健康に悪影響を及ぼすことを指摘し「労働組合が透明性を確保し、労働者の権利を守るための団体交渉を実施すること、そして今後の生成AIの進化に対応するためのスキルアップとトレーニングの重要だ」と強調した。

 講演を受けて、フロアからは多くの意見や質問が出た(以下❶~❺) 

❶ 春川徹 情報労連 副中央執行委員長:「労働組合がビッグデータを活用して組合員のエンゲージメントを高め、組織活動を改善する事例を知りたい」という質問に、メンシ局長は「欧州の労働組合では生成AIを活用して団体交渉データを分析し、労働協約を改善する取り組みが進行中である」とし、労働組合が生成AIに関する研修を実施して情報格差に対抗し、組織活動の効率化を図る計画が進められている事例を紹介した。

❷ 岩月信也 労働政策研究・研修機構研究員 :「多くの労働者がAmazonで働き続ける理由やストライキなど対応手段を取る可能性はあるか?」という質問に、メンシ局長は、 同社は失業率や貧困率が高い地域において他に選択肢がない労働者を雇用しているため、過酷な環境でも労働者が辞められない現状が続いていることを説明し「労働組合が結成され対抗措置が取られたた事例はあるが企業の影響力が強い中での闘いは厳しい」と言及した

❸ 北村聡太 UNI Apro金融部会議長/損保労連中央執行委員長 :「アルゴリズム管理の厳しさに非常に懸念を感じる。団体協商や労使協議を通じて労働者の健康や労働条件に配慮された形でアルゴリズム管理が導入されるケースがあるのか?」という質問に、メンシ局長は「アルゴリズム管理が労使協議によって労働者に有益な形で使われるケースは可能である」と回答し、イタリアの事例等を紹介した。

❹ 許晃 全労金書記次長 :「企業側がビッグデータとアルゴリズムを導入する中、労使の情報量の差がさらに広がる状況にどのように対応していくべきか、またオープンソースや廉価なアルゴリズムを労働者や協同組合が共有財産として運営している事例を知りたい」という質問に、メンシ局長は「技術を労働組合が活用することが情報格差への対策である」と回答し、米国で清掃スタッフがソフトウェアの不具合を明らかにし、訴訟を通じて解決した事例を紹介した。

❺ 大津郁美 大日本印刷労組常任執行委員:「労働者自身は職場でAIとどのように向き合うべきか?」という質問に、メンシ局長は「労働者はAIを拒絶するのではなく知識と経験を活かして慎重に活用すべきだ。AIは統計技術に基づくものであり、労働者自身が判断する姿勢が必要だ」と述べた。

※UNIが2023年に発表した報告書 『アルゴリズム管理:集団行動のチャンス』に関する記事と日本語前文はこちらのリンクよりお読みいただけます。

2日目 -銀行業界と保険業界におけるAIの影響やILOでの取組み、OECD諸国と日本の比較研究の成果などが共有された。 

 前日に続いて2日目シンポジウムの挨拶をしたディクリスト局長に続き、北村聡太 UNI Apro金融部会議長(損保労連中央執行委員長)が挨拶をした。北村井議長はデジタル技術やAIが金融業界に与える影響について触れ「今こそ労働組合の役割が重要であり、スキルアップの強化が必要だ」と強調した。

■金融部門のデジタル化に関するILO三者会合結論文書

 ディクリスト局長は、ILO三者会合の結論文書を紹介し、デジタル化が金融業界における雇用の安定や労働者のスキル向上に大きな影響を与える一方で、雇用の自動化によるリスクも伴うと指摘していることに言及した。また、労働組合がこの変革に対応して労働者の権利を守るための社会対話を行う重要性を強調した。

 講演を受けて、フロアよりいくつか質問や意見があった。(以下❻~❾)

❻ 荻原周 損保労連事務局次長:「今後DXが進展する中で、労働組合として雇用リスクを未然に防ぐために取るべき対策を聞きたい」という質問に対し、ディクリスト局長は「リスキリング再教育や技能向上が重要であるが、特に高齢労働者に対しては早期退職などの手当を設ける必要がある」と回答した。

❼ 山本洋子 JP労組中央執行委員:「デジタル競争力ランキングで日本が順位を下げた。デジタル化に対して労働組合が果たすべき役割について聞きたい」という質問に対し、ディクリスト局長は「労働組合が規制の枠組み作りにおいて役割を果たすことが重要であり、新技術導入に対する組合の発言権を確保する必要がある。デジタル化による職の喪失に対し、労働者が威厳を保ちつつ職を離れられるよう、適切な対応策を講じるべきだ」と強調した。

❽ 許晃 全労金書記次長:「金融産業における企業がビッグテック企業の提供する技術基盤に依存している現状がある。労働組合がビッグテック企業に行動を起こした事例について聞きたい」という質問に対し、ディクリスト局長は「労働組合は、市場を独占しているビッグテックに社会的視点を持つよう働きかけるべきだ。労働者の権利を守るための規制を進める必要がある」と回答した。

■銀行部門のEU社会パートナーによる「金融部門におけるAIに関するEU共同宣言」

 「金融部門におけるAIに関するEU共同宣言」について、メンシ担当局長が経緯を含めて概説した。「共同宣言は、銀行業界におけるAIの影響を広範に取上げ、透明性、公平性、差別禁止、プライバシー保護の原則を重視している」と説明し、金融部門における具体的なAIの適用状況に触れた上で「特にAIのアルゴリズムによる意思決定は人間が管理すべきであり、AIの導入とモニタリングに際しては、AIが倫理的に使用され、全てのステークホルダーに利益をもたらされるよう、社会パートナーを参加させることが必須だ」と強調した。

❾ 櫻井大介 全労金書記長:「AIと人間の管理のバランスを保つことの困難さを感じている」と意見したのに対し、マッシモ局長は「AIがもたらす変化と倫理的側面についての重要性を認識したうえで、AIの導入には労働者の権利保護を確実に行う必要がある」と応答した。

■講演「職場におけるAI技術の活用と従業員への影響-OECDとの国際比較研究に基づく日本の位置づけ-

労働政策研究・研修機構の岩月信也研究員が、2021~2022年に実施した上記調査の概要を報告し、日本と多国の共通性や差異について概説した。そして職場への影響は、技術が一義的に決定するのではなく、組織の方針や介入によって大きく左右されると指摘した。特に、タスク変化やスキル向上、雇用への影響が重要視され、AIが必ずしも従業員の職務を全面的に自動化するわけではないとする見解を示した。また、欧州でAI導入に関して労使協議がなされている場合でも組合側の持つ情報や知識が十分でないため、協約の文言について組合が十分にコントロールできていない状況であり、労働者側の知識の蓄積や労使当事者の主体性が重要だと言及した。

 報告を受けて、活発な意見交換がなされた。

 木下宏樹 全信連書記長は、信託銀行業界では個別性の強い業務が多いためAIの活用領域は相対的に少なく、またAI導入が直ちに雇用喪失や処遇低下に繋がるわけではないが、業務効率化と生産性向上を図るため、労使共通の戦略でAIを推進する必要があるのとの認識を示した。

 松田惣佑 生保労連書記長は、生保産業においてAIは事務や営業の支援として活用されているが、今後も女性の雇用を支えつつAIの影響を注意深く見守るべきであるとの見解を示した。

 川岸正徳 全国農団労代表は、人手不足が深刻化しており農協ではデジタル化を打ち出している。新技術に関して高齢層は手を出したがらず、業務が若い世代に集中して負担となっている現状があり、適切な技術導入の必要性を感じていると発言した。

 榎本直人 労済労連中央執行委員は、日本でAI技術の活用方針が労働条件に大きな影響を与えていない要因や背景について質問した。これに対し、日本では解雇が難しい点や日本の賃金制度が挙げられた他、日本のサービス産業ではAIに対応できない細かな業務が多いため、AIの費用対効果が薄いのではないかとの見解が示された。

■グローバル視点から見た金融部門におけるAIの影響
 メンシ担当局長は講演の中で、AI技術は銀行業務の中で高頻度取引や不正の検知、マーケティング最適化などに利用されており、効率性の向上やリスクの低減に貢献している一方で、AI人材の維持確保が課題であり、特に高度なAI専門家の需要が高まっている点などを指摘した。また各職業・職種についてのAIの影響に関するILOの研究を紹介した。

■閉会
 安達正美JP労組書記長が、シンポジウムを通じて議論されたAI技術の進展と労働環境への影響について振り返るとともに、AIが労働環境に大きな変化をもたらすことは不可避であり、労働組合としてその変化に適切に対応する必要があると強調した。続いて、プリヤラル担当部長が2日間のワークショップを総括し、技術をどのように管理し活用していくかが重要な課題であるとし、労働者の権利を守るために組合の果たす役割を再確認した。最後に、ディクリスト担当局長が、日本での経験を持ち帰り今後の活動に活かしていきたいと述べ、シンポジウムを締めくくった。




ドイツの映画労働者にとってここ数十年で最大の進歩 

ドイツで働く25,000人以上のフリーランス労働者を対象とする新しい協約に、労働時間の短縮、業界全体の年金制度、昇給、AI利用に関する初の規制が盛り込まれた。

UNI加盟組織ver.diと俳優労組BFFSは、1年にわたる激しい交渉の末、ドイツの映画・テレビ制作部門の業界団体であるProduzenten Allianと新たな協約を締結した。2024年10月12日にベルリンで締結された新協約の下、労働時間の短縮、業界全体の年金制度の確立、賃上げなど、労働者にとっていくつかの重要な点で前進した。また、映画制作における生成AIの使用を規制するための重要な第一歩となるもので、この点については現在も交渉が続いている。

最も重要な成果のひとつは、1日の最長労働時間を12時間に短縮し、10時間を超える時間外労働に対する新たな手当と、長時間の撮影に対する追加報酬が設けられたことだ。2025年5月からは、よりバランスのとれたワーク・ライフ・スケジュールの確立を目指し、有給休暇の付与や時間外労働の補償を含む新たな規定が設けられ、月1回の週休4日制が導入される。

協約には 2025年5月と2026年1月の2回、それぞれ2.5%の賃上げも確保されている他、4%の使用者負担による年金制度の導入も含まれている。この年金制度は連邦労働社会省(BMAS)に提出されて業界全体への適用が検討され、業界全体の年金制度が確立されることになる見込みだ。

マティアス・フォン・フィンテルver.di主席交渉官は、「労働時間の短縮、自由時間の拡大、賃上げ、映画製作に関わる労働者のための年金制度、AIの使用に関する初期規制は、業界にとって新たな歴史的基準を設定するものだ。この協約は、ドイツの映画労働者にとって、ここ数十年で最大の進歩だ」として、この協約の重要性を強調した。

世界中のメディア・エンターテインメント産業の労働者を代表するUNIは、労働者のためのこの重要な勝利について、ドイツの組合を称賛する。ヨハネス・ストゥディンガーUNI世界メディア部会担当局長は、「この協約は、メディア・エンターテインメント産業に従事する人々の過度な労働時間の削減、労働条件の改善に向けた世界的な取組みにおける新たな一歩だ。この協約は団体交渉の力を明示し、フリーランサーの公正な賃金、より良い労働条件、社会的保護を確保するという我々の共通のコミットメントを強化するものだ」とコメントした。

UNI加盟組織は、安全な労働時間の確保とワーク・ライフ・バランスの改善、職場の尊厳と安全の確保、公正な賃金と持続可能なキャリアのための団体交渉の拡大を目指して、引き続き協力していく。


リドルとカウフランドの労働者、グローバル協定を活用し団結

欧州と米国のリドルおよびカウフランドの労組が、ドイツの多国籍親会社シュワルツ・グループとUNIとの間のグローバル協定を推進するために団結することで合意した。労働者はこの協定を利用し、シュワルツの全事業における労働条件、結社の自由、団体交渉の改善を望んでいる。

欧州最大の食品小売業者であるシュワルツ・グループは、世界第3位の食品小売業者で、総数57万5,000人の労働者と1万3,900店舗のネットワークを有する。グループには、欧州と米国の30カ国で事業を展開するリドルと、欧州8カ国で事業を展開するカウフランドの2つの主要子会社がある。

オランダの UNI加盟組織FNVが9月にアムステルダムで主催した UNI商業部会シュワルツ・グループ組織化ネットワークの初会合で、 グローバル協定を利用したキャンペーンの展開を決定した。会議には、ベルギー、クロアチア、チェコ、フィンランド、フ ランス、ドイツ、ハンガリー、イタリア、モルドバ、オランダ、ルーマ ニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、米国の各国で、リドルおよびカウフランドの労働者を組織または代表する労働組合が結集した。

トゥール・エルツィンガFNV委員長は、「ここオランダで初めて、リドルとカウフランド両社の労働組合を迎えることができ、大変嬉しく思う。我々の総力を結集することで、リドルとカウフランドの労働者に大きな変化をもたらすことができる」と述べた。

UNI商業部会は参加者に、シュワルツ・グループの労働条件、労働組合の権利、団体交渉の状況に関する調査から得られた主な結果を示した。20カ国以上から情報を集めたこの調査では、労働組合権の侵害、社会対話の弱さ、デュー・ディリジェンスの実施における課題、高負荷の労働、労働安全衛生に関する懸念など、深刻な問題が見つかった。

FNVのファトマ・ブグダイチ=カラタス氏は、「リドルの労働者は、オランダだけでなく欧州と米国全土で過酷な仕事量とプレッシャーに直面している。我々が国際的に団結し、グローバル協定を確保することが極めて重要だ。そうすれば、労働者が当然得るべき公正な労働条件を実現するために、もはや各国で同じ闘いをする必要はなくなる」と語った。

会議は、調査で特定された問題に関して委員会を設置し、グループ経営陣と接触することを決定して終了した。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「我々はシュワルツ・グループに働きかけ、この調査結果を憂慮すべきものとして提示し、UNIや加盟組織と協力するよう促すつもりだ」と述べた。

会議ではまた、組織化に関するワークショップも開催され、調査で明らかになった主な課題とそれを克服するための戦略が取り上げられた。

エイドリアン・ドゥルチUNI SCORE担当局長は、「UNIは今後もより多くの研修や複数国にまたがる組織化キャンペーンで加盟組織を支援していく。我々はこれらの課題をチャンスに変え、リドルとカウフランドの労働者のためにより強力な組合の力を構築していく」と述べた。


世界郵便デー:郵便サービスを受ける権利を守ろう

2024年10月9日の世界郵便デーを迎え、UNIはデンマークの郵便労働者と連帯した。デンマーク議会が、すべての人々に安価で利用しやすい定期的な郵便配達を提供するユニバーサル・サービス義務(USO)を議会が撤回したのである。

欧州のUNI加盟の郵便労組が採択した宣言は、ポストノルド・デンマークと政府に対し、郵便労働者の雇用と条件を保護し、スキルアップ・プログラムを実施し、小包市場を規制して賃金・労働条件の引き下げを防ぐよう求めている。今年初めに新たな郵便法が施行されて以来、700人以上の雇用が失われた。

UNIに加盟するデンマークの郵便労組3Fが支持するこの宣言は、「こうした改革は、農村地域や社会的弱者を含め、郵便サービスに頼る人々に非常に大きな影響を与えている」と指摘し、郵便サービスは、デジタル・コミュニケーションに容易にアクセスできない多くの人々にとって生命線であることを強調している。

今回の法改正により、ポストノルド・デンマークによる全国的な書簡配達サービスは、小島、視覚障害者、国際郵便を除いて終了した。新制度の下では、サービス頻度の減少、不平等の拡大、国内書簡配達費用の100%値上げという料金の上昇がもたらされた。

同宣言は、この改革が準独占状態を生み出し、サービスを悪化させ、デンマーク国民に郵便の将来不安を残す危険性があると警告している。

2024年10月8~9日にコペンハーゲンの3F事務所で開催されたUNI欧州郵便・ロジスティクス部会の会議では、11カ国のUNI郵便労組の代表が集まり、デンマークの郵便労働者に連帯し、彼らの経験から学んだ。

世界郵便デーに開催されたこの会合の中で、デゼバド・ラミック3F郵便部門委員長は「我々の最優先事項は、労働力のスキルアップ、再教育の機会の提供、そして解雇の影響を受けた労働者が速やかに再就職できるようにすることであり、誰も取り残されることがあってはならない。金銭的補償はすでに団体協約の一部となっており、多くの労働者はかなり早い段階で新たな仕事を見つけることができた。我々は、こうした取組みを目に見える形にして広く知ってもらうために全力を尽くしている」と述べた。

同氏は、ユニバーサル・サービス義務を放棄する圧力に同じように直面している他国の組合にアドバイスを送り、「デジタル化はこれからも続いていくのであり、社会として我々はこの変化を受け入れている。今、我々が直面している真の課題は、いかにしてこの変化に立ち向かい、適応し、政治的決定に影響を与えるかだ。政治家をこの問題に関与させ、団体協約の重要性を強調することが重要だ。私はスウェーデンの仲間と我々の経験を積極的に共有し、デンマークで起きていることから学び、今後の事態に備えることができるようにしている」と語った。

ラミックは、郵便サービスの公共入札について、良好な労働条件と社会的弱者保護を保証する強力な条項を盛り込むよう求めた。また、会合に出席したデンマーク社会民主党のトーマス・モンベルグ議員も「競争は価格だけで決めるべきではなく、郵便・ロジスティクス産業が良好な雇用と労働条件を提供し続けられるようにしなければならない」と同調した。

ディミトリス・セオドラキスUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長代行は、「デンマークの郵便サービスにおける変化は、世界中の郵便労働者と人々にとって憂慮すべき先例だ。UNIは、雇用を守り公正な労働条件を確保する闘いにおいて、3F郵便部門とともに断固として立ち向かう。デジタル化は我々の産業を再構築するが、質の高いサービスや良好な労働条件を犠牲にしてはならない。労働者と地域社会が取り残されないようにするためには、強力な団体協約と政治家との有意義な対話が不可欠だ」と締めくくった。


UNI、職場における生理・出産・更年期(3M)の問題に対応する組合マニュアルを発表

2024年10月7日のディーセント・ワークのための世界行動デーを迎え、UNI機会均等局は、世界中の労働組合員と労働者向けに、3つの「M」(月経=menstruation、出産= maternity、更年期=menopause)に焦点を当てた組合マニュアルを発表した。

3つの「M」はすべて生物学的に自然な経験であるにもかかわらず、多くの文化や職場ではタブー視されている。そのため、労働者の権利やニーズがないがしろにされ、肉体的・精神的な健康に影響を与え、ひいては職業生活における能力発揮にも影響を与えることが多い。

このマニュアルは、労働組合員が職場でより良い政策や支援制度を求めて闘えるようした実践的ガイドである。迷信を否定し、ジェンダーに配慮したリスク評価を実施し、協約を交渉するといった活動は、理解と行動を促進するためにマニュアルに盛り込まれた重要な特徴である。

ヴェロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、「労働組合にとって、ジェンダーの視点を通して労働安全衛生を考えることは極めて重要。月経、出産、更年期に直面する労働者固有のニーズを認識することで、不平等を是正し、職場がすべての人にとって包摂的であるようにするために不可欠な措置を講じることができる。共に沈黙を破り、スティグマを解体することで、すべての人がライフステージのどの段階においても、尊厳と尊敬をもって働く権利を確保することができる」と訴えた。

1:月経
月経マニュアルは、俗説や迷信を解体し、月経中の労働者が直面する職場の課題に取組むことを目的としている。このマニュアルは、適切な衛生設備を利用できないことや、既存のスティグマ等が子宮内膜症や貧血などの健康状態をいかに悪化させるかを強調している。マニュアルはまた、月経休暇に関する交渉、衛生設備へのアクセス確保、職場におけるプライバシーと尊厳の擁護など、労働組合が月経のある労働者を支援する方法についてのガイドラインも示している。

2:出産
妊産婦マニュアルでは、妊娠が労働者に与える影響と、妊娠・授乳中の女性が直面する制度的不平等について説明し、安全な労働条件や有給休暇など、妊産婦保護の実施に関する実践的なガイダンスを提供している。このマニュアルはまた、代理出産、養子縁組、世界中の女性が直面している育児介護の危機を考慮し、出産に関するより良い政策を推進する上での労働組合の役割についても論じている。このマニュアルは、産前・産後の女性に十分な権利を確保するための団体交渉の重要性を強調している。

3:更年期:
更年期マニュアルは、更年期に伴う生物学的、心理学的、社会的変化についての洞察を提供している。このマニュアルは、ハラスメントや差別だけでなく、認識や支援の欠如など、職場で更年期女性が直面する課題に焦点を当てている。このマニュアルは、リスクアセスメントの交渉、柔軟な労働環境の構築に向けて、労働組合が更年期の労働者を支援する上での枠組みを提供するものである。


UNIとインディテックス、グローバル協定を強化

UNIとインディテックスは、ファッションおよび小売の大手企業で働く世界中の16万人を超える労働者の権利を向上させるため、グローバル協定を更新した。初の合意から15年を経て、2024年10月10日に協定を更新する調印式が行れた。

新協定では、結社の自由や団体交渉権といった基本的権利に関するコミットメントを再確認するだけでなく、以下の分野でも前進が見られた。

  • 公正なデジタル変革:小売業者がショッピング体験を向上させるためにデジタルツールを導入する中、協定では、各国の法律および社会対話の慣行に従い、インディテックスがこれらのツールを使用および導入することに関して、小売業者の従業員が協議を行う権利について、この種のものとして初の文言が盛り込まれた。
  • ジェンダーに基づく暴力の根絶:協定では、職場におけるセクハラやジェンダーに基づく暴力の根絶に向けた共同の取組みが強化された。
  • 職場の包摂性:インディテックスとUNIは、機能的多様性を持つ労働者の包摂と定着に焦点を当てた新たな施策を展開する。
  • フランチャイズ:会社は、フランチャイズ事業が労働者の権利を尊重し、遵守するようコミットしている。現在フランチャイズは、UNIとインディテックスが毎年、協定の実施状況を検討する会議で取り上げられるテーマとなっている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「我々の合意は、パンデミック後の第三者による暴力の急増やデジタル化の影響等、小売業で働く人々が今日直面している差し迫った問題への待望の対応策だ。また、欧州の多くの国々で人権デューディリジェンスに関する法律が制定されていることも認識している。そのため、インディテックスがこの協定において責任を果たし、今後はフランチャイズ事業についてもUNIとの協議の議題に含めることを嬉しく思う」と述べた。

オスカル・ガルシア・マセイラスインディテックスのCEOは、「当社で働く16万人を超える従業員に対するコミットメントと、当社が地域社会にプラスの影響を与えるための取組みは、インディテックスにとって戦略的な優先事項だ」と述べ、さらに「労働組合との関わりを常に改善していくことが、労働者の福利を確保するという共通の目標に向けて前進し続けるための鍵となる」と強調した。

2009年のグローバル協定締結以来、UNIとインディテックスの協定は、何千人もの労働者の賃上げや労働条件の改善、団体交渉へのアクセス拡大に貢献してきた。例えば、米国の小売・卸売・百貨店労組(RWDSU)会長を務めるスチュアート・アッペルバウムUNI世界商業部会議長は、協定の締結10周年の節目を振り返り、「ニューヨークのザラの労働者は、このグローバル協定の力を身をもって体験した。全米のファッション小売業界の労働者にとって前向きなトレンドを生み出したということだ。そして、それは他の企業も見習うべき公正なプロセスによって実現した。この協定は、何千人もの労働者の生活を変え、仕事、賃金、福利厚生を改善してきた。小売業界をも変えたのだ」と語った。


フィリピンのコミュニティ・ケアワーカー、戦略計画の策定とジェンダー研修で結束

バランガイ・ヘルス・ワーカー(BHW)が、直面している多くの課題に取組むための集団的な取組みの強化に向けたワークショップに参加するため、ケソン市ディリマンのUPホテルに、中央ルソン、カラバルソン、首都圏から集まった。戦略計画に焦点を当てたこのワークショップは、BHW連盟がその声を結集し、地域社会のヘルスワーカーが直面する差し迫った問題に取組む際の影響力を強化する機会となった。

戦略立案セッションと並行して、ワークショップでは、TUCPのカトリーヌ・ガヨ=ビヨン氏が指導するジェンダー感受性に関する重要なトレーニングが行われた。このプログラムでは、SOGIESC、ジェンダーの役割、偏見、不平等を理解することの重要性が強調され、多くの労働者(特に女性)が差別や不当な扱いを経験している医療部門において、その重要性が強調された。参加者は、社会的な規範や期待がどのようにこれらの課題の一因となっているかに焦点を当てながら、職場におけるジェンダー配慮の意味について深く考察した。研修ではまた、法的権利と保護に重点を置きながら、より包摂的で尊重される職場環境を作るための実践的な戦略も提供された。

ケソン州BHW地方連盟のジャーメル・モラ会長「ジェンダーの感受性は、地方の多くのBHWにとって重要な問題。特に、我々の多くがこのようなトピックについて十分に認識しておらず、研修を受ける機会も乏しいからだ」と指摘し、「ジェンダーについての考え方をもっと学ぶことで、我々の仕事を改善できるだけでなく、地域社会をもっと強く守っていくことができる」とコメントした。

戦略計画の主な成果は、中央ルソンとカラバルソンのBHWが、4万人以上の労働者を代表するUNIフィリピン連絡協議会(UNI-PLC)に加盟することを決定したことだ。この加盟は、BHWの権利を擁護し労働条件を改善するために、地域を超えてBHWを団結させる極めて重要な一歩となる。これより、BHWは全国で労働者が増加する中、自らの利益を擁護するための集団的な力をさらに強化することができる。

首都圏バランガイ保健労連のマーナ・ガイテ委員長は、闘争が続く中で団結することの重要性を強調し、「我々バランガイ・ヘルスワーカーにとって、団結し、取組みを結集することは極めて重要。団結すれば、我々の権利をもっと効果的に推し進め、全国のBHWの声を確実に届けることができる」と述べた。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「我々は、このような重要なケアワーカーをUNIファミリーに迎えることができて非常にうれしい。これは始まりにすぎない。我々は、BHWが正当に得るべきものを求めて闘う中で、BHWとともに組織化し、共に立ち向かい続ける」と明言した。

この取組みは、USAID、フォード財団、CARE基金の支援を受け、医療・介護部門において熟練した労働力を育成し、女性の経済的安定を強化する画期的なイニシアティブであるTogether We Careを通じて、UNIが支援している。


#WDDW24: ディーセント・ワークには平和と民主主義が必要

2024年10月7日は「ディーセント・ワーク世界行動デー」であり、今、世界の労働組合運動は平和と民主主義を求めている。忍び寄る権威主義と拡大する軍事衝突が世界中に暗雲を投げかける中、我々は世界行動デーに臨む。

現在、世界中で 110 件以上の武力紛争が発生している。いずれの紛争においても、働く人々が最前線に立たされ、地域社会は荒廃し、暮らしと生計、権利が奪われている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「平和はディーセント・ワークの基本だ。そして、我々がフィラデルフィアでの世界大会で決定したように、普遍的かつ永続的な平和は、共通の安全保障と社会正義、搾取のない世界があり、全ての人がまっとうな生活水準を得てこそ、確立することができる」と述べた。

この1年間、UNIはミャンマー、ウクライナ、ガザで進行中の紛争において、労働者と民主主義を守る人々の支援に重点を置いてきた。

ミャンマーでは2021年のクーデター以来、軍事独裁政権が労働者とその家族を暴力的に弾圧し、基本的権利を剥奪してきた。労働組合運動は、国民統一政府の承認に始まる民主化を求めるミャンマーの人々と連帯を築き、政権を政治的・経済的に孤立させてきた。

ウクライナについては、世界の労働組合運動が、平和とウクライナの主権回復、そして労働者の権利が十分に尊重される中で復興が行われることを求め続けている。戦時中にウクライナ政府が労働組合の権利を制限したことで、深刻な懸念が生じている。 

ホフマンUNI書記長は「2024年5月に、ウクライナの人々に対する世界の労働運動の支持を示すため、国際連帯ミッションの一環としてキエフを訪れた。キエフは戦闘の最前線から遠く離れているにもかかわらず、日々爆撃の脅威があり、愛する人を失い、基本的なインフラが破壊されていた。その中でも人々の勇敢な行為を目の当たりにした。我々は彼らとともに今、平和を要求する。そして国の復興に向けた人々の歩みに、寄り添い続けていく」と語った。

中東の危機は日に日に深刻化し、世界中の労働組合が即時停戦、正当な法的手続きなしに拘束された全ての人質の解放、紛争に巻き込まれたすべての労働者の安全な帰還、人道支援の拡大、2国家による恒久的な解決を要求している。

ここ数週間で、UNIと他9つのグローバル・ユニオンも、 紛争のためにイスラエルで働けなくなったパレスチナ人労働者を支援するため、ILOに提訴し、賃金損失を回復するための行動を起こした。 

ホフマン書記長は「2024年初め、ラマラでUNI加盟組織と会談し、ガザの耐え難い状況に加え、ますます激しさを増す占領と減少する公的資源の下で彼らが直面している状況を聞いた。現地の加盟組織は、グローバルな労働運動は連帯によって変化を生み出すことができると強調した。(…中略…)これまで以上に手が届きにくくなっているが、安全なイスラエルと並んで、主権を持つパレスチナにつながる停戦を求めて、我々は声を上げ続けなければならない(…中略…)9月下旬にレバノンで生じた出来事は、この呼びかけがなぜ一層必要なのかを示している。この紛争がこれ以上拡大すれば、何百万もの人々に壊滅的な打撃を与えかねない.紛争がこれ以上エスカレートしないようにする措置が必要」と語気を強める。

ガザであれ、ウクライナであれ、ミャンマーであれ、その他の武力紛争地域であれ、労働組合運動はこの日を利用し、この無分別な暴力の終結を要求するために声を一つにして発信している。

ルーク・トライアングルITUC書記長は、「政府は外交による紛争解決に失敗しているが、労働者と労働組合は平和的交渉を続けている。永続的な平和と安定のために必要な条件を作り出そうとするならば、労働者が和平・復興プロセスに参加することが必要」と述べた。


エルサルバドルのコールセンター労働者、業界初の組合を結成

エルサルバドルの労働者が、コールセンター従業員のための国内初の産別労組を結成し、歴史に名を刻んだ。エルサルバドル・コールセンター・オペレーター労組(SITOES)は2024年10月5日、同国経済の根幹を担う3万3,000人の労働者の権利と福祉を擁護することを使命として、結成総会を開催した。

SITOESは、この部門における労働者の権利侵害に早急に取り組み、不十分な休憩時間、障害者手当の問題、深刻な業務量の圧迫を頻繁にもたらす過度の業績要求といった労働者からの報告に対応していく。これらの問題は、基本給を補うボーナスを得ることを困難にするだけでなく、精神衛生にも深刻な影響を及ぼし、高レベルのストレス、不安、燃え尽き症候群の一因となっている。

労働者の集団的な取組みは、UNI米州から支援を受けており、この支援は、国内外で労働者の権利を擁護するSITOESの重要性を強化するものである。

マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「コールセンター産業における不安定な条件、暴力の蔓延、ストレス、過重労働を考慮すると、SITOESはエルサルバドルにおいて、労働者の団結権を尊重するための重要な起点であると確信している」と述べた。

さらに、エルサルバドル労働総同盟(CSTS)もこの取組みに参加し、同国における組合活動の自由の重要性を強調している。マリカルメン・モリナCSTS書記長は、「組合なくして民主主義は存在しない。それゆえにSITOESの闘いは根幹を成すものだ。国内のすべてのコールセンター労働者に声を届ける時だと確信している。組織化は我々の権利であり、それを行使することは我々の義務だ」と訴えた。

SITOESの設立は、コールセンター労働者が、より公正で公平な労働環境を求め、自らの権利のために闘う決意を固めたことを示す、明確なシグナルである。

サラ・メンドーサSITOES臨時委員長は、「主な目標は、エルサルバドルのコールセンターで働くすべての労働者の労働条件を改善するために、団体交渉に臨み、団体協約を締結すべく、労働者を当組合に加入させ続けること」と説明した。組合は、この部門の企業との直接的かつ建設的な対話を模索することで、労働者に影響を与えている最も差し迫った問題に直ちに取り組む予定だ。


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