インドネシア・テレコム労組セミナー(2009年2月6~7日、インドネシア・バンドン)

はじめに
UNI-Aproテレコム部会は、NTT労組の支援の下、セカテルコム(PT Telkom労働組合)セミナー(2月6日)、ASPEKテレコムリーダーズセミナー(2月7日)(※)をインドネシア・バンドンで開催した。日本からはNTT労組・加藤委員長(UNI-Aproテレコム議長)、宇田中央執行委員、木村国際担当が参加。また、クンUNI-Aproテレコム部会担当部長、シャフィーUNIマレーシア加盟協議長らが参加した。
※ASPEK:1999年設立の産別労組。商業、金融、郵便、テレコムなど主にサービス部門に働く労働者を組織

セカテルコム向け「労使協調」セミナー(2月6日)
セカテルコム向けセミナーは、セカテルコムの本拠地であるバンドンの電気通信訓練センター(TTC)にて開催された。バンドンは、首都ジャカルタから約200キロ東南に離れた学術都市で、公務系の企業・労組が多く集まっており、PT Telkomもそのひとつ。グローバル時代における良好な労使関係構築の必要性について、特に企業の業績向上と従業員福祉向上に向けて労働組合は何ができるか、とのテーマで実施された。
セカテルコムは、近年、技術革新に伴う人員削減問題や、株式放出への対応など、様々な課題に直面している。そのため、海外労組の経験や国際動向への関心が高い。参加者は熱心に講義へ耳を傾けていた。加藤議長は、NTTの労使関係や交渉について紹介。とりわけ、「団体交渉はもとより日常的な対話が大切であり、それは良好な労使関係に基づくもの」と説明し、「企業の価値を高め、健全な発展を促進し、雇用を守ろう」と訴えた。
宇田NTT労組中央執行委員は、組合員の福利厚生制度について紹介、共済・保険サービスなどの実例を紹介した。
また、シャフィーUNIマレーシア加盟協議長は「テレコムマレーシアとの交渉の歴史と現状」、クンUNI-Aproテレコム部会担当部長は「UNI-Aproの社会的パートナーシップの取り組み」について、それぞれ報告した。

セカテルコム
セカテルコムとは、既存通信事業者PT Telkomの労働組合で、組合員数は約30,000人。インドネシアの電気通信産業は、2000年の電気通信法改正により通信市場の独占は撤廃し競争が導入されたが、PT Telkomは未だに高いシェアを誇る。一方で、技術革新や規制の変化などにより、会社が人員削減を検討するなど、従業員は雇用不安を募らせている。そうした状況の下、2008年春、セカテルコムは役員選挙を実施、新執行部体制をスタートさせた。ワルトノ・セカテルコム議長によれば、「現在、ASPEKおよびUNI加盟の可能性も視野に入れて、今後の活動の方向性を検討している」とのこと。

ASPEKテレコムリーダーズセミナー(2月7日)
ASPEKテレコム部会には、固定・携帯含め、5つの企業別労組が加盟している。今セミナーには、交渉のため参加できなかったエクセルコミンド労組を除く4労組の幹部ら約30名が参集した(インドサット労組、テレコムセル労組、リンタスアルタ労組、モトローラ労組)。セミナーでは、技術変革が激しい通信産業において、組合員の雇用を守り、労働組合が強化・発展するための方法等について議論した。
加藤議長は日本の通信産業の状況を報告。NGN(次世代ネットワーク)の特性や、通信と放送の融合や新サービスについて説明し、関心を集めた。
スギアルトASPEKテレコム部会議長は、「インドネシアのテレコム労働者が直面している問題を把握し、解決していきたい。そのためには、国際的な取り組みやアイデアを得る必要があるし、自分達も関与していきたい。その意味でも、今回のセミナーは非常に意義のあるものだ」と抱負を述べた。

インドネシアテレコム労組への期待
インドネシアの人口は約2億3千万人、世界第4位を誇る。固定電話の普及率は28%、携帯電話普及率は6.6%であり、今後も成長が見込まれることから、多くの外国資本が参入している。テレコム産業が持続的に成長し、労働者が短期的な利益の犠牲になることのないよう、インドネシアのテレコム労組が果たすべき役割は大きい。UNI、そして、日本のテレコム労組は、インドネシアのテレコム労組の自立を目標にした、国際的な連帯と技術支援の供与を検討すべきであろう。
統計資料:ITU(2006年)
(NTT労組 国際担当 木村富美子)


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