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UNI印刷部会、Elandersとグローバル枠組み協定を調印-多国籍企業における労働者の権利に規範を-

1月29日、UNIはスウェーデンを本拠とする印刷・出版会社、Elandersとグローバル枠組み協定を締結した。同協定は、印刷・出版業界における国際的労働基準、団結権を保証し、労働条件の新基準と労働組合権を定める。
アドリアーナ・ローゼンツヴァイクUNI印刷部会担当局長、トミー・アンダーセン・スウェーデン印刷労組(グラフィスカ)委員長、パトリック・ホルムElanders社長兼CEOは欧州労使協議会(EWC)メンバーとUNI印刷部会代表団が見守る中、ゴーセンバーグのElanders本社で協定に署名した。UNI印刷部会代表団には、グラフィスカ、Verdi(ドイツ)、チームスター労組印刷部門(米国)、Solidarnost(ポーランド)、Fetigesp(ブラジル)、ユナイト(英国)の代表者が参加した。Elanders社は同日、EWCの設立にも合意の署名を行った。
「グラフィスカをはじめ、UNI加盟組織が調印にむけて懸命に努力をしてくれた。これからは協定がその精神と条文に沿って実行されるため全力を尽くす。」とアンダーセン委員長は話した。
今回の合意は、グラフィスカ、Elanders従業員を代表する世界中のUNI加盟組織、従業員の基本的権利が尊重されるよう企業と組合間の一連の協議を調整したUNI印刷部会が連携した活動の結果である。これにより、4大陸11ヶ国で運営する世界的情報メディア・印刷企業の組織化に確かな基盤を築いたことになる。
「Elandersとの協調と同社の労働者支援の姿勢は、印刷業界にとって転機であり、間違いなく他社が続く規範になる。」とローゼンツヴァイク担当局長は言う。「Elanders、そして印刷業界の将来のため一丸となって取り組んだことで、UNIは強力な組合に、同社はより強い企業になった。」
Elandersは組織化活動、労働者への自由なアクセス、企業のモニタリングを積極的に受け入れると約束した。協定を確実に実施するため組合の介入も行われる。
この協定は、企業と組合が、EWCとの強固な関係およびグローバルな組合連携を築くことが出来た最初の合意である。
また、世界中の多国籍企業に労働に関するルールを構築する一歩であると同時に、米国のような国で組織化を成功に導く鍵となる。勤労者自由選択法案(Employee Free Choice Act)を成立させ、組合加入の権利を保証しようと闘う米国の組合を後押しするだろう。

UNI印刷部会は、印刷・包装部門の労働者100万人を代表する。
グラフィスカはスウェーデンの印刷部門労組。
Elandersはグローバルな情報メディア印刷グループ。
(UNI印刷部会担当局長 アドリアーナ・ローゼンツバイク)


IFJとUNIメディア部会、公共放送への国家援助に関する共同声明を発表

2008年11月に示された公共放送への国家援助に関する欧州委員会コミュニケーションに対し、欧州ジャーナリスト連盟(EFJ)とUNI欧州メディア部会(EURO-MEI)は、2009年1月15日に共同声明を発表した。
両組織は、「欧州委員会放送コミュニケーション改正の主原則」と題した意見書を採択した加盟国共通の見解を支持することを表明し、現在の枠組みに問題はないと強調した。実は、2001年に改正された国家援助規定(いわゆる放送コミュニケーション)の採択以来、欧州委員会は、民間放送企業より提出された20カ国以上の国家援助に関するケースを扱ってきた。
委員会と民間放送企業が、2001年のコミュニケーションの文言を技術、法律、市場の発展に適合したものとすべきであるとし、放送コミュニケーションの抜本的な改正を支持しているのに対し、EBU、EFJ、EURO-MEIは、現在の枠組みはオーディオビジュアル部門のダイナミクスを網羅する堅固かつフレキシブルな枠組みであるとして一部のみの修正でよいという見解である。労組側は、声明の中で、欧州委員会が提案している政策は、単純にその権限を越えたものであり、公共放送に関するアムステルダム・プロトコルの原則に反していると強調している。
EFJとUNI欧州メディア部会も新しい規制案の中に、特に小規模な公共放送局により大きな負担を課すものがあると主張している。事前調査等の施策案は、技術革新を阻害し公共放送局の編集の独立を脅かす危険性がある。
(UNIメディア部会ホームページ)


米国FedEx組織化の取り組み

「変化」を掲げてオバマ大統領が就任し、ほぼ1ヶ月が経過した。日本では、「期待は大きいが、そんなに大きな変化は出来ないだろう」との冷めた見方がしばしば聞こえた。だがオバマ大統領は、本当に変化をもたらしそうだ。その例が、「勤労者自由選択法案」である。以前このコラムでも取り上げたが、米国の労組結成手続きは極めて厳しい。まず労働者過半数の署名を集め、連邦労働関係局(NLRB)に持っていく。NLRBは、労働組合結成のため対象職場で選挙を実施し、過半数を超える労働者が賛成すれば、ようやく組合を結成することが出来る。問題は、経営側が組合結成の動きを察知してから選挙日までの間、猛烈な切り崩し工作を行うことである。組合結成の呼びかけ人ばかりか、従業員全体が脅しを受ける。少々の飴を与えられる。この切り崩しを専門とする職業まである。このためNLRB管理下の選挙で過半数を取ることは至難の業であり、事実多くの場合失敗してきた。「勤労者自由選択法案」はこの手続きを簡素化し、過半数を超える労働者の署名を集めれば、組合を結成できるとする。当然法案に対する経営側の抵抗は激しく、ブッシュ政権下では成立の望みは無かった。しかしオバマ大統領は、勤労者自由選択法案採択の運動を強く支持し、労働組合から高い評価を受けてきたヒルダ・ソリス下院議員を労働長官に任命した。彼女自身がヒスパニック系であり、移民労働者の地位向上、「清掃員に正義を」運動(UNIも協力したビル管理部門組織化)に強くコミットしてきた人物である。そして今この法案が下院で再審議されようとしている。
もう一つの試みが、急送便企業FedExを「鉄道労働法」の対象から外す動きである。FedExには組合が存在しないが、その原因の一つは同社が航空会社の区分で登録されているため、「鉄道労働法」の対象となり、組織化が困難になっていることである。鉄道労働法は、前述したNLRBによる組合組織化よりさらに厳しく、例えば対象職場は全国でなければならず、個々の職場の組織化が出来ないなどの規定がある。FedExは、ドライバーを独立自営業者として登録させること、この鉄道労働法により、巧妙に労働組合組織化を逃れてきた。FedExは急送便事業者として、米国ではUPSとの競合関係にあるが、UPSは鉄道労働法の対象ではなく、FedExだけが同法の対象となっていることには、競争政策上も批判が多かった。2007年にもこの問題が議会で取り上げられ、下院は通過したが、上院の投票の前に流れてしまった。正確には、FedExが持つ「特権」を含む連邦航空局再認可法を2年間延長することとしたのである。この延長は今年の3月末に期限切れとなる。下院運輸・インフラ委員会委員長のオベルスター議員(民主党)は、FedExの「特権」撤廃に積極的である。金融アナリストは、「もしFedExが鉄道労働法の適用外となるなら、組織化される可能性はきわめて大きくなるであろう」と語っている。FedEx側は、「急送便ビジネスは、統合的な輸送システムとして、混乱要因を出来る限り少なくするよう定める鉄道労働法の適用下にあることが適切である。上訴裁判所でもこの主張は認められている。」「部分的な労働争議といえども、航空と地上の急送便ネットワークは崩れる可能性があり、米国の経済にも悪影響を及ぼす」と反論している。創業者でありCEOのフレデリック・スミス氏は、「FedExは創業以来鉄道労働法上の事業者である。このことは企業存立の基本的な要因の一つだ。今回の修正が日の目を見ないことを心から望んでいる。」と語っている。
過去FedExの組織化の試みはことごとく失敗してきた。今回の法案が通れば、FedEx組織の画期的な突破口となることは確実である。


タイのテレコム労組との意見交換会(2009年2月4日、タイ・バンコク)

2月4日、加藤UNI-Aproテレコム議長/NTT労組委員長はタイのUNI加盟テレコム労組を訪問、状況ヒアリングおよび意見交換会を実施した。
現在、タイのUNI加盟のテレコム労組はCAT労組(SEWU-CAT、約3800名)のみ。TOT労組は加盟費滞納が続いたため、UNIを除名されている。しかし、今回、UNI-Aproテレコム議長からの呼びかけに応じて、TOT労組幹部も意見交換会に参加し、活発な議論を行った。
加藤議長は、日本のテレコム労働者を取り巻く状況について報告。また、NTT労組が推進する通信政策についても紹介し、「労働組合もデジタルデバイド解消やユニバーサルサービス維持に向けて、自治体と連携して取り組んでいる」と説明した。また、最近の経済危機問題に触れ、「情報通信産業への打撃は他産業に比べて少ないが、今後ますます景気が悪化しIT投資が減少すれば様々な問題が生じるだろう」と述べ、同じアジアの仲間として情報共有を図っていくよう呼びかけた。参加者からは組合の具体的運営方法や活動、年金問題まで幅広い質問が相次ぎ、日本の労働組合運動への関心の高さが伺えた。

タイのテレコム産業は、かつての郵電公社が事業再編し、TOT(国内通信)、CAT(国際通信)、郵便事業へと分離した。それにより、労働組合はTOT労組、CAT労組(郵便と国際通信)に再編したが、さらなる事業再編に伴い、2003年にCAT労組は郵便労組と現CAT労組(テレコム)に分離し、現在の形になった。現在、CAT、TOTとも民営化されているが、100%の株式を政府が保有しており、競争促進のための新規参入事業者優遇政策や事業規制などの制約があり、労働組合は反対を唱えている。

CAT労組(SEWU-CAT)
1978年設立、ソンブーン委員長
組合員5800人、従業員3800人(組織率75%)
現在の活動方針は、①組合員の権利保護、②雇用対策(賃金改善や福利厚生の充実など)
UNI加盟

TOT労組(TOTWU)
1974年設立、ポンキィッティ委員長
2008年3月、現執行部体制スタート
現在の関心事項は、収益事業のアウトソーシング提案や、人員削減問題
UNI再加盟検討中
(NTT労組 国際担当 木村富美子)


インドネシア・テレコム労組セミナー(2009年2月6~7日、インドネシア・バンドン)

はじめに
UNI-Aproテレコム部会は、NTT労組の支援の下、セカテルコム(PT Telkom労働組合)セミナー(2月6日)、ASPEKテレコムリーダーズセミナー(2月7日)(※)をインドネシア・バンドンで開催した。日本からはNTT労組・加藤委員長(UNI-Aproテレコム議長)、宇田中央執行委員、木村国際担当が参加。また、クンUNI-Aproテレコム部会担当部長、シャフィーUNIマレーシア加盟協議長らが参加した。
※ASPEK:1999年設立の産別労組。商業、金融、郵便、テレコムなど主にサービス部門に働く労働者を組織

セカテルコム向け「労使協調」セミナー(2月6日)
セカテルコム向けセミナーは、セカテルコムの本拠地であるバンドンの電気通信訓練センター(TTC)にて開催された。バンドンは、首都ジャカルタから約200キロ東南に離れた学術都市で、公務系の企業・労組が多く集まっており、PT Telkomもそのひとつ。グローバル時代における良好な労使関係構築の必要性について、特に企業の業績向上と従業員福祉向上に向けて労働組合は何ができるか、とのテーマで実施された。
セカテルコムは、近年、技術革新に伴う人員削減問題や、株式放出への対応など、様々な課題に直面している。そのため、海外労組の経験や国際動向への関心が高い。参加者は熱心に講義へ耳を傾けていた。加藤議長は、NTTの労使関係や交渉について紹介。とりわけ、「団体交渉はもとより日常的な対話が大切であり、それは良好な労使関係に基づくもの」と説明し、「企業の価値を高め、健全な発展を促進し、雇用を守ろう」と訴えた。
宇田NTT労組中央執行委員は、組合員の福利厚生制度について紹介、共済・保険サービスなどの実例を紹介した。
また、シャフィーUNIマレーシア加盟協議長は「テレコムマレーシアとの交渉の歴史と現状」、クンUNI-Aproテレコム部会担当部長は「UNI-Aproの社会的パートナーシップの取り組み」について、それぞれ報告した。

セカテルコム
セカテルコムとは、既存通信事業者PT Telkomの労働組合で、組合員数は約30,000人。インドネシアの電気通信産業は、2000年の電気通信法改正により通信市場の独占は撤廃し競争が導入されたが、PT Telkomは未だに高いシェアを誇る。一方で、技術革新や規制の変化などにより、会社が人員削減を検討するなど、従業員は雇用不安を募らせている。そうした状況の下、2008年春、セカテルコムは役員選挙を実施、新執行部体制をスタートさせた。ワルトノ・セカテルコム議長によれば、「現在、ASPEKおよびUNI加盟の可能性も視野に入れて、今後の活動の方向性を検討している」とのこと。

ASPEKテレコムリーダーズセミナー(2月7日)
ASPEKテレコム部会には、固定・携帯含め、5つの企業別労組が加盟している。今セミナーには、交渉のため参加できなかったエクセルコミンド労組を除く4労組の幹部ら約30名が参集した(インドサット労組、テレコムセル労組、リンタスアルタ労組、モトローラ労組)。セミナーでは、技術変革が激しい通信産業において、組合員の雇用を守り、労働組合が強化・発展するための方法等について議論した。
加藤議長は日本の通信産業の状況を報告。NGN(次世代ネットワーク)の特性や、通信と放送の融合や新サービスについて説明し、関心を集めた。
スギアルトASPEKテレコム部会議長は、「インドネシアのテレコム労働者が直面している問題を把握し、解決していきたい。そのためには、国際的な取り組みやアイデアを得る必要があるし、自分達も関与していきたい。その意味でも、今回のセミナーは非常に意義のあるものだ」と抱負を述べた。

インドネシアテレコム労組への期待
インドネシアの人口は約2億3千万人、世界第4位を誇る。固定電話の普及率は28%、携帯電話普及率は6.6%であり、今後も成長が見込まれることから、多くの外国資本が参入している。テレコム産業が持続的に成長し、労働者が短期的な利益の犠牲になることのないよう、インドネシアのテレコム労組が果たすべき役割は大きい。UNI、そして、日本のテレコム労組は、インドネシアのテレコム労組の自立を目標にした、国際的な連帯と技術支援の供与を検討すべきであろう。
統計資料:ITU(2006年)
(NTT労組 国際担当 木村富美子)


STEPPING UP SOLIDARITY! 日放労

日放労(正式名称:日本放送労働組合)は、NHK職員の労働組合です。ユニオンショップ制の単組で、組合員数は2008年8月現在で7,678名(男性 6,383名・女性1,295名)です。
NHKには、全国に54の放送局のほか、支局、営業センター、取材拠点などがあり、24時間365日、公共放送サービスを提供し続けています。記者、ディレクターなどの放送職種をはじめ、技術職種、営業職種、管理職種など、非常に幅広い職種があり、組合員はそれぞれの専門性を発揮しながら日夜業務にあたっています。日放労では、職員の雇用・処遇の課題のみならず、社会における公共放送の役割をどう果たしていくか、ということについても重要な活動の柱と位置付け、内外に発信しています。UNIにおいては、UNIメディア部会に参加しています。
現在、日放労には青年活動の専門部はなく、支部での個別活動が中心となっています。各支部では、新人組合員を対象とする「ルーキーセミナー」、若手の分会執行委員を対象とする「フレッシュセミナー」などの場を設け、働き方のルールや組合活動の進め方などについて理解を深めるとともに、その時々の職場の課題を共有するなど、組合員同士の職場をこえた交流の場として参加者の好評を得ています。
また、中央部主催の青年活動として毎年取り組んでいるものの1つに、平和活動があります。1991年から2001年まで毎年連続で開催した「瀬戸内倶楽部」では、広島の原爆記念日である8月6日を中心に、平和祈念式典への出席をはじめ様々な形で「平和」について考え、あわせて日頃の業務や組合活動についての理解を深める場として取り組みました。
この活動を受ける形で、2002年から平和学習としての色合いをより深め、沖縄に舞台を移して「沖縄平和学習」として取り組みを続けています。
太平洋戦争末期に、住民を巻き込んだ地上戦がおこなわれた沖縄。さらに戦後~沖縄返還後も、アメリカの軍事戦略の重要拠点とされ、今なお国内の米軍基地の75%が集中しているという現実。そして、基地が存在することによる自然・環境破壊や騒音、事件、事故。そこにどういう問題があり、メディアはそれをどう伝えているか。公共放送で働く者として「伝える」ことを考えるとともに、組合活動を通した「つながり」を感じる場をめざして取り組みを続けています。
今年は、1月22日~25日の4日間、全国から34名が参加しました。伊江島、読谷村などのフィールドワーク、体験者との対話、沖縄の現状と課題について地元講師を招いてのフォーラムなど、濃密なカリキュラムでしたが、参加者の報告からは、平和と、沖縄の課題と、公共放送の役割について深く考えることのできた、充実した4日間となったようです。
「沖縄平和学習」では、特に「組合活動」について考える時間は設けていませんが、組合が平和活動に取り組んでいることの意義が参加者に伝わることが、組合に対する理解や親近感にもつながっているようです。参加者のなかから、翌年の支部、分会の役員を引き受けてくれる人も多くいます。
今後も、若手組合員を巻き込んでいく活動として続けていきたいと考えています。
最後に、この沖縄平和学習の参加者の声をご紹介させていただきます。
(日放労・副委員長 金子泰三)

◆◆◆◆◆◆◆◆
すべての人が沖縄を訪れる機会があるわけではなく、また訪れたとしても日は限られています。だからこそ、放送人として「伝える」ことが求められているのだと思います。これは、戦跡に限ったことではなく、地域が抱える課題などを取材する際にもいえるのでしょう。単純な構図でばかり見ていては理解できない問題も多くあります。こうした問題を直視し、掘り下げて取材することでより真相に迫る取材をする大切さをいま、あらためて実感しています。

BEGINの歌「島人ぬ宝」という歌の2番のサビにこういう歌詞があります。
♪  テレビでは映せない ラジオでも流せない
大切な物がきっと ここにあるはずさ
それが島人ぬ宝
映せないかもしれないけれど、その「大切な物」をしっかりと捉え、伝えていく大切さを学んだ研修でした。

◆◆◆◆◆◆◆◆
とても密な学習でした。最後に体調を崩してしまったことが唯一心残りだが、このような経験をさせて下さった事務局やガイドの方々にとても感謝しています。この場をかりてお礼をさせていただきます。
今後もぜひこの活動を広げていただきたい。後世に伝えていってほしいと思います。
このたびは、本当にありがとうございました。


UNI-Apro/UNI-LCJ郵便テレコム部会第17期国際労働学校(2008年12月1~5日、マレーシア・クアラルンプール)

~UNI-Aproユース ステップアップ!~
UNI-Apro/UNI-LCJ郵便テレコム部会第17期国際労働学校が、2008年12月1日(月)~12月5日(金)の5日間、マレーシア・クアラルンプールで開催された。国際労働学校はUNI-Aproの青年を対象としたワークショップで、日本からNTT労組9名、KDDI労組5名、情報労連2名、JP労組9名の計25名、Apro地域の6ヶ国(フィリピン6名、インドネシア1名、バングラデシュ1名、ベトナム4名、シンガポール1名、マレーシア8名)から21名、総勢46名の参加となった。
マレーシアへの出発前日、日本人参加者向けにオリエンテーションが行われ、小川陽子UNI-Apro青年・女性コーディネーターよりUNIの概要および国際労働運動についての講義、前回の参加者である後藤一宏KDDI労組企画部長より、外国人参加者とのコミュニケーションの方法、ワークショップ中の注意事項など細かいアドバイスを受けた。さらに、宇田珠美NTT労組中央執行委員(国際担当)、渡辺拓也KDDI労組中央副執行委員長、安永貴夫情報労連書記長、佐々木貢JP労組国際部長から各組織概要および国際活動の紹介もあり、初めて顔を合わせる参加者にとって非常に参考になった。オリエンテーション終了後の懇親会には、野田三七生NTT労組事務局長、竹内法心JP労組中央副執行委員長も駆けつけ、緊張気味の参加者を激励した。

プログラム
プログラムは、基本目的である①労働組合の基本コンセプトを学ぶ、②国際労働運動の基礎知識の習得、③国際連帯の促進とネットワークの構築をもとに、より深い理解を得られるように毎年改善・工夫されている。国際労働運動やグローバル化で労働者が直面する課題を学ぶ講義と、それを受けて議論するグループワークに分けられ、積極的な関与が求められる参加型ワークショップである。グループは、英語力、国籍、ジェンダーなどを考慮して6つに分けられる。加えて、参加者は4つの委員会(ワークショップでの規則作り・司会進行などを行うプログラム委員会、毎日の活動を総括するリポート委員会、講義の合間に気分転換のエクササイズを行うファン&ソーシャル委員会、参加者が持ち寄った物品を販売し、収益をフィリピン・パヤタス貧困地区の子供達に寄付するマーケティング委員会)のいずれかに所属し、互いに助け合いながら役割を果たして連帯を深めていく。
初日は、オリエンテーションとして、ワークショップの意味、進め方、基本ルールの説明、自己紹介、委員会メンバー登録などが行われた。2日目の開校式に続く基調講演では、主催者代表として出席したUNI-LCJ郵便テレコム部会世話人の渡辺KDDI労組副委員長が、高齢化、非正規労働者の増加という日本社会の現状を背景に労働組合の組織化の取り組みを報告した。クリストファー・ウンUNI-Apro地域書記長は、自らの国際労働運動における経験を紹介するとともに、いまだにある「労組は使用者に対立するもの」というイメージを変えるには青年の力が必要だと訴え、「強い意志を持てば、何事も成し遂げられる」と呼びかけた。また、日本の協調的労使関係はアジアの他の国においても有効だと強調した。
3日目には、各国代表が青年活動を報告。フィリピンの貧困地区児童への給食ボランティアをはじめとして、マレーシアの移民労働者ヘルプデスク、インドネシアにおける自由で民主的な組合設立の歴史的背景など、初めて知る他国の様々な課題と多彩な活動に参加者は熱心に聞き入っていた。日本からは、①JP労組の柿田将博・九州地方本部ユースネットワーク議長および中島紗緒里・東京地方本部スタッフが、民営化の影響および労組統合、青年部の今後の展望について、②NTT労組の川村洋平ドコモ本部執行委員が、プルタブを集めて車椅子を贈るなどフレージの社会貢献活動を紹介。午後には、シャフィー・BP・ママル・UNIマレーシア加盟協議会(UNI-MLC)議長から、マレーシア労働運動の現状と課題の講演も行われた。シャフィー議長は、「UNIファミリーの一員としての自覚を持ち、共に協力していこう」と参加者を鼓舞した。

課外活動
ワークショップ4日目は、グループごとにクアラルンプールの多様な文化・多民族性とグローバル化を観察する課外活動を行った。参加者は、事前に計画した主要ポイント(中華街、インド人街、中央郵便局、ショッピングモールなど)を訪問し、通りすがりの人へ労働組合に関するインタビューをすることになっていた。途中で激しい雷雨に見舞われるなどのハプニングもあったが、互いの職場環境、労働条件などを話し合うなど、足止めされた時間も有効に活用していたようだ。早朝から終日、共に行動して課題をこなした後は、参加者間のコミュニケーションが格段に円滑になっていた。翌日のグループ発表では、チームワークについて、グローバル化のメリット・デメリット、労働組合に関する一般の人々のイメージが報告され、活発な質疑応答が行われた。

寄付金
参加者が持ち寄った物品販売と、遅刻者からの罰金徴収、日本の各組織における事前カンパなどで、総額約18万円の寄付が集まった。閉会式で、マーケティング委員会からパヤタスの子供達のために役立てて欲しいと、レイナー・クルスUNIフィリピン加盟協青年委員会議長に贈呈された。

終わりに
最初は緊張に顔をこわばらせていた日本人参加者だったが、グループ討論や委員会活動を通じて次第に外国人参加者とも打ち解け、最後の課外活動を経て強い連帯感が生まれたようだ。連日、深夜まで作業が及び、その課題量の多さ、外国人参加者の時間のルーズさを指摘する声もあったが、大多数の参加者から達成感・充実感と共に「若者の組織化など、各国共通の課題が分かった」、「これからも外国の仲間との交流を続けていきたい」、「他国の状況を知ることが出来て、有意義だった」などの肯定的な意見が多く聞かれた。アリス・チャンUNI-Apro青年・女性担当部長は、「このワークショップにおける経験は最初のステップに過ぎず、ここで見聞きし感じ学んだことを今後の活動に生かしてほしい」とまとめた。


ユニバーサルサービス維持に向けて-UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会 伊藤栄一担当部長に聞く

グローバルな金融・経済危機は、郵便・ロジスティクス部門にどのような影響を与えていますか?
経済・金融危機は、郵便・ロジスティクス部門に極めて大きな影響を与えています。生産が落ち、消費が減退すれば、モノを運ぶ必要も無いからです。事実航空宅配各社は軒並み財務目標の修正や事業拡大計画の縮小を行っています。IATAによれば、昨年11月世界の航空貨物の輸送量は13.5%の減少を記録したとのことです。最近しばしば「危機は、危険と機会という2つの単語からなっている」と語られます。経済・金融危機は、「翌日配達航空配送サービスに特化した企業よりも、安価で確実な配送サービスが得意な企業(例えば、郵便局)にはプラスに働く」と言われています。郵便事業から進化した多国籍ロジスティクス企業であるTNTにせよ、DHLにせよ、伝統的な郵便事業部門を強化する方向に動いています。郵便物数は各国で減少しており、この傾向は必然のように言われますが、ドイツポストの取り扱い郵便物数は増大しています。私たちは、「常識」に惑わされず、各国の状況を良く把握し、ベストプラクティスを集め、政策に生かしていく必要があります。

2008年を振り返り、UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会はどのような成果を上げましたか?
第1に、民営化・規制緩和に対する取り組みです。競争の導入とユニバーサルサービスは、どこの国でも再調整が課題となっており、労働組合はチャレンジに直面しています。私たちは、各国の状況を定期的に発信し、各国における規制議論に組合が有効に対応できるように支援してきました。第2に、組織化です。2007年UNI郵便部会大会は、郵便・ロジスティクス部会と名称変更し、民間急送便・ロジスティクス企業の労組も受け入れることとしましたが、民間急送便・ロジスティクス企業はほとんど組織されていないのが実態です。UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会は、この分野で最も活動的に組織化を進めています。勿論、伝統的な郵便部門の組織化にも力を入れています。韓国、ベトナムで、郵政事業の上級職員労組が結成されました。しかしアジア太平洋地域には、まだまだ郵便労組が無い国が多いことも事実です。少なくともAPPU加盟国には郵便労組がある状況を作りたいと考えています。第3に、UPU、APPUとの連携強化です。昨年はUPU大会議が開催され、ジェニングスUNI書記長がハイレベル会議でパネラーとして参加しました。APPUとの連携も継続しています。小地域における連携の強化も進めています。

2009年の活動計画を教えてください。
UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会が、パワフルな存在、影響力を持った国際労働組合組織として登場するには、少なくとも各国に郵便・ロジスティクス労組が存在し、良くネットワークされる必要があります。現在UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会の勢力は、39組合、61万7000人です。現在各国で組織化の努力が進められています。組織拡大が最大課題です。その上でグローバルな政策力、グローバルな代表制を高めて行かねばなりません。UNIは、今年中に自由化について調査し、政策をまとめ、国際機関の場で発表し、ユニバーサルサービスを守る国際世論を高めることとしています。今年7月にはUNI-Apro郵便・ロジスティクス部会大会が開催されます。ここでは民営化をテーマとした討論を行います。金融・経済危機の中、イデオロギー的な民営化論者の影響力は低下しましたが、将来の発展のための投資資金が不足していることは、特に途上国の多くの郵政事業が抱える問題です。その点で郵政改革は、必ずすべての国でテーマとなります。アジア太平洋地域の組合のリーダーたちは、このチャレンジに備え、政策力を向上させる必要があります。その点でJP労組の経験が大いに役に立ちます。

日本の郵便・ロジスティクス部会加盟組合へメッセージをお願いします。
山口JP労組委員長は、UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会の議長、UNIの副会長を務めております。世界の郵便労組を概観すると、JP労組は米国、英国、ドイツ、中国に次いで5番目に大きな組合となります。是非組合員の皆様にもこのグローバルなポジショニングを理解いただき、これまで以上に国際活動の強化を図って頂きたいと思います。特にアジア太平洋地域の郵便労組の強化は、必ず日本の郵便労組の国際的なポジションを強化します。今後とも、UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会をリードして頂きたいと思います。


日本の加盟組合のリーダーシップに期待-UNI-Aproテレコム部会 クン・ワルダナ・アビョト担当部長に聞く

グローバルな金融・経済危機は、テレコム部門にどのような影響を与えていますか?
米国AT&Tで人員削減が報じられるなど影響が出ています。UNI欧州は、金融・経済危機に対し、グローバルな規制強化を呼びかける13ポイントの決議を出していますが、我々もこれを支持します。アジア太平洋地域のテレコム部門に限れば、現在のところ大きなインパクトは感じられません。しかし今後アウトソーシングなど、組合員数に対するインパクトが表面化してくるでしょう。コアビジネスまでアウトソースすることは受け入れられません。レイオフに対する保護の仕組みを作る必要もあります。グローバル金融・経済危機は4年以上続くと言う学者もいます。米国や欧州の動向を観察しつつ、対応を準備していく必要があります。

2008年を振り返り、UNI-Aproテレコム部会はどのような成果を上げましたか?
第1に、テレコムの規制に対する取り組みは、グローバルに共通するテーマです。テレコムと放送の融合、携帯による支払いなど金融との融合というコンバージェンスの枠組み、機能的分離への対応、ユニバーサルサービスなど、どこの国でも枠組みの変化が課題となっており、労働組合はチャレンジに直面しています。私たちは、定期的で緊密な情報交換を行い、各国における規制議論に組合が有効に対応できるように支援してきました。
第2に、組織化です。既存の「レガシー」と言われる分野で組合員が減少する一方、携帯、専門職・監督職、アウトソーシング企業などにおける労働者の増大に対応し、私たちはテレコム労組が新たな領域で組織化を行うように働きかけ、成果を上げてきました。ASEANでは2国間交流で助け合っています。フィリピンでは携帯会社のスマートやグローブをカバーするCWU(通信労組)が形成されました。タイでは、TRUEに働きかけを行っていますが、さらにノルウェーの傘下にあるDTAGも組織したいと考えています。
第3に、小地域における連携の強化と、政治的な存在感の拡大です。地域統合の枠組みに対応し、ATUC(ASEANテレコム労組協議会)、SATUC(南アジアテレコム労組協議会)を結成し、ASEAN、SAARCに対話のパートナーとして認知されることを目指しています。フィジーでUNI加盟協が結成されたこともあり、オセアニアではネットワーク化を図りたいと考えています。東アジアテレコム労組フォーラムは定期に開催されており、UNI-Aproテレコム部会をリードしています。個人的な意見ですが、3カ国プラス1オブザーバーから、モンゴル、中央アジアなども含める形に発展できればより良いと考えています。

2009年の課題をお聞かせください。
今述べた規制、組織化、小地域の連携と地域経済統合に対する対応は、継続的な課題であり、当然のことながら今年も重点課題となります。さらに今年は、グローバル枠組み協定(GFA)締結に力を入れたいと考えています。UNIは、2010年長崎世界大会までに50のGFA締結を目標としています。UNI-Aproテレコム部会としてもこの課題に応え、対応を強化します。テレコム・マレーシアなど可能性はあります。ヴァーチャル・テレコム労組アライアンスで青年と女性の参加を促進していますが、この分野も発展させたいと考えています。

日本のテレコム部会加盟組合へメッセージをお願いします。
加藤UNI-Aproテレコム部会議長(NTT労組委員長)にはいつも感謝しています。NTT労組のイニシャティブによる多くの活動が、UNI-Aproテレコム部会の活動の基礎を作っています。又KDDI労組、情報労連の組織化の取り組みにも敬意を表します。日本は、テレコム産業という技術面で最も発展しているばかりではなく、組合も多くの経験を積み、各国の労組は多くを学ぶことが出来ます。日本で起こったことは他の国でも起こります。今後ともUNI-Aproテレコム部会における日本の加盟組合のリーダーシップを期待します。今年7月UNI-Aproテレコム部会大会がジャカルタで開催されます。ぜひ皆様とともに、UNI-Aproテレコム部会の将来を討論し、有意義な結論を得たいと考えています。そして2010年長崎では、アジア太平洋地域のテレコム労組の強さを示したいと思っています。

クン・ワルダナ・アビョト―インドネシア出身。2005年5月、UNI-Aproテレコム部会担当部長に就任。バンドン工科大学博士課程修了。東京大学への留学経験もある。1995年から2004年までPTインドサット社に勤務、UNI-Apro青年委員会の議長を務めた。


4月P&MSフォーラムの成功を-UNI-Apro専門職・監督職委員会 ジャヤスリ・プリヤラル担当部長に聞く

P&MS委員会の、2009年のビジョンをお聞かせください。
2008年3月に、オーストラリア・メルボルンで、UNI-Apro専門職・監督職大会が開催され、地域における活動計画が確認されました。専門職・監督職委員会のビジョンは、専門職及び監督職に就く労働者が、労働組合を通じて「ディーセントワーク」を達成することができるよう支援することです。専門職・監督職も他の労働者と同様、組合に加入し、団体交渉を行う権利を享受すべきです。そのためには、組合自体が彼らのところに行き、組合加入を勧めなければなりません。
組合の中には、特に監督職は経営側の人なので組合に加入させることは不利になると考えている場合もあります。しかし、それは誤解です。監督職と呼ばれる人々の多くは、一般の従業員の利益に反した行動をとる権限を持っているわけではありません。実際、労働組合には専門職・監督職の組合員が必要だし、彼らも組合を必要としています。

日本のP&MSメンバーにメッセージをお願いします。
2009年4月に東京で、NTT労組の連帯支援をいただき、「アジア太平洋地域の専門職・監督職にとっての革新的な労働組合」をテーマに、フォーラムが開催されます。そこで、UNI-Apro加盟組織が専門職・監督職組合員を勧誘・組織化し、維持していくためのガイドラインの策定について話し合う予定です。ディーセントワークの確保や、ワークライフバランスの実現、定年後の生活等に関心のある日本の専門職、監督職の皆さんにはぜひ、海外の事例も共有できるこのフォーラムに参加していただければと思います。


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